JP2005037555A - 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光利用効率の向上をはかり、消費電力、発熱量の低減を実現する光源ユニット、光走査装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の発光点を有し、半導体レーザアレイ(LDA)からなる光源1と、光源1からの発散光束の像を形成する集光レンズ2(第1結像光学系)と、集光レンズ2からの光束をカップリングするカップリングレンズ3(第2結像光学系)と、光束幅を規制する開口絞り4により構成される光源ユニットAにおいて、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき、|β|<1であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の発光点を有し、半導体レーザアレイ(LDA)からなる光源1と、光源1からの発散光束の像を形成する集光レンズ2(第1結像光学系)と、集光レンズ2からの光束をカップリングするカップリングレンズ3(第2結像光学系)と、光束幅を規制する開口絞り4により構成される光源ユニットAにおいて、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき、|β|<1であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源ユニット、光走査装置、画像形成装置に関するものであり、
光利用効率の向上をはかり、消費電力、発熱量の低減を実現する光源ユニット、光走査装置、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等の画像形成装置の出力速度向上のため、一度に複数の光束により被走査媒体(感光体等の像形成体)上を光走査し画像を形成するマルチビーム光走査装置が開発されてきている。光源としては半導体レーザ(LD)を複数個組み合わせたり、複数の発光点を有する半導体レーザアレイ(LDA)が用いられている。
【0003】
半導体レーザアレイ(LDA)は、電気的クロストークや熱的クロストークの問題のため、発光点間隔を狭くすることが困難である。特に波長が短波長化(680nm以下)するとその構成材質の関係上、電気的クロストークや熱的クロストークの影響は特に顕著になり、またドループ特性の劣化も発生するため、発光点間隔を広くとらざるを得ない。波長が780nmの場合は、発光点間隔を14μmとして実用化したLDAもあるが、680nm以下のいわゆる赤色LDや青色LDの場合は、上記の問題を小さくするため、発光点間隔は80μm以上必要となる。
【0004】
光走査装置の偏向器前の光学系の副走査方向の横倍率β1の絶対値は一般的に、2以上となる。また、偏向器以降の光学系の副走査方向の横倍率β2の絶対値は一般的に、0.5〜4程度であり、光学系全系の横倍率β0の絶対値は、下式より、1〜8以上と求められる。
β0 = β1×β2
【0005】
副走査方向の被走査媒体上の光スポットの走査間隔Piは、例えば600dpi書き込みの場合、
Pi = 25.4/600 = 0.0423 (mm) = 42.3 (μm)
である。副走査方向の光源の発光点間隔をPosとすると以下の関係が成り立つ。
Pi = Pos×β0 =Pos×β1×β2
【0006】
以上より、Posは5.3〜42.3(μm)以下となる。このため、光学系によっては5.3μm以下の発光点間隔である必要が生じ、従来はLDAを傾けることにより副走査方向の間隔が狭くなるような構成にせざるを得ず、LDAの傾き角θは60度以上必要となる。
【0007】
LDAの射出光束の発散角は、発光点の配列方向は狭く、配列方向と直行する方法は広くなる。つまり、LDAを傾けて構成すると副走査方向に発散角は広く、主走査方向に狭くなり、副走査方向に長い楕円形になる。
【0008】
しかし、ビーム整形用の開口絞り(アパーチャ)は光学系の主走査方向及び副走査方向それぞれの倍率関係から、主走査方向に広くとる必要がある。よって、LDAから射出された光束の副走査方向は、大部分をカットすることになり、光利用効率が悪くなる。そのため、高出力のLDAを使用する必要が生じ、エネルギーの無駄な使い方をせざるを得なかった。
【0009】
光学系の設計に関し工夫を凝らした文献は多く紹介されており、以下その一部を採り上げる。
【0010】
特許文献1に記載の技術は、複数の発光点と集光レンズの間にリレー光学系を配置し、リレー光学系と集光レンズの間を調整することにより被走査面に対するビームウエスト位置のずれを低減ずることを特徴とする。
しかし、間隔を調整することによりビームスポット径は狙いの値とすることが可能になるが、半導体レーザアレイ(LDA)の発光点間隔に関しては考慮されておらず、発光点間隔に対する課題は解決されていない。
【0011】
特許文献2に記載の技術は、点光源の中間像を形成するための光学素子と点光源が一体的に交換可能に構成され、点光源に対する中間像の横倍率の絶対値が1以上であることを特徴とする光源ユニットに関するものである。
光源ユニットとそれ以降の光学系との組み付け性に関する技術であり、半導体レーザアレイ(LDA)の発光点間隔に関しては考慮されていない。点光源と中間像の横倍率を1以上にすると点光源の光学素子に対する組付け位置精度が厳しくなる欠点を有する。
【0012】
特許文献3に記載の技術は、LDAを傾けて配置することにより副走査対応方向の発光点間隔を狭くし、被走査媒体上の像の副走査対応方向の間隔を、狙いの間隔とすることを特徴とする。
しかし、LDAを傾けるためLDAからの射出光の発散角の広い方向が副走査方向になってしまい、光量ロスが発生する。
【0013】
特許文献4に記載の技術は、LDAからの射出光をコリメート光とし、さらに偏向器との間にアフォーカル光学系を配置することを特徴とする。
しかし、特許文献1と同様にLDAの発光点間隔に関しては考慮されていない。
【0014】
特許文献5に記載の技術は、LDAからの射出光束をコリメート部によりコリメートし、偏向器との間に偏向面内(主走査方向)で屈折力を有するシリンドリカルレンズと正の屈折力を有する球面単レンズを有する構成であることを特徴とする。
しかし、LDAは傾けて配置しており、光量ロスが発生する。
【0015】
上記のように間隔の広いLDAに関しては、LDAを傾けて発光点間隔の調整を行われているのが一般的である。
【0016】
【特許文献1】
特開2003−43390号公報
【特許文献2】
特許第3373079号公報
【特許文献3】
特公昭60−33019号公報
【特許文献4】
特公昭64−10805号公報
【特許文献5】
特許第2741195号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記課題に対し、LDAを傾けることなくマルチビーム書込光学系を構成する方法を行う光源ユニット、光走査装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、複数の光束を同時に感光体上を走査させるマルチビーム光源ユニットは、走査させる光束の間隔の調整方法が複雑になるため、簡単に調整可能な方法が望まれている。本発明では、走査光束の簡単なピッチ調整方法を行う光源ユニット、光走査装置、画像形成装置の提供も目的とする。
【0019】
特に請求項1、9に係る発明では、LDAを傾けることなく、被走査媒体上の走査光束の副走査方向の間隔を所望の間隔にすることを目的とする。
【0020】
請求項2、10に係る発明では、LDAが劣化した場合の光源ユニット交換を容易にすること、および、副走査方向の間隔が異なる複数の光源ユニットを用意し、画像形成装置の所望の書込密度に対応した光源ユニットを組み込むことにより、光源ユニット以外の部分を共通化することを目的とする。
【0021】
請求項3、11に係る発明では、LDAの発光点を副走査方向に沿って一列に配列し、被走査媒体上の各発光点の走査開始タイミングを同じにすることにより、同期検知検出回路を簡単な構成にすることを目的とする。
【0022】
請求項4、12に係る発明では、LDA保持部品の加工誤差等によりLDAが傾いて組み付いた場合に、正しい角度に調整できるようにすること、および、書込光学系を構成する各構成部品の加工誤差により、被走査媒体上の光束の走査間隔が所望の間隔からずれた場合に、正しい走査間隔に調整できるようにすることを目的とする。
【0023】
請求項5、13に係る発明では、光源ユニットを複数組み合わせることにより、被走査媒体上を光走査する光束の本数を増やし、画像形成装置の出力速度を上げることを目的とする。
【0024】
請求項6、14に係る発明では、偏向反射面近傍で光束が交差するように構成することにより、各光源ユニットからの射出光束の、第4結像光学系における光線の光路を同じくすることにより結像性能の劣化を防ぐことを目的とする。
【0025】
請求項7、15に係る発明では、走査光束の副走査方向の間隔の調整を簡単な方法で実現可能にすることを目的とする。
【0026】
請求項8、16に係る発明では、波長を680nm以下とすることにより、被走査面上におけるビームスポット径を小さくし高密度化を達成することを目的とする。
【0027】
請求項17に係る発明では、上記光源ユニット、または光走査装置を組み込むことにより、光利用効率に無駄のないマルチビーム書き込みが可能な画像形成装置を形成することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットにおいて、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする。
【0029】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする。
【0031】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光源ユニットにおいて、光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0032】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光源ユニットにおいて、主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の光源ユニットにおいて、各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0035】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源の波長は680nm以下であることを特徴とする。
【0036】
請求項9に記載の発明は、複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットがあって、第2結像光学系を介し偏向器へ導光し、第2結像光学系と偏向器との間に配置され、偏向器の偏向反射面近傍に線像を形成する第3結像光学系と、偏向器により偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像する第4結像光学系から構成される光走査装置において、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする。
【0037】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする。
【0038】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする。
【0039】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の光走査装置において、光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0040】
請求項13に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0041】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の光走査装置において、主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする。
【0042】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の光走査装置において、各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0043】
請求項16に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源の波長は680nm以下であることを特徴とする。
【0044】
請求項17に記載の発明は、請求項1から8の何れか1項に記載の光源ユニットまたは請求項9から16の何れか1項に記載の光走査装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
【0045】
<作用>
本発明は、複数の光束により被走査媒体上を光走査するマルチビーム書込光学系に関する。このことより、1つの発光点からの光束により被走査媒体上を光走査する場合に比べ、偏向器の回転速度を下げる事ができる。これにより、偏向器による消費電力を低減できる。また、発熱量も下げることができる。
【0046】
請求項1、9に係る発明によれば、LDAを傾けることなく、被走査媒体上の走査光束の副走査方向の間隔を所望の間隔にすることにより、光利用効率の劣化を防ぐことが出来、露光エネルギーを無駄なく有効活用できるようになる。
また、横倍率を1以下とすることにより、光源の光軸方向の位置ずれが発生しても変動量が縮小されるため、組み付け精度を緩くする事が可能となり、組み付け性の向上を図ることができる。
さらに、横倍率を1以下とすることにより縮小光学系を構成するため、LDAの発光光束の垂直方向と水平方向の非点格差による被走査面上での結像性能への影響を小さくすることができる。
【0047】
請求項2、10に係る発明によれば、光源ユニットを一体化することにより、LDAが劣化した場合の光源ユニット交換を容易にすることができる。
また、副走査方向の間隔が異なる複数の光源ユニットを用意することにより、画像形成装置の所望の書込密度に対応した光源ユニットを選択的に組み込むことができるようになる。光源ユニット以外の部分の共通化が可能になる。
【0048】
請求項3、11に係る発明によれば、LDAの発光点を副走査方向に沿って一列に配列し、被走査媒体上の各発光点の走査開始タイミングを同じにすることにより、ひとつの発光点の光束を用いるだけで同期検知信号を得ることができ、同期検知検出回路を簡単な構成にすることができる。
【0049】
請求項4、12に係る発明によれば、LDAを射出光軸と平行な軸の周りに回転可能とすることにより、LDA保持部品の加工誤差等によりLDAが傾いて組み付いた場合に、正しい角度に調整できるようになる。
また、書込光学系を構成する各構成部品の加工誤差により、被走査媒体上の光束の走査間隔が所望の間隔からずれた場合に、正しい走査間隔に調整できるようなる。
【0050】
請求項5、13に係る発明によれば、光源ユニットを複数組み合わせることにより、被走査媒体上を光走査する光束の本数を増やし、画像形成装置の出力速度を上げることができるようになる。
【0051】
請求項6、14に係る発明によれば、偏向反射面近傍で光束が交差するように構成することにより、各光源ユニットからの射出光束の、走査光学系である第4結像光学系における光線の光路を同じくすることにより、被走査面上の走査光束の結像性能(像面湾曲、倍率誤差、等)の劣化を防ぐことができる。
【0052】
請求項7、15に係る発明によれば、走査光束の副走査方向の間隔の調整を、簡単な方法で行えるようになる。
【0053】
請求項8、16に係る発明によれば、波長を680nm以下とすることにより、例えば780nmのLDAに対し、同一の光走査光学系(第4結像光学系)を使用してマルチビーム光走査装置を構成した場合、被走査面上におけるビームスポット径を約15%以上小さくすることができ、書込密度の高密度化を容易に達成することが可能になる。
【0054】
請求項17に係る発明によれば、本発明の光源ユニット、または光走査装置を組み込むことにより、光利用効率に無駄のないマルチビーム書き込みが可能な画像形成装置を形成することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0056】
<構成・動作>
図1は本実施形態に関わるマルチビーム光走査光学系の全体構成の一例を示す図である。半導体レーザアレイ(LDA)からなる光源1からの発散光束を集光し、光源1の発光点の像を形成する集光レンズ2(第1結像光学系)、1度収束し像を形成した後再び発散する光束をカップリングするカップリングレンズ3(第2結像光学系)、光束幅を規制する開口絞り4は、光源ユニットAとして一体的に構成される。光源ユニットAから出射した光束は、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ5(第3結像光学系)により偏向器6(ポリゴンスキャナ)の偏向反射面6A近傍に主走査方向に長い線状に集光される。
【0057】
偏向器6は回転軸6Bを軸として等角速度で回転しており、入射光束を等角速度的に偏向する。偏向器6と被走査媒体9との間に、第4結像光学系7(走査光学系:図中では2枚レンズ構成であるが、枚数は問わず、また反射光学系で構成しても、組み合わせて構成しても良い)を配置し、光束8は被走査媒体9上に光スポット10を形成する。光スポット10は偏向器6の回転(図中矢印方向)によって被走査媒体9上を、図中矢印方向へ光走査する。
【0058】
同期検知光学系100は、偏向器6により偏向された光束を、ミラー103と同期検知用結像素子102を経た後、フォトダイオード等により構成される同期検知センサー101に偏向光束を導く。そして光束が同期検知センサー101上を通過する際に同期信号を発し、同期回路(図示せず)により演算処理され、書込開始信号をあるタイミングの後発信する。ここで言う「あるタイミング」とは、同期検知センサー101の検知位置から書込開始位置に光束が至るまでの時間である。同期検知用結像素子102は、副走査方向にのみパワー(屈折力)を持つレンズ、主走査方向にのみパワーを持つレンズ、主副両方向にパワーを持つレンズのいずれでも良い。また、同期検知用結像素子102として、レンズの代わりに、パワーを持つ曲面ミラー等を用いても良い。また、同期検知用結像素子102を用いず、ミラー103に上述のようなパワーを持たせて同期検知センサー101に直接導くようにして、同期検知光学系100を構成しても良い。
【0059】
図2は本実施形態を説明するための副走査方向の模式図である。
光源1から射出した光束は集光レンズ2により中間像ITを形成する。このとき光源1と中間像ITの間の結像横倍率βは
β=−L2/L1
となる。その際、
|β| < 1
となるように構成する。
【0060】
光源1であるLDAの発光点の配列方向は、副走査方向(偏向走査平面と直交する方向)と略平行になるように配置する。
【0061】
このように配置することにより、先述したように、光源から射出した光束を効率よく被走査媒体9へ伝達することが可能になる。
【0062】
中間像ITでの副走査方向の光束間隔PITは、光源1であるLDAの発光点間隔Posが上記の横倍率の関係により、以下のように変換される。
PIT=Pos×−β
【0063】
カップリングレンズ3の焦点距離をFco、シリンドリカルレンズ5の焦点距離をFcyとすると、両光学素子間の副走査方向の横倍率β1は
β1=−Fcy/Fco
となる。
【0064】
第4結像光学系の副走査方向の横倍率β2とすると、中間像IT以降の光学系の横倍率β0は、下式で求められる。
β0=β1×β2
【0065】
よって、中間像ITにおける光束の副走査方向の間隔PITと被走査媒体上での副走査方向走査間隔Piは、同様に
Pi=PIT×−β0=Pos×−β×β1×β2
となる。
【0066】
光源1であるLDAとして、680nm以下のいわゆる赤色LDや青色LDを用いる場合、先述したように、ドループ特性の劣化を抑えるため発光点間隔を80μm以上とる必要がある。
【0067】
光走査装置における偏向器以前の光学系の、副走査方向の横倍率β1の絶対値は、一般的に2以上となる。また、偏向器以降の光学系の、副走査方向の横倍率β2の絶対値は、一般的に0.5〜4程度であり、光学系全系の横倍率β0の絶対値は、1〜8以上となる。
【0068】
しかし、被走査媒体9上の副走査方向走査間隔Piは600dpiの場合42.3μm、1200dpiの場合21.2μmとなり、発光点間隔Posより狭くする必要がある。
【0069】
従来は、LDAを傾けることにより光源1の発光点の副走査方向間隔を狭め、被走査媒体9上の走査間隔Piを狙いの間隔にしていたが、光量の利用効率が悪くなるという問題を持っているため、本実施形態では集光レンズ2により中間像ITを作り、この中間像ITを光源1の発光点間隔Posを縮小した像とし、その像を新たな光源とすることにより、光源1であるLDAを傾けることなく被走査媒体9上の走査間隔Piを狙いの間隔にでき、書込光学系を構成することができる。
【0070】
つまり、
|β| < 1
とすることにより、上記課題を解決することができる。
【0071】
以上よりLDAを傾けることなくマルチビーム書込光学系を構成する事が可能になり、LDAから射出した光束を効率良く使用することが可能になる。
【0072】
ここで、LDAの発光点間隔Posが80μmとした場合の実施例を以下に示す。
【0073】
[実施例1]
副走査600dpi書き込みの場合
Pi = 42.3(μm)
であり、これを満足するように光学系の各構成パラメータを下記のように設定する。
Pos = 80(μm)
β = −0.2、Fco = 30(mm)、Fcy = 60(mm)、β2 = −1.32
【0074】
以上より、それぞれの横倍率は
β1 = −Fcy/Fco = −2
β0 = β1×β2 = 2.64
となり、光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.529
【0075】
よって、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.529 = 42.3(μm)
【0076】
[実施例2]
上記書込光学系を用いて副走査1200dpi書き込みを行う場合
Pi = 21.2(μm)
であり、これを満足するようにβを以下のように設定する。
β = −0.1
【0077】
光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.264
となり、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.264 = 21.2(μm)
【0078】
[実施例3]
副走査600dpi書き込みの場合の別の例を示す。
光学系の各構成パラメータを下記のように設定する。
Pos= 80(μm)
β = −0.4、Fco = 30(mm)、Fcy = 60(mm)、β2 = −0.66
【0079】
以上より、それぞれの横倍率は
β1 = −Fcy/Fco = −2
β0 = β1×β2 = 1.32
となり、光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.529
【0080】
よって、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.529 = 42.3(μm)
【0081】
従来、光源とカップリングレンズの位置関係を調整することによりカップリングレンズから射出する光束を平行光束、発散光束、収束光束いずれかに調整していた。本実施形態に於いても、この調整は必要で、中間像ITとカップリングレンズ3の位置関係を調整する必要がある。調整の際に光源1と中間像ITの倍率関係を維持する必要があるため、光源1と集光レンズ2及び開口絞り4を、光源ユニットAとして一体的に構成する。この際、開口絞り4は別体であってもかまわない。
【0082】
被走査媒体9上の走査間隔Piは各光学素子の加工精度及び組み付け誤差により狙いの間隔にならず、一般的にずれてしまう。
【0083】
この問題を解決するために本実施形態では、図3に示すように光源1であるLDAを各射出光束の光軸と平行な軸(図中C)を回転軸とし回転調整を行う事を提案する。図3は光源1であるLDAの発光点が一列に並んでいる状態を模式的に示した図で、紙面と垂直な方向に光は射出するものとする。図の例は発光点が4個の例であるが、発光点の数に制限はない。この際、各発光点の射出光束の光軸と平行な軸(図中C)を回転軸とし回転調整することにより、光源1の副走査方向の間隔を調整する。発光点間隔Posは、回転軸Cを中心としてθ回転させる事により、光源1の副走査方向の間隔は Pos×cosθ となる。これにより、被走査媒体9上の走査間隔Piを調整する。この方法により、走査光束の走査間隔Piを簡単に調整可能になる。
【0084】
次に、光源ユニットAを複数個組合せ光学系を構成する場合を説明する。複数個組み合わせることにより、被走査媒体9上を走査する光束の数を増やすことができる。このことにより、本書込光学系を搭載する画像形成装置の出力速度の向上を図ることができる。また、逆に出力速度を変えない場合は、偏向器の回転速度の低減を図ることができ、消費電力の低減、発熱量の低減、等環境に対し配慮した書込光学系を構成することが可能になる。
【0085】
図4に光源ユニットAを2個組合せた場合の例を示す。偏向器6以降の光学系は省略している。
【0086】
図4に示すように、光源ユニットA、Bからの射出光束が偏向器6の偏向反射面6A近傍で交差するように構成する。光源ユニットAから射出した光束に対し、光源ユニットBから射出した光束は、それぞれの光源ユニットの光軸の成す角φの半分の角度(φ/2)偏向器6をずらした状態で偏向するように構成することにより、偏向反射面6Aにより反射したそれぞれの光源ユニットから射出した光束は、それ以降の光学系の同じところを通過するように構成することができる。このように、主走査平面上に投影したときに、各光源ユニットからの射出光束が偏向器の偏向反射面6A近傍で交差するように配置構成する事により、上記を達成できる。
【0087】
各々の光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸(図4の例においてはJ、K)を回転軸として回転調整することにより、上述の光源1の射出光軸と平行な軸を回転軸とし回転調整する場合と同様に、被走査媒体9上の副走査方向の走査間隔Piを調整することが可能になる。このような調整方法を採ることにより、走査光束の走査間隔Piを簡単に調整可能になる。
【0088】
近年、高密度化達成のためにLD発振波長の短波長化が成されてきている。(被走査面上のビームスポット径は光源の波長に比例するため)従来、一般的に波長780nmのLDが広く使われてきたが、上記目的のため波長680nm以下のLDが使われ始めている。例えば、680nm/780nm=0.87であり、13%の小径化が可能になる。
【0089】
LDの発振波長の短波長化(680nm以下)を実現するためには、LDその物を構成する材質を波長780nm用のLDとは異なる材質で構成する必要がある。波長780nm用LDの構成材質は一般にAlGaAsから構成されるが、波長680nm以下用は構成材質が異なり、ドループ特性の劣化を引き起こしやすい。特に半導体レーザアレイの場合は、その構造上発光点同士が近接するため、互いの発熱の影響によりドループ特性が劣化しやすく、発光点同士の間隔を狭めることが困難である。
【0090】
しかし、本実施形態の構成にすることにより、第1結像光学系による光源の像の間隔を狭くすることができ、発光点間隔が広いままでも光学系を構成することが可能になり、上記課題を効果的に解決することが可能になる。よって、ビームスポット径の小径化が可能になり高密度化を達成できる。
【0091】
図5は本実施形態の走査光学系が搭載される画像形成装置30を説明する図である。
【0092】
原稿31はコンタクトガラス32上に置かれ、ランプ33で照らされ、照射された原稿による画像はミラーでスキャナレンズブロック34へ導かれ、CCDにより画像データとして処理され、画像データ35は本実施形態のマルチビーム光書込光学装置36にデータ転送され、画像信号に基づきLDはON/OFFを繰り返し、感光体ドラム20上を光スポットが走査する。帯電器40により帯電された感光体上を光走査し静電潜像を形成し、現像器37によりトナー像として現像され、給紙トレイ38から紙が給紙ローラー39により感光体へ導かれ、転写ローラー45により転写され、定着器41により定着され、排紙ローラー44により排紙トレイ42に排出される。感光体20は除電・クリーナー43により除電およびクリーニングがなされ、再び帯電からの工程を繰り返す。
【0093】
さらに本実施形態の画像形成装置と電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とをネットワークを介し接続することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。
【0094】
また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることができ、一番状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像出力装置を選択し、出力を行うことができるようになる。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、複数の光束により被走査媒体上を光走査するマルチビーム書込光学系に関する。このことより、1つの発光点からの光束により被走査媒体上を光走査する場合に比べ、偏向器の回転速度を下げる事ができる。これにより、偏向器による消費電力を低減できる。また、発熱量も下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に関わるマルチビーム光走査光学系の全体構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態を説明するための副走査方向の模式図である。
【図3】光源1であるLDAの発光点が一列に並んでいる状態を模式的に示した図である。
【図4】光源ユニットAを2個組合せた場合の例を示す図である。
【図5】本実施形態の走査光学系が搭載される画像形成装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源
2 集光レンズ(第1結像光学系)
3 カップリングレンズ(第2結像光学系)
4 開口絞り
A 光源ユニット
5 シリンドリカルレンズ(第3結像光学系)
6 偏光器
6A 偏光反射面
6B 回転軸
7 第4結像光学系
8 光束
9 被走査媒体
10 光スポット
100 同期検知光学系
101 同期検知センサー
102 同期検知用結像素子
103 ミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源ユニット、光走査装置、画像形成装置に関するものであり、
光利用効率の向上をはかり、消費電力、発熱量の低減を実現する光源ユニット、光走査装置、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等の画像形成装置の出力速度向上のため、一度に複数の光束により被走査媒体(感光体等の像形成体)上を光走査し画像を形成するマルチビーム光走査装置が開発されてきている。光源としては半導体レーザ(LD)を複数個組み合わせたり、複数の発光点を有する半導体レーザアレイ(LDA)が用いられている。
【0003】
半導体レーザアレイ(LDA)は、電気的クロストークや熱的クロストークの問題のため、発光点間隔を狭くすることが困難である。特に波長が短波長化(680nm以下)するとその構成材質の関係上、電気的クロストークや熱的クロストークの影響は特に顕著になり、またドループ特性の劣化も発生するため、発光点間隔を広くとらざるを得ない。波長が780nmの場合は、発光点間隔を14μmとして実用化したLDAもあるが、680nm以下のいわゆる赤色LDや青色LDの場合は、上記の問題を小さくするため、発光点間隔は80μm以上必要となる。
【0004】
光走査装置の偏向器前の光学系の副走査方向の横倍率β1の絶対値は一般的に、2以上となる。また、偏向器以降の光学系の副走査方向の横倍率β2の絶対値は一般的に、0.5〜4程度であり、光学系全系の横倍率β0の絶対値は、下式より、1〜8以上と求められる。
β0 = β1×β2
【0005】
副走査方向の被走査媒体上の光スポットの走査間隔Piは、例えば600dpi書き込みの場合、
Pi = 25.4/600 = 0.0423 (mm) = 42.3 (μm)
である。副走査方向の光源の発光点間隔をPosとすると以下の関係が成り立つ。
Pi = Pos×β0 =Pos×β1×β2
【0006】
以上より、Posは5.3〜42.3(μm)以下となる。このため、光学系によっては5.3μm以下の発光点間隔である必要が生じ、従来はLDAを傾けることにより副走査方向の間隔が狭くなるような構成にせざるを得ず、LDAの傾き角θは60度以上必要となる。
【0007】
LDAの射出光束の発散角は、発光点の配列方向は狭く、配列方向と直行する方法は広くなる。つまり、LDAを傾けて構成すると副走査方向に発散角は広く、主走査方向に狭くなり、副走査方向に長い楕円形になる。
【0008】
しかし、ビーム整形用の開口絞り(アパーチャ)は光学系の主走査方向及び副走査方向それぞれの倍率関係から、主走査方向に広くとる必要がある。よって、LDAから射出された光束の副走査方向は、大部分をカットすることになり、光利用効率が悪くなる。そのため、高出力のLDAを使用する必要が生じ、エネルギーの無駄な使い方をせざるを得なかった。
【0009】
光学系の設計に関し工夫を凝らした文献は多く紹介されており、以下その一部を採り上げる。
【0010】
特許文献1に記載の技術は、複数の発光点と集光レンズの間にリレー光学系を配置し、リレー光学系と集光レンズの間を調整することにより被走査面に対するビームウエスト位置のずれを低減ずることを特徴とする。
しかし、間隔を調整することによりビームスポット径は狙いの値とすることが可能になるが、半導体レーザアレイ(LDA)の発光点間隔に関しては考慮されておらず、発光点間隔に対する課題は解決されていない。
【0011】
特許文献2に記載の技術は、点光源の中間像を形成するための光学素子と点光源が一体的に交換可能に構成され、点光源に対する中間像の横倍率の絶対値が1以上であることを特徴とする光源ユニットに関するものである。
光源ユニットとそれ以降の光学系との組み付け性に関する技術であり、半導体レーザアレイ(LDA)の発光点間隔に関しては考慮されていない。点光源と中間像の横倍率を1以上にすると点光源の光学素子に対する組付け位置精度が厳しくなる欠点を有する。
【0012】
特許文献3に記載の技術は、LDAを傾けて配置することにより副走査対応方向の発光点間隔を狭くし、被走査媒体上の像の副走査対応方向の間隔を、狙いの間隔とすることを特徴とする。
しかし、LDAを傾けるためLDAからの射出光の発散角の広い方向が副走査方向になってしまい、光量ロスが発生する。
【0013】
特許文献4に記載の技術は、LDAからの射出光をコリメート光とし、さらに偏向器との間にアフォーカル光学系を配置することを特徴とする。
しかし、特許文献1と同様にLDAの発光点間隔に関しては考慮されていない。
【0014】
特許文献5に記載の技術は、LDAからの射出光束をコリメート部によりコリメートし、偏向器との間に偏向面内(主走査方向)で屈折力を有するシリンドリカルレンズと正の屈折力を有する球面単レンズを有する構成であることを特徴とする。
しかし、LDAは傾けて配置しており、光量ロスが発生する。
【0015】
上記のように間隔の広いLDAに関しては、LDAを傾けて発光点間隔の調整を行われているのが一般的である。
【0016】
【特許文献1】
特開2003−43390号公報
【特許文献2】
特許第3373079号公報
【特許文献3】
特公昭60−33019号公報
【特許文献4】
特公昭64−10805号公報
【特許文献5】
特許第2741195号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記課題に対し、LDAを傾けることなくマルチビーム書込光学系を構成する方法を行う光源ユニット、光走査装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、複数の光束を同時に感光体上を走査させるマルチビーム光源ユニットは、走査させる光束の間隔の調整方法が複雑になるため、簡単に調整可能な方法が望まれている。本発明では、走査光束の簡単なピッチ調整方法を行う光源ユニット、光走査装置、画像形成装置の提供も目的とする。
【0019】
特に請求項1、9に係る発明では、LDAを傾けることなく、被走査媒体上の走査光束の副走査方向の間隔を所望の間隔にすることを目的とする。
【0020】
請求項2、10に係る発明では、LDAが劣化した場合の光源ユニット交換を容易にすること、および、副走査方向の間隔が異なる複数の光源ユニットを用意し、画像形成装置の所望の書込密度に対応した光源ユニットを組み込むことにより、光源ユニット以外の部分を共通化することを目的とする。
【0021】
請求項3、11に係る発明では、LDAの発光点を副走査方向に沿って一列に配列し、被走査媒体上の各発光点の走査開始タイミングを同じにすることにより、同期検知検出回路を簡単な構成にすることを目的とする。
【0022】
請求項4、12に係る発明では、LDA保持部品の加工誤差等によりLDAが傾いて組み付いた場合に、正しい角度に調整できるようにすること、および、書込光学系を構成する各構成部品の加工誤差により、被走査媒体上の光束の走査間隔が所望の間隔からずれた場合に、正しい走査間隔に調整できるようにすることを目的とする。
【0023】
請求項5、13に係る発明では、光源ユニットを複数組み合わせることにより、被走査媒体上を光走査する光束の本数を増やし、画像形成装置の出力速度を上げることを目的とする。
【0024】
請求項6、14に係る発明では、偏向反射面近傍で光束が交差するように構成することにより、各光源ユニットからの射出光束の、第4結像光学系における光線の光路を同じくすることにより結像性能の劣化を防ぐことを目的とする。
【0025】
請求項7、15に係る発明では、走査光束の副走査方向の間隔の調整を簡単な方法で実現可能にすることを目的とする。
【0026】
請求項8、16に係る発明では、波長を680nm以下とすることにより、被走査面上におけるビームスポット径を小さくし高密度化を達成することを目的とする。
【0027】
請求項17に係る発明では、上記光源ユニット、または光走査装置を組み込むことにより、光利用効率に無駄のないマルチビーム書き込みが可能な画像形成装置を形成することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットにおいて、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする。
【0029】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする。
【0031】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光源ユニットにおいて、光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0032】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光源ユニットにおいて、主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の光源ユニットにおいて、各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0035】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の光源ユニットにおいて、光源の波長は680nm以下であることを特徴とする。
【0036】
請求項9に記載の発明は、複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットがあって、第2結像光学系を介し偏向器へ導光し、第2結像光学系と偏向器との間に配置され、偏向器の偏向反射面近傍に線像を形成する第3結像光学系と、偏向器により偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像する第4結像光学系から構成される光走査装置において、光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする。
【0037】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする。
【0038】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする。
【0039】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の光走査装置において、光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0040】
請求項13に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0041】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の光走査装置において、主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする。
【0042】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の光走査装置において、各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする。
【0043】
請求項16に記載の発明は、請求項9に記載の光走査装置において、光源の波長は680nm以下であることを特徴とする。
【0044】
請求項17に記載の発明は、請求項1から8の何れか1項に記載の光源ユニットまたは請求項9から16の何れか1項に記載の光走査装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
【0045】
<作用>
本発明は、複数の光束により被走査媒体上を光走査するマルチビーム書込光学系に関する。このことより、1つの発光点からの光束により被走査媒体上を光走査する場合に比べ、偏向器の回転速度を下げる事ができる。これにより、偏向器による消費電力を低減できる。また、発熱量も下げることができる。
【0046】
請求項1、9に係る発明によれば、LDAを傾けることなく、被走査媒体上の走査光束の副走査方向の間隔を所望の間隔にすることにより、光利用効率の劣化を防ぐことが出来、露光エネルギーを無駄なく有効活用できるようになる。
また、横倍率を1以下とすることにより、光源の光軸方向の位置ずれが発生しても変動量が縮小されるため、組み付け精度を緩くする事が可能となり、組み付け性の向上を図ることができる。
さらに、横倍率を1以下とすることにより縮小光学系を構成するため、LDAの発光光束の垂直方向と水平方向の非点格差による被走査面上での結像性能への影響を小さくすることができる。
【0047】
請求項2、10に係る発明によれば、光源ユニットを一体化することにより、LDAが劣化した場合の光源ユニット交換を容易にすることができる。
また、副走査方向の間隔が異なる複数の光源ユニットを用意することにより、画像形成装置の所望の書込密度に対応した光源ユニットを選択的に組み込むことができるようになる。光源ユニット以外の部分の共通化が可能になる。
【0048】
請求項3、11に係る発明によれば、LDAの発光点を副走査方向に沿って一列に配列し、被走査媒体上の各発光点の走査開始タイミングを同じにすることにより、ひとつの発光点の光束を用いるだけで同期検知信号を得ることができ、同期検知検出回路を簡単な構成にすることができる。
【0049】
請求項4、12に係る発明によれば、LDAを射出光軸と平行な軸の周りに回転可能とすることにより、LDA保持部品の加工誤差等によりLDAが傾いて組み付いた場合に、正しい角度に調整できるようになる。
また、書込光学系を構成する各構成部品の加工誤差により、被走査媒体上の光束の走査間隔が所望の間隔からずれた場合に、正しい走査間隔に調整できるようなる。
【0050】
請求項5、13に係る発明によれば、光源ユニットを複数組み合わせることにより、被走査媒体上を光走査する光束の本数を増やし、画像形成装置の出力速度を上げることができるようになる。
【0051】
請求項6、14に係る発明によれば、偏向反射面近傍で光束が交差するように構成することにより、各光源ユニットからの射出光束の、走査光学系である第4結像光学系における光線の光路を同じくすることにより、被走査面上の走査光束の結像性能(像面湾曲、倍率誤差、等)の劣化を防ぐことができる。
【0052】
請求項7、15に係る発明によれば、走査光束の副走査方向の間隔の調整を、簡単な方法で行えるようになる。
【0053】
請求項8、16に係る発明によれば、波長を680nm以下とすることにより、例えば780nmのLDAに対し、同一の光走査光学系(第4結像光学系)を使用してマルチビーム光走査装置を構成した場合、被走査面上におけるビームスポット径を約15%以上小さくすることができ、書込密度の高密度化を容易に達成することが可能になる。
【0054】
請求項17に係る発明によれば、本発明の光源ユニット、または光走査装置を組み込むことにより、光利用効率に無駄のないマルチビーム書き込みが可能な画像形成装置を形成することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0056】
<構成・動作>
図1は本実施形態に関わるマルチビーム光走査光学系の全体構成の一例を示す図である。半導体レーザアレイ(LDA)からなる光源1からの発散光束を集光し、光源1の発光点の像を形成する集光レンズ2(第1結像光学系)、1度収束し像を形成した後再び発散する光束をカップリングするカップリングレンズ3(第2結像光学系)、光束幅を規制する開口絞り4は、光源ユニットAとして一体的に構成される。光源ユニットAから出射した光束は、線像結像光学系であるシリンドリカルレンズ5(第3結像光学系)により偏向器6(ポリゴンスキャナ)の偏向反射面6A近傍に主走査方向に長い線状に集光される。
【0057】
偏向器6は回転軸6Bを軸として等角速度で回転しており、入射光束を等角速度的に偏向する。偏向器6と被走査媒体9との間に、第4結像光学系7(走査光学系:図中では2枚レンズ構成であるが、枚数は問わず、また反射光学系で構成しても、組み合わせて構成しても良い)を配置し、光束8は被走査媒体9上に光スポット10を形成する。光スポット10は偏向器6の回転(図中矢印方向)によって被走査媒体9上を、図中矢印方向へ光走査する。
【0058】
同期検知光学系100は、偏向器6により偏向された光束を、ミラー103と同期検知用結像素子102を経た後、フォトダイオード等により構成される同期検知センサー101に偏向光束を導く。そして光束が同期検知センサー101上を通過する際に同期信号を発し、同期回路(図示せず)により演算処理され、書込開始信号をあるタイミングの後発信する。ここで言う「あるタイミング」とは、同期検知センサー101の検知位置から書込開始位置に光束が至るまでの時間である。同期検知用結像素子102は、副走査方向にのみパワー(屈折力)を持つレンズ、主走査方向にのみパワーを持つレンズ、主副両方向にパワーを持つレンズのいずれでも良い。また、同期検知用結像素子102として、レンズの代わりに、パワーを持つ曲面ミラー等を用いても良い。また、同期検知用結像素子102を用いず、ミラー103に上述のようなパワーを持たせて同期検知センサー101に直接導くようにして、同期検知光学系100を構成しても良い。
【0059】
図2は本実施形態を説明するための副走査方向の模式図である。
光源1から射出した光束は集光レンズ2により中間像ITを形成する。このとき光源1と中間像ITの間の結像横倍率βは
β=−L2/L1
となる。その際、
|β| < 1
となるように構成する。
【0060】
光源1であるLDAの発光点の配列方向は、副走査方向(偏向走査平面と直交する方向)と略平行になるように配置する。
【0061】
このように配置することにより、先述したように、光源から射出した光束を効率よく被走査媒体9へ伝達することが可能になる。
【0062】
中間像ITでの副走査方向の光束間隔PITは、光源1であるLDAの発光点間隔Posが上記の横倍率の関係により、以下のように変換される。
PIT=Pos×−β
【0063】
カップリングレンズ3の焦点距離をFco、シリンドリカルレンズ5の焦点距離をFcyとすると、両光学素子間の副走査方向の横倍率β1は
β1=−Fcy/Fco
となる。
【0064】
第4結像光学系の副走査方向の横倍率β2とすると、中間像IT以降の光学系の横倍率β0は、下式で求められる。
β0=β1×β2
【0065】
よって、中間像ITにおける光束の副走査方向の間隔PITと被走査媒体上での副走査方向走査間隔Piは、同様に
Pi=PIT×−β0=Pos×−β×β1×β2
となる。
【0066】
光源1であるLDAとして、680nm以下のいわゆる赤色LDや青色LDを用いる場合、先述したように、ドループ特性の劣化を抑えるため発光点間隔を80μm以上とる必要がある。
【0067】
光走査装置における偏向器以前の光学系の、副走査方向の横倍率β1の絶対値は、一般的に2以上となる。また、偏向器以降の光学系の、副走査方向の横倍率β2の絶対値は、一般的に0.5〜4程度であり、光学系全系の横倍率β0の絶対値は、1〜8以上となる。
【0068】
しかし、被走査媒体9上の副走査方向走査間隔Piは600dpiの場合42.3μm、1200dpiの場合21.2μmとなり、発光点間隔Posより狭くする必要がある。
【0069】
従来は、LDAを傾けることにより光源1の発光点の副走査方向間隔を狭め、被走査媒体9上の走査間隔Piを狙いの間隔にしていたが、光量の利用効率が悪くなるという問題を持っているため、本実施形態では集光レンズ2により中間像ITを作り、この中間像ITを光源1の発光点間隔Posを縮小した像とし、その像を新たな光源とすることにより、光源1であるLDAを傾けることなく被走査媒体9上の走査間隔Piを狙いの間隔にでき、書込光学系を構成することができる。
【0070】
つまり、
|β| < 1
とすることにより、上記課題を解決することができる。
【0071】
以上よりLDAを傾けることなくマルチビーム書込光学系を構成する事が可能になり、LDAから射出した光束を効率良く使用することが可能になる。
【0072】
ここで、LDAの発光点間隔Posが80μmとした場合の実施例を以下に示す。
【0073】
[実施例1]
副走査600dpi書き込みの場合
Pi = 42.3(μm)
であり、これを満足するように光学系の各構成パラメータを下記のように設定する。
Pos = 80(μm)
β = −0.2、Fco = 30(mm)、Fcy = 60(mm)、β2 = −1.32
【0074】
以上より、それぞれの横倍率は
β1 = −Fcy/Fco = −2
β0 = β1×β2 = 2.64
となり、光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.529
【0075】
よって、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.529 = 42.3(μm)
【0076】
[実施例2]
上記書込光学系を用いて副走査1200dpi書き込みを行う場合
Pi = 21.2(μm)
であり、これを満足するようにβを以下のように設定する。
β = −0.1
【0077】
光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.264
となり、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.264 = 21.2(μm)
【0078】
[実施例3]
副走査600dpi書き込みの場合の別の例を示す。
光学系の各構成パラメータを下記のように設定する。
Pos= 80(μm)
β = −0.4、Fco = 30(mm)、Fcy = 60(mm)、β2 = −0.66
【0079】
以上より、それぞれの横倍率は
β1 = −Fcy/Fco = −2
β0 = β1×β2 = 1.32
となり、光学系全系の横倍率β全は
β全 = β×β0 = −0.529
【0080】
よって、以下のように発光点間隔Posを被走査面上に於いて狙いの走査間隔Piとすることができる。
Pi = Pos×|β全| = 80 (μm)× 0.529 = 42.3(μm)
【0081】
従来、光源とカップリングレンズの位置関係を調整することによりカップリングレンズから射出する光束を平行光束、発散光束、収束光束いずれかに調整していた。本実施形態に於いても、この調整は必要で、中間像ITとカップリングレンズ3の位置関係を調整する必要がある。調整の際に光源1と中間像ITの倍率関係を維持する必要があるため、光源1と集光レンズ2及び開口絞り4を、光源ユニットAとして一体的に構成する。この際、開口絞り4は別体であってもかまわない。
【0082】
被走査媒体9上の走査間隔Piは各光学素子の加工精度及び組み付け誤差により狙いの間隔にならず、一般的にずれてしまう。
【0083】
この問題を解決するために本実施形態では、図3に示すように光源1であるLDAを各射出光束の光軸と平行な軸(図中C)を回転軸とし回転調整を行う事を提案する。図3は光源1であるLDAの発光点が一列に並んでいる状態を模式的に示した図で、紙面と垂直な方向に光は射出するものとする。図の例は発光点が4個の例であるが、発光点の数に制限はない。この際、各発光点の射出光束の光軸と平行な軸(図中C)を回転軸とし回転調整することにより、光源1の副走査方向の間隔を調整する。発光点間隔Posは、回転軸Cを中心としてθ回転させる事により、光源1の副走査方向の間隔は Pos×cosθ となる。これにより、被走査媒体9上の走査間隔Piを調整する。この方法により、走査光束の走査間隔Piを簡単に調整可能になる。
【0084】
次に、光源ユニットAを複数個組合せ光学系を構成する場合を説明する。複数個組み合わせることにより、被走査媒体9上を走査する光束の数を増やすことができる。このことにより、本書込光学系を搭載する画像形成装置の出力速度の向上を図ることができる。また、逆に出力速度を変えない場合は、偏向器の回転速度の低減を図ることができ、消費電力の低減、発熱量の低減、等環境に対し配慮した書込光学系を構成することが可能になる。
【0085】
図4に光源ユニットAを2個組合せた場合の例を示す。偏向器6以降の光学系は省略している。
【0086】
図4に示すように、光源ユニットA、Bからの射出光束が偏向器6の偏向反射面6A近傍で交差するように構成する。光源ユニットAから射出した光束に対し、光源ユニットBから射出した光束は、それぞれの光源ユニットの光軸の成す角φの半分の角度(φ/2)偏向器6をずらした状態で偏向するように構成することにより、偏向反射面6Aにより反射したそれぞれの光源ユニットから射出した光束は、それ以降の光学系の同じところを通過するように構成することができる。このように、主走査平面上に投影したときに、各光源ユニットからの射出光束が偏向器の偏向反射面6A近傍で交差するように配置構成する事により、上記を達成できる。
【0087】
各々の光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸(図4の例においてはJ、K)を回転軸として回転調整することにより、上述の光源1の射出光軸と平行な軸を回転軸とし回転調整する場合と同様に、被走査媒体9上の副走査方向の走査間隔Piを調整することが可能になる。このような調整方法を採ることにより、走査光束の走査間隔Piを簡単に調整可能になる。
【0088】
近年、高密度化達成のためにLD発振波長の短波長化が成されてきている。(被走査面上のビームスポット径は光源の波長に比例するため)従来、一般的に波長780nmのLDが広く使われてきたが、上記目的のため波長680nm以下のLDが使われ始めている。例えば、680nm/780nm=0.87であり、13%の小径化が可能になる。
【0089】
LDの発振波長の短波長化(680nm以下)を実現するためには、LDその物を構成する材質を波長780nm用のLDとは異なる材質で構成する必要がある。波長780nm用LDの構成材質は一般にAlGaAsから構成されるが、波長680nm以下用は構成材質が異なり、ドループ特性の劣化を引き起こしやすい。特に半導体レーザアレイの場合は、その構造上発光点同士が近接するため、互いの発熱の影響によりドループ特性が劣化しやすく、発光点同士の間隔を狭めることが困難である。
【0090】
しかし、本実施形態の構成にすることにより、第1結像光学系による光源の像の間隔を狭くすることができ、発光点間隔が広いままでも光学系を構成することが可能になり、上記課題を効果的に解決することが可能になる。よって、ビームスポット径の小径化が可能になり高密度化を達成できる。
【0091】
図5は本実施形態の走査光学系が搭載される画像形成装置30を説明する図である。
【0092】
原稿31はコンタクトガラス32上に置かれ、ランプ33で照らされ、照射された原稿による画像はミラーでスキャナレンズブロック34へ導かれ、CCDにより画像データとして処理され、画像データ35は本実施形態のマルチビーム光書込光学装置36にデータ転送され、画像信号に基づきLDはON/OFFを繰り返し、感光体ドラム20上を光スポットが走査する。帯電器40により帯電された感光体上を光走査し静電潜像を形成し、現像器37によりトナー像として現像され、給紙トレイ38から紙が給紙ローラー39により感光体へ導かれ、転写ローラー45により転写され、定着器41により定着され、排紙ローラー44により排紙トレイ42に排出される。感光体20は除電・クリーナー43により除電およびクリーニングがなされ、再び帯電からの工程を繰り返す。
【0093】
さらに本実施形態の画像形成装置と電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とをネットワークを介し接続することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。
【0094】
また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることができ、一番状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像出力装置を選択し、出力を行うことができるようになる。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、複数の光束により被走査媒体上を光走査するマルチビーム書込光学系に関する。このことより、1つの発光点からの光束により被走査媒体上を光走査する場合に比べ、偏向器の回転速度を下げる事ができる。これにより、偏向器による消費電力を低減できる。また、発熱量も下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に関わるマルチビーム光走査光学系の全体構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態を説明するための副走査方向の模式図である。
【図3】光源1であるLDAの発光点が一列に並んでいる状態を模式的に示した図である。
【図4】光源ユニットAを2個組合せた場合の例を示す図である。
【図5】本実施形態の走査光学系が搭載される画像形成装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源
2 集光レンズ(第1結像光学系)
3 カップリングレンズ(第2結像光学系)
4 開口絞り
A 光源ユニット
5 シリンドリカルレンズ(第3結像光学系)
6 偏光器
6A 偏光反射面
6B 回転軸
7 第4結像光学系
8 光束
9 被走査媒体
10 光スポット
100 同期検知光学系
101 同期検知センサー
102 同期検知用結像素子
103 ミラー
Claims (17)
- 複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットにおいて、
光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする光源ユニット。 - 光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
- 一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
- 光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする請求項3に記載の光源ユニット。
- 光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
- 主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の光源ユニット。
- 各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする請求項5または6に記載の光源ユニット。
- 光源の波長は680nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
- 複数の発光点を有する光源と、光源からの発散光束の像を形成する第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束をカップリングする第2結像光学系により構成される光源ユニットがあって、第2結像光学系を介し偏向器へ導光し、第2結像光学系と偏向器との間に配置され、偏向器の偏向反射面近傍に線像を形成する第3結像光学系と、偏向器により偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像する第4結像光学系から構成される光走査装置において、
光源と、第1結像光学系による光源の像の関係はその横倍率をβとするとき
|β| < 1
であることを特徴とする光走査装置。 - 光源、第1結像光学系および第2結像光学系は一体的に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の光走査装置。
- 一つの光源の複数の発光点は偏向走査平面と直交する平面内に於いて、略直線状に配列されていることを特徴とする請求項9に記載の光走査装置。
- 光源は複数の発光点からの射出光束の光軸に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする請求項11に記載の光走査装置。
- 光源、第1結像光学系および第2結像光学系から構成される光源ユニットを、複数組み合わせて構成されることを特徴とする請求項9に記載の光走査装置。
- 主走査平面に投影したときに、各光源ユニットからの光束が偏向器の偏向反射面近傍で、交差するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の光走査装置。
- 各光源ユニットは一体的に構成され、各光源ユニットの射出光軸の中心線に対し略平行な軸を回転軸として回転可能なことを特徴とする請求項13または14に記載の光走査装置。
- 光源の波長は680nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光走査装置。
- 請求項1から8の何れか1項に記載の光源ユニットまたは請求項9から16の何れか1項に記載の光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003198679A JP2005037555A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003198679A JP2005037555A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2005037555A true JP2005037555A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34208391
Family Applications (1)
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JP2003198679A Pending JP2005037555A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005037555A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006251688A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置・画像形成装置 |
JP2009080457A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-04-16 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置、調整方法及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003198679A patent/JP2005037555A/ja active Pending
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