JP2005034116A - 魚信の感知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えて、釣竿の基部にいる釣人がはっきり知覚できるようにするとともに、この装置全体を簡単で小型軽量な構造にして製作コストを軽減させ利用価値を高めることのできる技術を提供すること。
【解決手段】 回動接点を有する釣糸支承環を、常時後傾姿勢をとらせるようにして釣竿の先端に位置する取付体の前端下側に設け、回動接点の近傍に固定接点を設け、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、釣竿に取り付け、釣糸を引っ張る魚の引きの力に即応して電気回路を閉じ引きが止むと電気回路を開かせることによって、電気報知器を作動させ、引きの状態を知る魚信の感知装置に関する。
釣竿に取り付けておき、釣糸を引っ張る魚の引きの力に即応して電気回路を閉じ引きが止むと電気回路を開かせることによって、電気報知器を作動させ、引きの状態を知るように構成された「魚釣り用アタリ感知器」(例えば特許文献1参照。)は従来から知られている。
なお、釣竿の竿先に取り付け、釣竿の竿先が振れるとその振れに応じて電気回路を閉じるように構成された魚信の感知装置(例えば特許文献2参照。)も知られているが、このものは、(竿先の振れによって電気回路を開閉するものであって)釣糸を引っ張る魚の引きの力に即応して電気回路を開閉させるものとはいえず、したがってアタリを感度よく知ることができるような構成を有するものとはいえないから、それと本発明を対比する説明は省略する。
前記の「魚釣り用アタリ感知器」は、リールと釣糸ガイドとを装着した釣竿の手元に取り付けるものであって、図6に示すように、釣糸32は、釣竿31の下側に多数並んで設けられた釣糸ガイドをくぐり抜け竿の先端の釣糸ガイドに至り、そこで下方に屈折し水面に向かって垂れ下がっている。
そして、スイッチ部25のON−OFFは、先端側の釣糸32が先端方向に引っ張られてつまみ部33が先端方向に若干移動したときにONになり、つまみ部33がリールの方向に若干移動したときにOFFになるように構成されている。換言すれば、この感知器のスイッチ部25のON−OFFは、つまみ部33、それに連なる釣糸32の釣竿31に沿った移動を必要不可欠の条件として行われているものといえる。
ところで、叙上の釣糸32の移動は、当然のことながら、魚による釣糸32の引っ張り力が、釣竿31の下側に多数並んで設けられた釣糸ガイドをくぐりそれらに接触しながら釣竿の先端へと導かれる釣糸32との間の摩擦、および釣竿31の先端の釣糸ガイドとそこから下方に屈折する釣糸32との間の摩擦に打ち勝ったときに、初めて行われる。それは、右の摩擦に打ち勝つだけの力で魚が釣糸32を引っ張っていないときは、スイッチがONせず感知器が作動しない、ことを意味する。
前記の技術文献1には、「魚が針先の餌に触れる感触(アタリ)を正確に感度(効率)良く認識できる」旨が記載されているが、叙上の構成からみて明らかなように、その正確さや感度の良さには自ずから限界があり、前述の諸所の摩擦に打ち勝つ力よりも小さい力で釣糸32が引っ張られている間は、アタリがあることを知ることができなかった。すなわち、開示された構成のものでは、さらに微妙な魚のアタリを逐一、如実に感知することができなかった。
また、釣竿の竿の先端に取り付ける魚信の感知装置にあっては、従来は、発光素子と電池とを並べ、発光素子を釣竿の穂先側に位置するように配置したもの(例えば、特許文献3を参照。)も知られている。
しかし、この感知装置では、発光素子が釣竿の穂先側に位置しているから、発光素子から発した光は電池に遮られて、釣竿の基部にいる釣人にはあまり良くは見えない。その光が微妙な魚のアタリを逐一、如実に反映したものであるときは、なおさらのこと、その変化を的確に看取することができなかった。
特開平6−169674号公報 特開2000−4748号公報 特開平10−210914号公報
本発明の技術課題は、先行技術がもつ上記の諸問題を解決し、小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えて釣人が的確に知覚することができるように、例えば発光素子の光を釣竿の基部にいる釣人がよくみえるように、あるいは基部近くに配置したブザーやバイブレータの音や振動を手元で聞いたり知悉したりすることができるようにするとともに、この装置全体を簡単で小形軽量な構造にして製作コストを軽減させ利用価値を高めることのできる技術を提供することにある。
小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えるために、しかもそれをリールと釣糸ガイドを備えていない釣竿に適用するようにするために、本発明は次の手段を採用した。
釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前方の下側に、釣糸支承環の支持杆を設け、該支持杆の下端近傍に水平方向に伸びる支軸を有する枢軸部を設け、該枢軸部に上部に回動接点を有する釣糸支承環の中部を軸着し、取付体の前端下側に固定接点を設け、釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにし、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環の下半部に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したところの感知部と、釣竿の先端近傍の下側にあって釣糸支承環の後方に位置して釣糸を係止する釣糸係止部とから構成した。
これにより、電気報知器は、係止点から後方の釣糸の有無とは関係なく、係止点から前方の釣糸のみによって小さな引きに即応して作動するようになった。すなわち、釣糸ガイドと釣糸の間に生じる前述の諸所の摩擦に打ち勝つ力で釣糸が引っ張られずとも、釣糸の微妙な小さな動きが、そっくりそのまま釣糸支承環を回動させる力に変えられ、その力を用いて回動接点を固定接点に接触させることが可能になった。
小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えるために、しかもそれをリールと釣糸ガイドを備えた釣竿に適用できるようにするために、本発明は次の手段を採用した。
リールと釣糸ガイドとを備えた釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前方の下側に、釣糸支承環の支持杆を設け、該支持杆の下端近傍に水平方向に伸びる支軸を有する枢軸部を設け、該枢軸部に上部に回動接点を有する釣糸支承環の中部を軸着し、取付体の前端下側に固定接点を設け、釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにし、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環の下半部に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設した。
これにより、釣糸の釣糸ガイドに対する移動が全く無い間においても、釣糸の微妙な少しの動きが、そっくりそのまま(釣糸ガイド等との間の摩擦によって妨げられることなく)、釣糸支承環を回動させる力に変えられて、その力を用いて回動接点と固定接点とを接触させることが可能となった。
小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えるために、しかもそれを一層簡略化した手段によって、リールと釣糸ガイドを備えていない釣竿に適用するようにするために、本発明は次の手段を採用した。
回動接点を有する弾性体から成る釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにして取付体の前端下側に設け、取付体の前端から少し離れた後方の下側に、固定接点を有する支持杆を設け、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したところの簡略感知部と、釣竿の先端近傍の下側にあって釣糸支承環の後方に位置して釣糸を係止する釣糸係止部とから構成した。
この、より一層簡略化された手段により、電気報知器は、係止点から後方の釣糸の有無とは関係なく、係止点から前方の釣糸のみによって小さな引きに即応して作動するようになった。
すなわち、弾性を有する釣糸支承環は取付体の前端から頭を下げた形になっているから、釣糸の微妙な小さな動きが、そっくりそのまま釣糸支承環を下方に撓ませる力に変えられ、その力を用いて回動接点を固定接点に接触させることが可能になった。
小さな微妙な魚信に敏感にかつ確実に即応して、それらを逐一、如実に感知し、その微妙な魚信を電気報知器の信号に変えるために、しかもそれを一層簡略化した手段によって、リールと釣糸ガイドを備えた釣竿に適用するようにするために、本発明は次の手段を採用した。
リールと釣糸ガイドとを備えた釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前端の下側に、回動接点を有する弾性体から成る釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにして設け、取付体の前端から少し離れた後方の下側に、固定接点を有する支持杆を設け、前記取付体を最先端の釣糸ガイドの僅か前方に位置するように形成し、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設した。
この、より一層簡略化された手段により、電気報知器は、釣糸の釣糸ガイドに対する移動が全く無い間においても、釣糸の微妙な小さい動きに即応して作動するようになった。
すなわち、弾性を有する釣糸支承環は取付体の前端から頭を下げた形になっているから、釣糸の微妙な小さな動きが、そっくりそのまま釣糸支承環を下方に撓ませる力に変えられ、その力を用いて、回動接点を固定接点に接触させることが可能になった。
微妙な魚信を発光素子の光に変えて、釣竿の基部にいる釣人がよくみえるようにするために、本発明は次の手段を採用した。
電気報知器を発光素子とし、発光素子が釣竿の基部側から直接視認できる位置にあるように、発光素子と電池とを取付体に配設した。
これにより、釣人は、何物にも妨げられることなく、釣竿の基部側から発光素子の微妙な点滅を直接視認することができる。
装置全体を簡単で小形軽量な構造にして製作コストを軽減させるために、本発明は次の手段を採用した。
取付体の素材として前方と後方に両翼を有する形の剛性の一枚板を用い、前方の翼を下方に屈曲して釣糸支承環の支持杆とし、後方の翼を下方に屈曲して取付体を釣竿の先端に位置させる取付部とした。
これにより、本発明の装置の基幹を形成する釣糸支承環の支持杆と釣竿への取付部との一体化が図られ、後はこれに釣糸支承環と電池および電気報知器を取り付けるだけでコンパクトな感知器の主要部が出来上がるから、製作コストが削減され利用価値が高められた。
本発明において、最も特筆されるべき効果すなわち利点は、夜釣り等において、魚の餌をつつく状況が如実に逐一、光の点滅等になり代わって、はっきりと知覚できることである。例えば、電気報知器として発光素子を用いた場合には、釣糸がふけて(緩められて)いるときは点灯しないが、魚が餌をつつき始め、釣糸に極めて小さな引きが加わると、それだけで発光素子等が点滅し始め、釣竿の基部にいる釣人はそれを直接目撃できる。釣竿の基部近くに電気報知器としてブザーやバイブレータを配設するようにすれば、直ぐ鼻の先でブザーの音を聞きバイブレータの振動を知悉することができる。
それによって、夜釣り等の興趣が倍増する。従来の感知装置では、魚が餌を銜え釣糸を強く引っ張ったときのみ光が発せられ、餌を軽くつついただけでは点灯しないから、餌をつつく状況等を如実に感知することができなかったが、その問題がこの発明によって解決された。
それは、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5の構成によって、釣糸の微妙な引きが、的確に逐一電気回路の開閉に反映されているからに他ならない。
この効果は、リールと釣糸ガイドを備えていない釣竿においても、リールと釣糸ガイドを備えた釣竿においても、容易に奏せられている。
本発明をリールと釣糸ガイドを備えていない釣竿に適用した場合には、釣糸係止部から後方の釣糸の有無には関係なく、魚の引きがそっくりそのまま釣糸支承環の回動ないし撓みに反映される。
本発明をリールと釣糸ガイドを備えた釣竿に適用した場合には、釣糸は、釣竿の下側に多数並んで設けられた釣糸ガイドに接触しながらくぐり抜けて竿の先端へと伸びているが、釣糸の釣糸ガイドに対する移動が生じない間においても(換言すれば、釣糸が釣糸ガイドと擦れて摩擦力が生じない間においても)、釣糸支承環を回動ないし撓ませることができる。
また、釣糸支承環の中部を軸着した本発明にあっては、魚の微妙な引きが前方の釣糸に生じると、それがそっくりそのまま釣糸支承環の回動に反映され、回動接点と固定接点との接触が可能となる。
釣竿支承環を弾性体で形成して簡略化した本発明にあっては、魚の微妙な引きが前方の釣糸に生じると、それがそっくりそのまま釣糸支承環の撓みに反映され、回動接点と固定接点との接触が可能となる。
本発明の感知装置によって奏される効果の発現例について説明する。
リールと釣糸ガイドを備え感知装置を装備した釣竿を、水面に向けて振り下ろし水中に餌を投入すると、まず、その振り下ろす動作によって竿先の発光素子が点灯する。水中に餌が投入された後、リールを巻き取り釣糸に張りを与えると、その際にも点灯する。
釣糸の張りを強めれば連続的に点灯するようになるが、張りを緩めると光は消える。そこで、釣糸の張りの強さをリールの巻き取り加減で調節して、光が消える寸前でかつ連続的に点灯している状態が維持されるようにする。すると、魚が餌をつついただけで、釣糸がふけたり張ったりして、発光素子がそれに即応して点滅するようになる。
この効果は、リールと釣糸ガイドを備えた釣竿を用い、釣糸の先に中通しのおもりを付け、その先に円錐形の螺旋でできた餌保持具と複数の釣針を付けたいわゆる“吸込み針”に対し、本発明を適用した場合において、特に効果的に発現される。しかし、それに限られることはなく、釣糸の先に浮き、おもり、針を付けた普通の釣竿に適用しても、叙上の効果が十分に得られることはいうまでもない。
本発明の他の利点は、製造コストを極めて低く押さえることができることである。
本発明の感知装置は、構造が極めて簡単であるから、設計も容易であり、製造費も高くならない。前述したように、前方と後方に両翼を有する剛性の一枚板を屈曲して作る設計にすれば、それらを屈曲した後は、これに電池や電気報知器の取付筒を取り付け、釣糸支承環を配設し、電気回路を形成するだけで主要部分が完成するから、極めて安価に製造できる。
この感知装置の感知部は、細い釣竿の先端に取り付けるものであるから、重量をできるだけ軽いものとすることが要請されているが、本発明の感知装置は小型軽量にでき、その要請にも十分応え得るものとなっている。
本発明のさらなる利点は、本発明の感知装置は使い慣れた釣竿にも簡単に取り付けられるから、その釣竿に愛着を持つ釣人の心情にも大きく訴えるところがある、という点である。
例えば、釣竿の先端の釣糸ガイドをその部分の釣竿を切り取ることによって除去し、その後に本発明の感知装置を取り付け、釣糸支承環を、除去した釣糸ガイドの代わる最先端の釣糸ガイドとして使用することもできるため、従前と全く変わらない使用感で、釣りを楽しむことができる。
本発明の技術的思想の中核は、釣竿の先端に配設された釣糸支承環をくぐり抜けた釣糸が、そこで下方に屈折し水面に向かって垂れ下がる、その垂れ下がった釣糸の小さな動きに即応して、その小さな動きをそっくりそのまま利用して、釣糸支承環を前傾する向きに回動ないし撓ませ、回動接点を固定接点に接触させるように構成した点にある。
したがって、本発明の効果を期待した通りに奏させるためには、釣糸支承環を釣竿の先端に配設することと、その釣糸支承環に常時後傾姿勢をとらせておくこととが重要であり、とりわけて右の後傾姿勢の角度が適正に選ばれているか否かが問題になる。
釣糸支承環2の後傾姿勢の角度(図1の角α)は、通常の釣りに用いる場合のものとしては、60度から65度程度が望ましいことが実験の末見出だされた。釣糸が前方に流れて釣糸の水面に対する角度が鋭角になればなるほど、釣糸が釣糸支承環2において折れ曲がる角度が小になる(あまり折れ曲がらなくなる)から、釣糸が釣糸支承環2を回動ないし撓ませる力は弱くなり、ひいては感知装置の感度が落ちることになる。しかし、通常の釣りにおいてはそのような状態になることはあまりなく、最も起こる頻度の多い状態といえば、釣竿をほぼ水平に保持して釣糸が水面に対して垂直になる場合であるから、そのような場合において釣糸の動きに敏感に反応する角度として望ましいとされる角度が60度から65度程度なのである。
なお、この後傾姿勢の角度は、一定の数値にしなければならない性質のものではなく、感知装置が用いられる釣りの諸条件、特に釣糸の水面に対する角度や必要とされる感度その他によって定められるべきものである。
リールと釣糸ガイドを備えていない釣竿に本発明を適用し、釣糸支承環の中部を軸着した場合の実施例1について説明する。
図1は、釣糸支承環の中部を軸着した本発明の骨子を示す側面図と電気配線図であり、図2は、実施例1を釣竿の軸線に沿って切断した断面図であり、図3は、実施例1を釣竿の基部方向に向かってみた正面図である。
取付体1は、釣竿の先端に位置させることのできるように形成する。例えば、取付部9を釣竿の先端に向けて次第に細くし釣竿の先に嵌挿できる筒状の形にする。形が相違する各種の釣竿に対応できるようにするには、取付部9を弾性素材で形成し、図2に示すように、下側に釣竿の基部側から軸線に沿った切溝10を入れたものとしてもよいし、図示は省略するが、切溝10に代え筒の下側を全部切り離した形にしてもよい。バネの弾性力を利用して釣竿に挟み付けるようにしてもよいことは勿論である。
取付体1の前方の下側には、釣糸支承環2の支持杆3を設ける。支持杆3は、図2および図3に示すように、軸方向の長さが短い円筒形にすることができる。図1に示したように腕を前方に差し延べた形でもよいが、この部分には魚を釣り上げるときなどに非常に大きな力がかかるから、その力を受け止めるには、前記した円筒形が好適である。
支持杆3の下端近傍には、水平方向に伸びる支軸11、11を有する枢軸部4を設け、該枢軸部4に、上部に回動接点5を有する釣糸支承環2の中部を軸着する。釣糸支承環2は、その下半部に当接する釣糸の当接力により支軸11、11を支点として回動させるものであるから、釣糸支承環2の軸着部位は、使用目的に応じ次のことを考慮して選ぶことが望ましい。すなわち、支承環2の中央よりも上方の部位を軸着したとすれば、支軸11、11より釣糸の当接点までの距離が長くなるので、小さな力で回動できる(感度が上昇する)ことになるし、中央より下方の部位を軸着したとすれば、支軸11、11より釣糸の当接点までの距離が短くなるので、より大きな力がかからないと回動しない(感度が落ちる)ことになる。
釣糸支承環2に常時後傾姿勢をとらせる手段としては、次のものがある。
固定接点6の後方の取付体1に一例としてストッパ12を設けておき、これに釣糸支承環2の上部を重力の力を借りて凭せ掛けるようにする。常時その姿勢を取らせるには、釣糸支承環2の上部に重りを付けてもよいし、軸着部位を下方にずらせて上部が重くなるようにしてもよい。そして、これら三者は、回動接点5が常時ストッパ12と固定接点6との間に位置するように配置される。釣竿をほぼ水平にして魚がかかるのを待つ通常の釣りに用いるものとしては、この場合、固定接点6が支蚰11、11の直上より僅か後方にあるように設計する必要がある。そのようにしないと、釣竿が前傾したとき、釣糸支承部2も前傾姿勢をとり回動接点5が固定接点6に接触したままになり、その後に、重力の作用で自然に元の後傾姿勢に戻るということができなくなってしまうからである。
なお、ストッパ12と釣糸支承環2の回動接点5との間を絶縁する必要があるとき(例えばストッパ12を電気伝導体でつくるとき)は、図5(b)に示すようにストッパ12をシリコンチューブ18等の絶縁体で被覆する。
釣糸支承環2に常時後傾姿勢をとらせる他の手段としては、次のものもある。
バネを釣糸支承環2または支軸11、11に係合させ、釣糸支承環2が上述した後傾姿勢から前または後ろに傾いたときはバネの力でそれを元の姿勢に戻すようにする。したがって、この場合にはストッパ12を省略することができる。
あるいは、釣糸支承環2をバネの力で反時計方向に付勢して、釣糸が引かれない間はその上端をストッパ12に軽く押し付けておくようにしてもよい。
しかし、重力に頼る前述の手段が、釣竿を前方に傾け過ぎた状態にすると釣糸支承環2が前傾姿勢を維持し続ける(回動接点が固定接点に接触し続ける)という難点を有するのに比して、後述したバネを用いる手段は、そのような問題は生じないものの、構造が若干複雑になり、製作費も嵩む。
釣糸支承環2は、図2および図3に示すように、軸方向の長さが短い円筒形にすることができる。他の形でもよいが、この部分には魚を釣り上げるときなどに非常に大きな力がかかるから、その力を受け止めるには、前記した円筒形が好適である。
また、釣糸に非常に大きな力がかかったとき、釣糸が当たる箇所に角があると、釣糸はその部で切断されてしまうという問題もある。釣糸支承環2では釣糸は急激に折曲される。したがって、その部では特に角を作らないようにする工夫が必要とされる。図2にはその一例として釣糸支承環2の内面に膨隆13を形成したものを示した。断面を右の形にした上で、その表面を弗素樹脂(例えば、テフロン)等でコーテングすればさらに切断され難くなることは明らかである。
ストッパ12と固定接点6との位置関係は本装置の使用環境や使用条件などを考慮して決める。
一例を挙げると、固定接点6とストッパ12との距離が長くなればそれは感度が鈍くなり、短くなれば感度が鋭くなることを意味するから、海釣り用としてはその距離を長めにとり川釣り用としてはその距離を短めにとる等のことが考えられる。その便に供するための一手段としては、図示は省略するが、ストッパ12を取付体1に沿って前後に摺動できる構造にし、ねじなどによってその距離を利用者が自由に随時調節できるようにすることなどが考えられる。
叙上の構成ができたら、図1に示すように、電池7の一方の電極と回動接点5とを結線し他方の電極と固定接点6とを結線して、その結線路中に電気報知器8を挿設する。結線の具体例を図2に示す。電池から出た電流は、電気報知器8に至り、そこからコード19を通り、枢軸部4の導電環を介しコード20から回動接点5に達し、回動接点5が固定接点6に触れると、電流は電気伝導体で作られた取付体1と取付体に装着された電気伝導体の取付筒14、15を経て電池に戻る。(なお、取付筒は二個設けなくともよく取付筒14のみとすることもできる。)あるいはまた、釣糸支承環を電気伝導体でつくりコード20を省略することもできる。但しその場合には、前述したように、釣糸支承環とストッパの間を絶縁しておく必要がある。
発光素子8および/または電池7を容易に抜き差しし、取り替え自在とした構造にすれば、使い勝手をさらに良くすることができる。
なお、各部の結線の際、必要箇所に絶縁体を配置したり、防水措置を施したりするのは、単なる設計事項であるから、説明を省略する。
電池7としては、棒電池やボタン電池等が用いられ、電気報知器8としては、上述の発光素子のみならず電気が流れると音を発するブザー、電気が流れると細かく振動するバイブレータその他のものであってもよいことはいうまでもない。発光素子8としては、LEDすなわち発光ダイオードのみならず、小型電球などを用いることもできる。
電気報知器8と電池7とは、図2の発光素子に示すように一線上に近接して配置しても良いし、上下に重なるように配置しても良いし、離して配置することもできる。
図示は省略するが、離して配置した一例を挙げる。電気報知器8を釣竿の先端に位置する取付体1から引き離し、それを釣竿の基部近くに配設する。釣竿の基部にリールが取付けられているときは、そのリールに隣接した釣糸ガイドの近傍に配置する。そのようにすれば、釣竿を扱う際の妨げになることもなく、釣人は、手が届く直ぐ目の前で、光の点滅を見たり、ブザーの音を聞いたり、バイブレータの振動を知悉したりすることができるようになる。
以上の手段により感知部が構成されるが、その各部相互の関連構造については、釣糸支承環2をくぐった釣糸を釣糸支承環2の下半部に当接させ後傾姿勢の釣糸支承環2を前向きに回動させることによって、回動接点5を固定接点6に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環2が逆向きに回動して回動接点5が固定接点6から離れるように構成されるように、細心の配慮が加えられなければならない。
また、この実施例1においては、釣糸ガイドを備えていないから、釣糸を釣糸支承環2の後方で釣竿に添わせておく手段すなわち釣糸係止部16が必要になる。
釣糸係止部16の一例を図5(a)に示す。これに釣糸を係止するには、取付部9を下方に屈曲するのと同時に形成した突起または円管、丸環等に釣糸を巻き付けるか結び付けるかすればよい。釣糸係止部は取付体1と一体でなく別体のものとして釣竿に固定しておいてもよい。釣糸係止部を取付体1と別体のものとするときは、釣竿にクリップ等を取り付けその弾力で釣糸を釣竿に挟み付けるようにすることが考えられる。最も簡単な釣糸係止部としては、粘着テープ等が用いられ、釣糸をそれによって釣竿または取付体1に貼り付けるようにすることもできる。
釣糸は、必要に応じ釣糸係止部から後方(釣竿の基部側)のものを除去し釣糸係止部から前方のみに存在するようにしてもよいことはいうまでもない。
リールと釣糸ガイドを備えた釣竿に本発明を適用し、釣糸支承環の中部を軸着した場合の実施例2について説明する。
なお、前述したところと重複する部分については説明を省略する。
取付体1はリールと釣糸ガイドを備えた釣竿に取り付け易い形にする。釣竿の先端の釣糸ガイドを釣竿の先端部分と共に切り取り、新たに出現した釣竿の先端部分に取付体1を取り付けるようにすることもできる。
実施例1でみた釣糸係止部は、釣糸ガイドが釣糸支承部と同様の機能を果たすから、実施例2においては必要とされない。
リールと釣糸ガイドを備えていない釣竿に簡略感知部を有する本発明を適用し、釣糸支承環を回動接点を有する弾性体とした場合の実施例3について説明する。
なお、前述したところと重複する部分については説明を省略する。
実施例3については、特に図4が参照される。
弾性釣糸支承環17は、電気伝導材料で作るときはそれ自体が回動接点5となるが、絶縁材料で作るときは回動接点5を別途付設しなければならない。支持杆3も同様に、電気伝導材料で作るときはそれ自体が固定接点6となり、絶縁材料で作るときは固定接点6を別途付設しなければならない。支持杆3は、図4では取付体1と一体のものを示したが、取付体1と別体のものとし、各別に釣竿に取り付けるようにしてもよいことは勿論である。
なお、実施例1と同様に、図示は省略したが釣糸係止部が必要とされる。
リールと釣糸ガイドを備えた釣竿に本発明を適用し、釣糸支承環を回動接点を有する弾性体とした場合の実施例4について説明する。
なお、前述したところと重複する部分については説明を省略する。
実施例4については、特に図4が参照される。
新しい釣竿を制作するときに、最初から感知装置を取付けておくようにしてもよいし、従来から使用していた釣竿に感知装置を後になって取付けるようにしてもよい。後者のときは、釣竿の先端の釣竿ガイドが付いている釣竿部分を、その釣糸ガイドと共に切り取り、残った釣竿の先端に感知装置を取り付ける。そうすれば、釣糸支承環2が切り取った釣糸ガイドの代わりになる。
釣糸係止部は、実施例2と同様に、必要とされない。
電気報知器8を発光素子とし、発光素子を釣竿の基部側に配置した実施例5について説明する。
実施例5については、特に図2が参照される。
図2には、電気報知器8を発光素子とし、発光素子が釣竿の基部側から直接視認できる位置にあるように、配置した状況が示されている。
前述したとおり、さらに、発光素子のみを釣竿の基部近くに配置するようにすれば、光の点滅を手元ではっきりと看取することができるようになる。
取付体1の素材として剛性の一枚板を用いた場合の実施例6について説明する。
実施例6については、特に図5が参照される。
金属加工の技術を用い、一枚板を図5(a)の形に打ち抜き、前方の翼21を下方に屈曲して支持杆3を形成する。後方の翼22を下方に屈曲し取付部9を作りそれと共に釣糸係止部16も形成する。中央部にコ字形の切れ目を入れ下方にその部を曲げれば、それはストッパ12となる。
支持杆3または取付部9の強度を高める必要があるときは、屈曲したそれぞれの先端縁を溶接または接着する。図2に示すように、下側に釣竿の基部側から軸線に沿った切溝10を入れたものとするのも容易である。
釣糸支承環の中部を軸着した本発明の骨子を示す側面図と電気配線図である。 実施例2を釣竿の軸線に沿って切断した断面図である。 実施例2を釣竿の基部方向に向かってみた正面図である。 実施例3または実施例4の主要部を軸線に沿って切断した断面図である。 本発明の取付体を形成する前の一枚板の一例を示し、(a)は平面図、(b)はその一部を屈曲した断面図である。 従来から知られていた感知器の斜視図である。
符号の説明
1 取付体
2 釣糸支承環
3 支持杆
4 枢軸部
5 回動接点
6 固定接点
7 電池
8 電気報知器
9 取付部
11 支軸
16 釣糸係止部

Claims (6)

  1. 釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前方の下側に、釣糸支承環の支持杆を設け、該支持杆の下端近傍に水平方向に伸びる支軸を有する枢軸部を設け、該枢軸部に上部に回動接点を有する釣糸支承環の中部を軸着し、取付体の前端下側に固定接点を設け、釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにし、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環の下半部に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したところの感知部と、釣竿の先端近傍の下側にあって釣糸支承環の後方に位置して釣糸を係止する釣糸係止部とから成ることを特徴とした魚信の感知装置。
  2. リールと釣糸ガイドとを備えた釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前方の下側に、釣糸支承環の支持杆を設け、該支持杆の下端近傍に水平方向に伸びる支軸を有する枢軸部を設け、該枢軸部に上部に回動接点を有する釣糸支承環の中部を軸着し、取付体の前端下側に固定接点を設け、釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにし、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環の下半部に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したことを特徴とする魚信の感知装置。
  3. 回動接点を有する弾性体から成る釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにして取付体の前端下側に設け、取付体の前端から少し離れた後方の下側に、固定接点を有する支持杆を設け、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したところの簡略感知部と、釣竿の先端近傍の下側にあって釣糸支承環の後方に位置して釣糸を係止する釣糸係止部とから成ることを特徴とした魚信の感知装置。
  4. リールと釣糸ガイドとを備えた釣竿の先端に位置するように形成された取付体の前端の下側に、回動接点を有する弾性体から成る釣糸支承環を常時後傾姿勢をとらせるようにして設け、取付体の前端から少し離れた後方の下側に、固定接点を有する支持杆を設け、前記取付体を最先端の釣糸ガイドの僅か前方に位置するように形成し、釣糸支承環をくぐらせた釣糸が釣糸支承環に当接するとき、その当接によって後傾姿勢の釣糸支承環を前傾する向きに回動させて回動接点を固定接点に接触させ、釣糸の前記の当接が緩められると釣糸支承環が後傾する向きに回動して回動接点が固定接点から離れるように構成し、かつ、電池の一方の電極と回動接点とを結線し他方の電極と固定接点とを結線して、その結線路中に電気報知器を挿設したことを特徴とする魚信の感知装置。
  5. 電気報知器を発光素子とし、発光素子が釣竿の基部側から直接視認できる位置にあるように、発光素子と電池とを取付体に配設したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の魚信の感知装置。
  6. 取付体の素材として前方と後方に両翼を有する形の剛性の一枚板を用い、前方の翼を下方に屈曲して支持杆とし、後方の翼を下方に屈曲して取付体を釣竿の先端に位置させる取付部としたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の魚信の感知装置。
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KR20230121895A (ko) 2020-12-22 2023-08-21 글로브라이드 가부시키가이샤 낚시 상황 관리 장치, 이것을 구비한 낚싯대 및 낚시상황 관리 시스템

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