JP2005042641A - 連続可変動弁機構の給油構造 - Google Patents

連続可変動弁機構の給油構造 Download PDF

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裕二 吉原
Masaaki Tani
昌章 谷
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Abstract

【課題】 車両整備時などのエンジン停止時にも連続可変動弁機構のラッシュアジャスタに圧油を供給することが可能な連続可変動弁機構の給油構造の提供。
【解決手段】 (1)アームアッシ13とスライダー12との相対位置を変化させることによってバルブリフト量を変化させるようにした内燃機関の可変動弁機構10における給油構造であって、ラッシュアジャスタ22にオイル供給可能な経路28に、エンジンに常設されたオイル供給手段とは別のオイル供給手段からオイルの供給が可能なオイル供給口29を設けた連続可変動弁機構10の給油構造。(2)オイル供給口29がラッシュアジャスタ22より高い位置に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の連続可変動弁機構の給油構造に関する。
特開2001−263015号公報は、アームアッシとコントロールシャフトとの相対位置を変化させることによってバルブリフト量を変化させるようにした内燃機関の可変動弁機構を開示している。したがって、アームアッシをコントロールシャフトに組付ける場合、アームアッシとカムキャリアまたはシリンダヘッドとの間のシムで調整して、各気筒に対してアームアッシとコントロールシャフトとの位置関係を調整し、気筒間でのバルブリフトのリフト、作用角のばらつきを調整している。アームアッシはバルブ打部で、一端でラッシュアジャスタの頭部を支点として揺動するロッカアームの、ローラを押し、ロッカアームの他端でバルブをリフトさせるので、バルブリフト、作用角調整においては、ラッシュアジャスタは圧油が供給されてラッシュアジャスタ頭部が正規の位置に位置していなければならない。
しかし、車両整備時などのエンジン停止時には、オイルがオイルパンに抜けた状態で、ラッシュアジャスタに圧油が供給されずラッシュアジャスタの頭部が正規の位置(該頭部を揺動の支点としてロッカアームが揺動した時に、ロッカアームのローラとアームアッシのバルブ打部とが接触するようなラッシュアジャスタの頭部位置)から下がった状態にあり、ロッカアームの位置が定まらないため、アームアッシのコントロールシャフトに対する位置調整が困難である。
特開2001−263015号公報
本発明が解決しようとする課題は、車両整備時などのエンジン停止時には、ラッシュアジャスタへ圧油が供給されないことにより、連続可変動弁機構のラッシュアジャスタ頭部の位置を正規の位置に維持することができず、そのためアームアッシのコントロールシャフトに対する位置調整を行うことが困難であるという問題である。
本発明の目的は、車両整備時などのエンジン停止時にも連続可変動弁機構のラッシュアジャスタに圧油を供給することが可能な連続可変動弁機構の給油構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) アームアッシとコントロールシャフトとの相対位置を変化させることによってバルブリフト量を変化させるようにした内燃機関の可変動弁機構における給油構造であって、ラッシュアジャスタにオイル供給可能な経路に、エンジンに常設されたオイル供給手段とは別のオイル供給手段からオイルの供給が可能なオイル供給口を設けた連続可変動弁機構の給油構造。
(2) 前記オイル供給口が前記ラッシュアジャスタより高い位置に設けられている(1)の連続可変動弁機構の給油構造。
上記(1)の連続可変動弁機構の給油構造では、ラッシュアジャスタにオイル供給可能な経路に、エンジンに常設されたオイル供給手段とは別のオイル供給手段からオイルの供給が可能なオイル供給口を設けたので、車両整備時などのエンジン停止時にも、オイル供給口から、連続可変動弁機構のラッシュアジャスタに圧油を供給することが可能であり、ラッシュアジャスタの頭部を正規の位置に維持でき、アームアッシの位置調整が可能となる。
上記(2)の連続可変動弁機構の給油構造では、オイル供給口がラッシュアジャスタより高い位置に設けられているので、エンジン停止時にもオイル供給口からラッシュアジャスタまでのオイルがオイルパンに流下しないで保持されており、オイル供給口からのオイル供給時に、ラッシュアジャスタへのエアの巻き込みを防止することができ、ラッシュアジャスタ頭部を正規の位置に維持できる。
以下に、本発明の連続可変動弁機構の給油構造を、図1〜図8を参照して、説明する。
本発明の給油構造が適用される内燃機関の連続可変動弁機構10は、バルブリフトを連続的に(無段階に)変えることができる連続可変動弁機構である。
連続可変動弁機構10は、図3〜図8に示すように、軸方向に駆動されるコントロールシャフト11と、コントロールシャフト11に連動して軸方向に駆動されるスライダー12と、互いに相対回転可能なカム被打部(センタアーム)14とバルブ打部(両端アーム)15を有するアームアッシ13と、スライダー12とカム被打部14間に設けられた捩じりスプラインからなる第1のスプライン16、およびスライダー12とバルブ打部15間に設けられ第1のスプラインと逆方向に捩じられた捩じりスプラインからなる第2のスプライン17と、を備えている。第1のスプライン16は、スライダー12側に形成されたスライダースプライン16aと、カム被打部14に形成されたアームスプライン16bとからなる。第2のスプライン17は、スライダー12側に形成されたスライダースプライン17aと、バルブ打部15に形成されたアームスプライン17bとからなる。
シリンダヘッド25の上にカムキャリア26が載置されて固定されており、アームアッシ13はシリンダヘッド25の各気筒対応部である各カムキャリア26(のカムジャーナル壁部)間に配置されている。カムキャリア26がシリンダヘッド上に載置されない場合はアームアッシ13はシリンダヘッド25の各気筒対応部に配置され、そのような場合も本発明は含む。スライダー12はアームアッシ13内に配置されている。コントロールシャフト11は全カムキャリア26間部にわたって延びている。
可変動弁機構10において、アームアッシ13とコントロールシャフト11との位置を変えることによってバルブリフト量、バルブ作用角を変える。すなわち、コントロールシャフト11をアクチュエータ18によって軸方向に駆動し、それに連動してスライダー12を軸方向に駆動し、スライダー12の軸方向動きによってアームアッシ13のカム被打部14とバルブ打部15との相対角度θを変え、バルブリフト量、バルブ作用角を変える。
カム19のカムノーズがアームアッシ13のカム被打部14を叩いてアームアッシ13を揺動させ、アームアッシ13のバルブ打部15が揺動してロッカアーム20のローラ21を押し、ロッカアーム20をラッシュアジャスタ22の頭部22aである揺動支点まわりに揺動させ、ロッカアーム20の、揺動支点と反対側の先端部でバルブ23をバルブスプリング24の付勢に抗して押してリフトさせ、バルブ23を開閉させる。スライダー12が軸方向に動いた時に、捩じりスプライン16、17によってカム被打部14とバルブ打部15とが互いに逆回転するので、カム被打部14とバルブ打部15との相対角度θが、機械的に連続的に変わり、バルブリフト量も連続的に変わる。
各カムキャリア26間部において、アームアッシ13は、その両側のカムキャリア26からシム27(図8)を介して、シリンダヘッド長手方向にコントロールシャフト11およびスライダー12に対して、位置調整され、各アームアッシ13は、バルブリフト作用角が各気筒間でばらつかないように、位置調整される。
アームアッシ13の位置調整においては、ラッシュアジャスタ22に圧油が供給されてラッシュアジャスタ22の頭部22aが正規の位置(該頭部22aを揺動の支点としてロッカアームが揺動した時に、ロッカアームのローラとアームアッシのバルブ打部とが接触するようなラッシュアジャスタ頭部位置)に維持されなければならない。
シリンダブロックに形成したシリンダブロック長手方向に延びるメインオイル通路からラッシュアジャスタ22へのオイル供給経路28は、たとえば、シリンダヘッド25、カムキャリア26に形成された、メインギャラリから立ち上がってカムジャーナルに至るオイル通路28a、カムジャーナル部の円弧状オイル通路28b、カムジャーナル部の円弧状オイル通路28bから下方に傾斜するオイル通路28c、オイル通路28cに接続しエンジン長手方向に延びラッシャアジャスタ装着穴に開口するオイル通路28d、からなる。
エンジン組立工場におけるバルブアッシ13の位置調整では、エンジンを運転して、エンジンに常設のオイル供給手段(エンジンのオイルポンプ)から、オイル供給経路28を通して、ラッシュアジャスタ22に圧油を供給することが可能である。したがって、ラッシュアジャスタ22の頭部22aを正規の位置に維持でき、アームアッシ13をコントロールシャフト11、スライダー12に対してエンジン長手方向に位置調整できる。この状態では、ロッカアーム20のローラ21はアームアッシ13のバルブ打部15に接触しており、ロッカアーム20が上下方向にがたつかないで位置が安定し、アームアッシ13を位置調整することが可能である。
しかし、車両出荷後の車両整備時(サービス時)などのバルブアッシ13の位置調整は、エンジンが停止した状態で行われるので、従来構造(オイル供給口29の無い構造)では、バルブアッシ13に圧油を供給することができない。すなわち、エンジン停止時には、ラッシュアジャスタ22へのオイル供給経路28のうち、とくにメインギャラリから立ち上がってカムジャーナルに至るオイル通路28a部分のオイルは自重でオイルパンに流下して抜けて、エアが入っており、ラッシュアジャスタ22の頭部22aが正規位置から下がった状態にある。そのため、ロッカアーム20の揺動の支点側の端部が下がり、ロッカアーム20のローラ21とアームアッシ13のバルブ打部15との間に隙間が生じて、アームアッシ13の、コントロールシャフト11、スライダー12に対する軸方向位置調整、およびバルブリフト、バルブ作用角調整をすることが困難である。
このエンジン停止時におけるオイル供給経路28からのオイル抜けによって、アームアッシ13の位置調整を行うことが困難になるという問題を解決するために、本発明の連続可変動弁機構の給油構造では、ラッシュアジャスタ22にオイル供給可能な経路28(上記の、エンジンに設けられた、オイル供給経路28)に、エンジンに常設されたオイル供給手段(オイルポンプ)とは別のオイル供給手段(たとえば、サービスステーションのオイル(圧油)供給源)からオイルの供給が可能なオイル供給口29が設けられている。
エンジンの通常運転時には、オイル供給口29は栓30にて閉塞されており、サービス時の、エンジン停止時におけるアームアッシ13位置調整時に、栓30が外されてオイル供給口29が開けられ、オイル供給口29にオイル供給源からのオイル供給ホースが接続され、オイル(たとえば、圧油)が供給される。
オイル供給口29は、ラッシュアジャスタ22より高い位置に設けられている。図1の例では、オイル供給口29がカムジャーナルの頂部に接続するように設けられており、カムキャリア26に固定されるカムキャップ31に設けられている。オイル供給経路28は、メインオイル通路から分岐して立ち上がりカムジャーナルの頂部で反転して下がり、オイル通路28dへと接続しているが、オイル供給口29はオイル供給経路28の頂部またはその近傍に接続している。
図1の例では、連続可変動弁機構はインテーク側に設けられており、設置のスペースが容易にとれるために、オイル供給口29は、エキゾースト側のカムシャフトの一つのカムジャーナル部の頂部に設けられている。オイル供給口29からのオイル経路は、エキゾースト側のカムシャフトのカムジャーナル部28bから、カムキャリア26の壁中を下方に延びるオイル通路28cを介して、インテーク側のラッシュアジャスタ22のシリンダブロック長手方向に延びるオイル通路28dへと接続し、オイル通路28dを介してインテーク側の各ラッシャアジャスタ22に接続している。ただし、設置のスペースが容易にとれれば、オイル供給口29は、インテーク側のカムシャフトのカムジャーナル部の頂部に設けられてもよい。
つぎに、本発明の作用を説明する。
本発明の連続可変動弁機構の給油構造では、ラッシュアジャスタ22にオイル供給可能な経路28に、エンジンに常設されたオイル供給手段とは別のオイル供給手段からオイルの供給が可能なオイル供給口29を設けたので、車両整備時などのエンジン停止時にも、オイル供給口29から、連続可変動弁機構のラッシュアジャスタ22に圧油を供給することが可能である。そのため、ラッシュアジャスタ22の頭部22aを正規の位置に維持でき、アームアッシ13とロッカアーム20間にがたが無い状態で、アームアッシ13の、コントロールシャフト11、スライダー12に対する軸方向位置調整をすることが可能となる。そして、ラッシュアジャスタ22の頭部22aを正規の位置に維持した状態で、各気筒間でのバルブ作用角のばらつきがないように、アームアッシ13横のシム27にて、アームアッシ13位置を調整する。
また、オイル供給口29がラッシュアジャスタ22より高い位置に設けられているので、エンジン停止時にオイルが抜けるのはオイル供給経路28のうちメインオイル通路からカムジャーナルまで立ち上がるオイル通路28aだけであり、エンジン停止時にもオイル供給口29からラッシュアジャスタ22までのオイル通路28b、28c28dにはオイルがオイルパンに流下しないで保持されている。そのため、オイル供給口29からのオイル供給時に、ラッシュアジャスタ22にエアが巻き込まれることを防止することができ、ラッシュアジャスタ頭部22aを正規の位置に維持することができる。
本発明は、内燃機関の連続可変動弁機構10における、エンジン停止時の、ラッシュアジャスタ22へのオイル供給に利用することができ、それによって、サービス時などのエンジン停止時においてもアームアッシ13の、コントロールシャフト11、スライダー12に対する軸方向位置調整を可能にする。
本発明の連続可変動弁機構の給油構造の、オイル供給経路の一部の断面図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構の概略正面図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構の平面図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構のコントロールシャフト、アームアッシの外観の斜視図である。 図4の機構の一部を破断して示した斜視図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構のうちカム被打部の斜視図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構のうちバルブ打部の斜視図である。 本発明の給油構造が適用される連続可変動弁機構のアームアッシと、カムキャリア、シムの概略断面図である。
符号の説明
10 連続可変動弁機構
11 コントロールシャフト
12 スライダー
13 アームアッシ
14 カム被打部
15 バルブ打部
16 第1のスプライン
16a スライダースプライン
16b アームスプライン
17 第2のスプライン
17a スライダースプライン
17b アームスプライン
18 アクチュエータ
19 カム
20 ロッカアーム
21 ローラ
22 ラッシュアジャスタ
22a ラッシュアジャスタの頭部
23 バルブ
24 バルブスプリング
25 シリンダヘッド
26 カムキャリア
27 シム
28 オイル供給経路
28a〜28d オイル通路
29 オイル供給口
30 栓
31 カムキャップ

Claims (2)

  1. アームアッシとコントロールシャフトとの相対位置を変化させることによってバルブリフト量を変化させるようにした内燃機関の可変動弁機構における給油構造であって、ラッシュアジャスタにオイル供給可能な経路に、エンジンに常設されたオイル供給手段とは別のオイル供給手段からオイルの供給が可能なオイル供給口を設けた連続可変動弁機構の給油構造。
  2. 前記オイル供給口が前記ラッシュアジャスタより高い位置に設けられている請求項1の連続可変動弁機構の給油構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100747164B1 (ko) 2006-03-09 2007-08-07 현대자동차주식회사 엔진의 오일공급 시스템
CN102705037A (zh) * 2011-03-28 2012-10-03 北汽福田汽车股份有限公司 液压挺柱供油机构

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