JP2005030265A - 風車ブレードのピッチ角制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でありながら雷撃によっても殆ど影響を受けることがない風車ブレード11のピッチ角制御装置13を提供する。
【解決手段】流体シリンダ14のピストンロッド16に転がり接触している検出ローラ77によりピストンロッド16の直線移動を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、従来技術で説明したような長いボールねじ軸に比較して、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁34を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段、制御モータ59、検出ローラ77、機械式伝達手段と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【選択図】 図1
【解決手段】流体シリンダ14のピストンロッド16に転がり接触している検出ローラ77によりピストンロッド16の直線移動を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、従来技術で説明したような長いボールねじ軸に比較して、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁34を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段、制御モータ59、検出ローラ77、機械式伝達手段と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力発電に使用される風車における風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−226373号公報
【0003】
従来の風車ブレードのピッチ角制御装置としては、例えば前記特許文献1に従来技術として記載されているようなものが知られている。このものは、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレードに伝達して風車ブレードを回動させるアームと、流体シリンダに接続された一対の給排通路と供給回路、排出回路との間に介装され、軸方向に移動することにより供給回路から高圧流体をいずれかの給排通路を通じて流体シリンダに供給しピストンロッドを直線移動させるスプールを有するサーボ制御弁と、流体シリンダのシリンダケースに固定された抵抗コイル部、および、一端部が流体シリンダのピストンロッドに固定され、他端部が前記抵抗コイル部内周に摺動可能に係合する摺動子からなり、前記流体シリンダのピストンロッドの直線移動量を検出するポテンショメータと、入力された操作信号およびポテンショメータからの検出信号(フィードバック信号)に基づいて前記サーボ制御弁のスプールを軸方向に移動させることにより、流体シリンダをサーボ制御するコントローラと、流体シリンダのピストンロッドの先端とアームとの間に設置された危急停止シリンダと、前記供給回路に接続され所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータと、危急停止シリンダとアキュムレータとの間に介装された電磁切換弁とを備え、供給回路の故障時、電磁切換弁を開に切換えてアキュムレータから高圧流体を前記危急停止シリンダに供給し、風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の風車ブレードのピッチ角制御装置にあっては、ポテンショメータを用いて流体シリンダのストローク全域に亘りピストンロッドの移動量検出を行うようにしているため、該ポテンショメータの軸方向長が前記ストロークより長くなって装置全体が大型化するという問題点がある。また、風力発電設備は地上高が高いため、雷撃を受けることがあるが、前述したコントローラは電子回路から構成されているため、このような雷撃の高電圧・高電流により故障し易いという問題点もある。
【0005】
この発明は、小型でありながら雷撃によっても殆ど影響を受けることがない風車ブレードのピッチ角制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、半径方向内端部がロータヘッドに回動可能に連結された複数の風車ブレードをそれぞれ回動させることでピッチ角を制御するようにした風車ブレードのピッチ角制御装置であって、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレードに伝達して風車ブレードを回動させる伝達手段と、流体シリンダに接続された一対の給排通路と供給回路、排出回路との間に介装され、軸方向に移動することにより供給回路から高圧流体をいずれかの給排通路を通じて流体シリンダに供給しピストンロッドを直線移動させるスプールを有するサーボ制御弁と、回転駆動力を受けたとき、該回転駆動力を軸方向移動力に変換して前記サーボ制御弁のスプールを移動させる変換移動手段と、入力された操作信号に応じた回転駆動力を前記変換移動手段に付与する制御モータと、流体シリンダのピストンロッドに転がり接触することで、該ピストンロッドの直線移動力を回転駆動力に変換する検出ローラと、該検出ローラの回転駆動力を前記変換移動手段にフィードバックし、スプールを制御モータによる移動方向と逆方向に移動させることでサーボ制御を行う機械式伝達手段とを備えることにより達成することができる。
【0007】
この発明においては、流体シリンダのピストンロッドに転がり接触している検出ローラによりピストンロッドの直線移動を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段、制御モータ、検出ローラ、機械式伝達手段と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【0008】
また、前記特許文献1に記載のものでは、供給回路の故障時に風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させるために、アキュムレータから高圧流体が供給される危急停止シリンダを設けており、この結果、装置全体が大型化するとともに、構造複雑で高価となっていたが、請求項2に記載のように、供給回路の故障時にも流体シリンダをそのまま非常用として使用するようにすれば、前述のような危急停止シリンダが不要となって装置全体が小型化するとともに、構造が簡単となり製作費も安価とすることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、流体シリンダをサーボ制御しながら風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させることができるとともに、アキュムレータを流体シリンダ、非常流体モータに共用することができ、構造を簡単なものとすることができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、構造を簡単としながら小型化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は半径方向に延びるとともに周方向に等角度離れた複数の風車ブレードであり、これら風車ブレード11の半径方向内端部は円筒状を呈するとともに、風車本体に回転可能に支持された中空状ロータヘッド(図示していない)に回動可能に連結されている。そして、前記ロータヘッドは図示していない増速機および発電機に連結されており、この結果、風車ブレード11、ロータヘッドが該ロータヘッドの回転軸回りに回転すると、発電機は(風力)発電する。
【0011】
13は各風車ブレード11を回動させることでそのピッチ角、即ちロータヘッドに対する風車ブレード11の取付け角度を制御する複数(風車ブレード11と同数)のピッチ角制御装置であり、各ピッチ角制御装置13はヘッド側端が前記ロータヘッドに回動可能に連結された流体シリンダ(サーボシリンダ)14を有する。15は先端部が前記流体シリンダ14のピストンロッド16の先端に回動可能に連結された伝達手段としての伝達アームであり、該伝達アーム15は風車ブレード11の回動軸に直交する方向に延びるとともに、その基端部が前記風車ブレード11の半径方向内端に固定されている。この結果、前記伝達アーム15は流体シリンダ14のピストンロッド16の直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレード11に伝達して風車ブレード11を回動させることができる。
【0012】
前記流体シリンダ14はヘッド側が閉止されロッド側が開口している有底円筒状の本体ケース19を有し、この本体ケース19のロッド側端開口は該本体ケース19に固定されたロッドカバー20により閉止され、これにより、このロッドカバー20と前記本体ケース19との内部にはこれらに囲まれたシリンダ室21が形成されている。22は前記シリンダ室21に摺動可能に収納されたピストンであり、このピストン22により前記シリンダ室21はロッド側室21aとヘッド側室21bとに区画されている。そして、このピストン22には中央部が前記ロッドカバー20を貫通し、本体ケース19と同軸である前記ピストンロッド16の後端部が固定されている。
【0013】
図1、2、3、4、5、6において、25はロッドカバー20の先端面にボルト等により着脱可能に取付けられたホルダーであり、このホルダー25に形成された遊嵌孔26内には前記ピストンロッド16が遊嵌されている。27は先端部が前記ホルダー25に固定され流体シリンダ14に平行に延びる四角柱状のケース本体であり、このケース本体27内には流体シリンダ14に平行に延びる貫通した断面円形のスプール孔28が形成され、このスプール孔28の後端開口はケース本体27に固定された後端キャップ29により閉止されている。
【0014】
33は前記スプール孔28内に摺動可能に挿入されピストンロッド16に平行に延びるスプールであり、このスプール33はキー32により回り止めされながらスプール孔28内を軸方向に移動可能である。このスプール33の外周には先端側から後端側に向かって軸方向に離れた3個の環状溝33a、33b、33cが順次形成されている。前述したスプール孔28、スプール33、キー32は全体として、軸方向に移動可能なスプール33を有するサーボ制御弁34を構成する。
【0015】
37は流体ポンプであり、この流体ポンプ37は電動モータ38により常時駆動されることでタンク39から吸入通路40を通じて流体を吸入し、高圧流体として供給通路41に吐出する。この供給通路41は前記サーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28に接続されており、この結果、この供給通路41を通じて流体ポンプ37から高圧流体がサーボ制御弁34に導かれる。前述した流体ポンプ37、電動モータ38、吸入通路40、供給通路41は全体として、サーボ制御弁34に高圧流体を供給する供給回路42を構成する。43はタンク39とサーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28とを接続する排出回路(排出通路)であり、この排出回路43はサーボ制御弁34から流出した低圧の戻り流体をタンク39に導く。
【0016】
46、47は一端がサーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28に接続された一対の給排通路であり、これら給排通路46、47の他端は流体シリンダ14のロッド側、ヘッド側室21a、21bにそれぞれ接続されている。この結果、一対の給排通路46、47と供給回路42、排出回路43との間に介装された前記サーボ制御弁34は、スプール33が軸方向に移動することにより、供給回路42から高圧流体をいずれかの給排通路46、47を通じて流体シリンダ14に供給し、該流体シリンダ14をサーボ制御しながらピストンロッド16を突出側(先端側)または引っ込み側(後端側)に直線移動させる。
【0017】
即ち、前記サーボ制御弁34のスプール33が図4に示す位置で停止しているときには、サーボ制御弁34が中立位置に位置しているため、スプール33のランドによって給排通路46、47と供給回路42、排出回路43とは遮断されているが、該スプール33が後端側に移動すると、サーボ制御弁34が平行流位置に切換えられ、給排通路47と供給回路42とが環状溝33bを通じて、また、給排通路46と排出回路43とが環状溝33aを通じて連通し、これにより、流体ポンプ37からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を介して流体シリンダ14のヘッド側室21bに流入し、ピストンロッド16、ピストン22を突出側に直線移動させる。
【0018】
一方、該スプール33が先端側に移動すると、サーボ制御弁34が交差流位置に切換えられ、給排通路47と排出回路43とが環状溝33cを通じて、また、給排通路46と供給回路42とが環状溝33bを通じて連通し、これにより、流体ポンプ37からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路46を介して流体シリンダ14のロッド側室21aに流入し、ピストンロッド16、ピストン22を引っ込み側に直線移動させる。前記環状溝33aより先端側のスプール33には切り欠き48が形成され、この切り欠き48内にはスプール33と同軸で略円筒状をしたスリーブ49を回転可能に支持するスラストブッシュ50が収納固定されている。この結果、前記スリーブ49はスラストブッシュ50を介してスプール33に回転可能に支持されることになる。
【0019】
53はスプール33の中心軸上に形成された遊嵌穴であり、この遊嵌穴53には軸方向先端部外周におねじ54を有し、ピストンロッド16に平行に延びるねじ軸55が遊嵌されている。56は前記スリーブ49の内周に形成されためねじであり、このめねじ56には該スリーブ49に挿入された前記ねじ軸55のおねじ54が螺合している。この結果、ねじ軸55が回転すると、おねじ54、めねじ56のねじ作用により、スリーブ49はスプール33と共にスプール孔28内を軸方向に一体的に移動する。
【0020】
59は後端キャップ29の後端面に取付けられたパルスモータ等の制御モータであり、この制御モータ59にはCPU等のコントローラ60から操作信号(パルス)が入力される。この制御モータ59はねじ軸55と同軸で前記操作信号により回転する出力軸61を有し、この出力軸61は後端キャップ29を貫通するねじ軸55の後端部に連結されている。そして、この制御モータ59は入力された操作信号に応じた回転駆動力を発生し、該回転駆動力を後述する変換移動手段のねじ軸55に付与する。
【0021】
64はホルダー25、ケース本体27を貫通しホルダー25の遊嵌孔26において内端が開口する貫通孔であり、この貫通孔64はピストンロッド16のほぼ半径方向に、詳しくは、ピストンロッド16の中心軸Lとスプール33の中心軸とを含む平面に平行に延びるとともに、スプール33の先端部側方を通過している。そして、この貫通孔64のケース本体27における外端開口はケース本体27に固定されたキャップ65により閉止されている。66は前記貫通孔64の内端部に遊嵌され該貫通孔64と同軸の連結スリーブであり、この連結スリーブ66は複数の軸受67を介してホルダー25、ケース本体27に回転可能に支持されている。68は連結スリーブ66より外側の貫通孔64内に遊嵌され該連結スリーブ66と同軸の伝達軸であり、この伝達軸68の内端部は連結スリーブ66の外端部に移動可能に挿入されている。
【0022】
また、この伝達軸68の外端部とケース本体27との間には軸受70が介装されるとともに、伝達軸68と連結スリーブ66とはキー69を介して連結されており、この結果、伝達軸68は前記連結スリーブ66と一体となって回転することができる。また、前記伝達軸68の軸方向中央部外周にははすば歯車72が一体形成され、このはすば歯車72は前記スリーブ49の外周に形成されたはすば歯車74に噛み合っている。ここで、このスリーブ49の回転軸線と伝達軸68の回転軸線とはねじれ状態で直交しているので、前記はすば歯車72、74は直交ヘリカルスパイラルギアを構成する。
【0023】
この結果、例えば前記ねじ軸55が制御モータ59の作動により右回転すると、スリーブ49ははすば歯車72、74によりねじ軸55との一体回転が制限されているため、左回転しながら軸方向に、ここでは後端側に向かって移動し、これにより、スプール33もスリーブ49と一体となって軸方向(後端側)に移動してサーボ制御弁34が平行流位置に切換わる。
【0024】
一方、前記ねじ軸55が左回転すると、スリーブ49は右回転しながら軸方向、ここでは先端側に向かって移動し、これにより、スプール33もスリーブ49と一体となって軸方向(先端側)に移動してサーボ制御弁34が交差流位置に切換わる。前述したスリーブ49、スラストブッシュ50、ねじ軸55、はすば歯車74は全体として、制御モータ59から操作信号に応じた回転駆動力をねじ軸55が受けたとき、該回転駆動力を軸方向移動力に変換して前記サーボ制御弁34のスプール33に付与し、該スプール33を軸方向に移動させる変換移動手段75を構成する。
【0025】
77は回転軸線がはすば歯車72の回転軸線と同軸の検出ローラであり、この検出ローラ77は、連結スリーブ66に内端側から挿入されるとともに、キー78により連結スリーブ66に一体回転するよう連結された軸部77aと、軸部77aの内端に一体形成され、内端面が球面の一部からなる凸レンズ状の接触部77bとから構成されている。そして、この接触部77bの内端面はロッドカバー20から突出しているピストンロッド16の外周に転がり接触しており、この結果、前記検出ローラ77はピストンロッド16の軸方向移動を検出しながらその移動力を回転駆動力に変換することができる。
【0026】
79は連結スリーブ66と接触部77bとの間に介装された皿ばねであり、この皿ばね79は検出ローラ77をピストンロッド16に対して滑りが発生しないよう押付ける。ここで、ピストンロッド16の中心軸Lを通過し、検出ローラ77の回転軸線に平行な直線Mと、ピストンロッド16に対する検出ローラ77の転がり接触点Nと前記中心軸Lとを結ぶ半径方向線Pとの交差角Qを45度未満とし、これにより、検出ローラ77を前記直線Mに接近させて装置全体の幅を狭くしている。
【0027】
81は連結スリーブ66内で伝達軸68と検出ローラ77との間に介装されたスプリングであり、このスプリング81は伝達軸68を外側に向かって付勢し、はすば歯車72、74間のバックラッシを無くするようにしている。前述した連結スリーブ66、伝達軸68は全体として、前記検出ローラ77に連結された機械式伝達手段82を構成し、この機械式伝達手段82は前記検出ローラ77の回転駆動力を変換移動手段75、詳しくははすば歯車74にフィードバックし、スプール33を制御モータ59による移動方向と逆方向に移動させることでサーボ制御を行う。なお、83は流体ポンプ37から余分に吐出された高圧流体をタンク39に戻すリリーフ弁である。
【0028】
86、87は供給回路42、詳しくは供給通路41の途中に介装され流体ポンプ37からサーボ制御弁34への流体の流れのみを許容するチェック弁であり、これらチェック弁86、87間の供給回路42(供給通路41)には所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータ88が接続されている。ここで、これらチェック弁のうち、チェック弁86は高圧流体がアキュムレータ88から供給通路41、流体ポンプ37を通じてタンク39に逆流する事態を防止するものである。また、このアキュムレータ88は供給回路42(供給通路41)に接続されているので、流体ポンプ37から吐出された高圧流体が常時補充され、内圧が常に所定の高圧に維持されている。
【0029】
91はケース本体27の先端面に取付けられスプール孔28の先端開口を閉止する斜板式等の非常流体モータであり、この非常流体モータ91の出力軸には前記ねじ軸55の先端部が連結されている。この結果、この非常流体モータ91と前記制御モータ59の双方はケース本体27の反対側面(先端面、後端面)にそれぞれ配置されるとともに、流体シリンダ14の中心軸に平行な直線上に配置されることになり、これにより、構造が簡単となり小型化することもできる。
【0030】
92は前記非常流体モータ91とアキュムレータ88とを接続する流入通路であり、93は前記非常流体モータ91とタンク39とを接続する流出通路である。これら流入、流出通路92、93の途中には、換言すればアキュムレータ88と非常流体モータ91との間には電磁弁からなる開閉弁94が介装されている。そして、この開閉弁94は、通常の通電時には、閉位置に位置してアキュムレータ88から非常流体モータ91への高圧流体の流入を遮断しているが、前述の供給回路42(例えば電動モータ38)、制御モータ59の少なくともいずれか一方が断線、停電等によって故障した非常時となると、前記故障と同時に通電が遮断される。この結果、該開閉弁94は開位置に切換わってアキュムレータ88から非常流体モータ91に流入通路92を通じて高圧流体を供給し、該非常流体モータ91を作動させて変換移動手段75のねじ軸55に回転駆動力を付与する。
【0031】
95は開閉弁94とアキュムレータ88との間の流入通路92に介装された流量調整弁であり、この流量調整弁95は流入通路92を流れる高圧流体の流量を制御することにより、非常流体モータ91の出力軸の回転速度をコントロールする。この結果、この非常流体モータ91は、開閉弁94が開位置に切換わったとき、流量調整弁95により流量制御されたアキュムレータ88からの高圧流体に応じた回転速度で変換移動手段75のねじ軸55を回転させる。そして、前述のような非常流体モータ91によるねじ軸55の回転によりサーボ制御弁34が中立位置から流れ位置、例えば平行流位置に切り換わると、アキュムレータ88から高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を通じて流体シリンダ14に供給され、これにより、流体シリンダ14のピストンロッド16がストロークエンドまで突出して、風車ブレード11をフェザーリング状態(風車ブレード11が風向きと平行となった状態)まで簡単かつ確実に回動させる。
【0032】
このように所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータ88を供給回路42に接続し、供給回路42の故障時、サーボ制御弁34、給排通路46、47を通じてアキュムレータ88から高圧流体を前記流体シリンダ14に供給し、風車ブレード11をフェザーリング状態まで回動させるようにすれば、供給回路42の故障時にも流体シリンダ14をそのまま非常用、即ちフェザーリング状態への回動用として用いることができる。これにより、従来必要であった危急停止シリンダが不要となって装置全体が小型化するとともに、構造が簡単となり製作費も安価とすることができる。
【0033】
また、前述のようにアキュムレータ88に接続されるとともに、変換移動手段75に回転駆動力を付与することができる非常流体モータ91と、アキュムレータ88と非常流体モータ91との間に介装された開閉弁94とを設け、供給回路42、制御モータ59の故障時、開閉弁94を開にしてアキュムレータ88から高圧流体を非常流体モータ91に供給することにより、該非常流体モータ91から変換移動手段75に回転駆動力を付与するようにすれば、流体シリンダ14をサーボ制御しながら風車ブレード11をフェザーリング状態まで回動させることができるとともに、アキュムレータ88を流体シリンダ14、非常流体モータ91に共用することができ、構造を簡単で製作費を安価とすることができる。
【0034】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
通常時に風車ブレード11のピッチ角を風速の変化に応じて変更する場合には、まず、前記風速の変化に応じた操作信号(パルス)がコントローラ60から制御モータ59に出力され、これにより、制御モータ59の出力軸、ねじ軸55が回転する。ここで、ねじ軸55が右回転したときには、スリーブ49、スプール33は後端側に向かって移動するため、サーボ制御弁34が平行流位置に切換わり供給回路42、給排通路47を通じて流体ポンプ37からの高圧流体が流体シリンダ14のヘッド側室21bに供給され、一方、ねじ軸55が左回転したときには、スリーブ49、スプール33は先端側に向かって移動するため、サーボ制御弁34が交差流位置に切換わり供給回路42、給排通路46を通じて流体ポンプ37からの高圧流体が流体シリンダ14のロッド側室21aに供給される。
【0035】
このようにして流体シリンダ14に高圧流体が導かれると、そのピストンロッド16が軸方向に移動する(突出あるいは引っ込む)が、この軸方向移動は伝達アーム15により回動運動に変換されて風車ブレード11に伝達される。このとき、ピストンロッド16の外周に転がり接触している検出ローラ77は前記ピストンロッド16の軸方向移動に応じて回転するが、この検出ローラ77の回転力はフィードバック力として機械式伝達手段82により変換移動手段75のはすば歯車74にそのまま伝達付与される。この結果、前記スリーブ49は前記制御モータ59による回転方向、移動方向と逆方向に回転移動し、サーボ制御弁34のスプール33は中立位置に向かって復帰しようとする。
【0036】
前述のような流体シリンダ14の作動時、変換移動手段75に制御モータ59および検出ローラ77から逆方向の軸方向移動を発生させる回転力が付与されるが、この検出ローラ77の回転は制御モータ59の出力軸61の回転より僅かに遅れるため、サーボ制御弁34は平行流位置または交差流位置に保持される。そして、制御モータ59への操作信号の入力が終了すると、サーボ制御弁34は中立位置に復帰する。このようにして流体シリンダ14はサーボ制御弁34によりサーボ制御されながら作動し、風車ブレード11を操作信号に応じた位置まで、即ち風速に応じた位置まで回動させる。
【0037】
このように流体シリンダ14のピストンロッド16に転がり接触している検出ローラ77によりピストンロッド16の直線移動力を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、従来技術で説明したような長いボールねじ軸に比較して、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁34を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段75、制御モータ59、検出ローラ77、機械式伝達手段82と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【0038】
そして、前記風車ブレード11のピッチ角は、通常の運転時には、10〜30度の範囲内で制御されており、風が弱くなった場合には、ピッチ角が小さくなるよう風車ブレード11を回動させてロータヘッドの回転を増速させ、一方、風が強くなった場合には、ピッチ角が大きくなるよう風車ブレード11を回動させてロータヘッドの回転を減速させ、強風時の危険を回避しながら、発電効率を向上させるようにしている。なお、前述のような通常時、アキュムレータ88には流体ポンプ37から吐出された高圧流体が常時補充されているため、その内圧は所定圧となっている。
【0039】
ここで、断線・停電等により供給回路42(例えば、電動モータ38)や制御モータ59等が故障した非常時となると、流体シリンダ14に高圧流体が供給されなくなってその作動が停止するため、風車ブレード11のピッチ角制御ができなくなり、特に、弱い風に対して風車ブレード11のピッチ角が設定されているときに前述のような故障が発生し、その後、強風が吹くようになると、風車が高速回転し危険となる。このような場合には、前述の故障と同時に、開閉弁94に対する通電が遮断されるため、該開閉弁94が閉位置から開位置に切換わり、アキュムレータ88から非常流体モータ91に流入通路92を通じて高圧流体が供給される。このとき、非常流体モータ91に流入する流体量は流量調整弁95により制御されるため、該非常流体モータ91の出力軸の回転速度は適切な値にコントロールされる。
【0040】
このようにして非常流体モータ91の出力軸、ねじ軸55が回転すると、スリーブ49、スプール33は軸方向に移動してサーボ制御弁34を中立位置から流れ位置、例えば平行流位置に切換え、給排通路47、供給回路42同士、給排通路46、排出回路43同士を連通する。この結果、アキュムレータ88からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を通じて流体シリンダ14のヘッド側室21bに供給され、該流体シリンダ14を作動、即ちピストンロッド16をストロークエンドまで突出させる。これにより、風車ブレード11はフェザーリング状態まで回動し、前述のような危険は回避される。このとき、機械式伝達手段82によりピストンロッド16の軸方向移動が回転運動に変換された後、変換移動手段75にフィードバックされるため、流体シリンダ14はサーボ制御弁34によりサーボ制御される。
【0041】
なお、前述の実施形態においては、スリーブ49内にねじ軸55をねじ込むことで、制御モータ59からの回転駆動力をスリーブ49に伝達するようにしたが、この発明においては、スリーブの外周に形成されたおねじと、ねじ軸のおねじとを螺合させることで、あるいは、スリーブの外周に形成されたはすば歯車と、出力軸に連結されたはすば歯車とを噛み合わせることで、制御モータからの回転駆動力をスリーブに伝達するようにしてもよい。
【0042】
また、前述の実施形態においては、スリーブ49のはすば歯車74とはすば歯車72とを噛み合わせることで、検出ローラ77からの回転力をスリーブ49に伝達するようにしたが、この発明においては、スリーブの内周に形成されためねじと、機械式伝達手段に設けられたおねじとを螺合させることで、あるいは、スリーブの外周に形成されたおねじと、機械式伝達手段に設けられたおねじとを螺合させることで、検出ローラからの回転駆動力をスリーブに伝達するようにしてもよい。
【0043】
さらに、前述の実施形態においては、内端面が球面の一部からなる凸レンズ状の接触部77bを有する検出ローラ77の内端面をピストンロッド16の外周に転がり接触させるようにしたが、この発明においては、流体シリンダのピストンロッドの中心軸に垂直な平面内に回転軸が位置している円板状、円筒状をした検出ローラの外周をピストンロッドの外周に転がり接触させるようにしてもよい。
【0044】
また、前述の実施形態においては、流体ポンプ37を常時作動させるようにしたが、この発明においては、流体ポンプを間欠的に作動する一方で、アキュムレータを流体ポンプの非作動時における流体源として補助的に用いるようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、制御モータ59としてパルスモータ等のAC、DCモータを用いたが、この発明においては、流体モータを用いるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、小型でありながら雷撃によっても殆ど影響を受けることがないピッチ角制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す回路図である。
【図2】その正面断面図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】サーボ制御弁近傍の正面断面図である。
【図5】図2のII−II矢視断面図である。
【図6】図4のIII−III矢視断面図である。
【符号の説明】
11…風車ブレード 14…流体シリンダ
15…伝達手段 16…ピストンロッド
33…スプール 34…サーボ制御弁
42…供給回路 43…排出回路
46、47…給排通路 59…制御モータ
75…変換移動手段 77…検出ローラ
82…機械式伝達手段 88…アキュムレータ
91…非常流体モータ 94…開閉弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力発電に使用される風車における風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−226373号公報
【0003】
従来の風車ブレードのピッチ角制御装置としては、例えば前記特許文献1に従来技術として記載されているようなものが知られている。このものは、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレードに伝達して風車ブレードを回動させるアームと、流体シリンダに接続された一対の給排通路と供給回路、排出回路との間に介装され、軸方向に移動することにより供給回路から高圧流体をいずれかの給排通路を通じて流体シリンダに供給しピストンロッドを直線移動させるスプールを有するサーボ制御弁と、流体シリンダのシリンダケースに固定された抵抗コイル部、および、一端部が流体シリンダのピストンロッドに固定され、他端部が前記抵抗コイル部内周に摺動可能に係合する摺動子からなり、前記流体シリンダのピストンロッドの直線移動量を検出するポテンショメータと、入力された操作信号およびポテンショメータからの検出信号(フィードバック信号)に基づいて前記サーボ制御弁のスプールを軸方向に移動させることにより、流体シリンダをサーボ制御するコントローラと、流体シリンダのピストンロッドの先端とアームとの間に設置された危急停止シリンダと、前記供給回路に接続され所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータと、危急停止シリンダとアキュムレータとの間に介装された電磁切換弁とを備え、供給回路の故障時、電磁切換弁を開に切換えてアキュムレータから高圧流体を前記危急停止シリンダに供給し、風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の風車ブレードのピッチ角制御装置にあっては、ポテンショメータを用いて流体シリンダのストローク全域に亘りピストンロッドの移動量検出を行うようにしているため、該ポテンショメータの軸方向長が前記ストロークより長くなって装置全体が大型化するという問題点がある。また、風力発電設備は地上高が高いため、雷撃を受けることがあるが、前述したコントローラは電子回路から構成されているため、このような雷撃の高電圧・高電流により故障し易いという問題点もある。
【0005】
この発明は、小型でありながら雷撃によっても殆ど影響を受けることがない風車ブレードのピッチ角制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、半径方向内端部がロータヘッドに回動可能に連結された複数の風車ブレードをそれぞれ回動させることでピッチ角を制御するようにした風車ブレードのピッチ角制御装置であって、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレードに伝達して風車ブレードを回動させる伝達手段と、流体シリンダに接続された一対の給排通路と供給回路、排出回路との間に介装され、軸方向に移動することにより供給回路から高圧流体をいずれかの給排通路を通じて流体シリンダに供給しピストンロッドを直線移動させるスプールを有するサーボ制御弁と、回転駆動力を受けたとき、該回転駆動力を軸方向移動力に変換して前記サーボ制御弁のスプールを移動させる変換移動手段と、入力された操作信号に応じた回転駆動力を前記変換移動手段に付与する制御モータと、流体シリンダのピストンロッドに転がり接触することで、該ピストンロッドの直線移動力を回転駆動力に変換する検出ローラと、該検出ローラの回転駆動力を前記変換移動手段にフィードバックし、スプールを制御モータによる移動方向と逆方向に移動させることでサーボ制御を行う機械式伝達手段とを備えることにより達成することができる。
【0007】
この発明においては、流体シリンダのピストンロッドに転がり接触している検出ローラによりピストンロッドの直線移動を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段、制御モータ、検出ローラ、機械式伝達手段と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【0008】
また、前記特許文献1に記載のものでは、供給回路の故障時に風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させるために、アキュムレータから高圧流体が供給される危急停止シリンダを設けており、この結果、装置全体が大型化するとともに、構造複雑で高価となっていたが、請求項2に記載のように、供給回路の故障時にも流体シリンダをそのまま非常用として使用するようにすれば、前述のような危急停止シリンダが不要となって装置全体が小型化するとともに、構造が簡単となり製作費も安価とすることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、流体シリンダをサーボ制御しながら風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させることができるとともに、アキュムレータを流体シリンダ、非常流体モータに共用することができ、構造を簡単なものとすることができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、構造を簡単としながら小型化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は半径方向に延びるとともに周方向に等角度離れた複数の風車ブレードであり、これら風車ブレード11の半径方向内端部は円筒状を呈するとともに、風車本体に回転可能に支持された中空状ロータヘッド(図示していない)に回動可能に連結されている。そして、前記ロータヘッドは図示していない増速機および発電機に連結されており、この結果、風車ブレード11、ロータヘッドが該ロータヘッドの回転軸回りに回転すると、発電機は(風力)発電する。
【0011】
13は各風車ブレード11を回動させることでそのピッチ角、即ちロータヘッドに対する風車ブレード11の取付け角度を制御する複数(風車ブレード11と同数)のピッチ角制御装置であり、各ピッチ角制御装置13はヘッド側端が前記ロータヘッドに回動可能に連結された流体シリンダ(サーボシリンダ)14を有する。15は先端部が前記流体シリンダ14のピストンロッド16の先端に回動可能に連結された伝達手段としての伝達アームであり、該伝達アーム15は風車ブレード11の回動軸に直交する方向に延びるとともに、その基端部が前記風車ブレード11の半径方向内端に固定されている。この結果、前記伝達アーム15は流体シリンダ14のピストンロッド16の直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレード11に伝達して風車ブレード11を回動させることができる。
【0012】
前記流体シリンダ14はヘッド側が閉止されロッド側が開口している有底円筒状の本体ケース19を有し、この本体ケース19のロッド側端開口は該本体ケース19に固定されたロッドカバー20により閉止され、これにより、このロッドカバー20と前記本体ケース19との内部にはこれらに囲まれたシリンダ室21が形成されている。22は前記シリンダ室21に摺動可能に収納されたピストンであり、このピストン22により前記シリンダ室21はロッド側室21aとヘッド側室21bとに区画されている。そして、このピストン22には中央部が前記ロッドカバー20を貫通し、本体ケース19と同軸である前記ピストンロッド16の後端部が固定されている。
【0013】
図1、2、3、4、5、6において、25はロッドカバー20の先端面にボルト等により着脱可能に取付けられたホルダーであり、このホルダー25に形成された遊嵌孔26内には前記ピストンロッド16が遊嵌されている。27は先端部が前記ホルダー25に固定され流体シリンダ14に平行に延びる四角柱状のケース本体であり、このケース本体27内には流体シリンダ14に平行に延びる貫通した断面円形のスプール孔28が形成され、このスプール孔28の後端開口はケース本体27に固定された後端キャップ29により閉止されている。
【0014】
33は前記スプール孔28内に摺動可能に挿入されピストンロッド16に平行に延びるスプールであり、このスプール33はキー32により回り止めされながらスプール孔28内を軸方向に移動可能である。このスプール33の外周には先端側から後端側に向かって軸方向に離れた3個の環状溝33a、33b、33cが順次形成されている。前述したスプール孔28、スプール33、キー32は全体として、軸方向に移動可能なスプール33を有するサーボ制御弁34を構成する。
【0015】
37は流体ポンプであり、この流体ポンプ37は電動モータ38により常時駆動されることでタンク39から吸入通路40を通じて流体を吸入し、高圧流体として供給通路41に吐出する。この供給通路41は前記サーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28に接続されており、この結果、この供給通路41を通じて流体ポンプ37から高圧流体がサーボ制御弁34に導かれる。前述した流体ポンプ37、電動モータ38、吸入通路40、供給通路41は全体として、サーボ制御弁34に高圧流体を供給する供給回路42を構成する。43はタンク39とサーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28とを接続する排出回路(排出通路)であり、この排出回路43はサーボ制御弁34から流出した低圧の戻り流体をタンク39に導く。
【0016】
46、47は一端がサーボ制御弁34、詳しくはスプール孔28に接続された一対の給排通路であり、これら給排通路46、47の他端は流体シリンダ14のロッド側、ヘッド側室21a、21bにそれぞれ接続されている。この結果、一対の給排通路46、47と供給回路42、排出回路43との間に介装された前記サーボ制御弁34は、スプール33が軸方向に移動することにより、供給回路42から高圧流体をいずれかの給排通路46、47を通じて流体シリンダ14に供給し、該流体シリンダ14をサーボ制御しながらピストンロッド16を突出側(先端側)または引っ込み側(後端側)に直線移動させる。
【0017】
即ち、前記サーボ制御弁34のスプール33が図4に示す位置で停止しているときには、サーボ制御弁34が中立位置に位置しているため、スプール33のランドによって給排通路46、47と供給回路42、排出回路43とは遮断されているが、該スプール33が後端側に移動すると、サーボ制御弁34が平行流位置に切換えられ、給排通路47と供給回路42とが環状溝33bを通じて、また、給排通路46と排出回路43とが環状溝33aを通じて連通し、これにより、流体ポンプ37からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を介して流体シリンダ14のヘッド側室21bに流入し、ピストンロッド16、ピストン22を突出側に直線移動させる。
【0018】
一方、該スプール33が先端側に移動すると、サーボ制御弁34が交差流位置に切換えられ、給排通路47と排出回路43とが環状溝33cを通じて、また、給排通路46と供給回路42とが環状溝33bを通じて連通し、これにより、流体ポンプ37からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路46を介して流体シリンダ14のロッド側室21aに流入し、ピストンロッド16、ピストン22を引っ込み側に直線移動させる。前記環状溝33aより先端側のスプール33には切り欠き48が形成され、この切り欠き48内にはスプール33と同軸で略円筒状をしたスリーブ49を回転可能に支持するスラストブッシュ50が収納固定されている。この結果、前記スリーブ49はスラストブッシュ50を介してスプール33に回転可能に支持されることになる。
【0019】
53はスプール33の中心軸上に形成された遊嵌穴であり、この遊嵌穴53には軸方向先端部外周におねじ54を有し、ピストンロッド16に平行に延びるねじ軸55が遊嵌されている。56は前記スリーブ49の内周に形成されためねじであり、このめねじ56には該スリーブ49に挿入された前記ねじ軸55のおねじ54が螺合している。この結果、ねじ軸55が回転すると、おねじ54、めねじ56のねじ作用により、スリーブ49はスプール33と共にスプール孔28内を軸方向に一体的に移動する。
【0020】
59は後端キャップ29の後端面に取付けられたパルスモータ等の制御モータであり、この制御モータ59にはCPU等のコントローラ60から操作信号(パルス)が入力される。この制御モータ59はねじ軸55と同軸で前記操作信号により回転する出力軸61を有し、この出力軸61は後端キャップ29を貫通するねじ軸55の後端部に連結されている。そして、この制御モータ59は入力された操作信号に応じた回転駆動力を発生し、該回転駆動力を後述する変換移動手段のねじ軸55に付与する。
【0021】
64はホルダー25、ケース本体27を貫通しホルダー25の遊嵌孔26において内端が開口する貫通孔であり、この貫通孔64はピストンロッド16のほぼ半径方向に、詳しくは、ピストンロッド16の中心軸Lとスプール33の中心軸とを含む平面に平行に延びるとともに、スプール33の先端部側方を通過している。そして、この貫通孔64のケース本体27における外端開口はケース本体27に固定されたキャップ65により閉止されている。66は前記貫通孔64の内端部に遊嵌され該貫通孔64と同軸の連結スリーブであり、この連結スリーブ66は複数の軸受67を介してホルダー25、ケース本体27に回転可能に支持されている。68は連結スリーブ66より外側の貫通孔64内に遊嵌され該連結スリーブ66と同軸の伝達軸であり、この伝達軸68の内端部は連結スリーブ66の外端部に移動可能に挿入されている。
【0022】
また、この伝達軸68の外端部とケース本体27との間には軸受70が介装されるとともに、伝達軸68と連結スリーブ66とはキー69を介して連結されており、この結果、伝達軸68は前記連結スリーブ66と一体となって回転することができる。また、前記伝達軸68の軸方向中央部外周にははすば歯車72が一体形成され、このはすば歯車72は前記スリーブ49の外周に形成されたはすば歯車74に噛み合っている。ここで、このスリーブ49の回転軸線と伝達軸68の回転軸線とはねじれ状態で直交しているので、前記はすば歯車72、74は直交ヘリカルスパイラルギアを構成する。
【0023】
この結果、例えば前記ねじ軸55が制御モータ59の作動により右回転すると、スリーブ49ははすば歯車72、74によりねじ軸55との一体回転が制限されているため、左回転しながら軸方向に、ここでは後端側に向かって移動し、これにより、スプール33もスリーブ49と一体となって軸方向(後端側)に移動してサーボ制御弁34が平行流位置に切換わる。
【0024】
一方、前記ねじ軸55が左回転すると、スリーブ49は右回転しながら軸方向、ここでは先端側に向かって移動し、これにより、スプール33もスリーブ49と一体となって軸方向(先端側)に移動してサーボ制御弁34が交差流位置に切換わる。前述したスリーブ49、スラストブッシュ50、ねじ軸55、はすば歯車74は全体として、制御モータ59から操作信号に応じた回転駆動力をねじ軸55が受けたとき、該回転駆動力を軸方向移動力に変換して前記サーボ制御弁34のスプール33に付与し、該スプール33を軸方向に移動させる変換移動手段75を構成する。
【0025】
77は回転軸線がはすば歯車72の回転軸線と同軸の検出ローラであり、この検出ローラ77は、連結スリーブ66に内端側から挿入されるとともに、キー78により連結スリーブ66に一体回転するよう連結された軸部77aと、軸部77aの内端に一体形成され、内端面が球面の一部からなる凸レンズ状の接触部77bとから構成されている。そして、この接触部77bの内端面はロッドカバー20から突出しているピストンロッド16の外周に転がり接触しており、この結果、前記検出ローラ77はピストンロッド16の軸方向移動を検出しながらその移動力を回転駆動力に変換することができる。
【0026】
79は連結スリーブ66と接触部77bとの間に介装された皿ばねであり、この皿ばね79は検出ローラ77をピストンロッド16に対して滑りが発生しないよう押付ける。ここで、ピストンロッド16の中心軸Lを通過し、検出ローラ77の回転軸線に平行な直線Mと、ピストンロッド16に対する検出ローラ77の転がり接触点Nと前記中心軸Lとを結ぶ半径方向線Pとの交差角Qを45度未満とし、これにより、検出ローラ77を前記直線Mに接近させて装置全体の幅を狭くしている。
【0027】
81は連結スリーブ66内で伝達軸68と検出ローラ77との間に介装されたスプリングであり、このスプリング81は伝達軸68を外側に向かって付勢し、はすば歯車72、74間のバックラッシを無くするようにしている。前述した連結スリーブ66、伝達軸68は全体として、前記検出ローラ77に連結された機械式伝達手段82を構成し、この機械式伝達手段82は前記検出ローラ77の回転駆動力を変換移動手段75、詳しくははすば歯車74にフィードバックし、スプール33を制御モータ59による移動方向と逆方向に移動させることでサーボ制御を行う。なお、83は流体ポンプ37から余分に吐出された高圧流体をタンク39に戻すリリーフ弁である。
【0028】
86、87は供給回路42、詳しくは供給通路41の途中に介装され流体ポンプ37からサーボ制御弁34への流体の流れのみを許容するチェック弁であり、これらチェック弁86、87間の供給回路42(供給通路41)には所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータ88が接続されている。ここで、これらチェック弁のうち、チェック弁86は高圧流体がアキュムレータ88から供給通路41、流体ポンプ37を通じてタンク39に逆流する事態を防止するものである。また、このアキュムレータ88は供給回路42(供給通路41)に接続されているので、流体ポンプ37から吐出された高圧流体が常時補充され、内圧が常に所定の高圧に維持されている。
【0029】
91はケース本体27の先端面に取付けられスプール孔28の先端開口を閉止する斜板式等の非常流体モータであり、この非常流体モータ91の出力軸には前記ねじ軸55の先端部が連結されている。この結果、この非常流体モータ91と前記制御モータ59の双方はケース本体27の反対側面(先端面、後端面)にそれぞれ配置されるとともに、流体シリンダ14の中心軸に平行な直線上に配置されることになり、これにより、構造が簡単となり小型化することもできる。
【0030】
92は前記非常流体モータ91とアキュムレータ88とを接続する流入通路であり、93は前記非常流体モータ91とタンク39とを接続する流出通路である。これら流入、流出通路92、93の途中には、換言すればアキュムレータ88と非常流体モータ91との間には電磁弁からなる開閉弁94が介装されている。そして、この開閉弁94は、通常の通電時には、閉位置に位置してアキュムレータ88から非常流体モータ91への高圧流体の流入を遮断しているが、前述の供給回路42(例えば電動モータ38)、制御モータ59の少なくともいずれか一方が断線、停電等によって故障した非常時となると、前記故障と同時に通電が遮断される。この結果、該開閉弁94は開位置に切換わってアキュムレータ88から非常流体モータ91に流入通路92を通じて高圧流体を供給し、該非常流体モータ91を作動させて変換移動手段75のねじ軸55に回転駆動力を付与する。
【0031】
95は開閉弁94とアキュムレータ88との間の流入通路92に介装された流量調整弁であり、この流量調整弁95は流入通路92を流れる高圧流体の流量を制御することにより、非常流体モータ91の出力軸の回転速度をコントロールする。この結果、この非常流体モータ91は、開閉弁94が開位置に切換わったとき、流量調整弁95により流量制御されたアキュムレータ88からの高圧流体に応じた回転速度で変換移動手段75のねじ軸55を回転させる。そして、前述のような非常流体モータ91によるねじ軸55の回転によりサーボ制御弁34が中立位置から流れ位置、例えば平行流位置に切り換わると、アキュムレータ88から高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を通じて流体シリンダ14に供給され、これにより、流体シリンダ14のピストンロッド16がストロークエンドまで突出して、風車ブレード11をフェザーリング状態(風車ブレード11が風向きと平行となった状態)まで簡単かつ確実に回動させる。
【0032】
このように所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータ88を供給回路42に接続し、供給回路42の故障時、サーボ制御弁34、給排通路46、47を通じてアキュムレータ88から高圧流体を前記流体シリンダ14に供給し、風車ブレード11をフェザーリング状態まで回動させるようにすれば、供給回路42の故障時にも流体シリンダ14をそのまま非常用、即ちフェザーリング状態への回動用として用いることができる。これにより、従来必要であった危急停止シリンダが不要となって装置全体が小型化するとともに、構造が簡単となり製作費も安価とすることができる。
【0033】
また、前述のようにアキュムレータ88に接続されるとともに、変換移動手段75に回転駆動力を付与することができる非常流体モータ91と、アキュムレータ88と非常流体モータ91との間に介装された開閉弁94とを設け、供給回路42、制御モータ59の故障時、開閉弁94を開にしてアキュムレータ88から高圧流体を非常流体モータ91に供給することにより、該非常流体モータ91から変換移動手段75に回転駆動力を付与するようにすれば、流体シリンダ14をサーボ制御しながら風車ブレード11をフェザーリング状態まで回動させることができるとともに、アキュムレータ88を流体シリンダ14、非常流体モータ91に共用することができ、構造を簡単で製作費を安価とすることができる。
【0034】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
通常時に風車ブレード11のピッチ角を風速の変化に応じて変更する場合には、まず、前記風速の変化に応じた操作信号(パルス)がコントローラ60から制御モータ59に出力され、これにより、制御モータ59の出力軸、ねじ軸55が回転する。ここで、ねじ軸55が右回転したときには、スリーブ49、スプール33は後端側に向かって移動するため、サーボ制御弁34が平行流位置に切換わり供給回路42、給排通路47を通じて流体ポンプ37からの高圧流体が流体シリンダ14のヘッド側室21bに供給され、一方、ねじ軸55が左回転したときには、スリーブ49、スプール33は先端側に向かって移動するため、サーボ制御弁34が交差流位置に切換わり供給回路42、給排通路46を通じて流体ポンプ37からの高圧流体が流体シリンダ14のロッド側室21aに供給される。
【0035】
このようにして流体シリンダ14に高圧流体が導かれると、そのピストンロッド16が軸方向に移動する(突出あるいは引っ込む)が、この軸方向移動は伝達アーム15により回動運動に変換されて風車ブレード11に伝達される。このとき、ピストンロッド16の外周に転がり接触している検出ローラ77は前記ピストンロッド16の軸方向移動に応じて回転するが、この検出ローラ77の回転力はフィードバック力として機械式伝達手段82により変換移動手段75のはすば歯車74にそのまま伝達付与される。この結果、前記スリーブ49は前記制御モータ59による回転方向、移動方向と逆方向に回転移動し、サーボ制御弁34のスプール33は中立位置に向かって復帰しようとする。
【0036】
前述のような流体シリンダ14の作動時、変換移動手段75に制御モータ59および検出ローラ77から逆方向の軸方向移動を発生させる回転力が付与されるが、この検出ローラ77の回転は制御モータ59の出力軸61の回転より僅かに遅れるため、サーボ制御弁34は平行流位置または交差流位置に保持される。そして、制御モータ59への操作信号の入力が終了すると、サーボ制御弁34は中立位置に復帰する。このようにして流体シリンダ14はサーボ制御弁34によりサーボ制御されながら作動し、風車ブレード11を操作信号に応じた位置まで、即ち風速に応じた位置まで回動させる。
【0037】
このように流体シリンダ14のピストンロッド16に転がり接触している検出ローラ77によりピストンロッド16の直線移動力を検出しながら回転駆動力に変換するようにしているため、従来技術で説明したような長いボールねじ軸に比較して、検出部の軸方向長を短くすることができ、装置全体を小型化することができる。しかも、サーボ制御弁34を制御する部位は電子回路ではなく、変換移動手段75、制御モータ59、検出ローラ77、機械式伝達手段82と全て機械的構成であるため、雷撃に強く殆ど影響を受けることはない。
【0038】
そして、前記風車ブレード11のピッチ角は、通常の運転時には、10〜30度の範囲内で制御されており、風が弱くなった場合には、ピッチ角が小さくなるよう風車ブレード11を回動させてロータヘッドの回転を増速させ、一方、風が強くなった場合には、ピッチ角が大きくなるよう風車ブレード11を回動させてロータヘッドの回転を減速させ、強風時の危険を回避しながら、発電効率を向上させるようにしている。なお、前述のような通常時、アキュムレータ88には流体ポンプ37から吐出された高圧流体が常時補充されているため、その内圧は所定圧となっている。
【0039】
ここで、断線・停電等により供給回路42(例えば、電動モータ38)や制御モータ59等が故障した非常時となると、流体シリンダ14に高圧流体が供給されなくなってその作動が停止するため、風車ブレード11のピッチ角制御ができなくなり、特に、弱い風に対して風車ブレード11のピッチ角が設定されているときに前述のような故障が発生し、その後、強風が吹くようになると、風車が高速回転し危険となる。このような場合には、前述の故障と同時に、開閉弁94に対する通電が遮断されるため、該開閉弁94が閉位置から開位置に切換わり、アキュムレータ88から非常流体モータ91に流入通路92を通じて高圧流体が供給される。このとき、非常流体モータ91に流入する流体量は流量調整弁95により制御されるため、該非常流体モータ91の出力軸の回転速度は適切な値にコントロールされる。
【0040】
このようにして非常流体モータ91の出力軸、ねじ軸55が回転すると、スリーブ49、スプール33は軸方向に移動してサーボ制御弁34を中立位置から流れ位置、例えば平行流位置に切換え、給排通路47、供給回路42同士、給排通路46、排出回路43同士を連通する。この結果、アキュムレータ88からの高圧流体がサーボ制御弁34、給排通路47を通じて流体シリンダ14のヘッド側室21bに供給され、該流体シリンダ14を作動、即ちピストンロッド16をストロークエンドまで突出させる。これにより、風車ブレード11はフェザーリング状態まで回動し、前述のような危険は回避される。このとき、機械式伝達手段82によりピストンロッド16の軸方向移動が回転運動に変換された後、変換移動手段75にフィードバックされるため、流体シリンダ14はサーボ制御弁34によりサーボ制御される。
【0041】
なお、前述の実施形態においては、スリーブ49内にねじ軸55をねじ込むことで、制御モータ59からの回転駆動力をスリーブ49に伝達するようにしたが、この発明においては、スリーブの外周に形成されたおねじと、ねじ軸のおねじとを螺合させることで、あるいは、スリーブの外周に形成されたはすば歯車と、出力軸に連結されたはすば歯車とを噛み合わせることで、制御モータからの回転駆動力をスリーブに伝達するようにしてもよい。
【0042】
また、前述の実施形態においては、スリーブ49のはすば歯車74とはすば歯車72とを噛み合わせることで、検出ローラ77からの回転力をスリーブ49に伝達するようにしたが、この発明においては、スリーブの内周に形成されためねじと、機械式伝達手段に設けられたおねじとを螺合させることで、あるいは、スリーブの外周に形成されたおねじと、機械式伝達手段に設けられたおねじとを螺合させることで、検出ローラからの回転駆動力をスリーブに伝達するようにしてもよい。
【0043】
さらに、前述の実施形態においては、内端面が球面の一部からなる凸レンズ状の接触部77bを有する検出ローラ77の内端面をピストンロッド16の外周に転がり接触させるようにしたが、この発明においては、流体シリンダのピストンロッドの中心軸に垂直な平面内に回転軸が位置している円板状、円筒状をした検出ローラの外周をピストンロッドの外周に転がり接触させるようにしてもよい。
【0044】
また、前述の実施形態においては、流体ポンプ37を常時作動させるようにしたが、この発明においては、流体ポンプを間欠的に作動する一方で、アキュムレータを流体ポンプの非作動時における流体源として補助的に用いるようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、制御モータ59としてパルスモータ等のAC、DCモータを用いたが、この発明においては、流体モータを用いるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、小型でありながら雷撃によっても殆ど影響を受けることがないピッチ角制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す回路図である。
【図2】その正面断面図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】サーボ制御弁近傍の正面断面図である。
【図5】図2のII−II矢視断面図である。
【図6】図4のIII−III矢視断面図である。
【符号の説明】
11…風車ブレード 14…流体シリンダ
15…伝達手段 16…ピストンロッド
33…スプール 34…サーボ制御弁
42…供給回路 43…排出回路
46、47…給排通路 59…制御モータ
75…変換移動手段 77…検出ローラ
82…機械式伝達手段 88…アキュムレータ
91…非常流体モータ 94…開閉弁
Claims (4)
- 半径方向内端部がロータヘッドに回動可能に連結された複数の風車ブレードをそれぞれ回動させることでピッチ角を制御するようにした風車ブレードのピッチ角制御装置であって、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの直線移動力を回動力に変換しながら前記風車ブレードに伝達して風車ブレードを回動させる伝達手段と、流体シリンダに接続された一対の給排通路と供給回路、排出回路との間に介装され、軸方向に移動することにより供給回路から高圧流体をいずれかの給排通路を通じて流体シリンダに供給しピストンロッドを直線移動させるスプールを有するサーボ制御弁と、回転駆動力を受けたとき、該回転駆動力を軸方向移動力に変換して前記サーボ制御弁のスプールを移動させる変換移動手段と、入力された操作信号に応じた回転駆動力を前記変換移動手段に付与する制御モータと、流体シリンダのピストンロッドに転がり接触することで、該ピストンロッドの直線移動力を回転駆動力に変換する検出ローラと、該検出ローラの回転駆動力を前記変換移動手段にフィードバックし、スプールを制御モータによる移動方向と逆方向に移動させることでサーボ制御を行う機械式伝達手段とを備えたことを特徴とする風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記供給回路に接続され所定圧の高圧流体を貯蔵するアキュムレータをさらに設け、供給回路の故障時、サーボ制御弁、給排通路を通じてアキュムレータから高圧流体を前記流体シリンダに供給し、風車ブレードをフェザーリング状態まで回動させるようにした請求項1記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記アキュムレータに接続されるとともに、変換移動手段に回転駆動力を付与することができる非常流体モータと、アキュムレータと非常流体モータとの間に介装された開閉弁とをさらに設け、供給回路、制御モータの故障時、開閉弁を開にしてアキュムレータから高圧流体を非常流体モータに供給することにより、該非常流体モータから変換移動手段に回転駆動力を付与するようにした請求項2記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
- 前記流体シリンダの中心軸に平行な直線上に制御モータおよび非常流体モータの双方を配置した請求項3記載の風車ブレードのピッチ角制御装置。
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2003
- 2003-07-10 JP JP2003194771A patent/JP2005030265A/ja active Pending
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