JP2003245354A - 医療用ガス加湿器 - Google Patents

医療用ガス加湿器

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JP2003245354A JP2002049566A JP2002049566A JP2003245354A JP 2003245354 A JP2003245354 A JP 2003245354A JP 2002049566 A JP2002049566 A JP 2002049566A JP 2002049566 A JP2002049566 A JP 2002049566A JP 2003245354 A JP2003245354 A JP 2003245354A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療用ガス加湿器の転倒時に、カニューラな
どの吸入手段への加湿用の水の噴出を著しく改善出来
る。 【解決手段】 医療用ガスの供給源と患者が該医療用ガ
スを吸入するための吸入手段から構成されるガス供給系
に設けられ、加湿源として水を使用する医療用加湿器に
おいて、該加湿器が少なくとも一方向に転倒した時に転
倒した方向に向かって下り勾配で傾斜し重力作用によっ
て出口に向かって移動する弁体を備えた遮断手段を備え
ることを特徴とする医療用ガス加湿器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用ガス加湿器
に関する。更に詳細には、例えば医療用酸素濃縮器、持
続的陽圧呼吸療法装置、医療用酸素ボンベなどの医療用
ガス供給源に内蔵又は付設された医療用ガス加湿器、あ
るいは医療用ガス供給源とチューブで連結し患者が移動
させて使用する携帯型医療用ガス加湿器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎等
の呼吸器系疾患に苦しむ患者が増加する傾向にあるが、
その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入療法があ
る。従来、呼吸器疾患患者に対して酸素ボンベから酸素
を提供する酸素療法が行われており、近年では空気中か
ら酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置が開発さ
れ、患者が安心して生活できる様な諸方策も講じられ、
酸素吸入療法のための治療装置として次第に普及するよ
うになってきている。
【0003】かかる酸素濃縮装置として、酸素選択透過
膜を用いた膜分離型酸素濃縮装置や、窒素又は酸素を選
択的に吸着し得る吸着剤を用いた吸着型酸素濃縮装置が
知られている。更には、酸素イオンを選択的に透過する
固体電解質膜を利用し、電気化学的に酸素を生成する装
置なども有る。吸着型酸素濃縮装置としては、コンプレ
ッサーを用いた圧力変動吸着型酸素濃縮装置があり、通
常、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床
にコンプレッサーで圧縮空気を導入して加圧状態で窒素
を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程
と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の
再生を行う脱着工程とを交互に行うことにより濃縮酸素
を得る装置である。
【0004】かかる圧力変動吸着法により生成された酸
素濃縮気体は、ほぼ絶乾に近い乾燥状態を示す為、この
ような酸素濃縮気体を患者が呼吸用に吸入すると呼吸
器、特に鼻孔や喉の内部が乾燥し不快感を覚え、時には
肺に直接届いた場合には、粘膜を傷つけるなど、体調を
害する問題があり、別途酸素濃縮気体を加湿する必要が
ある。
【0005】従って、これらの酸素吸入療法では、酸素
や酸素富化空気等の気体を患者の鼻腔に供給する際、患
者の鼻腔内の乾燥を防止するために、通常はある程度飽
和水蒸気圧近くまで加湿した状態でその気体を供給する
ような工夫がなされている。具体的には、酸素濃縮器や
酸素ボンベから供給される酸素ガスは、別途設けた気泡
形式の加湿器や、特許2857005号公報に記載の加
湿器の水面上に酸素濃縮ガスを通過させ蒸発した水分で
加湿する蒸発式加湿器で加湿した後に、カニューラやマ
スクなどの吸入手段を介して患者に供給される。
【0006】これらの加湿器は、何れも医療用ガスを加
湿するために水を使用し、患者は常に加湿器内の水の補
充や交換、雑菌の発生を防ぐための定期的な洗浄と言っ
た加湿水の管理が必要となる。一方、加湿器の装着不良
によるシール部からのガス洩れの課題があり、これらを
改善するための工夫が医療ガス供給源の供給メーカーに
よって検討されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題と同時
に、水を使用するこれら加湿器においては、加湿器が転
倒した時に、加湿気体の出口部へ向けて加湿用の水が飛
散したり、出口部が水に浸かった状態となる。この状態
で加湿器内へ医療用ガスが供給されてくると、吸入手段
を介して患者側へ一気に水が患者の鼻に向けて噴出する
といった状態が生じる。酸素濃縮装置や医療用酸素ボン
ベに内蔵或は付設された加湿器では、装置自体に転倒防
止対策が施される為、問題は少ないが、誤って転倒する
可能性が高い携帯型加湿器においては、特に重要な問題
となる。
【0008】携帯型の加湿器においても、従来より誤っ
て転倒しないよう別途設けた固定具にしっかり固定した
り、出来るだけ転倒しにくい構造とする工夫がなされて
いるが、サイズが大きくなる、設置場所が限定される、
重量が増加する、固定するために操作が増えるなど、患
者さんにとっては必ずしも使い勝手は良くない装置であ
る。
【0009】加熱発生した蒸気を放出する加湿装置、例
えば電気加温加湿装置の転倒対策については幾つかの提
案がなされている。例えば、特開2001−11630
1号公報に示されているような給水タンク内に貯えられ
た水を一時的に水受けに溜めた後、その水受け内の水を
蒸気発生部に導き、その蒸気発生部での加熱により発生
した蒸気を蒸気吹出し部から装置外に放出することによ
って加湿を行う加湿装置において、前記装置の転倒時
に、前記水受けからの水漏れを防止する手段を設けたこ
とを特徴とする加湿装置が提案されている。これらの加
湿装置は、医療用ガスの加湿を目的としたものではな
く、また吸入手段を介しての水洩れ防止を目的とした手
段ではない。従来より医療用ガス加湿器の転倒による吸
入手段への水洩れの不具合について、これまで解決する
べき手段の提案はほとんどなされていない。
【0010】特開平10−15070号公報に、患者が
吸入することを目的とした医療用ガスの供給源からマス
クなどの患者への医療ガス提供手段に至るガス配管の中
途に設置され、該ガス配管と気密的に接続されるガス導
入口と排出口とを備え、ガス導入口と排出口を結ぶガス
流通路のガス接触面の少なくとも一面を防水透湿性膜で
構成し、かつ該防水透湿膜のガス接触側反対面に加湿用
水を供給することを特徴とする医療用ガス加湿器が提案
されている。防水透過性膜を介して加湿するため、気泡
に由来する騒音がないといった効果が期待出来る。しか
し加湿水のタンクの蓋は被せるだけの構造であるため、
転倒時には水が容器よりこぼれるといった問題を有して
いる。また、水道水のように必ずしも無菌的でない水を
適用した場合に細菌やカビ等の影響で防水透過性膜の寿
命の低下やその清掃方法に関しての記載はない。
【0011】特開平11−319095号公報におい
て、酸素濃縮気体の発生手段と患者にその気体を供給す
る供給手段と酸素濃縮気体以外の不要な気体を排出する
排出手段と酸素濃縮気体を患者に供給する前に加湿する
ための加湿器を具備した圧力変動吸着型酸素濃縮装置で
あって、加湿器を着脱出来る固定手段が酸素濃縮装置に
対して着脱可能であることを特徴とする移動型酸素濃縮
装置が提案されている。かかる加湿器は小型で軽量な移
動型酸素濃縮装置を提供するといった効果が期待出来る
が、酸素濃縮装置を移動する際に転倒したり大きな振動
が加わったりする可能性が高く、加湿器内の水漏れに対
する何らかの対策を講じることが必要である。
【0012】本発明は、かかる従来の問題点を解消する
ことを目的としたものであり、医療用ガス加湿器の転倒
時に、患者が医療用ガスを吸入するためのカニューラな
どの吸入手段への水の噴出を確実に防止できる医療用ガ
ス加湿器を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を達成するために鋭意研究を行った結果、医療用ガス加
湿器に遮断機構を設置することが有効であることを見い
だし、本発明に到達した。
【0014】即ち本発明は、医療用ガスの供給源と患者
が該医療用ガスを吸入するための吸入手段から構成され
るガス供給系に設けられ、且つ加湿源として水を使用す
る医療用加湿器において、重力作用によって医療用ガス
の出口側に向かって移動する弁体を備え、該加湿器が転
倒した時に該医療用ガスの供給を遮断する遮断手段を備
えることを特徴とする医療用ガス加湿器を提供するもの
である。
【0015】また本発明は、かかる遮断手段が、該加湿
器の医療用ガス入側に接続されていることを特徴とし、
特に該加湿器が転倒した時に転倒した方向に向かって3
°以上の下り勾配で傾斜する構造を有することを特徴と
する医療用ガス加湿器を提供するものである。
【0016】また本発明は、該加湿器及び該遮断手段を
支持する筐体を有し、該加湿器が転倒した時に該遮断手
段が転倒した方向に向かって3°以上の下り勾配で傾斜
する構造の筐体を備えることを特徴とする医療用ガス加
湿器を提供するものである。
【0017】また本発明は、かかる遮断手段が円筒状部
材と球状の弁体を有し、該円筒状部材内壁と該弁体との
間に医療用ガスが流れる間隙を備えると共に、医療用ガ
スの流入口を該円筒状部材の下部に設け、該円筒部材上
部に該弁体と接合し得るシール部を備えることを特徴と
する医療用ガス加湿器を提供するものである。
【0018】更に本発明は、医療用加湿器が水を入れる
加湿ビン、及び医療用ガスの流入口と加湿された医療用
ガスの流出口を備えた蓋を備え、流出口部の蓋内部にL
字状のチューブ部材を備えたことを特徴とする医療用ガ
ス加湿器、医療用ガスの供給源と吸入手段の中途に設け
られた携帯型加湿器であることを特徴とする医療用ガス
加湿器を提供するものである。
【0019】本発明によれば、当該加湿器が転倒した時
にカニューラやマスクなどの吸入手段へ激しく水が噴出
することを改善出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の医療用ガス加湿器の一実
施形態について、必要に応じて図面を用いながら詳細に
説明する。本発明は医療用ガス加湿器として携帯型加湿
器に限らず、医療用ガス供給源に内蔵される加湿器にも
当然ながら適用可能である。
【0021】図1は、本発明の医療用ガス加湿器の使用
態様例のフローを示している。医療用ガス供給源として
例えば、医療用酸素濃縮器が挙げられる。中でも圧力変
動吸着型酸素濃縮手段と濃縮酸素を使用に供する供給手
段に加えて、必要に応じて加湿器を使用する。かかる圧
力変動吸着型酸素濃縮手段は、加圧空気を酸素と窒素の
吸着能の差がある吸着剤を充填した吸着床に供給し窒素
を吸着させて、医療用ガスである空気よりも酸素濃度の
高められた濃縮酸素又は主として酸素からなる気体等を
発生させる手段を言う。
【0022】その他の医療用ガス供給源として、睡眠時
無呼吸症候群の患者に陽圧空気を供給する継続陽圧呼吸
療法装置(CPAP)、医療用酸素ボンベなどが挙げら
れる。
【0023】医療用酸素濃縮器で生成された濃縮酸素や
高圧酸素ボンベから供給される酸素ガスはほぼ絶乾に近
い乾燥状態を示す為、本発明の医療用ガス加湿器を用い
て加湿する。加湿器の形態としては医療用酸素濃縮器本
体に内蔵されたもの、医療用酸素濃縮器と吸入手段の中
途に設けられたもの、例えば、患者が手軽に移動するこ
とが出来る携帯型加湿器が挙げられる。かかる加湿器を
通過し加湿された濃縮酸素を鼻腔内に細いチューブの先
端を挿入する鼻カニューラ形式やマスク形式の吸入手段
を介して患者が吸入する。
【0024】図2は、本発明の医療用ガス加湿器の一実
施形態の遮断機構(手段)を加湿器の医療用ガス入側に
備えた携帯型加湿器の外観を示している。図2(a)は
転倒していない状態(以下、正常状態と略す)、図2
(b)は正面に向かって左方向に転倒した状態(以下、
転倒状態と略す)を示している。この携帯型加湿器は、
医療用ガスの供給源と患者が医療用ガスを吸入するため
のカニューラなどの吸入手段とで構成されるガス供給系
に設けて使用される。筐体1には加湿瓶2と遮断機構3
が設置されている。また、患者が持ち運び出来るように
取っ手4が設置されており、床や机の上に設置した時の
安定性を持たせるための滑り止め5を備えている。ま
た、必要に応じて移動用キャスターなども設けることが
出来る。
【0025】医療用ガス供給源から供給された医療用ガ
スは供給口6よりチューブなどの導管手段を介して加湿
瓶2へと供給される。加湿瓶2の内部には医療用ガスを
加湿するための水、好ましくは衛生面への配慮から精製
水が充填されている。微細な孔が空いたバブラー7を通
過した医療用ガスは小さな気泡となり、水と界面接触し
ながら水面へと上昇する。バブル形式の加湿器において
は、水面で気泡がはじける時のブクブク音が耳障りに感
じられることもあり、加湿瓶の材質として合成樹脂、ガ
ラス、金属等の遮音効果を発揮する材料を適宜選択して
用いる必要がある。
【0026】かかる加湿器としては、前記のようなバブ
ル形式のものの他、静止水面蒸発形式のもの等があげら
れる。尚、このような携帯型のバブル形式の加湿器で
は、呼吸器疾患患者等の使用者にとって身近な距離に設
置することが出来、かつ、呼吸用気体の流れが自分の目
で直接確認出来るという安心感を与えられるので実用上
大きな利点が得られる。また加湿瓶の接続方法として、
チューブによる接続以外にも特許第257005号公報
に記載の水平方向に押し込み装着する手段を具備してい
ても良い。
【0027】医療用ガスは、遮断機構3を通過し、加湿
瓶2で加湿された後、吸入手段接続口8より患者が医療
用ガスを吸入するためのカニューラなどの吸入手段へと
供給される。かかる遮断機構3は加湿器の転倒を瞬時に
検知出来るよう筐体1に組み込むこと望ましいが、加湿
瓶2の内部に設置してもよい。
【0028】図2の(b)に示すように、転倒状態にお
いては遮断機構3を設置することで、加湿器が転倒した
時に遮断機構が作動し医療用ガスの加湿瓶2へと供給を
遮断し、加湿瓶の中の僅かな残圧による加湿水の流出を
除いて、医療用ガスの供給による吸入手段側への激しい
噴出を防止する。遮断機構は、全ての転倒方向に対して
作動することが好ましいが、必須ではなく加湿器の構造
上または取り扱い上、転倒し易い方向に対してのみ遮断
機構が作動するようにしてもよく、適宜安全に配慮した
上で選択出来る。基本的にはカニューラや延長チューブ
など使用者が引っ張って、加湿器を支持、保持する筐体
に力がかかる方向に転倒しやすいので、その方向に転倒
することを想定して遮断機構を設置する。遮断機構3が
存在しない場合は、医療用ガスが断続的に加湿瓶2へと
供給されるため、加湿瓶の中が更に加圧状態となり加湿
水が吸入手段側へと激しく噴出する。
【0029】次に、図4に加湿器の転倒時に、吸入手段
への水の噴出を防止する遮断機構の実施形態の拡大図を
示す。かかる遮断機構の例として、プラスチック製円筒
部材11内に弁体である弁球12を入れた遮断弁が挙げ
られる。この遮断機構は弁球の支持部材13のある側が
下向きとなるように加湿瓶の上下方向と出来る限り並行
に設置することが好ましい。正常状態では、図4(a)
に示したように弁球12は支持部材13上に自重で接し
医療用ガスの流れによる抗力の影響を受けない状態にあ
る。
【0030】支持部材11は正常状態では、弁体下部に
医療用ガスの流れが直接当たらないように邪魔板として
作用する。かかる目的は、医療用ガスと共に流入する可
能性がある結露水などの水の存在により弁体に大きな抗
力が働き、正常状態にもかかわらず弁体が移動すること
を防止することである。
【0031】また、かかる正常状態では医療用ガスの供
給流量が例えば0.25L/min〜10L/minの範囲で浮
遊流動しないような弁球12の材質、サイズ、プラスチ
ック製円筒部材11のサイズが選定され、医療用ガスの
流動を出来るだけ阻害しないような形状、サイズが選択
される。医療用ガス加湿器を使用中に誤って転倒させた
時には、加湿瓶内の水が瞬時に流入口14より流入す
る。
【0032】転倒状態では、図4(b)に示したように
遮断弁は転倒方向に下り勾配で傾斜し、支持部材13上
の弁球12は重力の作用を受けて転倒と共に医療用ガス
出口方向へと移動し出口に設けた縮流部15と接触し弁
球12は停止し、医療用ガスの圧力によって縮流部12
に押しつけられることで、遮断弁として機能することで
加湿瓶への医療用ガスの供給を遮断し、吸入手段への水
の噴出を防止出来る。したがって、弁球12およびプラ
スチック製円筒部材11の選定においては傾斜によって
縮流部へとスムーズに移動出来るような仕様の選定も必
要である。
【0033】このため、プラスチック製円筒部材11内
の医療用ガスが流れる流路には、弁球12の移動をスム
ーズにするため出来るだけ段差が少ないほうが好まし
い。かかる目的を達成するための好ましい形態の一つと
して実用上直径10mm以下の金属球が挙げられる。また
縮流部15には弁球とのシール性をより高める目的で、
シリコンゴム等のゴムやプラスチック、布などの一般に
シール材として用いられているものを設けることが出来
る。
【0034】遮断機構の弁球の動きを外部より確認した
い場合には、弁球12が目立つようにプラスチック製円
筒部材と異なる色であることが好ましい。水の噴出によ
り遮断機構が働いた後の復旧の方法として、流入口より
上流側に位置するチューブなどの接続部品を取り外し遮
断機構の流入口14側を大気に開放し圧を抜くといった
簡単な操作でよい。
【0035】また転倒状態において遮断機構3を確実に
動作させるため、遮断機構は、望ましくは3°以上の下
り勾配で傾斜することが好ましく、更に好ましくは5°
以上の下り勾配となるように遮断手段を設置する。転倒
時の角度は加湿器を支持する筐体の形状に依存し、図2
に示すような下面より上面の方が小さい筐体、台形状の
筐体を使用する。遮断手段が水平となった場合は、基本
的に遮断機構は作動しないが、比重の軽い球で酸素の抵
抗をうけやすい(面積が大きい)ものにしておけば、酸
素は常時流れているため、転倒時の勢いおよび空気抵抗
(抗力)により、水平或は逆勾配でもシール部へ球が移
動が可能である。
【0036】図5に遮断機構の別の実施形態の拡大図を
示す。正常状態では、図5(a)に示したように医療用
ガスは流入口14より弁体12よりも下流側に開口部が
位置する流入ノズル16よりプラスチック製円筒部材1
1内へ流入する。流入ノズル16の開口を弁体12より
も下流側に設置することで医療用ガスの流れが直接当た
らないようにする。かかる目的は、医療用ガスと共に流
入する可能性がある結露水などの水の存在により弁体に
大きな抗力が働き、正常状態にもかかわらず弁体が移動
することを防止することである。
【0037】転倒状態では、図5(b)に示したように
遮断弁は転倒方向に下り勾配で傾斜し、弁球12は重力
の作用を受けて転倒と共に医療用ガス出口方向へと移動
し出口に設けた縮流部15と接触し弁球12は停止し、
遮断弁として機能することで加湿瓶への医療用ガスの供
給を遮断し、吸入手段への水の噴出を防止出来る。した
がって、弁球12およびプラスチック製円筒部材11、
筐体の選定においては傾斜によって縮流部へとスムーズ
に移動出来るような仕様の選定も必要である。
【0038】このため、プラスチック製円筒部材11内
の医療用ガスが流れる流路に設ける勾配はゆっくり転倒
する場合も想定し遮断弁の傾斜角よりも小さくすること
が好ましい。
【0039】また、弁体の形状は、球、平板、L字板、
円錐、円柱など適宜選択することが出来る。また、その
遮断機構についても特に限定されるものではないが、転
倒と同時に医療用ガスの加湿瓶への供給を遮断する機能
を瞬時に確実に果たせるよう出来る限り簡単で合理的な
構造のものが好ましい。さらには、遮断弁の動作状態を
筐体の外部から観察出来るようにしたり、圧力センサ
ー、流量センサー、音センサー、位置センサーなどと組
み合わせて患者に状態を知らせることも出来る。
【0040】図3は加湿瓶2の蓋の斜視図を示してい
る。蓋の裏側には医療用ガスの導入口と導出口とが設け
られている。導入口に接続された医療用ガス供給用のパ
イプ9には、微細な孔の空いたバブラー7が取り付けて
ある。導出口には加湿瓶が転倒した時に導出口の開口部
が水没し水が勢いよく噴出するのを防ぐ目的で、出口の
開口部が少なくとも一方向へ転倒した時の水面より上方
に位置するようなL字状チューブ(ノズル)10を設け
ることが好ましい。また、水面より上方に位置しない場
合でも出口の開口部を水面に向けない形状とすること
で、医療用ガスの輸送手段が瞬間的に塞がった時などの
圧変動による飛沫同伴による水の噴出や加湿器出口以降
における結露の発生を改善することが可能である。すな
わち、かかる加湿瓶の蓋の構造と遮断弁の設置により、
更に、加湿水の吸入手段側への激しい噴出を改善出来
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の医療用加湿器で
は水漏れを遮断するための遮断機構を設けたことで、加
湿器が転倒した時、振動が加わった時のカニューラなど
の吸入手段への水の噴出が著しく改善されて実用上優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のフローの一例。
【図2】本発明の実施形態の遮断機構を備えた携帯型加
湿器の一例。
【図3】加湿瓶の蓋部の斜視図。
【図4】加湿器の転倒時に、吸入手段への水の噴出を防
止する遮断機構の実施形態の一例。
【図5】加湿器の転倒時に、吸入手段への水の噴出を防
止する遮断機構の実施形態の一例。
【符号の説明】
1 筐体 2 加湿瓶 3 遮断機構 7 バブラー 8 吸入手段接続口 10 L字ノズル 11 プラスチック製円筒部材 12 弁球 13 支持部材 15 縮流部 16 流入ノズル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療用ガスの供給源と患者が該医療用ガ
    スを吸入するための吸入手段から構成されるガス供給系
    に設けられ、且つ加湿源として水を使用する医療用加湿
    器において、重力作用によって医療用ガスの出口側に向
    かって移動する弁体を備え、該加湿器が転倒した時に該
    医療用ガスの供給を遮断する遮断手段を備えることを特
    徴とする医療用ガス加湿器。
  2. 【請求項2】 該遮断手段が、該加湿器の医療用ガス入
    側に接続されていることを特徴とする請求項1記載の医
    療用ガス加湿器。
  3. 【請求項3】 該遮断手段が、該加湿器が転倒した時に
    転倒した方向に向かって3°以上の下り勾配で傾斜する
    構造を有することを特徴とする請求項1〜2記載の医療
    用ガス加湿器。
  4. 【請求項4】 該加湿器及び該遮断手段を支持する筐体
    を有し、該加湿器が転倒した時に該遮断手段が転倒した
    方向に向かって3°以上の下り勾配で傾斜する構造の筐
    体を備えることを特徴とする請求項1〜3記載の医療用
    ガス加湿器。
  5. 【請求項5】 該遮断手段が円筒状部材と球状の弁体を
    有し、該円筒状部材内壁と該弁体との間に医療用ガスが
    流れる間隙を備えると共に、医療用ガスの流入口を該円
    筒状部材の下部に設け、該円筒部材上部に該弁体と接合
    し得るシール部を備えることを特徴とする請求項1〜4
    記載の医療用ガス加湿器。
  6. 【請求項6】 該医療用加湿器が水を入れる加湿ビン、
    及び医療用ガスの流入口と加湿された医療用ガスの流出
    口を備えた蓋を備え、流出口部の蓋内部にL字状のチュ
    ーブ部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5記載の
    医療用ガス加湿器。
  7. 【請求項7】 該医療用ガス加湿器が、医療用ガスの供
    給源と吸入手段の中途に設けられた携帯型加湿器である
    ことを特徴とする請求項1〜6記載の医療用ガス加湿
    器。
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