JP2005028831A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易且つ低コストでインキ追従体の装飾ができ、より優れた装飾性やアピール性を付与できる、視覚的な興趣の高い筆記具を提供する。
【解決手段】 少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具。前記インキ追従体内に複数の装飾体を分散状態に内在させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筆記具に関する。更には、装飾性に富んだインキ追従体を備える筆記具に関する。
従来より、インキ追従体に視覚的な興趣を与える目的で、高粘度流体と併用して表面にメッセージを記載した柱状成形物を用いた筆記具が開示されている(特許文献1参照)。
実開平7−26176号の明細書及び図面
前記特許文献1で開示される筆記具は、インキ収容筒の内径が大きいものを使用する際、インキ逆流防止効果を高めるためにインキ追従体として高粘度流体と、メッセージを記載した柱状成形物を併用するものであるが、この場合、柱状成形物の表面にしか加飾できないため、平面的な装飾しかできないと共に、柱状成形物を成形した後、加飾を施さなければならないので、手間がかかりコストも高くなってしまう。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、容易且つ低コストでインキ追従体の装飾ができ、視覚的な興趣をより簡単に付与できる筆記具を提供するものである。更に、より優れた装飾性やアピール性を付与できる筆記具を提供するものである。
本発明は、少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に複数の装飾体を分散状態に内在させたことを要件とする。更に、少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に光輝性を有する装飾体を内在させたこと(好ましくは複数の光輝性を有する装飾体を分散状態に内在させたこと)、前記装飾体が、金属、樹脂、繊維、ガラス、鉱石のいずれかから選ばれる1種又は複数種であることを要件とする。更には、少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に非円柱形状且つ非多角柱形状の異形立体形象物を内在させたこと、前記異形立体形象物が、人形、動物、キャラクター、立体文字、立体図形のいずれかから選ばれる1種又は複数種であることを要件とする。
尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはインキ追従体側を指す。
本発明の請求項1の筆記具は、インキ追従体内に複数の装飾体を分散状態で内在する、装飾性に富み、視覚的な興趣を有する筆記具を、低コストで容易に提供できるものである。
更には、前記装飾体がインキ追従体内の一定の位置に保持され、インキの消費に伴いインキ追従体の移動と共に前方へ移動するので、常に装飾体が視認でき、インキ追従体の位置やインキの残量が容易に確認できる筆記具である。
前記インキ追従体内に内在する装飾体としては、収容するインキ収容筒の内径より小さく、目視により視認できるものであればどのような大きさのものでも用いることができ、金属、樹脂、ガラス、紙、繊維、鉱石等からなる薄板、粉体、糸状物、棒状物、立体物等を用いることができる。特に、外形状を目視でき、インキ追従体の前進移動を阻害しない点で装飾体の外径が0.2mm〜6mmのものが好ましく用いられる。
前記装飾体の形状として具体的には、星型、月型、円型、楕円型、リング状、らせん状、ハート型、英字型、文字型等の各種形状が挙げられる。また、星砂やパール等の天然に存在する装飾効果の高いものを用いることもできる。更に、前記装飾体に着色や蒸着等の加飾を施すことでより高い装飾性を付与することができる。
特に、薄片状の装飾体を用いた場合、筆記具製造時の遠心処理による空気の除去が容易となる。
請求項2乃至3の筆記具は、インキ追従体内に光輝性を有する装飾体を内在する、高い装飾性と視覚的な興趣を有する筆記具である。
更に、前記装飾体がインキ追従体内の一定の位置に保持され、インキの消費に伴いインキ追従体の移動と共に前方へ移動するので、常に装飾体が視認でき、インキ追従体の位置やインキの残量が容易に確認できる筆記具である。
前記光輝性を有する装飾体としては、金属、樹脂、ガラス、紙、繊維、鉱石等からなる薄板、粉体、糸状物、棒状物、立体物等が用いられ、必要により着色、蒸着、カット等により高い光輝性を付与することができる。具体的には、アルミチップ等の金属チップ、金属粉、金属製の小物、ビーズ、多面カットした透明樹脂体、表面に金属蒸着を施した樹脂箔、光輝性繊維、光輝性モール糸、ガラス製の小物、多面カットしたガラスフレーク、雲母、トルマリン鉱石等が挙げられる。また、前記金属やガラスの表面を塗装や蒸着により着色したり、樹脂に着色材や光輝性材料を混練し着色することにより、よりカラフルな装飾体を形成できる。更に、前記樹脂やガラスの表面や内部に、広告体、キャラクター、柄模様等を形成することで、アピール性や装飾性を高めることができる。
特に、薄片状の光輝性を有する装飾体を用いた場合、筆記具製造時の遠心処理による空気の除去が容易となる。
請求項4乃至5の筆記具は、インキ追従体内に非円柱形状且つ非多角柱形状の異形立体形象物を内在する、立体的でより高い装飾性と視覚的な興趣を有する筆記具である。
更に、前記異形立体形象物がインキ追従体内の一定の位置に保持され、インキの消費に伴いインキ追従体の移動と共に前方へ移動するので、常に異形立体形象物が視認でき、インキ追従体の位置やインキの残量が容易に確認できる筆記具である。
前記異形立体形象物としては、人形、動物、キャラクター、立体文字、立体図形等が挙げられる。また、前記異形立体形象物には、樹脂成形物が好適に用いられ、樹脂中に着色材や光輝性材料を混練して成形することで、よりカラフルな成形物を容易に形成できる。更に、種々の形状の立体形象物を組み合わせてインキ追従体内に内在させることで、アピール性や装飾性をより高めることができる。
前記インキ追従体は高粘度流体からなり、難揮発性液体、或いは該難揮発性液体に適宜増粘剤を添加したものが使用でき、インキに対して比較的高い粘度と表面張力を有すると共に、インキの比重より低い比重を有するものが好適に用いられる。
具体的に、難揮発性液体としては、ポリブテン、エチレン−α−オレフィンコオリゴマー、α−オレフィンコオリゴマー、精製鉱油等が挙げられ、増粘剤としては、ポリエチレンワックス等のワックス類、微粒子シリカ、ケイ酸アルミニウム、金属石鹸、デキストリン脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、膨潤性雲母、ベントナイト、N−アシル化アミノ酸、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール等が用いられる。
前記ペン先の構造は特に限定されるものではなく、先端部にボールを抱持したボールペンチップ、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等が使用できる。
ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外方より内方に押圧変形させ、形成したボール受け座を備えたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなるものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容筒としては、透明性を有していればどのようなものでも使用できるが、インキの低蒸発性、生産性の面からポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が好適に用いられる。
又、前記インキ収容筒は、2〜10mmの内径を有するものが好適に用いられる。
尚、前記インキ収容筒は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容筒として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
また、前記ボールペン用レフィルの形態としたインキ収容筒を、後端部を押圧することで回転カム等によりペン先が繰り出されるタイプの透明性を有する軸筒を備えた出没式筆記具(所謂ノック式ボールペン)に収容した場合、ペン先の出没操作により、前後に移動するインキ追従体を視認できる。更に、前記インキ収容筒をノック操作により回転させることにより、インキ追従体内に保持される装飾体を回転させ、装飾体の視認方向を変化させ、より一層効果的な装飾を付与できる。
前記インキとしては、水性インキ又は油性インキのいずれであってもよい。又、前記インキ中に含まれる着色剤としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、一般顔料、蛍光顔料、アルミニウム等の金属粉、パール顔料、酸化チタン等の白色顔料、着色剤を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、可逆熱変色性顔料が挙げられる。
更に、筆記具としてボールペン形態のものを用いる場合、前記インキ中に剪断減粘性付与剤を添加することによりチクソトロピー性を付与することもできる。
本発明の請求項1の筆記具により、容易且つ低コストでインキ追従体の装飾ができ、視覚的な興趣をより簡単に付与できる筆記具を提供できる。
本発明の請求項2乃至3の筆記具により、容易に装飾性の高い装飾体を用いることができ、視覚的により高い興趣を有する筆記具を提供できる。
本発明の請求項4乃至5の筆記具により、立体的でより高い装飾性やアピール性を付与でき、視覚的により高い興趣を有する筆記具を提供できる。
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に本発明の筆記具1の一例を示す。図1に示す筆記具1は、先端にボールペンチップよりなるペン先6を備えるインキ収容筒2と、該インキ収容筒2内に収容した剪断減粘性を有するインキ3と、該インキ3の後端面に収容配置したインキ追従体4と、該インキ追従体4内に内在する装飾体(異形立体形象物)5からなる。図2に示す筆記具1は、前記装飾体として異形立体形象物5を用いたものである。
前記装飾体としては、光輝性を有するものと異形立体形象物とを併用して用いることも可能である。
前記ペン先6を構成するボールペンチップは、金属(例えば、ステンレス鋼等)製パイプの先端近傍を内方に押圧変形させて形成した複数の内方突起よりなるボール受け座と、内方へ押圧変形させた開口縁部間にボールを回転可能に抱持してなるタイプのボールペン用ペン先7である。前記ペン先7は、インキ収容筒2の先端に固着された合成樹脂製のペン先ホルダー7の前端に固着されている。
前記インキ収容筒2は、半透明性ポリプロピレン樹脂の射出成形体からなる円筒体であり、実施例1及び2に用いられるものは、筆記使用時に直接把持する軸筒を兼ねるものである。また、前記インキ収容筒2の先端は先細状となっている。
実施例1(図1)
着色剤としてカーボンブラック7部、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム0.3部、添加剤としてポリエーテル変性シリコーン0.2部、水92.5部を混合、攪拌して得られたインキ3と、液状ポリブテン95部、疎水性微粒子シリカ5部を混合、攪拌した後、三本ロールで混練して得られる透明なインキ追従体4とを組立機により順次インキ収容筒2(内径5.8mm)に充填した後、薄片状ポリエステルの表裏両面をアルミ蒸着により種々の色に着色し、外径2.5mm〜4.0mmの星型、月型、ハート型、円形に形成した光輝性を有する装飾体5を投入し、遠心処理によりインキ3及びインキ追従体4中の空気を除去することにより、装飾体5がインキ追従体4内で分散状態に内在するボールペン1を得た。
得られたボールペン1はインキ追従体4内の光輝性を有する装飾体5を外部から視認できるものであり、装飾効果の優れたものとなった。
実施例2(図2)
着色剤としてカーボンブラック7部、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム0.3部、添加剤としてポリエーテル変性シリコーン0.2部、水92.5部を混合、攪拌して得られたインキ3と、液状ポリブテン65部、エチレン−αオレフィンコオリゴマー30部、ステアリン酸アルミニウム5部を混合、攪拌した後、三本ロールで混練して得られる透明なインキ追従体4とを組立機により順次インキ収容筒2(内径5.8mm)に充填した後、外径がインキ収容筒2の内径より小さいポリメチルペンテン成形体である外径4.0mmのアヒルのキャラクター及び外径5.0mmのAの立体文字(異形立体形象物5)を投入し、遠心処理によりインキ3及びインキ追従体4中の空気を除去することで異形立体形象物5がインキ追従体4内に内在するボールペン1を得た。
得られたボールペン1はインキ追従体4内のキャラクター及び立体文字を外部から視認できるものであり、装飾効果の優れたものとなった。
実施例3
着色剤としてカーボンブラック7部、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム0.3部、添加剤としてポリエーテル変性シリコーン0.2部、水92.5部を混合、攪拌して得られたインキ3と、液状ポリブテン65部、エチレン−αオレフィンコオリゴマー30部、ステアリン酸アルミニウム5部を混合、攪拌した後、三本ロールで混練して得られる透明なインキ追従体4とを組立機により順次インキ収容筒2(内径4.4mm)に充填した後、外径4.0mmの星型の薄片状ポリエステルの表裏両面をアルミ蒸着により着色した光輝性を有する装飾体5を投入し、遠心処理によりインキ3及びインキ追従体4中の空気を除去することで装飾体5がインキ追従体4内に内在するボールペンレフィールを得た。該ボールペンレフィールを回転カムを用いた後端ノック式の透明な軸筒内に組み付けることでノック式ボールペンを得た。
得られたノック式ボールペンはインキ追従体4内の装飾体5を外部から視認できるものであると共に、ノックにより内部に収容するレフィールが回転し、装飾体5も回転する装飾効果の優れたものとなった。
本発明の筆記具の一実施例を示す縦断面図である。 本発明の筆記具の一実施例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 筆記具
2 インキ収容筒
3 インキ
4 インキ追従体
5 装飾体(異形立体形象物)
6 ペン先
7 ペン先ホルダー

Claims (5)

  1. 少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に複数の装飾体を分散状態に内在させたことを特徴とする筆記具。
  2. 少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に光輝性を有する装飾体を内在させたことを特徴とする筆記具。
  3. 前記装飾体が、金属、樹脂、繊維、ガラス、鉱石のいずれかから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする請求項2記載の筆記具。
  4. 少なくともペン先と、該ペン先と直接又は中継部材を介して接続される透明性を有するインキ収容筒と、該インキ収容筒に収容されるインキと、該インキの後端に設けられる透明性を有する高粘度流体からなるインキ追従体とを備えた筆記具であって、前記インキ追従体内に非円柱形状且つ非多角柱形状の異形立体形象物を内在させたことを特徴とする筆記具。
  5. 前記異形立体形象物が、人形、動物、キャラクター、立体文字、立体図形のいずれかから選ばれる1種又は複数種であることを特徴とする請求項4記載の筆記具。
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