JP2005033623A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 明るいところでは残像の無い画像を得ることができ、暗いところではランダムノイズが低減された画像を得ることができる固体撮像素子を提供すること。
【解決手段】 画素20が行列状に複数配列された画素アレイを備える。各画素20毎に、入射光から光電変換によって信号電荷を得る光電変換部1と、信号電荷を増幅する増幅部3と、光電変換部1の信号電荷を排出するリセット部2と、増幅部3によって増幅された信号を画素20の外部へ読み出す読み出し部4とを有する。リセット部2は電界効果トランジスタからなる。リセット部2をなす電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段SW1を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 画素20が行列状に複数配列された画素アレイを備える。各画素20毎に、入射光から光電変換によって信号電荷を得る光電変換部1と、信号電荷を増幅する増幅部3と、光電変換部1の信号電荷を排出するリセット部2と、増幅部3によって増幅された信号を画素20の外部へ読み出す読み出し部4とを有する。リセット部2は電界効果トランジスタからなる。リセット部2をなす電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段SW1を備える。
【選択図】 図1
Description
この発明は固体撮像素子に関し、より詳しくは、光電変換によって得られた信号電荷を排出するためのリセット手段を含む固体撮像素子に関する。
この種の固体撮像素子としては、図2に示すようなものがある。この固体撮像素子は、2次元マトリックス状に多数配列された画素20(簡単のため図中はm行n列に相当する1画素のみ示している。)を備えている。各画素20の内部には、入射した光を信号電荷に光電変換するフォトダイオード1が配置されている。フォトダイオード1のカソードは、光電変換によって得られた信号電荷を増幅する増幅トランジスタ3のゲートに接続されている。増幅トランジスタ3のドレインには、電源40から電源電位VDDが供給される電源線7が接続されている。増幅トランジスタ3のソースには、信号を読み出す行を選択する垂直選択トランジスタ4のドレインが接続されている。垂直選択トランジスタ4のソースには垂直信号線5が接続されている。垂直選択トランジスタ4のゲートに垂直走査回路14から垂直選択線9を通して垂直走査信号φSmが印加されることにより、増幅トランジスタ3によって増幅された信号が垂直選択トランジスタ4を介して垂直信号線5に読み出される。垂直信号線5と水平信号線11の間には水平選択トランジスタ10が介挿されている。水平選択トランジスタ10のゲートに水平走査回路13から水平選択線12を介して水平選択信号φHnが印加されることにより、垂直信号線5上の信号が水平選択トランジスタ10を介して水平信号線11に読み出される。
また、フォトダイオード1のカソードには、増幅トランジスタ3のゲートのほかに、リセットトランジスタ2の一方の端子が接続されている。リセットトランジスタ2の他方の端子は、リセット電源30からリセット電位VPDが供給されるリセット電源線6に接続されている。リセットトランジスタ2のゲートに垂直走査回路14から水平方向にリセット信号線8を通してリセット信号φVRmが印加されることにより、フォトダイオード1に蓄積された信号電荷がリセット電源線6に排出される。
フォトダイオード1に蓄積された信号とリセット直後の信号との差分をとることにより、画像が得られる。
従来の多くの固体撮像素子では、フォトダイオード1のリセットを行う際、リセットトランジスタ2が強反転領域で動作するようにリセット信号φRm、リセット電位VPDを設定してリセットを行っている(このリセット手法を「ハードリセット」と呼ぶ。)。つまり、リセット電位VPDを固定しておいてリセット信号φRmを‘L’の状態から‘H’の状態にしてリセットを行う。ΦRmが‘H’の状態である時のリセットゲートにかかる電位をV(H)とすると、
V(H)−VPD>Vth
(ただし、Vthはリセットトランジスタ2のしきい値電圧である。)という関係が成り立っている。この時フォトダイオード1の電位はリセット電位VPDにリセットされる。リセット信号が‘L’になることでリセットが完了する。
V(H)−VPD>Vth
(ただし、Vthはリセットトランジスタ2のしきい値電圧である。)という関係が成り立っている。この時フォトダイオード1の電位はリセット電位VPDにリセットされる。リセット信号が‘L’になることでリセットが完了する。
また、フォトダイオード1のリセットを行う際、リセットトランジスタ2が弱反転領域で動作するようにリセット信号φRm、リセット電位を設定してリセットを行う方式も知られている(このリセット手法を「ソフトリセット」と呼ぶ。)。
ところで、図3(a),(b)はフォトダイオード1からリセットトランジスタ2を経由してリセット電源30までのポテンシャルプロファイルを模式的に示している(横方向は位置を表し、縦方向はポテンシャル(下になるほど高ポテンシャルに相当する。)を表している。)。図3(a)はリセットトランジスタ2が強反転領域で動作してハードリセットが行われる状態を表し、図3(b)はリセットトランジスタ2が弱反転領域で動作してソフトリセットが行われる状態を表している。
図3(a)においてフォトダイオード1の電位はリセット電位VPDにリセットされている。ハードリセットではリセット期間中にフォトダイオード1に蓄積された電荷は完全にリセット電源線に排出され、残像の無い画像が得られる。しかし暗いところで撮像を行うと、一様な光度の被写体を撮像しても画素部のリセットの際に生じるランダムノイズ(kTCノイズ)の影響で、画像がざらついてしまう。
図3(b)においてフォトダイオード1の電位はリセットゲート下の表面ポテンシャルの電位φV(H)によって規定される。一般に弱反転領域で動作するトランジスタで発生するランダムノイズ(kTCノイズ)は強反転領域で動作するトランジスタより小さいことが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。従ってソフトリセットでは暗いところでの撮像でもハードリセットに比べて画素部のランダムノイズを低減することができる。しかしソフトリセットを行うと、フォトダイオード1に蓄積された電荷が完全にリセットドレインに排出されず一部がフォトダイオード1に残ってしまうため、前のフレームの信号が残ってしまい、特に明るいところで残像が顕著に生じてしまう。
このように、従来のハードリセットを行う固体撮像素子では暗いところでの撮像時にkTCノイズの影響で画像がざらつき、ソフトリセットを行う固体撮像素子では明るいところでの撮像時に残像が顕著になるという問題がある。
ケー・ケー・ソーンバー(K.K.Thornber)著,「電荷転送素子におけるノイズの理論(Theory of noise in charge-transfer devices)」,(米国),ザ・ベルシステム・テクニカルジャーナル(THE BELL SYTEM TECHNICAL JOURNAL),1974年9月,第53巻,第7号,p.1211−1262
ケー・ケー・ソーンバー(K.K.Thornber)著,「電荷転送素子におけるノイズの理論(Theory of noise in charge-transfer devices)」,(米国),ザ・ベルシステム・テクニカルジャーナル(THE BELL SYTEM TECHNICAL JOURNAL),1974年9月,第53巻,第7号,p.1211−1262
そこで、この発明の課題は、明るいところでは残像の無い画像を得ることができ、暗いところではランダムノイズが低減された画像を得ることができる固体撮像素子を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の固体撮像素子は、
画素が行列状に複数配列された画素アレイを備え、
上記各画素毎に、入射光から光電変換によって信号電荷を得る光電変換部と、上記信号電荷を増幅する増幅部と、上記光電変換部の信号電荷を排出するリセット部と、上記増幅部によって増幅された信号を上記画素の外部へ読み出す読み出し部とを有する固体撮像素子であって、
上記リセット部は電界効果トランジスタからなり、
上記電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段を備えたことを特徴とする。
画素が行列状に複数配列された画素アレイを備え、
上記各画素毎に、入射光から光電変換によって信号電荷を得る光電変換部と、上記信号電荷を増幅する増幅部と、上記光電変換部の信号電荷を排出するリセット部と、上記増幅部によって増幅された信号を上記画素の外部へ読み出す読み出し部とを有する固体撮像素子であって、
上記リセット部は電界効果トランジスタからなり、
上記電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段を備えたことを特徴とする。
この発明の固体撮像素子では、上記リセット部をなす電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段を備える。例えば明るいところでの撮像時には、リセット切替手段によって、上記電界効果トランジスタを強反転領域で動作させることができる(ハードリセット)。このようにした場合、光電変換部に蓄積された信号とリセット直後の信号と(いずれも増幅部によって増幅され読み出し部によって読み出されたもの。以下同様。)の差分をとることにより、残像の無い画像が得られる。なお、明るいところでの撮像時には、画像信号に対してノイズの値が相対的に小さくなるので、ランダムノイズは問題にならない。一方、暗いところでの撮像時には、リセット切替手段によって、上記電界効果トランジスタを弱反転領域で動作させることができる(ソフトリセット)。このようにした場合、光電変換部に蓄積された信号とリセット直後の信号との差分をとることにより、ランダムノイズが低減された画像が得られる。なお、暗いところでの撮像時には、残像は問題にならない。
一実施形態の固体撮像素子では、上記画素アレイ内の画素を行単位に選択する垂直走査回路と、上記画素アレイ内の画素を列単位に選択する水平走査回路とを有するのが望ましい。これにより、上記画素アレイ内の各画素の信号が得られる。
一実施形態の固体撮像素子は、
リセット電位を供給するためのリセット用電圧線を備え、
上記電界効果トランジスタは上記光電変換部と上記リセット用電圧線との間に介挿され、
上記リセット切替手段は、上記リセット電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする。
リセット電位を供給するためのリセット用電圧線を備え、
上記電界効果トランジスタは上記光電変換部と上記リセット用電圧線との間に介挿され、
上記リセット切替手段は、上記リセット電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする。
「リセット電位」は、上記増幅部等のための電源電位とは別に、独立して設定され得るものとする。
この一実施形態の固体撮像素子では、上記電界効果トランジスタは上記光電変換部と上記リセット用電圧線との間に介挿されている。そして、上記リセット切替手段は、上記リセット電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定する。したがって、上記電界効果トランジスタの状態を簡単な構成で切り替えることができる。
なお、上記リセット部をなす電界効果トランジスタの状態は、強反転領域から弱反転領域へ、または弱反転領域から強反転領域へ切り替えることができる。
一実施形態の固体撮像素子は、上記リセット切替手段は、上記電界効果トランジスタのゲート電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする。
この一実施形態の固体撮像素子では、上記リセット切替手段は、上記電界効果トランジスタのゲート電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定する。したがって、上記電界効果トランジスタの状態を簡単な構成で切り替えることができる。
一実施形態の固体撮像素子は、画素の走査と同期して定められるリセット期間中に、上記リセット切替手段は、上記電界効果トランジスタの状態を強反転領域から弱反転領域へ遷移させることを特徴とする。
この一実施形態の固体撮像素子では、画素の走査と同期して定められるリセット期間中に、まず上記電界効果トランジスタ強反転領域で動作させることができ(ハードリセット)、続いて上記電界効果トランジスタを弱反転領域で動作させることができる(ソフトリセット)。したがって、まずハードリセットによって残像の無いリセットを行い、続いてランダムノイズが低減されたリセットを行うことができる。よって、残像が無く、かつランダムノイズが低減された画像が得られる。
一実施形態の固体撮像素子は、上記リセット切替手段は、この素子の外部からの制御信号に基づいて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする。
この一実施形態の固体撮像素子では、上記リセット切替手段は、この素子の外部からの制御信号に基づいて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定する。上記外部からの制御信号は、例えば明るいところでの撮像時にはハードリセットを表し、暗いところでの撮像時にはソフトリセットを表すものとする。このようにした場合、明るいところでの撮像時には、リセット切替手段によって、上記電界効果トランジスタを強反転領域で動作させることができる(ハードリセット)。一方、暗いところでの撮像時には、リセット切替手段によって、上記電界効果トランジスタを弱反転領域で動作させることができる(ソフトリセット)。
このように、この発明の固体撮像素子によれば、明るいところでは残像の無い画像を得ることができ、暗いところではランダムノイズが低減された画像を得ることができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の概略構成を示している。この固体撮像素子は、図2に示した従来の固体撮像素子と基本的に同様に、2次元マトリックス状に多数配列された画素20(簡単のため図中はm行n列に相当する1画素のみ示している。)を備えている。各画素20の内部には、入射した光を信号電荷に光電変換する光電変換部としてのフォトダイオード1が配置されている。フォトダイオード1のカソードは、光電変換によって得られた信号電荷を増幅する増幅部としての増幅トランジスタ3のゲートに接続されている。増幅トランジスタ3のドレインには、電源40から電源電位VDDが供給される電源線7が接続されている。増幅トランジスタ3のソースには、信号を読み出す行を選択する読み出し部としての垂直選択トランジスタ4のドレインが接続されている。垂直選択トランジスタ4のソースには垂直信号線5が接続されている。垂直選択トランジスタ4のゲートに垂直走査回路14から垂直選択線9を通して垂直走査信号φSmが印加されることにより、増幅トランジスタ3によって増幅された信号が垂直選択トランジスタ4を介して垂直信号線5に読み出される。垂直信号線5と水平信号線11の間には水平選択トランジスタ10が介挿されている。水平選択トランジスタ10のゲートに水平走査回路13から水平選択線12を介して水平選択信号φHnが印加されることにより、垂直信号線5上の信号が水平選択トランジスタ10を介して水平信号線11に読み出される。
また、フォトダイオード1のカソードには、増幅トランジスタ3のゲートのほかに、リセット部としてのリセットトランジスタ2の一方の端子が接続されている。リセットトランジスタ2の他方の端子は、リセット用電圧線としてのリセット電源線6に接続されている。
この実施形態では、リセット電源線6は、リセット切替手段としてのスイッチSW1を介して、リセット電源31(電位VPD1)またはリセット電源32(電位VPD2)に接続される。したがって、スイッチSW1を切り替えることによって、リセット電源31からリセット電位VPD1またはリセット電源32からリセット電位VPD2がリセット電源線6に供給され、したがってリセットトランジスタ2に供給される。なお、リセット電位VPD1,VPD2は、電源電位VDDとは独立している。
リセットトランジスタ2のゲートに垂直走査回路14から水平方向にリセット信号線8を通してリセット信号φVRmが印加されることにより、フォトダイオード1に蓄積された信号電荷がリセット電源線6を介してリセット電源31または32へ排出される。
フォトダイオード1に蓄積された信号とリセット直後の信号と(いずれも増幅トランジスタ3によって増幅され読み出し部によって読み出されたもの。以下同様。)の差分をとることにより、画像が得られる。
図4(a),(b)はフォトダイオード1からリセットトランジスタ2を経由してリセット電源31または32までのポテンシャルプロファイルを模式的に示している(横方向は位置を表し、縦方向はポテンシャル(下になるほど高ポテンシャルに相当する。)を表している。)。
図4(a)ではスイッチSW1の切り替えによってリセット電源31からリセット電位VPD1が供給されている。リセット信号ΦRmは‘H’の状態にあり、ハードリセットが行われるようにリセット電位VPD1が設定されている。よって、スイッチSW1の切り替えによってリセット電位VPD1が供給されている時はリセットトランジスタ2は強反転領域で動作し、ハードリセットが行われる。
図4(b)ではスイッチSW1の切り替えによってリセット電源32からリセット電位VPD2が供給されている。リセット信号ΦRmは‘H’の状態にあり、ソフトリセットが行われるようにリセット電位VPD2が設定されている。よって、スイッチSW1の切り替えによってリセット電位VPD2が供給されている時はリセットトランジスタ2は弱反転領域で動作し、ソフトリセットが行われる。
この例では、スイッチSW1をリセット電源31とリセット電源32のいずれに切り替えるか、つまり、リセット電位をVPD1とVPD2のいずれに設定するかは、この素子の外部に設置されている信号処理回路(図示せず)からの制御信号に基づいて決定される。この信号処理回路は例えば画素信号の波高分布等から画像(撮像対象)の明暗を判定する。そして、明るいところでの撮像時には、リセット電位VPD1によるハードリセットを行うように、スイッチSW1をリセット電源31に切り替えるための制御信号を出力する。一方、暗いところでの撮像時には、リセット電位VPD2によるソフトリセットを行うように、スイッチSW1をリセット電源32に切り替えるための制御信号を出力する。
このようにした場合、明るいところでの撮像時には、リセットトランジスタ2を強反転領域で動作させることができ(ハードリセット)、したがって残像の無い画像が得られる。なお、明るいところでの撮像時には、画像信号に対してノイズの値が相対的に小さくなるので、ランダムノイズは問題にならない。一方、暗いところでの撮像時には、リセットトランジスタ2を弱反転領域で動作させることができ(ソフトリセット)、したがってランダムノイズが低減された画像が得られる。なお、暗いところでの撮像時には、残像は問題にならない。
当然ながら、上述のような信号処理回路を固体撮像素子と一体に、同一の半導体基板上に備えても良い。
次に、本発明の第2実施形態の固体撮像素子について説明を行う。この第2実施形態の固体撮像素子の概略構成図は、図2に示した従来の固体撮像素子のものと基本的に同様である。
この実施形態の固体撮像素子が、従来の固体撮像素子と構成を異にするのは、リセットトランジスタ2のゲートに接続されているリセット信号線8に供給されるリセット信号φRmが、ハードリセットのための値 ‘H1’とソフトリセットのための値‘H2’とをとり得る点である(なお、リセットを行わない時は低レベルの値‘L’をとる。)。
図6は、この実施形態における垂直走査回路14に含まれた、リセット信号φRmを出力するバッファ回路50の構成を示している。リセット信号線8は同一行にある全てのリセットトランジスタ2のゲートに接続されているので、通常は数pF程度の容量負荷が存在している。この容量負荷を駆動するためにリセット信号を出力する垂直走査回路14の最終段にはバッファ回路が設けられている。
図6のバッファ回路50は、Pチャネル型MOSトランジスタ51とNチャネル型MOSトランジスタ52とが直列に接続されたインバータ回路の構成をとっている。
この実施形態では、リセット切替手段としてのスイッチ53を切り替えることによって、第1電源61から電位VDD1または第2電源62から電位VDD2がインバータ回路50(Pチャネル型MOSトランジスタ51)に供給される。なお、電位VDD1,VDD2は、図2中の電源電位VDDとは独立している。
このインバータ回路50は、入力信号φRm0が‘H’である時は出力信号φRmとして‘L’を出力する。また、入力信号φRm0が‘L’である時は、スイッチ53が第1電源61に接続されていれば出力信号φRmとして‘H1’を、スイッチ53が第2電源62に接続されていれば出力信号φRmとして‘H2’を出力する。
図5(a),(b)はフォトダイオード1からリセットトランジスタ2を経由してリセット電源30までのポテンシャルプロファイルを模式的に示している(横方向は位置を表し、縦方向はポテンシャル(下になるほど高ポテンシャルに相当する。)を表している。)。
図5(a)では、スイッチ53(図6参照)の切り替えによって、リセットトランジスタ2のゲートにリセット信号ΦRmとして‘H1’が供給されている。リセット電位はVPDに設定されている。その結果、リセットトランジスタ2は強反転領域で動作し、ハードリセットが行われる。
図5(b)では、スイッチ53(図6参照)の切り替えによって、リセットトランジスタ2のゲートにリセット信号ΦRmとして‘H2’が供給されている。リセット電位はVPDに設定されている。その結果、リセットトランジスタ2は弱反転領域で動作し、ソフトリセットが行われる。
この例では、スイッチ53を第1電源61と第2電源62のいずれに切り替えるか、つまり、リセット信号ΦRmとして‘H1’と‘H2’のいずれに設定するかは、この素子の外部に設置されている信号処理回路(図示せず)からの制御信号に基づいて決定される。この信号処理回路は例えば画素信号の波高分布等から画像(撮像対象)の明暗を判定する。そして、明るいところでの撮像時には、リセット信号ΦRm=‘H1’によるハードリセットを行うように、スイッチ53を第1電源61に切り替えるための制御信号を出力する。一方、暗いところでの撮像時には、リセット信号ΦRm=‘H2’によるソフトリセットを行うように、スイッチ53を第2電源62に切り替えるための制御信号を出力する。
このようにした場合、明るいところでの撮像時には、リセットトランジスタ2を強反転領域で動作させることができ(ハードリセット)、したがって残像の無い画像が得られる。なお、明るいところでの撮像時には、画像信号に対してノイズの値が相対的に小さくなるので、ランダムノイズは問題にならない。一方、暗いところでの撮像時には、リセットトランジスタ2を弱反転領域で動作させることができ(ソフトリセット)、したがってランダムノイズが低減された画像が得られる。なお、暗いところでの撮像時には、残像は問題にならない。
当然ながら、上述のような信号処理回路を固体撮像素子と一体に、同一の半導体基板上に備えても良い。
次に、本発明の第3実施形態の固体撮像素子について説明を行う。この第3実施形態の固体撮像素子の概略構成図は、図1に示した固体撮像素子のものと基本的に同様である。
この実施形態の固体撮像素子が、従来の固体撮像素子と構成を異にするのは、図7に示すように、垂直走査と同期して定められるリセット期間中にスイッチSW1を切り替えて、そのリセット期間中にリセット電源線6の電位をVPD1からVPD2へ遷移させても良い。この例では、リセット期間はリセット信号線の電位がVPD1である期間T1とリセット信号線の電位がVPD2であるT2の期間から成る。
この実施形態では、リセット期間中に、まずリセットトランジスタ2を強反転領域で動作させることができ(ハードリセット)、続いてリセットトランジスタ2を弱反転領域で動作させることができる(ソフトリセット)。したがって、まずハードリセットによって残像の無いリセットを行い、続いてランダムノイズ(kTCノイズ)が低減されたリセットを行うことができる。よって、残像が無く、かつランダムノイズが低減された画像が得られる。
以上に挙げたリセット法は水平ブランキング期間に同一行の画素を同時にリセットするリセット方式や水平読み出し期間に読み出す画素毎にリセットを行うリセット方式によることなく、リセットを行う全てのリセット方式に適用することができる。
1 フォトダイオード
2 リセットトランジスタ
3 増幅トランジスタ
4 垂直選択トランジスタ
13 水平走査回路
14 垂直走査回路
20 画素
53,SW1 スイッチ
2 リセットトランジスタ
3 増幅トランジスタ
4 垂直選択トランジスタ
13 水平走査回路
14 垂直走査回路
20 画素
53,SW1 スイッチ
Claims (5)
- 画素が行列状に複数配列された画素アレイを備え、
上記各画素毎に、入射光から光電変換によって信号電荷を得る光電変換部と、上記信号電荷を増幅する増幅部と、上記光電変換部の信号電荷を排出するリセット部と、上記増幅部によって増幅された信号を上記画素の外部へ読み出す読み出し部とを有する固体撮像素子であって、
上記リセット部は電界効果トランジスタからなり、
上記電界効果トランジスタを強反転領域で動作させるか弱反転領域で動作させるかを切り替えて設定するリセット切替手段を備えたことを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子において、
リセット電位を供給するためのリセット用電圧線を備え、
上記電界効果トランジスタは上記光電変換部と上記リセット用電圧線との間に介挿され、
上記リセット切替手段は、上記リセット電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子において、
上記リセット切替手段は、上記電界効果トランジスタのゲート電位を変化させて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子において、
画素の走査と同期して定められるリセット期間中に、上記リセット切替手段は、上記電界効果トランジスタの状態を強反転領域から弱反転領域へ遷移させることを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子において、
上記リセット切替手段は、この素子の外部からの制御信号に基づいて、上記電界効果トランジスタの状態を弱反転領域又は強反転領域に設定することを特徴とする固体撮像素子。
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JP2003272083A JP2005033623A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 固体撮像素子 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103095998A (zh) * | 2011-11-02 | 2013-05-08 | 索尼公司 | 图像拍摄单元和图像拍摄显示系统 |
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2003
- 2003-07-08 JP JP2003272083A patent/JP2005033623A/ja active Pending
Cited By (3)
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