JP2005039395A - 映像受信チューナ及び映像受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部3と、フロントエンド部3で選局された信号を復調するデジタル復調回路部4を有する映像受信チューナ1において、デジタル復調回路部4により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する再変調回路部5と、再変調回路部5からの無線信号をアンテナ7を介して送信する送信回路部6を、フロントエンド部3とデジタル復調回路部4とともに1つの筐体内に設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星放送、ケーブルテレビジョン放送、デジタル地上波放送等のデジタル変調された映像信号を受信した映像受信信号を選局、復調してテレビジョン受像機に伝送する映像受信チューナ及び映像受信装置に関するものであり、特に、テレビジョンジョン受像機の設置場所の変更を容易にし、また、テレビジョンジョン受像機を移動させながら視聴することを可能にする小型の映像受信チューナ及び映像受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ケーブルテレビジョン(CATV)放送や衛星放送、また、地上波放送において、デジタル放送が普及している。従来より、例えば、アパート、マンション等の集合住宅や一戸建て住宅等でこれらのデジタル放送を視聴する際には、視聴したい部屋にデジタル放送された映像受信信号を取り出すためのアンテナ端子を設置し、このアンテナ端子に同軸ケーブル等の伝送線を介して、建造物の屋上等に設置した受信アンテナからの映像受信信号、若しくは、外部のCATVシステムから配信される映像受信信号が伝送されるようになっている。
【0003】
そして、このアンテナ端子に接続された映像受信チューナにより所望のチャンネルの映像受信信号を選局して復調し、復調された映像受信信号は映像受信チューナに接続されたテレビジョン受像機から映像や音声として出力される。図7は、このような従来の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。図7において、1は映像受信チューナを示す。映像受信チューナ1は、F接線(入力端子)2、フロントエンド部3、デジタル復調回路部4から成り、フロントエンド部3とデジタル復調回路部4は、1つの筐体に収められている。また、F接線2は前記筐体の表面に装着されている。
【0004】
視聴する部屋の壁等に設けられたアンテナ端子(不図示)に同軸ケーブル等の伝送線を介してF接線2が接続され、F接線2から映像受信信号が入力される。そして、F接線2に内部で接続されたフロントエンド部3により、入力された映像受信信号が増幅され、その増幅された映像受信信号から予め設定されたチャンネルが選局される。更に、デジタル復調回路部4により、選局されたチャンネルの映像受信信号がベースバンドのデジタルデータに復調される。
【0005】
このとき、デジタル復調回路部4により復調されたデジタルデータは、受信した映像受信信号の種類によって10〜16ビットのパラレルのデジタル信号として出力される。例えば、CATV放送の場合には、IF(中間周波数)信号を10ビットのA/Dコンバータでデジタル化し、デジタルBS放送の場合には、I/Q出力の2つの出力をそれぞれ6〜8ビットのA/Dコンバータでデジタル化するので、12〜16ビットのデジタル信号となる。そして、このデジタル信号は多芯ケーブル等の信号線やコネクタ等を介して、図示しないテレビジョン受像機に供給され、このテレビジョン受像機から、供給されたデジタル信号に基づく映像情報や音声情報が出力される。
【0006】
しかしながら、携帯して使用されるテレビジョン受像機や、可動式のテレビジョン受像機の場合、ケーブル等で引き回すことは困難であり、この問題を解決するため、映像受信チューナ1に無線送受信装置を接続して無線で前記デジタル信号を送信する方法がある。
【0007】
また、屋内の端末装置と外部ネットワークとをCATV網を介して接続し、相互に送受信されるデータの中継を行うための情報中継装置であって、前記端末装置から無線にて送信されるデータを中継して外部ネットワーク側へ送出するとともに外部ネットワークからCATV網を介して伝送されてきたデータを無線にて前記端末装置へ送信するためのアンテナを備えた無線中継器と、該無線中継器とCATV網との間に接続されるケーブルモデムとを1つのケースに収納した情報中継装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、無線回線を介して移動局に情報を伝送する情報伝送システムにおいて、前記無線回線から情報を受信して記憶する伝送情報記憶手段と、前記移動局が設置された移動体の軌道上の通過点でその移動局に前記伝送情報記憶手段に記憶された情報を無線伝送する送信手段とを有する中継局を備え、前記移動局には、前記送信手段によって無線伝送された情報を復元して前記移動体内に出力する出力手段を備えた情報伝送システムもある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002―374260号公報
【特許文献2】
特開平5−300070号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示すような従来の映像受信チューナは、上述したように、出力されるパラレルのデジタル信号のビット数に応じた信号線が必要であり、IC化して小型化を進めたとしても、この信号線の引き回しが制約となって、映像受信チューナの占有面積を小さくするための小型化ができないという問題があった。また、図7に示すフロントエンド部3やデジタル復調回路部4は、通常、映像受信チューナ1のメイン基板(不図示)上に構成されている。そのため、デジタル復調回路部4からの十数本の信号線からなるデジタル信号をこのメイン基板から外部に取り出すために、複数のコネクタピンを有するコネクタがメイン基板上及び筐体上に必要となり、狭ピッチのコネクタを使用したとしても、やはり小型化を阻害する要因となっていた。また、これらのコネクタや信号線が、コストの上昇を招く要因にもなっていた。
【0011】
また、携帯して使用されるテレビジョンジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応して、映像受信チューナに無線送受信装置を接続して無線で前記デジタル信号を送信する場合においては、この別途設ける無線送受信装置の占有面積が新たに必要となるうえ、接続用のケーブルやコネクタ等が映像受信チューナ側に必要となるので映像受信チューナを小型化することができないという問題があった。
【0012】
また、特許文献1に記載の従来技術では、屋内の端末装置と外部ネットワークをCATV網を介して接続するための情報中継器を容易に設置することができるが、この情報中継器は、衛星放送、地上波放送等からの映像受信信号に対応したものではないので、これらの映像受信信号を復調する場合には、別途、映像受信チューナを設置する必要があった。
【0013】
また、特許文献2に記載の従来技術では、移動体が伝送情報で変調された受信波が送信される無線回線にアクセス不可能な軌道上を移動している場合においても、その伝送情報を軌道上の通過点で無線伝送することはできるが、前記伝送情報は一旦記憶された後に伝送されるので、時間的な遅れが生じるという問題があった。また、伝送情報を記憶する装置や、記憶された伝送情報の送信制御をする制御部が必要であり、構成が複雑になるという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑み、小型化して占有面積を小さくするとともに、携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対しても、無線通信用の装置を別途設けることなく、また、時間的に遅延することなく、映像受信信号を選局、復調したデジタル信号を供給することのできる映像受信チューナ及び映像受信装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部と、該フロントエンド部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部を有する映像受信チューナにおいて、前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する再変調回路部と、該再変調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信する送信回路部を、前記フロントエンド部とデジタル復調回路部とともに1つの筐体内に設けたものである。
【0016】
このようにすると、前記デジタル信号を無線で送信するための無線送受信機を新たに設ける必要がなく、前記デジタル信号の引き回しを最小限に抑えた上で無線送信できるので、携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応した映像受信チューナを小型化することができる。
【0017】
また、例えば、デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部と、該フロントエンド部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部を有する映像受信チューナにおいて、前記フロントエンド部を前記映像受信信号を増幅する増幅部と所望のチャンネルを選局するために外部より与えられる制御信号から復調したチャンネル制御信号に基づいてチャンネル選局する選局部とから構成し、前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調するとともに与えられた前記制御信号を前記チャンネル制御信号に復調して前記選局部に与える再変調/復調回路部と、該再変調/復調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信するとともに該アンテナを介して前記制御信号を受信する送受信回路部を、前記フロントエンド部とデジタル復調回路部とともに1つの筐体内に設けると良い。
【0018】
このようにすると、携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応して、映像受信信号のチャンネル選局を無線で行えるとともに、選局して復調したデジタル信号を無線で送信できる映像受信チューナを小型化することができる。
【0019】
また、例えば、デジタル変調された映像受信信号をチャンネル選局して復調する映像受信チューナにおいて、前記映像受信信号を増幅する増幅部と該増幅部で増幅された信号より所望のチャンネルを選局するために外部より与えられる制御信号から復調したチャンネル制御信号に基づいてチャンネル選局する選局部とから成るフロントエンド部と、前記選局部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部と、該デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調するとともに与えられた前記制御信号を前記チャンネル制御信号に復調して前記選局部に与える再変調/復調回路部と、該再変調/復調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信するとともに該アンテナを介して前記制御信号を受信する送受信回路部とから構成されたモジュールを、複数個並列に前記映像受信信号が入力される1つの入力端子に接続するとともに1つの筐体内に収めると良い。
【0020】
このようにすると、複数の携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応して、映像受信信号のチャンネル選局を無線で行えるとともに、複数のチャンネルの映像受信信号を復調した複数のチャンネルのデジタル信号を同時に無線で送信できる小型の映像受信チューナを実現することができる。
【0021】
また、例えば、少なくとも1つの前記モジュールにより復調される映像受信信号の復調前の変調方式は、他の前記モジュールにより復調される映像受信信号の復調前の変調方式と異なると、複数の異なった変調方式で変調された映像受信信号を1台の映像受信チューナで同時に復調することができる。
【0022】
また、例えば、前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する変調方式は、前記映像受信信号の復調前の変調方式と異なると、再送信される前記無線信号と放送されている映像受信信号との混信を防止できる。
【0023】
また、例えば、前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する際に用いる搬送波の周波数帯は、2.4GHz帯、若しくは、5GHz帯であると、再変調された無線信号を効率よく送受信し得るアンテナとして非常に小型のアンテナを利用することができ、映像受信チューナを更に小型化することができる。
【0024】
また、例えば、前記デジタル復調回路部と再変調/復調回路部とを1チップの集積回路で構成すると、映像受信チューナを更に小型化できる。
【0025】
また、例えば、前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する際に用いる搬送波の周波数チャンネルは、前記デジタル復調回路部が選局した映像受信信号のチャンネルに応じた所定の周波数チャンネルであると、前記映像受信チューナを複数台設置した場合でも、複数の再変調された無線信号が混信することを防止できる。
【0026】
また、例えば、前記映像受信チューナと該映像受信チューナに電源を供給する電源ユニットから成る映像受信装置にすると、携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応するために、選局して復調したデジタル信号を無線で送信できるとともに、映像受信信号のチャンネル選局を無線で行うことのできる小型の映像受信装置が実現できる。
【0027】
また、例えば、前記映像受信チューナと該映像受信チューナに電源を供給する電源ユニットを1つのケースに収めて成る映像受信装置において、前記ケースの1つの面を、映像受信信号が供給されるアンテナ端子が設けられた平面上に接触させたときに、前記アンテナ端子と前記映像受信チューナに映像受信信号を入力する入力端子とが嵌合するように、前記入力端子を前記ケースの1つの面上に設けると、映像受信信号を伝送するための前記入力端子とアンテナ端子間を接続するアンテナケーブルを無くすことができる。
【0028】
また、例えば、前記入力端子とアンテナ端子とを嵌合させた状態で前記ケースを前記平面上に保持させる保持手段を設けると、アンテナ端子が設けられた部屋の壁面等に懸架した状態で使用できる映像受信装置が実現できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、従来例の図7と同一の部分については同一の符号を付している。図1は、本発明の第1実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。図1において、1は映像受信チューナを示す。映像受信チューナ1は、F接線(入力端子)2、フロントエンド部3、デジタル復調回路部4、再変調回路部5、送信回路部6、アンテナ7から成り、フロントエンド部3、デジタル復調回路部4、再変調回路部5、送信回路部6は、1つの筐体に収められている。また、F接線2とアンテナ7は前記筐体の表面に装着されている。
【0030】
上述したような、視聴する部屋に設けられたアンテナ端子にF接線2が接続され、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などの変調方式で変調された映像受信信号が入力される。そして、F接線2に接続されたフロントエンド部3により、入力された映像受信信号が増幅され、その増幅された信号より予め設定されたチャンネルの信号が選局される。更に、デジタル復調回路部4により、フロントエンド部3からの選局された信号がベースバンドのデジタル信号に復調される。
【0031】
そして、復調されたベースバンドのデジタル信号は、再変調回路部5に与えられ、再変調回路部5内のベースバンド処理ICによって、再変調される。即ち、復調されたデジタル信号で2.4GHz帯、または、5GHz帯の搬送波(キャリア)を変調する。そして、この再変調されたデジタル信号は、送信回路6により、アンテナ7を介して無線信号として送信される。尚、再変調回路部5での変調方式を放送されている映像受信信号の変調方式と異なる変調方式にすることにより、再変調された無線信号と放送されている映像受信信号との混信が防止できる。
【0032】
このように、デジタル復調回路部4で復調されたベースバンドのデジタル信号を、すぐに次の再変調回路部5に入力することで、デジタル信号の引き回しを効率的に行うことができ、また、デジタル信号の送信を無線で行うことにより、外部への伝送用信号線やコネクタが不要となるので、映像受信チューナ1のサイズ低減を図ることができる。尚、再変調する周波数帯域は、2.4GHz帯、または、5GHz帯の周波数帯域に限定するものではないが、これらの周波数帯域は日本国内において無線LANシステムで一般的に利用されている周波数帯域であり、また、高周波なので、再変調された無線信号を効率よく送受信し得るアンテナとして非常に小型のアンテナを利用することができ、映像受信チューナ1を更に小型化することができる。
【0033】
図2は、本発明の第2実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。図2において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図2に示す映像受信チューナ1は、F接線(入力端子)2、フロントエンド部3、デジタル復調回路部4、再変調/復調回路部8、送受信回路部9、アンテナ7から成り、フロントエンド部3、デジタル復調回路部4、再変調/復調回路部8、送受信回路部9は、1つの筐体に収められている。
【0034】
フロントエンド部3は、F接線2からの映像受信信号を増幅する増幅部3aと、増幅部3aで増幅された信号から後述するデジタルチャンネル制御信号に基づいたチャンネルの信号を選局する選局部3bとから構成され、選局部3bで選局されたチャンネルの信号は、デジタル復調回路部4でベースバンドのデジタル信号に復調される。そして、復調されたベースバンドのデジタル信号は、再変調/復調回路部8に与えられ、再変調回路部8内のベースバンド処理ICによって、再変調される。即ち、復調されたデジタル信号で2.4GHz帯、または、5GHz帯の搬送波(キャリア)を変調する。そして、この再変調されたデジタル信号は、送受信回路部9により、アンテナ7を介して無線信号として送信される。
【0035】
また、送受信回路部9は、送信する無線信号と同方式で変調された制御信号をアンテナ7を介して受信する。この制御信号は、ユーザが所望するチャンネル選局のために外部より送信された信号であり、送受信回路部9で受信後、再変調/復調回路部8でチャンネル制御信号に復調され、フロントエンド部3の選局部3bに与えられる。選局部3bは、上述したように、この復調されたチャンネル制御信号に基づいたチャンネルの信号を選局する。このようにして、無線によりチャンネル選局ができる小型の映像受信チューナが実現できる。尚、チャンネル選局のための前記制御信号は、ユーザが有するリモコン等のチャンネル選局手段から無線送信されるようにしても良いし、映像を視聴するテレビジョン受像機を介して無線送信されるようにしても良い。
【0036】
図3は、本発明の第3実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。図3において、図2と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図3に示す映像受信チューナ1が、図2に示す映像受信チューナ1と相違する点は、図2に示すデジタル復調回路部4と再変調/復調回路部8とが一体化された変復調回路部8aが設けられている点である。
【0037】
変復調回路部8aは、図2に示すデジタル復調回路部4と再変調/復調回路部8の機能を併せ持つ1チップのICである。図2に示すデジタル復調回路部4や再変調/復調回路部8のように、ベースバンド信号を処理するベースバンド処理部は一般的にCMOSロジック回路で構成されるので、受信側のベースバンドIC(デジタル復調回路部)と再送信側のベースバンドIC(再変調/復調回路部)を1チップ化したICにすると、電源回路等の共通部分を1つにすることができ、小型化ができる。このように、1チップ化したICである変復調回路部8aにすることで、映像受信チューナ1を更に小型化することができる。
【0038】
図4は、本発明の第4実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。図4において、図3と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す映像受信チューナ1が、図3に示す映像受信チューナ1と相違する点は、複数のフロントエンド部3と、それぞれのフロントエンド部3に接続された複数の変復調回路部8aと、それぞれの変復調回路部8aに接続された複数の送受信回路部9が設けられている点である。
【0039】
複数のフロントエンド部3は、F接線2に並列に接続されており、F接線2に入力された映像受信信号はそれぞれのフロントエンド部3で増幅され、チャンネル選局される。そして、それぞれのフロントエンド部3からの選局された信号は、それぞれの変復調回路部8aに与えられ、それぞれの変復調回路部8a内のデジタル復調回路部においてベースバンドのデジタル信号に復調され、同じ変復調回路部8a内の再変調/復調回路部で無線信号に再変調され、それぞれの送受信回路部9から共通のアンテナ7を介して無線送信される。このとき、それぞれのフロントエンド部3でのチャンネル選局は、それぞれの送受信回路部9で受信した制御信号をそれぞれの変復調回路部8a内の再変調/復調回路部で復調したそれぞれのチャンネル制御信号に基づいて行われる。
【0040】
また、変復調回路部8a内の再変調/復調回路部において、復調されたデジタル信号を再変調する時に用いる搬送波(キャリア)は上述のように、2.4GHz帯、または、5GHz帯の搬送波を使用するが、各変復調回路部8a毎に前記帯域内の異なった周波数チャンネルを使用する。この周波数チャンネルは、フロントエンド部3で選局される映像受信信号のチャンネルに応じて予め設定された周波数チャンネルである。
【0041】
このようにすることで、複数のチャンネルの映像受信信号を同時に再送信することができる。即ち、図4に示す映像受信チューナ1は、デジタル放送の狭い範囲での中継器として扱うことが可能であり、このような映像受信チューナ1をある一定の間隔で設置すれば、建物の中や地下街のようなデジタル放送を直接受信できない場所においても、複数チャンネルのデジタル放送を複数の携帯可能なテレビジョン受像機等のそれぞれで同時に視聴することができるようになる。このとき、設置される各映像受信チューナ1の選局チャンネルは同一になるように設定しておく必要がある。また、上述した選局チャンネルに応じて予め設定されている再変調された無線信号の周波数チャンネルも、各映像受信チューナ1で共通にしておく必要がある。
【0042】
また、複数の変復調回路部8aのそれぞれを異なった変調方式で放送される映像受信信号に対応させると、例えば、BSデジタル放送、CSデジタル放送、CATV放送、地上波デジタル放送からの各映像受信信号をそれぞれ復調する複数の変復調回路部8aを有すると、1つの映像受信チューナで複数の異なった変調方式のデジタル放送を同時に復調できる映像受信チューナが実現できる。
【0043】
図5は、本発明の実施形態の映像受信装置の構成を示す斜視図である。図5において、図1〜図4と同一の部分には同一の符号を付している。図5において、10は映像受信装置であり、映像受信装置10は、図1〜図4に示したような映像受信チューナ1と映像受信チューナ1に電源を供給する電源ユニット11がケース12に収められた構成である。また、ケース12の表面に映像受信チューナ1のF接線2とアンテナ7が装着されている。また、電源ユニット11に商用電源を供給するために、電源コード14が電源ユニット11からケース12の外部に引き出され、その先端にコンセントに接続するための電源プラグ13が取り付けられている。
【0044】
このような構成の映像受信装置10は、コンセントから供給された商用電源が電源プラグ13、電源コード14を介して電源ユニット11に与えられ、電源ユニット11は映像受信チューナ1の動作に必要な電源を生成して映像受信チューナ1に供給する。そして、映像を視聴する部屋に設けられたアンテナ端子(不図示)に接続されたF接線2から映像受信信号が入力され、電源ユニット11から電源を得た映像受信チューナ1は、上述のようにして、この映像受信信号から設定されたチャンネルを選局してデジタル信号に復調し、その後、復調したデジタル信号を再変調した無線信号をアンテナ7を介して送信する。
【0045】
このような構成の映像受信装置10は、映像受信信号をできる限りケーブルレスで配信するための装置であると言え、無線通信機能を持つ受像機専用のチューナ装置である。そのため、図5に示すように、映像受信チューナ1と電源ユニット11のみで構成され、余計な機能が無いので小型にすることができ、設置時の占有面積を小さくすることができる。また、このように余計な機能を持つ部分が無く、取り分けてコントロールする部分も無いので、図6のように壁に埋め込んだタイプのアンテナ端子に直に接続するように設置して使うことも可能である。
【0046】
図6は、本発明の実施形態の映像受信装置を、壁に埋め込んだタイプのアンテナ端子に直に接続するように設置して使う場合の位置関係を示す図である。図6において、図5と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図6において、15は映像を視聴する部屋の壁に埋め込まれたアンテナ端子であり、16はアンテナ端子15の近傍に設置された商用電源を供給するためのコンセントである。
【0047】
図6に示す映像受信装置10は、壁に密着させて取り付けるタイプの映像受信装置であり、取り付けたときに壁と接触するケース面にF接線2をケース面より突出させて固設している。これにより、アンテナ端子15とF接線2とが嵌合し、直に接触した状態で、映像受信装置10を壁に密着させて取り付けることができる。そして、電源コード14が届く範囲に設置されたコンセント16に電源プラグ13を接続することにより電源を得て映像受信装置10を動作させることができる。尚、映像受信装置10は、アンテナ端子15とF接線2との嵌合により取り付けた壁に保持させることも可能であるが、ケースに取り付け穴等を設け、ボルト等で壁に固定させても良い。
【0048】
このようにすると、映像受信信号を伝送するためのアンテナ端子15とF接線2とを接続する同軸ケーブル等のアンテナケーブルが無くても、アンテナ端子15とF接線2とを電気的に接続することができる。また、映像受信装置11をアンテナ端子15が設けられた壁面に懸架したまま使用できるので、部屋の床の占有面積を無くすことができる。
【0049】
尚、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各部の構成等を適宜に変更して実施することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部と、該フロントエンド部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部を有する映像受信チューナにおいて、前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する再変調回路部と、該再変調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信する送信回路部を、前記フロントエンド部とデジタル復調回路部とともに1つの筐体内に設けたので、前記デジタル信号を無線で送信するための無線送受信機を新たに設ける必要がなく、前記デジタル信号の引き回しを最小限に抑えた上で無線送信できるので、携帯して使用されるテレビジョン受像機や可動式のテレビジョン受像機に対応した映像受信チューナを小型化することができる。
【0051】
また、本発明によると、前記映像受信チューナと該映像受信チューナに電源を供給する電源ユニットを1つのケースに収めて成る映像受信装置において、前記映像受信チューナに映像受信信号を入力する入力端子を、平面上に設けられた映像受信信号を供給するアンテナ端子と嵌合するように前記ケース表面に設けたので、映像受信装置を小型化できるとともに、前記アンテナ端子と映像受信チューナ間を接続する映像受信信号を伝送するためのアンテナケーブルを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の第1実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】は、本発明の第2実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】は、本発明の第3実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】は、本発明の第4実施形態の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】は、本発明の実施形態の映像受信装置の構成を示す斜視図である。
【図6】は、本発明の実施形態の映像受信装置の使用時の位置関係を示す図である。
【図7】は、従来の映像受信チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 映像受信チューナ
2 F接線(入力端子)
3 フロントエンド部
3a 増幅部
3b 選局部
4 デジタル復調回路部
5 再変調回路部
6 送信回路部
7 アンテナ
8 再変調/復調回路部
8a 変復調回路部
9 送受信回路部
10 映像受信装置
11 電源ユニット
12 ケース
13 電源プラグ
14 電源コード
15 アンテナ端子
16 コンセント
Claims (11)
- デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部と、該フロントエンド部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部を有する映像受信チューナにおいて、
前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する再変調回路部と、該再変調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信する送信回路部を、前記フロントエンド部とデジタル復調回路部とともに1つの筐体内に設けたことを特徴とする映像受信チューナ。 - デジタル変調された映像受信信号を増幅し、その増幅した信号より1つのチャンネルの信号を選局するフロントエンド部と、該フロントエンド部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部を有する映像受信チューナにおいて、
前記フロントエンド部を前記映像受信信号を増幅する増幅部と所望のチャンネルを選局するために外部より与えられる制御信号から復調したチャンネル制御信号に基づいてチャンネル選局する選局部とから構成し、前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調するとともに与えられた前記制御信号を前記チャンネル制御信号に復調して前記選局部に与える再変調/復調回路部と、該再変調/復調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信するとともに該アンテナを介して前記制御信号を受信する送受信回路部を、前記フロントエンド部とデジタル復調回路部とともに1つの筐体内に設けたことを特徴とする映像受信チューナ。 - デジタル変調された映像受信信号をチャンネル選局して復調する映像受信チューナにおいて、
前記映像受信信号を増幅する増幅部と該増幅部で増幅された信号より所望のチャンネルを選局するために外部より与えられる制御信号から復調したチャンネル制御信号に基づいてチャンネル選局する選局部とから成るフロントエンド部と、前記選局部で選局された信号を復調するデジタル復調回路部と、該デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調するとともに与えられた前記制御信号を前記チャンネル制御信号に復調して前記選局部に与える再変調/復調回路部と、該再変調/復調回路部からの無線信号をアンテナを介して送信するとともに該アンテナを介して前記制御信号を受信する送受信回路部とから構成されたモジュールを、複数個並列に前記映像受信信号が入力される1つの入力端子に接続するとともに1つの筐体内に収めたことを特徴とする映像受信チューナ。 - 少なくとも1つの前記モジュールにより復調される映像受信信号の復調前の変調方式は、他の前記モジュールにより復調される映像受信信号の復調前の変調方式と異なることを特徴とする請求項3に記載の映像受信チューナ。
- 前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する変調方式は、前記映像受信信号の復調前の変調方式と異なることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の映像受信チューナ。
- 前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する際に用いる搬送波の周波数帯は、2.4GHz帯、若しくは、5GHz帯であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の映像受信チューナ。
- 前記デジタル復調回路部と再変調/復調回路部とが1チップの集積回路から成ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の映像受信チューナ。
- 前記再変調/復調回路部が前記デジタル復調回路部により復調されたデジタル信号を無線信号に変調する際に用いる搬送波の周波数チャンネルは、前記デジタル復調回路部が選局した映像受信信号のチャンネルに応じた所定の周波数チャンネルであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の映像受信チューナ。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の映像受信チューナと該映像受信チューナに電源を供給する電源ユニットから成ることを特徴とする映像受信装置。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の映像受信チューナと該映像受信チューナに電源を供給する電源ユニットを1つのケースに収めて成る映像受信装置において、
前記ケースの1つの面を、映像受信信号が供給されるアンテナ端子が設けられた平面上に接触させたときに、前記アンテナ端子と前記映像受信チューナに映像受信信号を入力する入力端子とが嵌合するように、前記入力端子を前記ケースの1つの面上に設けたことを特徴とする映像受信装置。 - 前記入力端子とアンテナ端子とを嵌合させた状態で前記ケースを前記平面上に保持させる保持手段を設けたことを特徴とする請求項10に記載の映像受信装置。
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