JP2005030797A - 熱流束計 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温で且つ粉塵の多い雰囲気下においても連続計測できるようにする。
【解決手段】水冷式の冷却プレート2の表面に、熱流束検出部4を、低熱伝導率層6を介在させて取り付ける。熱流束検出部4は、均一な厚みの薄板状の熱流束検出板5に差動熱電対11を巻き付けて熱流束検出板5の表裏面温度を多点計測できるようにし、差動熱電対11間に充填した高温接着剤12を介して表裏面側となる差動熱電対11の外側に検出部保護板13,14を取り付ける。熱流束3の入射方向を表面側に限定できるよう側部は断熱材15,16で覆う。熱流束3の入射に伴い熱流束検出板5が表面側より加熱される際、低熱伝導率層6により冷却プレート2と熱流束検出部4に温度ギャップを形成させた状態にて、熱流束検出板5の表裏面の温度差を差動熱電対11で検出し、この温度差と、熱流束検出板5の厚みと、熱流束検出板5の熱伝導率から熱流束3を算出させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発電用ボイラ火炉等、1000℃以上にもなる高温で且つ粉塵の多い雰囲気下で熱流束を連続的に計測するために用いる熱流束計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱流束を計測するための装置として一般に広く用いられているものの1つに、ガードン型熱流束計がある。これは、円筒型の銅製ハウジングの一端に検出部となる円形のコンスタンタンフォイルを取り付け、該コンスタンタンフォイルの中央の内側面に、第1の熱電対となる銅線を取り付けると共に、上記コンスタンタンフォイルの円周部分に取り付けられている上記銅製ハウジングを第2の熱電対としてなり、上記コンスタンタンフォイルの表面を黒体塗装して低温に保つと共に、上記銅製ハウジングの外周を断熱材で覆って熱流束の入射方向を上記コンスタンタンフォイル表面に限定できるようにした構成として、上記銅線を介して得られるコンスタンタンフォイルの中央部の温度と、上記銅製ハウジングを介して得られるコンスタンタンフォイルの円周部の温度との温度差を電位に変換することにより、入射する輻射熱流束を検出させることができるようにしてある。
【0003】
又、別の熱流束計測手法としては、熱伝導率−温度差検出型の熱流束計が従来提案されている。これは、熱伝導率等の熱物性値が既知の保持部材と、この保持部材の深さ方向に沿って所定間隔で埋設された複数の熱検知素子と、前記保持部材を囲むように設けられた断熱部材を有するセンサ部を具備し、このセンサ部は、前記保持部材の深さ方向の一端を測定面とし該測定面が計測対象の断熱材料表面に露出するように前記断熱材料中に埋め込まれるようにした構成として、上記測定面側より保持部材の深さ方向と一致する熱流束通過方向の複数個所の計測点の温度を、上記各熱検知素子でそれぞれ計測して、たとえば、2つの熱検知素子で熱流束通過方向の2個所の計測点の温度を温度1及び温度2としてそれぞれ計測した場合には、
(熱流束)=(熱伝導率)/(計測点間の距離)×{(温度1)−(温度2)}
の式に基づいて熱流束を算出するようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
熱流束計測のための更に別の手法としては、容器内に測定すべき温度以内にて融解若しくは凝固する物質と熱電対とを充填したセンサを備えて、該センサが外部より加熱又は冷却されるときに、上記熱電対の出力により上記物質の融解点若しくは凝固点保持時間を測定し、この保持時間と、上記物質の融解熱又は凝固熱及び質量並びに熱流束の入射する表面積から、指示計により熱流束量を演算指示させるようにする熱流束計も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−146189号公報
【特許文献2】
特開昭54−56881号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ガードン型熱流束計では、発電用ボイラ火炉等、1000℃以上にもなる高温で且つ粉塵の多い雰囲気下にて長時間に亘り熱流束の計測を行なおうとすると、計測面となるコンスタンタンフォイルの表面に粉塵が付着する虞がある。このようにコンスタンタンフォイルの表面が粉塵により付着汚染されると、コンスタンタンフォイルの中央部と円周部との温度傾斜が、上記付着した粉塵により容易に影響されて計測精度が維持できなくなるため、連続計測ができない。したがって、コンスタンタンフォイル表面への粉塵の付着は計測誤差となるため許容されないという問題がある。又、上記ガードン型熱流束計は、通常、計測面を水冷するようにしてあるため、該計測面の温度は100℃以下に保持されており、本来計測を行いたい火炉の内壁面等の高温の面とは粉塵の付着状況が異なり、このため、本来計測を行いたい個所における実際の熱流束と、計測値とに差が生じてしまう虞が懸念される。
【0007】
上記特許文献1に示された熱伝導率−温度差検出型の熱流束計では、センサ部の埋め込み位置と、該センサ部に対する熱検知素子自体の埋め込み位置の精度が十分ではないため検出精度が低いという問題があり、又、センサ部を計測対象の断熱材中に埋め込む必要があると共に、この際、側面を十分に断熱できるよう埋め込む必要があるため、設置のための加工が大掛かりになるという問題がある。
【0008】
上記特許文献2に示された熱流束計では、熱流束の計測は、センサの容器内に充填してある物質がすべて融解又は凝固するまでの時間を基に算出するものであるため、その原理上、長時間の連続計測ができるものではない。
【0009】
したがって、発電用ボイラ火炉等、1000℃以上にもなる高温で且つ粉塵の多い雰囲気下にて長時間に亘り熱流束の計測を行なえるようにしてある熱流束計は従来提案されていないというのが実状である。
【0010】
そこで、本発明は、高温で且つ検出表面に粉塵が堆積するような粉塵の多い雰囲気下においても長時間継続して計測を行うことができるようにする熱流束計を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、冷却水を内部循環させることにより所要温度に保持できるようにしてある冷却プレートの表面側に、熱流束の通過方向に直角配置する薄板状の熱流束検出板の表裏面温度を多点計測できるようにしてなる熱流束検出部を、低熱伝導率層を介在させて取り付けた構成とする。
【0012】
熱流束検出部に熱流束が入射すると、該入射した熱流束は、熱流束検出板に対し直角方向に作用することから、該熱流束検出板は表面側より加熱されて表面側温度が上昇する。一方、上記熱流束検出板の裏面側は、冷却プレートに低熱伝導率層を介在させて取り付けてあるため、上記低熱伝導率層の存在により冷却プレートとは所要の温度ギャップのある所要温度まで冷却される。これにより、上記熱流束検出板の表裏面には、入射する熱流束の大小に応じた温度差が生じさせられる。したがって、この熱流束検出板の表裏面温度を多点計測してその温度差を求めれば、熱流束検出板の厚さと、熱伝導率を基に入射する熱流束が算出されるため、熱流束の計測を行うことが可能になる。
【0013】
又、熱流束検出部を、熱流束検出板に該熱流束検出板の厚み方向の対応する位置に計測点が配されるよう表裏両面に差動熱電対又は熱電対を取り付けてなる構成とすることにより、熱流束検出板の表面と裏面の温度を、それぞれ差動熱電対又は熱電対で容易に計測可能な構成とすることができる。
【0014】
更に、熱流束検出板への差動熱電対又は熱電対の取り付けを、該熱流束検出板に差動熱電対又は熱電対を巻き付けて行うようにした構成とすることにより、熱流束検出板の表裏面温度を容易に多点計測することが可能な構成とすることができる。
【0015】
更に又、差動熱電対又は熱電対より外部へ信号を取り出す信号線を、冷却プレートに接続した冷却水の給排経路に沿わせて配置するようにした構成とすることにより、上記信号線を低温に保つことができ、埋め込み型に比べて劣化を少なくすることができて、長寿命化を図ることができる。
【0016】
更に又、熱流束検出板を耐熱性材料製とし、且つ該熱流束検出板に、作動熱電対又は熱電対を無機系の高温接着剤にて固定し、更に、低熱伝導率層を耐熱性材料製とした構成とすることにより、検出部及び低熱伝導率層を高温耐性を有するものとすることができるため、高温雰囲気下でも長時間の計測を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の熱流束計の実施の一形態を示すもので、冷却水1を循環させることにより所要温度に保持できるようにしてある冷却プレート2の表面に、熱流束3の通過方向に直角配置される薄板状の熱流束検出板5の表裏面温度を多点計測できるようにした熱流束検出部4を、低熱伝導率層6を介在させて取り付けてなる構成とする。
【0019】
詳述すると、上記冷却プレート2は、金属製の中空箱型構造とすると共に、熱流束検出部4の取付側とは反対側となる裏面側に、2重管構造として内管8を冷却水供給流路とし且つ外管9を冷却水排出流路とした冷却水給排管7を接続して、該冷却水給排管7の内管8を通して図示しない冷却水供給部より導いた冷却水1を、上記冷却プレート2の内部に循環させることにより、該冷却プレート2を所要温度で一定に保持できるようにしてある。10は冷却プレート内における冷却水の流れを整流するために設けた整流板である。
【0020】
上記熱流束検出部4は以下のような構成としてある。すなわち、熱流束検出板5を、熱伝導が小さく且つ熱伝導率が既知の所要の耐熱素材、たとえば、アルミナ等のセラミックスにより均一な所要の厚みを有する薄板状に形成する。この熱流束検出板5に、差動熱電対11を巻き付け、この際、該差動熱電対11を構成している交互接続した2種の導体の熱電対接点が、上記熱流束検出板5の厚さ方向の対応する位置に一対で配置されるようにすると共に、この厚さ方向で対をなす計測点の組が、熱流束検出板5の面内にて順次位置をずらして多数配置されるようにする。これにより、上記熱流束検出板5の厚さ方向の温度差を多点で検出して、検出された温度差に基づく熱起電力の総合的な出力を得ることができるようにしてある。更に、上記熱流束検出板5に巻き付けた差動熱電対11の間に、無機系の高温接着剤(高温耐性を有する接着剤)12、たとえば、セメントの如き接着剤12を充填すると共に、熱流束検出板5の表面側と裏面側の差動熱電対11の外側位置に、表面側(外側)と裏面側(内側)の検出部保護板13と14を上記高温接着剤12を介しそれぞれ一体に取り付け、上記裏面側検出部保護板14の裏面を、低熱伝導率層6を介在させて冷却プレート2の表面に取り付けるようにしてある。
【0021】
上記低熱伝導率層6は、一定温度に保持される冷却プレート2により、上記熱流束検出部4の裏面側を所要の温度ギャップを形成しながら冷却できるようにするためのものであり、1000℃以上の温度条件に上記熱流束検出部2の表面側を暴露させると、その裏面側は400℃以上の高温になる場合があることから、耐熱性のシリコン樹脂や熱伝導率の低いセメント等の無機材により形成するようにしてあり、その厚みは、上記熱流束検出部4の保持を望む温度条件に応じて、上記冷却プレート2との温度差を考慮して設定するようにしてある。
【0022】
更に、熱流束の入射方向を上記表面側検出部保護板13の表面に限定できるよう該表面側検出部保護板13の表面を除く熱流束検出部4、低熱伝導率層6、冷却プレート2の外側と、冷却水給排管7の外周をそれぞれ断熱材15,16で覆うようにしてある。更に、上記差動熱電対11には、上記断熱材15の内側を通して冷却水給排管7の近傍位置まで導かれ更に該冷却水給排管7に沿わせて外部に導かれる信号線17を介して、外部の図示しない演算装置に接続するようにしてある。
【0023】
なお、符号18は、上記構成としてある熱流束計を粉塵の多い雰囲気下で使用する場合に表面側検出部保護板13の表面に付着する粉塵の付着層を示す。
【0024】
本発明の熱流束計を使用する場合は、発電用ボイラ火炉等の熱流束計測対象の断熱材中に、上記表面側検出部保護板13の表面が高温条件に曝されるように設置する。この状態において、熱流束3が上記表面側検出部保護板13の表面側から入射すると、入射した熱流束3は熱流束検出板5の表面に対し直角方向より作用するようになるため、該熱流束検出板5は表面側より加熱される。この際、該熱流束検出板5の裏面側は、低熱伝導率層6を介在させることで所要の温度ギャップを形成した状態で冷却プレート2により冷却されている。この冷却により所要温度に保持される熱流束検出板5の裏面側に配されている差動熱電対11の熱電対接点が基準接点となり、入射する熱流束3に応じて加熱される熱流束検出板5の表面側の熱電対接点が側温接点となることにより、差動熱電対11には上記熱流束検出板5の表裏面の温度差に応じた熱起電力が作用することとなる。このため、該差動熱電対11の出力を信号線17を経て演算装置に入力して演算させることにより熱流束検出板5の表面と裏面の温度差が算出され、この温度差の値と、熱流束検出板5の厚み寸法、すなわち、計測点間の距離と、熱流束検出板5の熱伝導率とから、従来と同様に熱流束が算出される。
【0025】
このように、本発明の熱流束計によれば、熱流束検出部4にて、熱流束3の入射方向と直角方向に配置してある薄板状の熱流束検出板5の厚み方向に生じる温度勾配を基に熱流束を計測するようにしてあるため、熱流束は熱流束検出部4の内部で検出されるので、付着する粉塵の付着層18の存在による熱流束検出性能への影響はない。しかも、上記粉塵の付着に伴う流入する熱流束変化を、実時間計測することができる。よって、ガードン型熱流束計では困難であった粉塵の多い雰囲気下における長時間計測が実施できる。
【0026】
又、低熱伝導率層6を介在させることで、冷却プレート2と熱流束検出部4の温度ギャップを形成させることができると共に、該低熱伝導率層6の厚さを変えることで上記温度ギャップの大きさを自在に設定することができることから、熱流束検出部4の温度を高温に設定できる。このため、本来計測を行いたい火炉の内壁面等の高温の面とは粉塵の付着状況を同様とさせることができるため、上記本来計測を行いたい火炉の内壁面等の実際の熱流束を精度よく模擬して計測することができる。なお、この場合であっても断熱材15の中を通したり、冷却水給排管7に沿わせることで信号線17の温度は極力下げることができ、長時間の計測に耐える構造とすることができる。
【0027】
更に、熱流束検出板5は厚みを薄くしてあるため、該熱流束検出板5の両面に設定される計測点は、厚み方向の設定位置のずれが最小に抑えられ位置精度を高いものとすることができる。又、熱流束検出部4を薄型にでき、このため、側面への熱の逃げを小さく抑制することができて、計測精度を高めることができる。したがって、特許文献2に示された如き熱流束計を設置する場合に比して、側面への断熱が簡素化できる。
【0028】
上記において、熱流束検出板5の表裏面の温度差の検出を多点で行うようにしてあるため、計測精度を高めることができ、したがって、厚さを薄くすることに伴って悪化するSN比を補うことができる。更に、差動熱電対11を用いているため熱流束検出板5の表裏面の温度差を増幅して信号レベルを向上させることができて、SN比を改善することができる。長時間計測時の信頼性向上のためには、計測部を複数設けることが有効である。
【0029】
以上のことから、本発明の熱流束計は、発電用ボイラ火炉等、1000℃以上にもなる高温で且つ粉塵の多い雰囲気下で熱流束を連続的に且つ精度よく計測することが可能になる。
【0030】
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示したと同様の構成において、熱流束検出部4の熱流束入射面を、平面状とすることに代えて、円筒面や球面のように湾曲した形状となるようにしたものである。
【0031】
すなわち、この場合には、冷却プレート2を湾曲した表面を備えた形状とすると共に、低熱伝導率層6、裏面側検出部保護板14、差動熱電対11を巻き付けてある熱流束検出板5、表面側検出部保護板13を、それぞれ内側から順に同心上に配置された円筒面形状又は球面形状とするようにしてある。
【0032】
その他、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0033】
本実施の形態によっても図1に示した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、計測精度の面からは差動熱電対11を用いることが望ましいが、差動熱電対11に代えて熱電対を用いるようにしてもよい。この場合には、熱流束3の入射方向と直角に配置してある熱流束検出板5の厚み方向の温度勾配を基に熱流束3を計測することに基づく熱流束検出性能へ粉塵の付着層18の存在の影響を受けない効果や、低熱伝導率層6を冷却プレート2と熱流束検出部4との間に介在させることに基く熱流束検出部4の温度を、計測対象の温度に精度よく模擬させて熱流束3を計測できる効果、熱流束検出板5の厚みを薄くしたことによる計測点の位置精度を向上させる効果、熱流束検出部4の側面への熱の逃げを小さく抑制する効果、等の効果を得ることができる。熱流束検出板5は熱伝導が小さく且つ熱伝導率が既知の耐熱性材料であり、差動熱電対11との絶縁を図ることができれば、アルミナ以外のセラミックスやその他の任意の材質のものを使用してよい。熱流束検出部4の表面は400℃以上に上昇する場合があるため、表面側及び裏面側の検出部保護板13,14は、セラミックス等の無機材や金属を用いるようにすればよく、金属を用いる際には、無機材を被覆する等して差動熱電対11との絶縁を確保できるようにすればよい。低熱伝導率層6は、熱伝導率が低く且つ熱流束検出部4が400℃以上の高温となることが想定されるため、このような温度条件に対する耐熱性がある材質であれば、任意の材質のものを使用してよい。金属製冷却プレート2と被覆なしの差動熱電対11を用いる場合には、絶縁を考慮して熱流束検出部4の裏面側に裏面側検出部保護板14を設けることが望ましいが、セラミック等により被覆した耐熱被覆タイプの熱電対を用いれば、裏面側検出部保護板14を省略してもよい。外側の表面側検出部保護板13は設けることが望ましいが、熱流束検出板5の表面側に配された差動熱電対11間に充填してある高温接着剤12に差動熱電対11の保護機能を持たせることができれば、表面側検出部保護板13を省略することも可能であること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の熱流束計によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) 冷却水を内部循環させることにより所要温度に保持できるようにしてある冷却プレートの表面側に、熱流束の通過方向に直角配置する薄板状の熱流束検出板の表裏面温度を多点計測できるようにしてなる熱流束検出部を、低熱伝導率層を介在させて取り付けた構成としてあるので、熱流束検出部にて、熱流束の入射方向と直角方向に配置してある薄板状の熱流束検出板の表裏面の温度差を基に熱流束を計測できることから、熱流束は熱流束検出部の内部で検出でき、このため粉塵の付着による熱流束検出性能への影響を受ける虞を解消できる。しかも、上記粉塵の付着に伴う流入する熱流束変化を、実時間計測することが可能となる。したがって、従来用いられているガードン型熱流束計では困難であった粉塵の多い雰囲気下における長時間計測が実施できる。
(2) 低熱伝導率層を介在させることで、冷却プレートと熱流束検出部に温度ギャップを形成させることができると共に、該低熱伝導率層の厚さを変化させることにより上記温度ギャップの大きさを自在に設定することができることから、熱流束検出部の温度を高温に設定できる。このため、粉塵の付着状況を、計測を行いたい火炉の内壁面等の高温の面と同様とさせることができるため、計測対象となる火炉の内壁面等の実際の熱流束を精度よく模擬して計測することができる。
(3) 熱流束検出板は厚みを薄くしてあるため、該熱流束検出板の両面に設定される計測点は、厚み方向の設定位置のずれを最小に抑えることが可能で位置精度を高いものとすることができる。又、熱流束検出部を薄型にできることから、側面方向への熱の逃げを小さく抑制することができて、計測精度を高めることができる。したがって、熱流束検出部の側面の断熱施工を、特許文献2にて示された如き熱流束計を設置する場合に比して簡素化することができる。
(4) 厚みの薄い熱流束検出板の表裏両面の温度差を多点計測するようにしてあるため、計測精度を向上させることができる。
(5) 熱流束検出部を、熱流束検出板に該熱流束検出板の厚み方向の対応する位置に計測点が配されるよう表裏両面に差動熱電対又は熱電対を取り付けてなる構成とすることにより、熱流束検出板の表面と裏面の温度を、それぞれ差動熱電対又は熱電対で容易に計測可能な構成とすることができる。
(6) 熱流束検出板への差動熱電対又は熱電対の取り付けを、該熱流束検出板に差動熱電対又は熱電対を巻き付けて行うようにした構成とすることにより、熱流束検出板の表裏面温度を容易に多点計測することが可能な構成とすることができる。
(7) 差動熱電対又は熱電対より外部へ信号を取り出す信号線を、冷却プレートに接続した冷却水の給排経路に沿わせて配置するようにした構成とすることにより、上記信号線を低温に保つことができ、埋め込み型に比べて劣化を少なくすることができて、長寿命化を図ることができる。
(8) 熱流束検出板を耐熱性材料製とし、且つ該熱流束検出板に、作動熱電対又は熱電対を無機系の高温接着剤にて固定し、更に、低熱伝導率層を耐熱性材料製とした構成とすることにより、検出部及び低熱伝導率層を高温耐性を有するものとすることができるため、高温雰囲気下でも長時間の計測を行うことができる。
(9) 以上のことから、発電用ボイラ火炉等、1000℃以上にもなる高温で且つ粉塵の多い雰囲気下にて、熱流束を連続的に計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱流束計の実施の一形態を示す概略切断側面図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。
【符号の説明】
1 冷却水
2 冷却プレート
3 熱流束
4 熱流束検出部
5 熱流束検出板
6 低熱伝導率層
7 冷却水給配管(冷却水の給排経路)
11 差動熱電対
12 高温接着剤
17 信号線

Claims (5)

  1. 冷却水を内部循環させることにより所要温度に保持できるようにしてある冷却プレートの表面側に、熱流束の通過方向に直角配置する薄板状の熱流束検出板の表裏面温度を多点計測できるようにしてなる熱流束検出部を、低熱伝導率層を介在させて取り付けた構成を有することを特徴とする熱流束計。
  2. 熱流束検出部を、熱流束検出板に該熱流束検出板の厚み方向の対応する位置に計測点が配されるよう表裏両面に差動熱電対又は熱電対を取り付けてなる構成とした請求項1記載の熱流束計。
  3. 熱流束検出板への差動熱電対又は熱電対の取り付けを、該熱流束検出板に差動熱電対又は熱電対を巻き付けて行うようにした請求項2記載の熱流束計。
  4. 差動熱電対又は熱電対より外部へ信号を取り出す信号線を、冷却プレートに接続した冷却水の給排経路に沿わせて配置するようにした請求項2又は3記載の熱流束計。
  5. 熱流束検出板を耐熱性材料製とし、且つ該熱流束検出板に、作動熱電対又は熱電対を無機系の高温接着剤にて固定し、更に、低熱伝導率層を耐熱性材料製とした請求項2、3又は4記載の熱流束計。
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