JP2005032914A - 酸化ハフニウムのエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に形成された酸化ハフニウムを良好にエッチングする。
【解決手段】スピンチャック1に保持された基板Wに対して、エッチング液供給ノズル11から、ふっ酸および濃硫酸の混合液からなるエッチング液が供給される(ふっ酸エッチング工程)。その後、前リンス処理液供給ノズル12から、濃硫酸または濃酢酸からなる前リンス処理液が基板Wに供給され、基板W上からエッチング液が排除される(前リンス工程)。次に、純水供給ノズル13から、基板Wに純水が供給され、前リンス処理液が基板W外に排除される(純水リンス工程)。
【効果】基板W上に水分のない状態でふっ酸を基板W外に排除し、その後に純水リンスが行われるから、ふっ酸による基板構成材料の不所望なエッチングが生じない。
【選択図】図1
【解決手段】スピンチャック1に保持された基板Wに対して、エッチング液供給ノズル11から、ふっ酸および濃硫酸の混合液からなるエッチング液が供給される(ふっ酸エッチング工程)。その後、前リンス処理液供給ノズル12から、濃硫酸または濃酢酸からなる前リンス処理液が基板Wに供給され、基板W上からエッチング液が排除される(前リンス工程)。次に、純水供給ノズル13から、基板Wに純水が供給され、前リンス処理液が基板W外に排除される(純水リンス工程)。
【効果】基板W上に水分のない状態でふっ酸を基板W外に排除し、その後に純水リンスが行われるから、ふっ酸による基板構成材料の不所望なエッチングが生じない。
【選択図】図1
Description
【0001】
【技術分野】
この発明は、基板上に形成された酸化ハフニウムのエッチング方法に関する。
【0002】
【背景技術】
酸化ハフニウムは酸化シリコンよりも誘電体の高いいわゆるHigh−k材料であり、シリコンウエハの表面に形成されるゲート構造の構成薄膜として用いられるようになってきている。
基板上の酸化ハフニウムのエッチングは、濃硫酸とふっ酸との混合液を基板に供給するエッチング工程と、基板上に純水(脱イオン化水)を供給して基板上から上記混合液を排除する純水リンス工程とを含む。
【0003】
ふっ酸は、水分の存在下では、酸化ハフニウムに対するエッチング選択性が低くなり、酸化ハフニウムだけでなく、シリコン、ポリシリコンおよび酸化シリコンをも腐食させる。そのため、エッチング工程では、濃硫酸をふっ酸とともに供給することによって、基板上の水分を奪い、酸化ハフニウムに対するエッチング選択性を確保しているのである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−36176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エッチング工程の後の純水リンス工程では、基板上に純水が供給されるから、基板上からふっ酸が排除されるまでの時間に、基板の構成材料(シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン)が腐食される。これにより、微細パターンの形成が不良になるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、基板上に形成された酸化ハフニウムのエッチングを良好に行うことが可能な酸化ハフニウムのエッチング方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)上に形成された酸化ハフニウムを選択的にエッチングするための方法であって、上記基板にふっ酸を含む薬液を供給して、ふっ酸の作用により基板上の酸化ハフニウムをエッチングするふっ酸エッチング工程(S2)と、このふっ酸エッチング工程の後、上記基板の構成材料または酸化ハフニウムに対するエッチング性のない実質的に水分を含まない前リンス処理液を上記基板に供給して、上記基板上からふっ酸を含む薬液を排除する前リンス工程(S3)と、この前リンス工程の後、上記基板上に純水を供給して、上記基板上から上記前リンス処理液を排除する純水リンス工程(S4)とを含むことを特徴とする酸化ハフニウムのエッチング方法である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0007】
上記基板の構成材料は、基板自身の材料のほか、基板上に形成されている酸化ハフニウム以外の薄膜の構成材料を含む。より具体的には、基板の構成材料は、シリコン、ポリシリコン、酸化シリコンなどを含む。
この発明によれば、ふっ酸を含む薬液を用いて基板上の酸化ハフニウムをエッチングした後に、前リンス処理液による前リンス工程が行われ、その後に純水リンス工程が行われる。前リンス工程で供給される前リンス処理液は、基板の構成材料に対しても、また酸化ハフニウムに対してもエッチング性がないから、この前リンス処理液によって不所望なエッチングが生じることはない。また、前リンス処理液は実質的に水分を含んでいないので、その供給当初の期間に基板上にふっ酸が残留していたとしても、このふっ酸は、酸化ハフニウムに対する大きなエッチング選択性を有している状態を保持でき、その状態で前リンス処理液によって基板外へと排除される。したがって、ふっ酸の作用による不所望なエッチングが起こることもない。よって、酸化ハフニウムのエッチングを良好に行うことができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記前リンス工程は、上記前リンス処理液として、実質的に水分を含まない硫酸または酢酸を上記基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の酸化ハフニウムのエッチング方法である。より具体的には、上記前リンス処理液として、濃度約96%以上の濃硫酸や、濃度約98%以上の濃酢酸を用いることができる。
請求項3記載の発明は、上記ふっ酸エッチング工程は、ふっ酸と、実質的に水分を含まない硫酸との混合液を上記薬液として基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化ハフニウムのエッチング方法である。
【0009】
この発明によれば、ふっ酸エッチング工程では、実質的に水分を含まない硫酸とふっ酸との混合液がエッチングのための薬液として用いられるから、基板上の水分は硫酸によって奪われ、水分の存在しない状態でふっ酸による酸化ハフニウムのエッチングが進行する。この状況では、ふっ酸は、酸化ハフニウムに対する高いエッチング選択性を有するから、基板の構成材料に対する不所望なエッチングがほとんど生じることがなく、酸化ハフニウムの良好な選択エッチングを実現できる。
【0010】
上記実質的に水分を含まない硫酸とは、たとえば、濃度約96%以上の濃硫酸であってもよい。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を実行するための基板処理装置の構成を説明するための図解図である。この基板処理装置は、処理対象の基板Wをほぼ水平に保持して鉛直軸線まわりに回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1を回転駆動するための回転駆動機構2と、スピンチャック1に保持された基板Wに対して酸化ハフニウムのエッチングのためのエッチング液(薬液)を供給するエッチング液供給ノズル11と、基板W上のエッチング液を基板W外に排除するための前リンス処理液を供給する前リンス処理液供給ノズル12と、基板W上の前リンス処理液を基板W外に排除するために純水を供給する純水供給ノズル13とを備えている。
【0012】
基板Wは、たとえば、シリコンウエハであり、その表面には、酸化ハフニウムの薄膜が形成されている。より具体的には、たとえば、基板Wの上に、酸化シリコン膜や酸化ハフニウム薄膜を含むゲート構造を形成するプロセスにおいて、この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法が適用される。この場合、酸化ハフニウムを選択的にエッチングすることが重要であり、このエッチング工程において、基板W上に形成されている酸化シリコンおよびポリシリコンなどの酸化ハフニウム以外の薄膜材料はもちろん、シリコン等の基板W自身の材料(これらを総称して、以下「基板構成材料」という。)に対するエッチングも最小限に抑えることが重要である。
【0013】
エッチング液供給ノズル11から供給されるエッチング液は、ふっ酸と、濃硫酸(たとえば、濃度96%の濃硫酸)との混合液である。硫酸の働きにより、基板W上の水分が奪われるため、水分がほとんど存在しない条件下でふっ酸によるエッチングが進行する。このとき、ふっ酸は、酸化ハフニウムに対する高い選択性を有し、基板構成材料をほとんど腐食させない。
前リンス処理液供給ノズル12から供給される前リンス処理液は、たとえば、濃硫酸(たとえば、濃度96%の濃硫酸)または濃酢酸(たとえば、濃度98%の濃酢酸)である。この前リンス処理液は、基板W上に水分を存在させない状態で、基板W上のエッチング液(とくにふっ酸)を基板W外に排除する。
【0014】
図2は、この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を説明するための流れ図である。まず、図示しない搬送ロボットによって未処理の基板Wがスピンチャック1に受け渡された後、スピンチャック1が回転されて基板Wが回転状態とされ(S1:基板回転工程)、その状態でエッチング液供給ノズル11から、上述のエッチング液が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S2:エッチング工程)。これにより、エッチング液は遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上では酸化ハフニウムの選択エッチングが進行することになる。
【0015】
所定時間のエッチング工程(S2)の後に、エッチング液供給ノズル11からのエッチング液の供給が停止され、代わって前リンス処理液供給ノズル12から、前リンス処理液が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S3:前リンス工程)。これにより、前リンス処理液は遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上のエッチング液を基板W外へと排除する。前リンス処理液は、基板W上に水分とふっ酸とが混在する状況を生じさせることなく、エッチング液を基板W外に排除するから、エッチング液が排除される過程で、エッチング液中にふっ酸が酸化ハフニウムに対する高い選択性を失うことはなく、基板構成材料が不所望なエッチングを受けることはない。
【0016】
所定時間の前リンス工程の後、前リンス処理液供給ノズル12からの前リンス処理液の供給が停止され、代わって純水供給ノズル13から、純水が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S4:純水リンス工程)。これにより、純水は、遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上の前リンス処理液を基板W外へと排除する。このとき、基板W上のふっ酸はすでに排除されているので、ふっ酸と水分とが基板W上で混在する状況が生じないので、基板構成材料の不所望なエッチングが生じることはない。
【0017】
こうして、基板Wの純水リンス工程が所定時間行われると、スピンチャック1が高速回転され、基板Wの表面の水分を振り切る乾燥工程(S5)が実行される。この乾燥工程の後、基板Wは、搬送ロボットによって、基板処理装置外へと搬出されることになる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、基板Wを基板保持回転機構としてのスピンチャック1に1枚ずつ保持して処理する枚葉型の基板処理装置によって酸化ハフニウムのエッチング処理が行われる場合について説明したが、この発明は、複数枚の基板に対して一括して酸化ハフニウムのエッチング処理を実行するバッチ型の基板処理装置においても実現可能である。
【0018】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を実行するための基板処理装置の構成を説明するための図解図である。
【図2】この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 回転駆動機構
11 エッチング液供給ノズル
12 前リンス処理液供給ノズル
13 純水供給ノズル
W 基板
【技術分野】
この発明は、基板上に形成された酸化ハフニウムのエッチング方法に関する。
【0002】
【背景技術】
酸化ハフニウムは酸化シリコンよりも誘電体の高いいわゆるHigh−k材料であり、シリコンウエハの表面に形成されるゲート構造の構成薄膜として用いられるようになってきている。
基板上の酸化ハフニウムのエッチングは、濃硫酸とふっ酸との混合液を基板に供給するエッチング工程と、基板上に純水(脱イオン化水)を供給して基板上から上記混合液を排除する純水リンス工程とを含む。
【0003】
ふっ酸は、水分の存在下では、酸化ハフニウムに対するエッチング選択性が低くなり、酸化ハフニウムだけでなく、シリコン、ポリシリコンおよび酸化シリコンをも腐食させる。そのため、エッチング工程では、濃硫酸をふっ酸とともに供給することによって、基板上の水分を奪い、酸化ハフニウムに対するエッチング選択性を確保しているのである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−36176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エッチング工程の後の純水リンス工程では、基板上に純水が供給されるから、基板上からふっ酸が排除されるまでの時間に、基板の構成材料(シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン)が腐食される。これにより、微細パターンの形成が不良になるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、基板上に形成された酸化ハフニウムのエッチングを良好に行うことが可能な酸化ハフニウムのエッチング方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)上に形成された酸化ハフニウムを選択的にエッチングするための方法であって、上記基板にふっ酸を含む薬液を供給して、ふっ酸の作用により基板上の酸化ハフニウムをエッチングするふっ酸エッチング工程(S2)と、このふっ酸エッチング工程の後、上記基板の構成材料または酸化ハフニウムに対するエッチング性のない実質的に水分を含まない前リンス処理液を上記基板に供給して、上記基板上からふっ酸を含む薬液を排除する前リンス工程(S3)と、この前リンス工程の後、上記基板上に純水を供給して、上記基板上から上記前リンス処理液を排除する純水リンス工程(S4)とを含むことを特徴とする酸化ハフニウムのエッチング方法である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0007】
上記基板の構成材料は、基板自身の材料のほか、基板上に形成されている酸化ハフニウム以外の薄膜の構成材料を含む。より具体的には、基板の構成材料は、シリコン、ポリシリコン、酸化シリコンなどを含む。
この発明によれば、ふっ酸を含む薬液を用いて基板上の酸化ハフニウムをエッチングした後に、前リンス処理液による前リンス工程が行われ、その後に純水リンス工程が行われる。前リンス工程で供給される前リンス処理液は、基板の構成材料に対しても、また酸化ハフニウムに対してもエッチング性がないから、この前リンス処理液によって不所望なエッチングが生じることはない。また、前リンス処理液は実質的に水分を含んでいないので、その供給当初の期間に基板上にふっ酸が残留していたとしても、このふっ酸は、酸化ハフニウムに対する大きなエッチング選択性を有している状態を保持でき、その状態で前リンス処理液によって基板外へと排除される。したがって、ふっ酸の作用による不所望なエッチングが起こることもない。よって、酸化ハフニウムのエッチングを良好に行うことができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記前リンス工程は、上記前リンス処理液として、実質的に水分を含まない硫酸または酢酸を上記基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の酸化ハフニウムのエッチング方法である。より具体的には、上記前リンス処理液として、濃度約96%以上の濃硫酸や、濃度約98%以上の濃酢酸を用いることができる。
請求項3記載の発明は、上記ふっ酸エッチング工程は、ふっ酸と、実質的に水分を含まない硫酸との混合液を上記薬液として基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化ハフニウムのエッチング方法である。
【0009】
この発明によれば、ふっ酸エッチング工程では、実質的に水分を含まない硫酸とふっ酸との混合液がエッチングのための薬液として用いられるから、基板上の水分は硫酸によって奪われ、水分の存在しない状態でふっ酸による酸化ハフニウムのエッチングが進行する。この状況では、ふっ酸は、酸化ハフニウムに対する高いエッチング選択性を有するから、基板の構成材料に対する不所望なエッチングがほとんど生じることがなく、酸化ハフニウムの良好な選択エッチングを実現できる。
【0010】
上記実質的に水分を含まない硫酸とは、たとえば、濃度約96%以上の濃硫酸であってもよい。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を実行するための基板処理装置の構成を説明するための図解図である。この基板処理装置は、処理対象の基板Wをほぼ水平に保持して鉛直軸線まわりに回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1を回転駆動するための回転駆動機構2と、スピンチャック1に保持された基板Wに対して酸化ハフニウムのエッチングのためのエッチング液(薬液)を供給するエッチング液供給ノズル11と、基板W上のエッチング液を基板W外に排除するための前リンス処理液を供給する前リンス処理液供給ノズル12と、基板W上の前リンス処理液を基板W外に排除するために純水を供給する純水供給ノズル13とを備えている。
【0012】
基板Wは、たとえば、シリコンウエハであり、その表面には、酸化ハフニウムの薄膜が形成されている。より具体的には、たとえば、基板Wの上に、酸化シリコン膜や酸化ハフニウム薄膜を含むゲート構造を形成するプロセスにおいて、この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法が適用される。この場合、酸化ハフニウムを選択的にエッチングすることが重要であり、このエッチング工程において、基板W上に形成されている酸化シリコンおよびポリシリコンなどの酸化ハフニウム以外の薄膜材料はもちろん、シリコン等の基板W自身の材料(これらを総称して、以下「基板構成材料」という。)に対するエッチングも最小限に抑えることが重要である。
【0013】
エッチング液供給ノズル11から供給されるエッチング液は、ふっ酸と、濃硫酸(たとえば、濃度96%の濃硫酸)との混合液である。硫酸の働きにより、基板W上の水分が奪われるため、水分がほとんど存在しない条件下でふっ酸によるエッチングが進行する。このとき、ふっ酸は、酸化ハフニウムに対する高い選択性を有し、基板構成材料をほとんど腐食させない。
前リンス処理液供給ノズル12から供給される前リンス処理液は、たとえば、濃硫酸(たとえば、濃度96%の濃硫酸)または濃酢酸(たとえば、濃度98%の濃酢酸)である。この前リンス処理液は、基板W上に水分を存在させない状態で、基板W上のエッチング液(とくにふっ酸)を基板W外に排除する。
【0014】
図2は、この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を説明するための流れ図である。まず、図示しない搬送ロボットによって未処理の基板Wがスピンチャック1に受け渡された後、スピンチャック1が回転されて基板Wが回転状態とされ(S1:基板回転工程)、その状態でエッチング液供給ノズル11から、上述のエッチング液が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S2:エッチング工程)。これにより、エッチング液は遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上では酸化ハフニウムの選択エッチングが進行することになる。
【0015】
所定時間のエッチング工程(S2)の後に、エッチング液供給ノズル11からのエッチング液の供給が停止され、代わって前リンス処理液供給ノズル12から、前リンス処理液が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S3:前リンス工程)。これにより、前リンス処理液は遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上のエッチング液を基板W外へと排除する。前リンス処理液は、基板W上に水分とふっ酸とが混在する状況を生じさせることなく、エッチング液を基板W外に排除するから、エッチング液が排除される過程で、エッチング液中にふっ酸が酸化ハフニウムに対する高い選択性を失うことはなく、基板構成材料が不所望なエッチングを受けることはない。
【0016】
所定時間の前リンス工程の後、前リンス処理液供給ノズル12からの前リンス処理液の供給が停止され、代わって純水供給ノズル13から、純水が基板Wのほぼ回転中心に向けて供給される(S4:純水リンス工程)。これにより、純水は、遠心力を受けて基板Wの全面に広がり、基板W上の前リンス処理液を基板W外へと排除する。このとき、基板W上のふっ酸はすでに排除されているので、ふっ酸と水分とが基板W上で混在する状況が生じないので、基板構成材料の不所望なエッチングが生じることはない。
【0017】
こうして、基板Wの純水リンス工程が所定時間行われると、スピンチャック1が高速回転され、基板Wの表面の水分を振り切る乾燥工程(S5)が実行される。この乾燥工程の後、基板Wは、搬送ロボットによって、基板処理装置外へと搬出されることになる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、基板Wを基板保持回転機構としてのスピンチャック1に1枚ずつ保持して処理する枚葉型の基板処理装置によって酸化ハフニウムのエッチング処理が行われる場合について説明したが、この発明は、複数枚の基板に対して一括して酸化ハフニウムのエッチング処理を実行するバッチ型の基板処理装置においても実現可能である。
【0018】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を実行するための基板処理装置の構成を説明するための図解図である。
【図2】この実施形態に係る酸化ハフニウムのエッチング方法を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 回転駆動機構
11 エッチング液供給ノズル
12 前リンス処理液供給ノズル
13 純水供給ノズル
W 基板
Claims (3)
- 基板上に形成された酸化ハフニウムを選択的にエッチングするための方法であって、
上記基板にふっ酸を含む薬液を供給して、ふっ酸の作用により基板上の酸化ハフニウムをエッチングするふっ酸エッチング工程と、
このふっ酸エッチング工程の後、上記基板の構成材料または酸化ハフニウムに対するエッチング性のない実質的に水分を含まない前リンス処理液を上記基板に供給して、上記基板上からふっ酸を含む薬液を排除する前リンス工程と、
この前リンス工程の後、上記基板上に純水を供給して、上記基板上から上記前リンス処理液を排除する純水リンス工程とを含むことを特徴とする酸化ハフニウムのエッチング方法。 - 上記前リンス工程は、上記前リンス処理液として、実質的に水分を含まない硫酸または酢酸を上記基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の酸化ハフニウムのエッチング方法。
- 上記ふっ酸エッチング工程は、ふっ酸と、実質的に水分を含まない硫酸との混合液を上記薬液として基板上に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の酸化ハフニウムのエッチング方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195009A JP2005032914A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 酸化ハフニウムのエッチング方法 |
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JP2003195009A JP2005032914A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 酸化ハフニウムのエッチング方法 |
Publications (1)
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JP2003195009A Pending JP2005032914A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 酸化ハフニウムのエッチング方法 |
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JP (1) | JP2005032914A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007522663A (ja) * | 2004-02-11 | 2007-08-09 | エスイーゼツト・アクチエンゲゼルシヤフト | 選択的エッチングを行う方法 |
CN112236848A (zh) * | 2018-06-13 | 2021-01-15 | 东京毅力科创株式会社 | 基片处理方法和基片处理装置 |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195009A patent/JP2005032914A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007522663A (ja) * | 2004-02-11 | 2007-08-09 | エスイーゼツト・アクチエンゲゼルシヤフト | 選択的エッチングを行う方法 |
CN112236848A (zh) * | 2018-06-13 | 2021-01-15 | 东京毅力科创株式会社 | 基片处理方法和基片处理装置 |
CN112236848B (zh) * | 2018-06-13 | 2024-05-28 | 东京毅力科创株式会社 | 基片处理方法和基片处理装置 |
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