JP2005027407A - ステップモータ - Google Patents

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Hisashi Kawamoto
尚志 川本
Takao Fujiwara
孝雄 藤原
Seiichi Oishi
誠一 大石
Takashi Nakano
隆司 仲野
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Abstract

【課題】小型でスムーズな動きを実現できるステップモータを提供する。
【解決手段】2磁極を有するロータと、第1のコイルにより励磁される第1磁極と、第2のコイルにより励磁される第2磁極と、前記第1及び第2のコイルにより励磁される第3磁極とを含み、前記第3磁極と前記ロータとのギャップを、前記第1磁極及び前記第2磁極と前記ロータとのギャップより大きく形成したステップモータである。このステップモータは、強い磁界を発生させる場合がある第3磁極とロータとのギャップが広く設定されているので、ロータに作用する磁界を軽減できる。よって、ロータに作用する磁界を均一化してロータの円滑な回動を実現できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等に用いる小型のステップモータに関する。より詳細には、例えばカメラのシャッタを駆動するのに好適なステップモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラは電子化されており、シャッタの駆動がステップモータによって行なわれるようになっている。また、カメラは小型軽量化が促進され、小型で高精度なステップモータを提供する必要がある。例えば特許文献1では、固定子(ステータ)に設けた2つのコイルを同時に励起して回転子(ロータ)を回転させるステップモータが開示されている。
【0003】
図5は、特許文献1で開示されているステップモータ100の概略を示した平面図である。ロータ101の外周に等脚台形型のステータ103が配置されている。このステータ103は3個の磁極104、105、106を備えている。左右に第1コイル108と第2コイル109とを備えており、これらコイル108、109に供給する電流の向きを制御することで、磁界の向きを変更して永久磁石で形成したロータ101を回転させるようにしている。なお、第3磁極106は左右のコイル108、109から励磁されるようになっており、特にこの第3磁極106はロータ101に接近する突出部107を備えている。この突出部107を設けることにより無磁場の時にロータ101のN極(又はS極)がこの突出部107に位置するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特公平2−2382号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第3磁極は前述したように左右のコイル108及び109によって同時に励磁される。コイル108及び109に供給される電流の方向が順次切り換えられるので、第3磁極には両コイル108、109から同じ磁極が励磁される状態と、異なる磁極が励磁される状態とが存在する。第3磁極が左右からの異なる磁極を励磁されたときは、磁界が相殺し合うので無磁化状態となる。その逆に、第3磁極が左右からの同じ磁極を励磁されたときは、磁界が相乗するのでN極又はS極が倍加された状態となる。このように第3磁極からの磁界が大きく変化すると、その影響を受けて回転するロータ101の回転動作が不均一となる。このような不均一な動きをするステップモータを、例えばカメラのシャッタ駆動部に採用すると撮影に悪影響を与えてしまう。
【0006】
よって、本発明は、上記課題を解決して小型でスムーズな動きを実現できるステップモータを提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、2磁極を有するロータと、第1のコイルにより励磁される第1磁極と、第2のコイルにより励磁される第2磁極と、前記第1及び第2のコイルにより励磁される第3磁極とを含み、前記第3磁極と前記ロータとのギャップを、前記第1磁極及び前記第2磁極と前記ロータとのギャップより大きく形成したステップモータにより達成される。本発明によると、強い磁界を発生させる場合がある第3磁極とロータとのギャップが広く設定されているので、ロータに作用する磁界を軽減できる。よって、ロータに作用する磁界を均一化してロータの円滑な回動を実現できる。このようなステップモータを、例えばカメラのシャッタ駆動に採用すればシャッタを安定駆動できる。
【0008】
そして、前記ロータは円筒形状を有し、前記ロータの外周面に対向するように平面略コ字状のステータが配置され、該ステータの両端部の各々に前記第1磁極及び前記第2磁極が設定され、該ステータの中央部位置に前記第3磁極が設定されている構造を一例として採用ことができる。そして、前記ステータの前記第1磁極と第3磁極との間に前記第1のコイルが、前記第2磁極と第3磁極との間に前記第2のコイルがそれぞれ配置され、前記ステータは前記第1及び第2のコイルの位置ずれ防止用の突部を備えることがより好ましい。このように突部を備えていれば、第1及び第2のコイルの位置が安定するのでより好ましい構造を備えたステップモータとして提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態に係るステップモータの主要部の構成を示した図である。本ステップモータ1は、中央に配置した両方向に回転可能なロータ2及びこのロータ2の外側に対向するように配置したステータ3を備えている。このロータ2は断面円形で円筒形状を成している。ステータ3は平面略コ字状で一体型に形成され、その内部空間にロータ2を収納する状態にして配置されている。なお、図1ではステータ3のコ字の開放側が上向きとなる状態でステップモータ1を示している。
【0010】
ロータ2は、N磁極及びS磁極を1つずつ備えている。ロータ2はこれら磁極が対向する位置に着磁された永久磁石であり、軸21回りに両方向へ回動自在に設定されている。上記コ字形状を有するステータ3の両端はロータ2の周面に対向するように形成されている。これらのそれぞれが第1磁極11、第2磁極12となる。そして、この第1磁極11及び第2磁極12の中間位置に第3磁極13が配置されている。
【0011】
上記第1磁極11と第3磁極13との間には第1のコイル4が、第2磁極12と第3磁極13との間には第2のコイル5が、それぞれ巻回されている。第1磁極11は第1のコイル4が通電されたときに励磁され、第2磁極12は第2のコイル5が通電されたときに励磁される。これに対して、第3磁極13は第1のコイル4及び第2のコイル5の両方によって励磁される。よって、第3磁極13の励磁状態は、第1のコイル4及び第2のコイル5への通電により発生した励磁状態を組み合わせた状態が見た目の状態として現れる。なお、第1のコイル4、第2のコイル5は図示しない制御回路に接続されており、これらコイル4、5への供給電流の向きは独立して変更される。よって、第1磁極11及び第2磁極12は、共に同じ磁極に励磁される状態と、互いに異なる磁極に励磁される状態とが存在する。
【0012】
ここで、第3磁極13に結果として現れる磁界は、第1磁極11及び第2磁極12が共に同じ磁極に励磁された場合には、これらよりも強力なものとなる。その逆に、第1磁極11及び第2磁極12が互いに異なる磁極に励磁された場合には、第3磁極13での磁化は相殺されて無磁化状態となる。このように各磁極のバランスが大きく変化する状況は、先に従来技術での問題として指摘したように、ロータ2が円滑に回転することに関して障害となる。
【0013】
そこで、本ステップモータ1はこの問題を解消するための構成を備えている。この点ついて説明する。本ステップモータ1では、ロータ2の周表面と第1磁極11及び第2磁極12との間の間隔は、同じギャップdとされている。これに対し、ロータ2の周表面と第3磁極13との間のギャップDは、ギャップdよりも大きく設定されている。例えば、このギャップDは第3磁極13に倍化された磁極が現れた場合に、これを半減させることができる距離を考慮して設定される。このようなギャップDとしては、例えばギャップdの1〜2倍程度、より好ましくは1.3倍程度に設定するのが望ましい。このようにロータ2の周表面と第3磁極13とのギャップDを、第1磁極11及び第2磁極12側のギャップdよりも大きく設定することにより、ロータ2の回転中に励磁環境が変動することを抑制できるので、ロータ2を円滑に回転できる。
【0014】
さらに、図2を参照して、本ステップモータ1のロータ2が回転する際の様子をより詳細に説明する。この図2は、第1のコイル4及び第2のコイル5を励磁して、ステップ角90°でロータ2の回転駆動を行なう場合を示している。図2(a)はコイル4、5が無通電である状態を示している。図2(b)から(e)では、コイル4、5へ供給する電流を制御してロータ2を反時計方向(左回転方向)に回転させる場合を時系列で示している。図2(a)では、第1磁極11及び第2磁極12は励磁されていない状態を示している。なお、第3磁極13とロータ2とのギャップDは、上記のようにロータ2がスムーズに回転するように適宜調整して定めればよいが、前述したようにおよそギャップdの1.3倍程度を目安とすることができる。
【0015】
図2(b)は、図2(a)の状態から第1及び第2のコイル4、5に通電され、第1磁極11及び第2磁極12が共にS極に励磁された場合を示している。このとき第3磁極13ではN極が倍化して励磁される。次に示す、図2(c)では、図2(b)の状態から第1磁極11の励磁状態がS極に維持され、第2磁極12が逆のN極に励磁された場合を示している。このとき第3磁極13にはN極とS極が励磁されるので相殺し合って無磁化状態となる。以下同様に、図2(d)では、図2(c)の状態から第1磁極11及び第2磁極12が共にN極に励磁された場合を示している。このとき第3磁極13ではS極が倍化して励磁される。つぎに、図2(e)では、図2(d)の状態から第1磁極11の励磁状態がN極に維持され、第2磁極12が逆のS極に励磁された場合を示している。このとき第3磁極13にはN極とS極が励磁されるので相殺し合って無磁化状態となる。
【0016】
上記のように、ステータ3側の各磁極11〜13の磁化状態が順次変化するのに伴って、図示するようにロータ2が反時計回転方向に90°ずつ回転する。なお、図2の各図(c)〜(e)では第1、第2のコイル4、5に通電が行なわれ、90°の回転が完了した位置にあるロータ2を示している。ここで、ロータ2が従前の位置から図2(b)或いは図2(d)で示す位置に回転するときには、前述したように第3磁極13が倍化して励磁されている。しかし、本ステップモータ1では、このときの第3磁極13からの磁界を軽減できるように、ロータ2とのギャップDを大きく設定している。よって、図2(b)或いは図2(d)で示す位置に至る回転の際に、急速に回転することが抑制される。よって、図2(a)から(e)までの一連の回転は円滑に行なわれる。図2では、本ステップモータ1を反時計方向に回転させる例を示したが、コイル4、5に供給する電流をこれとは逆に供給することにより時計方向に回転させることができる。
【0017】
図3は、本ステップモータ1で用いるのに好ましい形状を備えたステータについて示した図である。この図3では、図1及び図2で示した部位と対応する部位に同一の符号を付している。ステータ3の第1磁極11及び第2磁極12は、図示を省略しているロータの周面に対向し、かつロータの長手方向での長さに対応するように縦長に形成されている。ステータ3は両側にアーム部31、32を備え、このアーム部31、32が基部35に接続されている。基部35の中央部には第3磁極13が形成されている。この第3磁極13も上記第1磁極11及び第2磁極12と同様の縦長形状に形成されている。
【0018】
本ステータ3は、上記アーム部31、32に第1〜第3磁極を励磁するためのコイル4、5が巻回される。これらコイル4、5を位置決めするため、各アーム部の後端には突部33、34が形成されている。このように突部33、34を設けることにより、各アーム部31、32に巻回したコイル4、5を確実に位置決めできる構造が実現される。なお、各磁極11〜13の上部には凹部37〜39が形成されている。本実施形態で示すステップモータ1は、その上下にケースがセットされてモジュール化される。これら凹部37〜39はケースをセットする際の位置決めに用いられる。
【0019】
図4は前述したステップモータ1の主要部構造を含みモジュール化した場合のステップモータの外観を示した斜視図である。なお、この図4でも図1及び図2で示した部位と対応する部位に同一の符号を付している。図4は主要部構成の上下それぞれに、上部ケース7及び下部ケース8をセットして一体化したモジュールを示している。このようにモジュール化したステップモータを例えばカメラのシャッタ駆動部として採用すると、前述したようにロータ2が所定角度ずつスムーズに回転するので、シャッタ動作を安定化することができる。
【0020】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、強い磁界を発生させる場合がある第3磁極とロータとのギャップが広く設定されているので、ロータに作用する磁界を軽減できる。よって、ロータに作用する磁界を均一化してロータの円滑な回動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るステップモータの主要部の構成を示した図である。
【図2】実施形態に係るステップモータのロータが回転する様子を時系列で示した図である。
【図3】ステップモータで用いるのに好ましい形状を備えたステータを示した図である。
【図4】ステップモータの構造を含みモジュール化した場合の外観を示した斜視図である。
【図5】従来のステップモータの概略を示した図である。
【符号の説明】
1 ステップモータ
2 ロータ
3 ステータ
4 第1のコイル
5 第2のコイル
11 第1磁極
12 第2磁極
13 第3磁極
33、34 突部
D 第3磁極とロータとのギャップ
d 第1磁極及び前記第2磁極とロータとのギャップ

Claims (3)

  1. 2磁極を有するロータと、第1のコイルにより励磁される第1磁極と、第2のコイルにより励磁される第2磁極と、前記第1及び第2のコイルにより励磁される第3磁極とを含み、
    前記第3磁極と前記ロータとのギャップを、前記第1磁極及び前記第2磁極と前記ロータとのギャップより大きく形成したことを特徴とするステップモータ。
  2. 前記ロータは円筒形状を有し、前記ロータの外周面に対向するように平面略コ字状のステータが配置され、該ステータの両端部の各々に前記第1磁極及び前記第2磁極が設定され、該ステータの中央部位置に前記第3磁極が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のステップモータ。
  3. 前記ステータの前記第1磁極と第3磁極との間に前記第1のコイルが、前記第2磁極と第3磁極との間に前記第2のコイルがそれぞれ配置され、前記ステータは前記第1及び第2のコイルの位置ずれ防止用の突部を備えることを特徴とする請求項2に記載のステップモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015171194A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 日本電産サンキョー株式会社 モータ、モータ装置および指針式表示装置

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