JP2005034914A - 作業未完了報知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークに対する作業工程において発生する不良品の数を少なくしつつ、その作業工程での生産能力を向上させることである。
【解決手段】電動ドライバ1によりワークWに対するネジ締め作業が完了する前にそのワークをワーク台30から取り外してしまうというネジの締忘れが発生したとき、電力供給装置10の内部に設けられたブザーが警告音を出す。また、電力供給装置内部の演算処理部では、ネジの締忘れが発生した累積回数を、作業員ごとにカウントし、そのカウント値に基づき、液晶ディスプレイ16にその作業員のミス比率とミス回数を表示する。これにより、作業員に注意を喚起させながら作業を行わせることが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】電動ドライバ1によりワークWに対するネジ締め作業が完了する前にそのワークをワーク台30から取り外してしまうというネジの締忘れが発生したとき、電力供給装置10の内部に設けられたブザーが警告音を出す。また、電力供給装置内部の演算処理部では、ネジの締忘れが発生した累積回数を、作業員ごとにカウントし、そのカウント値に基づき、液晶ディスプレイ16にその作業員のミス比率とミス回数を表示する。これにより、作業員に注意を喚起させながら作業を行わせることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク台にセットされたワークに対して作業員が作業を行う際に、作業員が作業未完了のまま作業を終えてしまう作業不良を防ぐために報知を行う作業未完了報知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の作業未完了報知装置としては、例えば、特許文献1に開示された、電動ドライバによりワークに対してネジの締め付け作業を行う際に発生し得るネジの締付忘れを防止するためのネジ締付忘れ防止装置が知られている。この装置は、電動ドライバの締付トルクが一定値以上になったときに締付完了信号を出力させ、その締付完了信号の出力回数を検出することで、電動ドライバが回転した回数すなわちネジ締付回数を把握する。この装置では、ワークに対して予め締付けるべきネジの数を設定しておき、ワーク台からワークが取り外されたときに、設定したネジ数と上記締付完了信号の出力回数とを比較する。この比較結果が一致していればネジ締付作業が完了したと判断し、不一致であれば作業未完了と判断する。そして、作業未完了と判断した場合、締付異常表示灯を点灯させたり、異常ブザーを鳴らしたりして、その旨を作業員に報知する。この報知を受けることで、作業員は、ワーク台から取り外したワークに対するネジの締付忘れに気付くことができるので、そのワークについて締付忘れたネジを再度締め付ける作業を行うことができる。よって、ネジを締め付け忘れたワークがそのまま次の工程に移行するのを抑制することができ、不良品の数を少なくすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特公平5−73535号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に開示の装置によれば、上記報知を行うことで不良品の数を少なくすることはできるが、ネジの締付忘れの発生自体を抑制することはできない。そのため、そのネジ締付作業工程において、作業員がネジを締付忘れたワークに対して再度ネジの締め付け作業を行う分、時間のロスが生じる。その結果、単位時間あたりに作業員がネジの締付作業を完了するワーク数は減少するので、ネジ締付作業工程での生産能力が落ちるという問題が発生する。
なお、上記問題は、ネジの締め付け作業に限らず、ワークに対する種々の作業についても同様に生じ得るものである。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ワークに対する作業工程において発生する不良品の数を少なくしつつ、その作業工程での生産能力を向上させることが可能な作業未完了報知装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ワーク台からワークが取り外されたことを検知するワーク取外し検知手段と、該ワーク台にセットされたワークに対する作業が完了したことを検知する作業完了検知手段と、該作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に、該ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したとき、作業が完了していない旨の報知を行う作業未完了報知手段とを備えた作業未完了報知装置において、上記作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に上記ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したときの累積回数を、作業員ごとに所定期間カウントする累積回数カウント手段を有することを特徴とするものである。
この作業未完了報知装置においては、作業が完了していない旨の報知を行うので、従来と同様に不良品の数を少なくすることができる。そして、本作業未完了報知装置では、累積回数カウント手段により、作業が完了しないまま作業員がワークをワーク台から取り外した所定期間内の累積回数(以下、「作業不良回数」という。)を、作業員ごとにカウントする。よって、本作業未完了報知装置によれば、所定期間内における各作業員の作業不良回数を把握することができる。これにより、例えば、その作業工程に、作業不良回数の少ない優秀な作業員を多く配置するというようなことが可能となり、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。また、例えば、各作業員に対し、自分が、どの程度、作業が完了しないまま作業員がワークをワーク台から取り外したかという作業ミスの成績を知らせれば、作業ミスについて個別具体的に注意を喚起させることが可能となる。その結果、作業ミスを効果的に減らすことが可能となり、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員に対し、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応する上記累積回数を報知する累積回数報知手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員が上記所定期間内に作業を行ったワークの数に対する、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応した上記累積回数の比率を、該作業員に報知する比率報知手段を有することを特徴とするものである。
請求項2及び3の作業未完了報知装置においては、作業員に対して、自分の作業不良回数や作業不良比率などの成績を把握させ、作業ミスが減るように注意を喚起させることが可能となる。しかも、作業を行っていない作業員に対して注意を喚起させても一般には時間が経つにつれてその注意も薄れてしまうが、本作業未完了報知装置では、作業員が作業をしている最中に注意を喚起させるので、作業員に注意を喚起させながら作業を行わせることが可能となる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対してネジ締めを行った回数をカウントするネジ締めカウント手段を備え、上記作業完了検知手段は、該ネジ締めカウント手段がカウントした回数が該ワークについて予め設定されたネジ締め回数に達したことを検知するものであることを特徴とするものである。
この作業未完了報知装置は、ネジの締め付け作業に利用することができる。作業員が行うネジの締め付け作業は、ネジを締め付けるという単調作業の繰り返しであるため、一般に、この作業に対する作業員の集中力を高めることは困難である。しかも、このようなネジの締め付け作業を行う作業員は、通常、特殊な技能を必要としないため、パートタイマーやアルバイトなどの一時雇用者であることが多く、その作業に対する責任が低い。そのため、ネジの締付忘れの回数が減少するように作業員に対して研修や指導等を行っても、現実的にはネジの締付忘れの回数を減少させることは困難である。よって、本作業未完了報知装置による上述した効果、すなわち、作業ミスを効果的に減らし、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという効果は、ネジの締め付け作業については特に有用なものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、電動ドライバによりネジの締め付け作業を行う作業工程で用いる作業未完了報知装置としてのネジ締付作業装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るネジ締付作業装置を示す外観図である。
このネジ締付作業装置は、電動ドライバ1と、この電動ドライバ1に電力を供給する電力供給装置10と、この電動ドライバによるネジの締め付け作業の対象となるワークWがセットされるワーク台30とから構成されている。
【0008】
ワーク台30には、その下面四隅にワーク取外し検知手段としてのタクトスイッチ31が設けられている。このタクトスイッチ31は、重量センサとして機能し、ワーク台30の上面にワークWが載置されると、その重さによりスイッチが押され、ワーク台30上にワークWが存在することを検知することができる。本実施形態では、4つの重量センサ21のうちのいずれか1つのスイッチが押されると、ワーク台30上にワークWが存在する旨のワーク検知信号がケーブル32を介して上記電力供給装置10に出力されるように構成されている。逆に、4つの重量センサ21のうちのいずれのスイッチも押されていないと、ワーク台30上にワークWが存在しないので、上記ワーク検知信号は出力されない。したがって、この信号が出力されることで、上記電力供給装置10は、ワーク台30からワークWが取り外されたことを認識することができる。
なお、本実施形態では、タクトスイッチ31を利用した重量センサによりワーク台30からワークWが取り外されたことを検知する構成を採用しているが、例えば、光学的な検知手段、電気的な検知手段、磁気的な検知手段など、その他の公知の検知手段を用いることもできる。
【0009】
図2は、本実施形態の電動ドライバ1の構成を示す説明図である。
この電動ドライバ1には、上記電力供給装置10に接続される電力供給ラインを構成する接続ケーブル2と、ネジ締め用のビット3と、ビット3に伝達される回転トルクを発生させる直流モータ4とが設けられている。また、この電動ドライバ1には、直流モータ4の回転速度を減速させる減速部5と、ネジ締めトルクが一定値に達したときに直流モータ4からのトルク伝達を遮断するクラッチ機構6とが設けられている。また、この電動ドライバ1には、直流モータ4への通電をON/OFFするON/OFFスイッチ7と、ビット3の回転方向を切り替えるためた正逆切替スイッチ8とが設けられている。
【0010】
上記電力供給装置10は、図1に示したように、商用電源コンセントに接続される電源ケーブル11と、上記電動ドライバ1に接続された接続ケーブルと接続する接続コネクタ12と、作業員が操作するための各種操作スイッチ13a,13b,13cとを備えている。また、この電力供給装置10には、残りネジ締付回数を表示する第1表示部14と、完了したセット数であるワーク数を表示する第2表示部15とが設けられている。また、この電力供給装置10の上部には、累積回数報知手段及び比率報知手段としての液晶ディスプレイ16が設けられている。各種操作スイッチ13a,13b,13cの操作内容や、表示部14,15及び液晶ディスプレイ16に表示される表示内容については後述する。また、電力供給装置10の正面には、作業員を個別に認識するための作業員認識手段としてのバーコードリーダ17が設けられている。バーコードリーダ17は、各作業員がもつバーコードを読み取ることで、現在作業を行っている作業員を把握するためのものである。
【0011】
図3は、電動ドライバ1及び電力供給装置10の電気回路を含む内部構成を示す説明図である。
図中符号V0は、上記商用電源コンセントから電源ケーブル11を介して供給される電圧を直流に変換したものに相当する等価直流電源を示す。作業員がビット3を正転させるように正逆切替スイッチ8を操作すると、図3に示すように、端子A−B間及び端子A’−B’間が接続される。そして、作業員が電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、等価直流電源V0からの直流電流は、端子A−B間、直流モータ4、端子A’−B’間の順に流れる。よって、直流モータ4には、これを正転方向に回転させる向きの直流電流がながれ、ビット3が正転方向に回転する。一方、作業員がビット3を逆転させるように正逆切替スイッチ8を操作すると、今度は、端子A−C間及び端子A’−C’間が接続される。そして、作業員が電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、等価直流電源V0からの直流電流は、端子A−C間、直流モータ4、端子A’−C’間の順に流れる。よって、直流モータ4にはこれを逆転方向に回転させる向きの直流電流がながれ、ビット3が逆転方向に回転する。
【0012】
また、本実施形態の電力供給装置10には、ON/OFFスイッチ7よりも等価直流電源V0側で、この等価直流電源V0に対して交流信号入力手段としての交流電源e0が並列に接続されている。なお、交流電源e0に直列接続されている抵抗r0は、交流電源e0の内部抵抗を示している。この交流電源e0によって入力される交流信号は、等価直流電源V0によって供給される直流成分に重畳して、回路中を流れることになる。
また、本実施形態では、図示のように、交流電源e0が入力される電力供給ライン上の地点Dよりも、等価直流電源V0側の電力供給ライン上にコイルLを設けている。このコイルLは、直流に対してはインピーダンスが非常に低いが、上記交流信号に対してはインピーダンスが非常に高いものとなっている。よって、等価直流電源V0による直流モータ4への直流電流の供給を妨げることなく、交流信号が等価直流電源V0に流れ込むのを抑止することができる。
【0013】
ここで、作業員がビット3を正転させるように正逆切替スイッチ8を操作した後、電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、交流信号は、端子A−B間、直流モータ4及び端子A’−B’間を流れる。なお、交流信号は、コイルLが設けられているため、等価直流電源V0を流れることはない。よって、等価直流電源V0の交流信号に対するインピーダンスが非常に低くても、この等価直流電源V0が交流信号に影響を及ぼすことはない。したがって、図中符号Dで示す地点に現れる交流電位(交流信号の信号レベル)は、交流電源e0の交流電圧値が直流モータ4の抵抗と内部抵抗r0とで分圧された値を示すことになる。
一方、作業員がビット3を逆転させるように正逆切替スイッチ8を操作した後、電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、交流信号は、端子A−C間及び波形変更手段を構成するコンデンサCを流れる。なお、交流信号がコイルLによって等価直流電源V0を流れることはない。このコンデンサCは、直流に対してはインピーダンスが非常に高いが、上記交流信号に対してはインピーダンスが非常に低いものとなっている。また、本実施形態において、このコンデンサCは、電動ドライバ1の直流モータ4に直流電流が流れ込む前の電力供給ライン上で、電動ドライバ1の逆転時にのみ電流が流れるライン部分とアースとをバイパスしている。よって、地点Dに現れる交流信号の信号レベルは、上記コンデンサCを介してアースに落とされる結果、正転時に比べて非常に低い値を示すことになる。
【0014】
本実施形態では、電動ドライバ1の正転時と逆転時とで電力供給ライン上の地点Dにおける交流信号の信号レベルの違いを利用して、電動ドライバ1の回転方向を検知する。具体的には、上記地点Dに接続された検出手段としての比較器18を用いて、電動ドライバ1の回転方向を検出する。この比較器18は、マイナス入力端子に上記地点Dの電圧が入力され、プラス入力端子には、正転時と逆転時との間で交流信号の信号レベルを区別するための閾値となる所定電圧が入力されている。
【0015】
正転時には、上述したように、地点Dに比較的大きな信号レベルをもつ交流信号が現れる。これにより、比較器18のマイナス入力端子には、上記閾値を越える電圧が入力される。よって、比較器18の出力はHレベルとなる。一方、逆転時には、上述したように、地点Dは交流成分についてアースに落とされるため、比較器18のマイナス入力端子には、上記閾値よりも小さい電圧が入力されることになる。よって、比較器18の出力はLレベルとなる。したがって、比較器18の出力がHレベルであれば電動ドライバ1が正転しており、Lレベルであれば電動ドライバ1が逆転しているということを把握することができる。
【0016】
本実施形態では、比較器18の出力に基づいて電動ドライバ1の回転方向を把握した上で、ネジ締めカウント手段としてのカウンタ20により、電動ドライバ1の正転回数及び逆転回数の両方をカウントする。このカウンタ20は、電動ドライバ1の回転回数をカウントするためのH/L入力端子と、電動ドライバ1の回転方向を把握するためのU/D入力端子とを備えている。H/L入力端子には、直流モータ4の端子電圧と、上記比較器18の出力信号とが、OR回路19を介して入力される。よって、作業員が正逆切替スイッチ8を正逆いずれに操作した場合であっても、ON/OFFスイッチ7がONの間は、H/L入力端子にHレベルの信号が入力され、ON/OFFスイッチ7がOFFの間は、H/L入力端子にLレベルの信号が入力される。そして、カウンタ20は、H/L入力端子にHレベルの信号が入力された回数をカウントする。一方、U/D入力端子には、上記比較器18の出力信号が入力される。よって、電動ドライバ1が正転している間は、U/D入力端子にはHレベルの信号が入力され、電動ドライバ1が逆転している間は、U/D入力端子にはLレベルの信号が入力される。これにより、カウンタ20は、電動ドライバ1の回転方向を把握することができる。
【0017】
また、本実施形態では、作業員が電力供給装置10の操作スイッチ13aを操作することで、1つのワークWに対してネジ締めするネジの個数、すなわち、1つのワークWに対するネジ締付回数が設定値としてカウンタ20に入力される。
また、カウンタ20には、ワーク台30からのワーク検知信号が入力される。よって、カウンタ20は、ワーク台30からワーク検知信号が出力され、地点EがHレベルになると、その入力端子もHレベルとなり、ワーク台30にワークWがセットされていると認識することができる。一方、ワーク台30からワーク検知信号が出力されていないときは地点EがLレベルになるので、その入力端子もLレベルとなり、ワーク台30にワークWがセットされていないと認識することができる。
また、カウンタ20は、後述する演算結果を第1表示制御部21に出力する。そして、この演算結果を受け取った第1表示制御部21は、その演算結果に基づいて、第1表示部14に1つのワークWに対する残りネジ締付回数を表示し、第2表示部15にネジ締付作業が完了したワーク数を表示する。また、ネジ締付作業が完了するたびに、作業完了信号が、カウンタ20から後述する演算処理部22に出力される。
また、カウンタ20は、その演算結果に基づいてワークWに対するネジ締めが完了したと判断したか否かを示す作業状態信号を地点Fに向けて出力する。この作業状態信号は、ワークWに対するネジ締めが未完了のときはHレベルであり、ワークWに対するネジ締めが完了したときはLレベルである。
【0018】
また、上記電力供給装置10は、上記地点Fに接続された作業未完了報知手段としてのブザーBzを備えている。このブザーBzは、地点FがHレベルの状態にあるときに警告音を出すことができる。このブザーBzは、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締めをすべて完了する前にワークWをワーク台30から取り外してしまう、いわゆるネジの締付忘れの作業ミスが生じたことを、作業員に知らせるものである。
【0019】
また、上記電力供給装置10は、上記地点Fに接続された累積回数カウント手段としての演算処理部22を備えている。この演算処理部22には、上記バーコードリーダ17が読み取った作業員のバーコード情報に基づく作業員識別信号が入力される。これにより、演算処理部22は、現在作業を行っている作業員が誰なのかを把握することができる。この演算処理部22は、後述するようにカウンタ20が作業の完了を検知する前に、ワーク台30のタクトスイッチ31がワークWの取外しを検知したときの所定期間内における累積回数を、作業員ごとにカウントすることができる。すなわち、この演算処理部22は、各作業員が所定期間内にネジの締付忘れの作業ミスを発生させた累積回数を、作業員ごとにカウントすることができる。なお、本実施形態では、所定期間を1日に設定し、その日に各作業員が作業ミスした累積回数をカウントするが、これに限られるものではない。例えば、所定期間を、毎週月曜日から金曜日までの期間に設定したり、毎月1日から末日までの期間に設定したり、あるいは、所定期間を1時間に設定したりしてもよい。
【0020】
次に、電力供給装置10におけるカウンタ20の動作について説明する。
図4は、本実施形態のカウンタ20の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態においては、作業員が入力したネジ締付回数が設定値として入力されると(S1)、この設定値はネジ締付カウント値としてカウンタ20に記憶される(S2)。また、作業員のバーコードをバーコードリーダ17で読み取る(S3)。これにより、バーコードリーダ17から作業員識別信号が出力され、演算処理部22は、これから作業を行う作業員を把握することができる。そして、作業員によりON/OFFスイッチ7がONにされてH/L入力端子に入力されるHレベルの信号が入力されると(S4)、U/D入力端子がHレベルかLレベルかを判断する(S5)。U/D入力端子がHレベルであると判断されると、カウンタ20は電動ドライバ1が1回正転したと認識し、ネジ締付カウント値から「1」を減算する処理を行う(S6)。一方、U/D入力端子がLレベルであると判断されると、カウンタ20は電動ドライバ1が1回逆転したと認識し、ネジ締付カウント値に「1」を加算する処理を行う(S7)。このような演算処理を行うことで、ネジを二度締めしたとしても、ネジ締付カウント値がゼロになったときには、ワークWに対するネジ締めがすべて完了したことになる。その後、H/L入力端子に入力される信号がLレベルになる、すなわち、作業員によりON/OFFスイッチ7がOFFにされるのを待って(S8)、第1表示制御部21にネジ締付カウント値を出力する(S9)。この出力を受け取った第1表示制御部21は、そのネジ締付カウント値を第1表示部14に表示させる。したがって、作業員は、第1表示部14を見ることで、現在作業しているワークWについて残り何個のネジを締めなければならないかを把握することができる。
【0021】
次に、カウンタ20は、作業完了検知手段として機能し、ネジ締付カウント値がゼロであるか否かを判断する(S10)。ネジ締付カウント値がゼロでないと判断された場合には、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締め作業が完了していないので、上記S4の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、カウント値がゼロであると判断された場合、ワークWに対するネジ締めがすべて完了しているので、カウンタ20に記憶されているワークカウント値に「1」を加算する処理を行う(S11)。そして、カウンタ20は、そのワークカウント値を第1表示制御部21に出力する(S12)。この出力を受け取った第1表示制御部21は、そのワークカウント値を第2表示部15に表示させる。これにより、作業員は、第2表示部15を見ることで、何個のワークWについてネジ締付作業を終えたかを把握することができる。
【0022】
その後、作業員がワークWをワーク台30から取外すと、ワーク台30のタクトスイッチ31から出力されていたワーク検知信号が出力されなくなり(S13)、図3に示す地点EがLレベルとなる。これを受けて、カウンタ20は、ネジ締付カウント値を、上記S1で作業員が入力した設定値にリセットする(S14)。そして、上記S4の処理に戻り、次のワークWに対するネジ締付作業についても、同様の処理を行う。
このような動作により、作業員は、ワークWに対するすべてのネジ締めを終えたときに第1表示部14を見ることで、二度締めを行ったとしても、ワークWに対するネジの締付忘れを防止することができる。すなわち、ネジを締付忘れた作業員は、すべてのネジ締めを終えたと思っても、第1表示部14に表示されているカウント値が最初に自分が設定した設定値に戻っていないのを見れば、ネジの締付忘れに気づくことができる。
【0023】
次に、いわゆるネジの締付忘れの作業ミスが生じた場合の動作について、説明する。
ワーク台30にワークWがセットされているとき、ワーク台30のタクトスイッチ31からワーク検知信号が出力されているので、地点EはHレベルである。このときには、トランジスタTrはON状態であるので、地点Fはグランドレベルに落とされ、Lレベルとなる。したがって、ワーク台30にワークWがセットされているときには、常に地点FはLレベルとなり、ブザーBzが警告音を出すことはない。一方、ワーク台30にワークWがセットされていないとき、ワーク台30のタクトスイッチ31からはワーク検知信号が出力されないので、地点EはLレベルである。よって、トランジスタTrはOFF状態であるので、地点Fはグランドから電気的に離間した状態になる。この状態においては、地点Fの電位レベルは、カウンタ20から出力される作業状態信号の信号レベルによって決まる。すなわち、地点Fは、ワークWに対するネジ締めが未完了のときはHレベルとなり、ワークWに対するネジ締めが完了したときはLレベルとなる。
【0024】
以上のような動作をまとめると、下記の表1のようになる。
【表1】
【0025】
以上のような動作により、このブザーBzは、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締めをすべて完了する前に、作業員がワークWをワーク台30から取り外してしまったとき、すなわち、ネジの締付忘れの作業ミスが生じたときにだけ、警告音を出力する。これにより、作業員は、ワーク台30から取り外したワークWに対するネジの締付忘れに気付くことができるので、そのワークWについて締付忘れたネジを再度締め付ける作業を行うことができる。よって、ネジを締め付け忘れたワークWがそのまま次の工程に移行するのを抑制することができ、不良品の数を少なくすることができる。
【0026】
図5は、本実施形態の演算処理部22の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
作業員は、ワーク台30でワークWに対するネジの締め付け作業を開始する場合、自分のバーコードを電力供給装置10のバーコードリーダ17に読み取らせる。そうすると、バーコードリーダ17から、その作業員を識別するための作業員識別信号が演算処理部22に受信される(S21)。これを受信した演算処理部22は、その作業員が作業を開始してから作業を終えるまでの間における、ネジの締付忘れが生じた累積回数である作業不良回数のカウント値を「0」にリセットする(S22)。また、演算処理部22は、その作業員が作業を開始してから作業を終えるまでの間における、その作業員が作業を完了した完了ワーク数のカウント値も「0」にリセットする(S22)。これらのカウント値は、内部メモリに記憶されている。
【0027】
作業員がネジの締め付け作業を開始すると、作業員がワークWに対するネジの締め付けを完了するごとに、カウンタ20により完了ワーク数がカウントされ、また、そのカウンタ20から演算処理部22に作業完了信号が出力される。そして、演算処理部22は、カウンタ20からの作業完了信号を受信すると(S23)、内部メモリに記憶された完了ワーク数のカウント値に「1」を加算する(S24)。
一方、演算処理部22は、作業員がネジの締め付け作業中に、ネジの締付忘れをしてしまった場合、地点Fの電位がLレベルからHレベルに変化する。この変化が演算処理部22に検知されると(S25)、内部メモリに記憶された作業不良回数のカウント値に「1」を加算する(S26)。
【0028】
完了ワーク数のカウント値に「1」を加算したり(S24)、作業不良回数のカウント値に「1」を加算したり(S26)した後、演算処理部22は、完了ワーク数のカウント値に対する作業不良回数のカウント値の比率(ミス比率)を計算する(S27)。そして、演算処理部22は、内部メモリ内の各カウント値に基づき、「(作業不良回数)/(完了ワーク数)」という表示形式で表示された液晶ディスプレイ16のミス回数についての表示内容を更新処理する(S28)。また、演算処理部22は、上記S27で算出したミス比率に基づき、液晶ディスプレイ16のミス比率についての表示内容も更新処理する(S28)。これにより、液晶ディスプレイ16には、図1に示したように、現在作業を行っている作業員の、ネジ締付忘れに関するミス回数及びミス比率が表示される。その結果、その作業員に対し高い注意力で作業をさせることが可能となり、効果的に作業ミスを減らすことが可能となる。
【0029】
なお、このようにしてカウントした内部メモリ内の各カウント値を、管理装置で管理するようにしてもよい。具体的には、上記電力供給装置10と管理装置とを通信可能に接続し、作業員が作業を終了するときに、演算処理部22の内部メモリ内の各カウント値を、その作業員の作業員識別情報とともに管理装置に送信するようにする。そうすれば、管理装置において、各作業員の過去の完了ワーク数や作業不良回数を管理することができる。これにより、例えば、過去1ヶ月の間のミス比率が少なかった優秀な作業員を選別することができるので、そのような優秀な作業員だけを本作業工程に配置するといったことが可能となるので、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。
また、電力供給装置10の一部、例えば演算処理部22や液晶ディスプレイ16を、別の装置に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ネジの締め付け作業を例に挙げて説明したが、ネジの締め付け作業に限らず、ワークに対する他の作業を行う場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1乃至4の発明によれば、ワークに対する作業工程において発生する不良品の数を少なくしつつ、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項2及び3の発明によれば、作業員に対し高い注意力で作業をさせることが可能となり、効果的に作業ミスを減らすことが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項4の発明によれば、作業員による生産能力を向上させることが困難であったネジの締め付け作業工程において、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るネジ締付作業装置を示す外観図。
【図2】同ネジ締付作業装置を構成する電動ドライバの構成を示す説明図。
【図3】同ネジ締付作業装置を構成する同電動ドライバ及び電力供給装置の電気回路を含む内部構成を示す説明図。
【図4】同電力供給装置に設けられるカウンタの動作の流れを説明するためのフローチャート。
【図5】同電力供給装置に設けられる演算処理部の動作の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 電動ドライバ1
3 ビット
7 ON/OFFスイッチ
8 正逆切替スイッチ
10 電力供給装置
13a,13b,13c 操作スイッチ
14 第1表示部
15 第2表示部
16 液晶ディスプレイ
17 バーコードリーダ
20 カウンタ
22 演算処理部
30 ワーク台
31 タクトスイッチ
W ワーク
Bz ブザー
Tr トランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク台にセットされたワークに対して作業員が作業を行う際に、作業員が作業未完了のまま作業を終えてしまう作業不良を防ぐために報知を行う作業未完了報知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の作業未完了報知装置としては、例えば、特許文献1に開示された、電動ドライバによりワークに対してネジの締め付け作業を行う際に発生し得るネジの締付忘れを防止するためのネジ締付忘れ防止装置が知られている。この装置は、電動ドライバの締付トルクが一定値以上になったときに締付完了信号を出力させ、その締付完了信号の出力回数を検出することで、電動ドライバが回転した回数すなわちネジ締付回数を把握する。この装置では、ワークに対して予め締付けるべきネジの数を設定しておき、ワーク台からワークが取り外されたときに、設定したネジ数と上記締付完了信号の出力回数とを比較する。この比較結果が一致していればネジ締付作業が完了したと判断し、不一致であれば作業未完了と判断する。そして、作業未完了と判断した場合、締付異常表示灯を点灯させたり、異常ブザーを鳴らしたりして、その旨を作業員に報知する。この報知を受けることで、作業員は、ワーク台から取り外したワークに対するネジの締付忘れに気付くことができるので、そのワークについて締付忘れたネジを再度締め付ける作業を行うことができる。よって、ネジを締め付け忘れたワークがそのまま次の工程に移行するのを抑制することができ、不良品の数を少なくすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特公平5−73535号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に開示の装置によれば、上記報知を行うことで不良品の数を少なくすることはできるが、ネジの締付忘れの発生自体を抑制することはできない。そのため、そのネジ締付作業工程において、作業員がネジを締付忘れたワークに対して再度ネジの締め付け作業を行う分、時間のロスが生じる。その結果、単位時間あたりに作業員がネジの締付作業を完了するワーク数は減少するので、ネジ締付作業工程での生産能力が落ちるという問題が発生する。
なお、上記問題は、ネジの締め付け作業に限らず、ワークに対する種々の作業についても同様に生じ得るものである。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ワークに対する作業工程において発生する不良品の数を少なくしつつ、その作業工程での生産能力を向上させることが可能な作業未完了報知装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ワーク台からワークが取り外されたことを検知するワーク取外し検知手段と、該ワーク台にセットされたワークに対する作業が完了したことを検知する作業完了検知手段と、該作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に、該ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したとき、作業が完了していない旨の報知を行う作業未完了報知手段とを備えた作業未完了報知装置において、上記作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に上記ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したときの累積回数を、作業員ごとに所定期間カウントする累積回数カウント手段を有することを特徴とするものである。
この作業未完了報知装置においては、作業が完了していない旨の報知を行うので、従来と同様に不良品の数を少なくすることができる。そして、本作業未完了報知装置では、累積回数カウント手段により、作業が完了しないまま作業員がワークをワーク台から取り外した所定期間内の累積回数(以下、「作業不良回数」という。)を、作業員ごとにカウントする。よって、本作業未完了報知装置によれば、所定期間内における各作業員の作業不良回数を把握することができる。これにより、例えば、その作業工程に、作業不良回数の少ない優秀な作業員を多く配置するというようなことが可能となり、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。また、例えば、各作業員に対し、自分が、どの程度、作業が完了しないまま作業員がワークをワーク台から取り外したかという作業ミスの成績を知らせれば、作業ミスについて個別具体的に注意を喚起させることが可能となる。その結果、作業ミスを効果的に減らすことが可能となり、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員に対し、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応する上記累積回数を報知する累積回数報知手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員が上記所定期間内に作業を行ったワークの数に対する、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応した上記累積回数の比率を、該作業員に報知する比率報知手段を有することを特徴とするものである。
請求項2及び3の作業未完了報知装置においては、作業員に対して、自分の作業不良回数や作業不良比率などの成績を把握させ、作業ミスが減るように注意を喚起させることが可能となる。しかも、作業を行っていない作業員に対して注意を喚起させても一般には時間が経つにつれてその注意も薄れてしまうが、本作業未完了報知装置では、作業員が作業をしている最中に注意を喚起させるので、作業員に注意を喚起させながら作業を行わせることが可能となる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の作業未完了報知装置において、上記ワーク台にセットされたワークに対してネジ締めを行った回数をカウントするネジ締めカウント手段を備え、上記作業完了検知手段は、該ネジ締めカウント手段がカウントした回数が該ワークについて予め設定されたネジ締め回数に達したことを検知するものであることを特徴とするものである。
この作業未完了報知装置は、ネジの締め付け作業に利用することができる。作業員が行うネジの締め付け作業は、ネジを締め付けるという単調作業の繰り返しであるため、一般に、この作業に対する作業員の集中力を高めることは困難である。しかも、このようなネジの締め付け作業を行う作業員は、通常、特殊な技能を必要としないため、パートタイマーやアルバイトなどの一時雇用者であることが多く、その作業に対する責任が低い。そのため、ネジの締付忘れの回数が減少するように作業員に対して研修や指導等を行っても、現実的にはネジの締付忘れの回数を減少させることは困難である。よって、本作業未完了報知装置による上述した効果、すなわち、作業ミスを効果的に減らし、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという効果は、ネジの締め付け作業については特に有用なものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、電動ドライバによりネジの締め付け作業を行う作業工程で用いる作業未完了報知装置としてのネジ締付作業装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るネジ締付作業装置を示す外観図である。
このネジ締付作業装置は、電動ドライバ1と、この電動ドライバ1に電力を供給する電力供給装置10と、この電動ドライバによるネジの締め付け作業の対象となるワークWがセットされるワーク台30とから構成されている。
【0008】
ワーク台30には、その下面四隅にワーク取外し検知手段としてのタクトスイッチ31が設けられている。このタクトスイッチ31は、重量センサとして機能し、ワーク台30の上面にワークWが載置されると、その重さによりスイッチが押され、ワーク台30上にワークWが存在することを検知することができる。本実施形態では、4つの重量センサ21のうちのいずれか1つのスイッチが押されると、ワーク台30上にワークWが存在する旨のワーク検知信号がケーブル32を介して上記電力供給装置10に出力されるように構成されている。逆に、4つの重量センサ21のうちのいずれのスイッチも押されていないと、ワーク台30上にワークWが存在しないので、上記ワーク検知信号は出力されない。したがって、この信号が出力されることで、上記電力供給装置10は、ワーク台30からワークWが取り外されたことを認識することができる。
なお、本実施形態では、タクトスイッチ31を利用した重量センサによりワーク台30からワークWが取り外されたことを検知する構成を採用しているが、例えば、光学的な検知手段、電気的な検知手段、磁気的な検知手段など、その他の公知の検知手段を用いることもできる。
【0009】
図2は、本実施形態の電動ドライバ1の構成を示す説明図である。
この電動ドライバ1には、上記電力供給装置10に接続される電力供給ラインを構成する接続ケーブル2と、ネジ締め用のビット3と、ビット3に伝達される回転トルクを発生させる直流モータ4とが設けられている。また、この電動ドライバ1には、直流モータ4の回転速度を減速させる減速部5と、ネジ締めトルクが一定値に達したときに直流モータ4からのトルク伝達を遮断するクラッチ機構6とが設けられている。また、この電動ドライバ1には、直流モータ4への通電をON/OFFするON/OFFスイッチ7と、ビット3の回転方向を切り替えるためた正逆切替スイッチ8とが設けられている。
【0010】
上記電力供給装置10は、図1に示したように、商用電源コンセントに接続される電源ケーブル11と、上記電動ドライバ1に接続された接続ケーブルと接続する接続コネクタ12と、作業員が操作するための各種操作スイッチ13a,13b,13cとを備えている。また、この電力供給装置10には、残りネジ締付回数を表示する第1表示部14と、完了したセット数であるワーク数を表示する第2表示部15とが設けられている。また、この電力供給装置10の上部には、累積回数報知手段及び比率報知手段としての液晶ディスプレイ16が設けられている。各種操作スイッチ13a,13b,13cの操作内容や、表示部14,15及び液晶ディスプレイ16に表示される表示内容については後述する。また、電力供給装置10の正面には、作業員を個別に認識するための作業員認識手段としてのバーコードリーダ17が設けられている。バーコードリーダ17は、各作業員がもつバーコードを読み取ることで、現在作業を行っている作業員を把握するためのものである。
【0011】
図3は、電動ドライバ1及び電力供給装置10の電気回路を含む内部構成を示す説明図である。
図中符号V0は、上記商用電源コンセントから電源ケーブル11を介して供給される電圧を直流に変換したものに相当する等価直流電源を示す。作業員がビット3を正転させるように正逆切替スイッチ8を操作すると、図3に示すように、端子A−B間及び端子A’−B’間が接続される。そして、作業員が電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、等価直流電源V0からの直流電流は、端子A−B間、直流モータ4、端子A’−B’間の順に流れる。よって、直流モータ4には、これを正転方向に回転させる向きの直流電流がながれ、ビット3が正転方向に回転する。一方、作業員がビット3を逆転させるように正逆切替スイッチ8を操作すると、今度は、端子A−C間及び端子A’−C’間が接続される。そして、作業員が電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、等価直流電源V0からの直流電流は、端子A−C間、直流モータ4、端子A’−C’間の順に流れる。よって、直流モータ4にはこれを逆転方向に回転させる向きの直流電流がながれ、ビット3が逆転方向に回転する。
【0012】
また、本実施形態の電力供給装置10には、ON/OFFスイッチ7よりも等価直流電源V0側で、この等価直流電源V0に対して交流信号入力手段としての交流電源e0が並列に接続されている。なお、交流電源e0に直列接続されている抵抗r0は、交流電源e0の内部抵抗を示している。この交流電源e0によって入力される交流信号は、等価直流電源V0によって供給される直流成分に重畳して、回路中を流れることになる。
また、本実施形態では、図示のように、交流電源e0が入力される電力供給ライン上の地点Dよりも、等価直流電源V0側の電力供給ライン上にコイルLを設けている。このコイルLは、直流に対してはインピーダンスが非常に低いが、上記交流信号に対してはインピーダンスが非常に高いものとなっている。よって、等価直流電源V0による直流モータ4への直流電流の供給を妨げることなく、交流信号が等価直流電源V0に流れ込むのを抑止することができる。
【0013】
ここで、作業員がビット3を正転させるように正逆切替スイッチ8を操作した後、電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、交流信号は、端子A−B間、直流モータ4及び端子A’−B’間を流れる。なお、交流信号は、コイルLが設けられているため、等価直流電源V0を流れることはない。よって、等価直流電源V0の交流信号に対するインピーダンスが非常に低くても、この等価直流電源V0が交流信号に影響を及ぼすことはない。したがって、図中符号Dで示す地点に現れる交流電位(交流信号の信号レベル)は、交流電源e0の交流電圧値が直流モータ4の抵抗と内部抵抗r0とで分圧された値を示すことになる。
一方、作業員がビット3を逆転させるように正逆切替スイッチ8を操作した後、電動ドライバ1のON/OFFスイッチ7を押すと、交流信号は、端子A−C間及び波形変更手段を構成するコンデンサCを流れる。なお、交流信号がコイルLによって等価直流電源V0を流れることはない。このコンデンサCは、直流に対してはインピーダンスが非常に高いが、上記交流信号に対してはインピーダンスが非常に低いものとなっている。また、本実施形態において、このコンデンサCは、電動ドライバ1の直流モータ4に直流電流が流れ込む前の電力供給ライン上で、電動ドライバ1の逆転時にのみ電流が流れるライン部分とアースとをバイパスしている。よって、地点Dに現れる交流信号の信号レベルは、上記コンデンサCを介してアースに落とされる結果、正転時に比べて非常に低い値を示すことになる。
【0014】
本実施形態では、電動ドライバ1の正転時と逆転時とで電力供給ライン上の地点Dにおける交流信号の信号レベルの違いを利用して、電動ドライバ1の回転方向を検知する。具体的には、上記地点Dに接続された検出手段としての比較器18を用いて、電動ドライバ1の回転方向を検出する。この比較器18は、マイナス入力端子に上記地点Dの電圧が入力され、プラス入力端子には、正転時と逆転時との間で交流信号の信号レベルを区別するための閾値となる所定電圧が入力されている。
【0015】
正転時には、上述したように、地点Dに比較的大きな信号レベルをもつ交流信号が現れる。これにより、比較器18のマイナス入力端子には、上記閾値を越える電圧が入力される。よって、比較器18の出力はHレベルとなる。一方、逆転時には、上述したように、地点Dは交流成分についてアースに落とされるため、比較器18のマイナス入力端子には、上記閾値よりも小さい電圧が入力されることになる。よって、比較器18の出力はLレベルとなる。したがって、比較器18の出力がHレベルであれば電動ドライバ1が正転しており、Lレベルであれば電動ドライバ1が逆転しているということを把握することができる。
【0016】
本実施形態では、比較器18の出力に基づいて電動ドライバ1の回転方向を把握した上で、ネジ締めカウント手段としてのカウンタ20により、電動ドライバ1の正転回数及び逆転回数の両方をカウントする。このカウンタ20は、電動ドライバ1の回転回数をカウントするためのH/L入力端子と、電動ドライバ1の回転方向を把握するためのU/D入力端子とを備えている。H/L入力端子には、直流モータ4の端子電圧と、上記比較器18の出力信号とが、OR回路19を介して入力される。よって、作業員が正逆切替スイッチ8を正逆いずれに操作した場合であっても、ON/OFFスイッチ7がONの間は、H/L入力端子にHレベルの信号が入力され、ON/OFFスイッチ7がOFFの間は、H/L入力端子にLレベルの信号が入力される。そして、カウンタ20は、H/L入力端子にHレベルの信号が入力された回数をカウントする。一方、U/D入力端子には、上記比較器18の出力信号が入力される。よって、電動ドライバ1が正転している間は、U/D入力端子にはHレベルの信号が入力され、電動ドライバ1が逆転している間は、U/D入力端子にはLレベルの信号が入力される。これにより、カウンタ20は、電動ドライバ1の回転方向を把握することができる。
【0017】
また、本実施形態では、作業員が電力供給装置10の操作スイッチ13aを操作することで、1つのワークWに対してネジ締めするネジの個数、すなわち、1つのワークWに対するネジ締付回数が設定値としてカウンタ20に入力される。
また、カウンタ20には、ワーク台30からのワーク検知信号が入力される。よって、カウンタ20は、ワーク台30からワーク検知信号が出力され、地点EがHレベルになると、その入力端子もHレベルとなり、ワーク台30にワークWがセットされていると認識することができる。一方、ワーク台30からワーク検知信号が出力されていないときは地点EがLレベルになるので、その入力端子もLレベルとなり、ワーク台30にワークWがセットされていないと認識することができる。
また、カウンタ20は、後述する演算結果を第1表示制御部21に出力する。そして、この演算結果を受け取った第1表示制御部21は、その演算結果に基づいて、第1表示部14に1つのワークWに対する残りネジ締付回数を表示し、第2表示部15にネジ締付作業が完了したワーク数を表示する。また、ネジ締付作業が完了するたびに、作業完了信号が、カウンタ20から後述する演算処理部22に出力される。
また、カウンタ20は、その演算結果に基づいてワークWに対するネジ締めが完了したと判断したか否かを示す作業状態信号を地点Fに向けて出力する。この作業状態信号は、ワークWに対するネジ締めが未完了のときはHレベルであり、ワークWに対するネジ締めが完了したときはLレベルである。
【0018】
また、上記電力供給装置10は、上記地点Fに接続された作業未完了報知手段としてのブザーBzを備えている。このブザーBzは、地点FがHレベルの状態にあるときに警告音を出すことができる。このブザーBzは、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締めをすべて完了する前にワークWをワーク台30から取り外してしまう、いわゆるネジの締付忘れの作業ミスが生じたことを、作業員に知らせるものである。
【0019】
また、上記電力供給装置10は、上記地点Fに接続された累積回数カウント手段としての演算処理部22を備えている。この演算処理部22には、上記バーコードリーダ17が読み取った作業員のバーコード情報に基づく作業員識別信号が入力される。これにより、演算処理部22は、現在作業を行っている作業員が誰なのかを把握することができる。この演算処理部22は、後述するようにカウンタ20が作業の完了を検知する前に、ワーク台30のタクトスイッチ31がワークWの取外しを検知したときの所定期間内における累積回数を、作業員ごとにカウントすることができる。すなわち、この演算処理部22は、各作業員が所定期間内にネジの締付忘れの作業ミスを発生させた累積回数を、作業員ごとにカウントすることができる。なお、本実施形態では、所定期間を1日に設定し、その日に各作業員が作業ミスした累積回数をカウントするが、これに限られるものではない。例えば、所定期間を、毎週月曜日から金曜日までの期間に設定したり、毎月1日から末日までの期間に設定したり、あるいは、所定期間を1時間に設定したりしてもよい。
【0020】
次に、電力供給装置10におけるカウンタ20の動作について説明する。
図4は、本実施形態のカウンタ20の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態においては、作業員が入力したネジ締付回数が設定値として入力されると(S1)、この設定値はネジ締付カウント値としてカウンタ20に記憶される(S2)。また、作業員のバーコードをバーコードリーダ17で読み取る(S3)。これにより、バーコードリーダ17から作業員識別信号が出力され、演算処理部22は、これから作業を行う作業員を把握することができる。そして、作業員によりON/OFFスイッチ7がONにされてH/L入力端子に入力されるHレベルの信号が入力されると(S4)、U/D入力端子がHレベルかLレベルかを判断する(S5)。U/D入力端子がHレベルであると判断されると、カウンタ20は電動ドライバ1が1回正転したと認識し、ネジ締付カウント値から「1」を減算する処理を行う(S6)。一方、U/D入力端子がLレベルであると判断されると、カウンタ20は電動ドライバ1が1回逆転したと認識し、ネジ締付カウント値に「1」を加算する処理を行う(S7)。このような演算処理を行うことで、ネジを二度締めしたとしても、ネジ締付カウント値がゼロになったときには、ワークWに対するネジ締めがすべて完了したことになる。その後、H/L入力端子に入力される信号がLレベルになる、すなわち、作業員によりON/OFFスイッチ7がOFFにされるのを待って(S8)、第1表示制御部21にネジ締付カウント値を出力する(S9)。この出力を受け取った第1表示制御部21は、そのネジ締付カウント値を第1表示部14に表示させる。したがって、作業員は、第1表示部14を見ることで、現在作業しているワークWについて残り何個のネジを締めなければならないかを把握することができる。
【0021】
次に、カウンタ20は、作業完了検知手段として機能し、ネジ締付カウント値がゼロであるか否かを判断する(S10)。ネジ締付カウント値がゼロでないと判断された場合には、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締め作業が完了していないので、上記S4の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、カウント値がゼロであると判断された場合、ワークWに対するネジ締めがすべて完了しているので、カウンタ20に記憶されているワークカウント値に「1」を加算する処理を行う(S11)。そして、カウンタ20は、そのワークカウント値を第1表示制御部21に出力する(S12)。この出力を受け取った第1表示制御部21は、そのワークカウント値を第2表示部15に表示させる。これにより、作業員は、第2表示部15を見ることで、何個のワークWについてネジ締付作業を終えたかを把握することができる。
【0022】
その後、作業員がワークWをワーク台30から取外すと、ワーク台30のタクトスイッチ31から出力されていたワーク検知信号が出力されなくなり(S13)、図3に示す地点EがLレベルとなる。これを受けて、カウンタ20は、ネジ締付カウント値を、上記S1で作業員が入力した設定値にリセットする(S14)。そして、上記S4の処理に戻り、次のワークWに対するネジ締付作業についても、同様の処理を行う。
このような動作により、作業員は、ワークWに対するすべてのネジ締めを終えたときに第1表示部14を見ることで、二度締めを行ったとしても、ワークWに対するネジの締付忘れを防止することができる。すなわち、ネジを締付忘れた作業員は、すべてのネジ締めを終えたと思っても、第1表示部14に表示されているカウント値が最初に自分が設定した設定値に戻っていないのを見れば、ネジの締付忘れに気づくことができる。
【0023】
次に、いわゆるネジの締付忘れの作業ミスが生じた場合の動作について、説明する。
ワーク台30にワークWがセットされているとき、ワーク台30のタクトスイッチ31からワーク検知信号が出力されているので、地点EはHレベルである。このときには、トランジスタTrはON状態であるので、地点Fはグランドレベルに落とされ、Lレベルとなる。したがって、ワーク台30にワークWがセットされているときには、常に地点FはLレベルとなり、ブザーBzが警告音を出すことはない。一方、ワーク台30にワークWがセットされていないとき、ワーク台30のタクトスイッチ31からはワーク検知信号が出力されないので、地点EはLレベルである。よって、トランジスタTrはOFF状態であるので、地点Fはグランドから電気的に離間した状態になる。この状態においては、地点Fの電位レベルは、カウンタ20から出力される作業状態信号の信号レベルによって決まる。すなわち、地点Fは、ワークWに対するネジ締めが未完了のときはHレベルとなり、ワークWに対するネジ締めが完了したときはLレベルとなる。
【0024】
以上のような動作をまとめると、下記の表1のようになる。
【表1】
【0025】
以上のような動作により、このブザーBzは、ワーク台30にセットされたワークWに対するネジ締めをすべて完了する前に、作業員がワークWをワーク台30から取り外してしまったとき、すなわち、ネジの締付忘れの作業ミスが生じたときにだけ、警告音を出力する。これにより、作業員は、ワーク台30から取り外したワークWに対するネジの締付忘れに気付くことができるので、そのワークWについて締付忘れたネジを再度締め付ける作業を行うことができる。よって、ネジを締め付け忘れたワークWがそのまま次の工程に移行するのを抑制することができ、不良品の数を少なくすることができる。
【0026】
図5は、本実施形態の演算処理部22の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
作業員は、ワーク台30でワークWに対するネジの締め付け作業を開始する場合、自分のバーコードを電力供給装置10のバーコードリーダ17に読み取らせる。そうすると、バーコードリーダ17から、その作業員を識別するための作業員識別信号が演算処理部22に受信される(S21)。これを受信した演算処理部22は、その作業員が作業を開始してから作業を終えるまでの間における、ネジの締付忘れが生じた累積回数である作業不良回数のカウント値を「0」にリセットする(S22)。また、演算処理部22は、その作業員が作業を開始してから作業を終えるまでの間における、その作業員が作業を完了した完了ワーク数のカウント値も「0」にリセットする(S22)。これらのカウント値は、内部メモリに記憶されている。
【0027】
作業員がネジの締め付け作業を開始すると、作業員がワークWに対するネジの締め付けを完了するごとに、カウンタ20により完了ワーク数がカウントされ、また、そのカウンタ20から演算処理部22に作業完了信号が出力される。そして、演算処理部22は、カウンタ20からの作業完了信号を受信すると(S23)、内部メモリに記憶された完了ワーク数のカウント値に「1」を加算する(S24)。
一方、演算処理部22は、作業員がネジの締め付け作業中に、ネジの締付忘れをしてしまった場合、地点Fの電位がLレベルからHレベルに変化する。この変化が演算処理部22に検知されると(S25)、内部メモリに記憶された作業不良回数のカウント値に「1」を加算する(S26)。
【0028】
完了ワーク数のカウント値に「1」を加算したり(S24)、作業不良回数のカウント値に「1」を加算したり(S26)した後、演算処理部22は、完了ワーク数のカウント値に対する作業不良回数のカウント値の比率(ミス比率)を計算する(S27)。そして、演算処理部22は、内部メモリ内の各カウント値に基づき、「(作業不良回数)/(完了ワーク数)」という表示形式で表示された液晶ディスプレイ16のミス回数についての表示内容を更新処理する(S28)。また、演算処理部22は、上記S27で算出したミス比率に基づき、液晶ディスプレイ16のミス比率についての表示内容も更新処理する(S28)。これにより、液晶ディスプレイ16には、図1に示したように、現在作業を行っている作業員の、ネジ締付忘れに関するミス回数及びミス比率が表示される。その結果、その作業員に対し高い注意力で作業をさせることが可能となり、効果的に作業ミスを減らすことが可能となる。
【0029】
なお、このようにしてカウントした内部メモリ内の各カウント値を、管理装置で管理するようにしてもよい。具体的には、上記電力供給装置10と管理装置とを通信可能に接続し、作業員が作業を終了するときに、演算処理部22の内部メモリ内の各カウント値を、その作業員の作業員識別情報とともに管理装置に送信するようにする。そうすれば、管理装置において、各作業員の過去の完了ワーク数や作業不良回数を管理することができる。これにより、例えば、過去1ヶ月の間のミス比率が少なかった優秀な作業員を選別することができるので、そのような優秀な作業員だけを本作業工程に配置するといったことが可能となるので、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となる。
また、電力供給装置10の一部、例えば演算処理部22や液晶ディスプレイ16を、別の装置に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ネジの締め付け作業を例に挙げて説明したが、ネジの締め付け作業に限らず、ワークに対する他の作業を行う場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1乃至4の発明によれば、ワークに対する作業工程において発生する不良品の数を少なくしつつ、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項2及び3の発明によれば、作業員に対し高い注意力で作業をさせることが可能となり、効果的に作業ミスを減らすことが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項4の発明によれば、作業員による生産能力を向上させることが困難であったネジの締め付け作業工程において、その作業工程での生産能力を向上させることが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るネジ締付作業装置を示す外観図。
【図2】同ネジ締付作業装置を構成する電動ドライバの構成を示す説明図。
【図3】同ネジ締付作業装置を構成する同電動ドライバ及び電力供給装置の電気回路を含む内部構成を示す説明図。
【図4】同電力供給装置に設けられるカウンタの動作の流れを説明するためのフローチャート。
【図5】同電力供給装置に設けられる演算処理部の動作の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 電動ドライバ1
3 ビット
7 ON/OFFスイッチ
8 正逆切替スイッチ
10 電力供給装置
13a,13b,13c 操作スイッチ
14 第1表示部
15 第2表示部
16 液晶ディスプレイ
17 バーコードリーダ
20 カウンタ
22 演算処理部
30 ワーク台
31 タクトスイッチ
W ワーク
Bz ブザー
Tr トランジスタ
Claims (4)
- ワーク台からワークが取り外されたことを検知するワーク取外し検知手段と、該ワーク台にセットされたワークに対する作業が完了したことを検知する作業完了検知手段と、
該作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に、該ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したとき、作業が完了していない旨の報知を行う作業未完了報知手段とを備えた作業未完了報知装置において、
上記作業完了検知手段が作業の完了を検知する前に上記ワーク取外し検知手段がワークの取外しを検知したときの累積回数を、作業員ごとに所定期間カウントする累積回数カウント手段を有することを特徴とする作業未完了報知装置。 - 請求項1の作業未完了報知装置において、
上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員に対し、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応する上記累積回数を報知する累積回数報知手段を有することを特徴とする作業未完了報知装置。 - 請求項1の作業未完了報知装置において、
上記ワーク台にセットされたワークに対して作業を行う作業員が上記所定期間内に作業を行ったワークの数に対する、上記累積回数カウント手段によりカウントした該作業員に対応した上記累積回数の比率を、該作業員に報知する比率報知手段を有することを特徴とする作業未完了報知装置。 - 請求項1、2又は3の作業未完了報知装置において、
上記ワーク台にセットされたワークに対してネジ締めを行った回数をカウントするネジ締めカウント手段を備え、
上記作業完了検知手段は、該ネジ締めカウント手段がカウントした回数が該ワークについて予め設定されたネジ締め回数に達したことを検知するものであることを特徴とする作業未完了報知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197100A JP2005034914A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 作業未完了報知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197100A JP2005034914A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 作業未完了報知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005034914A true JP2005034914A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34207353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003197100A Withdrawn JP2005034914A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 作業未完了報知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005034914A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101491477B1 (ko) * | 2013-01-10 | 2015-02-10 | (주)일지테크 | 너트 누락 방지 장치 및 방법 |
CN109175980A (zh) * | 2018-09-19 | 2019-01-11 | 广州市安埗自动化设备有限公司 | 螺丝锁付生产线故障管理系统 |
CN109940533A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-06-28 | 深圳市颐驰自动化有限公司 | 一种智能拧紧工具及智能管理方法 |
-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003197100A patent/JP2005034914A/ja not_active Withdrawn
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