JP2005032463A - 白色発光有機エレクトロルミネセンス素子およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の白色発光有機EL素子は、発光材料の劣化速度が各発光層間で異なるために、時間と共に白色発光有機EL素子から得られる光の色が白色でなくなるという問題が生じる。本発明は、このような問題を解決するために、色彩の調整が可能で、かつ白色発光する白色発光有機EL素子、及び当該白色発光有機EL素子の駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、2つの有機EL素子を点滅させたときに、点滅間隔が、人間が認識できる最小の時間以下のとき、それぞれの該有機EL素子が連続して発光しているように見える性質を利用している。また、2つの該有機EL素子を近接して配置したとき、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子との配置間隔が、人間が認識できる最小の間隔以下のとき、それぞれの該有機EL素子が1の場所で発光しているように見える性質を利用している。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、2つの有機EL素子を点滅させたときに、点滅間隔が、人間が認識できる最小の時間以下のとき、それぞれの該有機EL素子が連続して発光しているように見える性質を利用している。また、2つの該有機EL素子を近接して配置したとき、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子との配置間隔が、人間が認識できる最小の間隔以下のとき、それぞれの該有機EL素子が1の場所で発光しているように見える性質を利用している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色発光する白色発光有機エレクトロルミネセンス(以下、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する。)素子に関する。特に、発光した光の色が略補色の関係となる2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
白色光を発する白色発光有機EL素子は、カラーフィルターと組み合わせることで、白色光から赤色、緑色および青色の光を取り出すといったフルカラーディスプレイや、液晶ディスプレイのバックライト等など非常に広い用途に利用される可能性を有している。
【0003】
従来の白色発光有機EL素子には、2種または3種の発光層を有し、直流の電圧が印加されることにより発光層を発光させ、それぞれの発光層で発光した光を混色させる結果、白色の光を得るものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、ホスト材料に発光材料をドープすることによって単体で白色発光する発光層を有するものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
しかし、これらの白色発光有機EL素子では、白色発光有機EL素子を直流の信号によって駆動することにより、発光層を含む有機層の内部に電荷が蓄積し、発光効率が低下する。また、発光材料の劣化速度が前者の場合では各発光層間で、後者の場合では発光層内の材料間で、異なるために、時間と共に白色発光有機EL素子から得られる光の色が白色でなくなるという問題が生じる。従来の白色発光有機EL素子では、白色発光有機EL素子を交換することがこれらの問題の解決の方法となる。つまり、白色発光有機EL素子の寿命は、発光材料の寿命と同じであり、従来の発光材料を用いる限りは、白色発光有機EL素子の寿命には限界がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−123971号公報 (第(1)頁〜第(9)頁)
【特許文献2】
特開2001−326074号公報 (第(1)頁〜第(4)頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、色彩の調整が可能で、かつ白色発光する白色発光有機EL素子の提供を目的とする。また、当該白色発光有機EL素子の駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明による有機EL素子は、2つの有機EL素子を同時または独立に発光させ、該2つの有機EL素子を点滅させたときに、点滅間隔が、人間が認識できる最小の時間以下のとき、それぞれの該有機EL素子が連続して発光しているように見える性質を利用している。また、2つの該有機EL素子を近接して配置したとき、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子との配置間隔が、人間が認識できる最小の間隔以下のとき、それぞれの該有機EL素子が1の場所で発光しているように見える性質を利用している。ここで、発光する光の色が略補色の関係を有する2種の有機EL素子を発光させ、該光を混色すると白色になる。具体的には、以下の手段による。
【0008】
上記課題を解決するため、本願第1発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本願第2発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本願第3発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本願第4発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本願第5発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子の駆動方法であって、それぞれの該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極との間に該有機EL素子が点灯する信号と該有機EL素子が消灯する信号との繰り返し形状の信号を印加する白色発光有機EL素子の駆動方法である。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本願第6発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子の駆動方法であって、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とを第1の電極に接続し、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とを第2の電極に接続し、かつ、一方の該有機EL素子が点灯するとき他方の該有機EL素子が消灯する信号と、該一方の有機EL素子が消灯するとき該他方の有機EL素子が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号を該第1の電極と該第2の電極との間に印加する白色発光有機EL素子の駆動方法である。
【0014】
ここで、本願第5発明において、前記繰り返し形状の信号を交流の信号とすることができる。また、本願第5および本願第6発明において、前記繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの前記有機層で発光した光の平均強度を変化させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面に記載されている番号について、10は陽極電極、11は有機層、12は陰極電極、14は信号発生装置、15は対となる出力端子、16は有機EL素子、をそれぞれ示し、これらの番号は、本願発明のすべての実施の形態の説明に共通に用いる。
【0016】
(実施の形態1)
まず、本願第1発明の実施の形態について、図1、図2および図3を用いて説明する。図1は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図1(1)は、有機EL素子の陰極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図1(2)は、有機EL素子の陽極電極と陰極電極とを向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図1(3)は、有機EL素子の陽極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図2および図3は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【0017】
図1(1)から図1(3)、図2および図3において、100は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示している。図2において、17は陽極電極または陰極電極となる電極を示し、18は電極17と対になる電極、19は基板、をそれぞれ示している。図3において、171、172は陰極電極または陽極電極となる電極、18は電極171および172と対となる電極をそれぞれ示す。
【0018】
ここで、有機層11には、少なくとも発光層を含み、発光層以外にも種々の層を含む場合がある。例えば、陰極電極11の側から順に、電子注入輸送層と、発光層と、ホール注入輸送層と、の任意の層を含む場合がある。電子注入輸送層は、発光層と陰極電極12との整合性を良好なものとすることが可能で、発光層での発光効率を高めることが可能となる。また、ホール注入輸送層は、発光層と陽極電極10との整合性を良好なものとすることが可能で、発光層での発光効率を高めることが可能となる。また、本来発光層が発光するのであるが、本明細書では、有機層11での発光を発光層での発光と同義の用語として使用する。なお、以下、有機層については上記と同様の意味を持つ用語として使用する。
【0019】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16が、図1(1)から図1(3)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続され、他の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに他の繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴とする。このとき、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向に、それぞれの有機層11で発光した光を同時に出すことが可能となり、それぞれの有機層11で発光した光を混色することにより白色の光を得ることができる。
【0020】
ここで、2種の有機EL素子16が陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられることで、それぞれの有機層11で発光した光を、共に白色発光有機EL素子100の有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向から得られるため1つの白色発光有機EL素子100の大きさを大きくしても、白色の光を得ることが可能となる。
【0021】
本実施の形態では、図1(1)から図1(3)において、一方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方と、他方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方とを接続することが可能である。このとき、信号発生装置14で発生させる信号によってそれぞれの有機EL素子16を同期または非同期で駆動することが可能となる。なお、当然に、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに、まったく独立に対となる出力端子を接続してもよい。この場合は、それぞれの有機EL素子16を非同期で駆動することが可能となる。つまり、信号発生装置14の内部で、2つの信号を同期させた場合、それぞれの有機EL素子16を交互に点滅させ、または、同時に点滅させることが可能となる。一方、信号発生装置14の内部で、2つの信号を非同期とした場合、それぞれの有機EL素子16を全く独立に点滅させることが可能となる。
【0022】
本実施の形態では、白色発光有機EL素子100と信号発生装置14とを図1(1)から図1(3)に示すように接続すると、信号発生装置14が出力する繰り返し形状の信号の波形を調整することにより、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となる。ここで、光の平均強度とは、発光強度の単位時間積分値を単位時間で除算した値である。光の平均強度の定義は、本明細書において以下同様のものを使用する。
【0023】
繰り返し形状の信号は、有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0024】
本実施の形態では、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となるため、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能で、長時間白色の光を白色発光有機EL素100から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0025】
図2には、複数の白色発光有機EL素子100を基板上に実装したものが表されている。電極17と電極18との間には有機層11が挟まれている。点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子100を示している。また、図3は、白色発光有機EL素子100の特別な実装の形態を示す。
【0026】
複数の白色発光有機EL素子100を実装するには、まず、基板上に電極17と有機層11と電極18とを図2に示すように順に配置し、電極17および電極18を図1に示す実施の形態に合わせて陽極電極または陰極電極としたものを2つ製造する。次に、複数の有機EL素子を基板上に実装したものを陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ね合わせればよい。特に、図1に示す実施の形態のように、向かい合った陰極電極12同士、向かい合った陽極電極10同士または向かい合った陰極電極12と陽極電極10と、を接続する場合は、図2において、一方の電極17と他方の電極18とを1つの電極で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図3に示すものとすることができる。このとき、図1(1)から図1(3)に示す接続例に従って、図2または図3に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子100の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0027】
なお、ここでは、陰極電極と陽極電極とを交差させた構造としたが、情報を表示しない場合は、陰極電極および陽極電極を平板状の電極としてもよい。以下の実施の形態でも同様である。
【0028】
(実施の形態2)
次に、本願第2発明の実施の形態について、図2、図3および図4を用いて説明する。図4は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図4(1)は、有機EL素子の陰極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図4(2)は、有機EL素子の陽極電極と陰極電極とを向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図4(3)は、有機EL素子の陽極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図2および図3は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。図4(1)から図4(3)において、100は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示す。また、図2および図3について、番号が示すものは、実施の形態1で説明したものと同様のものを示す。
【0029】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16が、図4(1)から図4(3)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とが第1の電極に接続され、一方の有機EL素子16の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とが第2の電極に接続され、かつ第1の電極と第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴としている。つまり、実施の形態1で示した白色発光有機EL素子を1つの信号発生装置によって駆動することに特徴を有している。このとき、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向に、それぞれの有機層11で発光した光が同時に出るため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0030】
また、図4に示すように、信号出力装置14と白色発光有機EL素子100とを接続すると、例えば、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が常に逆となるので、1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子100を駆動することが可能である。1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子100を駆動するため、信号発生装置14で発生させる信号を同期させる等の特別な信号の制御を行う必要が無く、電圧発生装置14の内部の回路の構成を簡単なものとすることが可能である。
【0031】
図2には、複数の白色発光有機EL素子100を基板上に実装したものが表されている。また、図3は、白色発光有機EL素子100の特別な実装の形態を示す。図2および図3において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子100を示している。
【0032】
複数の白色発光有機EL素子100を実装するには、まず、基板上に電極17と有機層11と電極18とを図2に示すように順に配置し、電極17および電極18を図1に示す実施の形態に合わせて陽極電極または陰極電極して複数の有機EL素子を基板上に実装したものを2つ製造する。次に、複数の有機EL素子を基板上に実装したものを陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ね合わせればよい。特に、図4(2)に示す実施の形態のように、向かい合った陰極電極12と陽極電極10とを接続する場合は、図2において、一方の電極17と他方の電極18とを1つの電極で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図3に示すものとすることができる。このとき、図4(1)から図4(3)に示す接続例に従って、図2または図3に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子100の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0033】
本実施の形態では、有機EL素子16が陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられているため、実施の形態1で説明したように、1つの白色発光有機EL素子の大きさを大きくしても、白色の光を得ることが可能である。
【0034】
また、本実施の形態では、有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能で、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能となるため、長時間白色の光を白色発光有機EL素子100から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0035】
また、繰り返し形状の信号は、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0036】
(実施の形態3)
次に、本願第3発明の実施の形態について、図5、図6および図7を用いて説明する。図5は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図5(1)は、2種の有機EL素子の陽極電極および陰極電極同士が同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図5(2)は、2種の有機EL素子の陽極電極と陰極電極とが同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図6および図7は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【0037】
図5(1)、図5(2)、図6および図7において、200は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示している。図6において、171および172は陽極電極または陰極電極となる電極を示し、181は電極171と対になる電極、182は電極172と対になる電極、21は配線、をそれぞれ示している。図7において、181および182は陰極電極または陽極電極となる電極、17は電極181および182と対となる電極、をそれぞれ示す。
【0038】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16の一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、図5(1)または図5(2)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子が接続され、他の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに他の繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴とする。このとき、それぞれの有機EL素子16は近接して配置してあるため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0039】
ここで、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置されることで、白色発光有機EL素子200の厚さを薄くすることが可能で、例えば、白色発光有機EL素子200をディスプレイに使用した場合、薄型のディスプレイとすることが可能となる。
【0040】
図6には、複数の白色発光有機EL素子200を基板上に実装したものが表されている。電極171と電極181との間および電極172と電極182との間には有機層11が挟まれている。また、図7は、白色発光有機EL素子200の特別な実装の形態を示す。図6および図7において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子200を示している。
【0041】
本実施の形態による白色発光有機EL素子200では、電極171と電極172との間に配線21を設けることで、1つの白色発光有機EL素子のそれぞれの有機EL素子の陰極電極および陽極電極を独立して配置することが可能となる。特に、図5(1)または図5(2)において、それぞれの有機EL素子16の隣り合った陰極電極12と陽極電極10と、を接続する場合は、一方の電極171と電極172とを1つの電極17で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図7に示すものとすることができる。このとき、図5(1)および図5(2)に示す接続例に従って、図6または図7に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子200の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0042】
また、本実施の形態は、実施の形態1の白色発光有機EL素子において、それぞれの有機EL素子の配置方向を変更したものなので、実施の形態1の形態による白色発光有機EL素子を駆動したときに得られる効果は、白色発光有機EL素子200を駆動したときにおいても同様に得ることが可能である。つまり、白色発光有機EL素子200と信号発生装置14とを図5(1)または図5(2)に示すように接続すると、信号発生装置14が出力する繰り返し形状の信号の波形を調整することにより、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となる。
【0043】
また、繰り返し形状の信号は、有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子200に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0044】
また、同様に、本実施の形態では、図5(1)および図5(2)において、一方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方と、他方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方とを接続することが可能である。このとき、信号発生装置14で発生させる信号によってそれぞれの有機EL素子16を同期または非同期で駆動することが可能となる。なお、当然に、それぞれの有機EL素子16に接続されている出力端子をまったく独立に接続してもよい。この場合は、それぞれの有機EL素子16を非同期で駆動することが可能となる。つまり、信号発生装置14の内部で、2つの信号を同期させた場合、それぞれの有機EL素子16を交互に点滅させ、または、同時に点滅させることが可能となる。一方、信号発生装置14の内部で、2つの信号を非同期とした場合、それぞれの有機EL素子16を全く独立に点滅させることが可能となる。
【0045】
また、同様に、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となるため、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能で、長時間白色の光を白色発光有機EL素子200から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子200とを接続することは当然のごとく可能である。
【0046】
(実施の形態4)
次に、本願第4発明の実施の形態について図6、図7および図8を用いて説明する。図8は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図8(1)は、2種の有機EL素子の陽極電極および陰極電極同士が同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。(2)は2種の有機EL素子の陽極電極と陰極電極とが同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図6および図7は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。図8(1)および図8(2)において、200は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示す。また、図6および図7について、番号が示すものは、実施の形態3で説明したものと同様のものを示す。
【0047】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16の一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、図8(1)または図8(2)に示すように陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とが第1の電極に接続され、一方の有機EL素子の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とが第2の電極に接続され、かつ第1の電極と第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15のそれぞれが接続されることを特徴としている。このとき、それぞれの有機EL素子は近接して配置してあるため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0048】
また、図8に示すように、信号出力装置14と白色発光有機EL素子200とを接続すると、例えば、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が常に逆となるので、1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子200を駆動することが可能である。1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子200を駆動するため、信号発生装置14で発生させる信号を同期させる等の特別な信号の制御を行う必要が無く、電圧発生装置14の内部の回路の構成を簡単なものとすることが可能である。
【0049】
図6には、複数の白色発光有機EL素子200を基板上に実装したものが表されている。また、図7は、白色発光有機EL素子200の特別な実装の形態を示す。図6および図7において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子200を示している。
【0050】
図6に示す実装の形態では、電極171と電極172との間に配線21を設けることで、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12および陽極電極10を独立して配置することが可能となる。特に、図8(2)において、それぞれの有機EL素子16の隣り合った陰極電極12と陽極電極10とを接続する場合は、図6において、一方の電極171と電極172とを1つの電極17で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図7に示すものとすることができる。このとき、図8(1)および図8(2)に示す接続例に従って、図6または図7に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子200の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0051】
本実施の形態による白色発光有機EL素子200では、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置されているため、実施の形態3でも説明したように、白色発光有機EL素子200の厚さを薄くすることが可能で、例えば、白色発光有機EL素子200をディスプレイに使用した場合、薄型のディスプレイとすることが可能となる。
【0052】
また、同様に、本実施の形態では、実施の形態3による白色発光有機EL素子を駆動したときに得られる効果は本実施の形態による白色発光有機EL素子200を駆動したときにおいても同様に得ることが可能である。つまり、繰り返し形状の信号は、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子200に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0053】
本実施の形態では、有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能で、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能となるため、長時間白色の光を白色発光有機EL素子200から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図8(1)および図8(2)において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0054】
(実施の形態5)
次に、本願第5発明による駆動方法の実施の形態について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本実施の形態の説明図である。図9(1)は、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つと信号発生装置とを接続した図である。図9(2)および図9(3)は、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つに印加する信号の1例を示した図である。
【0055】
図10は、信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。図10(1)は、信号の波形の調整前の信号を示す。図10(2)は、信号の波形の振幅を調整した後の信号を示した図である。図10(3)は、信号の波形のバイアスを調整した後の信号を示した図である。図10(4)は、信号の波形のデューティを調整した後の信号を示した図である。
【0056】
図9(2)および図9(3)、図10(1)から図10(4)において、23は繰り返し形状の信号の波形の1例である正弦波形状の波形を示す。24は有機EL素子16が点灯する信号の閾値を示す。有機EL素子16に閾値24より上の信号を入力すると、有機EL素子16を点灯させることができる。また、図10(1)から図10(4)において、43、44、45はそれぞれ波形23を調整した後の信号の波形を示している。
【0057】
本実施の形態では、有機EL素子16のそれぞれの陰極電極12と陽極電極10との間に有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号を印加して白色発光有機EL素子100を駆動することに特徴を有する。
【0058】
白色発光有機EL素子100を点灯させるためには、例えば、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と陽極電極10との電位差が有機EL素子16が点灯する閾値24より上であればよい。また、白色発光有機EL素子100を消灯させるためには、例えば、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と陽極電極10との電位差が有機EL素子16が点灯する閾値24より下であれば良い。上記条件に合うように繰り返し形状の信号の波形の極大値と極小値とを調整して、繰り返し形状の信号の波形を白色発光有機EL素子100に印加すれば白色発光有機EL素子100を点滅させることができる。例えば、図9(2)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加することができる。図9(2)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値24より下の信号である。さらに、図9(3)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加するのが望ましい。図9(3)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ交流の信号である。
【0059】
白色発光有機EL素子100に図9(3)に示す交流の信号を印加すると、例えば、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が相対的に閾値24より上のとき有機EL素子16は点灯しており、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下のとき有機EL素子16は消灯している。陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下で、有機EL素子16が消灯するとき、白色発光有機EL素子100に印加された信号により、有機層11に蓄積した電荷を有機層11の外に排出することが可能で、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間効率よく発光させることが可能である。
【0060】
図9(1)に示すように、白色発光有機EL素子100と信号発生装置14とを接続し、図9(2)または図9(3)に示す繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11を、同期してまたは非同期で発光させることが可能である。このとき、繰り返し形状の信号の周波数を適当に調整して有機EL素子16が点滅する周期を短くすることにより、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光と他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光とを混色することによって白色の光を得ることができる。
【0061】
繰り返し形状の信号の周波数は、50Hz以上が望ましい。さらに、繰り返し形状の信号の周波数は50Hzまたは60Hzでもよい。この場合、繰り返し形状の信号として、家庭用電源の交流電圧の周波数をそのまま流用することが可能となる。
【0062】
繰り返し形状の信号は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を、長時間発光させることが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能である。
【0064】
ここで、繰り返し形状の信号の1例である正弦波形状の波形23の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整する例を示す。まず、図10(2)のように、波形23の振幅を調整した波形43となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。
【0065】
次に、図10(3)のように、波形23のバイアスを調整した波形44の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図10(1)に示した接続例のとき、波形44となる信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合、有機層11で発光した光の平均強度は、波形23の信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合に有機層11で発光した光の平均強度より大きい。
【0066】
次に、図10(4)のように、信号の波形23のデューティを調整した波形45となる信号を白色発光有機EL素子に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図9(1)に示した接続例のとき、波形45となる信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合、有機層11で発光した光の発光時間が長くなるため、有機層11で発光した光の平均強度は、波形23の信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合に有機層11で発光した光の平均強度より大きくなる。ここで、繰り返し形状の信号の波形のデューティは、波形の極大値と極小値の中間の値を超えてから極大値に至り、ふたたび波形の極大値と極小値の中間の値を超えるまでの時間と、波形の極大値と極小値の中間の値を超えてから極小値に至り、ふたたび波形の極大値と極小値の中間の値を超えるまでの時間と、の比である。繰り返し形状の信号波形のデューティの定義は、本明細書において以下同様のものを使用する。
【0067】
上記方法によりそれぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることにより、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光を混色することによって得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0068】
なお、本実施の形態では、信号の波形23の振幅、デューティまたはバイアスの可能な限りの組み合わせで、調整可能である。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態により、白色発光有機EL素子を長時間効率よく発光させることが可能で、それぞれの有機EL素子の有機層で発光した光の強度を変化させることで、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0070】
なお、本実施の形態では、図9(1)には、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つを例にとって記載したが、実施の形態1による白色発光有機EL素子に準ずる白色発光有機EL素子であれば、本実施の形態による方法を用いて当該白色発光有機EL素子を駆動することは当然に可能である。例えば、実施の形態3による白色発光有機EL素子がこれに該当する。
【0071】
(実施の形態6)
次に、本願第6発明による駆動方法の実施の形態について、図11および図12を用いて説明する。図11は、本実施の形態の説明図である。図11(1)は、実施の形態2による白色発光有機EL素子の1つと信号発生装置とを接続した図である。図11(2)は、実施の形態2による白色発光有機EL素子の1つに印加する信号の1例を示した図である。
【0072】
図12は、信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。図12(1)は、信号の波形の調整前の信号を示す。図12(2)は、信号の波形の振幅およびバイアスを調整した後の信号を示した図である。図12(3)は、信号の波形のバイアスを調整した後の信号を示した図である。図12(4)は、信号の波形のデューティを調整した後の信号を示した図である。
【0073】
図11(2)、図12(1)から図10(4)において、23は繰り返し形状の信号の波形の1例である正弦波形状の波形を示す。24は有機EL素子16が点灯する信号の閾値、25は閾値24を負とした値の閾値、をそれぞれ示す。有機EL素子16に閾値24より上の信号を入力すると、有機EL素子16を点灯させることができる。図12(1)から図10(4)において、43、44、45はそれぞれ波形23を調整した後の信号の波形を示している。
【0074】
本実施の形態では、図11(1)に示すように、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とを第1の電極に接続し、一方の有機EL素子16の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とを第2の電極に接続し、かつ、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号を第1の電極と第2の電極との間に印加して白色発光有機EL素子100を駆動することに特徴を有している。つまり、1つの信号発生装置によって2つの有機EL素子16を同期して交互に点滅させる駆動方法である。
【0075】
図11(1)に示すように、例えば、一方の有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が閾値24より上のとき、他方の有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位は閾値24より下となる。このため、極大値が閾値24より上の電圧信号を一方の有機EL素子16に印加して点灯させると、他方の有機EL素子16を消灯させることができる。つまり、極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値25より下の繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、交互に点滅を繰り返す。例えば、図11(2)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加することができる。図11(2)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値25より下の信号である。
【0076】
白色発光有機EL素子100に図11(2)に示す信号を印加すると、例えば、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が相対的に閾値24より上のとき有機EL素子16は点灯しており、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下のとき有機EL素子16は消灯している。陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下で、有機EL素子16が消灯するとき、白色発光有機EL素子100に印加された信号により、有機層11に蓄積した電荷を有機層11の外に排出することが可能で、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間効率よく発光させることが可能である。
【0077】
図11(1)に示すように、信号発生装置14と白色発光有機EL素子100とを接続して、図11(2)に示す繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11は、交互に点滅する。このとき、交流の信号の周波数を適当に調整して有機EL素子16が点滅する周期を短くすることにより、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光と他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光とを混色させることによって白色の光を得ることができる。
【0078】
繰り返し形状の信号の周波数は、50Hz以上が望ましい。さらに、繰り返し形状の信号の周波数は50Hzまたは60Hzでもよい。この場合、繰り返し形状の信号の周波数として、家庭用電源の交流電圧の周波数をそのまま流用することが可能となる。
【0079】
本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0080】
また、本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能である。
【0081】
ここで、繰り返し形状の信号の1例である正弦波形状の波形23の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整する例を示す。まず、図12(2)のように、信号の波形23の振幅およびバイアスを調整した波形46となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0082】
次に、図12(3)のように、信号の波形23のバイアスを調整した信号の波形47となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図11(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図11(1)に示した接続例の場合、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0083】
次に、図12(4)のように、信号の波形23のデューティを調整した波形48となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図12(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図11(1)に示した接続例の場合、一方の有機EL素子16の有機層11での発光時間が長いため、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0084】
上記方法によりそれぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることにより、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光を混色して得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態では、信号の波形23の振幅、デューティまたはバイアスの可能な限りの組み合わせで、調整可能である。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態により、白色発光有機EL素子を長時間効率よく発光させることが可能で、それぞれの有機EL素子の有機層で発光した光の強度と変化させることで、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0087】
なお、本実施の形態では、図11(1)には、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つを例にとって記載したが、実施の形態1による白色発光有機EL素子に準ずる白色発光有機EL素子であれば、本実施の形態による方法を用いて当該白色発光有機EL素子を駆動することは当然に可能である。例えば、実施の形態4による白色発光有機EL素子がこれに該当する。
【0088】
【発明の効果】
本発明による白色発光有機EL素子は、それぞれの有機EL素子の発光強度を変化させることが可能で、当該白色発光有機EL素子から得られる光の色彩の調整が可能となる。
また、本発明による白色発光有機EL素子の駆動方法によれば、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】信号発生装置と本願第1発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図2】本願第1発明または第2発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図3】本願第1発明または第2発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図4】信号発生装置と本願第2発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図5】信号発生装置と本願第3発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図6】本願第3発明または第4発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図7】本願第3発明または第4発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図8】信号発生装置と本願第4発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図9】本願第5発明の駆動方法の実施の形態の説明図である。
【図10】信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。
【図11】本願第6発明の駆動方法の実施の形態の説明図である。
【図12】信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。
【符号の説明】
10:陽極電極
11:有機層
12:陰極電極
14:信号発生装置
15:出力端子
16:有機EL素子
18:電極
19:基板
21:配線
23:正弦波形状の信号の波形
24:有機EL素子が点灯する信号の閾値
25:負の閾値
44:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
45:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
46:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
47:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
48:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
100:白色発光有機EL素子
200:白色発光有機EL素子
171:電極
172:電極
181:電極
182:電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色発光する白色発光有機エレクトロルミネセンス(以下、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する。)素子に関する。特に、発光した光の色が略補色の関係となる2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
白色光を発する白色発光有機EL素子は、カラーフィルターと組み合わせることで、白色光から赤色、緑色および青色の光を取り出すといったフルカラーディスプレイや、液晶ディスプレイのバックライト等など非常に広い用途に利用される可能性を有している。
【0003】
従来の白色発光有機EL素子には、2種または3種の発光層を有し、直流の電圧が印加されることにより発光層を発光させ、それぞれの発光層で発光した光を混色させる結果、白色の光を得るものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、ホスト材料に発光材料をドープすることによって単体で白色発光する発光層を有するものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
しかし、これらの白色発光有機EL素子では、白色発光有機EL素子を直流の信号によって駆動することにより、発光層を含む有機層の内部に電荷が蓄積し、発光効率が低下する。また、発光材料の劣化速度が前者の場合では各発光層間で、後者の場合では発光層内の材料間で、異なるために、時間と共に白色発光有機EL素子から得られる光の色が白色でなくなるという問題が生じる。従来の白色発光有機EL素子では、白色発光有機EL素子を交換することがこれらの問題の解決の方法となる。つまり、白色発光有機EL素子の寿命は、発光材料の寿命と同じであり、従来の発光材料を用いる限りは、白色発光有機EL素子の寿命には限界がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−123971号公報 (第(1)頁〜第(9)頁)
【特許文献2】
特開2001−326074号公報 (第(1)頁〜第(4)頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、色彩の調整が可能で、かつ白色発光する白色発光有機EL素子の提供を目的とする。また、当該白色発光有機EL素子の駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明による有機EL素子は、2つの有機EL素子を同時または独立に発光させ、該2つの有機EL素子を点滅させたときに、点滅間隔が、人間が認識できる最小の時間以下のとき、それぞれの該有機EL素子が連続して発光しているように見える性質を利用している。また、2つの該有機EL素子を近接して配置したとき、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子との配置間隔が、人間が認識できる最小の間隔以下のとき、それぞれの該有機EL素子が1の場所で発光しているように見える性質を利用している。ここで、発光する光の色が略補色の関係を有する2種の有機EL素子を発光させ、該光を混色すると白色になる。具体的には、以下の手段による。
【0008】
上記課題を解決するため、本願第1発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本願第2発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本願第3発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本願第4発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子であって、一方の該有機EL素子と他方の該有機EL素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機EL素子である。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本願第5発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子の駆動方法であって、それぞれの該有機EL素子の該陽極電極と該陰極電極との間に該有機EL素子が点灯する信号と該有機EL素子が消灯する信号との繰り返し形状の信号を印加する白色発光有機EL素子の駆動方法である。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本願第6発明は、少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機EL素子からなる白色発光有機EL素子の駆動方法であって、一方の該有機EL素子の該陽極電極と他方の該有機EL素子の該陰極電極とを第1の電極に接続し、該一方の有機EL素子の該陰極電極と該他方の有機EL素子の該陽極電極とを第2の電極に接続し、かつ、一方の該有機EL素子が点灯するとき他方の該有機EL素子が消灯する信号と、該一方の有機EL素子が消灯するとき該他方の有機EL素子が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号を該第1の電極と該第2の電極との間に印加する白色発光有機EL素子の駆動方法である。
【0014】
ここで、本願第5発明において、前記繰り返し形状の信号を交流の信号とすることができる。また、本願第5および本願第6発明において、前記繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの前記有機層で発光した光の平均強度を変化させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面に記載されている番号について、10は陽極電極、11は有機層、12は陰極電極、14は信号発生装置、15は対となる出力端子、16は有機EL素子、をそれぞれ示し、これらの番号は、本願発明のすべての実施の形態の説明に共通に用いる。
【0016】
(実施の形態1)
まず、本願第1発明の実施の形態について、図1、図2および図3を用いて説明する。図1は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図1(1)は、有機EL素子の陰極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図1(2)は、有機EL素子の陽極電極と陰極電極とを向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図1(3)は、有機EL素子の陽極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図2および図3は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【0017】
図1(1)から図1(3)、図2および図3において、100は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示している。図2において、17は陽極電極または陰極電極となる電極を示し、18は電極17と対になる電極、19は基板、をそれぞれ示している。図3において、171、172は陰極電極または陽極電極となる電極、18は電極171および172と対となる電極をそれぞれ示す。
【0018】
ここで、有機層11には、少なくとも発光層を含み、発光層以外にも種々の層を含む場合がある。例えば、陰極電極11の側から順に、電子注入輸送層と、発光層と、ホール注入輸送層と、の任意の層を含む場合がある。電子注入輸送層は、発光層と陰極電極12との整合性を良好なものとすることが可能で、発光層での発光効率を高めることが可能となる。また、ホール注入輸送層は、発光層と陽極電極10との整合性を良好なものとすることが可能で、発光層での発光効率を高めることが可能となる。また、本来発光層が発光するのであるが、本明細書では、有機層11での発光を発光層での発光と同義の用語として使用する。なお、以下、有機層については上記と同様の意味を持つ用語として使用する。
【0019】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16が、図1(1)から図1(3)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続され、他の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに他の繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴とする。このとき、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向に、それぞれの有機層11で発光した光を同時に出すことが可能となり、それぞれの有機層11で発光した光を混色することにより白色の光を得ることができる。
【0020】
ここで、2種の有機EL素子16が陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられることで、それぞれの有機層11で発光した光を、共に白色発光有機EL素子100の有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向から得られるため1つの白色発光有機EL素子100の大きさを大きくしても、白色の光を得ることが可能となる。
【0021】
本実施の形態では、図1(1)から図1(3)において、一方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方と、他方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方とを接続することが可能である。このとき、信号発生装置14で発生させる信号によってそれぞれの有機EL素子16を同期または非同期で駆動することが可能となる。なお、当然に、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに、まったく独立に対となる出力端子を接続してもよい。この場合は、それぞれの有機EL素子16を非同期で駆動することが可能となる。つまり、信号発生装置14の内部で、2つの信号を同期させた場合、それぞれの有機EL素子16を交互に点滅させ、または、同時に点滅させることが可能となる。一方、信号発生装置14の内部で、2つの信号を非同期とした場合、それぞれの有機EL素子16を全く独立に点滅させることが可能となる。
【0022】
本実施の形態では、白色発光有機EL素子100と信号発生装置14とを図1(1)から図1(3)に示すように接続すると、信号発生装置14が出力する繰り返し形状の信号の波形を調整することにより、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となる。ここで、光の平均強度とは、発光強度の単位時間積分値を単位時間で除算した値である。光の平均強度の定義は、本明細書において以下同様のものを使用する。
【0023】
繰り返し形状の信号は、有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0024】
本実施の形態では、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となるため、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能で、長時間白色の光を白色発光有機EL素100から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0025】
図2には、複数の白色発光有機EL素子100を基板上に実装したものが表されている。電極17と電極18との間には有機層11が挟まれている。点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子100を示している。また、図3は、白色発光有機EL素子100の特別な実装の形態を示す。
【0026】
複数の白色発光有機EL素子100を実装するには、まず、基板上に電極17と有機層11と電極18とを図2に示すように順に配置し、電極17および電極18を図1に示す実施の形態に合わせて陽極電極または陰極電極としたものを2つ製造する。次に、複数の有機EL素子を基板上に実装したものを陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ね合わせればよい。特に、図1に示す実施の形態のように、向かい合った陰極電極12同士、向かい合った陽極電極10同士または向かい合った陰極電極12と陽極電極10と、を接続する場合は、図2において、一方の電極17と他方の電極18とを1つの電極で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図3に示すものとすることができる。このとき、図1(1)から図1(3)に示す接続例に従って、図2または図3に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子100の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0027】
なお、ここでは、陰極電極と陽極電極とを交差させた構造としたが、情報を表示しない場合は、陰極電極および陽極電極を平板状の電極としてもよい。以下の実施の形態でも同様である。
【0028】
(実施の形態2)
次に、本願第2発明の実施の形態について、図2、図3および図4を用いて説明する。図4は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図4(1)は、有機EL素子の陰極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図4(2)は、有機EL素子の陽極電極と陰極電極とを向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図4(3)は、有機EL素子の陽極電極同士を向かい合わせることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図2および図3は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。図4(1)から図4(3)において、100は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示す。また、図2および図3について、番号が示すものは、実施の形態1で説明したものと同様のものを示す。
【0029】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16が、図4(1)から図4(3)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられ、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とが第1の電極に接続され、一方の有機EL素子16の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とが第2の電極に接続され、かつ第1の電極と第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴としている。つまり、実施の形態1で示した白色発光有機EL素子を1つの信号発生装置によって駆動することに特徴を有している。このとき、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向またはそれと反対の方向に、それぞれの有機層11で発光した光が同時に出るため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0030】
また、図4に示すように、信号出力装置14と白色発光有機EL素子100とを接続すると、例えば、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が常に逆となるので、1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子100を駆動することが可能である。1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子100を駆動するため、信号発生装置14で発生させる信号を同期させる等の特別な信号の制御を行う必要が無く、電圧発生装置14の内部の回路の構成を簡単なものとすることが可能である。
【0031】
図2には、複数の白色発光有機EL素子100を基板上に実装したものが表されている。また、図3は、白色発光有機EL素子100の特別な実装の形態を示す。図2および図3において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子100を示している。
【0032】
複数の白色発光有機EL素子100を実装するには、まず、基板上に電極17と有機層11と電極18とを図2に示すように順に配置し、電極17および電極18を図1に示す実施の形態に合わせて陽極電極または陰極電極して複数の有機EL素子を基板上に実装したものを2つ製造する。次に、複数の有機EL素子を基板上に実装したものを陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ね合わせればよい。特に、図4(2)に示す実施の形態のように、向かい合った陰極電極12と陽極電極10とを接続する場合は、図2において、一方の電極17と他方の電極18とを1つの電極で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図3に示すものとすることができる。このとき、図4(1)から図4(3)に示す接続例に従って、図2または図3に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子100の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0033】
本実施の形態では、有機EL素子16が陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向に重ねられているため、実施の形態1で説明したように、1つの白色発光有機EL素子の大きさを大きくしても、白色の光を得ることが可能である。
【0034】
また、本実施の形態では、有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能で、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能となるため、長時間白色の光を白色発光有機EL素子100から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0035】
また、繰り返し形状の信号は、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0036】
(実施の形態3)
次に、本願第3発明の実施の形態について、図5、図6および図7を用いて説明する。図5は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図5(1)は、2種の有機EL素子の陽極電極および陰極電極同士が同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図5(2)は、2種の有機EL素子の陽極電極と陰極電極とが同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図6および図7は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【0037】
図5(1)、図5(2)、図6および図7において、200は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示している。図6において、171および172は陽極電極または陰極電極となる電極を示し、181は電極171と対になる電極、182は電極172と対になる電極、21は配線、をそれぞれ示している。図7において、181および182は陰極電極または陽極電極となる電極、17は電極181および182と対となる電極、をそれぞれ示す。
【0038】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16の一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、図5(1)または図5(2)に示すように、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子が接続され、他の有機EL素子16の陽極電極10と陰極電極12とに他の繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15が接続されていることを特徴とする。このとき、それぞれの有機EL素子16は近接して配置してあるため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0039】
ここで、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置されることで、白色発光有機EL素子200の厚さを薄くすることが可能で、例えば、白色発光有機EL素子200をディスプレイに使用した場合、薄型のディスプレイとすることが可能となる。
【0040】
図6には、複数の白色発光有機EL素子200を基板上に実装したものが表されている。電極171と電極181との間および電極172と電極182との間には有機層11が挟まれている。また、図7は、白色発光有機EL素子200の特別な実装の形態を示す。図6および図7において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子200を示している。
【0041】
本実施の形態による白色発光有機EL素子200では、電極171と電極172との間に配線21を設けることで、1つの白色発光有機EL素子のそれぞれの有機EL素子の陰極電極および陽極電極を独立して配置することが可能となる。特に、図5(1)または図5(2)において、それぞれの有機EL素子16の隣り合った陰極電極12と陽極電極10と、を接続する場合は、一方の電極171と電極172とを1つの電極17で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図7に示すものとすることができる。このとき、図5(1)および図5(2)に示す接続例に従って、図6または図7に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子200の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0042】
また、本実施の形態は、実施の形態1の白色発光有機EL素子において、それぞれの有機EL素子の配置方向を変更したものなので、実施の形態1の形態による白色発光有機EL素子を駆動したときに得られる効果は、白色発光有機EL素子200を駆動したときにおいても同様に得ることが可能である。つまり、白色発光有機EL素子200と信号発生装置14とを図5(1)または図5(2)に示すように接続すると、信号発生装置14が出力する繰り返し形状の信号の波形を調整することにより、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となる。
【0043】
また、繰り返し形状の信号は、有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子200に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0044】
また、同様に、本実施の形態では、図5(1)および図5(2)において、一方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方と、他方の有機EL素子16の陰極電極12と陽極電極10とに接続されている対となる出力端子15の一方とを接続することが可能である。このとき、信号発生装置14で発生させる信号によってそれぞれの有機EL素子16を同期または非同期で駆動することが可能となる。なお、当然に、それぞれの有機EL素子16に接続されている出力端子をまったく独立に接続してもよい。この場合は、それぞれの有機EL素子16を非同期で駆動することが可能となる。つまり、信号発生装置14の内部で、2つの信号を同期させた場合、それぞれの有機EL素子16を交互に点滅させ、または、同時に点滅させることが可能となる。一方、信号発生装置14の内部で、2つの信号を非同期とした場合、それぞれの有機EL素子16を全く独立に点滅させることが可能となる。
【0045】
また、同様に、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能となるため、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能で、長時間白色の光を白色発光有機EL素子200から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図1において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子200とを接続することは当然のごとく可能である。
【0046】
(実施の形態4)
次に、本願第4発明の実施の形態について図6、図7および図8を用いて説明する。図8は、信号発生装置と本実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。図8(1)は、2種の有機EL素子の陽極電極および陰極電極同士が同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。(2)は2種の有機EL素子の陽極電極と陰極電極とが同列となるように並べることによって成る白色発光有機EL素子と信号発生装置との接続例を表した図である。図6および図7は、本実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。図8(1)および図8(2)において、200は本実施の形態による白色発光有機EL素子を示す。また、図6および図7について、番号が示すものは、実施の形態3で説明したものと同様のものを示す。
【0047】
本実施の形態では、発光した光が略補色関係を有する2種の有機EL素子16の一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、図8(1)または図8(2)に示すように陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とが第1の電極に接続され、一方の有機EL素子の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とが第2の電極に接続され、かつ第1の電極と第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置14の対となる出力端子15のそれぞれが接続されることを特徴としている。このとき、それぞれの有機EL素子は近接して配置してあるため、それぞれの有機層11で発光した光が混色されることにより白色の光を得ることができる。
【0048】
また、図8に示すように、信号出力装置14と白色発光有機EL素子200とを接続すると、例えば、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が常に逆となるので、1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子200を駆動することが可能である。1つの電圧発生装置14によって白色発光有機EL素子200を駆動するため、信号発生装置14で発生させる信号を同期させる等の特別な信号の制御を行う必要が無く、電圧発生装置14の内部の回路の構成を簡単なものとすることが可能である。
【0049】
図6には、複数の白色発光有機EL素子200を基板上に実装したものが表されている。また、図7は、白色発光有機EL素子200の特別な実装の形態を示す。図6および図7において、点線で囲まれている部分は1つの白色発光有機EL素子200を示している。
【0050】
図6に示す実装の形態では、電極171と電極172との間に配線21を設けることで、それぞれの有機EL素子16の陰極電極12および陽極電極10を独立して配置することが可能となる。特に、図8(2)において、それぞれの有機EL素子16の隣り合った陰極電極12と陽極電極10とを接続する場合は、図6において、一方の電極171と電極172とを1つの電極17で兼ねることができる。この場合、実装の形態は図7に示すものとすることができる。このとき、図8(1)および図8(2)に示す接続例に従って、図6または図7に示す実装の形態を選択し、白色発光有機EL素子200の陰極電極と陽極電極とに信号発生装置の対となる出力端子を接続すればよい。
【0051】
本実施の形態による白色発光有機EL素子200では、一方の有機EL素子16と他方の有機EL素子16とが、陰極電極12と有機層11と陽極電極10とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置されているため、実施の形態3でも説明したように、白色発光有機EL素子200の厚さを薄くすることが可能で、例えば、白色発光有機EL素子200をディスプレイに使用した場合、薄型のディスプレイとすることが可能となる。
【0052】
また、同様に、本実施の形態では、実施の形態3による白色発光有機EL素子を駆動したときに得られる効果は本実施の形態による白色発光有機EL素子200を駆動したときにおいても同様に得ることが可能である。つまり、繰り返し形状の信号は、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号とするのが望ましい。また、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子200に印加すると、有機EL素子16が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0053】
本実施の形態では、有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能で、有機層11となる発光材料の経年変化後でも、それぞれの有機層11で発光した光の平均強度を変化させ、それぞれの有機層11で発光した光を混色した光の色彩の調節が可能となるため、長時間白色の光を白色発光有機EL素子200から得ることが可能となる。なお、繰り返し形状の信号の波形を調整する方法は本発明に属するものであり、後述する。なお、図8(1)および図8(2)において、信号発生装置14の代替として直流の信号を発生する信号発生装置と白色発光有機EL素子100とを接続することは当然のごとく可能である。
【0054】
(実施の形態5)
次に、本願第5発明による駆動方法の実施の形態について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本実施の形態の説明図である。図9(1)は、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つと信号発生装置とを接続した図である。図9(2)および図9(3)は、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つに印加する信号の1例を示した図である。
【0055】
図10は、信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。図10(1)は、信号の波形の調整前の信号を示す。図10(2)は、信号の波形の振幅を調整した後の信号を示した図である。図10(3)は、信号の波形のバイアスを調整した後の信号を示した図である。図10(4)は、信号の波形のデューティを調整した後の信号を示した図である。
【0056】
図9(2)および図9(3)、図10(1)から図10(4)において、23は繰り返し形状の信号の波形の1例である正弦波形状の波形を示す。24は有機EL素子16が点灯する信号の閾値を示す。有機EL素子16に閾値24より上の信号を入力すると、有機EL素子16を点灯させることができる。また、図10(1)から図10(4)において、43、44、45はそれぞれ波形23を調整した後の信号の波形を示している。
【0057】
本実施の形態では、有機EL素子16のそれぞれの陰極電極12と陽極電極10との間に有機EL素子16が点灯する信号と有機EL素子16が消灯する信号との繰り返し形状の信号を印加して白色発光有機EL素子100を駆動することに特徴を有する。
【0058】
白色発光有機EL素子100を点灯させるためには、例えば、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と陽極電極10との電位差が有機EL素子16が点灯する閾値24より上であればよい。また、白色発光有機EL素子100を消灯させるためには、例えば、白色発光有機EL素子100の陰極電極12と陽極電極10との電位差が有機EL素子16が点灯する閾値24より下であれば良い。上記条件に合うように繰り返し形状の信号の波形の極大値と極小値とを調整して、繰り返し形状の信号の波形を白色発光有機EL素子100に印加すれば白色発光有機EL素子100を点滅させることができる。例えば、図9(2)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加することができる。図9(2)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値24より下の信号である。さらに、図9(3)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加するのが望ましい。図9(3)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ交流の信号である。
【0059】
白色発光有機EL素子100に図9(3)に示す交流の信号を印加すると、例えば、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が相対的に閾値24より上のとき有機EL素子16は点灯しており、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下のとき有機EL素子16は消灯している。陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下で、有機EL素子16が消灯するとき、白色発光有機EL素子100に印加された信号により、有機層11に蓄積した電荷を有機層11の外に排出することが可能で、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間効率よく発光させることが可能である。
【0060】
図9(1)に示すように、白色発光有機EL素子100と信号発生装置14とを接続し、図9(2)または図9(3)に示す繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11を、同期してまたは非同期で発光させることが可能である。このとき、繰り返し形状の信号の周波数を適当に調整して有機EL素子16が点滅する周期を短くすることにより、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光と他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光とを混色することによって白色の光を得ることができる。
【0061】
繰り返し形状の信号の周波数は、50Hz以上が望ましい。さらに、繰り返し形状の信号の周波数は50Hzまたは60Hzでもよい。この場合、繰り返し形状の信号として、家庭用電源の交流電圧の周波数をそのまま流用することが可能となる。
【0062】
繰り返し形状の信号は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を、長時間発光させることが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能である。
【0064】
ここで、繰り返し形状の信号の1例である正弦波形状の波形23の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整する例を示す。まず、図10(2)のように、波形23の振幅を調整した波形43となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。
【0065】
次に、図10(3)のように、波形23のバイアスを調整した波形44の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図10(1)に示した接続例のとき、波形44となる信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合、有機層11で発光した光の平均強度は、波形23の信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合に有機層11で発光した光の平均強度より大きい。
【0066】
次に、図10(4)のように、信号の波形23のデューティを調整した波形45となる信号を白色発光有機EL素子に印加すると、図10(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図9(1)に示した接続例のとき、波形45となる信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合、有機層11で発光した光の発光時間が長くなるため、有機層11で発光した光の平均強度は、波形23の信号を白色発光有機EL素子100に印加した場合に有機層11で発光した光の平均強度より大きくなる。ここで、繰り返し形状の信号の波形のデューティは、波形の極大値と極小値の中間の値を超えてから極大値に至り、ふたたび波形の極大値と極小値の中間の値を超えるまでの時間と、波形の極大値と極小値の中間の値を超えてから極小値に至り、ふたたび波形の極大値と極小値の中間の値を超えるまでの時間と、の比である。繰り返し形状の信号波形のデューティの定義は、本明細書において以下同様のものを使用する。
【0067】
上記方法によりそれぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることにより、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光を混色することによって得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0068】
なお、本実施の形態では、信号の波形23の振幅、デューティまたはバイアスの可能な限りの組み合わせで、調整可能である。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態により、白色発光有機EL素子を長時間効率よく発光させることが可能で、それぞれの有機EL素子の有機層で発光した光の強度を変化させることで、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0070】
なお、本実施の形態では、図9(1)には、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つを例にとって記載したが、実施の形態1による白色発光有機EL素子に準ずる白色発光有機EL素子であれば、本実施の形態による方法を用いて当該白色発光有機EL素子を駆動することは当然に可能である。例えば、実施の形態3による白色発光有機EL素子がこれに該当する。
【0071】
(実施の形態6)
次に、本願第6発明による駆動方法の実施の形態について、図11および図12を用いて説明する。図11は、本実施の形態の説明図である。図11(1)は、実施の形態2による白色発光有機EL素子の1つと信号発生装置とを接続した図である。図11(2)は、実施の形態2による白色発光有機EL素子の1つに印加する信号の1例を示した図である。
【0072】
図12は、信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。図12(1)は、信号の波形の調整前の信号を示す。図12(2)は、信号の波形の振幅およびバイアスを調整した後の信号を示した図である。図12(3)は、信号の波形のバイアスを調整した後の信号を示した図である。図12(4)は、信号の波形のデューティを調整した後の信号を示した図である。
【0073】
図11(2)、図12(1)から図10(4)において、23は繰り返し形状の信号の波形の1例である正弦波形状の波形を示す。24は有機EL素子16が点灯する信号の閾値、25は閾値24を負とした値の閾値、をそれぞれ示す。有機EL素子16に閾値24より上の信号を入力すると、有機EL素子16を点灯させることができる。図12(1)から図10(4)において、43、44、45はそれぞれ波形23を調整した後の信号の波形を示している。
【0074】
本実施の形態では、図11(1)に示すように、一方の有機EL素子16の陽極電極10と他方の有機EL素子16の陰極電極12とを第1の電極に接続し、一方の有機EL素子16の陰極電極12と他方の有機EL素子16の陽極電極10とを第2の電極に接続し、かつ、一方の有機EL素子16が点灯するとき他方の有機EL素子16が消灯する信号と、一方の有機EL素子16が消灯するとき他方の有機EL素子16が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号を第1の電極と第2の電極との間に印加して白色発光有機EL素子100を駆動することに特徴を有している。つまり、1つの信号発生装置によって2つの有機EL素子16を同期して交互に点滅させる駆動方法である。
【0075】
図11(1)に示すように、例えば、一方の有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位が閾値24より上のとき、他方の有機EL素子16の陰極電極12に対する陽極電極10の電位は閾値24より下となる。このため、極大値が閾値24より上の電圧信号を一方の有機EL素子16に印加して点灯させると、他方の有機EL素子16を消灯させることができる。つまり、極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値25より下の繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、交互に点滅を繰り返す。例えば、図11(2)に示した信号を白色発光有機EL素子100に印加することができる。図11(2)は、波形23の極大値が閾値24より上で、かつ極小値が閾値25より下の信号である。
【0076】
白色発光有機EL素子100に図11(2)に示す信号を印加すると、例えば、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が相対的に閾値24より上のとき有機EL素子16は点灯しており、陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下のとき有機EL素子16は消灯している。陰極電極12に対する陽極電極10の電位が0より下で、有機EL素子16が消灯するとき、白色発光有機EL素子100に印加された信号により、有機層11に蓄積した電荷を有機層11の外に排出することが可能で、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間効率よく発光させることが可能である。
【0077】
図11(1)に示すように、信号発生装置14と白色発光有機EL素子100とを接続して、図11(2)に示す繰り返し形状の信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11は、交互に点滅する。このとき、交流の信号の周波数を適当に調整して有機EL素子16が点滅する周期を短くすることにより、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光と他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光とを混色させることによって白色の光を得ることができる。
【0078】
繰り返し形状の信号の周波数は、50Hz以上が望ましい。さらに、繰り返し形状の信号の周波数は50Hzまたは60Hzでもよい。この場合、繰り返し形状の信号の周波数として、家庭用電源の交流電圧の周波数をそのまま流用することが可能となる。
【0079】
本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形は、例えば、正弦波形状、矩形形状、三角形状の信号とすることができる。これらの信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、それぞれの有機EL素子16の有機層11が消灯する時間があり、有機層11がゆっくり劣化し、それぞれの有機EL素子16の有機層11を長時間発光させることが可能である。
【0080】
また、本実施の形態では、繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることが可能である。
【0081】
ここで、繰り返し形状の信号の1例である正弦波形状の波形23の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整する例を示す。まず、図12(2)のように、信号の波形23の振幅およびバイアスを調整した波形46となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0082】
次に、図12(3)のように、信号の波形23のバイアスを調整した信号の波形47となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図11(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図11(1)に示した接続例の場合、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0083】
次に、図12(4)のように、信号の波形23のデューティを調整した波形48となる信号を白色発光有機EL素子100に印加すると、図12(1)の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることができる。図11(1)に示した接続例の場合、一方の有機EL素子16の有機層11での発光時間が長いため、一方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を大きく、他方の有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を小さく変化させることができる。
【0084】
上記方法によりそれぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光の平均強度を変化させることにより、それぞれの有機EL素子16の有機層11で発光した光を混色して得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態では、信号の波形23の振幅、デューティまたはバイアスの可能な限りの組み合わせで、調整可能である。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態により、白色発光有機EL素子を長時間効率よく発光させることが可能で、それぞれの有機EL素子の有機層で発光した光の強度と変化させることで、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【0087】
なお、本実施の形態では、図11(1)には、実施の形態1による白色発光有機EL素子の1つを例にとって記載したが、実施の形態1による白色発光有機EL素子に準ずる白色発光有機EL素子であれば、本実施の形態による方法を用いて当該白色発光有機EL素子を駆動することは当然に可能である。例えば、実施の形態4による白色発光有機EL素子がこれに該当する。
【0088】
【発明の効果】
本発明による白色発光有機EL素子は、それぞれの有機EL素子の発光強度を変化させることが可能で、当該白色発光有機EL素子から得られる光の色彩の調整が可能となる。
また、本発明による白色発光有機EL素子の駆動方法によれば、白色発光有機EL素子から得られる光の色彩を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】信号発生装置と本願第1発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図2】本願第1発明または第2発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図3】本願第1発明または第2発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図4】信号発生装置と本願第2発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図5】信号発生装置と本願第3発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図6】本願第3発明または第4発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図7】本願第3発明または第4発明の実施の形態による白色発光有機EL素子の実装の形態の説明図である。
【図8】信号発生装置と本願第4発明実施の形態による白色発光有機EL素子との接続例を表した図である。
【図9】本願第5発明の駆動方法の実施の形態の説明図である。
【図10】信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。
【図11】本願第6発明の駆動方法の実施の形態の説明図である。
【図12】信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整した信号を表した図である。
【符号の説明】
10:陽極電極
11:有機層
12:陰極電極
14:信号発生装置
15:出力端子
16:有機EL素子
18:電極
19:基板
21:配線
23:正弦波形状の信号の波形
24:有機EL素子が点灯する信号の閾値
25:負の閾値
44:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
45:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
46:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
47:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
48:正弦波形状の信号の波形を調整した後の信号の波形
100:白色発光有機EL素子
200:白色発光有機EL素子
171:電極
172:電極
181:電極
182:電極
Claims (8)
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子であって、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子であって、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向に重ねられ、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極と該他方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子であって、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と該陰極電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続され、他の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と該陰極電極とに他の繰り返し形状の信号を発生する該信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子であって、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子とが、該陰極電極と該有機層と該陽極電極とが積層された方向と垂直な方向に並べて配置され、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極とが第1の電極に接続され、該一方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極と該他方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極とが第2の電極に接続され、かつ該第1の電極と該第2の電極とに繰り返し形状の信号を発生する信号発生装置の対となる出力端子が接続されている白色発光有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法であって、それぞれの該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と該陰極電極との間に該有機エレクトロルミネセンス素子が点灯する信号と該有機エレクトロルミネセンス素子が消灯する信号との繰り返し形状の信号を印加する白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法。
- 前記繰り返し形状の信号が交流の信号であることを特徴とする請求項5に記載の白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法。
- 少なくとも、陰極電極と、有機層と、陽極電極と、を順に有し、発光する光の色が互いに略補色の関係にある2種の有機エレクトロルミネセンス素子からなる白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法であって、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極と他方の該有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極とを第1の電極に接続し、該一方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陰極電極と該他方の有機エレクトロルミネセンス素子の該陽極電極とを第2の電極に接続し、かつ、一方の該有機エレクトロルミネセンス素子が点灯するとき他方の該有機エレクトロルミネセンス素子が消灯する信号と、該一方の有機エレクトロルミネセンス素子が消灯するとき該他方の有機エレクトロルミネセンス素子が点灯する信号と、の繰り返し形状の信号を該第1の電極と該第2の電極との間に印加する白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法。
- 前記繰り返し形状の信号の波形の振幅、デューティまたはバイアスのうち少なくとも1を調整することによって、それぞれの前記有機層で発光した光の平均強度を変化させる請求項5から請求項7に記載のいずれかの白色発光有機エレクトロルミネセンス素子の駆動方法。
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