JP2005042138A - 冷却液組成物 - Google Patents

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充 大澤
Yoshiyuki Morita
善幸 森田
Takashi Nagashima
隆 長島
Yasuaki Mori
泰昭 森
Hidemi Sumi
英美 角
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Abstract

【課題】冷却系統に使用されているアルミニウム系金属が冷却液中において黒く変色するのを防止することができる冷却液組成物を提供すること。
【解決手段】リン酸塩およびケイ酸塩の不存在の冷却液組成物において、
グリコール類を主成分とし、0.1〜10重量%のカルボン酸類と、希釈された冷却液中における初期pH値を6〜7とする量のpH調整剤とを含有していることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の内燃機関の冷却系統に使用されているアルミニウムまたはアルミニウム合金が冷却液中において黒く変色するのを防止することができる冷却液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン等の内燃機関の冷却系統には、アルミニウム、アルミニウム合金、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅などの金属が使用されている。これらの金属は、水あるいは空気との接触により腐食を生じる。これら冷却系統における金属、特に鉄、アルミニウムの腐食を防止するため、リン酸塩やケイ酸塩といった腐食防止剤を含む冷却液組成物が提案されている。
【0003】
ところが、これらの腐食防止剤にあっては、以下の如き欠点を有していた。すなわちリン酸塩は、これが河川等に流入すると、富栄養化を引き起こし、水中のBOD、CODが上昇して藻類が繁殖し、この結果、赤潮やスライムが発生するという問題があった。
【0004】
またリン酸塩は、冷却液中に含まれる硬水成分と反応して沈殿を生じ、これにより冷却液の腐食防止機能が低下し、さらには沈殿物が堆積して冷却系統の循環路が閉塞してしまうという事態を引き起こしていた。
【0005】
一方、ケイ酸塩は、冷却液中での安定性に劣り、熱やpHが変化した場合や他の塩類が共存する場合には、容易にゲル化してしまい、腐食防止機能が低下するという不具合があった。
【0006】
そこで、上記不具合を有するリン酸塩やケイ酸塩に代わる金属の腐食防止剤として炭化水素カルボン酸などのカルボン酸類を含ませた冷却液組成物が提案されていた。
【0007】
このような冷却液組成物としては、例えばグリコール類を主成分とし、1)C7−9脂肪族モノカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩,またはC9−12脂肪族ジカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩を1〜7重量%と、2−メルカプトベンゾチアゾールもしくはそのアルカリ金属塩を0.01〜1重量%とを含み、2)アミン塩,リン酸塩,ホウ酸塩,亜硝酸塩,およびケイ酸塩を含まないことを特徴とするものがある(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−46134号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この冷却液組成物にあっては、当該組成物を希釈した冷却液中においてアルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、単にアルミニウム系金属という)が黒変を生じるという不具合があった。
【0010】
アルミニウム系金属表面の黒変は、リン酸塩およびケイ酸塩が存在せず、カルボン酸類が存在する冷却液中において、カルボン酸類が酸化剤として働いてアルミニウム系金属表面に黒色を呈する酸化アルミの皮膜を形成することにより生じ、この黒色を呈する酸化アルミの皮膜は、流水下においてアルミニウム系金属の表面から剥がれ落ち、冷却系統の循環路に堆積し、冷却系統の閉塞を引き起こす恐れがあった。
【0011】
本発明者は、このような事情から、アルミニウム系金属の黒変防止について鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム系金属の黒変現象には、冷却系統内を循環する冷却液におけるpH値が深い関係があることを発見し、本発明を完成させるに至ったのである。
【0012】
本発明は、冷却系統に使用されているアルミニウム系金属が冷却液中において黒く変色するのを防止することができる冷却液組成物を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、リン酸塩およびケイ酸塩の不存在の冷却液組成物において、
グリコール類を主成分とし、0.1〜10重量%のカルボン酸類と、希釈された冷却液中における初期pH値を6〜7とする量のpH調整剤とを含有していることを特徴とする冷却液組成物をその要旨とした。
【0014】
本発明の冷却液組成物は、組成物中にリン酸塩およびケイ酸塩が存在せず、かつカルボン酸類およびpH調整剤が存在しており、初期pH値が6〜7の冷却液を創り出すpH調整力を有するものである。
【0015】
本発明の冷却液組成物の主成分たるグリコール類には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等を用いることができる。その中でもエチレングリコールやプロピレングリコールは、安定性、取り扱い性、入手容易性などの点から好ましい。
【0016】
この組成物中にはカルボン酸類が含まれている。カルボン酸類としては、例えば脂肪族一塩基酸、脂肪族二塩基酸、芳香族一塩基酸、芳香族多塩基酸、あるいはそれらの塩のいずれかを挙げることができる。
【0017】
脂肪族一塩基酸としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ステアリン酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等を好ましい例として挙げることができる。
【0018】
脂肪族二塩基酸としては、ソルビン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等を好ましい例として挙げることができる。
【0019】
芳香族一塩基酸としては、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、p−プロピル安息香酸、p−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸などのアルキル安息香酸、ニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を好ましい例として挙げることができる。
【0020】
芳香族多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を好ましい例として挙げることができる。
【0021】
これらのカルボン酸類は0.1〜10重量%の割合で含まれている。カルボン酸類の含有量が0.1重量%を下回ると、冷却液中におけるカルボン酸類の量が少なくなり、金属、特には鉄、アルミニウム系金属に対し十分な防錆機能が得られなくなる。また、カルボン酸類の含有量が10重量%を上回る場合には、上回った分だけの効果が期待できず、不経済となる。
【0022】
また本発明の冷却液組成物は、初期pH値が6〜7の冷却液を創り出す量のpH調整剤を含有している。pH調整剤としては、従来より知られる水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属化合物を使用することができる。pH調整剤の含有量は、カルボン酸類が0.1〜10重量%の範囲で含む組成物を蒸留水または水道水によって30〜50%に希釈したときの冷却液の初期pH値を6〜7の範囲とする量とする。
【0023】
本発明者の実験によれば、冷却液の初期pH値を6〜7の範囲とすることで、リン酸塩およびケイ酸塩の不存在、前記カルボン酸類の存在の冷却液において、黒色の酸化アルミの皮膜の形成が抑えられることが確認された。
【0024】
本発明の組成物中には、上記成分の他に、トリアゾール類やチアゾール類、さらにはマグネシウム化合物を含ませることができる。
【0025】
トリアゾール類としては、トリルトリアゾールやベンゾトリアゾールなどが挙げられ、チアゾール類としては、ベンゾチアゾールやメルカプトベンゾチアゾールなどを挙げることができるが、これらは金属、特に銅に対して優れた腐食防止機能を有している。これらトリアゾール類やチアゾール類は、優れた腐食防止機能を維持するため、0.05〜1.0重量%の範囲で含まれるのが望ましい。
【0026】
一方、マグネシウム化合物としては、例えば水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、グルタミン酸マグネシウム、琥珀酸マグネシウム、フタル酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、塩化マグネシウム等を挙げることができる。
【0027】
マグネシウム化合物は優れた腐食防止機能を有しており、しかもケイ酸塩やリン酸塩を成分とする他の組成物が不凍液/冷却液中に混合されても、冷却系統のアルミニウム系金属の腐食を防止する機能を有している。
【0028】
このマグネシウム化合物の含有量としては、0.001〜0.5重量%の範囲が好ましく、その含有量が0.001重量%よりも少ない場合、十分な腐食防止機能が得られず、また0.5重量%を越える場合には、含有量が増した分だけの腐食防止機能が得られず不経済となる。
【0029】
なお、この組成物には、上記成分以外にさらに消泡剤、着色剤等を含有させても良いし、他の従来公知の腐食防止剤であるモリブデン酸塩、タングステン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、及びアルカリ金属塩等を使用しても良い。
【0030】
【実施例】
下記表に示す、本発明の組成物の好ましい実施例1および2並びに比較例1および2を用い、これらを調合水にて30vol%に希釈した冷却液について、金属腐食試験を行った。
【0031】
尚、金属腐食試験は、JIS K 2234−1987 2種の規定に基づいて行った。試験に供する金属には、アルミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅の試験片をそれぞれ使用した。また試験は、88℃、335時間の試験条件で行った。この結果を表2に示した。また、試験後の各冷却液中に浸けたアルミニウム鋳物の写真を図1〜図4に示した。
【0032】
【表1】
Figure 2005042138
【0033】
【表2】
Figure 2005042138
【0034】
表2並びに図1および図2から、実施例1および2の組成物を用いた冷却液については、初期pH値が6.5または7であり、アルミ鋳物の表面に黒変は見られなかった。また、これら実施例1および2の組成物を用いた冷却液にあっては、各金属に対し優れた腐食防止性を有していることが確認された。
【0035】
一方、比較例1および2の組成物を用いた冷却液については、初期pH値が7.5または8.5となり、図3およぶ図4に示すように黒変が確認された。
【0036】
【発明の効果】
本発明の冷却液組成物にあっては、グリコール類を主成分とし、0.1〜10重量%のカルボン酸類と、冷却液中における初期pH値を6〜7とする量のpH調整剤とを含有するので、リン酸塩およびケイ酸塩の不存在、カルボン酸類の存在下の冷却液であって、初期pH値が6〜7の冷却液が得られ、このため、アルミニウム系金属表面の黒変を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1に係る組成物を希釈した冷却液中に浸けたときのアルミ鋳物を外観の状態を示す写真。
【図2】図2は実施例2に係る組成物を希釈した冷却液中に浸けたときのアルミ鋳物を外観の状態を示す写真。
【図3】図3は比較例1に係る組成物を希釈した冷却液中に浸けたときのアルミ鋳物を外観の状態を示す写真。
【図4】図4は比較例2に係る組成物を希釈した冷却液中に浸けたときのアルミ鋳物を外観の状態を示す写真。

Claims (5)

  1. リン酸塩およびケイ酸塩の不存在の冷却液組成物において、
    グリコール類を主成分とし、0.1〜10重量%のカルボン酸類と、希釈された冷却液中における初期pH値を6〜7とする量のpH調整剤とを含有していることを特徴とする冷却液組成物。
  2. カルボン酸類が、脂肪族一塩基酸、脂肪族二塩基酸、芳香族一塩基酸、芳香族多塩基酸、あるいはそれらの塩のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の冷却液組成物。
  3. トリアゾール類をさらに含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の冷却液組成物。
  4. チアゾール類をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷却液組成物。
  5. マグネシウム化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷却液組成物。
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