JP2005041198A - ショ糖を用いた繊維強化複合体の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来品に比べ環境負荷が少なくて機械的強度ならびに断熱性に優れた繊維強化複合体を作製することを課題とした。
【解決手段】 加熱分解により耐水性ならびに優れた結合力を発揮するショ糖に着目し、これを繊維強化材や充填粉末の結合材として用いた。とくにこの発明では種々の機能を有する充填粉末が利用でき、繊維強化複合材の特性の改善、色調の改善、コスト低減などの効果を発揮させた。
【選択図】 なし
【解決手段】 加熱分解により耐水性ならびに優れた結合力を発揮するショ糖に着目し、これを繊維強化材や充填粉末の結合材として用いた。とくにこの発明では種々の機能を有する充填粉末が利用でき、繊維強化複合材の特性の改善、色調の改善、コスト低減などの効果を発揮させた。
【選択図】 なし
Description
この発明は、耐熱性、断熱性、機械的強度を有するためプレス熱盤や金型に取り付けて、省エネ効果を高める目的で使用する断熱構造材としての用途がある。
従来から、安価で耐熱性を有する断熱構造材や建材として工業材料第35巻、p26〜35、日刊工業新聞社(1987)に記載のようにアスベスト繊維をセメントで固めたアスベストセメント板が広く知られている。また特公昭54−7359号はアスベスト繊維をホウ酸と酸化亜鉛または酸化カルシウムで固めた製品は、耐熱性や耐アーク性が必要な消弧材料や熱伝導率が小さいため、断熱構造材として用いられている。特開平5−151852号に開示されているものはガラス繊維を金属リン酸塩で固めたものでアスベストセメント板と同様に断熱構造材の用途に主に用いられている。
アスベストセメント板や特公昭54−7359号の強化材料として用いられているアスベスト繊維は、耐熱性、機械的強度に優れ、安価であるなどの理由により過去から多用されてきたが近年石綿肺、肺がんなどを引き起こす原因になることが明らかとなり、粉塵規制の厳しい特定化学物質に指定されている。したがってアスベスト繊維は環境や安全衛生面の点から最近ではほとんど使用されなくなった。
一方ポスト・アスベスト製品の開発も進められていて、特開平5−151852号はその一例である。この製品はアスベスト繊維の代わりにガラス繊維を強化材料として用いたものである。
しかしながら結合剤として用いられる金属リン酸塩、例えばリン酸アルミニウは耐熱性に優れる反面、製造工程時には強酸性の水溶液で使用する。そのため製造設備に付着した場合などは急激に腐食が進み設備故障の原因になり易い。また作業者の皮膚に付着するとかぶれるなど作業性を困難にしている。その他樹脂などで固めたFRPなども断熱構造材として使用されるが、この場合には樹脂に使用されている溶剤が環境・衛生面で大きな問題となっている。
この発明は、従来品の繊維強化材や結合材から生じる環境・衛生面の負荷を軽減させることを第一の課題とした。とくに結合材は、天然原料である安全性の高いショ糖を用い、さらに繊維強化材や充填粉末も環境・衛生面で負荷の少ない材料を選択した。とくに繊維強化材にパルプ紙を用いると使用後に破砕して土に還せるなど、資源の有効活用や廃却処理が容易となる。第二の課題として軽量化が計り易く、断熱性、機械的強度などの特性も従来品より優れた新しい繊維強化複合体の開発を目指した。
請求項1にかかわる発明は、材料構成および作製工程について説明したものである。この発明は繊維強化材に無機質繊維やパルプ紙を用いる。つぎにショ糖またはとショ糖と充填粉末の混合物に水を添加混合し、ショ糖水溶液またはショ糖と充填粉末の混合物の泥しょう物を作製する工程、繊維強化材にショ糖水溶液または泥しょう物を塗布する工程。乾燥して成形基材を作製する工程。成形基材をホットプレスして作製する工程からなり、ショ糖を結合材とした点で全く新しい材料系の繊維強化複合体といえる。
請求項2にかかわる発明は、ショ糖に混合する充填粉末の混合比率について説明したものである。混合比率はショ糖30〜95重量%に対し充填粉末は5〜70重量%である。充填粉末が5%未満の場合にはショ糖のみを用いた組成と顕著な差異が認められず、混合する効果に乏しい。一方70重量%を越えると、結合材としての効果を発揮するショ糖の量が少なくなり、当然結合力が乏しくなり、得られる繊維強化複合体の機械的強度が劣ることになる。また層間接着も弱いため、層で剥離するなどの欠陥を生じやすい。
請求項3にかかわる発明は、ショ糖または泥しょう物の濃度が30〜65%になる範囲に水を添加して作製する水溶液または泥しょう物の作製に関する。濃度が5%未満の場合には、結合力が低下し、機械的強度に優れた繊維強化複合体が得難い。一方濃度が65%を越えると均一塗布がし難くなり、また乾燥工程で水分が蒸発し難くなり、乾燥に時間を要するなどの問題が発生する。
請求項4にかかわる発明は、繊維強化材について記載したものである。繊維強化材としては無機質繊維やパルプ紙を用いた。シリカ繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維などがある。そのほか綿布や金属不織布あるいは金網なども使用できる。
請求項5にかかわる発明は、充填粉末について説明したものである。充填粉末を用いる理由は、機械的強度の改善、色調の改善、機械加工性の改善、コスト低減、機能付加などを計るなどのために用いる。充填粉末としては、通常知られている金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物の粉末を用いる。金属酸化物としてはアルミナ、シリカ、マグネシア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄など多数のものがある。金属水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄などがある。金属複合酸化物としては、粘土類、マイカ類、ガラス類などの鉱物粉末を用いることができる。
請求項6にかかわる発明は、繊維強化材に塗布するショ糖水溶液または泥しょう物の塗布比率について記載したものである。繊維強化材1重量部に対して0.8〜15重量部である。塗布比率は繊維強化材の形態や種類により異なるが、上記範囲内で所望の特性を有する繊維強化複合体が得られる。0.8重量部より少ないと強固な結合力が発揮されないため、繊維強化材間で剥がれなどが発生しやすい。15重量部を越えると、まず塗布作業が困難となる。すなわち繊維強化材から垂れるため均一塗布が困難となる。したがって複数回の塗布乾燥工程を繰り返して目的とする塗布比率にするなど、作業が煩雑となり好ましくない。また得られる複合体は特性のバラツキが大きくなり好ましくない。
請求項7にかかわる発明は、ホットプレスについて記載したものである。成形基材を積層したものを5kg/cm2以上で加圧後、加圧保持の状態で段階的に加熱して成形する。加熱は段階的に昇温して行い、最終加熱温度を230℃以上で終えることで、強固で水に不溶の繊維強化複合体にする。加圧力が5kg/cm2未満の場合には多孔質状態の複合体となり易く、機械強度的に劣る。また加熱温度を段階的に昇温せず、即最終温度で行うと、ショ糖の加熱分解が急速に起るため、発泡状態になりやすく、繊維強化複合体は多孔質となり機械的強度に劣るため好ましくない。最終加熱温度が230℃未満の場合には、ショ糖中の水酸基が残存しているため、水に対して加水分解性を示す。したがって得られる繊維強化複合体は耐水性に劣る。
本発明は耐熱性200℃以上で断熱性および機械的強度に優れ、かつ環境負荷の少ない繊維強化複合体の製法に関するものである。繊維強化材をショ糖水溶液またはショ糖に充填材を混合した泥しょう物を塗布乾燥したのち、それらを積層してプレス間に挟み、ホットプレスして作製する。得られた繊維強化複合体は、機械的強度を有し充填材の種類の選択を行えば優れた断熱特性をもつものが得られる。用途としてプレス熱盤や金型などの断熱構造材と使用でき、省エネ効果を発揮する。
ホットプレス法により、加熱分解・固化して繊維強化材や充填粉末を強固に結合させ、耐水性を有するものに変化するショ糖は、C12H22O11の化学式で示され、融点185℃である。ショ糖は185℃付近の温度から溶融し200℃付近でもっとも活発に加熱分解をすると同時に高分子量化し始める。214℃付近からさらに分解と炭化が進み黒茶化して固化しはじめる。この現象を利用して繊維強化材や充填粉末を強固に結合させる。230℃以上で加熱加圧を行うと水に対して不溶となるため、耐水性に優れたものとなる。
成形基材をホットプレスして繊維強化複合体をつくる方法についてさらに詳しく説明する。まず成形基材を所望の厚さの複合体になるよう重ねる。つぎに積層した成形基材の上下に厚さ12ミクロン程度のアルミ箔を介する。目的は離型用である。さらにアルミ箔の上下に平滑な面を有した厚さ5ミリ以上の金属板を介し、プレス熱盤間に挿入する。挿入する際の熱盤温度はショ糖が加熱分解しない200℃未満が好ましい。200℃以上だと成形基材中のショ糖が直ちに溶融し、加熱分解し、一部固化するため制御が困難となり、また強固な繊維強化複合体を作製することは困難となる。200℃未満の熱盤間に挿入後直ちに加圧する。加圧力は5kg/cm2以上でおこなう事が好ましい。5kg/cm2未満では成形圧力不足を生じ、均一密度を有する繊維強化複合体が得られがたい。つぎに加圧下で熱盤温度を例えば200、250、300℃のように段階的に昇温する。各温度での保持時間は目的とする繊維強化複合体の組成や厚さにもよるが、各温度で生じる分解がほぼ終了する時点まで時間を保持する事が必要である。なお終了時点の判断は、ショ糖が加熱分解にする際に発生する発煙状態を観察し、それらの現象が終焉する時間をもって判断する。230℃以上の最終加熱温度で保持した後、今回の場合には熱盤を冷却し80℃以下になってから除圧し、プレスから本発明による繊維強化複合体を取り出した。さらに生産性を高めるために取り出し治具などを設置した場合は80℃以上でも取り出し可能である。最終加熱温度は繊維強化複合体に耐水性を付与するために230℃以上で行う必要がある。230℃未満の場合には耐水性が劣り、水に対して形状崩壊するなどの問題が発生する。
つぎに本発明の繊維強化複合体の製造法について代表的な実施例に基づき説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
繊維強化材としてガラスペーパ(オリベスト(株)、グラベストSB−075)を使用した。厚さ0.5mm、幅800mm、長さ800mmに裁断して使用した。強化材1枚の重量は48gである。
繊維強化材としてガラスペーパ(オリベスト(株)、グラベストSB−075)を使用した。厚さ0.5mm、幅800mm、長さ800mmに裁断して使用した。強化材1枚の重量は48gである。
ショ糖(台糖(株)、白糖)30重量%、充填粉末として酸化チタン粉末(堺化学工業(株)、R−650)70重量%からなる混合粉末100重量部に水100重量部添加して10分間混合し、濃度50%の泥しょう物を調製した。
繊維強化材1枚(48g)に対して、480gの泥しょう物を塗布した。塗布比率は、繊維強化材1重量部に対して泥しょう物10重量部である。
塗布したのち120℃の熱風循環式乾燥機で水分を除去して成形基材を作製した。
成形基材を30枚重ねた。さらに上下に厚さ12ミクロン程度のアルミ箔(三菱アルミ(株))を離型用として用いた。その上下にさらに2〜3mmの平滑な面を有する鉄板を配置して185℃に加熱した熱盤間に挿入した.直ちに加圧力50kg/cm2を加えた後、20分間加熱加圧した。その後、熱盤を200,250,300℃と段階的に昇温させた。ただし各温度での保持時間は発煙現象が消滅する時間、例えば15〜20分間加熱加圧した。最終温度300℃で加熱した後、加圧保持の状態で熱盤を80℃以下に冷却してから除圧して繊維強化複合体を取り出した。
繊維強化複合体の色調は茶色で、厚さ6.0mm、幅800mm,長さ800mmであった。
繊維強化複合体の縁部周辺を5mm切断して厚さ6.0mm,幅790mm,長さ790mmの本発明による寸法品を作製した。
繊維強化複合体から試験片を採取し、比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。比重は原厚さで幅50mm,長さ50mmの寸法品を用い、重量を体積で除して算出した。曲げ強さ,圧縮強さはJISK6911に準じて測定した。熱伝導率はレーザフラッシュ法により測定した。結果を表1に示す。
実施例2
繊維強化材としてガラスクロス(有沢製作所、M7628)で幅600mm、長さ1040mmに裁断して使用した。1枚の135gである。
繊維強化材としてガラスクロス(有沢製作所、M7628)で幅600mm、長さ1040mmに裁断して使用した。1枚の135gである。
ショ糖(実施例1と同じ)100重量部に水53.8重量部を添加混合し65%濃度の砂糖水を調製した。
繊維強化材1枚(135g)に対してショ糖65%水溶液108gを塗布した。塗布比率は強化材1重量部に対してショ糖65%水溶液0.8重量部である。
乾燥温度を150℃でおこなった以外は実施例1と同様にして成形基材を作製した。
成形基材38枚を重ねた。以下実施例1と同様にして繊維強化複合体を作製した。ただし加圧力は30kg/cm2でおこない、最終加熱温度を250℃でおこなった以外は実施例1と同じある。
繊維強化複合体の色調は、黒色で厚さ5.7mm、幅600mm、長さ1040mmであった。
繊維強化複合体の縁部周辺を5mm切断して、厚さ5.7mm、幅590mm長さ1030mmの本発明による寸法品を作製した。
実施例1と同様にして繊維強化複合体の比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
実施例3
繊維繊維強化材として実施例1と同じガラスペーパで裁断寸法も同じである。
繊維繊維強化材として実施例1と同じガラスペーパで裁断寸法も同じである。
砂糖(実施例1と同じ)70重量部に珪藻土(日本ホームプロダクツ(有))より入手)30重量部の混合物を用いた。さらに水を100重量部添加混合し、濃度50%の泥しょう物を調製した。
繊維強化材1枚(48g)に対して720gの泥しょう物を塗布した。塗布比率は繊維強化材1重量部に対して泥しょう物15重量部である。
実施例1と同様にして成形基材を作製した。
成形基材15枚を重ねた。以下実施例1と同様にして複合体を作製した。ただし加圧力は5kg/cm2とした。
繊維強化複合体の色調は黒灰色で、厚さ7.1mm、幅800mm、長さ800mmであった。
繊維強化複合体の縁部周辺を5mm程度切断して厚さ7.1mm、幅790mm、長さ790mmの本発明による寸法品を作製した。
実施例1と同様にして繊維強化複合体の比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
強化材料としてガラスクロス(有沢製作所(株)、M7628)を使用した。厚さ0.2mm、幅600mm、長さ1040mmに裁断したもので、1枚の重量は135gである。
強化材料としてガラスクロス(有沢製作所(株)、M7628)を使用した。厚さ0.2mm、幅600mm、長さ1040mmに裁断したもので、1枚の重量は135gである。
砂糖65重量部にアルミナ系ウイスカー(四国化成(株)アルボレックスY)35重量部で構成された混合物を用いた。さらに水150重量部を添加混合して濃度40%の泥しょう物を調製した。砂糖は実施例1と同じものである。
繊維強化材1枚(135g)に対して135gの泥しょう物を塗布した。塗布比率は強化材1重量部に対して1重量部である。
実施例1と同様にして成形基材を作製した。
成形基材37枚を重ねた。以下実施例1と同様にして繊維強化複合体を作製した。
繊維強化複合体の色調は黒茶色で、厚さ5.6mm、幅600mm、長さ1040mmであった。
つぎに繊維強化複合体の縁部周辺を5mm切断して、厚さ5.6mm、幅590mm、1030mmの寸法品を作製した。
実施例1と同様にして繊維強化複合体の比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表2に示す。
実施例5
繊維強化材料としてパルプでできた吸水紙(大王製紙(株)、キッチンタオル)を用いた。厚さ約0.5mm、幅228mm、長さ220mmの裁断寸法で、重量が2g/枚である。
繊維強化材料としてパルプでできた吸水紙(大王製紙(株)、キッチンタオル)を用いた。厚さ約0.5mm、幅228mm、長さ220mmの裁断寸法で、重量が2g/枚である。
砂糖50重量部と水酸化アルミニウム(昭和電工(株)、H−42)50重量部で構成された混合物を用いた。さらに水100重量部添加して混合し、濃度50%の泥しょう物を調製した。砂糖は実施例1と同じである。
繊維強化材(2g/枚)に20gの泥しょう物を塗布した。塗布比率は、繊維強化材料1重量部に対して泥しょう物10重量部である。
実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。
プリプレグ50枚を重ね、以下実施例1と同様にして繊維強化複合体を作製した。ただし加圧力は7kg/cm2とし、最終加熱温度は230℃でおこなった。
繊維強化複合体の色調は黒色で,厚さ7.1mm、幅228mm,長さ220であった。
繊維強化複合体の縁部周辺を5mmづつ切断して,厚さ7.1mm、幅218mm、長さ210mmの本発明による寸法品を作製した。
実施例1と同様にして繊維強化複合体の比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
繊維強化材としてガラスクロス(実施例2と同じもの)を用いた。
繊維強化材としてガラスクロス(実施例2と同じもの)を用いた。
砂糖95重量部とシラスバルーン(豊和直(株)、SYB−1000H)5重量部からなる構成された混合物を用いた。さらに水を233.3重量部添加混合し、濃度30%の泥しょう物を作製した。砂糖は実施例1と同じものである。
繊維強化材(135g/枚)に162gの泥しょう物を塗布した。塗布比率は繊維強化材1重量部に対して泥しょう物1.2重量部である。
実施例1と同様にして成形基材を作製した。
成形基材35枚を重ね、以下実施例1と同様にして繊維強化複合体を作製した。ただし加圧力は、40kg/cm2でおこなった。
繊維強化複合体の色調は黒色で,厚さ6.0mm、幅600mm,長さ1040mmであった。
繊維強化複合体の縁部周辺を5mmづつ切断して、摩さ6.0mm、幅590mm,長さ1030mmの本発明による寸法品を作製した。
実施例1と同様にして、繊維強化複合体の比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
厚さ10mmのアスベストセメント板(ユタカ産業(株))を用い、実施例1と同様に比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表3に示す。
厚さ10mmのアスベストセメント板(ユタカ産業(株))を用い、実施例1と同様に比重、曲げ強さ、圧縮強さ、熱伝導率を測定した。結果を表3に示す。
この発明による繊維強化複合体は、表1〜表2に示す結果より明らかなように、比較例1および比較例2の従来品に比べ、▲1▼軽量(低比重)。▲2▼機械強度に優れる。▲3▼断熱効果が大きい(熱伝導率が小さい)。▲4▼アスベストなどの特定化学物質を含まない安全な材料構成などのほか、機械加工が容易、安価であるなどの利点も活かして、プレス熱盤や金型などの断熱構造材として有効に利用でき、省エネ効果を発揮する。
繊維強化材に無機質繊維やパルプ紙を用い、ショ糖またはショ糖と充填粉末ならびに水から構成された水溶液または泥しょう物を作製する工程。繊維強化材にこれらを塗布乾燥して成形基材を作製する工程。成形基材をホットプレスして繊維強化複合体を作製する工程。このような作製工程から製造される繊維強化複合体は従来品に比べ軽量で機械的強度ならびに断熱性に優れた特長を有する。そのためプレス熱盤や金型などの断熱構造材として有効に活用できる。この発明は、ショ糖の加熱性状を利用した全く新しい繊維強化複合体である。すなわち加熱により優れた結合効果や耐水性を有することなどを活用して、この発明品を完成させた。またこの発明品は環境負荷の少ない安全性に優れた材料で構成される。
今回の発明内容では、予測されるすべてについて記載していないが、使用目的に応じた特性を付加したい場合には、ショ糖に混合する充填粉末の種類を選択して用いる。例えば、機械加工性の向上をさらに計るためにはマイカ粉末(金属複合酸化物)や窒化ホウ素(金属窒化物)を用いればよく、殺菌や消臭などの機能を付与させる場合には、酸化チタン(金属酸化物;アナタース型、ブリッカイト型)などを混合して用いれば、その効果が期待できる。また繊維強化複合体の硬度を高め、耐磨耗性を得たいときには、炭化珪素(金属炭化物)や窒化アルミニウム(金属窒化物)も有効な充填粉末となり得る。その他、電波吸収性を付与するためにはカーボン粉末(炭素)やフェライト粉末(金属複合酸化物)を充填粉末として用いることでその効果が期待できる。アルミナ(金属酸化物)やシリカ(金属酸化物)をショ糖に混合して用いることで、コスト低減や圧縮強さなどの特性改善を計る。ゼオライト、珪藻土、活性炭などを充填粉末とした繊維強化複合体は、調湿機能を有するため内壁材や天井材などの建材として利用することができる。また繊維強化材として金属繊維例えばアルミ不織布や金網なども利用でき、強度(衝撃強さ)の改善を計ることが可能である。このようにショ糖を結合材として種々の機能を有する充填粉末や繊維強化材をホットプレスして繊維強化複合体を作製して断熱構造材以外の用途にも利用することが可能である。
Claims (7)
- ショ糖またはショ糖と充填粉末から構成された混合物に水を添加して水溶液または泥しょう物を作製する工程。水溶液または泥しょう物を繊維強化材に塗布する工程。塗布後、乾燥して成形基材を作製する工程。成形基材をホットプレスして積層体を作製する工程からなる繊維強化複合体。
- 混合物を構成するショ糖対充填粉末の比率は30〜95重量%:5〜70重量%である請求項1記載の繊維強化複合体。
- ショ糖水溶液または泥しょう物の濃度が5〜65%の範囲である請求項1から2記載の繊維強化複合体。
- 繊維強化材が無機質繊維またはパルプ紙である請求項1記載の繊維強化複合体。
- 充填粉末は、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物またはそれらの混合粉末である請求項1から3記載の繊維強化複合体。
- 繊維強化材に塗布するショ糖水溶液または泥しょう物は繊維強化材1重量部に0.8〜15重量部である請求項1から3記載の繊維強化複合体。
- 成形基材を5kg/cm2以上で加圧後、段階的に加熱するホットプレス成形において最終加熱温度230℃以上で作製した請求項1から6記載の繊維強化複合体。
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