JP2005042103A - 発泡部材、給紙搬送用ロール及び紙葉類分離用ロール - Google Patents

発泡部材、給紙搬送用ロール及び紙葉類分離用ロール Download PDF

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Abstract

【課題】 鳴きを防止することができる発泡部材、給紙搬送用ロール及び紙葉類分離用ロールを提供する。
【解決手段】 発泡ポリウレタンからなる発泡部材において、ポリテトラメチレン・エーテルグリコール及び分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオールから選択され且つ数平均分子量が1000〜4000のポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、短鎖ジオールと3官能以上で数平均分子量が500〜5000の3官能ポリオールとからなる架橋剤存在下で反応させてなる、発泡密度(注型重量[g]/注型金型の容積[cm])が0.3〜0.9[g/cm]である発泡性反応硬化物からなり、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minを、1.00〜1.40の範囲とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発泡ポリウレタンからなる発泡部材に関し、特に、複写機、ファクシミリ、各種プリンター等の各種OA機器等の各種給紙、搬送を行う給紙搬送用ロール、及び紙葉類分離用ロールに関する。
従来、各種OA機器の給紙・搬送用のロールは、搬送力が大きく、耐摩耗性に優れることが求められていたが、近年、給紙時の紙等との摩擦による振動により、いわゆる鳴き現象が生じるという点が問題視されている。
例えば、給紙部の重層防止に用いられる分離ロールには、その耐磨耗性、原稿非汚染性の点から、一般的には発泡ポリウレタンが用いられるが、紙さばき後、例えば、給紙ベルトと分離ロールとがつれまわりする際にブブブ、キューという鳴きが発生する。
従来、鳴き対策として、種々の検討がなされている。例えば、本出願人は、OA機器の給紙部に用いられる紙葉類分離ゴム部材において、エステル濃度が2〜8mmol/gの範囲にあり且つ数平均分子量500〜5000のポリエステルポリオールを用いて得られるポリウレタンからなるゴム弾性体からなる紙葉類分離ゴム部材を提案している(特許文献1参照)。
この技術はエステル濃度と反発弾性の温度依存性により鳴きを抑えているが、高硬度(JIS A50°以上)の場合にのみ有効である。
また、本出願人は、低硬度化を図りつつ耐久性に優れ、紙粉の影響を受けず安定した摩擦係数を維持することができ、且つ鳴きが発生しない給紙搬送用ロールを提案している(特許文献2参照)。しかしながら、未だ十分な対策品は出現していない。
特開2002−275233号公報 特開2003−165635号公報
本発明はこのような事情に鑑み、鳴きを防止することができる発泡部材、給紙搬送用ロール及び紙葉類分離用ロールを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有する発泡ウレタンであって、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minが、1.00〜1.40の範囲にある発泡部材は、鳴きに対してきわめて有効であるという新たな知見を得て、本発明を完成させた。
かかる本発明の第1の態様は、発泡ポリウレタンからなる発泡部材において、ポリテトラメチレン・エーテルグリコール及び分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオールから選択され且つ数平均分子量が1000〜4000のポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、短鎖ジオールと3官能以上で数平均分子量が500〜5000の3官能ポリオールとからなる架橋剤存在下で反応させてなる、発泡密度(注型重量[g]/注型金型の容積[cm])が0.3〜0.9[g/cm]である発泡性反応硬化物からなり、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minが、1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記Max/Minが、1.00〜1.20の範囲にあることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第3の態様は、第1または2の態様において、前記架橋剤中の前記3官能ポリオールの割合が、5〜40モル%の範囲にあることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ポリイソシアネート化合物が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記短鎖ジオールの数平均分子量が80〜160であることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記ポリオールが、ブタジエン系ポリオール及びイソプレン系ポリオールから選択されることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第7の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記ポリオールが、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸との脱水縮合により得られたポリオールであることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記3官能ポリオールが、分子中にエーテル基及びエステル基の両方を有するものであることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第9の態様は、第7又は8の態様において、前記3官能ポリオールの分子量が、1800〜5000の範囲にあることを特徴とする発泡部材にある。
本発明の第10の態様は、第1〜9の何れかの態様の発泡部材からなることを特徴とする給紙搬送用ロールにある。
本発明の第11の態様は、第1〜9の何れかの態様の発泡部材からなることを特徴とする紙葉類分離用ロールにある。
ここで、本発明の発泡部材は、従来から知られている発泡ポリウレタンのうち、ポリテトラメチレン・エーテルグリコール及び分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオール(以下、ジエン系ポリオールと呼称することがある)から選択され且つ数平均分子量が1000〜4000のポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを用い、架橋剤として、3官能以上で数平均分子量が500〜5000の3官能ポリオールと、数平均分子量が80〜160の短鎖ジオールとを用いたものである。
本発明で用いられる所定のポリオールは、ポリテトラメチレン・エーテルグリコール(PTMG)で数平均分子量が1000〜4000の他、分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオールから選択され且つ数平均分子量が1000〜4000のポリオールである。
ここで、分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオールとしては、ブタジエン系ポリオールやイソプレン系ポリオールが挙げられる。
また、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸との脱水縮合により得られたポリオールを挙げることができる。
一方、ポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができる。特に、性能およびコスト面で好適なものはMDIである。
ここで、架橋剤として用いられる3官能以上で数平均分子量が500〜5000の3官能ポリオールとしては、エーテル系、エステル系等のポリオールを挙げることができる。
しかしながら、特に、ポリオールとして、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸との脱水縮合により得られたポリオールを用いた場合には、3官能ポリオールとしては、分子中にエーテル基及びエステル基の両方を有するものであるのが好ましい。強度(耐磨耗性)と柔軟性(摩擦力)を両立できるからである。また、分子量が、1800〜5000の範囲にあるのが特に好ましい。鳴きを抑制する事ができるからである。
一方、短鎖ジオールは、数平均分子量が80〜160のものであり、例えば、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等を挙げることができる。
上述した原料を所定比率で配合後、発泡成形すればよいが、所定の添加剤を添加してもよい。例えば、発泡剤、整泡剤、老化防止剤、酸化防止剤などを添加してもよい。また、発泡は発泡剤による発泡でもよいが、整泡剤を添加して機械的に発泡させるメカニカルフロスでの発泡でもよい。
発泡部材の発泡密度(g/cm)(注型重量[g]/注型金型の容積[cm])は、0.3〜0.9[g/cm]とする必要がある。0.3より小さいとHsが低すぎて分離性能を示さず、0.9を超えるとソリッドに近く紙粉の影響を受けるからである。なお、給紙搬送用ロール、特に、リバースロールとして用いる場合には、発泡倍率0.3〜0.7(g/cm)とするのが好ましい。また、かかる発泡部材は、連続気泡でも独立気泡でもよい。
本発明の発泡部材のゴム硬度(AskerC)は、用途や製造条件に応じて適宜決定すればよいが、例えば、AskerCで40〜90°程度である。また、給紙搬送用ロール、特に、リバースロールとして用いる場合には、ゴム硬度50〜80°(AskerC)とするのが好ましい。
本発明の発泡部材は、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minが、1.00〜1.40、好ましくは、1.00〜1.20の範囲にあることを特徴とする。
ここで、Max/Minは、摩擦係数測定時、すなわち、一般的には紙、その他の材質の媒体を発泡部材に接触させた状態からロードセルなどで負荷を測定しながら引っ張って測定するが、そのときの出力の変化の最大値をMax、最小値Minとしたときの比である。出力の種類は問わず、電流であっても、電圧であってもよく、負荷を直接グラム重などで測定した場合であってもよい。
以上説明したように、本発明では、ポリオールとしてジエン系ポリオールやPTMGを用い、3官能ポリオールの数平均分子量を500〜5000として、所定の発泡密度の発泡体とし、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minを1.00〜1.40の範囲にあるようにすることにより、異音発生が防止されるという効果を奏する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(実施例1)
数平均分子量2000で且つ分子鎖両末端にOH基を有する2官能液状ポリブタジエン(POLY−BD:出光石油化学(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いて数平均分子量856の3官能ポリオール(プラクセル308:ダイセル化学工業(株)製)を8重量部、及び数平均分子量90の1,4−ブタンジオール(三菱化学(株)製)を8重量部加え、更に1分間攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(実施例2)
数平均分子量2000で且つ分子鎖両末端にOH基を有する2官能液状ポリイソプレン(POLY−IP:出光石油化学(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを28重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いて数平均分子量4000の3官能ポリオール(プラクセルP3403:ダイセル化学工業(株)製)を23重量部、及び数平均分子量90の1,4−ブタンジオール(三菱化学(株)製)を4重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(実施例3)
3官能ポリオールとしてプラクセル308(ダイセル化学工業(株)製)を25重量部、短鎖ジオールとして数平均分子量110のジエチレングリコール(DEG:三菱化学(株)製)を7重量部配合すること以外は実施例1と同様にしてロール状発泡体を得た。
(実施例4)
金型への注型量を562gとする以外は実施例2と同様にしてロール状発泡体を得た。
(実施例5)
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール(PTMG2000:三洋化成社製)を100重量部に対し、ジイソシアナートを28重量部加え、100℃で15分混合攪拌したこと以外は実施例3と同様にしてロール状発泡体を得た。
(実施例6)
Poly−BD(出光石油化学(株)製)を100重量部に対し、ジイソシアナートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてプラクセル−308(ダイセル化学工業(株)製)を51重量部、及び数平均分子量76の1,3−プロパンジオール(PD)を1重量部加え、更に1分攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてプラクセル−308(ダイセル化学工業(株)製)を12重量部、DEGを4重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に562g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例1)
数平均分子量2000で且つ分子鎖両末端にOH基を有する2官能ポリオール(プラクセル220N:ダイセル化学工業(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを53重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いて数平均分子量134のトリメチロールプロパン(TMP:三菱ガス化学(株)製)を5重量部、及び数平均分子量76の1,3−プロパンジオールを7重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に750g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例2)
プラクセル220N(ダイセル化学工業(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを28重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いて数平均分子量856のプラクセル−308(ダイセル化学工業(株)製)を28重量部、及び数平均分子量90の1,4−ブタンジオールを1重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例3)
プラクセル220N(ダイセル化学工業(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてプラクセルP3403(ダイセル化学工業(株)製)を40重量部、及びDEGを9重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に562g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例4)
数平均分子量2000で且つ分子鎖両末端にOH基を有する2官能ポリオール(プラクセルCD220:ダイセル化学工業(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてプラクセル−308(ダイセル化学工業(株)製)を9重量部、1,3−PDを7重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に562g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例5)
プラクセル3403(ダイセル化学工業(株)製)を100重量部に対し、ジイソシアネートを39重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてプラクセル−308を10重量部、DEGを11重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例6)
ポリオールとしてプラクセル220N(ダイセル化学工業(株)製)を100重量部に対し、ジイソシアネートを28重量部加え、真空ポンプで脱泡しつつ100℃で15分攪拌した。
その混合液にプラクセル−308(ダイセル化学工業(株)製)を28重量部、1,4−BDを1重量部加え、気泡を抱き込ませないように、1分間攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型に注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてソリッドロールを得た。
(比較例7)
ポリオールにPOLY−BD(出光石油化学(株)製)を使用すること以外は比較例6と同様にしてソリッドロールを得た。
(比較例8)
ポリオールにPOLY−IP(出光石油化学(株)製)を使用すること以外は比較例6と同様にしてソリッドロールを得た。
(比較例9)
POLY−BD(出光石油化学(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてTMPを4重量部、及び1,3−PDを5重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例10)
Poly−IP(出光石油化学(株)製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてPCL−308を51重量部、及び数平均分子量76の1,3−プロパンジオールを1重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(比較例11)
ポリテトラメチレングリコール(PTMG2000:三洋化成社製)100重量部に対し、ジイソシアネートを40重量部加え、100℃で15分混合攪拌した。
その混合液を家庭用ハンドミキサーで気泡を抱き込ませつつ5分攪拌し、続いてTMPを1.5重量部、及び1,4−BDを8重量部加え、更に1分攪拌した。
その攪拌混合物を100℃の金型(容積940cm)に375g注型し、1時間反応硬化させた。得られた反応硬化物を研磨、突っ切りしてロール状発泡体を得た。
(試験例1)
図1に示す装置を用いて実施例1〜6及び比較例1〜11のロール状発泡体について摩擦係数測定時における出力波形を得た。すなわち、図1に示すように、固定したサンプルロール11に対向して回転自在に保持したフリーロール12を所定の荷重200gfで圧着し、その間に配置した測定用紙13をロードセル14を介して20mm/secで移動したときのロードセル14の出力をアンプ15を介して接続した検出器16で測定した。このときの最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Min=ΔFを測定した。なお、測定環境は23℃で55%RHとした。この結果を図2及び表1に示す。
(試験例2)
14ppm(A4)の複写機の給紙部(ADF)の分離用ロールとして実施例1〜6及び比較例1〜11のロール状発泡体を取付け、10℃で30%RHの環境下で、A4普通紙(RICOPY PPC用紙 TYPE6200;リコー社製)を10枚通紙した際の異音発生を官能試験にて確認した。この結果を併せて表1に示す。
Figure 2005042103
この結果、実施例1〜6のロール状発泡体は、Max/MinであるΔFが1.0〜1.4の範囲にあり、異音が全く認められなかったが、ジエン系ポリオールやPTMG以外のポリオールを用いた比較例1〜5では、ΔFが大きく、異音が観察された。また。ソリッドの比較例6〜8でも異音が観察された。さらに、ジエン系ポリオールやPTMGを用いても、3官能ポリオールの分子量が小さい比較例9や11では異音が発生し、また、ジエン系ポリオールを用いて3官能ポリオールの分子量が大きくても、発泡密度が0.8と大きい比較例10は、ΔFが1.51と1.4より大きくなり、異音が発生した。
(実施例7)
1,9−ノナンジオールと2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸の脱水縮合から成るポリオールを100重量部に対し、MDIを30重量部、鎖延長剤としてジエチレングリコール(DEG)を6重量部、架橋剤として分子量4000でエステル基とエーテル基を分子中に有するP3403を22重量部(3官能%は15%)とを混合攪拌(メカフロス)し、120℃に余熱しておいた容積1000cmの金型に400g流し込み、120℃で1.5時間硬化させた。
その硬化物を100℃で12時間加熱熟成させ、研磨加工、及び突っ切り加工を経て、外径25mm、内径15mm、幅25mmの分離ロールを得た。発泡密度((注型量/金型容積)×100)は0.4g/cmであった。ΔFは1.08であった。
なお、3官能%及びΔFは以下のとおりである。
3官能%=架橋剤モル量/(鎖延長剤モル量+架橋剤モル量)×100
ΔF=摩擦係数測定時における出力波形の最大値/出力波形の最小値
(実施例8)
発泡密度が0.6g/cm(注型量600g)である事以外は実施例7と同様にした。ΔFは1.12であった。
(実施例9)
DEGを5重量部、P3403を50重量部とする事以外は実施例7と同様にした(3官能%が40%である)。ΔFは1.15であった。
(比較例12)
DEGを6重量部、分子量800でエステル基を含む(エーテル基を含まない)PCL308を6重量部(3官能%は15%)とする以外は実施例7と同様とした。ΔFは1.53であった。
(比較例13)
DEGを6重量部、分子量134のトリメチロールプロパン(TMP)を1重量部(3官能%は15%)とする以外は実施例7と同様にした。ΔFは1.95であった。
(試験例3)
図1に示す装置を用いて実施例7〜9及び比較例12〜13の分離ロールについて摩擦係数測定時における出力波形を得、このときの最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Min=ΔFを測定した。なお、測定環境は23℃で55%RHとした。この結果を表2に示す。
(試験例4)
14ppm(A4)の複写機の給紙部(ADF)の分離用ロールとして実施例7〜9及び比較例12〜13の分離ロールを取付け、10℃で30%RHの環境下で、A4普通紙(RICOPY PPC用紙 TYPE6200;リコー社製)を10枚通紙した際の異音発生を官能試験にて確認した。この結果を併せて表2に示す。
(試験例5)
実施例7及び比較例13の分離ロールについて、摩擦係数の紙送り速度依存性、環境依存性、荷重依存性、及び用紙種類依存性をそれぞれ測定した結果を図3〜図6にそれぞれ示す。
Figure 2005042103
試験例3〜5の結果、1,9−ノナンジオールと2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸の脱水縮合からなるポリオールを用い、3官能ポリオールとして、分子量4000でエステル基とエーテル基を分子中に有するものを用いると、Max/MinであるΔFが1.0〜1.2の範囲にあり、異音が全く認められなかったが、分子量が小さくエーテル基のみを有するポリオールや低分子量のTMPを用いると(比較例12〜13)では、ΔFが大きく、異音が観察された。また、実施例7の摩擦係数の紙送り速度依存性、環境依存性、荷重依存性、及び用紙種類依存性をそれぞれ測定し、比較例13と比較すると、非常に安定していることが確認された。
本発明の試験例の測定状況を示す概略図である。 本発明の試験例1の結果を示す図である。 試験例5の摩擦係数の紙送り速度依存性を示す図である。 試験例5の摩擦係数の環境依存性を示す図である。 試験例5の摩擦係数の荷重依存性を示す図である。 試験例5の摩擦係数の用紙種類依存性を示す図である。
符号の説明
11 サンプルロール
12 フリーロール
13 測定用紙
14 ロードセル
15 アンプ
16 検出器

Claims (11)

  1. 発泡ポリウレタンからなる発泡部材において、ポリテトラメチレン・エーテルグリコール及び分子鎖中に一つ以上の二重結合を有するポリオールから選択され且つ数平均分子量が1000〜4000のポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、短鎖ジオールと3官能以上で数平均分子量が500〜5000の3官能ポリオールとからなる架橋剤存在下で反応させてなる、発泡密度(注型重量[g]/注型金型の容積[cm])が0.3〜0.9[g/cm]である発泡性反応硬化物からなり、摩擦係数測定時における出力波形の最大値Maxと最小値Minとの比であるMax/Minが、1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする発泡部材。
  2. 請求項1において、前記Max/Minが、1.00〜1.20の範囲にあることを特徴とする発泡部材。
  3. 請求項1または2において、前記架橋剤中の前記3官能ポリオールの割合が、5〜40モル%の範囲にあることを特徴とする発泡部材。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ポリイソシアネート化合物が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であることを特徴とする発泡部材。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記短鎖ジオールの数平均分子量が80〜160であることを特徴とする発泡部材。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ポリオールが、ブタジエン系ポリオール及びイソプレン系ポリオールから選択されることを特徴とする発泡部材。
  7. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ポリオールが、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−オクタンジオールと二塩基酸との脱水縮合により得られたポリオールであることを特徴とする発泡部材。
  8. 請求項7において、前記3官能ポリオールが、分子中にエーテル基及びエステル基の両方を有するものであることを特徴とする発泡部材。
  9. 請求項7又は8において、前記3官能ポリオールの分子量が、1800〜5000の範囲にあることを特徴とする発泡部材。
  10. 請求項1〜9の何れかの発泡部材からなることを特徴とする給紙搬送用ロール。
  11. 請求項1〜9の何れかの発泡部材からなることを特徴とする紙葉類分離用ロール。

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