JP2005037471A - 有機elディスプレイ用光学フィルター及びこれを用いた有機elディスプレイ - Google Patents

有機elディスプレイ用光学フィルター及びこれを用いた有機elディスプレイ Download PDF

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康子 馬場
Masaaki Asano
雅朗 浅野
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Abstract

【課題】第1電極層以降の各層を形成するのに先立って、カラーフィルター層若しくは色変換層等を被覆する保護層を形成するため、その保護層によって生じる段差が原因となって起こる上層の断線の発生を解消した光学フィルター、及びこれを用いた有機ELディスプレイを提供すること。
【解決手段】透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層が少なくとも積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につながっていることを特徴とする光学フィルター。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイを初めとする種々のディスプレイの、カラーフィルター基板表面若しくは色変換基板表面の平坦性を高めた、改良された光学フィルター、及びこれを用いて構成された有機ELディスプレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、原理的には、陽極と陰極の間に有機EL発光層をはさんだ構造を有するものであるが、実際に、有機EL素子を用いてカラー表示の可能な有機ELディスプレイとするには、(1)三原色の各色をそれぞれ発光する有機EL素子同士を配列する方式、(2)白色光に発光する有機EL素子を三原色のカラーフィルター層と組み合わせる方式、並びに(3)青色発光する有機EL素子と、青→緑、及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組み合わせるCCM方式等がある。
【0003】
中でも、(3)のCCM方式では、同じ色に発光する有機EL素子を一種類使用すればよいので、上記(1)の方式の有機ELディスプレイにおけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える必要が無く、また、(2)の方式の有機ELディスプレイにおけるように、三原色のカラーフィルターで色分解する際の白色光の利用率が低い欠点が解消され、CCM層の変換効率を高めることにより、ディスプレイの輝度を向上させることが可能で注目されている。
【0004】
上記(2)の三原色カラーフィルター層と組み合わせる方式においては、透明な基板の上にカラーフィルター層を設けた後に、保護層を介して、第1電極層、発光層、及び第2電極層を形成し、(3)の色変換層(CCM)と組み合わせる方式においては、透明基板上にカラーフィルター層及び色変換層を順に設けた後に、保護層を介して、第1電極層、発光層、及び第2電極層を形成することにより有機ELディスプレイを構成することができる。また、上記(1)の方式の場合にも、通常はカラーフィルター層を伴うので、上記(2)の場合と同様の方法で、有機ELディスプレイを構成することができる。ここで、発光層の形成を、カラーフィルター層や色変換層の形成よりも後に行うのは、他の層を形成する際の、発光層への悪影響を排除するためである。
【0005】
そして、第1電極層以降の各層を形成するのに先立って、保護層を形成するのは、厚膜であるカラーフィルター層や色変換層の色間で発生する凸凹を平坦化し、上層の第1電極層以降の形成を可能にするためである。さらに、発光層が含有する有機蛍光体が、カラーフィルター層や色変換層中に形成後も含まれ得る有機溶剤等の揮発成分により劣化することを防止するためでもある。
【0006】
ところで、カラーフィルター層や色変換層を被覆するように保護層を形成することにより、形成した保護層のパターンの端部において、保護層の厚さに相当する段差が生じる。そして、保護層を形成した基板上に電極を形成しようとすると、電極層も下層の段差に沿って形成されるために、その後発光部や封止部を形成する際等に、段差部分で電極層の断線が生じやすい。しかし、この電極層の断線の問題は、順テーパーのパターンの保護層を形成し、その端部において支持基板と角度αを有する側面を持たせ、その角度αが70度以下とすることにより解消するとされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−93578号公報(請求項1、図2)
【0008】
しかしながら、特許文献1の発明は、支持基板と保護層端部の側面とがなす角度と電極の断線の関係について調べ、該角度を限定することである程度の改善を図れることは認められるが、保護層端部の形状により起こり得る断線の発生を根本的に解消したものではない。実際に本発明者等が試験したところ、順テーパー状部の傾斜の角度については、45°を超えると断線の起きる可能性が大きくなることが判明している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、第1電極層以降の各層を形成するのに先立って、カラーフィルター層若しくは色変換層等を被覆する保護層を形成するため、その保護層によって生じる段差が原因となって起こる上層の断線の発生を根本的に解消した光学フィルター、及びこれを用いた有機ELディスプレイを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討の結果、透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層が少なくとも積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につなげることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
請求項1の発明は、透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層が少なくとも積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につながっていることを特徴とする光学フィルターに関するものである。
【0012】
請求項2の発明は、透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層、及び各画素毎の入射光を色変換する色変換層の少なくとも二層がこの順に積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につながっていることを特徴とする光学フィルターに関するものである。
【0013】
請求項3の発明は、透明基材表面を掘り込むことでバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学フィルターに関するものである。
【0014】
請求項4の発明は、透明基材上に、積層することでバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学フィルターに関するものである。
【0015】
請求項5の発明は、透明基材上に、ハードコート材を用いてバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項4に記載の光学フィルターに関するものである。
請求項2〜5において「透明基材」に加工を施した後のものを、「透明基板」という。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルターの、前記透明基板とは反対側に、有機EL素子が配置されていることを特徴とする有機ELディスプレイに関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカラーフィルター層を有する有機ELディスプレイ用光学フィルターの製造過程を示す断面図であり、図2は、本発明のカラーフィルター層及び色変換層を有する有機ELディスプレイ用光学フィルターの製造過程を示す断面図であり、図3は、本発明の有機ELディスプレイ用光学フィルターを用いた有機ELディスプレイの構造を示す断面図である。図3において、12は第1電極層以降の各層(第1電極層、有機EL発光層、及び第2電極層等とが積層されたもの)を「第1電極層以降の層」としてまとめて表すものとする。
図1、図2及び図3を参照して説明する以下の例では、有機EL発光層は、その層全域に渡って同じ色を発光するものであり、有機ELディスプレイは、光の三原色を利用したフルカラー表示を行うものとする。
図4は、従来例として、順テーパーのパターンの保護層を形成し、その端部において支持基板と角度αを有する側面を持たせた光学フィルターの一例を示す。
【0018】
透明基材2は、本発明において光学フィルター10を支える支持体であり、有機ELディスプレイ1を構成した際には、その観察側にあって、しばしば、有機ELディスプレイ1全体を支える支持体でもある。必要に応じて、さらに、観察側には、擦傷防止のためのハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、反射防止層、防眩層等が直接積層されるか、若しくは透明フィルム上に積層されて適用されていてもよく、あるいは、タッチパネルのような機能が付加されていてもよい。
【0019】
透明基材2は、大別すると、ガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明素材、若しくはアクリル樹脂等の有機質板状透明素材、又は、合成樹脂製の透明フィルム状素材からなる。厚みのごく薄いガラスも、透明フィルム状素材として利用することができる。透明基材2としては、ブラックマトリクス5、カラーフィルター層6、若しくは色変換層7等を形成する側の表面の平滑性が高く、すなわち、算術平均粗さ(Ra)が、0.5nm〜3.0nm(5μm□領域)であるものを用いることが好ましい。
透明基材2を構成する合成樹脂素材の合成樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、又は環状オレフィン樹脂若しくは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができる。
【0020】
透明基板に凹状区域を設けるには、種々の方法がある。
凹状区域をもった透明基板が得られるような型を使用してもよいし、透明基材2を直接掘り込んでもよい。
また、透明基材2上にバンク3を積層して形成してもよい。積層の方法としては、バンク3を凹版印刷、スクリーン印刷等の印刷法やインクジェット法により盛り上げて形成してもよく、また、バンク3の幅にフイルムを貼り合わせたり塗布したりしてもよいし、フォトリソグラフィー法によるパターン形成によってもよい。透明基材2上の凹状区域の深さは2μm〜40μm程度が好ましく、凹状区域内に形成されたカラーフィルター層又は色変換層の厚みを上回る必要がある。
【0021】
透明基材2を直接掘り込む方法としては、サンドブラスト処理が挙げられる。サンドブラスト処理では、サンドブラスト保護膜を形成した透明基材2の表面に対して、微細な研削材(サンド;砂)を圧縮空気とともに高速でノズルから噴出させる。そのとき、サンドブラスト保護膜を有しない透明基材2の表面の部分、すなわち凹状区域となる部分において透明基材2は研削材の衝撃力によって削り取られる。一方、サンドブラスト保護膜を有する透明基材2の表面の部分、すなわちバンクとなる部分においては研削材の衝撃力がサンドブラスト保護膜によって吸収されるため透明基材2は削り取られることがない。
【0022】
また、透明基材2上にバンク3をフォトリソグラフィー法によってパターン形成する場合、バンク3の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、若しくはポリアミド樹脂等の透明樹脂を例示することができる。又は、樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、若しくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂を使用することもできる。
【0023】
ブラックマトリックス5は、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域同士の境界における外光の反射を防止し、画像、映像のコントラストを高めるためのもので、必ずしも設けなくてよいが、コントラストを向上させる以外に、カラーフィルター層6や色変換層7をはじめ、以降の各層を、ブラックマトリックス5の開孔部に対応させて作製する上で、形成することが好ましい。ブラックマトリクス5は、通常は、黒色の細線で構成された、縦横の格子状等、若しくは一方向のみの格子状等の、開孔部を有するパターン状に形成されたものである。有機EL素子の発光による光は、このブラックマトリックス5の開孔部を経由し、観察側に到達する。
【0024】
ブラックマトリックス5は、クロム等の金属の、蒸着、イオンプレーティング、若しくはスパッタリング等による薄膜の表面にフォトレジストを塗布し、パターンマスクで被覆して露光、現像、エッチング、及び洗浄等の各工程を経て、形成することができ、あるいは、無電界メッキ法、若しくは黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。ブラックマトリクス5の厚みは、薄膜で形成する場合には、0.2μm〜0.4μm程度であり、印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
【0025】
カラーフィルター層6は、ブラックマトリクス5の開孔部に対応して設けられ、各画素に対応して、通常は、青色用、緑色用、及び赤色用の三種類が規則的に配列したものである。カラーフィルター層6の各色の部分は、ブラックマトリクス5の開孔部毎に設けたものであってもよいが、便宜的には、図1、図2及び図3における手前側から奥側の方向に帯状に設けたものであってもよい。
【0026】
CCM方式の有機ELディスプレイ1においては、有機EL素子から発した青色光が、色変換層7により変換されて、青色光、緑色光、及び赤色光の三原色の光が生じるので、色変換層7の存在により、カラー映像の再現が可能で、カラーフィルター層6を省略することが可能であるが、色変換層7により変換された光をさらに補正して、所定の帯域内の光のみを透過させ、有機ELディスプレイ1の演色性を高める意味で、カラーフィルター層6を設けることが好ましい。
【0027】
カラーフィルター層6を形成するには、顔料若しくは染料等の着色剤、好ましくは顔料の配合により着色した感光性樹脂組成物の層をフォトリソグラフィー法によってパターン化するか、若しくは、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色毎に所定の位置に印刷することによって行う。カラーフィルター層6の厚みは、1μm〜2μm程度である。
【0028】
赤色カラーフィルター層形成用の顔料としては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、若しくはイソインドリン系顔料等のから選択された顔料の1種若しくは2種以上、緑色カラーフィルター層形成用の顔料としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料若しくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、若しくはイソインドリノン系の顔料の1種若しくは2種以上、また、青色カラーフィルター層形成用の顔料としては、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、若しくはジオキサジン系顔料の1種若しくは2種以上が好ましい。
【0029】
上記の着色剤を配合するバインダー樹脂としては、透明な、好ましくは、可視光透過率が50%以上である電離放射線硬化性樹脂、特に紫外線硬化性樹脂が仕様され、「フォトレジスト」用として市販されているものも使用でき、このようなバインダー樹脂中に、上記の着色剤を、形成されるカラーフィルター層中に5〜50%含有されるように配合して、着色した感光性樹脂の塗布用の組成物を調製する。
【0030】
色変換層7は、ブラックマトリックス5の開孔部、及びカラーフィルター層6に対応して設けられるもので、やはり、各画素毎に、青色用、緑色用、及び赤色用に三種類が規則的に配列したものである。なお、青色用の色変換層については、有機EL素子が、青色光、若しくは青色光及び緑色光を発光する場合には、色変換を行う必要がないので、省略できるが、他の色用の色変換層と同じ厚みのクリア層をダミー層として形成しておくことが好ましい。
【0031】
色変換層7の各部分は、カラーフィルター層6の各色の部分と同様、ブラックマトリクス5の開孔部のみに設けたものであってもよいが、図1、図2及び図3における手前側から奥側の方向に帯状に設けたものであってもよい。
【0032】
赤色変換層、及び緑色変換層は、それぞれ、青色を赤色に変換する赤色変換蛍光体、及び青色を緑色に変換する緑色変換蛍光体を樹脂中に溶解若しくは分散した組成物で構成される。
【0033】
赤色変換蛍光体としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素、ローダミンB、若しくはローダミン6G等のローダミン系色素、又はオキサジン系色素等を例示することができる。
【0034】
緑色変換蛍光体としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、若しくは3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、又は、ソルベントイエロー11、若しくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素等を例示することができる。
【0035】
赤色変換蛍光体、若しくは緑色変換蛍光体を溶解、若しくは分散させる樹脂としては、バンク3を構成するための樹脂として前記したものと同様な透明な樹脂が好ましい。また、若しくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂(実際には、電子線硬化性樹脂若しくは紫外線硬化性樹脂であって、後者であることが多い。)を使用することもできる。
【0036】
色変換層7の形成は、フォトリソグラフィー法によって行うほか、上記の赤色変換蛍光体若しくは緑色変換蛍光体、及び樹脂を、必要に応じ、溶剤、希釈剤、若しくは適宜な添加剤と共に混合して、インキ組成物を調製し、印刷することによって行ってもよい。青色用のクリア層の形成は、上記の方法に準じて行うがい、ただし、使用する組成物若しくはインキ組成物から赤色変換蛍光色素若しくは緑色変換蛍光色素を除いたものを用いて行う。色変換層7における樹脂と、赤色変換蛍光体、若しくは緑色変換蛍光体の割合は、例えば、樹脂/蛍光体=100/0.5〜100/5(質量基準)程度が好ましく、色変換層7の厚みは5μm〜20μm程度であることが好ましい。
【0037】
保護層8は、下層の厚みが一定しない場合には、それらの表面をならす目的で、あるいは、凹状区域内に存在する隙間を埋める目的で、さらには、上層の各層、特に有機EL素子と下層の色変換層7とを隔離し、有機EL素子の寿命を延ばす目的で設けられる。また、保護層8は、下層を保護する役割も担っている。
【0038】
保護層8は、バンク3を構成するための樹脂として前記したものと同様な透明な樹脂が好ましいが、中でもアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、若しくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂を用いて、それらの硬化物として構成されることがより好ましい。また、保護層8を形成する材料としては、ポリシロキサンオリゴマー等からなるゾルゲル材料若しくはポリシロキサンオリゴマー等と有機ポリマー等とからなる有機−無機ハイブリッド材料を使用することもできる。保護層8の厚みとしては、下層の凹凸状態にもよるが1μm〜10μmであることが好ましい。保護層を、凹状区域内に充填するには、コーティング法によるか、ディスペンサーを用いて吐出する等の比較的、塗布量を多くすることによって行うことが好ましい。
【0039】
研磨方法としては、適宜な砥粒をシート上に散布して接着したサンドペーパー等を用いて行うほか、化学的研磨法、若しくは機械的研磨法、又はそれらを併用したメカノケミカルポリッシング(MCP、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)とも言われる。)によって行うことが好ましい。化学的研磨法は、例えば、布、不織布、若しくはポリウレタン樹脂等の発泡体からなる研磨部材に、研磨剤として、エッチング性の液体を供給して行うものであり、機械的研磨法は、例えば、布、不織布、若しくはポリウレタン樹脂等の発泡体を研磨部材として、コロイダルシリカ若しくは酸化セリウムの微粉末を研磨剤として含浸させて用いるか、又はコロイダルシリカ若しくは酸化セリウムを分散させた分散液を供給して行うものである。
【0040】
いずれにせよ、好ましくは、対象物を回転させる等して、対象物と研磨部材とを相対的に移動させつつ、面に積層された保護層8に研磨部材を接触させ、必要に応じて研磨剤を供給しながら行い、少なくとも、凹状区域に充填された保護層8が凹状区域外の透明基板2若しくはバンク3部位と同じ高さになるよう研磨を行い、凹状区域外にも、凹状区域に充填された保護層8が積層されている場合には、それも含めて、除去を確実に行う。
【0041】
保護層8上には、透明なバリア層11が積層されていてもよい。バリア層11は、無機酸化物の薄膜から構成されることが好ましく、上層に配置される有機EL素子への下方からの空気、特に、水蒸気が透過するのをより有効に遮断することができる。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、若しくは窒化ケイ素等、又は酸化ケイ素と窒化ケイ素の合金等を使用することが好ましい。また、バリア層の材料として、ポリシロキサンオリゴマー等からなるゾルゲル材料若しくはポリシロキサンオリゴマー等と有機ポリマー等とからなる有機−無機ハイブリッド材料を使用することもでき、さらに上記無機酸化物の薄膜に積層して使用することもできる。バリア層11の厚みとしては、0.03μm〜3μm程度である。
【0042】
有機EL素子は、各画素に対応して、第1電極層、有機EL発光層、及び第2電極層とが積層されたものから基本的に構成され、駆動方式としては、パッシブマトリクス、若しくはアクティブマトリクスのいずれのものであってもよい。必要に応じて、さらに封止材が積層され得る。
【0043】
第1電極層は、第2電極層との間にはさんだ有機EL発光層に電圧をかけ、所定の位置で発光を起こさせるためのものである。第1電極層は、例えば、ブラックマトリクス5の開孔部の幅に相当する幅の帯状の形状を有する各電極が図3で言えば、図の左右方向に配置され、図の手前から奥に向かう方向に、間隔をあけて配列したもので、配列のピッチはブラックマトリクス5の開孔部の配列ピッチと同じである。
【0044】
第1電極層は、透明性及び導電性を有する金属酸化物の薄膜で構成され、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、若しくは酸化第2錫等を素材として構成され、これらの素材の一様な薄膜を蒸着法若しくはスパッタリング法等によって形成した後に、フォトリソグラフィー法により不要部を除去することにより形成することが好ましい。
【0045】
有機EL発光層は、先に挙げたように、(1)三原色を配列する方式においては、赤色発光用、緑色発光用、及び青色発光用の各色発光用の有機EL発光層を並べたものであり、(2)白色光に発光する有機EL素子を三原色のカラーフィルター層と組み合わせる方式においては、白色発光用の有機EL発光層であり、また、(3)CCM方式においては、青色発光用、若しくは青色及び緑色発光用の有機EL発光層である。
【0046】
有機EL発光層は、代表的には、(1)有機EL発光層単独から構成されたもの、(2)有機EL発光層の透明電極層側に正孔注入層を設けたもの、(3)有機EL発光層の背面電極層側に電子注入層を設けたもの、若しくは(4)有機EL発光層の透明電極層側に正孔注入層を設け、背面電極層側に電子注入層を設けたもの、等種々の構造のものがあり得る。
【0047】
有機EL発光層は、例えば、色素系、金属錯体系、若しくは高分子系の有機蛍光体で構成され得る。
【0048】
色素系のものとしては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、若しくはピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
【0049】
金属錯体系のものとしては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等又は、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、若しくはキノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
【0050】
高分子系のものとしては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、若しくはポリビニルカルバゾール誘導体、又は前記の色素系のもの、若しくは金属錯体系のものを高分子化したもの等を挙げることができる。
【0051】
上記した有機蛍光体には、発光効率の向上、若しくは発光波長を変化させる目的でドーピングを行うことができる。このドーピング材料としては例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を挙げることができる。
【0052】
CCM方式において使用する、青色から青緑色の発光を得ることが可能な有機蛍光体としては、特開平8−279394号公報に例示されている、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、特開昭63−295695号公報に開示されている金属キレート化オキシノイド化合物、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されたスチリルベンゼン系化合物、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体、若しくは欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示された芳香族ジメチリディン系化合等物を例示することができる。
【0053】
具体的には、ベンゾチアゾール系としては、2−2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等、ベンゾイミダゾール系としては、2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、若しくは2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等、ベンゾオキサゾール系としては、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、若しくは2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等を例示することができる。
【0054】
金属キレート化オキシノイド化合物としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体、若しくはジリチウムエピントリジオン等、スチリルベンゼン系化合物としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、若しくは1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等を例示することができる。
【0055】
ジスチリルピラジン誘導体としては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル))ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、若しくは2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等、並びに、芳香族ジメチリディン系化合物としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、若しくはそれらの誘導体を例示することができる。
【0056】
CCM方式において使用する、青色発光する有機蛍光体としては、特開平5−258862号公報等に記載されている一般式(Rs−Q)2−AL−O−Lであらわされる化合物を例示することができる(一般式中、Lはベンゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す。)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、若しくはビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等を例示することができる。
【0057】
以上のような材料からなる、若しくは含有する有機EL発光層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0058】
正孔注入層を構成する材料としては、従来、非伝導材料の正孔注入材料として使用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知の物の中から任意に選択して使用することができ、正孔の注入、若しくは電子の障壁性のいずれかを有するものであって、有機物、若しくは無機物のいずれであってもよい。
【0059】
具体的に正孔注入層を構成する材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、若しくはチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等を例示することができる。
【0060】
さらに正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、若しくはスチリルアミン化合物等を例示することができる。
【0061】
具体的には、ポルフィリン化合物としては、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、若しくは銅オクタメチルフタロシアニン等、芳香族第三級アミン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、若しくは4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等、を例示することができる。
【0062】
以上に例示したような材料からなる正孔注入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0063】
電子注入層を構成する材料としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、若しくはオキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、若しくはジスチリルピラジン誘導体等を例示することができる。
【0064】
以上に例示したような材料からなる電子注入層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0065】
第2電極層は、有機EL発光層を発光させるための他方の電極をなすものである。第2電極層は、仕事関数が4eV以下程度と小さい金属、合金、若しくはそれらの混合物から構成される。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、若しくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等を例示することができ、より好ましくは、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、若しくはリチウム/アルミニウム混合物を挙げることができる。これらの素材からなる第2電極層は、これらの素材の一様な薄膜を蒸着法若しくはスパッタリング法等によって形成した後に、フォトリソグラフィー法により不要部を除去することにより形成することが好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0067】
実施例1
(サンドブラスト処理による透明基板上の凹状区域の形成)
透明基材2として、150mm×150mm、厚み;0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子社製)を準備した。ポリウレタンフォームにフォトリソグラフィー法により40mm×52mmの開孔部を形成し、サンドブラスト保護膜を形成した。このサンドブラスト保護膜を透明基材2に張り付け、サンドブラスト装置のノズルから圧縮空気とともにアルミナ系研削材を吹き付けた。研削材の吹き付けに伴い、透明基材2のうちサンドブラスト保護膜で覆われていない部分は研削され、40mm×52mmの凹状区域を有する透明基板が得られた。
【0068】
(ブラックマトリクスの形成)
凹状区域が形成された上記の透明基板上に、スパッタリングにより酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み;0.2μm)を形成した。この複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、及び複合クロム薄膜のエッチングを順次行って、80μm×280μmの長方形状の開口部が、短辺方向に100μmのピッチ、長辺方向に300μmのピッチでマトリックス上に配列したブラックマトリックスを形成した。
【0069】
(カラーフィルター層の形成)
赤色、緑色、及び青色の各色カラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物を調整した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバガイギー社製、クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造社製、リオノールグリーン2Y−301)、及び青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバガイギー社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用い、バインダー樹脂としてはポリビニルアルコール(10%水溶液)を用い、ポリビニルアルコール水溶液10部に対し、各着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合して、十分に混合分散させ、得られた溶液100部に対し、1部の重クロム酸アンモニウムを架橋剤として添加し、各色カラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物を得た。
【0070】
上記の各色カラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物を順次用いて各色のカラーフィルター層を形成した。すなわち、ブラックマトリックスが形成された上記の透明基材上に、赤色のカラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物をスピンコート法により塗布し、100℃の温度で5分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、200℃の温度で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリックスのパターンに開口部に同調させ、幅;85μm、厚み;1.5μmの帯状の赤色パターンを、その幅方向がブラックマトリックスの開口部の短辺方向になるよう形成した。以降、緑色のカラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物、及び青色のカラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物を順次用い、緑色のパターン、及び青色のパターンを形成し、三色の各パターンが幅方向に繰り返し配列したカラーフィルター層を形成した。
【0071】
(色変換蛍光体層の形成)
ブラックマトリックス及びカラーフィルター層が形成された上に、青色変換ダミー層形成用塗布液(富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製、透明感光性樹脂組成物、商品名;「カラーモザイクCB−701」)をスピンコート法により塗布し、温度;100℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行った後、温度;200℃で60分間のポストベイクを行った。これにより、青色カラーフィルター層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の青色変換ダミー層を形成した。
【0072】
次いで、緑色変換蛍光体(アルドリッチ社製、クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを緑色変換層形成用塗布液とし、上記と同様の手順により、緑色カラーフィルター層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の緑色変換層を形成した。
【0073】
さらに、赤色変換蛍光体(アルドリッチ社製、ローダミン6G)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを赤色変換層形成用塗布液とし、上記と同様の手順により、赤色カラーフィルター層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の赤色変換層を形成した。
【0074】
(保護層の形成)
次いで、色変換層が形成された上に、エポキシ系熱硬化性樹脂(新日鐵化学社製、品名;「V−259EH/210X6」)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した保護層形成用塗布液を調整し、スピンコート法によりこの塗布液が凹状区域に充填されるように塗布し、温度;120℃で5分間のプリベイクを行った後、温度;200℃で60分間のポストベイクを行って、透明基板上の全体を覆う透明な保護層を形成した。
【0075】
(保護層の研磨)
保護層の研磨は発砲ウレタンの定盤と粒径0.3μmのアルミナ研磨液を用いて行った。その結果、バンク上の保護層は完全に除去され、図2−(c)に示すように、凹状区域内の保護層表面とバンク部位とが面一につながっている光学フィルターが得られた。
【0076】
(バリア層の形成)
さらに、形成された保護層上に、スパッタリング法により、厚み;300nmのSiON薄膜を成膜して透明バリア層とした。
【0077】
実施例2
(ハードコート材を用いた透明基板上のバンクの形成)
透明基材として、実施例1と同様の材料を準備した。この透明基材の片側全面にアクリレート系光硬化性樹脂(新日鐵化学社製、品名;「V−259PA/PH5」)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈したハードコート層形成用塗布液を調整し、スピンコート法により塗布し、温度;120℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行った後、温度;200℃で60分間のポストベイクを行って、透明基板上に厚み;20μmで36mm×48mmの長方形状の凹部を有するハードコート層を形成した。実施例1と同様にして、光学フィルターを形成した。
【0078】
【発明の効果】
保護層の段差により、保護層上の第1、第2電極層の断線が起こることが解消された有機ELディスプレイ用光学フィルターが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルター層を有する有機ELディスプレイ用光学フィルターの製造過程を示す断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルター層及び色変換層を有する有機ELディスプレイ用光学フィルターの製造過程を示す断面図である。
【図3】本発明の有機ELディスプレイ用光学フィルターを用いた有機ELディスプレイの構造を示す断面図である。
【図4】従来例として、順テーパーのパターンの保護層を形成し、その端部において支持基板と角度αを有する側面を持たせた光学フィルターの一例を示す。
【符号の説明】
1 有機ELディスプレイ
2 透明基材(透明基板)
3 バンク
4 凹状区域
5 ブラックマトリクス
6 カラーフィルター層
7 色変換層
8 保護層
9 研磨
10 光学フィルター
11 バリア層
12 第1電極層以降の層

Claims (6)

  1. 透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層が少なくとも積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につながっていることを特徴とする光学フィルター。
  2. 透明基板に設けた凹状区域に、各画素毎の入射光を色補正するカラーフィルター層、及び各画素毎の入射光を色変換する色変換層の少なくとも二層がこの順に積層され、保護層が前記カラーフィルター層を被覆し、かつ前記凹状区域内の隙間を埋めるように形成されており、保護層表面と凹状区域外の基板表面とが面一につながっていることを特徴とする光学フィルター。
  3. 透明基材表面を掘り込むことでバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学フィルター。
  4. 透明基材上に、積層することでバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学フィルター。
  5. 透明基材上に、ハードコート材を用いてバンク部位を形成することにより、前記凹状区域を有する透明基板を得ることを特徴とする、請求項4に記載の光学フィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルターの、前記透明基板とは反対側に、有機EL素子が配置されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100461977C (zh) * 2005-08-15 2009-02-11 中华映管股份有限公司 有机电致发光显示器
CN103941438A (zh) * 2010-03-30 2014-07-23 住友化学株式会社 基板输送机构以及偏振膜的贴合装置中的基板支撑装置

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