JP2005029650A - 調色粉体塗料の調製方法および調製装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用中に基本色塗料への再分離がなく、焼き付けたときの塗膜の外観色が安定で、塗膜外観の色別れの発生や平滑性の低下がない等の粉体塗料を調色により得ることを可能とした粉体塗料の調製方法である。
【解決手段】複数の基本色塗料のうちの1色の無彩色の塗料として、残余の色の塗料の粒径よりも大きい粒径の粉体を用いる。1色の塗料と残余の色の塗料を互いに反対極性に帯電し、気流により混合して調色する。得られる調色粒子は、無彩色の塗料粒子である中心核粒子2の表面に残余の色の塗料粒子である付着粒子3が静電気力により付着した複合粒子1に形成される。複合粒子1は、さらにバインダーを外添して付着粒子3の付着を強化する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の基本色塗料のうちの1色の無彩色の塗料として、残余の色の塗料の粒径よりも大きい粒径の粉体を用いる。1色の塗料と残余の色の塗料を互いに反対極性に帯電し、気流により混合して調色する。得られる調色粒子は、無彩色の塗料粒子である中心核粒子2の表面に残余の色の塗料粒子である付着粒子3が静電気力により付着した複合粒子1に形成される。複合粒子1は、さらにバインダーを外添して付着粒子3の付着を強化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色の異なる複数の粉体塗料を混合して調色することにより、所望の色の粉体塗料を得る粉体塗料の調製方法、およびそれに使用する調製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
結着樹脂に着色剤や添加剤を配合し、溶融混練・粉砕・分級の各工程を経て得られる粉体塗料は製造に時間を要し、製造色の変更の小回りが効かないため、大ロット生産には向いているが、小ロット生産に不向きである。
【0003】
その短所を改善するために、三原色等の粉体塗料を基本色として、これらの粉体塗料を所定の比率でドライブレンドして調色し、所望の色の粉体塗料を得る調製方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3267295号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−206580号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の調製方法で得られた粉体塗料(調色塗料)は、塗装中に静電塗装ガンへの送給管内で調色塗料から基本色塗料が分離して、得られる塗膜の外観色にまだら模様が生じる欠点があった。また塗膜外観色の色分かれ(目視で確認できる程度のまだら模様)を防ぐためには、塗料粒子を小粒径化することが必要となるが、小粒径化すると塗料粒子の凝集が起り、塗膜表面に凝集した塗料粒子塊による凸状のブツブツが生じて、塗膜の平滑性が損なわれる欠点もあった。
【0007】
さらに、塗料の隠蔽性が不十分な場合には、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついてしまい、外観色の安定化が図られない問題もあった。
【0008】
したがって、本発明の課題は、使用中に基本色塗料への再分離がなく、焼き付けたときの塗膜の外観色が安定で、塗膜外観の色別れの発生や平滑性の低下がない等の粉体塗料を調色により得ることを可能とした粉体塗料の調製方法および調製装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明の粉体塗料の調製方法は、有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を基本色として、これらの塗料を混合して所望の色に調色した塗料を得る粉体塗料の調製方法であって、前記複数の塗料のうちの1色の無彩色の塗料の粒径として、残余の色の塗料の粒径よりも大きい粒径を用いると共に、前記1色の塗料を一つの極性に帯電し、前記残余の色の塗料をこれと反対極性に帯電した後、前記1色の塗料と前記残余の色の塗料とを気流の攪拌下に混合して調色すると共に、前記調色された塗料を、前記1色の塗料の粒子を中心核粒子とし、前記残余の色の塗料の粒子を静電気力による前記中心核粒子の表面への付着粒子とした複合粒子に形成し、ついで前記複合粒子にバインダーを添加して、前記中心核粒子の表面への前記付着粒子の付着を強化したことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記塗料の帯電を樹脂材との摩擦帯電で行う。また、前記中心核粒子の平均粒径が4〜20μmであり、前記付着粒子の平均粒径が2〜10μmであり、前記複合粒子の平均粒径が8〜40μm、その標準偏差が20μm以下である。前記有彩色の塗料がイエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも1色の塗料であり、前記無彩色の塗料がホワイト、ブラックおよびグレーの少なくとも1色の塗料であり、前記透明色の塗料が着色剤の含有がない塗料である。
【0011】
本発明の調製方法によれば、複数の基本色の粉体塗料を混合して所望の色に調色した粉体塗料を得るに際し、中心核粒子となる1色の無彩色の塗料粒子の表面に付着粒子となる残余の色の塗料粒子を静電気力により付着して複合粒子化し、さらにバインダーを添加して中心核粒子の表面への付着粒子の付着を強化しているので、得られた調色塗料中から基本色塗料が分離しづらい。これにより、塗装中、静電塗装ガンへの送給管内等で調色塗料中からの基本色塗料への分離がなく、得られる塗膜の外観色にまだら模様が生じるのを防ぐことができる。また基本色塗料を複合粒子化しているので、塗料粒子を小粒径化しても凝集の問題がなく、凝集した塗料粒子塊による凸状のブツブツのない平滑な塗膜表面が得られる。
もちろん、塗膜外観色の色分かれを防ぐことができる。さらに、基本色塗料の一つとして無彩色塗料を用いているので、塗料の隠蔽性が不十分になることはなく、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついたりせず、外観色が安定である。さらにまた、基本色塗料の一つとして透明色塗料を用いているので、淡色や透明感のある色、鮮やかな色など調色が難しい色を容易に再現することができる。
【0012】
また、本発明の粉体塗料の調製装置は、有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を1色ずつ別々に貯蔵した複数の貯槽と、前記複数の貯槽から搬送された複数の塗料が送り込まれ、該送り込まれた複数の塗料を気流により攪拌混合して調色することにより、所望の色に調色された粉体塗料を調製する攪拌槽と、前記複数の貯槽と前記攪拌槽との間の塗料の搬送路上に設けられた複数の帯電スリーブと、前記攪拌槽にバインダーを吹き込むスプレー手段とを備え、前記複数の帯電スリーブのうちの前記1色の無彩色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を一つの極性に摩擦帯電する帯電能を有し、前記残余の色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を前記と反対極性に摩擦帯電する帯電能を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0014】
本発明は、基本色の粉体塗料のうちの1色の無彩色の粉体塗料を中心核粒子とし、有彩色塗料等の残余の色の粉体塗料を付着粒子として、中心核粒子と付着粒子とを反対極性に帯電し、この帯電された塗料を気流により攪拌混合して調色し、得られる調色塗料を、図1に示すように、中心核粒子2の表面に付着粒子3を静電気力で付着した複合粒子1に形成し、さらにバインダー4を複合粒子1に外添して、バインダー4により中心核粒子2の表面への付着粒子3の付着を強化したものである。
【0015】
本発明において、粉体塗料の基本色としては、有彩色、無彩色および透明色の3種を用いる。有彩色はどの色でも使用可能であるが、好ましくは、三原色であるイエロー、マゼンタおよびシアンを使用する。もちろん、このうちのどの色を使用するか、またどの割合で使用するかは、調色により再現する色により定まる。
【0016】
無彩色は、ベースカラーであるホワイト、ブラックおよびグレーであり、このうちの少なくとも1色を使用する。この1色の無彩色の塗料は、粒径を他の三原色塗料や透明色塗料の粒径よりも大きくして中心核粒子として使用するが、必要に応じて、同一色の無彩色塗料もしくは他の色の無彩色塗料を、中心核粒子への付着粒子とすることができる。付着粒子として使用する場合の無彩色塗料の粒径は、三原色塗料等の粒径と同様とする。本発明では、このように、基本色塗料の一つとして無彩色塗料を用いることにより、塗料の隠蔽性を十分にして、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついたりするのを防止し、塗膜の外観色の安定化を図っている。
【0017】
透明色は所謂クリアで、透明色の塗料、即ちクリアの塗料は着色剤を含んでいない塗料をいう。クリアの塗料は着色剤を含んでいない点を除けば、三原色塗料やベースカラー塗料と基本的に同様に構成され、結着樹脂および電荷制御剤等の添加剤からなる。本発明では、このように、基本色塗料の一つとして透明色塗料を用いていることにより、淡色や透明感のある色、鮮やかな色など調色が難しい色の容易な再現を実現可能としている。
【0018】
本発明において、付着粒子の平均粒径は、2〜10μm程度とすることが好ましい。付着粒子の平均粒径が2μm未満では、複合粒子化する以前の段階で凝集が著しく生じて、中心核粒子の表面に付着粒子を均一に付着させた複合粒子を形成させることができない。一方、付着粒子の平均粒径が10μmを超える場合は、塗膜外観の色分かれが生じやすくなり、また複合粒子の平均粒径の増大を招く。なお、粉体塗料の粒径分布は、例えば光回折散乱法により測定することができる。
【0019】
中心核粒子の平均粒径は、4〜20μm程度とすることが好ましい。中心核粒子の平均粒径が4μm未満では、中心核粒子の表面に付着粒子を十分な量で付着させるのに必要な表面積を得ることができず、複合化されない塗料粒子が少なからず残存して、塗料の複合粒子化による効果を十分に発揮させることができない。中心核粒子の平均粒径が20μmを超える場合は、複合粒子の平均粒径の増大を招く。
【0020】
複合粒子の平均粒径は8μm以上であることが好ましく、平均粒径が8μm未満では小さすぎて、複合粒子を形成するのが困難になる。複合粒子の平均粒径が40μmを超えると粒径が大きすぎて、複合粒子化された調色塗料の流動性、搬送性が悪化し、塗装性が劣化する。この複合粒子の平均粒径は標準偏差が20μm以下であることが好ましく、標準偏差が20μmを上回ると、塗膜の平滑性が損なわれる。
【0021】
本発明では、複数の基本色塗料を混合して調色すると同時に、中心核粒子に静電気力により付着粒子を付着させて、調色された塗料を複合粒子化するが、この目的のために混合に先立って、予め中心核粒子の塗料と付着粒子の塗料とを互いに反対極性に帯電する。塗料の帯電には、コロナ帯電や摩擦帯電を使用することができるが、中でも、塗料を貯槽から攪拌槽へ搬送する途中で帯電能を有する樹脂材と摩擦させることで、塗料を帯電することができる摩擦帯電は、大掛かりな帯電装置が要らず、容易に実施することができて好適である。
【0022】
塗料をプラスに帯電するには、例えばポリエステル、エポキシ塗料の場合、摩擦帯電材としてポリ四フッ化エチレン(テフロン)等のフッ素含有樹脂を用いればよく、塗料をマイナスに帯電するには、ユリア樹脂やメラミン樹脂の摩擦帯電材を用いればよい。帯電極性は、例えば中心核粒子をマイナスとし、付着粒子をプラスとするが、この逆であってもよい。
【0023】
摩擦帯電材は、塗料の貯槽と攪拌槽の間の搬送路の途中に設置することができる。通常、粉体の搬送路はパイプからなるので、摩擦帯電材を筒状、つまり帯電スリーブに形成して、この帯電スリーブを搬送パイプの途中に介挿すればよい。
好ましくは、粉体との接触の機会を増すために、帯電スリーブを内筒と外筒の2重構造とし、内筒の表面にはらせん状の溝を設けて、内筒と外筒の間の環状通路を通過する粉体にらせん状の渦を形成して流れるようにすることがよい。
【0024】
帯電した粉体塗料は気流式の攪拌手段を用い、気流中で攪拌混合して中心核粒子の表面に付着粒子を静電気力で付着させて複合粒子に形成するが、静電気だけでは中心核粒子の表面への付着粒子の付着が弱く、塗装ガンへの搬送中に調色塗料が基本色塗料に分離する虞がある。そこで、本発明では、塗料を調色後、さらに気流中にバインダーを吹き込んで複合粒子に外添し、中心核粒子の表面に静電気力で付着している付着粒子をバインダーで接着して、中心核粒子表面への付着粒子の付着を強化する。
【0025】
バインダーとしては、塗装ガンへの搬送過程等で、中心核粒子から付着粒子が剥がれない程度の接着力が得られるものならば、いずれのものも使用可能である。バインダーは分散媒体に分散して使用する。例えばグルー、カゼイン等の天然のものや、PVA(ポリビニルアルコール)、EVOH(ビニルアルコール−エチレン共重合体)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂系のものなどは、分散媒体として水やアルコール水溶液を使用できるので好適である。
【0026】
バインダーの量は、付着粒子の量によって異なるが、概ね、付着粒子100重量部に対してバインダーが0.05〜0.1重量部である。バインダーが0.05重量部未満では効果が無く、0.1重量部を超えると核同士がくっつき、共に好ましくない。水等の適当な分散媒体に分散したバインダーの濃度は、0.5〜20.0wt%程度の濃度で使用する。
【0027】
図2に、本発明の調製方法を実施するのに使用する調製装置の模式図を示す。以下、該装置を用いた調色方法について説明する。
【0028】
本調製装置は、基本色の粉体塗料の貯槽10a〜10gと、該塗料の攪拌槽11と、各貯槽10a〜10gと攪拌槽11とを繋ぐ搬送パイプ12を備え、各搬送パイプ12は開閉バルブ13を介して貯槽10(10a〜10g)に接続され、各バルブ13の直下に図示しない搬送用空気の空気吹き込み部が設けられ、その下流に粉体計量手段としての流量計14が介設されている。また各搬送パイプ12の下流側には、攪拌槽11の手前に帯電スリーブ15a〜15gが介設されている。粉体計量手段は、バッチ式の軽量器を貯槽12とバルブ13との間に設けてもよい。攪拌槽11には、空気配管16aを介してコンプレッサー16が取付けられ、また液送管17aの先端に装着したノズル17bが取付けられている。液送管17aはバインダータンク17に接続されている。
【0029】
貯槽10a〜10fは付着粒子とされる粉体塗料の貯槽で、本例では、貯槽10g、10b、10cに、それぞれ三原色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の塗料が貯蔵され、貯槽10d、10eに、それぞれベースカラーのブラック(BK)、グレイ(GY)の塗料が貯蔵され、貯槽10fにクリア(CL)の塗料が貯蔵されている。貯槽10gは中心核粒子とされる粉体塗料の貯槽で、本例では、ベースカラーのホワイト(WH)の塗料を貯蔵している。
【0030】
各搬送パイプ12の空気吹き込み部は、外部の空気圧送手段により圧送された空気を搬送パイプ12内に吹き込む部位で、空気吹き込み部にはオリフィスが備えられている。各搬送パイプ12の該部位から吹き込んだ空気は、オリフィスを通過することにより負圧を発生して、各貯槽10の塗料を搬送パイプ12内に吸出し、塗料を空気に載せて搬送パイプ12内を攪拌槽11に圧送する。この各搬送パイプ12内を圧送される塗料の量を流量計14により読み取り、塗料の量が所定量に達した時点でバルブ13を閉じることにより、各貯槽10の塗料が所定量秤取られながら攪拌槽11に送り込まれる。
【0031】
帯電スリーブ14(14a〜14g)は、内筒とその外側に同心に配置した外筒とを備え、内筒は棒材に被せることによって、棒材により内側から支持・補強し、外筒はパイプの内側に内張りすることによって、パイプにより外側から支持・補強している。付着粒子となる塗料が通過する帯電スリーブ14a〜14fは、塗料をプラスに摩擦帯電させるために、内筒および外筒をテフロン樹脂で作成し、中心核粒子となる塗料が通過する帯電スリーブ14gは、塗料をマイナスに摩擦帯電させるために、内筒および外筒をユリア樹脂で作成している。帯電スリーブ14により所定の帯電極性に摩擦帯電された塗料は、搬送パイプ12から攪拌槽11内に送り込まれる。
【0032】
攪拌槽11は、サイクロン方式の気流式攪拌機で、粉体の気流式分級機や気流式粉砕機などと同様、渦巻き状のガイド板を設けた攪拌室を備え、コンプレッサー16から送気された空気を攪拌室のガイド板により案内して、旋回しながら上昇する気流を形成させる。搬送パイプ12から攪拌槽11に送り込まれた塗料は、拌室内を旋回する気流に随伴して旋回しながら上昇して、塗料が攪拌混合されて調色される。それと共に、付着粒子と中心核粒子とが接触して、マイナス帯電した中心核粒子の表面にプラス帯電した付着粒子が静電気力により付着する。この付着した塗料粒子および未だ付着していない塗料粒子は、攪拌槽11の攪拌室に続く空気抜き室11aに設けられたバッフル板に衝突して攪拌室内に落下し、再び旋回気流に随伴して攪拌混合されながら、中心核粒子に対し付着粒子が次々に付着することを繰り返し、調色された塗料が複合粒子に形成される。
【0033】
上記の気流による混合を所定時間(例えば2分)を行って、粉体塗料の複合粒子化を十分に行ったら、バインダータンク17からのバインダーをノズル17bから攪拌槽11の攪拌室内の気流中に吹き込んで複合粒子にバインダーを外添し、中心核粒子の表面に付着している付着粒子をバインダーで接着することにより、中心核粒子の表面への付着粒子の付着を強化する。バインダーの吹き込み後、気流による攪拌を所定時間(例えば30分)行って、中心核粒子の表面へのバインダーによる付着粒子の接着とバインダーの乾燥を十分に得る。必要に応じ、コンプレッサー16から攪拌槽11に送気する空気を加温する手段を設けて、空気を40℃程度に加温し、バインダーの乾燥を促進させる。その後、コンプレッサー16からの送気を止めて静置し、攪拌槽11を開けて得られた調色粉体塗料を取り出せばよい。
【0034】
なお、上記の気流による混合を2分、バインダーの吹き込み後、気流による攪拌を30分としているが、これは充分な混合および撹拌が行なえればよく、本実施の形態に限定されるものではない。
【0035】
本発明では、複合粒子の流動性や帯電特性などを向上するために、公知の無機微粒子の外添剤、例えば酸化アルミニウムや酸化ケイ素、酸化チタニウム、酸化亜鉛などを添加することができる。その添加量は特に限定されないが、基本色塗料を複合粒子化しないで調色する従来の場合と同様、調色後の粉体塗料100重量部に対し外添剤を0.1〜3.0重量部程度を用いることができる。必要に応じて、増減することができる。
【0036】
粉体塗料を用いて塗装するには、摩擦やコロナ放電で粉体塗料を一定の極性に帯電し、その粉体塗料を接地した被塗装物の表面に静電付着し、その後、付着した粉体塗料層を約120〜250℃で5〜30分間程度、焼成して加熱溶融し、粉体塗料層を塗膜に形成する方法を用いることができる。あるいは、気流中で粉体塗料を浮遊、流動させておき、この気流中に予め加熱した被塗装物を挿入して、被塗装物の表面に付着した粉体塗料を被塗装物の熱を利用して溶融し、延展する方法を利用することもできる。塗膜厚は普通30〜200μm程度とされる。
【0037】
本発明において、基本色塗料として使用する粉体塗料は、製法が特に制限されず、またその結着樹脂も特に制限されない。結着樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。これらは単独で用いても、必要に応じて複数を併用してもよく、更にはこれらを共重合して用いてもよい。また、それ自体が加熱により溶融または流動する樹脂に硬化剤を配合したものを用いることもできる。
【0038】
使用可能な熱硬化性樹脂の幾つかを例示すれば、エポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と硬化剤としてジシアンジアミド類や酸無水物を混合したものを挙げることができる。エポキシ系樹脂とポリエステル系樹脂が組み合わされたものとしては、ビスフェノール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と硬化剤としてカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂を混合したものを挙げることができる。ウレタン系樹脂としては、水酸基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジルイソシアネートを混合したものを挙げることができる。ポリエステル系樹脂としては、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジルイソシアネートを混合したものを挙げることができる。ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂とが組み合わされたものとしては、水酸基およびカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジル基を含有するアクリル樹脂とを混合したものが挙げられる。アクリル系樹脂としては、グリシジル基を含有するアクリル樹脂と硬化剤として2塩基酸とを混合したものが上げられる。また熱硬化性樹脂以外に、アクリル酸化合物、エポキシ化合物などのモノマーやオリゴマーに増感剤を加えて、紫外線照射で硬化する紫外線硬化型樹脂を用いてもよい。
【0039】
以上の樹脂には、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば硬化触媒または硬化促進剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、ワキ防止剤、可塑剤、顔料分散剤、流動性調整剤、摺動性改良剤、電荷制御剤等を転嫁することができる。
【0040】
基本色塗料に使用する顔料としては、ホワイトには酸化チタンなどが挙げられ、ブラックにはカーボンブラックなどが挙げられる。グレーにはこれらの顔料を混合して使用する。またシアンにはコバルトブルー、プルシアンブルー、フタロシアニン、バット系等の有機および無機の顔料が挙げられる。イエローにはキナフタロンやアゾ系、黄色酸化鉄や黄土、黄鉛、亜黄鉛、カドミウムイエロー等の有機および無機の顔料が挙げられる。マゼンタにはキナクリドン、アントラキノン、べんがら、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、マンガン紫、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、アゾ系、チオインジゴなどが挙げられ、またマゼンタの酸性染料や塩基性染料を不溶化したレーキ系顔料などが挙げられる。クリアには前述したように顔料を含有させない。
【0041】
顔料の添加量は、有機顔料の場合、結着樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部程度が好ましく、無機顔料の場合、結着樹脂100重量部に対し1〜35重量部程度が好ましい。有機顔料と無機顔料とは組み合わせて使用することができる。
【0042】
粉体塗料の製法としては、原料である結着樹脂、添加剤および顔料をボールミル、ヘンシェンミキサー、スーパーミキサー等の混合機により混合し、熱ロール、エクスクルーダ、コニーダ等の混錬機で溶融混錬し、得られた混合物をペレットに成形する。ついで得られたペレットをアトマイザー等の粉砕機で粗粉砕し、ジェットミル等の粉砕機により求める粒径の収率を考慮した条件で粉砕する。得られた粉体をエルボージェット等の気流分級機やTSPセパレータ等の流体分級機等により、求める粒径に分級することによって、粉体塗料が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数の基本色の粉体塗料を混合して所望の色に調色した粉体塗料を調製するに際し、中心核粒子となる1色の無彩色の塗料粒子の表面に付着粒子となる残余の色の塗料粒子を静電気力により付着し、さらにその付着粒子の付着をバインダーにより強化して、調色塗料を複合粒子化したので、調色塗料の使用中に基本色塗料への再分離がなく、焼き付けたときの塗膜の外観色が安定で、塗膜外観の色別れの発生や平滑性の低下がない等の調色粉体塗料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって調製した調色塗料の断面構造を模式的に示す説明図(a)およびその一部を拡大して示す説明図(b)である。
【図2】図1の調色塗料の調製に使用する調製装置を示す概念図である。
【符号の説明】
1 複合粒子
2 中心核粒子
3 付着粒子
4 バインダー
10a〜10g 貯槽
11 攪拌槽
12 搬送パイプ
13 開閉バルブ
14 流量計
15a〜15g 帯電スリーブ
16 コンプレッサー
17 バインダータンク
17a ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、色の異なる複数の粉体塗料を混合して調色することにより、所望の色の粉体塗料を得る粉体塗料の調製方法、およびそれに使用する調製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
結着樹脂に着色剤や添加剤を配合し、溶融混練・粉砕・分級の各工程を経て得られる粉体塗料は製造に時間を要し、製造色の変更の小回りが効かないため、大ロット生産には向いているが、小ロット生産に不向きである。
【0003】
その短所を改善するために、三原色等の粉体塗料を基本色として、これらの粉体塗料を所定の比率でドライブレンドして調色し、所望の色の粉体塗料を得る調製方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3267295号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−206580号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の調製方法で得られた粉体塗料(調色塗料)は、塗装中に静電塗装ガンへの送給管内で調色塗料から基本色塗料が分離して、得られる塗膜の外観色にまだら模様が生じる欠点があった。また塗膜外観色の色分かれ(目視で確認できる程度のまだら模様)を防ぐためには、塗料粒子を小粒径化することが必要となるが、小粒径化すると塗料粒子の凝集が起り、塗膜表面に凝集した塗料粒子塊による凸状のブツブツが生じて、塗膜の平滑性が損なわれる欠点もあった。
【0007】
さらに、塗料の隠蔽性が不十分な場合には、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついてしまい、外観色の安定化が図られない問題もあった。
【0008】
したがって、本発明の課題は、使用中に基本色塗料への再分離がなく、焼き付けたときの塗膜の外観色が安定で、塗膜外観の色別れの発生や平滑性の低下がない等の粉体塗料を調色により得ることを可能とした粉体塗料の調製方法および調製装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明の粉体塗料の調製方法は、有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を基本色として、これらの塗料を混合して所望の色に調色した塗料を得る粉体塗料の調製方法であって、前記複数の塗料のうちの1色の無彩色の塗料の粒径として、残余の色の塗料の粒径よりも大きい粒径を用いると共に、前記1色の塗料を一つの極性に帯電し、前記残余の色の塗料をこれと反対極性に帯電した後、前記1色の塗料と前記残余の色の塗料とを気流の攪拌下に混合して調色すると共に、前記調色された塗料を、前記1色の塗料の粒子を中心核粒子とし、前記残余の色の塗料の粒子を静電気力による前記中心核粒子の表面への付着粒子とした複合粒子に形成し、ついで前記複合粒子にバインダーを添加して、前記中心核粒子の表面への前記付着粒子の付着を強化したことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記塗料の帯電を樹脂材との摩擦帯電で行う。また、前記中心核粒子の平均粒径が4〜20μmであり、前記付着粒子の平均粒径が2〜10μmであり、前記複合粒子の平均粒径が8〜40μm、その標準偏差が20μm以下である。前記有彩色の塗料がイエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも1色の塗料であり、前記無彩色の塗料がホワイト、ブラックおよびグレーの少なくとも1色の塗料であり、前記透明色の塗料が着色剤の含有がない塗料である。
【0011】
本発明の調製方法によれば、複数の基本色の粉体塗料を混合して所望の色に調色した粉体塗料を得るに際し、中心核粒子となる1色の無彩色の塗料粒子の表面に付着粒子となる残余の色の塗料粒子を静電気力により付着して複合粒子化し、さらにバインダーを添加して中心核粒子の表面への付着粒子の付着を強化しているので、得られた調色塗料中から基本色塗料が分離しづらい。これにより、塗装中、静電塗装ガンへの送給管内等で調色塗料中からの基本色塗料への分離がなく、得られる塗膜の外観色にまだら模様が生じるのを防ぐことができる。また基本色塗料を複合粒子化しているので、塗料粒子を小粒径化しても凝集の問題がなく、凝集した塗料粒子塊による凸状のブツブツのない平滑な塗膜表面が得られる。
もちろん、塗膜外観色の色分かれを防ぐことができる。さらに、基本色塗料の一つとして無彩色塗料を用いているので、塗料の隠蔽性が不十分になることはなく、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついたりせず、外観色が安定である。さらにまた、基本色塗料の一つとして透明色塗料を用いているので、淡色や透明感のある色、鮮やかな色など調色が難しい色を容易に再現することができる。
【0012】
また、本発明の粉体塗料の調製装置は、有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を1色ずつ別々に貯蔵した複数の貯槽と、前記複数の貯槽から搬送された複数の塗料が送り込まれ、該送り込まれた複数の塗料を気流により攪拌混合して調色することにより、所望の色に調色された粉体塗料を調製する攪拌槽と、前記複数の貯槽と前記攪拌槽との間の塗料の搬送路上に設けられた複数の帯電スリーブと、前記攪拌槽にバインダーを吹き込むスプレー手段とを備え、前記複数の帯電スリーブのうちの前記1色の無彩色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を一つの極性に摩擦帯電する帯電能を有し、前記残余の色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を前記と反対極性に摩擦帯電する帯電能を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0014】
本発明は、基本色の粉体塗料のうちの1色の無彩色の粉体塗料を中心核粒子とし、有彩色塗料等の残余の色の粉体塗料を付着粒子として、中心核粒子と付着粒子とを反対極性に帯電し、この帯電された塗料を気流により攪拌混合して調色し、得られる調色塗料を、図1に示すように、中心核粒子2の表面に付着粒子3を静電気力で付着した複合粒子1に形成し、さらにバインダー4を複合粒子1に外添して、バインダー4により中心核粒子2の表面への付着粒子3の付着を強化したものである。
【0015】
本発明において、粉体塗料の基本色としては、有彩色、無彩色および透明色の3種を用いる。有彩色はどの色でも使用可能であるが、好ましくは、三原色であるイエロー、マゼンタおよびシアンを使用する。もちろん、このうちのどの色を使用するか、またどの割合で使用するかは、調色により再現する色により定まる。
【0016】
無彩色は、ベースカラーであるホワイト、ブラックおよびグレーであり、このうちの少なくとも1色を使用する。この1色の無彩色の塗料は、粒径を他の三原色塗料や透明色塗料の粒径よりも大きくして中心核粒子として使用するが、必要に応じて、同一色の無彩色塗料もしくは他の色の無彩色塗料を、中心核粒子への付着粒子とすることができる。付着粒子として使用する場合の無彩色塗料の粒径は、三原色塗料等の粒径と同様とする。本発明では、このように、基本色塗料の一つとして無彩色塗料を用いることにより、塗料の隠蔽性を十分にして、塗膜を焼き付けたときの色が基材の色や塗膜の厚さによってばらついたりするのを防止し、塗膜の外観色の安定化を図っている。
【0017】
透明色は所謂クリアで、透明色の塗料、即ちクリアの塗料は着色剤を含んでいない塗料をいう。クリアの塗料は着色剤を含んでいない点を除けば、三原色塗料やベースカラー塗料と基本的に同様に構成され、結着樹脂および電荷制御剤等の添加剤からなる。本発明では、このように、基本色塗料の一つとして透明色塗料を用いていることにより、淡色や透明感のある色、鮮やかな色など調色が難しい色の容易な再現を実現可能としている。
【0018】
本発明において、付着粒子の平均粒径は、2〜10μm程度とすることが好ましい。付着粒子の平均粒径が2μm未満では、複合粒子化する以前の段階で凝集が著しく生じて、中心核粒子の表面に付着粒子を均一に付着させた複合粒子を形成させることができない。一方、付着粒子の平均粒径が10μmを超える場合は、塗膜外観の色分かれが生じやすくなり、また複合粒子の平均粒径の増大を招く。なお、粉体塗料の粒径分布は、例えば光回折散乱法により測定することができる。
【0019】
中心核粒子の平均粒径は、4〜20μm程度とすることが好ましい。中心核粒子の平均粒径が4μm未満では、中心核粒子の表面に付着粒子を十分な量で付着させるのに必要な表面積を得ることができず、複合化されない塗料粒子が少なからず残存して、塗料の複合粒子化による効果を十分に発揮させることができない。中心核粒子の平均粒径が20μmを超える場合は、複合粒子の平均粒径の増大を招く。
【0020】
複合粒子の平均粒径は8μm以上であることが好ましく、平均粒径が8μm未満では小さすぎて、複合粒子を形成するのが困難になる。複合粒子の平均粒径が40μmを超えると粒径が大きすぎて、複合粒子化された調色塗料の流動性、搬送性が悪化し、塗装性が劣化する。この複合粒子の平均粒径は標準偏差が20μm以下であることが好ましく、標準偏差が20μmを上回ると、塗膜の平滑性が損なわれる。
【0021】
本発明では、複数の基本色塗料を混合して調色すると同時に、中心核粒子に静電気力により付着粒子を付着させて、調色された塗料を複合粒子化するが、この目的のために混合に先立って、予め中心核粒子の塗料と付着粒子の塗料とを互いに反対極性に帯電する。塗料の帯電には、コロナ帯電や摩擦帯電を使用することができるが、中でも、塗料を貯槽から攪拌槽へ搬送する途中で帯電能を有する樹脂材と摩擦させることで、塗料を帯電することができる摩擦帯電は、大掛かりな帯電装置が要らず、容易に実施することができて好適である。
【0022】
塗料をプラスに帯電するには、例えばポリエステル、エポキシ塗料の場合、摩擦帯電材としてポリ四フッ化エチレン(テフロン)等のフッ素含有樹脂を用いればよく、塗料をマイナスに帯電するには、ユリア樹脂やメラミン樹脂の摩擦帯電材を用いればよい。帯電極性は、例えば中心核粒子をマイナスとし、付着粒子をプラスとするが、この逆であってもよい。
【0023】
摩擦帯電材は、塗料の貯槽と攪拌槽の間の搬送路の途中に設置することができる。通常、粉体の搬送路はパイプからなるので、摩擦帯電材を筒状、つまり帯電スリーブに形成して、この帯電スリーブを搬送パイプの途中に介挿すればよい。
好ましくは、粉体との接触の機会を増すために、帯電スリーブを内筒と外筒の2重構造とし、内筒の表面にはらせん状の溝を設けて、内筒と外筒の間の環状通路を通過する粉体にらせん状の渦を形成して流れるようにすることがよい。
【0024】
帯電した粉体塗料は気流式の攪拌手段を用い、気流中で攪拌混合して中心核粒子の表面に付着粒子を静電気力で付着させて複合粒子に形成するが、静電気だけでは中心核粒子の表面への付着粒子の付着が弱く、塗装ガンへの搬送中に調色塗料が基本色塗料に分離する虞がある。そこで、本発明では、塗料を調色後、さらに気流中にバインダーを吹き込んで複合粒子に外添し、中心核粒子の表面に静電気力で付着している付着粒子をバインダーで接着して、中心核粒子表面への付着粒子の付着を強化する。
【0025】
バインダーとしては、塗装ガンへの搬送過程等で、中心核粒子から付着粒子が剥がれない程度の接着力が得られるものならば、いずれのものも使用可能である。バインダーは分散媒体に分散して使用する。例えばグルー、カゼイン等の天然のものや、PVA(ポリビニルアルコール)、EVOH(ビニルアルコール−エチレン共重合体)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂系のものなどは、分散媒体として水やアルコール水溶液を使用できるので好適である。
【0026】
バインダーの量は、付着粒子の量によって異なるが、概ね、付着粒子100重量部に対してバインダーが0.05〜0.1重量部である。バインダーが0.05重量部未満では効果が無く、0.1重量部を超えると核同士がくっつき、共に好ましくない。水等の適当な分散媒体に分散したバインダーの濃度は、0.5〜20.0wt%程度の濃度で使用する。
【0027】
図2に、本発明の調製方法を実施するのに使用する調製装置の模式図を示す。以下、該装置を用いた調色方法について説明する。
【0028】
本調製装置は、基本色の粉体塗料の貯槽10a〜10gと、該塗料の攪拌槽11と、各貯槽10a〜10gと攪拌槽11とを繋ぐ搬送パイプ12を備え、各搬送パイプ12は開閉バルブ13を介して貯槽10(10a〜10g)に接続され、各バルブ13の直下に図示しない搬送用空気の空気吹き込み部が設けられ、その下流に粉体計量手段としての流量計14が介設されている。また各搬送パイプ12の下流側には、攪拌槽11の手前に帯電スリーブ15a〜15gが介設されている。粉体計量手段は、バッチ式の軽量器を貯槽12とバルブ13との間に設けてもよい。攪拌槽11には、空気配管16aを介してコンプレッサー16が取付けられ、また液送管17aの先端に装着したノズル17bが取付けられている。液送管17aはバインダータンク17に接続されている。
【0029】
貯槽10a〜10fは付着粒子とされる粉体塗料の貯槽で、本例では、貯槽10g、10b、10cに、それぞれ三原色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の塗料が貯蔵され、貯槽10d、10eに、それぞれベースカラーのブラック(BK)、グレイ(GY)の塗料が貯蔵され、貯槽10fにクリア(CL)の塗料が貯蔵されている。貯槽10gは中心核粒子とされる粉体塗料の貯槽で、本例では、ベースカラーのホワイト(WH)の塗料を貯蔵している。
【0030】
各搬送パイプ12の空気吹き込み部は、外部の空気圧送手段により圧送された空気を搬送パイプ12内に吹き込む部位で、空気吹き込み部にはオリフィスが備えられている。各搬送パイプ12の該部位から吹き込んだ空気は、オリフィスを通過することにより負圧を発生して、各貯槽10の塗料を搬送パイプ12内に吸出し、塗料を空気に載せて搬送パイプ12内を攪拌槽11に圧送する。この各搬送パイプ12内を圧送される塗料の量を流量計14により読み取り、塗料の量が所定量に達した時点でバルブ13を閉じることにより、各貯槽10の塗料が所定量秤取られながら攪拌槽11に送り込まれる。
【0031】
帯電スリーブ14(14a〜14g)は、内筒とその外側に同心に配置した外筒とを備え、内筒は棒材に被せることによって、棒材により内側から支持・補強し、外筒はパイプの内側に内張りすることによって、パイプにより外側から支持・補強している。付着粒子となる塗料が通過する帯電スリーブ14a〜14fは、塗料をプラスに摩擦帯電させるために、内筒および外筒をテフロン樹脂で作成し、中心核粒子となる塗料が通過する帯電スリーブ14gは、塗料をマイナスに摩擦帯電させるために、内筒および外筒をユリア樹脂で作成している。帯電スリーブ14により所定の帯電極性に摩擦帯電された塗料は、搬送パイプ12から攪拌槽11内に送り込まれる。
【0032】
攪拌槽11は、サイクロン方式の気流式攪拌機で、粉体の気流式分級機や気流式粉砕機などと同様、渦巻き状のガイド板を設けた攪拌室を備え、コンプレッサー16から送気された空気を攪拌室のガイド板により案内して、旋回しながら上昇する気流を形成させる。搬送パイプ12から攪拌槽11に送り込まれた塗料は、拌室内を旋回する気流に随伴して旋回しながら上昇して、塗料が攪拌混合されて調色される。それと共に、付着粒子と中心核粒子とが接触して、マイナス帯電した中心核粒子の表面にプラス帯電した付着粒子が静電気力により付着する。この付着した塗料粒子および未だ付着していない塗料粒子は、攪拌槽11の攪拌室に続く空気抜き室11aに設けられたバッフル板に衝突して攪拌室内に落下し、再び旋回気流に随伴して攪拌混合されながら、中心核粒子に対し付着粒子が次々に付着することを繰り返し、調色された塗料が複合粒子に形成される。
【0033】
上記の気流による混合を所定時間(例えば2分)を行って、粉体塗料の複合粒子化を十分に行ったら、バインダータンク17からのバインダーをノズル17bから攪拌槽11の攪拌室内の気流中に吹き込んで複合粒子にバインダーを外添し、中心核粒子の表面に付着している付着粒子をバインダーで接着することにより、中心核粒子の表面への付着粒子の付着を強化する。バインダーの吹き込み後、気流による攪拌を所定時間(例えば30分)行って、中心核粒子の表面へのバインダーによる付着粒子の接着とバインダーの乾燥を十分に得る。必要に応じ、コンプレッサー16から攪拌槽11に送気する空気を加温する手段を設けて、空気を40℃程度に加温し、バインダーの乾燥を促進させる。その後、コンプレッサー16からの送気を止めて静置し、攪拌槽11を開けて得られた調色粉体塗料を取り出せばよい。
【0034】
なお、上記の気流による混合を2分、バインダーの吹き込み後、気流による攪拌を30分としているが、これは充分な混合および撹拌が行なえればよく、本実施の形態に限定されるものではない。
【0035】
本発明では、複合粒子の流動性や帯電特性などを向上するために、公知の無機微粒子の外添剤、例えば酸化アルミニウムや酸化ケイ素、酸化チタニウム、酸化亜鉛などを添加することができる。その添加量は特に限定されないが、基本色塗料を複合粒子化しないで調色する従来の場合と同様、調色後の粉体塗料100重量部に対し外添剤を0.1〜3.0重量部程度を用いることができる。必要に応じて、増減することができる。
【0036】
粉体塗料を用いて塗装するには、摩擦やコロナ放電で粉体塗料を一定の極性に帯電し、その粉体塗料を接地した被塗装物の表面に静電付着し、その後、付着した粉体塗料層を約120〜250℃で5〜30分間程度、焼成して加熱溶融し、粉体塗料層を塗膜に形成する方法を用いることができる。あるいは、気流中で粉体塗料を浮遊、流動させておき、この気流中に予め加熱した被塗装物を挿入して、被塗装物の表面に付着した粉体塗料を被塗装物の熱を利用して溶融し、延展する方法を利用することもできる。塗膜厚は普通30〜200μm程度とされる。
【0037】
本発明において、基本色塗料として使用する粉体塗料は、製法が特に制限されず、またその結着樹脂も特に制限されない。結着樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。これらは単独で用いても、必要に応じて複数を併用してもよく、更にはこれらを共重合して用いてもよい。また、それ自体が加熱により溶融または流動する樹脂に硬化剤を配合したものを用いることもできる。
【0038】
使用可能な熱硬化性樹脂の幾つかを例示すれば、エポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と硬化剤としてジシアンジアミド類や酸無水物を混合したものを挙げることができる。エポキシ系樹脂とポリエステル系樹脂が組み合わされたものとしては、ビスフェノール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と硬化剤としてカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂を混合したものを挙げることができる。ウレタン系樹脂としては、水酸基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジルイソシアネートを混合したものを挙げることができる。ポリエステル系樹脂としては、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジルイソシアネートを混合したものを挙げることができる。ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂とが組み合わされたものとしては、水酸基およびカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と硬化剤としてグリシジル基を含有するアクリル樹脂とを混合したものが挙げられる。アクリル系樹脂としては、グリシジル基を含有するアクリル樹脂と硬化剤として2塩基酸とを混合したものが上げられる。また熱硬化性樹脂以外に、アクリル酸化合物、エポキシ化合物などのモノマーやオリゴマーに増感剤を加えて、紫外線照射で硬化する紫外線硬化型樹脂を用いてもよい。
【0039】
以上の樹脂には、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば硬化触媒または硬化促進剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、ワキ防止剤、可塑剤、顔料分散剤、流動性調整剤、摺動性改良剤、電荷制御剤等を転嫁することができる。
【0040】
基本色塗料に使用する顔料としては、ホワイトには酸化チタンなどが挙げられ、ブラックにはカーボンブラックなどが挙げられる。グレーにはこれらの顔料を混合して使用する。またシアンにはコバルトブルー、プルシアンブルー、フタロシアニン、バット系等の有機および無機の顔料が挙げられる。イエローにはキナフタロンやアゾ系、黄色酸化鉄や黄土、黄鉛、亜黄鉛、カドミウムイエロー等の有機および無機の顔料が挙げられる。マゼンタにはキナクリドン、アントラキノン、べんがら、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、マンガン紫、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、アゾ系、チオインジゴなどが挙げられ、またマゼンタの酸性染料や塩基性染料を不溶化したレーキ系顔料などが挙げられる。クリアには前述したように顔料を含有させない。
【0041】
顔料の添加量は、有機顔料の場合、結着樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部程度が好ましく、無機顔料の場合、結着樹脂100重量部に対し1〜35重量部程度が好ましい。有機顔料と無機顔料とは組み合わせて使用することができる。
【0042】
粉体塗料の製法としては、原料である結着樹脂、添加剤および顔料をボールミル、ヘンシェンミキサー、スーパーミキサー等の混合機により混合し、熱ロール、エクスクルーダ、コニーダ等の混錬機で溶融混錬し、得られた混合物をペレットに成形する。ついで得られたペレットをアトマイザー等の粉砕機で粗粉砕し、ジェットミル等の粉砕機により求める粒径の収率を考慮した条件で粉砕する。得られた粉体をエルボージェット等の気流分級機やTSPセパレータ等の流体分級機等により、求める粒径に分級することによって、粉体塗料が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数の基本色の粉体塗料を混合して所望の色に調色した粉体塗料を調製するに際し、中心核粒子となる1色の無彩色の塗料粒子の表面に付着粒子となる残余の色の塗料粒子を静電気力により付着し、さらにその付着粒子の付着をバインダーにより強化して、調色塗料を複合粒子化したので、調色塗料の使用中に基本色塗料への再分離がなく、焼き付けたときの塗膜の外観色が安定で、塗膜外観の色別れの発生や平滑性の低下がない等の調色粉体塗料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって調製した調色塗料の断面構造を模式的に示す説明図(a)およびその一部を拡大して示す説明図(b)である。
【図2】図1の調色塗料の調製に使用する調製装置を示す概念図である。
【符号の説明】
1 複合粒子
2 中心核粒子
3 付着粒子
4 バインダー
10a〜10g 貯槽
11 攪拌槽
12 搬送パイプ
13 開閉バルブ
14 流量計
15a〜15g 帯電スリーブ
16 コンプレッサー
17 バインダータンク
17a ノズル
Claims (6)
- 有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を基本色として、これらの塗料を混合して所望の色に調色した塗料を得る粉体塗料の調製方法であって、
前記複数の塗料のうちの1色の無彩色の塗料の粒径として、残余の色の塗料の粒径よりも大きい粒径を用いると共に、前記1色の塗料を一つの極性に帯電し、前記残余の色の塗料をこれと反対極性に帯電した後、前記1色の塗料と前記残余の色の塗料とを気流の攪拌下に混合して調色すると共に、前記調色された塗料を、前記1色の塗料の粒子を中心核粒子とし、前記残余の色の塗料の粒子を静電気力による前記中心核粒子の表面への付着粒子とした複合粒子に形成し、ついで前記複合粒子にバインダーを添加して、前記中心核粒子の表面への前記付着粒子の付着を強化したことを特徴とする粉体塗料の調製方法。 - 前記塗料の帯電を樹脂材との摩擦帯電で行うことを特徴とする請求項1記載の粉体塗料の調製方法。
- 前記中心核粒子の平均粒径が4〜20μmであり、前記付着粒子の平均粒径が2〜10μmであり、前記複合粒子の平均粒径が8〜40μm、その標準偏差が20μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の粉体塗料の調製方法。
- 前記有彩色の塗料がイエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも1色の塗料であり、前記無彩色の塗料がホワイト、ブラックおよびグレーの少なくとも1色の塗料であり、前記透明色の塗料が着色剤の含有がない塗料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の粉体塗料の調製方法。
- 有彩色、無彩色および透明色の複数の粉体塗料を1色ずつ別々に貯蔵した複数の貯槽と、前記複数の貯槽から搬送された複数の塗料が送り込まれ、該送り込まれた複数の塗料を気流により攪拌混合して調色することにより、所望の色に調色された塗料を調製する攪拌槽と、前記複数の貯槽と前記攪拌槽との間の塗料の搬送路上に設けられた複数の帯電スリーブと、前記攪拌槽にバインダーを吹き込むスプレー手段とを備え、
前記複数の帯電スリーブのうちの前記1色の無彩色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を一つの極性に摩擦帯電する帯電能を有し、前記残余の色の塗料が通過する帯電スリーブは、該塗料を前記と反対極性に摩擦帯電する帯電能を有することを特徴とする粉体塗料の調製装置。 - 前記有彩色の塗料がイエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも1色の塗料であり、前記無彩色の塗料がホワイト、ブラックおよびグレーの少なくとも1色の塗料であり、前記透明色の塗料が着色剤の含有がない塗料であることを特徴とする請求項5記載の粉体塗料の調製装置。
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