JP2005039469A - オフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路 - Google Patents
オフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減できるオフセット調整回路を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器4と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器6と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段2と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段5と、第1の基準信号と前記第2の増幅器6の反転入力端子(−)との間に抵抗器72を設け、前記第1の基準電圧発生手段2の電圧と第2の基準電圧発生手段5の電圧を調整することで、第1の増幅器4の出力と第2の増幅器6の出力を調整することができることにより、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器4と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器6と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段2と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段5と、第1の基準信号と前記第2の増幅器6の反転入力端子(−)との間に抵抗器72を設け、前記第1の基準電圧発生手段2の電圧と第2の基準電圧発生手段5の電圧を調整することで、第1の増幅器4の出力と第2の増幅器6の出力を調整することができることにより、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセットを持つ第1の入力信号とオフセットを持つ第2の入力信号を所定の値にオフセット調整する回路として図3のような回路がある。第1の基準電圧は抵抗Raを通してAMP1の反転入力端子に、第1の入力信号はAMP1の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。同様に、第2の基準電圧は抵抗Rcを通してAMP2の反転入力端子に、第2の入力信号はAMP2の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。AMP1とAMP2にはそれぞれ負帰還抵抗Rb、Rdが接続されている。Amp1は第1の入力信号と第1の基準電圧の差を利得1+Rb/Raで増幅する非反転増幅器、Amp2は第2の入力信号と第2の基準電圧の差を利得1+Rd/Rcで増幅する非反転増幅器である。そして、AMP1とAMP2の出力は演算手段に接続された構成になっている。
【0003】
従来のこのような回路において、オフセットを持つ第1と第2の入力信号を増幅したAmp1の出力とAmp2の出力を所定の電位に調整する場合、第1の基準電圧と第2の基準電圧をそれぞれ調整する。この回路の第1の基準電圧と第2の基準電圧の調整電位に対するAmp1とAmp2出力の調整率はそれぞれ抵抗比Rb/Ra、Rd/Rcで決定される。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−74867号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成においては、温度変化などで第1の基準電圧と第2の基準電圧の温度ドリフトも抵抗比倍されるため、できる限りゼロに近い抵抗比として、Amp1とAmp2による第1の入力信号と第2の入力信号の利得を略1に近いものとしているため、信号増幅ができず中点ドリフトへの影響も大きくなるという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明では、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、入力信号にオフセット電圧を加算して入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路であって、第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段と、前記第1の基準信号と前記第2の増幅器の反転入力端子(−)との間に抵抗を設け、前記第1の基準電圧発生手段の電圧と前記第2の基準電圧発生手段の電圧を調整することで、前記第1の増幅器の出力と前記第2の増幅器の出力を調整することができることにより、ばらつき調整時の精度を向上することができるとともに、第1と第2の増幅器出力の相対変化が低減され、温度変化も低減することができるという作用を有する。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、第1の入力信号と第2の入力信号に対する第1の増幅器の利得と第2の増幅器の利得が同じであるため、外乱によるSN比への影響を低減することができるという作用を有する。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、第1の基準電圧発生手段からの第1の基準信号を、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とすることにより、インピーダンス変化の影響を低減することができるという作用を有する。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、第2の基準電圧発生手段からの第2の基準信号を、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とすることにより、インピーダンス変化の影響を低減することができるという作用を有する。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明は、複数の抵抗の一部が抵抗値を可変設定できることにより電圧フォロア出力を抵抗値の分解能で調整することができるという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項6に記載の発明は、第1の入力信号と第2の入力信号が被測定対象の変化に対応して変動するセンサ信号からなり、第1の増幅器の出力と第2の増幅器の出力が差動増幅器に接続されたセンサ信号処理回路を構成することにより、波形ドリフトの影響が少ない信号波形を得ることができるという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項7に記載の発明は、差動増幅器を比較器にすることで、2つの信号を直接比較して矩形波を得ることができ、回路を簡素化することができるという作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態における回転検出装置のオフセット調整回路を説明するための構成図である。図1に示すように、オフセット調整回路は第1、第2の入力信号S1、S2と第1、第2の基準発生手段2、5と第1、第2の増幅器4、6と第1、第2の増幅器4、6の出力T1、T2を演算する差動増幅器8から構成される。
【0018】
磁気センサ部3は、それぞれ1組のブリッジで構成された磁気センサ素子31、32、33、34と磁気センサ素子31、32、33、34に対して所定の磁界を発生させるバイアス磁石(図示せず)で構成されており、被検出対象となるギア1とは所定の間隙をもって配置されている。バイアス磁石は永久磁石からなり、一方の面がN極に他方の面がS極に着磁されている。磁気センサ素子31、32、33、34は、ギア1の外周部と対向するようにして配置され、ギア1の回転に伴い周期的に変化する信号を出力するものである。磁気センサ素子31、32、33、34としては、例えば半導体磁気抵抗素子が用いられる。また、磁気センサ素子31、32および磁気センサ素子33、34の両端には定電圧Vccが印加されているため、磁気センサ素子31と32、磁気センサ素子33と34の各中点における電位がギア1の回転に伴って、図2に示すような正弦波状の第1および第2の入力信号S1、S2として取り出され、第1および第2の増幅器4、6の非反転入力端子に入力される。
【0019】
なお、磁気センサ素子31、32、33、34は、ギア1の回転に伴う磁束変化により周期的な信号を出力できるものであれば、MR素子(磁気抵抗素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗素子)、MI素子(磁気インピーダンス素子)やその他の検出手段を用いてもよい。
【0020】
一方、被検出対象となるギア1には、図1に示すように突部11が連続的に設けられている。そして、図1の矢印に示すようにギア1は回転を行っている。突部11は回転に伴い磁気センサ素子31、32、33、34の出力を変化させるためのものであり、図1に示すようにギア1の外周部に所定のピッチで設けられ、ギア1が回転することにより同一軌道上を移動するように構成されている。このギア1は突部11を含めて全体が磁性体により構成されているが、その突部11のみが磁性体で形成されていてもよい。
【0021】
なお、ギア1は図1に示すように突起状の突部11を形成したものに限られるものではなく、ギア1の回転に伴って磁気センサ素子31、32、33、34から周期的に変化する信号を出力できるものであれば、その他の構造もしくは形状のものであってもよい。
【0022】
第1の基準電圧発生手段2は、電源と接地間に配置された抵抗21、22と可変抵抗23と電圧フォロア24で構成されており、この抵抗21、22の分割電圧VccHFは電圧フォロア24の出力すなわち第1の基準信号V1として取り出される。この電圧フォロア24を設けることにより抵抗21、22、23のインピーダンスの影響を低減することができる。この第1の基準信号V1が抵抗71を介して第1の増幅器4の反転入力端子に接続され、抵抗71の2倍の抵抗値をもった抵抗72を介して第2の増幅器6の反転入力端子に接続されている。また、抵抗72とこれと同じ抵抗値を持つ抵抗73を介して第2の基準電圧発生手段5の電圧フォロア54の出力とも接続されている。
【0023】
第2の基準電圧発生手段5も抵抗51、52と可変抵抗53と電圧フォロア54で構成されており、この抵抗51、52の分割電圧Vsofは電圧フォロア54の出力すなわち第2の基準信号V2として取り出される。この電圧フォロア54を設けることにより抵抗51、52、53のインピーダンスの影響を低減することができる。
【0024】
第1の増幅器4および第2の増幅器6の構成は同じで、非反転入力端子には第1および第2の入力信号S1、S2が入力され、反転入力端子には第1、第2の基準信号V1、V2が入力され、反転入力端子と第1および第2の増幅器4、6の出力端子間には増幅度を決める抵抗74、75が配置され、各増幅器4、6の出力端子より第1の増幅器4の出力T1および第2の増幅器6の出力T2が取り出される。
【0025】
次に、この回路構成による回路動作について説明する。
【0026】
ギア1の回転に伴って磁気センサ素子31、32、33、34から得られた第1および第2の入力信号S1、S2が第1および第2の増幅器4、6に入力される。そして、第1の入力信号S1および第2の入力信号S2のオフセット調整回路をするために、可変抵抗23、53の抵抗値を変化させることで第1および第2の基準信号V1、V2をレベルシフトさせる。抵抗71、72、73、74、75のそれぞれの抵抗値をR71、R72、R73、R74、R75とすれば、可変抵抗23を変化させた場合は、第1の増幅器4の出力T1は−R74/R71のオフセット変化となり、第2の増幅器6の出力T2は−R75/R72のオフセット変化となる。そして、この差が相対ドリフトとなるが、これは抵抗71と抵抗72の比率によって決まることになるので、比率を小さくすれば相対ドリフトの影響を低減することができることになる。
【0027】
次に、可変抵抗53を変化させた場合は第1の増幅器4の増幅度が−1となり、第1の増幅器4の出力T1がレベルシフトに及ぼす影響は全くないが、第2の増幅器6の出力T2は−R75/R73のオフセット変化となる。これにより第1の増幅器4の出力T1と第2の増幅器6の出力T2はオフセット微調整が可能となり、ばらつき精度を向上させることができる。
【0028】
そして、この第1の増幅器4の出力T1、第2の増幅器6の出力T2を演算手段である差動増幅器8に入力することで、お互いのドリフトを相殺し波形ドリフトの影響が少ない信号を得る。また、演算手段として、差動増幅器8の代わりに比較器を用いることで、第1の増幅器4の出力T1と第2の増幅器6の出力T2を直接比較することにより矩形波出力を得ることができ、回路を簡素化することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明は入力信号にオフセット電圧を加算して入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路であって、第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段と、前記第1の基準信号と前記第2の増幅器の反転入力端子(−)との間に抵抗を設け、前記第1の基準電圧発生手段の電圧と前記第2の基準電圧発生手段の電圧を調整することで、前記第1の増幅器の出力と前記第2の増幅器の出力を調整することができることにより、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における回転検出装置のオフセット調整回路を説明するための構成図
【図2】本発明の実施の形態における磁気センサ素子の中点における出力波形図
【図3】従来のオフセット調整回路を説明するための構成図
【符号の説明】
1 ギア
2 第1の基準電圧発生手段
3 磁気センサ部
4 第1の増幅器
5 第2の基準電圧発生手段
6 第2の増幅器
8 差動増幅器
21、22、51、52、71〜75 抵抗
23、53 可変抵抗
24、54 電圧フォロア
31〜34 磁気センサ素子
V1 第1の基準信号
V2 第2の基準信号
S1 第1の入力信号
S2 第2の入力信号
T1 第1の増幅器の出力
T2 第2の増幅器の出力
【発明の属する技術分野】
本発明は入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセットを持つ第1の入力信号とオフセットを持つ第2の入力信号を所定の値にオフセット調整する回路として図3のような回路がある。第1の基準電圧は抵抗Raを通してAMP1の反転入力端子に、第1の入力信号はAMP1の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。同様に、第2の基準電圧は抵抗Rcを通してAMP2の反転入力端子に、第2の入力信号はAMP2の非反転入力端子にそれぞれ接続されている。AMP1とAMP2にはそれぞれ負帰還抵抗Rb、Rdが接続されている。Amp1は第1の入力信号と第1の基準電圧の差を利得1+Rb/Raで増幅する非反転増幅器、Amp2は第2の入力信号と第2の基準電圧の差を利得1+Rd/Rcで増幅する非反転増幅器である。そして、AMP1とAMP2の出力は演算手段に接続された構成になっている。
【0003】
従来のこのような回路において、オフセットを持つ第1と第2の入力信号を増幅したAmp1の出力とAmp2の出力を所定の電位に調整する場合、第1の基準電圧と第2の基準電圧をそれぞれ調整する。この回路の第1の基準電圧と第2の基準電圧の調整電位に対するAmp1とAmp2出力の調整率はそれぞれ抵抗比Rb/Ra、Rd/Rcで決定される。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−74867号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成においては、温度変化などで第1の基準電圧と第2の基準電圧の温度ドリフトも抵抗比倍されるため、できる限りゼロに近い抵抗比として、Amp1とAmp2による第1の入力信号と第2の入力信号の利得を略1に近いものとしているため、信号増幅ができず中点ドリフトへの影響も大きくなるという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明では、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、入力信号にオフセット電圧を加算して入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路であって、第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段と、前記第1の基準信号と前記第2の増幅器の反転入力端子(−)との間に抵抗を設け、前記第1の基準電圧発生手段の電圧と前記第2の基準電圧発生手段の電圧を調整することで、前記第1の増幅器の出力と前記第2の増幅器の出力を調整することができることにより、ばらつき調整時の精度を向上することができるとともに、第1と第2の増幅器出力の相対変化が低減され、温度変化も低減することができるという作用を有する。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、第1の入力信号と第2の入力信号に対する第1の増幅器の利得と第2の増幅器の利得が同じであるため、外乱によるSN比への影響を低減することができるという作用を有する。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、第1の基準電圧発生手段からの第1の基準信号を、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とすることにより、インピーダンス変化の影響を低減することができるという作用を有する。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、第2の基準電圧発生手段からの第2の基準信号を、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とすることにより、インピーダンス変化の影響を低減することができるという作用を有する。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明は、複数の抵抗の一部が抵抗値を可変設定できることにより電圧フォロア出力を抵抗値の分解能で調整することができるという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項6に記載の発明は、第1の入力信号と第2の入力信号が被測定対象の変化に対応して変動するセンサ信号からなり、第1の増幅器の出力と第2の増幅器の出力が差動増幅器に接続されたセンサ信号処理回路を構成することにより、波形ドリフトの影響が少ない信号波形を得ることができるという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項7に記載の発明は、差動増幅器を比較器にすることで、2つの信号を直接比較して矩形波を得ることができ、回路を簡素化することができるという作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態における回転検出装置のオフセット調整回路を説明するための構成図である。図1に示すように、オフセット調整回路は第1、第2の入力信号S1、S2と第1、第2の基準発生手段2、5と第1、第2の増幅器4、6と第1、第2の増幅器4、6の出力T1、T2を演算する差動増幅器8から構成される。
【0018】
磁気センサ部3は、それぞれ1組のブリッジで構成された磁気センサ素子31、32、33、34と磁気センサ素子31、32、33、34に対して所定の磁界を発生させるバイアス磁石(図示せず)で構成されており、被検出対象となるギア1とは所定の間隙をもって配置されている。バイアス磁石は永久磁石からなり、一方の面がN極に他方の面がS極に着磁されている。磁気センサ素子31、32、33、34は、ギア1の外周部と対向するようにして配置され、ギア1の回転に伴い周期的に変化する信号を出力するものである。磁気センサ素子31、32、33、34としては、例えば半導体磁気抵抗素子が用いられる。また、磁気センサ素子31、32および磁気センサ素子33、34の両端には定電圧Vccが印加されているため、磁気センサ素子31と32、磁気センサ素子33と34の各中点における電位がギア1の回転に伴って、図2に示すような正弦波状の第1および第2の入力信号S1、S2として取り出され、第1および第2の増幅器4、6の非反転入力端子に入力される。
【0019】
なお、磁気センサ素子31、32、33、34は、ギア1の回転に伴う磁束変化により周期的な信号を出力できるものであれば、MR素子(磁気抵抗素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗素子)、MI素子(磁気インピーダンス素子)やその他の検出手段を用いてもよい。
【0020】
一方、被検出対象となるギア1には、図1に示すように突部11が連続的に設けられている。そして、図1の矢印に示すようにギア1は回転を行っている。突部11は回転に伴い磁気センサ素子31、32、33、34の出力を変化させるためのものであり、図1に示すようにギア1の外周部に所定のピッチで設けられ、ギア1が回転することにより同一軌道上を移動するように構成されている。このギア1は突部11を含めて全体が磁性体により構成されているが、その突部11のみが磁性体で形成されていてもよい。
【0021】
なお、ギア1は図1に示すように突起状の突部11を形成したものに限られるものではなく、ギア1の回転に伴って磁気センサ素子31、32、33、34から周期的に変化する信号を出力できるものであれば、その他の構造もしくは形状のものであってもよい。
【0022】
第1の基準電圧発生手段2は、電源と接地間に配置された抵抗21、22と可変抵抗23と電圧フォロア24で構成されており、この抵抗21、22の分割電圧VccHFは電圧フォロア24の出力すなわち第1の基準信号V1として取り出される。この電圧フォロア24を設けることにより抵抗21、22、23のインピーダンスの影響を低減することができる。この第1の基準信号V1が抵抗71を介して第1の増幅器4の反転入力端子に接続され、抵抗71の2倍の抵抗値をもった抵抗72を介して第2の増幅器6の反転入力端子に接続されている。また、抵抗72とこれと同じ抵抗値を持つ抵抗73を介して第2の基準電圧発生手段5の電圧フォロア54の出力とも接続されている。
【0023】
第2の基準電圧発生手段5も抵抗51、52と可変抵抗53と電圧フォロア54で構成されており、この抵抗51、52の分割電圧Vsofは電圧フォロア54の出力すなわち第2の基準信号V2として取り出される。この電圧フォロア54を設けることにより抵抗51、52、53のインピーダンスの影響を低減することができる。
【0024】
第1の増幅器4および第2の増幅器6の構成は同じで、非反転入力端子には第1および第2の入力信号S1、S2が入力され、反転入力端子には第1、第2の基準信号V1、V2が入力され、反転入力端子と第1および第2の増幅器4、6の出力端子間には増幅度を決める抵抗74、75が配置され、各増幅器4、6の出力端子より第1の増幅器4の出力T1および第2の増幅器6の出力T2が取り出される。
【0025】
次に、この回路構成による回路動作について説明する。
【0026】
ギア1の回転に伴って磁気センサ素子31、32、33、34から得られた第1および第2の入力信号S1、S2が第1および第2の増幅器4、6に入力される。そして、第1の入力信号S1および第2の入力信号S2のオフセット調整回路をするために、可変抵抗23、53の抵抗値を変化させることで第1および第2の基準信号V1、V2をレベルシフトさせる。抵抗71、72、73、74、75のそれぞれの抵抗値をR71、R72、R73、R74、R75とすれば、可変抵抗23を変化させた場合は、第1の増幅器4の出力T1は−R74/R71のオフセット変化となり、第2の増幅器6の出力T2は−R75/R72のオフセット変化となる。そして、この差が相対ドリフトとなるが、これは抵抗71と抵抗72の比率によって決まることになるので、比率を小さくすれば相対ドリフトの影響を低減することができることになる。
【0027】
次に、可変抵抗53を変化させた場合は第1の増幅器4の増幅度が−1となり、第1の増幅器4の出力T1がレベルシフトに及ぼす影響は全くないが、第2の増幅器6の出力T2は−R75/R73のオフセット変化となる。これにより第1の増幅器4の出力T1と第2の増幅器6の出力T2はオフセット微調整が可能となり、ばらつき精度を向上させることができる。
【0028】
そして、この第1の増幅器4の出力T1、第2の増幅器6の出力T2を演算手段である差動増幅器8に入力することで、お互いのドリフトを相殺し波形ドリフトの影響が少ない信号を得る。また、演算手段として、差動増幅器8の代わりに比較器を用いることで、第1の増幅器4の出力T1と第2の増幅器6の出力T2を直接比較することにより矩形波出力を得ることができ、回路を簡素化することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明は入力信号にオフセット電圧を加算して入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路であって、第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段と、前記第1の基準信号と前記第2の増幅器の反転入力端子(−)との間に抵抗を設け、前記第1の基準電圧発生手段の電圧と前記第2の基準電圧発生手段の電圧を調整することで、前記第1の増幅器の出力と前記第2の増幅器の出力を調整することができることにより、信号の増幅利得を確保しつつ、中点ドリフトの影響を低減(SN比を向上)できるオフセット調整回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における回転検出装置のオフセット調整回路を説明するための構成図
【図2】本発明の実施の形態における磁気センサ素子の中点における出力波形図
【図3】従来のオフセット調整回路を説明するための構成図
【符号の説明】
1 ギア
2 第1の基準電圧発生手段
3 磁気センサ部
4 第1の増幅器
5 第2の基準電圧発生手段
6 第2の増幅器
8 差動増幅器
21、22、51、52、71〜75 抵抗
23、53 可変抵抗
24、54 電圧フォロア
31〜34 磁気センサ素子
V1 第1の基準信号
V2 第2の基準信号
S1 第1の入力信号
S2 第2の入力信号
T1 第1の増幅器の出力
T2 第2の増幅器の出力
Claims (7)
- 入力信号にオフセット電圧を加算して入力信号のレベルシフトを行うオフセット調整回路であって、第1の基準信号に対する第1の入力信号を非反転増幅する第1の増幅器と、第2の基準信号に対する第2の入力信号を非反転増幅する第2の増幅器と、第1の基準信号に対する第1の入力信号のばらつきを補正するための第1の基準電圧発生手段と、第2の基準信号に対する第2の入力信号のばらつきを補正するための第2の基準電圧発生手段と、前記第1の基準信号と前記第2の増幅器の反転入力端子(−)との間に抵抗を設け、前記第1の基準電圧発生手段の電圧と前記第2の基準電圧発生手段の電圧を調整することで、前記第1の増幅器の出力と前記第2の増幅器の出力を調整するように構成したオフセット調整回路。
- 第1の入力信号と第2の入力信号に対する第1の増幅器の利得と第2の増幅器の利得が同じである請求項1に記載のオフセット調整回路。
- 第1の基準電圧発生手段からの第1の基準信号は、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とした請求項1に記載のオフセット調整回路。
- 第2の基準電圧発生手段からの第2の基準信号は、電源と接地間に配置された複数の抵抗と電圧フォロアで構成され、前記抵抗の分割電圧を前記電圧フォロアの出力とした請求項1に記載のオフセット調整回路。
- 複数の抵抗の一部が抵抗値を可変または調整できる構成とした請求項3および4に記載のオフセット調整回路。
- 請求項1に記載のオフセット調整回路における第1の入力信号と第2の入力信号は、被測定対象の変化に対応して変動するセンサ信号からなり、第1の増幅器の出力と第2の増幅器の出力が差動増幅器の入力に接続された構成のセンサ信号処理回路。
- 差動増幅器が比較器である請求項6に記載のセンサ信号処理回路。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003199255A JP2005039469A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | オフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路 |
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JP2003199255A JP2005039469A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | オフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路 |
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ID=34208767
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JP2003199255A Pending JP2005039469A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | オフセット調整回路およびそれを用いたセンサ信号処理回路 |
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JP (1) | JP2005039469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101401511B1 (ko) * | 2006-05-30 | 2014-06-03 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 반도체장치 및 그것을 이용한 전자기기 |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199255A patent/JP2005039469A/ja active Pending
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KR101401511B1 (ko) * | 2006-05-30 | 2014-06-03 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 반도체장치 및 그것을 이용한 전자기기 |
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