JP2005032973A - 半導体の製造方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマ処理室の内壁から発生する反射散乱光の影響を受けることなく、被処理基板全面にわたり異物検出が可能になると同時に、プラズマ処理室の内壁の汚染状況をモニタリングできる技術を提供することにある。
【解決手段】本発明は、処理室内にプラズマを発生させて被処理基板に対して処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法において、所望の周波数で強度変調した光を前記処理室内に照射する照射ステップと、前記処理室の内壁で発生する反射散乱光をフレネル領域および結像領域において遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換し、該変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分の信号を抽出する検出ステップと、該検出ステップで抽出された周波数成分の信号に基いて前記処理室内の異物の発生状況を算出する算出ステップとを有する異物検出工程を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、処理室内にプラズマを発生させて被処理基板に対して処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法において、所望の周波数で強度変調した光を前記処理室内に照射する照射ステップと、前記処理室の内壁で発生する反射散乱光をフレネル領域および結像領域において遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換し、該変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分の信号を抽出する検出ステップと、該検出ステップで抽出された周波数成分の信号に基いて前記処理室内の異物の発生状況を算出する算出ステップとを有する異物検出工程を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理室内の半導体基板や液晶基板などの被処理基板に所望の半導体製造処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法およびその装置に係り、特に、薄膜の生成(成膜)やエッチング等の加工を行う処理室(プラズマ処理室)内に浮遊した異物及び処理室の汚染状況を、in−situ計測する機能を備えた半導体の製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング装置を始めとして、プラズマを用いた処理が半導体製造工程や液晶表示装置用基板製造工程に広く適用されている。
【0003】
プラズマを用いた処理装置の1例として、平行平板形プラズマエッチング装置がある。この種の装置は、シグナルジェネレータからの高周波信号によりパワーアンプの出力電圧を変調し、この高周波電圧を分配器により分配して、処理室内において互いに平行に配置した上部電極と下部電極の間に印加し、両電極間での放電によりエッチング用ガスからプラズマを発生させ、その活性種で被処理体としての、例えば半導体基板(ウェハ)Wをエッチングするようになっている。高周波信号としては、例えば400kHz程度の周波数が用いられる。
【0004】
上記プラズマエッチング装置では、プラズマ処理によるエッチング反応によって生成された反応生成物が、プラズマ処理室の壁面あるいは電極に堆積し、これが時間経過に伴い、剥離して浮遊異物となることが知られている。この浮遊異物は、エッチング処理が終了しプラズマ放電が停止した瞬間に、ウェハ上に落下して付着異物となり、回路の特性不良やパターン外観不良を引き起こす。そして、最終的には、歩留まりの低下や素子の信頼性低下の原因となる。
【0005】
上記ウェハ表面に付着した異物を検査する装置は、多数報告され実用化されているが、これらは、プラズマ処理装置から一旦ウェハを抜き出して検査を行うもので、異物が多く発生していると判った時点では、既に他のウェハの処理が進んでおり、不良の大量発生による歩留まりの低下の課題がある。また、処理後の評価では、処理室内の異物発生の分布、経時変化などは判らない。
【0006】
従って、処理室内の汚染状況をin−situでリアルタイムモニタする技術が、半導体製造や液晶製造等の分野で求められている。
【0007】
処理室内で浮遊する異物の大きさは、サブミクロンから数百μmの範囲であるが、256MbitDRAM(Dynamic Random Access Memory)、さらには1GbitDRAMへと高集積化が進む半導体の分野においては、回路パターンの最小線幅は0.25〜0.18μmと微細化の一途を辿っており、検出すべき異物の大きさもサブミクロンオーダが要求されている。
【0008】
プラズマ処理室等の処理室(真空処理室)内に浮遊した異物をモニタする従来技術としては、特開昭57−118630号公報(従来技術1)、特開平3−25355号公報(従来技術2)、特開平3−147317号公報(従来技術3)、特開平6−82358号公報(従来技術4)、特開平6−124902号公報(従来技術5)、特開平10−213539号公報(従来技術6)、特開平11−251252号公報(従来技術7)及び特開平11−330053号公報(従来技術8)に開示された技術が挙げられる。
【0009】
特に、上記従来技術7には、処理室内にプラズマを発生させ、該プラズマによって被処理物に対して処理するプラズマ処理方法及び装置において、所望の波長を有し、所望の周波数で強度変調したS偏光レーザビームを偏光ビームスプリッタで反射させでガルバノミラー(光走査手段)で反射させて前記処理室内に走査して照射する照射光学系と、前記処理室の内壁や観測用窓からのS偏光反射光を上記偏光ビームスプリッタで反射させ、前記処理室内の浮遊異物から得られる後方散乱光の内P偏光成分を上記偏光ビームスプリッタを透過させ、該透過したP偏光成分の後方散乱光を前記所望の波長成分で分離して受光して信号に変換する散乱光検出光学系と、該散乱光検出光学系から得られる信号から前記強度変調した所望の周波数成分を抽出することによってプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を示す信号を前記プラズマによるものから分離して検出する異物信号抽出手段とを備えたプラズマ浮遊異物計測装置を用いて前記処理室内に発生したプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を計測することが開示されている。さらに、上記従来技術7には、レーザ照射光学系のレーザ照射光軸をウェハの面に平行な水平面に対して傾斜させることによって、処理室の内壁や観測用窓からの反射光を下に向け、処理室の内壁からの反射散乱光が上記散乱光検出光学系に入射するのを低減することも開示されている。
【0010】
また、上記従来技術8には、処理室内にプラズマを発生させ、該プラズマによって被処理物に対して処理するプラズマ処理方法及び装置において、所望の波長を有し、所望の周波数で強度変調した複数のP偏光レーザビームを偏光ビームスプリッタを透過させてガルバノミラー(光走査手段)で反射させて処理室内に走査照射する照射光学系と、前記処理室の内壁や観測用窓からのP偏光反射光を上記偏光ビームスプリッタを透過させ、前記処理室内の浮遊異物から得られる後方散乱光の内S偏光成分を上記偏光ビームスプリッタで反射させ、該反射したS偏光成分の後方散乱光を前記波長成分で分離して受光して信号に変換する散乱光検出光学系と、その信号から前記強度変調した所望の周波数成分を抽出することによってプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を示す信号を前記プラズマによるものから分離して検出する異物信号抽出手段と、該異物信号抽出手段から検出される浮遊した異物を示す信号からノイズ成分を除去するノイズ除去手段とを備えたプラズマ浮遊異物計測装置を用いて背景雑音を消去し、異物散乱信号を強調することによって前記処理室内に発生したプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を計測することが開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開昭57−118630号公報
【特許文献2】
特開平3−25355号公報
【特許文献3】
特開平3−147317号公報
【特許文献4】
特開平6−82358号公報
【特許文献5】
特開平6−124902号公報
【特許文献6】
特開平10−213539号公報
【特許文献7】
特開平11−251252号公報
【特許文献8】
特開平11−330053号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一方、256MbitDRAM、さらには1GbitDRAMへと高集積化が進む半導体の分野においては、回路パターンの最小線幅は0.25〜0.18μmと微細化の一途を辿っており、検出すべき異物の大きさもサブミクロンオーダが要求されている。
【0013】
上記従来技術7および8では、サブミクロンオーダ以下の異物からの散乱光とプラズマ発光との分離を可能にしている。
【0014】
しかしながら、上記従来技術7に開示されているように、プラズマ処理室の内壁からの散乱反射光を散乱光検出光学系にできるかぎり入射させないようにするために、レーザ照射光学系のレーザ照射光軸をウェハの面に平行な水平面に対して傾斜させると、ウェハ上の領域において浮遊異物の検出感度が異なってくるという課題を有していた。
【0015】
また、上記従来技術7および8に記載されているように、プラズマ処理室の観測用窓や内壁からの反射光を偏光ビームスプリッタで反射または透過させて光ファイバで受光しないようにしているが、プラズマ処理室の内壁は反応生成物が堆積したりして様々状態が考えられ、そのためプラズマ処理室の内壁からは照射偏光成分のみの反射光とならず、偏光ビームスプリッタで透過または反射して光ファイバで受光してしまう現象が生じ、その結果、サブミクロンオーダ以下の浮遊微小異物を検出することを困難にしているという課題を有していた。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、プラズマ処理室の内壁から発生する反射散乱光の影響を受けることなく、被処理基板全面にわたり異物検出が可能になると同時に、プラズマ処理室の内壁の汚染状況をモニタリングでき、その結果高品質の半導体素子を高歩留まりで製造が可能になり、しかも装置クリーニング時期を正確に把握することができる半導体の製造方法およびプラズマ処理装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、プラズマ処理室の内壁からの反射散乱光をほぼ完全に遮光して被処理基板上の浮遊微小異物からの微弱な散乱光を検出できるようにした方法および装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の更に他の目的は、被処理基板上空全面の異物発生状況を算出してプラズマ処理室の内壁の汚染状況を判定できるようにした方法および装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、処理室内にプラズマを発生させ、該発生したプラズマによって被処理基板に対して処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法およびプラズマ処理装置において、所望の周波数で強度変調した光を照射用窓を通して前記処理室内に照射する照射ステップと、該照射ステップで前記強度変調した光を照射することによって観測用窓を通して得られる前記処理室の内壁で発生する反射散乱光を遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換し、該変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分を抽出する検出ステップと、該検出ステップで抽出された周波数成分に基いて前記処理室内の異物の発生状況(異物の個数、大きさ、分布等)を算出する算出ステップとを有する異物検出工程を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁で発生する反射散乱光をフレネル領域および結像領域において遮光することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁から発生する反射散乱光を、前記フレネル領域に設けられた輪帯状空間フィルタおよび前記結像領域に設けられた空間フィルタで遮光することを特徴する。
【0022】
また、本発明は、前記異物検出工程において、前記照射ステップにおける前記照射用窓と前記検出ステップにおける前記観測用窓を同一にしたことを特徴とする。また、本発明は、前記異物検出工程の照射ステップにおいて、前記照射用窓の入射面を照射光軸に対して傾斜させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記異物検出工程の算出ステップにおいて、前記算出された異物の発生状況に基いて前記処理室の内壁の汚染状況を判定することを特徴とする。また、本発明は、前記算出された異物の発生状況に基いてプラズマ処理を停止させるなど制御することを特徴とする。また、本発明は、前記算出された異物の発生状況または処理室の内壁の汚染状況をディスプレイ等の表示手段に表示することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を、図1〜図22に基づいて説明する。
【0025】
なお、以下に述べる本発明の各実施形態では、プラズマドライエッチング装置に利用されている、平行平板形プラズマエッチング装置での実施例を示すが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、本発明は、スパッタ装置やCVD装置などの薄膜生成(成膜)装置、あるいは、ECRエッチング装置やマイクロ波エッチング装置、またはアッシング装置などの各種薄膜生成、加工装置への適用が可能である。
【0026】
図1は、本実施形態に係る、処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置の構成を示す図である。
【0027】
図1に示すように、プラズマエッチング装置では、シグナルジェネレータ83からの高周波信号によりパワーアンプ84の出力電圧を変調し、該変調された出力波電圧を分配器85によって分配して、プラズマ処理室86内において互いに平行に配置された上部電極81と下部電極82の間に印加して、上記上部および下部電極間での放電によりエッチグ用ガスからプラズマ71を発生させ、該プラズマ中の活性種により被処理基板としての半導体基板(ウェハ)Wをエッチングする。上記高周波信号の周波数としては、例えば、400kHzが用いられる。
【0028】
そのため、特開平11−251252号公報に記載されているように、プラズマ励起周波数を400kHzとした場合、プラズマ発光の周波数スペクトルは、様々な周波数成分を持ったノイズ成分の上に直流成分と基本周波数400kHzの成分、その2倍の成分、その3倍の成分、その4倍の成分などと離散的に存在し、周波数領域において空き領域が存在する。さらに、プラズマ71からは様々な波長成分(主には300nm(近紫外光)〜490nm(青色)程度)を持った光が発光されることになる。
【0029】
上記処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置は、主としてレーザ照明光学系2000と、散乱光検出光学系2001と、制御・信号処理系2002とにより構成される。そして、レーザ照明光学系2000と散乱光検出光学系2001における照明光投光部・検出光射出部は、プラズマ処理室86の側面に設けられた傾斜窓ガラス11および観測用窓(照射用窓)10に対向するように配置されている。
【0030】
レーザ照明光学系2000では、まず、レーザ光源(プラズマが主に発光する300nm(近紫外光)〜490nm(青色)とは異なる例えば波長532nm(緑色))12から出射されたビーム101を音響光学変調器14に入射する。音響光学変調器等の強度変調器14は、発振器13から出力された例えば周波数170kHz、好ましくはデューティ50%の矩形波信号が印加され、上記ビーム101を上記周波数で強度変調する。ここで、プラズマ処理室の電極に印加する高周波電圧の周波数を400kHzとした本実施形態では、上記レーザ強度変調周波数は、400kHzおよびその高調波成分800kHz、1.2MHz…とは異なる上記周波数170kHzなどが良い。理由については後で述べる。さらに、上記レーザ光源12としては、532nmの固体レーザ光(半導体レーザで励起される。)として説明したが、633nmのHe−Neレーザ光、514.5nmのArレーザ光、780nmの半導体レーザ光等を出射するものでも、プラズマが主に発光する波長と異なるので使用することが可能である。
【0031】
まず、例えば、レンズ19により、強度変調されたビーム102のビームウェストをウェハWの中心に配置させるようにする。そして、強度変調されたビーム102は、上記レンズ19を通過後、小形ミラー24で反射され、ガルバノミラー25により反射され、プラズマ処理室86の側面に設けられた傾斜窓ガラス11および観測用窓(照射用窓)10を通して処理室86内へと導かれる。ここで、窓ガラス11の入射面を傾斜させることで、該傾斜窓ガラスから直接反射光が、レーザ照射光学系2000および散乱光検出光学系2001に入射することによる迷光雑音の発生を防止できる。また、観測用窓10の照明光投光部・検出光射出部をアスペクト比の高いスリット構造とすることで、プラズマ71や該プラズマ中の活性種により被処理基板としてのウェハWをエッチングした際に発生する反応生成物が上記傾斜ガラス窓11の到達することを低減することで、上記傾斜窓ガラスの曇りや汚染を低減することが可能となる。ここで、ガルバノミラー25を回転させ、ビームをウェハ面に平行な面内で走査することにより、ウェハ上空全面でのビーム照射(異物検出)が可能となる。
【0032】
散乱光検出光学系2001は、結像レンズ31と、処理室内壁87上の73Dからの散乱光の強度分布が輪帯状になる領域に設置された輪帯状遮光部を有する輪帯状空間フィルタ510および処理室内壁87上の73Dからの散乱光の結像位置に小さな遮光部を有する空間フィルタ511と、入射端面(受光領域)をウェハWの中央73Bと結像関係にあり、入射端面(受光領域)の大きさをデフォーカスしたウェハWの両端73A、73Cからの後方散乱光を受光できるようにした光ファイバ33と、レーザ光源12から出射される同一波長成分を抽出するように光ファイバ33の出射端に設けられたモノクロメータや干渉フィルタなどの分光器34と、分光器34で抽出された光を受光して信号に変換する光電子増倍管などの光電変換素子35とを備えて構成される。従って、ガルバノミラー25を回転させてビームをウェハ面に平行な面内で走査して照射した際、処理室内壁87から発生し、ガルバノミラー25で反射し、小ミラー24の周辺を通過する反射散乱光は、輪帯状空間フィルタ510の輪帯状遮光部および空間フィルタ511の小さな遮光部(輪帯状空間フィルタ510では遮光できなかった処理室内壁87からの反射散乱光の残部を遮光できる大きさの遮光部)で遮光されることになる。他方、ウェハWの全面領域上に発生した浮遊異物72からの後方散乱光およびプラズマ発光成分の光は、輪帯状空間フィルタ510および空間フィルタ511を通過して光ファイバ33の入射端で受光され、さらに、光ファイバ33の出射端において分光器34によってレーザ光源と同一波長成分が抽出されてプラズマ発光成分の一部分は消去されることになる。
【0033】
制御・信号処理系2002は、レーザ変調周波数よりも十分広い500kHz程度の帯域を持つ増幅器50と、発振器13から出力された矩形波信号を参照信号として、同期検波により、光電子増倍管等の光電変換素子(検出器)35で検出される検出信号から強度変調周波数(例えば170kHz)の異物散乱光成分を抽出するロックインアンプ等の同期検波回路51と、計算機52と、出力手段であるディスプレイ(表示手段)53とによって構成される。従って、光電変換素子35で検出された信号は、上記増幅器50で増幅された後、同期検波回路51に送られる。同期検波回路51では、レーザ光の変調に用いた、発振器13から出力された強度変調周波数(例えば170kHz)、所望のデューテイ(例えば40〜60%)の矩形波信号36を参照信号として、同期検波により、検出信号から強度変調周波数(例えば170kHz)の異物後方散乱光成分が抽出され、計算機52に送られる。計算機52は、ドライバ29を介して走査制御信号をガルバノミラー(光走査手段)25に送り、ビーム103を走査しつつ各走査位置での異物後方散乱光信号を逐一検出し、各走査位置での異物信号強度をディスプレイ53にリアルタイムで表示しつつ、被処理基板Wの単位で内部のメモリまたは外部に設けられた記憶装置54に記憶させる。そして、被処理基板Wに対してプラズマ処理(例えばエッチング、CVD等)が終了すると、被処理基板Wが処理室86から搬出されて1枚の被処理基板Wに対するサブミクロンオーダ以下の浮遊微小異物の計測が終了する。計算機52は、記憶装置54に記憶された各被処理基板単位での各走査位置での浮遊微小異物の検出信号を、出力手段である例えばディスプレイ53に出力することも可能である。計算機52は、浮遊微小異物が許容範囲よりも多く発生した場合には、その他、プラズマ処理装置を制御している制御装置にフィードバックして、プラズマ処理を停止させるなどの制御を行ない、その後浮遊異物の発生原因をなくすように、例えばクリーニングをしたり制御することが可能となる。また、計算機52は、浮遊微小異物が許容範囲よりも多く発生した場合には、アラームを出力することも可能である。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態によれば、一つの観測用窓10をレーザ照射光学系2000と散乱光検出光学系2001で兼用し、処理室86内に浮遊した異物を一つのユニットで構成された光学系で検出することが可能となる。また、コンパクトな照射・検出光学系で構成することによって、限られた狭いスペースに取り付けることを可能にした。
【0035】
次に、本発明に係る異物散乱光の検出方法の具体的実施例について説明する。本発明においては、浮遊微小異物がサブミクロンオーダ以下であるため、浮遊微小異物からの後方散乱光は非常に微弱であり、これを検出する必要がある。そのため、観測用窓10からの反射光をほぼ完全に逃がし、処理室の内壁87からの散乱反射光をほぼ完全に遮光する必要がある。
【0036】
そこで、まず、窓ガラス11の入射面を照射光軸に対して傾斜させることで、該傾斜窓ガラス11から直接反射光を逃がし、レーザ照射光学系2000および散乱光検出光学系2001に入射することを防止し、迷光雑音の発生を防止する。
【0037】
次に、プラズマ処理室86内へ導かれた強度変調されたビーム103は、プラズマ中の浮遊異物72により散乱される。該異物散乱光のうち、照射ビーム103と同じ光軸を反対方向に伝搬する後方散乱光は、観測用窓10の照明光投光部・検出光射出部および傾斜ガラス窓11を通過してガルバノミラー25により反射され、小形ミラー24へと向かう。該後方散乱光のうち、上記小形ミラー24の周辺を通過した散乱光は、結像レンズ31により光ファイバ33の入射面33aに集光される。図2に示すように、ウェハW中央の73Bと光ファイバ33の受光面33aとが結像関係になっているが、該光ファイバ33の入射面(受光領域)33aの大きさは、デフォーカスしたウェハWの両端73A、73Cからの散乱光をも検出可能な大きさとなっている。従って、ウェハW上空にて、該ウェハWの手前から奥にかけての発生した異物後方散乱光を全て受光できる。大きな受光面を確保するために、バンドルファイバやリキッドライトガイドを利用する方法が有効である。
【0038】
なお、特願2002−43083号に記載されているように、ノイズ光となる処理室内壁87の73D点で生じる散乱光は、光ファイバ33aの受光面の手前で結像するため、該73D点からの散乱光結像位置73dに空間フィルタ500を設置することによって処理室内壁87から発生する散乱光を遮光できる。
【0039】
ここで、図3に示すような点光源をレンズ31で集光した場合でも、図4に示すように点光源の像Iは点光源にはならず、レンズの開口によるフレネル回折の効果でぼけた像になる。図5は処理室内壁87上の73Dからの散乱光を検出レンズ31によって集光した光を空間フィルタ500にて遮光する様子を示している。図6に示すように集光像は有限の大きさを持つ。図7に示すように、上記集光像の大きさよる大きな遮光領域を持つ空間フィルタ500を用いることで、上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像を遮光することができる。このように、上記空間フィルタ500の大きさは上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像の大きさよりも大きくする必要があるため、図2に示すように、ウェハWの上空73A、73B、74Cからの異物散乱光の一部を遮光することは避けられない。このとき、処理室内壁87上の73D点と距離が近いウェハWの奥側からの異物散乱光程遮光される割合が高くなる。
【0040】
そこで、仮に、図8に示すように、結像レンズ31’の中心32をレーザ照射光軸103からずらすことで、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光点74a、74b、74cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dが一直線上に並ばないようにすることができる。しかしながら、この場合でもウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光のうち、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dを通過するものが存在してしまい、室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dにて、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光を遮光することなく、上記室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光することは困難となる。
【0041】
そこで、次に、光線追跡シュミレータによる計算結果について説明する。図9は、観測用窓10による通過散乱光の制限や、ガルバノミラー25での反射散乱光の制限を考慮して、光線追跡シミュレータにより、散乱光集光点74dの位置における、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光点74a、74b、74cへの集光像75a、75b、75cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dでの集光像75dの計算結果である。このとき結像レンズ31’は球面両凸単レンズとした。
【0042】
また、図10には、散乱光集光点74dの位置(空間フィルタ500が設置された位置)における、空間フィルタ500による遮光されたウェハWの上空73A〜73Cからの散乱光集光点74a〜74cへの集光像76a〜76cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dでの集光像76dの計算結果である。この計算結果によれば、集光像76cで示すように、ウェハWの上空の奥側73Cからの散乱光の大部分が上記空間フィルタ500により遮光されていることが分かる。
【0043】
なお、図11は、ウェハWの上空73A〜73Cおよび処理室内壁87からの光ファイバ33の受光面33aでの集光像77a〜77dを示しており、光ファイバ33の受光面33aには処理室内壁87上の73Dからの散乱光77dは入射していないことが分かる。
【0044】
しかしながら、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を集光点74d、つまり空間フィルタ500により結像領域で遮光した場合、特にウェハWの奥73Cからの散乱光の大部分を遮光してしまうことになる。
【0045】
そこで、本発明は、図1に示すように、強度分布が輪帯状になる領域(処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dよりも、よりレンズ31に近い領域)に空間フィルタ510を設置し、散乱光集光位置73dに上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511を設置したことにある。
【0046】
以下、具体的に説明する。即ち、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を該73Dからの散乱光集光位置73dよりも、より結像レンズ31に近い領域で観測すると、図12に示すように、強度分布が輪帯状になる点があることが分る。例えば、応用物理学会編、山口一郎著「応用光学」6.5節「点像の3次元強度分布」にあるように、レンズによる点像は、近軸の幾何光学でいえば物体の各点から出た光線が対応する像点に収束することである。しかし、近軸光線でないときは、物体の一点から発した光線群は一般に像の一点に集まらず収差によって拡がり、物体の細部がぼけた像になる。しかし、光の波動性を考慮すると近軸の領域であっても、点の像は点にならず、レンズの開口によるフラウンフォーファー回折の効果でぼけたものになる。光学系に収差のないときのぼけはレンズの開口のフラウンフォーファー回折だけで決まる最小限となり、回折限界と呼ばれている。もし、光学系に収差があれば、開口を通って像面に集まる波は球面波からずれたものになり、点像は回折限界より広がったものとなる。また、無収差レンズの焦点はずれ像はレンズ開口のフレネル回折で与えられる。
【0047】
図13に示すように、点光源Sから開口面の点Aを経由して観測点Pに至る距離が、次のように波長λの整数(m)倍になる軌跡と半整数倍になる軌跡は、直線SPと開口面の交点Oを中心とする同心円となる。これらをフレネル輪帯という。その半径Rmは次に示す(1)式を満足する。
【0048】
【数1】
s0は、点光源Sと開口面との間の距離であり、r0は、開口面と観測点Pとの間の距離である。
【0049】
Rmと(Rm+0.5)の輪帯から発して点Pに達する2次波は全体として位相がπずれているため打ち消し合う。よって、点Pでの振幅に寄与するのは一番内側と外側の帯だけである。従って、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を結像領域で無く、上記強度分布が輪帯状になる領域で遮光することも可能であることが分る。
【0050】
そこで、図14に示すように、強度分布が輪帯状になる領域(処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dよりも、より結像レンズ31に近い領域)に、輪帯状空間フィルタ510を設置すれば、図15に示すように、上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光することができる。図16は輪帯状空間フィルタ510により上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光した場合の、該処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dにおけるウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光像91a〜91cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像91dの計算結果であり、上記ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光の遮光損失が低減されていることが分る。
【0051】
ここで、輪帯状空間フィルタ510にて遮光しきれなかった該処理室内壁87上の73Dからの散乱光の一部が91dとして残存しているが、この残存している散乱光の一部91dを、図17のように上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511を処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dに設置することによって遮光することが可能となる。なお、92a〜92cは輪帯状空間フィルタ510および空間フィルタ511で遮光されない散乱光集光像を示す。
【0052】
図18は、上記輪帯状空間フィルタ510および上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511の両方を設置した場合の、光ファイバ33の受光面33aにおけるウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光像93a〜93cの計算結果である。図11に示した計算結果に比べ、特にウェハWの上空の奥側73Cからの散乱光の遮光割合が低下していることが分る。これにより、ウェハ奥での異物検出感度の低下が抑えられる。しかも、93dで示すように、処理室内壁87上の73Dからの散乱光はほぼ完全に遮光することが可能となる。
【0053】
さらに、プラズマ71の発光も検出レンズ31にて集光され、光ファイバ33に入射する。光ファイバ33の出射端から出射されたレーザ波長と同じ波長成分を持つ異物散乱光および広い波長成分を持つプラズマ発光は、レーザ12の波長に設定された分光器34にて、上記プラズマ発光から上記異物散乱光の波長成分のみを波長分離した後、光電子増倍管などの光電変換素子35で光電変換される。このとき、上記プラズマ発光のうちの上記異物散乱光と同じ波長成分についても光電変換される。光電変換出力は、増幅器50で増幅された後、ロックインアンプ51により、レーザ光の強度変調に用いた発振器13から出力された周波数170kHz、デューティ50%の矩形波信号を参照信号として同期検波され、上記検出信号の中から周波数170kHzの成分のみを抽出する。プラズマ発光の強度はプラズマ励起用の高周波電力の変調周波数に同期していることを、本願発明者らは実験によって検証しており、上記検出信号の中から抽出された周波数170kHzの成分には、プラズマの発光の周波数成分に含まれる400kHzおよびその高調波成分800kHz、1.2MHz…は含まれない。このように、異物散乱光をプラズマ発光から、波長・周波数2つの領域で分離検出する方法により、プラズマ発光から微弱な異物散乱光を感度良く検出できる。異物信号であるロックインアンプ51の出力は計算機52に送られる。計算機52では、ガルバノドライバ29を介して走査信号をガルバノミラー25に送り、ビームを走査しつつ各走査位置で異物信号を取り込む。計算機52では、予め実験により得られた粒径に対する信号強度と検出された異物信号強度とを比較して異物の大きさを、また、異物信号発生出現回数から異物個数を、また、信号が検出された時の走査位置から異物の発生位置(分布)を算出する。更に、計算機52では、該算出された異物の個数、大きさ、分布などの異物発生状況から処理室内の汚染状況を判定(判断)する。
【0054】
予め、ダミーウェハを用いてプラズマ処理を行なって、実験的に、上記異物の発生状況と、処理室の内壁の汚染状況(処理室の内壁への反応生成物の付着(反応生成物の膜厚も含む)及び/又はプラズマによるダメージによる処理室の内壁の表面状態等)との関連(関係)を求めて記憶装置54に記憶しておくことにより、計算機52は算出された異物の発生状況に基いて、処理室の内壁の汚染状況である内壁への反応生成物の付着及び/又は内壁へのプラズマによるダメージを判定することが可能となる。
【0055】
このように、計算機52は、算出された異物の発生状況に基いて、異常もしくは異常に近ずくと判断したら、プラズマ処理を停止させるように制御し、その後クリーニング等を行なって異物の発生原因を取り除くように制御される。
【0056】
以上説明したように本実施の形態によれば、上記変調・同期検波方式により、波長及び周波数2つの領域において微弱な異物散乱光をプラズマ中異物検出でプラズマ発光から分離して検出することが可能となり、その結果プラズマ中浮遊異物の最小検出感度をφ0.2μm程度にまで向上でき、しかもフレネル領域および結像領域の二つの領域で処理室の内壁からの反射散乱光を遮光することで、特にウェハ上空奥側での異物散乱信号の損失を極力抑えることが可能となり、その結果ウェハ奥側での感度低下を低減でき、ウェハ全面にわたり安定な異物検出が可能になるという効果と同時に、処理室内壁の汚染状況をモニタリングすることが可能となる。
【0057】
さらに、本実施の形態によれば、ウェハ上の全面で異物検出を行って、計算機52等で異物の発生状況(異物の個数、大きさ、分布など)を算出するので、操作者は、その情報を、例えば、ディスプレイ53上でリアルタイムで確認することもできる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、計算機52等は、算出された異物の発生状況(異物の発生個数、大きさ、分布等)の情報をもとに、処理室内の汚染状況をリアルタイムで判断できると同時に処理室内壁の汚染状況(処理室内壁の汚染状況に応じて異物の発生状況が変化するため。)をモニタリングできるため、例えば、クリーニング時期の最適化による装置稼働率の向上、突発的大量異物の発生の早期発見ができ、歩留まりが向上する。また、計算機52または該計算機52が接続されたプラズマ制御装置等は、プラズマ処理室内の汚染状況を常にモニタしながらプラズマ処理を進められるため、このようにして製造された半導体基板や液晶基板から、基準値以上の異物を含まない環境で製造された、高品質で、信頼性の高い製品を実現することが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、ダミーウェハを用いたプラズマ処理室の汚染状況判断や、抜き取り検査による汚染状況判断の頻度低減が可能であるため、ダミーウェハのコスト削減がなされる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、プラズマ処理室の内壁から発生する反射散乱光の影響を受けることなく、被処理基板全面にわたり異物検出が可能になると同時に、プラズマ処理室の内壁の汚染状況をモニタリングでき、その結果高品質の半導体素子を高歩留まりで製造が可能になり、しかも装置クリーニング時期を正確に把握することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置の一実施の形態を示す構成図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】被処理基板の上空における各点73A〜73Cおよび処理室の内壁73Dとの結像レンズによる結像関係と、処理室の内壁からの反射散乱光を結像レンズの結像位置73dに設けられた空間フィルタで遮光する場合の説明図である。
【図3】レンズによる点光源の集光を示す説明図である。
【図4】レンズによる点光源の集光像を示す説明図である。
【図5】処理室の内壁からの反射散乱光を結像レンズによる結像位置73dに設けられた空間フィルタで遮光する場合の説明図である。
【図6】結像レンズによる内壁からの反射散乱光の結像位置73dにおける処理室内壁反射散乱光集光像を示す図である。
【図7】結像レンズによる内壁からの反射散乱光の結像位置73dに設けられた空間フィルタによって処理室内壁反射散乱光集光像を遮光する様子を示す説明図である。
【図8】結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、被処理基板の上空における各点73A〜73Cおよび処理室の内壁73Dとの結像レンズによる結像関係を示す説明図である。
【図9】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図10】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置に空間フィルタを設置した場合おける異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図11】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置に空間フィルタを設置した場合のファイバ受光面における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図12】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置における処理室内壁反射散乱光集光像を示す図である。
【図13】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置における処理室内壁反射散乱光遮光方法を示す説明図である。
【図14】本発明に係るフレネル輪帯の概念を示す説明図である。
【図15】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に設けられた輪帯状空間フィルタの一実施例によって処理室内壁反射散乱光集光像を遮光する様子を示す説明図である。
【図16】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に輪帯状空間フィルタの一実施例を設置した場合の上記反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図17】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に輪帯状空間フィルタの一実施例を設置し、上記反射散乱光結像位置の位置に小さな空間フィルタの一実施例を設置した場合の上記反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図18】図17と同様に輪帯状空間フィルタの一実施例および小さな空間フィルタの一実施例を設置した場合のファイバ受光面における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【符号の説明】
10…観測用窓(照射用窓)、11…傾斜窓ガラス、12…レーザ光源、13…発振器、14…強度変調器、18…レンズ、19…レンズ、24…小形ミラー、25…ガルバノミラー(光走査手段)、29…ガルバノドライバ、31…結像レンズ、33…光ファイバ、33a…受光面(入射面)、34…分光器、35…光電変換素子(検出器)、50…増幅器、51…同期検波回路、52…計算機、53…ディスプレイ(表示手段)、54…記憶装置、71…プラズマ、81…上部電極、82…下部電極、83…シグナルジェネレータ、84…パワーアンプ、85…分配器、86…プラズマ処理室(処理室)、87…処理室内壁、510…輪帯状空間フィルタ、511…小さい空間フィルタ、2000…レーザ照明光学系、2001…散乱光検出光学系、2002…制御・信号処理系、W…被処理基板(半導体基板、ウェハ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理室内の半導体基板や液晶基板などの被処理基板に所望の半導体製造処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法およびその装置に係り、特に、薄膜の生成(成膜)やエッチング等の加工を行う処理室(プラズマ処理室)内に浮遊した異物及び処理室の汚染状況を、in−situ計測する機能を備えた半導体の製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング装置を始めとして、プラズマを用いた処理が半導体製造工程や液晶表示装置用基板製造工程に広く適用されている。
【0003】
プラズマを用いた処理装置の1例として、平行平板形プラズマエッチング装置がある。この種の装置は、シグナルジェネレータからの高周波信号によりパワーアンプの出力電圧を変調し、この高周波電圧を分配器により分配して、処理室内において互いに平行に配置した上部電極と下部電極の間に印加し、両電極間での放電によりエッチング用ガスからプラズマを発生させ、その活性種で被処理体としての、例えば半導体基板(ウェハ)Wをエッチングするようになっている。高周波信号としては、例えば400kHz程度の周波数が用いられる。
【0004】
上記プラズマエッチング装置では、プラズマ処理によるエッチング反応によって生成された反応生成物が、プラズマ処理室の壁面あるいは電極に堆積し、これが時間経過に伴い、剥離して浮遊異物となることが知られている。この浮遊異物は、エッチング処理が終了しプラズマ放電が停止した瞬間に、ウェハ上に落下して付着異物となり、回路の特性不良やパターン外観不良を引き起こす。そして、最終的には、歩留まりの低下や素子の信頼性低下の原因となる。
【0005】
上記ウェハ表面に付着した異物を検査する装置は、多数報告され実用化されているが、これらは、プラズマ処理装置から一旦ウェハを抜き出して検査を行うもので、異物が多く発生していると判った時点では、既に他のウェハの処理が進んでおり、不良の大量発生による歩留まりの低下の課題がある。また、処理後の評価では、処理室内の異物発生の分布、経時変化などは判らない。
【0006】
従って、処理室内の汚染状況をin−situでリアルタイムモニタする技術が、半導体製造や液晶製造等の分野で求められている。
【0007】
処理室内で浮遊する異物の大きさは、サブミクロンから数百μmの範囲であるが、256MbitDRAM(Dynamic Random Access Memory)、さらには1GbitDRAMへと高集積化が進む半導体の分野においては、回路パターンの最小線幅は0.25〜0.18μmと微細化の一途を辿っており、検出すべき異物の大きさもサブミクロンオーダが要求されている。
【0008】
プラズマ処理室等の処理室(真空処理室)内に浮遊した異物をモニタする従来技術としては、特開昭57−118630号公報(従来技術1)、特開平3−25355号公報(従来技術2)、特開平3−147317号公報(従来技術3)、特開平6−82358号公報(従来技術4)、特開平6−124902号公報(従来技術5)、特開平10−213539号公報(従来技術6)、特開平11−251252号公報(従来技術7)及び特開平11−330053号公報(従来技術8)に開示された技術が挙げられる。
【0009】
特に、上記従来技術7には、処理室内にプラズマを発生させ、該プラズマによって被処理物に対して処理するプラズマ処理方法及び装置において、所望の波長を有し、所望の周波数で強度変調したS偏光レーザビームを偏光ビームスプリッタで反射させでガルバノミラー(光走査手段)で反射させて前記処理室内に走査して照射する照射光学系と、前記処理室の内壁や観測用窓からのS偏光反射光を上記偏光ビームスプリッタで反射させ、前記処理室内の浮遊異物から得られる後方散乱光の内P偏光成分を上記偏光ビームスプリッタを透過させ、該透過したP偏光成分の後方散乱光を前記所望の波長成分で分離して受光して信号に変換する散乱光検出光学系と、該散乱光検出光学系から得られる信号から前記強度変調した所望の周波数成分を抽出することによってプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を示す信号を前記プラズマによるものから分離して検出する異物信号抽出手段とを備えたプラズマ浮遊異物計測装置を用いて前記処理室内に発生したプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を計測することが開示されている。さらに、上記従来技術7には、レーザ照射光学系のレーザ照射光軸をウェハの面に平行な水平面に対して傾斜させることによって、処理室の内壁や観測用窓からの反射光を下に向け、処理室の内壁からの反射散乱光が上記散乱光検出光学系に入射するのを低減することも開示されている。
【0010】
また、上記従来技術8には、処理室内にプラズマを発生させ、該プラズマによって被処理物に対して処理するプラズマ処理方法及び装置において、所望の波長を有し、所望の周波数で強度変調した複数のP偏光レーザビームを偏光ビームスプリッタを透過させてガルバノミラー(光走査手段)で反射させて処理室内に走査照射する照射光学系と、前記処理室の内壁や観測用窓からのP偏光反射光を上記偏光ビームスプリッタを透過させ、前記処理室内の浮遊異物から得られる後方散乱光の内S偏光成分を上記偏光ビームスプリッタで反射させ、該反射したS偏光成分の後方散乱光を前記波長成分で分離して受光して信号に変換する散乱光検出光学系と、その信号から前記強度変調した所望の周波数成分を抽出することによってプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を示す信号を前記プラズマによるものから分離して検出する異物信号抽出手段と、該異物信号抽出手段から検出される浮遊した異物を示す信号からノイズ成分を除去するノイズ除去手段とを備えたプラズマ浮遊異物計測装置を用いて背景雑音を消去し、異物散乱信号を強調することによって前記処理室内に発生したプラズマ中若しくはその近傍に浮遊した異物を計測することが開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開昭57−118630号公報
【特許文献2】
特開平3−25355号公報
【特許文献3】
特開平3−147317号公報
【特許文献4】
特開平6−82358号公報
【特許文献5】
特開平6−124902号公報
【特許文献6】
特開平10−213539号公報
【特許文献7】
特開平11−251252号公報
【特許文献8】
特開平11−330053号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一方、256MbitDRAM、さらには1GbitDRAMへと高集積化が進む半導体の分野においては、回路パターンの最小線幅は0.25〜0.18μmと微細化の一途を辿っており、検出すべき異物の大きさもサブミクロンオーダが要求されている。
【0013】
上記従来技術7および8では、サブミクロンオーダ以下の異物からの散乱光とプラズマ発光との分離を可能にしている。
【0014】
しかしながら、上記従来技術7に開示されているように、プラズマ処理室の内壁からの散乱反射光を散乱光検出光学系にできるかぎり入射させないようにするために、レーザ照射光学系のレーザ照射光軸をウェハの面に平行な水平面に対して傾斜させると、ウェハ上の領域において浮遊異物の検出感度が異なってくるという課題を有していた。
【0015】
また、上記従来技術7および8に記載されているように、プラズマ処理室の観測用窓や内壁からの反射光を偏光ビームスプリッタで反射または透過させて光ファイバで受光しないようにしているが、プラズマ処理室の内壁は反応生成物が堆積したりして様々状態が考えられ、そのためプラズマ処理室の内壁からは照射偏光成分のみの反射光とならず、偏光ビームスプリッタで透過または反射して光ファイバで受光してしまう現象が生じ、その結果、サブミクロンオーダ以下の浮遊微小異物を検出することを困難にしているという課題を有していた。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、プラズマ処理室の内壁から発生する反射散乱光の影響を受けることなく、被処理基板全面にわたり異物検出が可能になると同時に、プラズマ処理室の内壁の汚染状況をモニタリングでき、その結果高品質の半導体素子を高歩留まりで製造が可能になり、しかも装置クリーニング時期を正確に把握することができる半導体の製造方法およびプラズマ処理装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、プラズマ処理室の内壁からの反射散乱光をほぼ完全に遮光して被処理基板上の浮遊微小異物からの微弱な散乱光を検出できるようにした方法および装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の更に他の目的は、被処理基板上空全面の異物発生状況を算出してプラズマ処理室の内壁の汚染状況を判定できるようにした方法および装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、処理室内にプラズマを発生させ、該発生したプラズマによって被処理基板に対して処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法およびプラズマ処理装置において、所望の周波数で強度変調した光を照射用窓を通して前記処理室内に照射する照射ステップと、該照射ステップで前記強度変調した光を照射することによって観測用窓を通して得られる前記処理室の内壁で発生する反射散乱光を遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換し、該変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分を抽出する検出ステップと、該検出ステップで抽出された周波数成分に基いて前記処理室内の異物の発生状況(異物の個数、大きさ、分布等)を算出する算出ステップとを有する異物検出工程を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁で発生する反射散乱光をフレネル領域および結像領域において遮光することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁から発生する反射散乱光を、前記フレネル領域に設けられた輪帯状空間フィルタおよび前記結像領域に設けられた空間フィルタで遮光することを特徴する。
【0022】
また、本発明は、前記異物検出工程において、前記照射ステップにおける前記照射用窓と前記検出ステップにおける前記観測用窓を同一にしたことを特徴とする。また、本発明は、前記異物検出工程の照射ステップにおいて、前記照射用窓の入射面を照射光軸に対して傾斜させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記異物検出工程の算出ステップにおいて、前記算出された異物の発生状況に基いて前記処理室の内壁の汚染状況を判定することを特徴とする。また、本発明は、前記算出された異物の発生状況に基いてプラズマ処理を停止させるなど制御することを特徴とする。また、本発明は、前記算出された異物の発生状況または処理室の内壁の汚染状況をディスプレイ等の表示手段に表示することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を、図1〜図22に基づいて説明する。
【0025】
なお、以下に述べる本発明の各実施形態では、プラズマドライエッチング装置に利用されている、平行平板形プラズマエッチング装置での実施例を示すが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、本発明は、スパッタ装置やCVD装置などの薄膜生成(成膜)装置、あるいは、ECRエッチング装置やマイクロ波エッチング装置、またはアッシング装置などの各種薄膜生成、加工装置への適用が可能である。
【0026】
図1は、本実施形態に係る、処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置の構成を示す図である。
【0027】
図1に示すように、プラズマエッチング装置では、シグナルジェネレータ83からの高周波信号によりパワーアンプ84の出力電圧を変調し、該変調された出力波電圧を分配器85によって分配して、プラズマ処理室86内において互いに平行に配置された上部電極81と下部電極82の間に印加して、上記上部および下部電極間での放電によりエッチグ用ガスからプラズマ71を発生させ、該プラズマ中の活性種により被処理基板としての半導体基板(ウェハ)Wをエッチングする。上記高周波信号の周波数としては、例えば、400kHzが用いられる。
【0028】
そのため、特開平11−251252号公報に記載されているように、プラズマ励起周波数を400kHzとした場合、プラズマ発光の周波数スペクトルは、様々な周波数成分を持ったノイズ成分の上に直流成分と基本周波数400kHzの成分、その2倍の成分、その3倍の成分、その4倍の成分などと離散的に存在し、周波数領域において空き領域が存在する。さらに、プラズマ71からは様々な波長成分(主には300nm(近紫外光)〜490nm(青色)程度)を持った光が発光されることになる。
【0029】
上記処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置は、主としてレーザ照明光学系2000と、散乱光検出光学系2001と、制御・信号処理系2002とにより構成される。そして、レーザ照明光学系2000と散乱光検出光学系2001における照明光投光部・検出光射出部は、プラズマ処理室86の側面に設けられた傾斜窓ガラス11および観測用窓(照射用窓)10に対向するように配置されている。
【0030】
レーザ照明光学系2000では、まず、レーザ光源(プラズマが主に発光する300nm(近紫外光)〜490nm(青色)とは異なる例えば波長532nm(緑色))12から出射されたビーム101を音響光学変調器14に入射する。音響光学変調器等の強度変調器14は、発振器13から出力された例えば周波数170kHz、好ましくはデューティ50%の矩形波信号が印加され、上記ビーム101を上記周波数で強度変調する。ここで、プラズマ処理室の電極に印加する高周波電圧の周波数を400kHzとした本実施形態では、上記レーザ強度変調周波数は、400kHzおよびその高調波成分800kHz、1.2MHz…とは異なる上記周波数170kHzなどが良い。理由については後で述べる。さらに、上記レーザ光源12としては、532nmの固体レーザ光(半導体レーザで励起される。)として説明したが、633nmのHe−Neレーザ光、514.5nmのArレーザ光、780nmの半導体レーザ光等を出射するものでも、プラズマが主に発光する波長と異なるので使用することが可能である。
【0031】
まず、例えば、レンズ19により、強度変調されたビーム102のビームウェストをウェハWの中心に配置させるようにする。そして、強度変調されたビーム102は、上記レンズ19を通過後、小形ミラー24で反射され、ガルバノミラー25により反射され、プラズマ処理室86の側面に設けられた傾斜窓ガラス11および観測用窓(照射用窓)10を通して処理室86内へと導かれる。ここで、窓ガラス11の入射面を傾斜させることで、該傾斜窓ガラスから直接反射光が、レーザ照射光学系2000および散乱光検出光学系2001に入射することによる迷光雑音の発生を防止できる。また、観測用窓10の照明光投光部・検出光射出部をアスペクト比の高いスリット構造とすることで、プラズマ71や該プラズマ中の活性種により被処理基板としてのウェハWをエッチングした際に発生する反応生成物が上記傾斜ガラス窓11の到達することを低減することで、上記傾斜窓ガラスの曇りや汚染を低減することが可能となる。ここで、ガルバノミラー25を回転させ、ビームをウェハ面に平行な面内で走査することにより、ウェハ上空全面でのビーム照射(異物検出)が可能となる。
【0032】
散乱光検出光学系2001は、結像レンズ31と、処理室内壁87上の73Dからの散乱光の強度分布が輪帯状になる領域に設置された輪帯状遮光部を有する輪帯状空間フィルタ510および処理室内壁87上の73Dからの散乱光の結像位置に小さな遮光部を有する空間フィルタ511と、入射端面(受光領域)をウェハWの中央73Bと結像関係にあり、入射端面(受光領域)の大きさをデフォーカスしたウェハWの両端73A、73Cからの後方散乱光を受光できるようにした光ファイバ33と、レーザ光源12から出射される同一波長成分を抽出するように光ファイバ33の出射端に設けられたモノクロメータや干渉フィルタなどの分光器34と、分光器34で抽出された光を受光して信号に変換する光電子増倍管などの光電変換素子35とを備えて構成される。従って、ガルバノミラー25を回転させてビームをウェハ面に平行な面内で走査して照射した際、処理室内壁87から発生し、ガルバノミラー25で反射し、小ミラー24の周辺を通過する反射散乱光は、輪帯状空間フィルタ510の輪帯状遮光部および空間フィルタ511の小さな遮光部(輪帯状空間フィルタ510では遮光できなかった処理室内壁87からの反射散乱光の残部を遮光できる大きさの遮光部)で遮光されることになる。他方、ウェハWの全面領域上に発生した浮遊異物72からの後方散乱光およびプラズマ発光成分の光は、輪帯状空間フィルタ510および空間フィルタ511を通過して光ファイバ33の入射端で受光され、さらに、光ファイバ33の出射端において分光器34によってレーザ光源と同一波長成分が抽出されてプラズマ発光成分の一部分は消去されることになる。
【0033】
制御・信号処理系2002は、レーザ変調周波数よりも十分広い500kHz程度の帯域を持つ増幅器50と、発振器13から出力された矩形波信号を参照信号として、同期検波により、光電子増倍管等の光電変換素子(検出器)35で検出される検出信号から強度変調周波数(例えば170kHz)の異物散乱光成分を抽出するロックインアンプ等の同期検波回路51と、計算機52と、出力手段であるディスプレイ(表示手段)53とによって構成される。従って、光電変換素子35で検出された信号は、上記増幅器50で増幅された後、同期検波回路51に送られる。同期検波回路51では、レーザ光の変調に用いた、発振器13から出力された強度変調周波数(例えば170kHz)、所望のデューテイ(例えば40〜60%)の矩形波信号36を参照信号として、同期検波により、検出信号から強度変調周波数(例えば170kHz)の異物後方散乱光成分が抽出され、計算機52に送られる。計算機52は、ドライバ29を介して走査制御信号をガルバノミラー(光走査手段)25に送り、ビーム103を走査しつつ各走査位置での異物後方散乱光信号を逐一検出し、各走査位置での異物信号強度をディスプレイ53にリアルタイムで表示しつつ、被処理基板Wの単位で内部のメモリまたは外部に設けられた記憶装置54に記憶させる。そして、被処理基板Wに対してプラズマ処理(例えばエッチング、CVD等)が終了すると、被処理基板Wが処理室86から搬出されて1枚の被処理基板Wに対するサブミクロンオーダ以下の浮遊微小異物の計測が終了する。計算機52は、記憶装置54に記憶された各被処理基板単位での各走査位置での浮遊微小異物の検出信号を、出力手段である例えばディスプレイ53に出力することも可能である。計算機52は、浮遊微小異物が許容範囲よりも多く発生した場合には、その他、プラズマ処理装置を制御している制御装置にフィードバックして、プラズマ処理を停止させるなどの制御を行ない、その後浮遊異物の発生原因をなくすように、例えばクリーニングをしたり制御することが可能となる。また、計算機52は、浮遊微小異物が許容範囲よりも多く発生した場合には、アラームを出力することも可能である。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態によれば、一つの観測用窓10をレーザ照射光学系2000と散乱光検出光学系2001で兼用し、処理室86内に浮遊した異物を一つのユニットで構成された光学系で検出することが可能となる。また、コンパクトな照射・検出光学系で構成することによって、限られた狭いスペースに取り付けることを可能にした。
【0035】
次に、本発明に係る異物散乱光の検出方法の具体的実施例について説明する。本発明においては、浮遊微小異物がサブミクロンオーダ以下であるため、浮遊微小異物からの後方散乱光は非常に微弱であり、これを検出する必要がある。そのため、観測用窓10からの反射光をほぼ完全に逃がし、処理室の内壁87からの散乱反射光をほぼ完全に遮光する必要がある。
【0036】
そこで、まず、窓ガラス11の入射面を照射光軸に対して傾斜させることで、該傾斜窓ガラス11から直接反射光を逃がし、レーザ照射光学系2000および散乱光検出光学系2001に入射することを防止し、迷光雑音の発生を防止する。
【0037】
次に、プラズマ処理室86内へ導かれた強度変調されたビーム103は、プラズマ中の浮遊異物72により散乱される。該異物散乱光のうち、照射ビーム103と同じ光軸を反対方向に伝搬する後方散乱光は、観測用窓10の照明光投光部・検出光射出部および傾斜ガラス窓11を通過してガルバノミラー25により反射され、小形ミラー24へと向かう。該後方散乱光のうち、上記小形ミラー24の周辺を通過した散乱光は、結像レンズ31により光ファイバ33の入射面33aに集光される。図2に示すように、ウェハW中央の73Bと光ファイバ33の受光面33aとが結像関係になっているが、該光ファイバ33の入射面(受光領域)33aの大きさは、デフォーカスしたウェハWの両端73A、73Cからの散乱光をも検出可能な大きさとなっている。従って、ウェハW上空にて、該ウェハWの手前から奥にかけての発生した異物後方散乱光を全て受光できる。大きな受光面を確保するために、バンドルファイバやリキッドライトガイドを利用する方法が有効である。
【0038】
なお、特願2002−43083号に記載されているように、ノイズ光となる処理室内壁87の73D点で生じる散乱光は、光ファイバ33aの受光面の手前で結像するため、該73D点からの散乱光結像位置73dに空間フィルタ500を設置することによって処理室内壁87から発生する散乱光を遮光できる。
【0039】
ここで、図3に示すような点光源をレンズ31で集光した場合でも、図4に示すように点光源の像Iは点光源にはならず、レンズの開口によるフレネル回折の効果でぼけた像になる。図5は処理室内壁87上の73Dからの散乱光を検出レンズ31によって集光した光を空間フィルタ500にて遮光する様子を示している。図6に示すように集光像は有限の大きさを持つ。図7に示すように、上記集光像の大きさよる大きな遮光領域を持つ空間フィルタ500を用いることで、上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像を遮光することができる。このように、上記空間フィルタ500の大きさは上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像の大きさよりも大きくする必要があるため、図2に示すように、ウェハWの上空73A、73B、74Cからの異物散乱光の一部を遮光することは避けられない。このとき、処理室内壁87上の73D点と距離が近いウェハWの奥側からの異物散乱光程遮光される割合が高くなる。
【0040】
そこで、仮に、図8に示すように、結像レンズ31’の中心32をレーザ照射光軸103からずらすことで、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光点74a、74b、74cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dが一直線上に並ばないようにすることができる。しかしながら、この場合でもウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光のうち、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dを通過するものが存在してしまい、室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dにて、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光を遮光することなく、上記室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光することは困難となる。
【0041】
そこで、次に、光線追跡シュミレータによる計算結果について説明する。図9は、観測用窓10による通過散乱光の制限や、ガルバノミラー25での反射散乱光の制限を考慮して、光線追跡シミュレータにより、散乱光集光点74dの位置における、ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光点74a、74b、74cへの集光像75a、75b、75cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dでの集光像75dの計算結果である。このとき結像レンズ31’は球面両凸単レンズとした。
【0042】
また、図10には、散乱光集光点74dの位置(空間フィルタ500が設置された位置)における、空間フィルタ500による遮光されたウェハWの上空73A〜73Cからの散乱光集光点74a〜74cへの集光像76a〜76cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光点74dでの集光像76dの計算結果である。この計算結果によれば、集光像76cで示すように、ウェハWの上空の奥側73Cからの散乱光の大部分が上記空間フィルタ500により遮光されていることが分かる。
【0043】
なお、図11は、ウェハWの上空73A〜73Cおよび処理室内壁87からの光ファイバ33の受光面33aでの集光像77a〜77dを示しており、光ファイバ33の受光面33aには処理室内壁87上の73Dからの散乱光77dは入射していないことが分かる。
【0044】
しかしながら、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を集光点74d、つまり空間フィルタ500により結像領域で遮光した場合、特にウェハWの奥73Cからの散乱光の大部分を遮光してしまうことになる。
【0045】
そこで、本発明は、図1に示すように、強度分布が輪帯状になる領域(処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dよりも、よりレンズ31に近い領域)に空間フィルタ510を設置し、散乱光集光位置73dに上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511を設置したことにある。
【0046】
以下、具体的に説明する。即ち、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を該73Dからの散乱光集光位置73dよりも、より結像レンズ31に近い領域で観測すると、図12に示すように、強度分布が輪帯状になる点があることが分る。例えば、応用物理学会編、山口一郎著「応用光学」6.5節「点像の3次元強度分布」にあるように、レンズによる点像は、近軸の幾何光学でいえば物体の各点から出た光線が対応する像点に収束することである。しかし、近軸光線でないときは、物体の一点から発した光線群は一般に像の一点に集まらず収差によって拡がり、物体の細部がぼけた像になる。しかし、光の波動性を考慮すると近軸の領域であっても、点の像は点にならず、レンズの開口によるフラウンフォーファー回折の効果でぼけたものになる。光学系に収差のないときのぼけはレンズの開口のフラウンフォーファー回折だけで決まる最小限となり、回折限界と呼ばれている。もし、光学系に収差があれば、開口を通って像面に集まる波は球面波からずれたものになり、点像は回折限界より広がったものとなる。また、無収差レンズの焦点はずれ像はレンズ開口のフレネル回折で与えられる。
【0047】
図13に示すように、点光源Sから開口面の点Aを経由して観測点Pに至る距離が、次のように波長λの整数(m)倍になる軌跡と半整数倍になる軌跡は、直線SPと開口面の交点Oを中心とする同心円となる。これらをフレネル輪帯という。その半径Rmは次に示す(1)式を満足する。
【0048】
【数1】
s0は、点光源Sと開口面との間の距離であり、r0は、開口面と観測点Pとの間の距離である。
【0049】
Rmと(Rm+0.5)の輪帯から発して点Pに達する2次波は全体として位相がπずれているため打ち消し合う。よって、点Pでの振幅に寄与するのは一番内側と外側の帯だけである。従って、処理室内壁87上の73Dからの散乱光を結像領域で無く、上記強度分布が輪帯状になる領域で遮光することも可能であることが分る。
【0050】
そこで、図14に示すように、強度分布が輪帯状になる領域(処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dよりも、より結像レンズ31に近い領域)に、輪帯状空間フィルタ510を設置すれば、図15に示すように、上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光することができる。図16は輪帯状空間フィルタ510により上記処理室内壁87上の73Dからの散乱光を遮光した場合の、該処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dにおけるウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光像91a〜91cと、処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光像91dの計算結果であり、上記ウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光の遮光損失が低減されていることが分る。
【0051】
ここで、輪帯状空間フィルタ510にて遮光しきれなかった該処理室内壁87上の73Dからの散乱光の一部が91dとして残存しているが、この残存している散乱光の一部91dを、図17のように上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511を処理室内壁87上の73Dからの散乱光集光位置73dに設置することによって遮光することが可能となる。なお、92a〜92cは輪帯状空間フィルタ510および空間フィルタ511で遮光されない散乱光集光像を示す。
【0052】
図18は、上記輪帯状空間フィルタ510および上記空間フィルタ500よりも小さい空間フィルタ511の両方を設置した場合の、光ファイバ33の受光面33aにおけるウェハWの上空73A、73B、73Cからの散乱光集光像93a〜93cの計算結果である。図11に示した計算結果に比べ、特にウェハWの上空の奥側73Cからの散乱光の遮光割合が低下していることが分る。これにより、ウェハ奥での異物検出感度の低下が抑えられる。しかも、93dで示すように、処理室内壁87上の73Dからの散乱光はほぼ完全に遮光することが可能となる。
【0053】
さらに、プラズマ71の発光も検出レンズ31にて集光され、光ファイバ33に入射する。光ファイバ33の出射端から出射されたレーザ波長と同じ波長成分を持つ異物散乱光および広い波長成分を持つプラズマ発光は、レーザ12の波長に設定された分光器34にて、上記プラズマ発光から上記異物散乱光の波長成分のみを波長分離した後、光電子増倍管などの光電変換素子35で光電変換される。このとき、上記プラズマ発光のうちの上記異物散乱光と同じ波長成分についても光電変換される。光電変換出力は、増幅器50で増幅された後、ロックインアンプ51により、レーザ光の強度変調に用いた発振器13から出力された周波数170kHz、デューティ50%の矩形波信号を参照信号として同期検波され、上記検出信号の中から周波数170kHzの成分のみを抽出する。プラズマ発光の強度はプラズマ励起用の高周波電力の変調周波数に同期していることを、本願発明者らは実験によって検証しており、上記検出信号の中から抽出された周波数170kHzの成分には、プラズマの発光の周波数成分に含まれる400kHzおよびその高調波成分800kHz、1.2MHz…は含まれない。このように、異物散乱光をプラズマ発光から、波長・周波数2つの領域で分離検出する方法により、プラズマ発光から微弱な異物散乱光を感度良く検出できる。異物信号であるロックインアンプ51の出力は計算機52に送られる。計算機52では、ガルバノドライバ29を介して走査信号をガルバノミラー25に送り、ビームを走査しつつ各走査位置で異物信号を取り込む。計算機52では、予め実験により得られた粒径に対する信号強度と検出された異物信号強度とを比較して異物の大きさを、また、異物信号発生出現回数から異物個数を、また、信号が検出された時の走査位置から異物の発生位置(分布)を算出する。更に、計算機52では、該算出された異物の個数、大きさ、分布などの異物発生状況から処理室内の汚染状況を判定(判断)する。
【0054】
予め、ダミーウェハを用いてプラズマ処理を行なって、実験的に、上記異物の発生状況と、処理室の内壁の汚染状況(処理室の内壁への反応生成物の付着(反応生成物の膜厚も含む)及び/又はプラズマによるダメージによる処理室の内壁の表面状態等)との関連(関係)を求めて記憶装置54に記憶しておくことにより、計算機52は算出された異物の発生状況に基いて、処理室の内壁の汚染状況である内壁への反応生成物の付着及び/又は内壁へのプラズマによるダメージを判定することが可能となる。
【0055】
このように、計算機52は、算出された異物の発生状況に基いて、異常もしくは異常に近ずくと判断したら、プラズマ処理を停止させるように制御し、その後クリーニング等を行なって異物の発生原因を取り除くように制御される。
【0056】
以上説明したように本実施の形態によれば、上記変調・同期検波方式により、波長及び周波数2つの領域において微弱な異物散乱光をプラズマ中異物検出でプラズマ発光から分離して検出することが可能となり、その結果プラズマ中浮遊異物の最小検出感度をφ0.2μm程度にまで向上でき、しかもフレネル領域および結像領域の二つの領域で処理室の内壁からの反射散乱光を遮光することで、特にウェハ上空奥側での異物散乱信号の損失を極力抑えることが可能となり、その結果ウェハ奥側での感度低下を低減でき、ウェハ全面にわたり安定な異物検出が可能になるという効果と同時に、処理室内壁の汚染状況をモニタリングすることが可能となる。
【0057】
さらに、本実施の形態によれば、ウェハ上の全面で異物検出を行って、計算機52等で異物の発生状況(異物の個数、大きさ、分布など)を算出するので、操作者は、その情報を、例えば、ディスプレイ53上でリアルタイムで確認することもできる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、計算機52等は、算出された異物の発生状況(異物の発生個数、大きさ、分布等)の情報をもとに、処理室内の汚染状況をリアルタイムで判断できると同時に処理室内壁の汚染状況(処理室内壁の汚染状況に応じて異物の発生状況が変化するため。)をモニタリングできるため、例えば、クリーニング時期の最適化による装置稼働率の向上、突発的大量異物の発生の早期発見ができ、歩留まりが向上する。また、計算機52または該計算機52が接続されたプラズマ制御装置等は、プラズマ処理室内の汚染状況を常にモニタしながらプラズマ処理を進められるため、このようにして製造された半導体基板や液晶基板から、基準値以上の異物を含まない環境で製造された、高品質で、信頼性の高い製品を実現することが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、ダミーウェハを用いたプラズマ処理室の汚染状況判断や、抜き取り検査による汚染状況判断の頻度低減が可能であるため、ダミーウェハのコスト削減がなされる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、プラズマ処理室の内壁から発生する反射散乱光の影響を受けることなく、被処理基板全面にわたり異物検出が可能になると同時に、プラズマ処理室の内壁の汚染状況をモニタリングでき、その結果高品質の半導体素子を高歩留まりで製造が可能になり、しかも装置クリーニング時期を正確に把握することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理室内汚染状況モニタリング機能付きプラズマエッチング装置の一実施の形態を示す構成図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】被処理基板の上空における各点73A〜73Cおよび処理室の内壁73Dとの結像レンズによる結像関係と、処理室の内壁からの反射散乱光を結像レンズの結像位置73dに設けられた空間フィルタで遮光する場合の説明図である。
【図3】レンズによる点光源の集光を示す説明図である。
【図4】レンズによる点光源の集光像を示す説明図である。
【図5】処理室の内壁からの反射散乱光を結像レンズによる結像位置73dに設けられた空間フィルタで遮光する場合の説明図である。
【図6】結像レンズによる内壁からの反射散乱光の結像位置73dにおける処理室内壁反射散乱光集光像を示す図である。
【図7】結像レンズによる内壁からの反射散乱光の結像位置73dに設けられた空間フィルタによって処理室内壁反射散乱光集光像を遮光する様子を示す説明図である。
【図8】結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、被処理基板の上空における各点73A〜73Cおよび処理室の内壁73Dとの結像レンズによる結像関係を示す説明図である。
【図9】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図10】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置に空間フィルタを設置した場合おける異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図11】図8に示すように結像レンズの光軸を照射光軸からずらした場合において、結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置に空間フィルタを設置した場合のファイバ受光面における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図12】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置における処理室内壁反射散乱光集光像を示す図である。
【図13】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置における処理室内壁反射散乱光遮光方法を示す説明図である。
【図14】本発明に係るフレネル輪帯の概念を示す説明図である。
【図15】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に設けられた輪帯状空間フィルタの一実施例によって処理室内壁反射散乱光集光像を遮光する様子を示す説明図である。
【図16】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に輪帯状空間フィルタの一実施例を設置した場合の上記反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図17】本発明に係る結像レンズによる処理室の内壁からの反射散乱光結像位置より結像レンズに近い位置に輪帯状空間フィルタの一実施例を設置し、上記反射散乱光結像位置の位置に小さな空間フィルタの一実施例を設置した場合の上記反射散乱光結像位置における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【図18】図17と同様に輪帯状空間フィルタの一実施例および小さな空間フィルタの一実施例を設置した場合のファイバ受光面における異物散乱光集光像及び処理室内壁反射散乱光集光像の計算結果を示す図である。
【符号の説明】
10…観測用窓(照射用窓)、11…傾斜窓ガラス、12…レーザ光源、13…発振器、14…強度変調器、18…レンズ、19…レンズ、24…小形ミラー、25…ガルバノミラー(光走査手段)、29…ガルバノドライバ、31…結像レンズ、33…光ファイバ、33a…受光面(入射面)、34…分光器、35…光電変換素子(検出器)、50…増幅器、51…同期検波回路、52…計算機、53…ディスプレイ(表示手段)、54…記憶装置、71…プラズマ、81…上部電極、82…下部電極、83…シグナルジェネレータ、84…パワーアンプ、85…分配器、86…プラズマ処理室(処理室)、87…処理室内壁、510…輪帯状空間フィルタ、511…小さい空間フィルタ、2000…レーザ照明光学系、2001…散乱光検出光学系、2002…制御・信号処理系、W…被処理基板(半導体基板、ウェハ)。
Claims (16)
- 処理室内にプラズマを発生させ、該発生したプラズマによって被処理基板に対して処理を施して半導体を製造する半導体の製造方法において、
所望の周波数で強度変調した光を照射用窓を通して前記処理室内に照射する照射ステップと、
該照射ステップで前記強度変調した光を前記処理室内に照射することにより観測用窓を通して得られる前記処理室の内壁で発生する反射散乱光を遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換し、該変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分の信号を抽出する検出ステップと、
該検出ステップで抽出された周波数成分の信号に基いて前記処理室内の異物の発生状況を算出する算出ステップとを有する異物検出工程を有することを特徴とする半導体の製造方法。 - 前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁で発生する反射散乱光を、フレネル領域および結像領域において遮光することを特徴とする請求項1記載の半導体の製造方法。
- 前記異物検出工程の検出ステップにおいて、前記処理室の内壁から発生する反射散乱光を、前記フレネル領域に設けられた輪帯状空間フィルタおよび前記結像領域に設けられた空間フィルタで遮光することを特徴する請求項2記載の半導体の製造方法。
- 前記異物検出工程において、前記照射ステップにおける前記照射用窓と前記検出ステップにおける前記観測用窓を同一にしたことを特徴とする請求項2記載の半導体の製造方法。
- 前記異物検出工程の照射ステップにおいて、前記照射用窓の入射面を照射光軸に対して傾斜させることを特徴とする請求項2記載の半導体の製造方法。
- 前記異物検出工程の算出ステップにおいて、前記算出された異物の発生状況に基いて前記処理室の内壁の汚染状況を判定することを特徴とする請求項2記載の半導体の製造方法。
- 処理室内にプラズマを発生させ、該発生したプラズマによって被処理基板に対して処理を施して半導体を製造するプラズマ処理装置において、
所望の周波数で強度変調した光を照射用窓を通して前記処理室内に照射する照射光学系と、
該照射光学系で前記強度変調した光を前記処理室内に照射することによって観測用窓を通して得られる前記処理室の内壁で発生する反射散乱光を遮光して前記処理室内の異物によって後方散乱される後方散乱光を検出器で受光して信号に変換する検出光学系と、
該検出光学系の検出器で変換された信号の中から前記強度変調した周波数成分の信号を抽出する抽出手段と、
該抽出手段で抽出された周波数成分の信号に基いて前記処理室内の異物の発生状況を算出する算出手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記検出光学において、前記処理室の内壁から発生する反射散乱光および前記異物からの後方散乱光を結像させる結像レンズと、該結像レンズによるフレネル領域および結像領域において前記反射散乱光を遮光する空間フィルタと、該空間フィルタを通過して得られる後方散乱光を受光して信号に変換する前記検出器とを有することを特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置。
- 前記照射光学系には、前記所望の周波数で強度変調された光を前記照射用窓を通して前記処理室内に設置された被処理基板上で走査させて照射する走査光学系を備えたことを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 前記照射光学系には、さらに、前記所望の周波数で強度変調された光を反射させて前記走査光学系に入射させる小ミラーを備えたこと特徴とする請求項9記載のプラズマ処理装置。
- 前記検出光学系の空間フィルタを、前記結像レンズのフレネル領域に設けられ、前記処理室の内壁から発生する反射散乱光を遮光する輪帯状空間フィルタと、前記結像レンズの結像領域に設けられ、前記輪帯状空間フィルタで遮光できなかった残りの反射散乱光を遮光する空間フィルタとを備えて構成したことを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 前記照射用窓と前記観測用窓とを同一にしたことを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 前記照射用窓の入射面を照射光軸に対して傾斜させることを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 更に、前記算出手段で算出された前記処理室内の異物の発生状況を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 前記算出手段は、前記算出された異物の発生状況に基いて前記処理室の内壁の汚染状況を判定することを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
- 更に、前記算出手段で算出された異物の発生状況に基いて前記プラズマによる被処理基板への処理を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理装置。
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