JP2005041617A - 記録媒体搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体が搬送ローラをスリップした等の異常が発生した場合でも、そのスリップ量に応じた正確な送り制御を可能とした記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供すること。
【解決手段】搬送ローラ1の回転軸11に設けられた第1のロータリーエンコーダ6と、前記第1のロータリーエンコーダ6のパルスを読み取る第1の読み取り手段7と、前記従動ローラ3の回転軸31に設けられた第2のロータリーエンコーダ8と、前記第2のロータリーエンコーダ8のパルスを読み取る第2の読み取り手段9と、前記第1及び第2の読み取り手段7、9によって読み取られた各パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、搬送ローラ1を駆動する駆動手段2を記録媒体Pの搬送量に対応したパルス数分駆動させることで前記記録媒体Pの搬送量を制御する制御手段とを備えた記録媒体搬送装置及びこれを備えた画像記録装置。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送ローラ1の回転軸11に設けられた第1のロータリーエンコーダ6と、前記第1のロータリーエンコーダ6のパルスを読み取る第1の読み取り手段7と、前記従動ローラ3の回転軸31に設けられた第2のロータリーエンコーダ8と、前記第2のロータリーエンコーダ8のパルスを読み取る第2の読み取り手段9と、前記第1及び第2の読み取り手段7、9によって読み取られた各パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、搬送ローラ1を駆動する駆動手段2を記録媒体Pの搬送量に対応したパルス数分駆動させることで前記記録媒体Pの搬送量を制御する制御手段とを備えた記録媒体搬送装置及びこれを備えた画像記録装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体搬送装置及び画像記録装置に関し、詳しくは、高精度の搬送制御が可能な記録媒体搬送装置及びこれを備えた画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像記録を行う画像記録装置においては、駆動モータと連結された搬送ローラと、該搬送ローラと対向して設けられた従動ローラとからなるローラ対により記録媒体を狭持しつつ記録媒体を記録手段よる記録位置に搬送して画像記録を行っている。このような画像記録装置において高品質な画像を記録するためには、記録媒体の搬送を数ミクロン単位で高精度に行うことが必要となる。
【0003】
従来、記録媒体を高精度に搬送するために、搬送ローラの一端にロータリーエンコーダを設け、該ロータリーエンコーダのパルス検出量から搬送量を検出するようにしているが、記録媒体が搬送ローラをスリップしてしまった場合には、正確な搬送量を検出することができない。通常、画像記録は記録手段よって連続的に行われるため、記録媒体がスリップして実際には搬送されていない場合でも、搬送ローラの駆動量は変化しないので、記録媒体は搬送されたものとして画像記録を行ってしまう。このような場合には記録画素が重複した位置に記録されてしまう等、記録された画像に重大な欠陥を発生する問題があった。
【0004】
ところで、搬送ローラと従動ローラからなるローラ対によって記録媒体を搬送する搬送装置において、従動ローラ側にロータリーエンコーダを設けることが特許文献1により知られている。これによれば、記録媒体が搬送ローラをスリップした場合でも、従動ローラは記録媒体の現実の動きに従動することから、記録媒体の実際の搬送量を把握することができる。
【0005】
しかし、このようにロータリーエンコーダを従動ローラ側に設けたとしても、実際にスリップが発生したのかどうか、また、どの程度の量のスリップが発生したのかを全く把握することができない。従って、スリップ量に応じた正確な送り制御を行うことができないため、記録媒体の高精度な搬送を行い得るものとはいい難かった。
【0006】
更に、記録媒体に対して搬送方向に人為的に外力を作用すること等によって、記録媒体が引っ張られるような異常事態が発生した場合でも、ロータリーエンコーダでは単に従動ローラの回転量から記録媒体の搬送量を検出しているにすぎないため、異常事態であることを検知することはできず、異常な状態で搬送されたままの記録媒体に対して画像記録を継続することとなり、高品質の画像記録を行う上では問題であった。
【0007】
また、上記特許文献1に記載のものでは、例えば搬送ローラの表面に埃や汚れが付着したり、長期に亘る使用の結果、記録媒体との間の摩擦抵抗が極端に小さくなったりすること等が原因で頻繁にスリップを繰り返すことにより、搬送ローラの清掃或いは交換が必要となるような場合であっても、実際にスリップが発生したことを把握することができないため、作業者が逐一目視観察することにより認識する以外に、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を認識することができなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平8−115447号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、記録媒体が搬送ローラをスリップした等の異常が発生した場合でも、そのスリップ量に応じた正確な送り制御を可能とした記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の課題は、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することのできる記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録媒体を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転駆動させる駆動手段と、前記搬送ローラと対向配置され、前記搬送ローラに向けて押圧する従動ローラとを有し、前記駆動手段を駆動させることにより前記搬送ローラを回転させ、前記搬送ローラと前記従動ローラとの間で前記記録媒体を挟持して搬送する記録媒体搬送装置において、前記搬送ローラの回転軸に設けられた第1のロータリーエンコーダと、前記第1のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第1の読み取り手段と、前記従動ローラの回転軸に設けられた第2のロータリーエンコーダと、前記第2のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第2の読み取り手段と、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、前記駆動手段を前記記録媒体の搬送量に対応したパルス数分駆動させることで前記記録媒体の搬送量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする記録媒体搬送装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記比較手段による比較の結果、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数の差が予め設定された値よりも大きい場合に警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の記録媒体搬送装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の読み取り手段によって読み取られたパルスが第2の読み取り手段によって読み取られたパルス数よりも大きくなった回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によるカウント値が予め設定された値よりも大きくなった場合に警告を発する警告手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体搬送装置。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記搬送ローラは、少なくとも表面が弾性体からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の記録媒体搬送装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記従動ローラは、剛性体からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の記録媒体搬送装置である。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置とを有し、前記記録媒体搬送装置によって前記記録媒体を前記記録手段による記録位置に搬送することを特徴とする画像記録装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置の概略構成図であり、ここでは画像記録装置としてインクジェットプリンタを例示している。
【0020】
図中、1は搬送ローラ、2は駆動手段を構成する駆動モータであり、搬送ローラ1の回転軸11に取り付けられたプーリ12と、駆動モータ2の駆動軸21に設けられたプーリ22とに亘って、駆動ベルト13が架け渡されることによって、該駆動モータ2の駆動力が搬送ローラ1に伝達され、該搬送ローラ1が回転するようになっている。
【0021】
3は搬送ローラ1に対向配置された従動ローラである。従動ローラ3は、搬送ローラ1に対して所定の押圧力を持って配置されており、搬送ローラ1との間に記録媒体Pを挟持し、駆動モータ2の駆動によって搬送ローラ1が回転することにより、記録媒体Pを図中A方向に向けて搬送すると同時に、記録媒体Pの搬送に従動して回転するようになっている。なお、記録媒体Pは、予め所定サイズに裁断されたシート状の記録媒体の他、ロール状に巻回された元巻から連続して繰り出されるロール状の記録媒体でもよい。
【0022】
4は記録ヘッドであり、図示しないキャリッジ上に搭載され、図示しない駆動手段によって、記録媒体Pの搬送方向である図中A方向と直交する図中B方向に沿って往復移動可能に設けられている。記録ヘッド4の下面には多数のノズルが配列されており、これらノズルから記録媒体Pの記録面に向けて所定のタイミングでインクを吐出することにより、所望のインクジェット画像を記録する。
【0023】
5はプラテンであり、記録ヘッド4の下面のインク吐出面と対向配置され、上記搬送ローラ1及び従動ローラ3によって搬送される記録媒体Pの裏面を支持し、図示しない吸引手段によって記録媒体Pを表面に吸着させることで、記録ヘッド4によって画像が記録される記録面の平滑性を保つようになっている。
【0024】
6は搬送ローラ1に設けられた円板状の第1のロータリーエンコーダであり、搬送ローラ1と一体となって回転するように、搬送ローラ1の回転軸11に同軸状に設けられており、その表面には放射状のパターン61が等間隔で形成されている。
【0025】
7は第1のエンコーダセンサ(第1の読み取り手段)であり、搬送ローラ1と一体になって回転する第1のロータリーエンコーダ6のパターン61を読み取り、その読み取り結果をパルス信号として出力する。この第1のエンコーダセンサ7は、ここでは第1のロータリーエンコーダ6のパターン61を非接触で読み取る反射型の光学式センサを用いているが、上記パターン61を読み取り可能であればその構造は特に問わない。
【0026】
8は従動ローラ3に設けられた円板状の第2のロータリーエンコーダであり、従動ローラ3と一体となって回転するように、従動ローラ3の回転軸31に同軸状に設けられており、その表面には放射状のパターン81が等間隔で形成されている。
【0027】
9は第2のエンコーダセンサ(第2の読み取り手段)であり、従動ローラ3と一体になって回転する第2のロータリーエンコーダ8のパターン81を読み取り、その読み取り結果をパルス信号として出力する。この第2のエンコーダセンサ9も、ここでは第2のロータリーエンコーダ8のパターン81を非接触で読み取る反射型の光学式センサを用いているが、上記パターン81を読み取り可能であればその構造は特に問わない。
【0028】
なお、ここで、第1のロータリーエンコーダ6と第2のロータリーエンコーダ8とは、記録媒体Pの搬送時にスリップが発生しないものと仮定したときに、第1のエンコーダセンサ7及び第2のエンコーダセンサ9によってそれぞれ読み取られるパルス数が同一となるように形成されているものとする。
【0029】
図2は、記録媒体搬送装置の制御ブロック図、図3は、記録媒体を搬送する際の制御に係るフローチャートである。これらを用いて、かかるインクジェットプリンタにおける記録媒体搬送装置の動作について説明する。
【0030】
なお、図2において、100は各種制御を行う制御部、101は第1のエンコーダセンサ7及び第2のエンコーダセンサ9によって検出された各パルス数の差を演算処理する比較演算部、102はスリップが発生した回数をカウントするスリップ発生カウンタ、103は警告情報を含む各種情報の画面表示及び/又は警告ランプを含む各種情報の点灯表示を行う表示部、104は警告ブザー、警告アナウンス等の警告音を含む各種音声信号を発生する音声発生部である。これら表示部103、音声発生部104は、本発明における警告手段を構成しているが、警告手段は表示部103及び音声発生部104のうちのいずれか一方のみでもよい。
【0031】
制御部100は、駆動モータ2に所定の制御信号を出力することにより、駆動モータ2を回転駆動させる。ここで、制御部100は、駆動モータ2に対して、記録媒体Pを予め定められた所定のパルス数m分だけ搬送するように指令を出すと(S1)、この駆動モータ2の回転駆動により、搬送ローラ1が回転し、記録媒体Pは従動ローラ3との間で挟持されつつ搬送される。
【0032】
搬送ローラ1が回転すると、第1のロータリーエンコーダ6も一体となって回転し、その表面に形成されたパターン61が第1のエンコーダセンサ7により読み取られ、その読み取られたパルス数n1が制御部100に入力される。
【0033】
また、このとき記録媒体Pの搬送に従動ローラ3が従動して回転し、第2のロータリーエンコーダ8も一体となって回転する。この第2のロータリーエンコーダ8の回転により、その表面に形成されたパターン81が第2のエンコーダセンサ9により読み取られ、その読み取られたパルス数n2が制御部100に入力される。
【0034】
制御部100では、これら第1のエンコーダセンサ7によるパルス数n1及び第2のエンコーダセンサ9によるパルス数n2を常時監視しており、各パルス数n1、n2のうちのいずれか一方が上記予め定められた所定のパルス数mと等しくなったことを検知するまで駆動モータ2の回転を継続する。そして、パルス数n1又はn2のいずれかが上記パルス数mと等しくなったことを検知すると(S2)、制御部100は駆動モータ2の駆動を一旦停止させる(S3)。
【0035】
各パルス数n1、n2は、比較演算部101に送られ、パルス数n1とn2との比較が行われる。ここで、n1=n2である場合、記録媒体Pは所定のパルス数m分だけ正常に搬送されたことが判断され(S4)、制御部100は記録媒体Pの1回の搬送制御を終了する。
【0036】
しかし、上記S4のステップにおける各パルス数n1、n2の比較の結果、n1≠n2である場合には、記録媒体Pの搬送中に異常が発生したことが判断される。
【0037】
このとき、まず、n1<n2であるか否かが判断される(S5)。ここでn1<n2である場合は、搬送ローラ1よりも従動ローラ3の回転量の方が大きい場合である。通常の搬送において、駆動モータ2によって回転される搬送ローラ1よりも従動ローラ3の回転量の方が大きいことは考えられないため、これは例えば人為的な要因等によって記録媒体Pが搬送方向に沿って強制的に引っ張られたものであることがわかる。この場合、正常な画像記録ができないものとして、制御部100は、表示部103によって画面上にその旨の警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0038】
また、n1<n2でない場合、すなわち、n1>n2である場合は、搬送ローラ1の回転量が従動ローラ3よりも大きい場合であり、これは、記録媒体Pの搬送中に搬送ローラ1との間でスリップが発生した場合である。ここで制御部100は、スリップ発生カウンタ102のカウント値を1加算する(S7)。
【0039】
次いで、制御部100では、このスリップ発生カウンタ102のカウント値が、制御部100又はスリップ発生カウンタ102において予め設定されたカウント値xよりも大きいか否かを判断する(S8)。
【0040】
記録媒体Pの搬送において頻繁にスリップを繰り返す場合は、例えば長期に亘る使用の結果、搬送ローラ1の表面に紙粉や汚れ等が付着して記録媒体Pとの摩擦抵抗が小さくなる等の原因が考えられ、このような場合には、搬送ローラ1を清掃したり、搬送ローラ1自体を交換する必要がある。上記カウント値xは、このような搬送ローラ1の清掃や交換等が必要となるおおよそのスリップ回数の最大値を規定しており、スリップ発生カウンタ102におけるカウント値がこのカウント値xを超えた場合、制御部100は、表示部103によって画面上に搬送ローラ1の清掃や交換を促す警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0041】
スリップ発生カウンタ102におけるカウント値がこのカウント値xを超えていない場合、比較演算部101において(n1−n2)=Nを演算し、第1のエンコーダセンサ7のパルス数n1と第2のエンコーダセンサ9のパルス数n2との差分Nを算出する(S9)。
【0042】
ここで、制御部100では、上記Nの値が制御部100において予め設定された値yよりも大きいか否かを判断する(S10)。
【0043】
上記したように、搬送ローラ1の表面に紙粉や汚れ等が付着することが原因となって記録媒体Pとの摩擦抵抗が小さくなると、記録媒体Pと搬送ローラ1との間でのスリップ量が大きくなり、やはり搬送ローラ1の清掃や交換等が必要となる。上記値yは、このようなスリップ量の最大値を規定しており、スリップ量(=N)の値がこの値yを超えた場合、制御部100は、表示部103によって画面上に搬送ローラ1の清掃や交換を促す警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0044】
N<yである場合、制御部100は、駆動モータ2にパルス数N分だけ搬送するように指令を出す(S11)。
【0045】
次いで、制御部100では、第2のエンコーダセンサ9のパルス数n2を監視し、n2=Nとなるまで駆動モータ2を駆動させ(S12)、n2=Nとなったら駆動モータ2の駆動を停止させる(S13)。これにより、記録媒体Pを所望の搬送量だけ確実に送ることができる。
【0046】
かかる記録媒体搬送装置及びこの記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置によれば、搬送ローラ1と従動ローラ3の双方にロータリーエンコーダ6、8を設けたので、搬送ローラ1の振れや従動ローラ3との押圧力のバラツキによって、搬送ローラ1の回転量に伴う記録媒体Pの現実の搬送量が変化したり、回転する搬送ローラ1と記録媒体Pとの間でスリップが発生したとしても、搬送ローラ1の回転量と従動ローラ3の回転量との差からスリップの発生等の異常を検出することができ、そのスリップ量に応じた数ミクロン単位の高精度搬送においても正確な搬送量を制御することが可能となる。
【0047】
また、そのスリップの発生の検知によって、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することができる。
【0048】
本発明においては、従動ローラ3にもロータリーエンコーダ8が設けられているため、搬送ローラ1自体に剛性体で部品精度の良いものを使用する必要がなく、少なくとも表面が弾性体からなる搬送ローラ1を用いることもできる。このような弾性体からなる搬送ローラ1は安価に構成することができるため、搬送装置を低コストで構成することができ、また、記録媒体Pとの摩擦抵抗を大きくすることができるため、記録媒体Pに対して回転トルクを確実に伝達することができるため、記録媒体Pを安定的に搬送する上で有効である。このような弾性体としては、EPDMゴム、ウレタンゴム、NBRゴム、シリコンゴム等を挙げることができる。
【0049】
また、従動ローラ3は剛性体からなることが好ましい。従動ローラ3に剛性体を用いることによって、記録媒体Pを搬送ローラ1との間で挟持するために該搬送ローラ1に対して押圧力を作用させても、従動ローラ3自体が変形することがなく、この従動ローラ3と一体になって回転するロータリーエンコーダ6及びエンコーダセンサ7によって正確な搬送量を検出することが可能である。このような剛性体としては、SUS、アルミ、鉄等の金属を挙げることができる。
【0050】
以上説明した実施形態は、記録媒体搬送装置をインクジェットプリンタに適用した例であるが、本発明に係る記録媒体搬送装置はインクジェットプリンタに限らず、例えばレーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等、記録媒体を搬送ローラと従動ローラとの間で挟持して記録手段による記録位置まで正確に搬送する必要のある画像記録装置に広く適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、記録媒体が搬送ローラをスリップした等の異常が発生した場合でも、そのスリップ量に応じた正確な送り制御を可能とした記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明によれば、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することのできる記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の概略構成図
【図2】本発明に係る画像記録装置の制御ブロック図
【図3】記録媒体を搬送する際の制御に係るフローチャート
【符号の説明】
1:搬送ローラ
2:駆動モータ
3:従動ローラ
4:記録ヘッド
5:プラテン
6:第1のロータリーエンコーダ
7:第1のエンコーダセンサ
8:第2のロータリーエンコーダ
9:第2のエンコーダセンサ
100:制御部
101:比較演算部
102:スリップ発生カウンタ
103:表示部
104:音声発生部
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体搬送装置及び画像記録装置に関し、詳しくは、高精度の搬送制御が可能な記録媒体搬送装置及びこれを備えた画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像記録を行う画像記録装置においては、駆動モータと連結された搬送ローラと、該搬送ローラと対向して設けられた従動ローラとからなるローラ対により記録媒体を狭持しつつ記録媒体を記録手段よる記録位置に搬送して画像記録を行っている。このような画像記録装置において高品質な画像を記録するためには、記録媒体の搬送を数ミクロン単位で高精度に行うことが必要となる。
【0003】
従来、記録媒体を高精度に搬送するために、搬送ローラの一端にロータリーエンコーダを設け、該ロータリーエンコーダのパルス検出量から搬送量を検出するようにしているが、記録媒体が搬送ローラをスリップしてしまった場合には、正確な搬送量を検出することができない。通常、画像記録は記録手段よって連続的に行われるため、記録媒体がスリップして実際には搬送されていない場合でも、搬送ローラの駆動量は変化しないので、記録媒体は搬送されたものとして画像記録を行ってしまう。このような場合には記録画素が重複した位置に記録されてしまう等、記録された画像に重大な欠陥を発生する問題があった。
【0004】
ところで、搬送ローラと従動ローラからなるローラ対によって記録媒体を搬送する搬送装置において、従動ローラ側にロータリーエンコーダを設けることが特許文献1により知られている。これによれば、記録媒体が搬送ローラをスリップした場合でも、従動ローラは記録媒体の現実の動きに従動することから、記録媒体の実際の搬送量を把握することができる。
【0005】
しかし、このようにロータリーエンコーダを従動ローラ側に設けたとしても、実際にスリップが発生したのかどうか、また、どの程度の量のスリップが発生したのかを全く把握することができない。従って、スリップ量に応じた正確な送り制御を行うことができないため、記録媒体の高精度な搬送を行い得るものとはいい難かった。
【0006】
更に、記録媒体に対して搬送方向に人為的に外力を作用すること等によって、記録媒体が引っ張られるような異常事態が発生した場合でも、ロータリーエンコーダでは単に従動ローラの回転量から記録媒体の搬送量を検出しているにすぎないため、異常事態であることを検知することはできず、異常な状態で搬送されたままの記録媒体に対して画像記録を継続することとなり、高品質の画像記録を行う上では問題であった。
【0007】
また、上記特許文献1に記載のものでは、例えば搬送ローラの表面に埃や汚れが付着したり、長期に亘る使用の結果、記録媒体との間の摩擦抵抗が極端に小さくなったりすること等が原因で頻繁にスリップを繰り返すことにより、搬送ローラの清掃或いは交換が必要となるような場合であっても、実際にスリップが発生したことを把握することができないため、作業者が逐一目視観察することにより認識する以外に、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を認識することができなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平8−115447号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、記録媒体が搬送ローラをスリップした等の異常が発生した場合でも、そのスリップ量に応じた正確な送り制御を可能とした記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の課題は、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することのできる記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録媒体を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転駆動させる駆動手段と、前記搬送ローラと対向配置され、前記搬送ローラに向けて押圧する従動ローラとを有し、前記駆動手段を駆動させることにより前記搬送ローラを回転させ、前記搬送ローラと前記従動ローラとの間で前記記録媒体を挟持して搬送する記録媒体搬送装置において、前記搬送ローラの回転軸に設けられた第1のロータリーエンコーダと、前記第1のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第1の読み取り手段と、前記従動ローラの回転軸に設けられた第2のロータリーエンコーダと、前記第2のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第2の読み取り手段と、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、前記駆動手段を前記記録媒体の搬送量に対応したパルス数分駆動させることで前記記録媒体の搬送量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする記録媒体搬送装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記比較手段による比較の結果、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数の差が予め設定された値よりも大きい場合に警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の記録媒体搬送装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記比較手段による比較の結果、前記第1の読み取り手段によって読み取られたパルスが第2の読み取り手段によって読み取られたパルス数よりも大きくなった回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によるカウント値が予め設定された値よりも大きくなった場合に警告を発する警告手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体搬送装置。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記搬送ローラは、少なくとも表面が弾性体からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の記録媒体搬送装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記従動ローラは、剛性体からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の記録媒体搬送装置である。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置とを有し、前記記録媒体搬送装置によって前記記録媒体を前記記録手段による記録位置に搬送することを特徴とする画像記録装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置の概略構成図であり、ここでは画像記録装置としてインクジェットプリンタを例示している。
【0020】
図中、1は搬送ローラ、2は駆動手段を構成する駆動モータであり、搬送ローラ1の回転軸11に取り付けられたプーリ12と、駆動モータ2の駆動軸21に設けられたプーリ22とに亘って、駆動ベルト13が架け渡されることによって、該駆動モータ2の駆動力が搬送ローラ1に伝達され、該搬送ローラ1が回転するようになっている。
【0021】
3は搬送ローラ1に対向配置された従動ローラである。従動ローラ3は、搬送ローラ1に対して所定の押圧力を持って配置されており、搬送ローラ1との間に記録媒体Pを挟持し、駆動モータ2の駆動によって搬送ローラ1が回転することにより、記録媒体Pを図中A方向に向けて搬送すると同時に、記録媒体Pの搬送に従動して回転するようになっている。なお、記録媒体Pは、予め所定サイズに裁断されたシート状の記録媒体の他、ロール状に巻回された元巻から連続して繰り出されるロール状の記録媒体でもよい。
【0022】
4は記録ヘッドであり、図示しないキャリッジ上に搭載され、図示しない駆動手段によって、記録媒体Pの搬送方向である図中A方向と直交する図中B方向に沿って往復移動可能に設けられている。記録ヘッド4の下面には多数のノズルが配列されており、これらノズルから記録媒体Pの記録面に向けて所定のタイミングでインクを吐出することにより、所望のインクジェット画像を記録する。
【0023】
5はプラテンであり、記録ヘッド4の下面のインク吐出面と対向配置され、上記搬送ローラ1及び従動ローラ3によって搬送される記録媒体Pの裏面を支持し、図示しない吸引手段によって記録媒体Pを表面に吸着させることで、記録ヘッド4によって画像が記録される記録面の平滑性を保つようになっている。
【0024】
6は搬送ローラ1に設けられた円板状の第1のロータリーエンコーダであり、搬送ローラ1と一体となって回転するように、搬送ローラ1の回転軸11に同軸状に設けられており、その表面には放射状のパターン61が等間隔で形成されている。
【0025】
7は第1のエンコーダセンサ(第1の読み取り手段)であり、搬送ローラ1と一体になって回転する第1のロータリーエンコーダ6のパターン61を読み取り、その読み取り結果をパルス信号として出力する。この第1のエンコーダセンサ7は、ここでは第1のロータリーエンコーダ6のパターン61を非接触で読み取る反射型の光学式センサを用いているが、上記パターン61を読み取り可能であればその構造は特に問わない。
【0026】
8は従動ローラ3に設けられた円板状の第2のロータリーエンコーダであり、従動ローラ3と一体となって回転するように、従動ローラ3の回転軸31に同軸状に設けられており、その表面には放射状のパターン81が等間隔で形成されている。
【0027】
9は第2のエンコーダセンサ(第2の読み取り手段)であり、従動ローラ3と一体になって回転する第2のロータリーエンコーダ8のパターン81を読み取り、その読み取り結果をパルス信号として出力する。この第2のエンコーダセンサ9も、ここでは第2のロータリーエンコーダ8のパターン81を非接触で読み取る反射型の光学式センサを用いているが、上記パターン81を読み取り可能であればその構造は特に問わない。
【0028】
なお、ここで、第1のロータリーエンコーダ6と第2のロータリーエンコーダ8とは、記録媒体Pの搬送時にスリップが発生しないものと仮定したときに、第1のエンコーダセンサ7及び第2のエンコーダセンサ9によってそれぞれ読み取られるパルス数が同一となるように形成されているものとする。
【0029】
図2は、記録媒体搬送装置の制御ブロック図、図3は、記録媒体を搬送する際の制御に係るフローチャートである。これらを用いて、かかるインクジェットプリンタにおける記録媒体搬送装置の動作について説明する。
【0030】
なお、図2において、100は各種制御を行う制御部、101は第1のエンコーダセンサ7及び第2のエンコーダセンサ9によって検出された各パルス数の差を演算処理する比較演算部、102はスリップが発生した回数をカウントするスリップ発生カウンタ、103は警告情報を含む各種情報の画面表示及び/又は警告ランプを含む各種情報の点灯表示を行う表示部、104は警告ブザー、警告アナウンス等の警告音を含む各種音声信号を発生する音声発生部である。これら表示部103、音声発生部104は、本発明における警告手段を構成しているが、警告手段は表示部103及び音声発生部104のうちのいずれか一方のみでもよい。
【0031】
制御部100は、駆動モータ2に所定の制御信号を出力することにより、駆動モータ2を回転駆動させる。ここで、制御部100は、駆動モータ2に対して、記録媒体Pを予め定められた所定のパルス数m分だけ搬送するように指令を出すと(S1)、この駆動モータ2の回転駆動により、搬送ローラ1が回転し、記録媒体Pは従動ローラ3との間で挟持されつつ搬送される。
【0032】
搬送ローラ1が回転すると、第1のロータリーエンコーダ6も一体となって回転し、その表面に形成されたパターン61が第1のエンコーダセンサ7により読み取られ、その読み取られたパルス数n1が制御部100に入力される。
【0033】
また、このとき記録媒体Pの搬送に従動ローラ3が従動して回転し、第2のロータリーエンコーダ8も一体となって回転する。この第2のロータリーエンコーダ8の回転により、その表面に形成されたパターン81が第2のエンコーダセンサ9により読み取られ、その読み取られたパルス数n2が制御部100に入力される。
【0034】
制御部100では、これら第1のエンコーダセンサ7によるパルス数n1及び第2のエンコーダセンサ9によるパルス数n2を常時監視しており、各パルス数n1、n2のうちのいずれか一方が上記予め定められた所定のパルス数mと等しくなったことを検知するまで駆動モータ2の回転を継続する。そして、パルス数n1又はn2のいずれかが上記パルス数mと等しくなったことを検知すると(S2)、制御部100は駆動モータ2の駆動を一旦停止させる(S3)。
【0035】
各パルス数n1、n2は、比較演算部101に送られ、パルス数n1とn2との比較が行われる。ここで、n1=n2である場合、記録媒体Pは所定のパルス数m分だけ正常に搬送されたことが判断され(S4)、制御部100は記録媒体Pの1回の搬送制御を終了する。
【0036】
しかし、上記S4のステップにおける各パルス数n1、n2の比較の結果、n1≠n2である場合には、記録媒体Pの搬送中に異常が発生したことが判断される。
【0037】
このとき、まず、n1<n2であるか否かが判断される(S5)。ここでn1<n2である場合は、搬送ローラ1よりも従動ローラ3の回転量の方が大きい場合である。通常の搬送において、駆動モータ2によって回転される搬送ローラ1よりも従動ローラ3の回転量の方が大きいことは考えられないため、これは例えば人為的な要因等によって記録媒体Pが搬送方向に沿って強制的に引っ張られたものであることがわかる。この場合、正常な画像記録ができないものとして、制御部100は、表示部103によって画面上にその旨の警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0038】
また、n1<n2でない場合、すなわち、n1>n2である場合は、搬送ローラ1の回転量が従動ローラ3よりも大きい場合であり、これは、記録媒体Pの搬送中に搬送ローラ1との間でスリップが発生した場合である。ここで制御部100は、スリップ発生カウンタ102のカウント値を1加算する(S7)。
【0039】
次いで、制御部100では、このスリップ発生カウンタ102のカウント値が、制御部100又はスリップ発生カウンタ102において予め設定されたカウント値xよりも大きいか否かを判断する(S8)。
【0040】
記録媒体Pの搬送において頻繁にスリップを繰り返す場合は、例えば長期に亘る使用の結果、搬送ローラ1の表面に紙粉や汚れ等が付着して記録媒体Pとの摩擦抵抗が小さくなる等の原因が考えられ、このような場合には、搬送ローラ1を清掃したり、搬送ローラ1自体を交換する必要がある。上記カウント値xは、このような搬送ローラ1の清掃や交換等が必要となるおおよそのスリップ回数の最大値を規定しており、スリップ発生カウンタ102におけるカウント値がこのカウント値xを超えた場合、制御部100は、表示部103によって画面上に搬送ローラ1の清掃や交換を促す警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0041】
スリップ発生カウンタ102におけるカウント値がこのカウント値xを超えていない場合、比較演算部101において(n1−n2)=Nを演算し、第1のエンコーダセンサ7のパルス数n1と第2のエンコーダセンサ9のパルス数n2との差分Nを算出する(S9)。
【0042】
ここで、制御部100では、上記Nの値が制御部100において予め設定された値yよりも大きいか否かを判断する(S10)。
【0043】
上記したように、搬送ローラ1の表面に紙粉や汚れ等が付着することが原因となって記録媒体Pとの摩擦抵抗が小さくなると、記録媒体Pと搬送ローラ1との間でのスリップ量が大きくなり、やはり搬送ローラ1の清掃や交換等が必要となる。上記値yは、このようなスリップ量の最大値を規定しており、スリップ量(=N)の値がこの値yを超えた場合、制御部100は、表示部103によって画面上に搬送ローラ1の清掃や交換を促す警告表示を行ったり、警告ランプの点灯表示を行ったりすると共に、音声発生部104によって警告音や警告アナウンスを発生させることにより、警告を促す(S6)。
【0044】
N<yである場合、制御部100は、駆動モータ2にパルス数N分だけ搬送するように指令を出す(S11)。
【0045】
次いで、制御部100では、第2のエンコーダセンサ9のパルス数n2を監視し、n2=Nとなるまで駆動モータ2を駆動させ(S12)、n2=Nとなったら駆動モータ2の駆動を停止させる(S13)。これにより、記録媒体Pを所望の搬送量だけ確実に送ることができる。
【0046】
かかる記録媒体搬送装置及びこの記録媒体搬送装置を備えた画像記録装置によれば、搬送ローラ1と従動ローラ3の双方にロータリーエンコーダ6、8を設けたので、搬送ローラ1の振れや従動ローラ3との押圧力のバラツキによって、搬送ローラ1の回転量に伴う記録媒体Pの現実の搬送量が変化したり、回転する搬送ローラ1と記録媒体Pとの間でスリップが発生したとしても、搬送ローラ1の回転量と従動ローラ3の回転量との差からスリップの発生等の異常を検出することができ、そのスリップ量に応じた数ミクロン単位の高精度搬送においても正確な搬送量を制御することが可能となる。
【0047】
また、そのスリップの発生の検知によって、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することができる。
【0048】
本発明においては、従動ローラ3にもロータリーエンコーダ8が設けられているため、搬送ローラ1自体に剛性体で部品精度の良いものを使用する必要がなく、少なくとも表面が弾性体からなる搬送ローラ1を用いることもできる。このような弾性体からなる搬送ローラ1は安価に構成することができるため、搬送装置を低コストで構成することができ、また、記録媒体Pとの摩擦抵抗を大きくすることができるため、記録媒体Pに対して回転トルクを確実に伝達することができるため、記録媒体Pを安定的に搬送する上で有効である。このような弾性体としては、EPDMゴム、ウレタンゴム、NBRゴム、シリコンゴム等を挙げることができる。
【0049】
また、従動ローラ3は剛性体からなることが好ましい。従動ローラ3に剛性体を用いることによって、記録媒体Pを搬送ローラ1との間で挟持するために該搬送ローラ1に対して押圧力を作用させても、従動ローラ3自体が変形することがなく、この従動ローラ3と一体になって回転するロータリーエンコーダ6及びエンコーダセンサ7によって正確な搬送量を検出することが可能である。このような剛性体としては、SUS、アルミ、鉄等の金属を挙げることができる。
【0050】
以上説明した実施形態は、記録媒体搬送装置をインクジェットプリンタに適用した例であるが、本発明に係る記録媒体搬送装置はインクジェットプリンタに限らず、例えばレーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等、記録媒体を搬送ローラと従動ローラとの間で挟持して記録手段による記録位置まで正確に搬送する必要のある画像記録装置に広く適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、記録媒体が搬送ローラをスリップした等の異常が発生した場合でも、そのスリップ量に応じた正確な送り制御を可能とした記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明によれば、搬送ローラの清掃或いは交換の必要性を自動的に認識することのできる記録媒体搬送装置及び画像記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の概略構成図
【図2】本発明に係る画像記録装置の制御ブロック図
【図3】記録媒体を搬送する際の制御に係るフローチャート
【符号の説明】
1:搬送ローラ
2:駆動モータ
3:従動ローラ
4:記録ヘッド
5:プラテン
6:第1のロータリーエンコーダ
7:第1のエンコーダセンサ
8:第2のロータリーエンコーダ
9:第2のエンコーダセンサ
100:制御部
101:比較演算部
102:スリップ発生カウンタ
103:表示部
104:音声発生部
Claims (6)
- 記録媒体を搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラを回転駆動させる駆動手段と、前記搬送ローラと対向配置され、前記搬送ローラに向けて押圧する従動ローラとを有し、前記駆動手段を駆動させることにより前記搬送ローラを回転させ、前記搬送ローラと前記従動ローラとの間で前記記録媒体を挟持して搬送する記録媒体搬送装置において、前記搬送ローラの回転軸に設けられた第1のロータリーエンコーダと、前記第1のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第1の読み取り手段と、前記従動ローラの回転軸に設けられた第2のロータリーエンコーダと、前記第2のロータリーエンコーダのパルスを読み取る第2の読み取り手段と、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づいて、前記駆動手段を前記記録媒体の搬送量に対応したパルス数分駆動させることで前記記録媒体の搬送量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする記録媒体搬送装置。
- 前記比較手段による比較の結果、前記第1及び第2の読み取り手段によって読み取られた各パルス数の差が予め設定された値よりも大きい場合に警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の記録媒体搬送装置。
- 前記比較手段による比較の結果、前記第1の読み取り手段によって読み取られたパルスが第2の読み取り手段によって読み取られたパルス数よりも大きくなった回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によるカウント値が予め設定された値よりも大きくなった場合に警告を発する警告手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体搬送装置。
- 前記搬送ローラは、少なくとも表面が弾性体からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の記録媒体搬送装置。
- 前記従動ローラは、剛性体からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の記録媒体搬送装置。
- 前記記録媒体に画像を記録する記録手段と、請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置とを有し、前記記録媒体搬送装置によって前記記録媒体を前記記録手段による記録位置に搬送することを特徴とする画像記録装置。
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