JP2005035866A - 発泡材、発泡ボードおよび発泡ボードの製造方法 - Google Patents

発泡材、発泡ボードおよび発泡ボードの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の石膏ボード等では、石膏スラリー等の原材料の密度が比較的高いため、非常に重い物となっており、硬く、また外部衝撃等が加わると大きくひび割れしたり、くずれてしまったりするという問題点を解決する。
【解決手段】 水和硬化物としての焼石膏4に、水5、起泡剤としての炭酸水素ナトリウム6等をミキサー1で混合・撹拌することにより発泡させ、得られた発泡過程のスラリー7をベルトコンベア14を介して搬送されてくる下原紙11上に排出・供給し、次いで成形装置12で上原紙13を供給・被覆しながら所定の厚さおよび幅を持った板状に成形して石膏の発泡ボードを得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主として建築用内装材として用いられる発泡材、該発泡材を板状に形成した発泡ボードおよびその発泡ボードの製造方法に関する。
主として建築用内装材として用いられ石膏等を含んで形成された石膏ボードが周知である(例えば、特許文献1参照)。この石膏ボードは、防・耐火性、遮音性、断熱性、調湿性、施工性等の優れた性能・機能を有することに加えて、安価であることから広い用途に多用されている。
また、セメントコンクリートは、周知のように主としてダムや道路・橋・建築物等多種多様の建設構造物を作る上での代表的な材料であり、その耐久性が半永久的で所望とする建設構造物の目標強度を比較的容易かつ安価に達成できるという優れた利点を有する。
また、近年の健康指向ブームに乗って、超多孔質構造を有する珪藻土を建築用内装壁に用いることも盛んになってきている(例えば、非特許文献1、2参照)。すなわち、例えば平均粒径0.05mmの珪藻土粒担体等を含有して形成された珪藻土壁は、防火・断熱性、調湿性、吸着・消臭性、空気浄化機能、防水機能等の優れた諸性能・機能を有している。
特開2001−300933号公報 昭和化学株式会社"研究開発"、「平成15年6月24日検索」、インターネット、〈URL:http://www.showa-chemical.co.jp/ h5 14.html〉 NAKADA IN−TEC"珪藻土壁のご紹介"、「平成15年6月24日検索」、インターネット、〈URL:http://www.nakada-intec.com/keisoudo.htm〉
しかしながら、従来の石膏ボード等では、石膏スラリー等の原材料の密度が比較的高いため、非常に重い物となっており、硬く、また外部衝撃等が加わると大きくひび割れしたり、くずれてしまったりするという問題点があった。さらに具体的には、石膏ボードを取り付け・固定するためにネジをねじ込んだり、釘を打ち付けたりする際に、その周囲が広範囲に亘ってひび割れしたり、くずれてしまったりしていた。ちなみに、石膏ボードの大きな物、例えばその厚さが9〜12mmで3・8板(約91×242cm)と呼ばれる大きな板物では、20kgを超える重量があり、その持ち運び、据え付け・施工の作業性が悪いものとなっていた。
セメントコンクリートを例えば高層建築に用いる場合であって、一般的に上記したような耐久性および強度という機能に着目したときには、通常、砕石や砂利・砂等の骨材(粗骨材、細骨材)がコンクリートを構成する材料容積の60〜80%を占めているものが使用されるため、特にその重量が多くなってしまうことにより、その持ち運び、据え付け・施工の作業性が悪いものとなってしまうばかりか、耐震性上からも悪影響を与えるものとなっていた。そのため、発泡させることによって比較的軽くなるセメントコンクリートの発泡材や発泡ボードを建築物の内壁等に使用することで、取り分け高層建築物等における耐震性に対して顕著に有利となる他、低層建築物をも含む一般建築物における耐震性、耐火性、遮音性、持ち運びの向上、据え付け・施工・取り壊しの作業性向上等という利点に着目した発想はかつて皆無といってよいほど見当たらない。
そこで、本発明者は、上述した事情に鑑みその問題を解決できる方策を探求し鋭意研究した結果、重曹とも呼ばれる炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の発泡作用を安定的に利用すればよいことに気付き、これを起泡剤として用いて適度に発泡させることにより、上記問題を解消した発泡材および発泡ボードが得られる発明を完成した。
したがって、本発明は、素材が本来有している性能・機能を損なうことなく軽量化を図れる発泡材、発泡ボードおよび発泡ボードの製造方法を提供することを第1の目的とする。また、発泡させることによって外部衝撃を吸収しその破損の程度を従来より少なくし、大きく割れたり、くずれたりせずその部分の破損で済む発泡材、発泡ボードおよび発泡ボードの製造方法を提供することを第2の目的とする。
さらに、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)を始めとする発泡作用を有する起泡剤を用いる際に、その炭酸ガスの気泡発生時機・時間を任意に調整可能な起泡剤を提供することを第3の目的とする。
上記課題を解決すると共に上記目的を達成するために、請求項ごとの発明では以下の特徴ある手段・構成を採っている。請求項1記載の発明は、粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物を発泡させた発泡材において、上記水和硬化物に上記水および炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物を発泡させた発泡材において、上記水和硬化物に、上記水および炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは該炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発泡材において、上記水和硬化物が、石膏を含むことを特徴とする。ここで、石膏には、半水石膏とも呼ばれる焼石膏や、二水石膏とも呼ばれる石膏(化学式:CaSO・2HO)が含まれ、従来技術で述べた性能・機能を有し、比較的安価である。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発泡材において、上記水和硬化物が、珪藻土や陶土等の粘土を含むことを特徴とする。ここで、珪藻土とは、主としてケイソウの殻が堆積してできた土壌であり、純粋なケイ酸殻はSiOを主成分としこれに水を含んでいるものからなる。熱伝導率が低く超多孔質構造を有するので、従来技術で述べた優れた性能・機能を有する。現状では、珪藻土は、石膏よりは高価である。陶土は、陶磁器の原料となるものである。
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発泡材において、上記水和硬化物が、セメントを含むことを特徴とする。ここで、セメントとは、水硬性セメントであるケイ酸カルシウムを主成分とするポルトランドセメントを含む他、高炉水砕スラグを混ぜた高炉セメントやフライアッシュをまぜたフライアッシュセメントあるいは火山灰や白土などのシリカ物質を混ぜたシリカセメント等の混合セメント、アルミナセメントや超速硬セメントの特殊セメントと呼ばれるものが含まれる。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発泡材の内部または表面に、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物を混合したり、上記ガラス、上記金属、上記天然繊維や上記合成繊維あるいは上記混合物等からなるシート状物を介在させたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の発泡材を、板状に形成したことを特徴とする発泡ボードである。
請求項8記載の発明では、粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物に上記水および起泡剤を混合して発泡させて板状に形成する発泡ボードの製造方法において、上記起泡剤として炭酸水素ナトリウムを用いて、上記水和硬化物に上記水および上記炭酸水素ナトリウムを同時的に混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、上記水和硬化物に上記水を混合した後に上記炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、あるいは上記水和硬化物に上記炭酸水素ナトリウムを混合した後に上記水を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成することを特徴とする。
請求項9記載の発明では、粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物に上記水および起泡剤を混合して発泡させて板状に形成する発泡ボードの製造方法において、上記起泡剤として、炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは該炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を用いて、上記水和硬化物に上記水および上記炭酸水素ナトリウム被膜物を同時的に混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、上記水和硬化物に上記水を混合した後に上記炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、あるいは上記水和硬化物に上記炭酸水素ナトリウム被膜物を混合した後に上記水を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成することを特徴とする。
ここで、炭酸水素ナトリウムは、化学式:NaHCOであり、重曹または重炭酸ナトリウム(重炭酸ソーダ)ともいい、やさしく安全な弱アルカリの無機物として従来から多用な分野で広い用途に活用されている周知の化学物質であり、次のように分解反応する。
(1)加熱すると、50℃付近からCO(二酸化炭素:炭酸ガス)とHOとNaCO(炭酸ナトリウム)とに分解され始め、つまりCOとHOとを失い始め、100℃付近でNaCO(炭酸ナトリウム)に変化することが分かっている。
すなわち、2NaHCO→NaCO+CO+H
(2)酸性剤(HX)の存在下で化学反応を起こすことにより、中性塩(NaX)を生成すると共にCOとHOとに分解することが分かっている。酸性剤(HX)の具体例としては、酒石酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、酢酸や希硫酸などが挙げられる。
すなわち、NaHCO+HX→NaX+CO+H
本発明が開示する範囲としては、起泡剤としての炭酸水素ナトリウム(NaHCO)に限らず、これから導き出される類似の起泡剤、すなわち例えば、酸性剤(HX)の存在下で化学反応を起こすことにより、アルカリ金属塩やアルカリ度類金属塩を生成すると共にCOを発生させるものなども含まれる。この場合の起泡剤の例としては、炭酸塩の一つである炭酸カルシウム(CaCO)等を挙げることができる。それ故に、請求項2や8でも、炭酸水素ナトリウム被膜物に代えて、例えば炭酸カルシウム(CaCO)の結晶の外表面を、水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸カルシウム被膜物を起泡剤として用いることができる。
上述した起泡剤の中で、最も安定していて食品添加物としても使用される炭酸水素ナトリウム(重曹)が、本発明を適用する産業上の利用分野(技術分野)において最適な起泡剤といえる。
上述したように、本発明では、泡もしくは気泡を発生させる起泡剤として、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)や炭酸水素ナトリウム被膜物を用いたことを特徴としており、本発明における請求項1〜9では、炭酸水素ナトリウムの化学反応で発生する発泡現象、すなわち炭酸ガスによる気泡を利用して発泡させるものである。この際、水和硬化物に対する水および炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム被膜物の添加・混合順序を問わない(請求項8、9参照)。
本発明(請求項1〜9)では、上述したように、水和硬化物に水および炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム被膜物を混合(混入)した混合物を加熱して炭酸ガスを発生する加熱方式と、酸性剤(HX)を添加・混合(混入)する酸性剤添加方式の両方が含まれる。炭酸水素ナトリウムに作用して分散を補助し、炭酸ガスの発生の温度や速度を調整・制御するのが比較的容易な点からは、酸性剤添加方式を選択するとよい。発泡ボードの製造工程において、上記少なくとも3つの物質を混合(混入)する際、加熱する場合にあっては加熱方式だけを選択したり、あるいは加熱方式に酸性剤添加方式を適宜併用するなどしたりしてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、上述した従来技術の諸問題点を解決して新規な発泡材、発泡ボードおよび発泡ボードの製造方法を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
本発明によれば、水和硬化物に水および炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させることにより、実質的に容積が膨張することで軽量化を図れると共に、水和硬化物の素材が本来有している性能・機能を損なうことなく、外部衝撃等が加えられてもその衝撃を吸収しその破損の程度を従来より少なくすることで、大きく割れたり、くずれたりせずにその部分の破損で済むという効果を奏する(請求項1参照)。
本発明によれば、水和硬化物に、水および炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させたことにより、請求項1記載の発明と同様の効果を奏すると共に、その製造工程における炭酸水素ナトリウム被膜物の投入順序や投入時機を任意に調整できるので、発泡時機(タイミング)を任意に遅らせたりあるいは延長したり、発泡時間を任意に調節できるという効果を奏する。
本発明によれば、水和硬化物が石膏を含むものからなる場合には、石膏そのものが本来有している性能・機能、すなわち防・耐火性、遮音性、断熱性、調湿性、施工性等の優れた性能・機能を発揮することができる。
本発明によれば、水和硬化物が珪藻土や陶土等の粘土を含むものからなる場合には、珪藻土や陶土等の粘土そのものが本来有している性能・機能、すなわち防火・断熱性や防水機能等の優れた諸性能・機能を発揮することができる。特に、水和硬化物が珪藻土を含むものからなる場合には、上記性能・機能の他、調湿性、吸着・消臭性、空気浄化機能等の優れた性能・機能も発揮することができる。
本発明によれば、水和硬化物がセメントを含むものからなる場合には、セメントが水和反応を起こして硬化することにより本来有している性能・機能、すなわち必要な強度をある程度確保することができると共に、耐火性、遮音性等の性能・機能を発揮することができるばかりでなく、例えば軽量化されたセメントコンクリートの発泡材や発泡ボードを建築物の内壁等に使用することで、取り分け高層建築物等における耐震性に対して顕著に有利となる他、低層建築物をも含む一般建築物における耐震性、持ち運びの向上、据え付け・施工・取り壊しの作業性向上等の優れた性能・機能を発揮することができる。
本発明によれば、発泡材の内部または表面に、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物を混合したり、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいは混合物等からなるシート状物を介在させたことにより、機械的な強度を向上すると共に、繊維状物やシート状物の素材が有する特性も発揮することができるので、外部衝撃等が加えられてもより一層その衝撃を吸収しその破損の程度を従来より少なくすることで、大きく割れたり、くずれたりせずにその部分の破損で済むという効果を奏する。
本発明によれば、水和硬化物に対する水および炭酸水素ナトリウムの混入・混合順序を問わず、発泡材を板状に形成したことにより、上述した効果を奏する製品としての発泡ボードおよびその製造方法を得ることができる。
本発明によれば、水和硬化物に対する水および炭酸水素ナトリウム被膜物の混入・混合順序を問わず、発泡材を板状に形成したことにより、上述した効果を奏する製品としての発泡ボードおよびその製造方法を得ることができる。
以下、図を適宜参照して実施例および本発明を実施するための最良の形態を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物に、水および炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させた発泡材を得るものである。以下、水和硬化物の具体例として、周知の焼石膏を含む石膏の配合物を例にとり酸性剤添加方式を採用して発泡させた石膏の発泡材について説明する。
粉体状ないしは粒体状の配合物としては、主成分である焼石膏と、接着剤を含む接着助成剤と、種々の添加剤等とを配合したものが挙げられる。接着剤や接着助成剤の添加量は、発泡密度の程度によって変えることが望ましい。すなわち、高発泡になるほど、粉体ないしは粒体同士の接着結合力が一般的には低下して発泡材の機械的強度が低下していくから接着剤や接着助成剤の添加量を徐々に多くするとよい。
図1には、石膏の発泡材10を形成する概略的な製造工程が示されている。図1において、符号1は、混合撹拌装置としてのミキサーを、符号2は、ミキサー1に連通して取り付けられた原料投入口を、符号3は、ミキサー1に連通して取り付けられた粘性流動体状のスラリー7を排出する排出口をそれぞれ示す。
図1に示すように、先ず、水和硬化物としての粉体状ないしは粒体状の焼石膏4と、水5と、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)6と、図示しない接着剤を含む接着助成剤や酸性剤を始めとする種々の添加剤とが、原料投入口2を介してミキサー1に投入されて混合ないし混練・撹拌されると、上述した化学的な分解反応による炭酸ガスの発生によって気泡9が生の石膏のスラリー7中に生成される。こうして得られる生の石膏のスラリー7は、排出口3から適宜の形状を有する発泡材形成容器8へ所定量排出・供給された後、生の石膏のスラリー7が所望の硬さに硬化して強度を発揮するに要する所定の時間経過後に硬化ないし固化することによって、所望とする石膏の発泡材10が得られる。
なお、生の石膏のスラリー7をできるだけ速く硬化させたい場合、適宜の加熱・強制乾燥機などを使用するとよい。
焼石膏4と水5と炭酸水素ナトリウム6との配合割合は、実験結果から実施例的にいうと、焼石膏4:水5:炭酸水素ナトリウム6=100:30〜55:3〜20重量%の範囲のものが望ましい。炭酸水素ナトリウム6の配合割合が3重量%未満であると、発泡の度合いが不足(発泡密度が減少)して軽量化の寄与率が低下する点から、また20重量%を超えると、発泡の度合いが過度(発泡密度が増加し過ぎ)になることで軽量化は十分に図れるものの、機械的な強度が著しく不足してしまうことにより好ましくない。なお、軽量化の大体の目安としては、気泡入りの無い、つまり発泡のない石膏硬化材の30〜50%減が限度である。
炭酸水素ナトリウム6の混合の仕方としては、その結晶の粉末をミキサー1に直接投入してもよいが、焼石膏4に対する炭酸水素ナトリウム6および酸性剤の分散性を向上する上から、予め炭酸水素ナトリウム6を水5に溶いたり撹拌した混合物をミキサー1に投入するようにしてもよい。
また、炭酸水素ナトリウムを粒状に形成した粒状化物のその粒の大きさを加減することによってある程度、発泡の時機や発泡時間を調節することもできる。
酸性剤の添加・配合割合は、添加・配合する所定のモル(グラム分子)の炭酸水素ナトリウム6と完全に反応するモル(グラム分子)で決まる。何れにしても、酸性剤として何れのものを選択するか、その最適な配合の割合の決定などは、最終的には実験によって決定される事項に属する。この際、環境条件、特に温度ごとに炭酸水素ナトリウム6の炭酸ガスへの分解反応量が変化するからこれも考慮するとよい。
上記各成分・配合物の投入・混合の順序は、上述した実施形態のように同時的に行うのに限らず、次のようにしてもよい。すなわち、水和硬化物に水を混合した後に炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させることにより発泡材や後述する発泡ボードを形成するか、あるいは水和硬化物に炭酸水素ナトリウムを混合した後に水を混合して発泡させることにより発泡材や発泡ボードを形成してもよい。
水和硬化物は、焼石膏を含む石膏の配合物に限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としての珪藻土と、接着剤や接着助成剤と、種々の添加剤等とを配合したものを用いてもよい。接着剤の添加量の加減の程度は、上述したと同様である。また、水和硬化物は、珪藻土を含む珪藻土の配合物に限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としての陶土等の粘土と、接着剤や接着助成剤と、種々の添加剤等とを配合したものを用いてもよいし、これらの成分を適当な割合で配合した水和硬化物を用いても構わない。
さらに、水和硬化物は、上記のものに限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としてのセメント(例えばポルトランドセメント)と、接着剤や接着助成剤と、種々の添加剤等とを配合したものを用いてもよい。種々の添加剤としては、例えばポルトランドセメントに接着剤としての適宜の糊を混合したセメントペーストに配合する細骨材としての砂を含んでもよい。ポルトランドセメント(図示せず)と水5と炭酸水素ナトリウム6との配合割合は、実験結果から実施例的にいうと、上述した焼石膏4:水5:炭酸水素ナトリウム6との場合と同様の範囲のものが望ましい。炭酸水素ナトリウム6の配合割合が3重量%未満であると、発泡の度合いが不足(発泡密度が減少)して軽量化の寄与率が低下する点から、また20重量%を超えると、発泡の度合いが過度(発泡密度が増加し過ぎ)になることで軽量化は十分に図れるものの、機械的な強度が著しく不足してしまうことにより好ましくない。なお、軽量化の大体の目安としては、気泡入りの無い、つまり発泡のないセメント硬化材の30〜50%減が限度である。
以下に説明する便宜上から、「石膏のスラリー7」、「石膏の発泡材10」という用語から「石膏の」を削除した用語、すなわち単に「スラリー7」、「発泡材10」という用語には、焼石膏を含む石膏の配合物に限らず、上記した各水和硬化物に水5および炭酸水素ナトリウム6等を添加・混合したスラリーや、発泡させた発泡材が含まれることを意味する。
混合撹拌装置は、ミキサー1に限らず、均一な石膏のスラリーや均一な珪藻土のスラリーや均一な陶土等の粘土のスラリーあるいはセメントのスラリーが得られると共に、均一な気泡9が得られるものであれば如何なる周知のミキサーであってもよく、例えば特開2001−300933号公報の段落「0014」〜「0015」に記載されている薄型の円形ミキサー(ピン型ミキサー)や複数の偏向羽根を配設したミキサー等も利用できる。
発泡材形成容器8は、スラリー7を貯留して所望の硬さに硬化させるために本発明において必須のものではなく、例えば、高密度の石膏および水等で「足跡」形状を型取りした後、軽量化を図るために石膏のスラリー7を型取り後の凹部に流し込んでその形状を保持する際等に使用するようなこともできる。このような使用の場合では、手動での混合・撹拌を行うことで足り、自動式のミキサーを用いなくても済む。
図1に示した発泡材10の内部には、気泡9が多数生成されていて、その素材の諸性能・機能を損なうことなく軽量化を図れる。しかしながら、機械的な強度は低下する傾向にあるため、これを補うために種々の補強材を発泡材10の内部または表面に補充するとよい。
補強材としては、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物等や、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなるシート状物等が挙げられる。
ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物等を発泡材10の内部に混合・形成させるには、例えば焼石膏4等と一緒にミキサー1に投入する。また、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなるシート状物等を発泡材10の内部または表面に介在させるには、発泡材形成容器8へのスラリー7の供給中に、あるいは一旦その供給を停止してサンドイッチ状に挟み込んだり表面に付着ないしは接着するようにすればよい。
ここで、金属としては、例えば耐腐食性を有するステンレススチールやアルミニウム等でできた繊維状物やシート状物が、天然繊維としては例えば麻や綿等が、合成繊維としては例えばポリエチレンテレフタレート(PET)でできた繊維状物やシート状物が挙げられる。なお、シート状物の厚さは、通常、第3の実施形態で説明する発泡ボードの厚さよりも十分に薄い物、すなわち例えば0.01〜2mm程度の範囲のものが用いられる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、第1の実施形態における結晶化または粒状化した炭酸水素ナトリウムに代えて、炭酸水素ナトリウムを粒状に形成した粒状化物もしくは炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶けたり分解したりする性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させることが主に相違する。ここで、「融解性」とは、熱で溶けたり分解したりする性質を意味する。
炭酸水素ナトリウム被膜物の製法としては、薬品としての顆粒剤や錠剤等の製法を適宜利用すればよい。加熱方式を採用した場合、炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を融解性や分解する性質を有する膜でコーティングすればよいし、酸化剤添加方式および加熱方式の両方式を併用した場合、炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶けたり分解したりする性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングすればよい。
第2の実施形態における炭酸水素ナトリウム被膜物を用いれば、炭酸ガスの気泡を生じる時機(タイミング)、すなわち発泡時機を任意に遅らせたり、その生成時間を任意に調節することができるので、発泡材や発泡ボードを形成する際に、炭酸水素ナトリウム被膜物の投入順序や投入工程の変更、発泡時機の調節等が自由に行える。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態や第2の実施形態で得られる発泡材を板状に形成したことを特徴とするものである。以下、第1の実施形態と同様に水和硬化物の具体例として、焼石膏を含む石膏の配合物を例にとり酸性剤添加方式を採用して発泡させ板状に形成した石膏の発泡ボードについて説明する。
図2および図3には、図4に示す製品としての石膏の発泡ボード16を形成する要部の製造工程が示されている。
図2において、符号11は、石膏の発泡ボード16を形作るための下原紙を、符号12は、石膏の発泡ボード16を所定の厚さおよび幅に形成するための上下一対のロールを備えた成型装置を、符号13は、石膏の発泡ボード16を形作るための上原紙を、符号14は、下原紙11と共に石膏のスラリー7を搬送するためのベルトコンベアをそれぞれ示す。
図2に示すように、第1の実施形態と同様にして、先ず、水和硬化物としての粉体状ないしは粒体状の焼石膏4と、水5と、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)6と、図示しない接着剤を含む接着助成剤や酸性剤を始めとする種々の添加剤とが、原料投入口2を介してミキサー1に投入されて混合ないしは混練・撹拌されると、上述した化学的な分解反応による炭酸ガスの発生によって図示しない気泡が生の石膏のスラリー7中に生成される。こうして得られる生の石膏のスラリー7は、ベルトコンベア14上に載置されて図中矢印方向から搬送されてくる下原紙11上に排出・供給される。下原紙11上に供給された石膏のスラリー7は、成型装置12の作動によって、すなわち時計回りに回転する下側ロールを介して反時計回りに回転される上側のロールで搬送されてくる上原紙13で被覆され、成型装置12による押し付け圧でその厚さと幅とが所定の寸法に連続して成形される。
次いで、生の石膏のスラリー7は、ベルトコンベア14の下流側に搬送される途中でその焼石膏成分が水和硬化され、さらに下流側に配設された上下一対の各ローラに突出した刃を備えたカッター(図示せず)で粗に切断され、さらに下流側に配設された多段式の強制乾燥機へ搬送されて乾燥・固化され、その後、図示しないカッターで製品寸法に切断される。こうして、図4に示す製品としての石膏の発泡ボード16が製作されることとなる。図4において、符号15は石膏ボード本体としてのコア(芯材とも呼ばれる)の部分であり、炭酸ガスの生成によって形成された多数の気泡9が程よく略均一に分散しているのが知見される。
第3の実施形態においても、第1の実施形態における結晶化または粒状化した炭酸水素ナトリウムに代えて、第2の実施形態における炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させるようにしてもよい。
水和硬化物は、焼石膏を含む石膏の配合物に限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としての珪藻土、接着剤や接着助成剤、種々の添加剤等を用いてもよい。接着剤や接着助成剤の添加量の加減の程度は、上述したと同様である。また、水和硬化物は、珪藻土を含む珪藻土の配合物に限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としての陶土等の粘土、接着剤や接着助成剤、種々の添加剤等を用いてもよいし、これらの成分を適当な割合で配合した水和硬化物を用いても構わない。
さらに、水和硬化物は、上記のものに限らず、粉体状ないしは粒体状の配合物として、主成分としてのセメント(例えばポルトランドセメント)と、接着剤や接着助成剤と、種々の添加剤等とを配合したものを用いてもよい。種々の添加剤としては、例えばポルトランドセメントに接着剤としての適宜の糊を混合したセメントペーストに配合する細骨材としての砂を含んでもよい。
以下に説明する便宜上から、「石膏のスラリー7」、「石膏の発泡ボード16」という用語から「石膏の」を削除した用語、すなわち単に「スラリー7」、「発泡ボード16」という用語には、焼石膏を含む石膏の配合物に限らず、上記した各水和硬化物に水5および炭酸水素ナトリウム6等を添加・混合したスラリーや、発泡させた発泡ボードが含まれることを意味する。
図4に示した発泡ボード16の内部には、気泡9が多数生成されていて、その素材の諸性能・機能を損なうことなく軽量化を図れる。しかしながら、機械的な強度は低下する傾向にあるため、これを補うために第1の実施形態で説明した種々の補強材を発泡ボード16の内部または表面に補充するとよい。
図5において、符号21は、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物を、符号16Aは、発泡ボード16の内部に繊維状物21を混合・形成して機械的な強度を向上すると共に、繊維状物21の素材が有する特性も発揮させるようにした発泡ボードの変形例としての発泡強化ボードである。
図6において、符号22は、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなるシート状物を、符号16は、発泡ボード16の内部にシート状物22を介在させて機械的な強度を向上と共に、シート状物22の素材が有する特性も発揮させるようにした発泡ボードの別の変形例としての発泡強化ボードである。シート状物22の介在の仕方は、図6に示す1枚のものに限らず複数枚をサンドイッチ状に挟んだ態様のものでもよい。
図7に、上記各発泡強化ボード16A、16Bのさらに別の変形例としての発泡強化ボード16Cを示す。この発泡強化ボード16Cは、図6に示した発泡強化ボード16Bと比較して、上原紙13を除去しこれに代えて、シート状物23を発泡ボードの上表面に接着ないしは固着したことのみ相違する。この場合、シート状物23は、図2および図3を参照して説明した成形装置12の上側のローラによって、上原紙13に代えてシート状物23を連続的に供給するようにすればよい。
発泡強化ボード16Cは、これに限らず、下原紙11も除去しこれに代えて、シート状物23を発泡ボードの下表面側にも接着ないしは固着するようにしても構わない。
発泡強化ボード16Bや発泡強化ボード16C等は、これらに限らず、これに加えて、例えば図5に示した繊維状物21を混合・形成してさらに機械的な強度を向上すると共に、繊維状物21の素材が有する特性も発揮させるようにしてもよい。また、シート状物23は、上原紙13のように連続的に供給して形成・接着ないしは固着するものに限らず、種々の大きさに切断されたものを混合したり接着ないしは固着したりしたものでもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態における発泡ボード16、その各変形例における発泡強化ボード16A〜16Cの製造工程を変えて、下原紙11および上原紙13を除去して製作した発泡ボード、発泡強化ボードの製造方法であることが主に相違する。
すなわち、図8に示す発泡ボード16Dは、図4に示した発泡ボード16と比較して、上下の下原紙11および上原紙13を除去したことが主に相違する。発泡ボード16Dは、図2および図3に示した発泡ボード16を形成する要部の製造工程において、下原紙11、上原紙13の各ボード用原紙供給および成形装置12を除去し、ベルトコンベア14上に配置された図8中二点鎖線で示す成形トレイ24上に生のスラリー7を供給するようにして製作したものである。なお、成形トレイ24の図示は、後述する発泡強化ボード16E〜16Gの製造工程では省略している。
こうして製作した発泡ボード16Dは、発泡ボード16と比較して、下原紙11および上原紙13を除去したのでその分だけより一層その素材の性能・機能、主として石膏や珪藻土等を素材原料とするときには取り分け防・耐火性が向上する。これに加えて、建築用内装材として内装壁を施工する際に、例えばクロス貼りや塗装あるいは石膏や珪藻土等を素材原料とするモルタルなどを塗り付ける際に、下原紙11や上原紙13の影響による凸状の浮きなどの発生がなく、ボード同士のつなぎ合わせを含め平らに仕上げ易く、また下原紙11や上原紙13がないためコーナなども削りやすくなるという利点・効果を奏する。勿論、コスト的にも安価に製作できることはいうまでもない。これらの利点・効果は、後述する発泡強化ボード16E〜16Gでも同様である。
図9に示す第4の実施形態の変形例としての発泡強化ボード16Eは、図5に示した発泡強化ボード16Aと比較して、下原紙11および上原紙13を除去したことが主に相違する。発泡強化ボード16Eは、発泡強化ボード16Aの製造工程において、下原紙11、上原紙13の各ボード用原紙供給および成形装置12を除去し、ベルトコンベア14上に配置された図8中二点鎖線で示したと同様の成形トレイ24(図9には図示せず)上に生のスラリー7を供給するようにして製作したものである。
図10に示す第4の実施形態の別の変形例としての発泡強化ボード16Fは、図6に示した発泡強化ボード16Bと比較して、下原紙11および上原紙13を除去したことが主に相違する。発泡強化ボード16Fは、発泡強化ボード16Bを形成する要部の製造工程において、下原紙11、上原紙13の各ボード用原紙供給および成形装置12を除去し、ベルトコンベア14上に配置された図8中二点鎖線で示したと同様の成形トレイ24(図10には図示せず)上に生のスラリー7を供給するようにして製作したものである。
図11に示す第4の実施形態のさらに別の変形例としての発泡強化ボード16Gは、図7に示した発泡強化ボード16Cと比較して、下原紙11を除去すると共に、発泡材本体15の上に接着・固着したシート状物23に代えて、シート状物23を発泡ボード本体15の下に接着・固着したことが主に相違する。この場合、シート状物23は、図2および図3を参照して説明したベルトコンベア14上に配置された下原紙11に代えてこれを連続的に供給するようにすればよい。
第3の実施形態と第4の実施形態との間に属するような発泡ボードや発泡強化ボードも製作することができる。すなわち、第3の実施形態における発泡ボード16、発泡強化ボード16A〜16Cの下原紙13のみを除去して、第4の実施形態による上表面の平滑性の効果を奏することも可能である。
繊維状物21やシート状物22、23の材質の選択や形状・寸法の設定は、発泡ボード16の機械的な強度の低下を補ったり向上したりする程度により、適宜、設計的ないしは実験的に決定する事項である。同様に、繊維状物21やシート状物22、23の発泡ボード本体15に対する混合・介在の割合も、発泡ボード16の機械的な強度の低下を補ったり向上したりする程度により、適宜、設計的ないしは実験的に決定する事項である。
上述した実施形態1〜4では、酸性剤添加方式を使用した発泡作用の例示であったが、勿論、加熱方式を採用したりこれら両方を併用したりした実施形態であってもよいことはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の第1の実施形態に係る発泡材の概略的な製造工程を示す一部断面正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る発泡ボードの概略的な要部の製造工程を一部破断して示す正面図である。 図2の平面図である。 第3の実施形態に係る発泡ボードの断面図である。 第3の実施形態の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。 第3の実施形態の別の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。 第3の実施形態のさらに別の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。 第4の実施形態に係る発泡ボードの断面図である。 第4の実施形態の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。 第4の実施形態の別の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。 第4の実施形態のさらに別の変形例に係る発泡強化ボードの断面図である。
符号の説明
1 ミキサー
4 焼石膏
5 水
6 起泡剤としての炭酸水素ナトリウム(重曹)
7 スラリー
9 気泡
10 発泡材
11 下原紙
12 成形装置
13 上原紙
15 発泡ボード本体
16、16D 発泡ボード
16A、16B、16C、16E〜16G 発泡強化ボード
21 繊維状物
22、23 シート状物

Claims (9)

  1. 粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物を発泡させた発泡材において、
    上記水和硬化物に上記水および炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させたことを特徴とする発泡材。
  2. 粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物を発泡させた発泡材において、
    上記水和硬化物に、上記水および炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは該炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させたことを特徴とする発泡材。
  3. 請求項1または2記載の発泡材において、
    上記水和硬化物が、石膏を含むことを特徴とする発泡材。
  4. 請求項1または2記載の発泡材において、
    上記水和硬化物が、珪藻土や陶土等の粘土を含むことを特徴とする発泡材。
  5. 請求項1または2記載の発泡材において、
    上記水和硬化物が、セメントを含むことを特徴とする発泡材。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の発泡材の内部または表面に、ガラス、金属、天然繊維や合成繊維あるいはこれらの混合物等からなる繊維状物を混合したり、上記ガラス、上記金属、上記天然繊維や上記合成繊維あるいは上記混合物等からなるシート状物を介在させたことを特徴とする発泡材。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の発泡材を、板状に形成したことを特徴とする発泡ボード。
  8. 粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物に上記水および起泡剤を混合して発泡させて板状に形成する発泡ボードの製造方法において、
    上記起泡剤として炭酸水素ナトリウムを用いて、上記水和硬化物に上記水および上記炭酸水素ナトリウムを同時的に混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、上記水和硬化物に上記水を混合した後に上記炭酸水素ナトリウムを混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、あるいは上記水和硬化物に上記炭酸水素ナトリウムを混合した後に上記水を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成することを特徴とする発泡ボードの製造方法。
  9. 粉体状ないしは粒体状の配合物に水を混合することにより硬化する水和硬化物に上記水および起泡剤を混合して発泡させて板状に形成する発泡ボードの製造方法において、
    上記起泡剤として、炭酸水素ナトリウムの粒状化物もしくは該炭酸水素ナトリウムの結晶の外表面を水溶性、融解性および酸と反応して溶ける性質のうちの少なくとも一つの性質を有する膜でコーティングした炭酸水素ナトリウム被膜物を用いて、上記水和硬化物に上記水および上記炭酸水素ナトリウム被膜物を同時的に混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、上記水和硬化物に上記水を混合した後に上記炭酸水素ナトリウム被膜物を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成するか、あるいは上記水和硬化物に上記炭酸水素ナトリウム被膜物を混合した後に上記水を混合して発泡させることにより上記発泡ボードを形成することを特徴とする発泡ボードの製造方法。
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