JP2005034306A - 気体加湿器及びそれを用いる酸素濃縮器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、加湿気体が通過する経路には、容易に清掃できない部分が存在していた。
【解決手段】導入される原料気体を加湿し、加湿気体として出力する気体加湿器であって、上部が開口した筒状形状を有し、気体を加湿する媒体を収容するタンク32と、タンク32の開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる蓋部31と、原料気体を導入するための導入口321と、加湿気体を使用者に供給するための器具が接続される供給口313とを有し、この供給口313が蓋部31に設けられている。
【選択図】 図3
【解決手段】導入される原料気体を加湿し、加湿気体として出力する気体加湿器であって、上部が開口した筒状形状を有し、気体を加湿する媒体を収容するタンク32と、タンク32の開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる蓋部31と、原料気体を導入するための導入口321と、加湿気体を使用者に供給するための器具が接続される供給口313とを有し、この供給口313が蓋部31に設けられている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料気体を加湿して出力する加湿器に関し、特に酸素濃縮器等に好適に使用可能な加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の在宅療法において、医療用酸素濃縮器が広く用いられている。このような酸素濃縮器には様々な形式のものが存在するが、現在はゼオライトなどの吸着剤を用い、大気中の窒素を吸着することにより酸素濃度の高いガス(以下、酸素ガスという)を生成する吸着式の酸素濃縮器が一般的に用いられている。酸素濃縮器で生成した酸素ガスは、酸素濃縮器に接続されるカニューラやマスクによって、患者の鼻孔や口腔に供給される。
【0003】
ところで、窒素の吸着剤として用いられるゼオライトは、同時に水分も吸着するため、得られる酸素ガスには殆ど水分が含まれていない。そのため、患者の鼻孔や口腔の乾燥を防止するため、酸素濃縮器には加湿器が設けられ、加湿された酸素ガス(以下、加湿酸素ガスという)を供給するように構成されているのが一般的である。
【0004】
このような加湿器は、内部に精製水を貯蔵し、乾燥した酸素ガスを精製水又はその雰囲気中を通過させることにより、酸素ガスを加湿する形態を有するのが一般的である。そのため、酸素濃縮器の使用による精製水の蒸発に伴い、加湿器を酸素濃縮器から取り外し、洗浄、給水して再度取り付ける着脱作業を患者自身が行う必要がある。
【0005】
従来、このような着脱式の加湿器を有する酸素濃縮器においては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されるように、酸素濃縮器本体から加湿器に供給された酸素ガスは、加湿された後に再度酸素濃縮器本体に引き戻される構成を有していた。
【0006】
【特許文献1】特開平5−154200号公報
【特許文献2】特開平11−398号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これは、従来の酸素濃縮器において、最終的な加湿酸素ガスの供給口(カニューラ等、使用者に過失酸素ガスを供給する器具を装着する供給口)が、酸素濃縮器本体に設けられているためである。また、加湿酸素ガスが確かに供給されていることを視覚的に確認するためのフローモニタもまた酸素濃縮器本体に設けられていた。
【0008】
そのため、加湿酸素ガスを加湿器から再度酸素濃縮器本体に引き戻し、本体内の経路を通じて供給口へ導かれ、そこから使用者に供給することになる(経路中にフローモニタが存在する場合もある)。例えば加湿酸素ガスが供給口までの経路で結露すると、雑菌やカビなどの繁殖原因となるため、加湿器から供給口に至る加湿酸素ガスの経路はできるだけ短く、かつ清掃が容易であることが望ましい。
【0009】
しかしながら、従来の酸素濃縮器においては加湿器から供給口に至る経路は酸素濃縮器の本体内部にあるため、通常は使用者が清掃できないか清掃ができても困難であった。
【0010】
本願発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、気体加湿器から供給口までの経路を短く、かつ使用者が容易に洗浄可能とすることを主な目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の気体加湿器は、導入される原料気体を加湿し、加湿気体として出力する気体加湿器であって、上部が開口した筒状形状を有し、気体を加湿する媒体を収容するタンクと、タンクの開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる蓋部と、原料気体を導入するための導入口と、加湿気体を使用者に供給するための器具が接続される供給口とを有し、供給口が、蓋部に設けられることを特徴とする。
【0012】
また、上述の目的は、本発明による気体加湿器と、原料気体としての酸素ガスを生成する生成手段とを有することを特徴とする酸素濃縮器によっても達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る気体加湿器を酸素濃縮器に用いる場合について説明するが、本発明の気体加湿器は他の任意の気体供給装置とともに利用可能である。
【0014】
■《酸素濃縮器の構成》
図1は、本実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示すブロック図である。酸素濃縮器100は、本体10と、着脱式の加湿器30とから構成される。
【0015】
本体10の構成を説明する。フィルタ11は、例えばHEPAフィルタであり、外気(大気)に含まれるチリやゴミを除去する。コンプレッサー12は、導入した外気を、所定の圧力(例えば100KPa程度)に圧縮する。シーブベット13には例えばゼオライトが吸着剤として充填されており、コンプレッサー12から供給される圧縮空気から窒素と水分を吸着して、酸素濃度の高い気体(酸素ガス)を生成し、酸素ガスタンク14に供給する。図1では簡略化のためにシーブベット13が1つであるように記載しているが、複数のシーブベットを切替ながら使用する構成であってもよい。
【0016】
酸素ガスタンク14は、シーブベット13が生成する酸素ガスを蓄積する。レギュレータ15は、酸素ガスタンク14に高圧で蓄積された酸素ガスを、装置の利用者に供給するのに適切な圧力(例えば30〜40KPa程度)に低減させる。フィルタ16は所謂バクテリアフィルタであり、主に雑菌やウイルスを除去するためのフィルタである。流量制御部17は後述する操作部19による流量設定に従った供給流量を実現するオリフィスである。流量制御部17が出力する、圧力及び流量制御された原料気体としての酸素ガスは、上述のように水分をほとんど含まないため、加湿器30を通じて加湿した後、加湿気体として図示しないカニューラ等によって使用者の鼻腔や口腔等に供給される。
【0017】
本実施形態においては、後述するように、従来の酸素濃縮器と異なり、加湿器30から直接加湿酸素ガスを利用者に供給する構成を有する。
【0018】
表示部18は、例えば酸素ガスの設定流量や、各種アラームや運転状況などをLEDや液晶表示により表示する。表示の他に、又は表示とともに、警報音やメロディを出力するようにスピーカを設けても良い。
【0019】
操作部19は、例えばダイヤルやボタン、キーなどを有し、使用者が酸素ガスの流量設定を行ったり、電源のオン・オフを指示するなど、使用者が酸素濃縮器に対して指示や入力を行うために利用するユーザインタフェースである。
【0020】
制御部20は、例えばマイクロコンピュータにより実現され、図示しないROM等の不揮発性記憶装置に書き込まれた制御プログラムを読み出し、実行することによって酸素濃縮器全体の制御を行う。また、図示しない各種センサ等の出力から、表示部18を用いて各種の警報や動作表示を行う。
【0021】
なお、実際にはコンプレッサーが出力する圧縮大気の圧力や、レギュレータの出力する酸素ガスの圧力等を検出するセンサや、気体の供給を制御する弁などが含まれるが、本発明の本質とは関係ないため、説明を省略する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る酸素濃縮器の外観斜視図を示す。図2(a)は加湿器30が取り外された状態、図2(b)は加湿器30が取り付けられた状態をそれぞれ示す。後述するように本実施形態の酸素濃縮器は、加湿器30を、支持ピン50及びロックレバー40によって下部及び上部から支持する構成を有する。
【0023】
■《加湿器の構造》
図3は、本実施形態に係る加湿器30の構成例を示す図であり、図3(a)は上面図、(b)は斜視図、(c)は側面図をそれぞれ示す。また、図4は加湿器30の分解斜視図を示す。
【0024】
加湿器30は、蓋部31、タンク32及びフィルタ33に大別される。蓋部31は、タンク32の開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる。具体的には、蓋部31とタンク32とは、蓋部31をタンク32に載せた状態で右方向に例えば略3分の1回転程度することにより係合し、逆回転させることで分離する。係合した状態において、蓋部31の内面がタンク32の外周にはめ込まれたリング状のパッキン325を内側に押圧するように蓋部31の内径とタンク32に設けられたガイド326の角度が制御され、タンク32に蓄えられる、加湿媒体としての精製水及び加湿酸素ガスが係合部から外部に漏れることを防止している。
【0025】
なお、本明細書において、加湿媒体とは、加湿器に導入される原料気体(ここでは流量制御部17から導入される乾燥した酸素ガス)に水分を供給する物質を意味し、精製水そのものはもとより、精製水を含んだ物質(後述のフィルタや、精製水を含んだスポンジ等)、高保水率の気体などを含む。従って、精製水及び精製水を内部に含んだフィルタ、原料気体よりも保水率の高いタンク内雰囲気はいずれも単独で加湿媒体たりうる。
【0026】
タンク32は内部に蓄えられる精製水の水位が外部から判別できるよう、例えば透明な素材で形成されている。タンク32の底部略中央には、タンク32の内部へ向かって略漏斗状に形成されたフィルタ支持部321が形成されている。このフィルタ支持部321に例えば焼結樹脂からなり、中空円柱状のフィルタ33を差し込み、フィルタ支持部321の先端にキャップ322をはめ込むことにより、フィルタ33をタンク32に保持することができる。
【0027】
図5は、キャップ322の構成を示す図であり、図5(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は垂直断面図をそれぞれ示す。図5に示すように、キャップ322は中空に形成され、また下部には複数の孔323が設けられている。従って、加湿器30の外部と内部は、フィルタ支持部321とキャップ322内部、そしてキャップ322の孔を通じて接続され、図5(c)に示すように、フィルタ支持部321から供給される乾燥した酸素ガスは、キャップ322の内部から孔323を通じてタンク32内部に導入される。
【0028】
蓋部31の上部外周は略フランジ形状に形成され、フランジをえぐる形で複数の凹部314が設けられている。凹部314に指をかけて左及び右方向に回転させることで、滑りにくく、小さな力で蓋部31を開閉することができる。蓋部31の上面略中央には、カルデラ状の凹部312が設けられている。後述するように、本体側に設けられたロックレバー40により凹部312を押圧支持することで、加湿器30を下方から支持する支持ピン50とともに、加湿器30を回転可能に、かつ確実に支持することが可能となる。
【0029】
蓋部31の上面にはさらに、加湿酸素ガスの供給口313が左右に回転可能に設けられている。供給口313は蓋部31に設けられた孔314(図6参照)を通じてタンク32と導通しており、タンク32から供給口313に至る途中にはフロート式のフローモニタ311が形成されている。供給口313から加湿酸素ガスが出ている場合には、その気流によりフローモニタ311内部に置かれた例えば球状のフロート315が動くことにより、酸素ガスの供給がなされていること及び、フロートの動き方により大まかな流量も視覚的に認識することができる。なお、フローモニタ311として、フロート式以外の周知の構成を利用可能であることは言うまでもない。使用者は、供給口313にカニューラやマスク等のチューブを接続して加湿酸素ガスの供給を受ける。
【0030】
本実施形態においては、加湿酸素ガスの供給口313が加湿器30に設けられ、加湿器30から直接加湿酸素ガスを使用者に供給する構成を有するため、酸素ガスが加湿されてから供給口313に至る経路が非常に短く、かつこの経路はまた蓋部31を取り外すことによって容易に煮沸消毒等を行えるため、非常に衛生的である。また、フローモニタ311も加湿器30に設けられているため、使用者は酸素ガスの供給有無及び流量を容易に確認することができる。
【0031】
上述のように、本実施形態に係る酸素濃縮器は、加湿器30から直接加湿酸素を使用者に供給するように構成しているため、非常に衛生的である。また、フローモニタも加湿器30に設けているため、使用者が酸素供給の有無やその量を視覚的に認識することも可能である。加えて、加湿酸素ガスを再度本体に引き戻す必要が無くなるため、酸素濃縮器と加湿器とを1箇所のみ、すなわち乾燥した酸素ガスを加湿器30に導入するための接続箇所のみで接続すればよく、さらに加湿酸素ガスを本体に引き戻すために必要なもう1箇所を加えた2箇所で接続しなければならない従来の構成に比べ、着脱のための構成を簡単化することができる。
【0032】
さらに、加湿酸素の供給口313が蓋部31に回転可能に取り付けられているため、使用者の移動に追従して供給口313が移動し、供給口313に取り付けられるカニューラなどのチューブが供給口313との接続部で折れ曲がることがない。そのため、使用者の作業中や睡眠中にも安定して酸素供給を行うことが可能である。
【0033】
■《加湿器の支持構造》
次に、本実施形態における酸素濃縮器の、加湿器30の支持構造について説明する。前述したように、本実施形態における酸素濃縮器は、加湿器30を上下から支持する。下から支持するのが支持ピン50(図2参照)、上から支持するのがロックレバー40である。
【0034】
図2(a)の状態で、加湿器30を支持ピン50に差し込み、ロックレバー40を紙面手前方向に回転させることでロックする。加湿器30の底面において支持ピン50を受けるフィルタ支持部321は、加湿器30の底面が最も広く、徐々に狭くなっていく略漏斗形状であるため、支持ピン50の上に大まかに加湿器30を載せるだけで、支持ピン50がフィルタ支持部321内部に正しく挿入される。
【0035】
図6は、加湿器30を本体に装着した状態を示す垂直断面図であり、図2(b)の状態に対応している。
まず、本体10で加湿器30を下方から支持する支持ピン50は、中空構造であり、流量制御部17(図1参照)に接続されている。また、支持ピン50の先端部側面には孔51が設けられており、流量制御部17から供給される酸素ガスは支持ピン50の内部から孔51を通じてタンク32のフィルタ支持部321内部に流入する。なお、支持ピン50の、孔51より下部の外周にはパッキン52が設けられ、フィルタ支持部321内面と密着し、酸素ガスの漏れを防止している。また、孔51が支持ピン50の頂点ではなく、先端部の側面に設けられているのは、例えばタンク32への精製水補給時や清掃時に、フィルタ支持部321内部に残った精製水が支持ピン50内部へ流入するのを防止するためである。
【0036】
このように、支持ピン50を軸として加湿器30を支持するため、供給口313のみならず、加湿器30自体が支持ピン50の周りで回転可能であり、供給口313の位置をより自由に設定できる。
【0037】
ロックレバー40は、軸41を介して本体10に取り付けられており、軸41周りに回動可能に構成されている。そして、図示しないバネ機構により、通常は矢印Aで示す方向、すなわち図2(a)の状態になるように付勢されている。
【0038】
ロックレバー40の先端部には支持押圧部42が設けられている。支持押圧部42は上下方向に移動可能に構成され、バネ43により下方に付勢されている。支持押圧部42の下部は略球状に形成され、図6に示すロック状態では、加湿器30の蓋部31の凹部312を上方から押圧することで、加湿器30を上方から支持する。上述したように、また図6に示すように、蓋部31の凹部312はカルデラ状の形状を有しており、凹部312の周囲はなだらかに盛り上がった形状となっている。そのため、ロックレバー40を図2(a)の解放状態から図6の矢印B方向に回転させていくと、支持押圧部42の下部が蓋部31の上面に接触し、さらに回転させると、支持押圧部42がバネ43の力に逆らって上方に移動しながら隆起を乗り越え、凹部312に達して上方から押圧する。従って、加湿器30を支持ピン50の周りに回転させる際にも妨げにならない。
【0039】
バネ43と、ロックレバー40を矢印A方向に付勢する図示しないバネとは、図6に示すロック状態でロックレバー40が図2(a)の状態に戻らず、かつ支持押圧部42が凹部312周囲の隆起より外にある際には図2(a)の状態に戻るようにそれぞれの付勢力が調整されている。
【0040】
また、ロックレバー40の軸41には、ロックレバー40が解放位置からロック位置に達する所定角度矢印B方向に回転するとオンするセンサ又はスイッチ(図示せず)が設けられ、制御部20は当該センサ又はスイッチがオフの状態で操作部19から酸素ガス供給の指示が与えられた場合(もしくは供給中にロック位置から外れた場合)、表示部18にロックレバー40の位置がロック位置にないことをLEDの点灯、メッセージ表示、音声出力等によって報知する。なお、ロックレバー40がロック位置にあるか否かを検出する方法としては、軸の回転量を検出する以外の任意の方法を採用しうる。また、レバー40がロック位置にない場合には酸素ガスの加湿器30への供給を行わないように構成することも可能である。
【0041】
このように、加湿器30を上下から支持することで、加湿器30を装着する際には加湿器30を支持ピン50の上に大まかに載せ、ロックレバー40を回転させてロック位置にするだけで良く、また加湿器30を取り外す際には、ロックレバー40を少し矢印B方向に戻せばロックレバー40は解放位置に戻り、加湿器30を上方に持ち上げれば済む。
【0042】
このように、本実施形態に係る加湿器30は、本体と接続が必要な箇所が支持ピンのみであるため、2つの口に同時に接続しなければならない従来の加湿器において必要であった取付位置に対する要求が厳しくない。また、かつ水平方向への押し込みが不要で、上から加湿器を置く動作により装着が完了するため、力が無くても容易に装着できる。また、ロックレバー40を回転させるだけで加湿器の外れが容易に防止できる他、ロックバー40がロック位置にない場合に警告を行うことができ、より安全性の高い酸素濃縮器を実現できる。
【0043】
■《酸素ガスの流れ》
次に、図6に酸素ガスの流れを記入した図7を用いて酸素ガスがどのように加湿されるかについて説明する。加湿器30の使用時にはタンク32に所定量(少なくともフィルタ33の下部が水中に存在する水位まで)の精製水326が注入され、例えば焼結樹脂からなるフィルタ33は毛細管現象によりその上部まで水を含んだ状態とされる。そして、フィルタ支持部321に下方から挿入される支持ピン50の先端側面の孔51を通じて、流量制御部17から乾燥した酸素ガスが供給される。
【0044】
この酸素ガスはフィルタ支持部321内部を通り中空のキャップ322内部に達し、キャップ322に設けられた複数の孔323を通じて湿ったフィルタ33の表面(上面)に吹き付けられる。このように、乾燥した酸素ガスは、フィルタ33の表面や表層部分、タンク中の雰囲気においてそれぞれ水と接触することにより加湿され、蓋部31の孔314から供給口313を通じて外部へ供給される。
【0045】
このように、本実施形態の加湿器30は、酸素ガスを水中に放出する所謂バブリング方式とは異なり、酸素ガスの泡を生成しない非バブリング方式である。従って、泡に帰因する雑音の発生が無く、静かな部屋や睡眠中などでも好適に使用可能である。
【0046】
蓋部31の孔314から供給口313を通じて外部に至る途中で加湿ガスの流路がフローモニタ311へ分岐しており、酸素ガスの供給中フロート315が運動する。使用者はフロート315の動きにより、実際に酸素ガスが供給されていること及び、その大まかな流量を視覚的に把握することができる。
【0047】
■《他の実施形態》
なお、上述の実施形態においては、原料気体に水分を加える加湿器についてのみ説明したが、水分以外の成分を原料気体に加える場合であっても同様の構成が適用可能であることは言うまでもない。
【0048】
また、上述の実施形態においは、加湿器30を下方から支持する形態についてのみ説明したが、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるような、側方から支持される構成や、情報から吊り下げ支持される構成の加湿器であっても上述の供給口及びフローモニタの構成を適用可能である。また、加湿方法も限定されず、バブリング方式の加湿器に対しても適用可能である。
【0049】
すなわち、本発明に係る加湿器に特徴的な、加湿器から直接使用者に加湿酸素ガスを供給する構成、供給口を蓋部に対して回転可能に設ける構成及び、加湿器から供給口に至る経路にフローモニタを設ける構成は、そのいずれもが、原料気体を導入するための導入口と、加湿気体を導出するための導出口を有する全ての気体加湿器に対して適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用者に加湿気体を供給する器具を接続する供給口を気体加湿器に設けることにより、加湿気体の経路が最短化されるとともに、使用者が容易にその経路を洗浄することが可能になると言う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る気体加湿器の構成を説明する外観図である。
【図4】本発明の実施形態に係る気体加湿器の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る気体加湿器のキャップ322の構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る気体加湿器を、図2に示す酸素濃縮器に取り付けた状態の構成を説明する垂直断面図である。
【図7】図6の構成における気体の流路を説明する図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料気体を加湿して出力する加湿器に関し、特に酸素濃縮器等に好適に使用可能な加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の在宅療法において、医療用酸素濃縮器が広く用いられている。このような酸素濃縮器には様々な形式のものが存在するが、現在はゼオライトなどの吸着剤を用い、大気中の窒素を吸着することにより酸素濃度の高いガス(以下、酸素ガスという)を生成する吸着式の酸素濃縮器が一般的に用いられている。酸素濃縮器で生成した酸素ガスは、酸素濃縮器に接続されるカニューラやマスクによって、患者の鼻孔や口腔に供給される。
【0003】
ところで、窒素の吸着剤として用いられるゼオライトは、同時に水分も吸着するため、得られる酸素ガスには殆ど水分が含まれていない。そのため、患者の鼻孔や口腔の乾燥を防止するため、酸素濃縮器には加湿器が設けられ、加湿された酸素ガス(以下、加湿酸素ガスという)を供給するように構成されているのが一般的である。
【0004】
このような加湿器は、内部に精製水を貯蔵し、乾燥した酸素ガスを精製水又はその雰囲気中を通過させることにより、酸素ガスを加湿する形態を有するのが一般的である。そのため、酸素濃縮器の使用による精製水の蒸発に伴い、加湿器を酸素濃縮器から取り外し、洗浄、給水して再度取り付ける着脱作業を患者自身が行う必要がある。
【0005】
従来、このような着脱式の加湿器を有する酸素濃縮器においては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されるように、酸素濃縮器本体から加湿器に供給された酸素ガスは、加湿された後に再度酸素濃縮器本体に引き戻される構成を有していた。
【0006】
【特許文献1】特開平5−154200号公報
【特許文献2】特開平11−398号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これは、従来の酸素濃縮器において、最終的な加湿酸素ガスの供給口(カニューラ等、使用者に過失酸素ガスを供給する器具を装着する供給口)が、酸素濃縮器本体に設けられているためである。また、加湿酸素ガスが確かに供給されていることを視覚的に確認するためのフローモニタもまた酸素濃縮器本体に設けられていた。
【0008】
そのため、加湿酸素ガスを加湿器から再度酸素濃縮器本体に引き戻し、本体内の経路を通じて供給口へ導かれ、そこから使用者に供給することになる(経路中にフローモニタが存在する場合もある)。例えば加湿酸素ガスが供給口までの経路で結露すると、雑菌やカビなどの繁殖原因となるため、加湿器から供給口に至る加湿酸素ガスの経路はできるだけ短く、かつ清掃が容易であることが望ましい。
【0009】
しかしながら、従来の酸素濃縮器においては加湿器から供給口に至る経路は酸素濃縮器の本体内部にあるため、通常は使用者が清掃できないか清掃ができても困難であった。
【0010】
本願発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、気体加湿器から供給口までの経路を短く、かつ使用者が容易に洗浄可能とすることを主な目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の気体加湿器は、導入される原料気体を加湿し、加湿気体として出力する気体加湿器であって、上部が開口した筒状形状を有し、気体を加湿する媒体を収容するタンクと、タンクの開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる蓋部と、原料気体を導入するための導入口と、加湿気体を使用者に供給するための器具が接続される供給口とを有し、供給口が、蓋部に設けられることを特徴とする。
【0012】
また、上述の目的は、本発明による気体加湿器と、原料気体としての酸素ガスを生成する生成手段とを有することを特徴とする酸素濃縮器によっても達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る気体加湿器を酸素濃縮器に用いる場合について説明するが、本発明の気体加湿器は他の任意の気体供給装置とともに利用可能である。
【0014】
■《酸素濃縮器の構成》
図1は、本実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示すブロック図である。酸素濃縮器100は、本体10と、着脱式の加湿器30とから構成される。
【0015】
本体10の構成を説明する。フィルタ11は、例えばHEPAフィルタであり、外気(大気)に含まれるチリやゴミを除去する。コンプレッサー12は、導入した外気を、所定の圧力(例えば100KPa程度)に圧縮する。シーブベット13には例えばゼオライトが吸着剤として充填されており、コンプレッサー12から供給される圧縮空気から窒素と水分を吸着して、酸素濃度の高い気体(酸素ガス)を生成し、酸素ガスタンク14に供給する。図1では簡略化のためにシーブベット13が1つであるように記載しているが、複数のシーブベットを切替ながら使用する構成であってもよい。
【0016】
酸素ガスタンク14は、シーブベット13が生成する酸素ガスを蓄積する。レギュレータ15は、酸素ガスタンク14に高圧で蓄積された酸素ガスを、装置の利用者に供給するのに適切な圧力(例えば30〜40KPa程度)に低減させる。フィルタ16は所謂バクテリアフィルタであり、主に雑菌やウイルスを除去するためのフィルタである。流量制御部17は後述する操作部19による流量設定に従った供給流量を実現するオリフィスである。流量制御部17が出力する、圧力及び流量制御された原料気体としての酸素ガスは、上述のように水分をほとんど含まないため、加湿器30を通じて加湿した後、加湿気体として図示しないカニューラ等によって使用者の鼻腔や口腔等に供給される。
【0017】
本実施形態においては、後述するように、従来の酸素濃縮器と異なり、加湿器30から直接加湿酸素ガスを利用者に供給する構成を有する。
【0018】
表示部18は、例えば酸素ガスの設定流量や、各種アラームや運転状況などをLEDや液晶表示により表示する。表示の他に、又は表示とともに、警報音やメロディを出力するようにスピーカを設けても良い。
【0019】
操作部19は、例えばダイヤルやボタン、キーなどを有し、使用者が酸素ガスの流量設定を行ったり、電源のオン・オフを指示するなど、使用者が酸素濃縮器に対して指示や入力を行うために利用するユーザインタフェースである。
【0020】
制御部20は、例えばマイクロコンピュータにより実現され、図示しないROM等の不揮発性記憶装置に書き込まれた制御プログラムを読み出し、実行することによって酸素濃縮器全体の制御を行う。また、図示しない各種センサ等の出力から、表示部18を用いて各種の警報や動作表示を行う。
【0021】
なお、実際にはコンプレッサーが出力する圧縮大気の圧力や、レギュレータの出力する酸素ガスの圧力等を検出するセンサや、気体の供給を制御する弁などが含まれるが、本発明の本質とは関係ないため、説明を省略する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る酸素濃縮器の外観斜視図を示す。図2(a)は加湿器30が取り外された状態、図2(b)は加湿器30が取り付けられた状態をそれぞれ示す。後述するように本実施形態の酸素濃縮器は、加湿器30を、支持ピン50及びロックレバー40によって下部及び上部から支持する構成を有する。
【0023】
■《加湿器の構造》
図3は、本実施形態に係る加湿器30の構成例を示す図であり、図3(a)は上面図、(b)は斜視図、(c)は側面図をそれぞれ示す。また、図4は加湿器30の分解斜視図を示す。
【0024】
加湿器30は、蓋部31、タンク32及びフィルタ33に大別される。蓋部31は、タンク32の開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる。具体的には、蓋部31とタンク32とは、蓋部31をタンク32に載せた状態で右方向に例えば略3分の1回転程度することにより係合し、逆回転させることで分離する。係合した状態において、蓋部31の内面がタンク32の外周にはめ込まれたリング状のパッキン325を内側に押圧するように蓋部31の内径とタンク32に設けられたガイド326の角度が制御され、タンク32に蓄えられる、加湿媒体としての精製水及び加湿酸素ガスが係合部から外部に漏れることを防止している。
【0025】
なお、本明細書において、加湿媒体とは、加湿器に導入される原料気体(ここでは流量制御部17から導入される乾燥した酸素ガス)に水分を供給する物質を意味し、精製水そのものはもとより、精製水を含んだ物質(後述のフィルタや、精製水を含んだスポンジ等)、高保水率の気体などを含む。従って、精製水及び精製水を内部に含んだフィルタ、原料気体よりも保水率の高いタンク内雰囲気はいずれも単独で加湿媒体たりうる。
【0026】
タンク32は内部に蓄えられる精製水の水位が外部から判別できるよう、例えば透明な素材で形成されている。タンク32の底部略中央には、タンク32の内部へ向かって略漏斗状に形成されたフィルタ支持部321が形成されている。このフィルタ支持部321に例えば焼結樹脂からなり、中空円柱状のフィルタ33を差し込み、フィルタ支持部321の先端にキャップ322をはめ込むことにより、フィルタ33をタンク32に保持することができる。
【0027】
図5は、キャップ322の構成を示す図であり、図5(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は垂直断面図をそれぞれ示す。図5に示すように、キャップ322は中空に形成され、また下部には複数の孔323が設けられている。従って、加湿器30の外部と内部は、フィルタ支持部321とキャップ322内部、そしてキャップ322の孔を通じて接続され、図5(c)に示すように、フィルタ支持部321から供給される乾燥した酸素ガスは、キャップ322の内部から孔323を通じてタンク32内部に導入される。
【0028】
蓋部31の上部外周は略フランジ形状に形成され、フランジをえぐる形で複数の凹部314が設けられている。凹部314に指をかけて左及び右方向に回転させることで、滑りにくく、小さな力で蓋部31を開閉することができる。蓋部31の上面略中央には、カルデラ状の凹部312が設けられている。後述するように、本体側に設けられたロックレバー40により凹部312を押圧支持することで、加湿器30を下方から支持する支持ピン50とともに、加湿器30を回転可能に、かつ確実に支持することが可能となる。
【0029】
蓋部31の上面にはさらに、加湿酸素ガスの供給口313が左右に回転可能に設けられている。供給口313は蓋部31に設けられた孔314(図6参照)を通じてタンク32と導通しており、タンク32から供給口313に至る途中にはフロート式のフローモニタ311が形成されている。供給口313から加湿酸素ガスが出ている場合には、その気流によりフローモニタ311内部に置かれた例えば球状のフロート315が動くことにより、酸素ガスの供給がなされていること及び、フロートの動き方により大まかな流量も視覚的に認識することができる。なお、フローモニタ311として、フロート式以外の周知の構成を利用可能であることは言うまでもない。使用者は、供給口313にカニューラやマスク等のチューブを接続して加湿酸素ガスの供給を受ける。
【0030】
本実施形態においては、加湿酸素ガスの供給口313が加湿器30に設けられ、加湿器30から直接加湿酸素ガスを使用者に供給する構成を有するため、酸素ガスが加湿されてから供給口313に至る経路が非常に短く、かつこの経路はまた蓋部31を取り外すことによって容易に煮沸消毒等を行えるため、非常に衛生的である。また、フローモニタ311も加湿器30に設けられているため、使用者は酸素ガスの供給有無及び流量を容易に確認することができる。
【0031】
上述のように、本実施形態に係る酸素濃縮器は、加湿器30から直接加湿酸素を使用者に供給するように構成しているため、非常に衛生的である。また、フローモニタも加湿器30に設けているため、使用者が酸素供給の有無やその量を視覚的に認識することも可能である。加えて、加湿酸素ガスを再度本体に引き戻す必要が無くなるため、酸素濃縮器と加湿器とを1箇所のみ、すなわち乾燥した酸素ガスを加湿器30に導入するための接続箇所のみで接続すればよく、さらに加湿酸素ガスを本体に引き戻すために必要なもう1箇所を加えた2箇所で接続しなければならない従来の構成に比べ、着脱のための構成を簡単化することができる。
【0032】
さらに、加湿酸素の供給口313が蓋部31に回転可能に取り付けられているため、使用者の移動に追従して供給口313が移動し、供給口313に取り付けられるカニューラなどのチューブが供給口313との接続部で折れ曲がることがない。そのため、使用者の作業中や睡眠中にも安定して酸素供給を行うことが可能である。
【0033】
■《加湿器の支持構造》
次に、本実施形態における酸素濃縮器の、加湿器30の支持構造について説明する。前述したように、本実施形態における酸素濃縮器は、加湿器30を上下から支持する。下から支持するのが支持ピン50(図2参照)、上から支持するのがロックレバー40である。
【0034】
図2(a)の状態で、加湿器30を支持ピン50に差し込み、ロックレバー40を紙面手前方向に回転させることでロックする。加湿器30の底面において支持ピン50を受けるフィルタ支持部321は、加湿器30の底面が最も広く、徐々に狭くなっていく略漏斗形状であるため、支持ピン50の上に大まかに加湿器30を載せるだけで、支持ピン50がフィルタ支持部321内部に正しく挿入される。
【0035】
図6は、加湿器30を本体に装着した状態を示す垂直断面図であり、図2(b)の状態に対応している。
まず、本体10で加湿器30を下方から支持する支持ピン50は、中空構造であり、流量制御部17(図1参照)に接続されている。また、支持ピン50の先端部側面には孔51が設けられており、流量制御部17から供給される酸素ガスは支持ピン50の内部から孔51を通じてタンク32のフィルタ支持部321内部に流入する。なお、支持ピン50の、孔51より下部の外周にはパッキン52が設けられ、フィルタ支持部321内面と密着し、酸素ガスの漏れを防止している。また、孔51が支持ピン50の頂点ではなく、先端部の側面に設けられているのは、例えばタンク32への精製水補給時や清掃時に、フィルタ支持部321内部に残った精製水が支持ピン50内部へ流入するのを防止するためである。
【0036】
このように、支持ピン50を軸として加湿器30を支持するため、供給口313のみならず、加湿器30自体が支持ピン50の周りで回転可能であり、供給口313の位置をより自由に設定できる。
【0037】
ロックレバー40は、軸41を介して本体10に取り付けられており、軸41周りに回動可能に構成されている。そして、図示しないバネ機構により、通常は矢印Aで示す方向、すなわち図2(a)の状態になるように付勢されている。
【0038】
ロックレバー40の先端部には支持押圧部42が設けられている。支持押圧部42は上下方向に移動可能に構成され、バネ43により下方に付勢されている。支持押圧部42の下部は略球状に形成され、図6に示すロック状態では、加湿器30の蓋部31の凹部312を上方から押圧することで、加湿器30を上方から支持する。上述したように、また図6に示すように、蓋部31の凹部312はカルデラ状の形状を有しており、凹部312の周囲はなだらかに盛り上がった形状となっている。そのため、ロックレバー40を図2(a)の解放状態から図6の矢印B方向に回転させていくと、支持押圧部42の下部が蓋部31の上面に接触し、さらに回転させると、支持押圧部42がバネ43の力に逆らって上方に移動しながら隆起を乗り越え、凹部312に達して上方から押圧する。従って、加湿器30を支持ピン50の周りに回転させる際にも妨げにならない。
【0039】
バネ43と、ロックレバー40を矢印A方向に付勢する図示しないバネとは、図6に示すロック状態でロックレバー40が図2(a)の状態に戻らず、かつ支持押圧部42が凹部312周囲の隆起より外にある際には図2(a)の状態に戻るようにそれぞれの付勢力が調整されている。
【0040】
また、ロックレバー40の軸41には、ロックレバー40が解放位置からロック位置に達する所定角度矢印B方向に回転するとオンするセンサ又はスイッチ(図示せず)が設けられ、制御部20は当該センサ又はスイッチがオフの状態で操作部19から酸素ガス供給の指示が与えられた場合(もしくは供給中にロック位置から外れた場合)、表示部18にロックレバー40の位置がロック位置にないことをLEDの点灯、メッセージ表示、音声出力等によって報知する。なお、ロックレバー40がロック位置にあるか否かを検出する方法としては、軸の回転量を検出する以外の任意の方法を採用しうる。また、レバー40がロック位置にない場合には酸素ガスの加湿器30への供給を行わないように構成することも可能である。
【0041】
このように、加湿器30を上下から支持することで、加湿器30を装着する際には加湿器30を支持ピン50の上に大まかに載せ、ロックレバー40を回転させてロック位置にするだけで良く、また加湿器30を取り外す際には、ロックレバー40を少し矢印B方向に戻せばロックレバー40は解放位置に戻り、加湿器30を上方に持ち上げれば済む。
【0042】
このように、本実施形態に係る加湿器30は、本体と接続が必要な箇所が支持ピンのみであるため、2つの口に同時に接続しなければならない従来の加湿器において必要であった取付位置に対する要求が厳しくない。また、かつ水平方向への押し込みが不要で、上から加湿器を置く動作により装着が完了するため、力が無くても容易に装着できる。また、ロックレバー40を回転させるだけで加湿器の外れが容易に防止できる他、ロックバー40がロック位置にない場合に警告を行うことができ、より安全性の高い酸素濃縮器を実現できる。
【0043】
■《酸素ガスの流れ》
次に、図6に酸素ガスの流れを記入した図7を用いて酸素ガスがどのように加湿されるかについて説明する。加湿器30の使用時にはタンク32に所定量(少なくともフィルタ33の下部が水中に存在する水位まで)の精製水326が注入され、例えば焼結樹脂からなるフィルタ33は毛細管現象によりその上部まで水を含んだ状態とされる。そして、フィルタ支持部321に下方から挿入される支持ピン50の先端側面の孔51を通じて、流量制御部17から乾燥した酸素ガスが供給される。
【0044】
この酸素ガスはフィルタ支持部321内部を通り中空のキャップ322内部に達し、キャップ322に設けられた複数の孔323を通じて湿ったフィルタ33の表面(上面)に吹き付けられる。このように、乾燥した酸素ガスは、フィルタ33の表面や表層部分、タンク中の雰囲気においてそれぞれ水と接触することにより加湿され、蓋部31の孔314から供給口313を通じて外部へ供給される。
【0045】
このように、本実施形態の加湿器30は、酸素ガスを水中に放出する所謂バブリング方式とは異なり、酸素ガスの泡を生成しない非バブリング方式である。従って、泡に帰因する雑音の発生が無く、静かな部屋や睡眠中などでも好適に使用可能である。
【0046】
蓋部31の孔314から供給口313を通じて外部に至る途中で加湿ガスの流路がフローモニタ311へ分岐しており、酸素ガスの供給中フロート315が運動する。使用者はフロート315の動きにより、実際に酸素ガスが供給されていること及び、その大まかな流量を視覚的に把握することができる。
【0047】
■《他の実施形態》
なお、上述の実施形態においては、原料気体に水分を加える加湿器についてのみ説明したが、水分以外の成分を原料気体に加える場合であっても同様の構成が適用可能であることは言うまでもない。
【0048】
また、上述の実施形態においは、加湿器30を下方から支持する形態についてのみ説明したが、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるような、側方から支持される構成や、情報から吊り下げ支持される構成の加湿器であっても上述の供給口及びフローモニタの構成を適用可能である。また、加湿方法も限定されず、バブリング方式の加湿器に対しても適用可能である。
【0049】
すなわち、本発明に係る加湿器に特徴的な、加湿器から直接使用者に加湿酸素ガスを供給する構成、供給口を蓋部に対して回転可能に設ける構成及び、加湿器から供給口に至る経路にフローモニタを設ける構成は、そのいずれもが、原料気体を導入するための導入口と、加湿気体を導出するための導出口を有する全ての気体加湿器に対して適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用者に加湿気体を供給する器具を接続する供給口を気体加湿器に設けることにより、加湿気体の経路が最短化されるとともに、使用者が容易にその経路を洗浄することが可能になると言う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る酸素濃縮器の構成例を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る気体加湿器の構成を説明する外観図である。
【図4】本発明の実施形態に係る気体加湿器の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る気体加湿器のキャップ322の構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る気体加湿器を、図2に示す酸素濃縮器に取り付けた状態の構成を説明する垂直断面図である。
【図7】図6の構成における気体の流路を説明する図である。
Claims (5)
- 導入される原料気体を加湿し、加湿気体として出力する気体加湿器であって、
上部が開口した筒状形状を有し、前記気体を加湿する媒体を収容するタンクと、
前記タンクの前記開口部を覆うように着脱可能に取り付けられる蓋部と、
前記原料気体を導入するための導入口と、
前記加湿気体を使用者に供給するための器具が接続される供給口とを有し、
前記供給口が、前記蓋部に設けられることを特徴とする気体加湿器。 - 前記供給口が、前記蓋部に回転可能に設けられることを特徴とする請求項1記載の気体加湿器。
- 前記タンクから前記供給口を通じて供給される前記加湿気体の流れを視認するためのフローモニタを更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気体加湿器。
- 前記フローモニタが、前記タンクから前記供給口を通じて供給される前記加湿気体の流れによって運動するフロートを用いることを特徴とする請求項3記載の気体加湿器。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の気体加湿器と、
前記原料気体としての酸素ガスを生成する生成手段とを有することを特徴とする酸素濃縮器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003199247A JP2005034306A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 気体加湿器及びそれを用いる酸素濃縮器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003199247A JP2005034306A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 気体加湿器及びそれを用いる酸素濃縮器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005034306A true JP2005034306A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34208760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003199247A Pending JP2005034306A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 気体加湿器及びそれを用いる酸素濃縮器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005034306A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9705132B2 (en) | 2010-11-25 | 2017-07-11 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Olivine oxide-containing positive active material for rechargeable lithium battery with improved electro-conductivity, rate characteristics and capacity characteristics, method for manufacturing the same, and rechargeable lithium battery including the same |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199247A patent/JP2005034306A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9705132B2 (en) | 2010-11-25 | 2017-07-11 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Olivine oxide-containing positive active material for rechargeable lithium battery with improved electro-conductivity, rate characteristics and capacity characteristics, method for manufacturing the same, and rechargeable lithium battery including the same |
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A02 | Decision of refusal |
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