JP2005026841A - フェライトループアンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェライトループアンテナ10は、直方体のフェライトコア12と、このフェライトコア12の周囲のうち最も広い断面積を有する外周面12aを覆い両端部が一対の電極部14とされる銅製の金属板16とを備え、同調回路部18と電極部14の両端部で接続して配設されている。金属板16は、フェライトコア12の外周面12aの幅よりも幅広に形成されており、FM波を受信するループアンテナ部として、外周面12aに導電性接着剤によって密着状態にほぼ1周して配設されている。また、電極部14が、フェライトコア12の外周面の鉛直外方に向かって折り曲げられて形成されている構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM電波等の受信機に用いられるフェライトループアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジオ受信機等の受信アンテナとして、フェライトの丸棒に巻線を施してコイルを形成して構成されるフェライトアンテナが用いられている。
近年、この形態によるアンテナの携帯用無線通信装置への搭載や、腕時計等に受信機を設置する提案等への設置検討等がなされている。
その際、このような受信機の使用用途の拡がりにともなって受信機全体の小型化が進められ、その結果、アンテナ等の構成部品に対しても小型化、低コスト化の要求がますます高まってきている。
【0003】
上記の要求を満たすため、従来のフェライトアンテナは、フェライトコアの平面及び側面を略C字型金属ケースで覆う構成(例えば、特許文献1参照)、腕時計本体の外周部に金属板でアンテナを巻廻させた構成(例えば、特許文献2参照)等が提案されており、様々な小型化が図られてきた。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−97616号公報(第1図)
【特許文献2】
特開2002−277569号公報(第3図、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフェライトアンテナにおいては、フェライトコアの平面を金属ケースで覆っているので、必然的に金属ケースで囲まれたアンテナ開口部がフェライトコアの側面と同様の面積となり、受信面積が小さくなってアンテナを小型化するほど受信感度も落ちるという問題があった。
また、フェライトコアの平面に金属ケースが配設されるので、アンテナ全体の厚みが増加してしまい、同様に小型化が困難であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、小型化してもアンテナの高い受信感度を得ることができるフェライトループアンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明は、直方体のフェライトコアと、該フェライトコアの周囲を覆い両端部が一対の電極部とされる金属板とを備えて電波を受信するフェライトループアンテナであって、前記金属板が、前記フェライトコアの周囲のうち最も広い断面積を有する外周面を囲んで配設されていることを特徴とする。
【0008】
このフェライトループアンテナによれば、金属板がフェライトコアの最も広い断面積を有する外周面を周回しているので、最も広いアンテナ開口面積を得ることができ、フェライトコアによる磁界の発生効率も高くなって受信感度が高くなる。
【0009】
本発明は、請求項1記載のフェライトループアンテナにおいて、前記金属板の両端部に、コンデンサが接続されて設けられていることを特徴とする。
【0010】
このフェライトループアンテナによれば、フェライトコアの側面部側にコンデンサが配設されることになるので、電波受信における同調調整ができるとともに、アンテナ開口部を遮ることなく受信感度の低下を防ぐことができる。
また、アンテナ全体の厚みを増加させないため、薄型化を図ることができる。
【0011】
本発明は、請求項1又は2に記載のフェライトループアンテナであって、前記金属板が、前記フェライトコアの外周面の幅よりも幅広であることを特徴とする。
【0012】
このループアンテナによれば、金属板が幅広に形成されているので、金属板の電気抵抗値が小さくなり、高い周波数の電波を受信しても損失を抑制させることができる。
【0013】
本発明は、請求項1から3の何れかに記載のフェライトループアンテナであって、前記金属板の両端部が、前記フェライトコアの外周面の鉛直外方に向かって折り曲げられていることを特徴とする。
【0014】
このフェライトループアンテナによれば、金属板の外周面に電波受信のための同調回路を接続することができるので、アンテナ開口部の妨げにならないとともに、アンテナ全体の薄型化を図ることができる。
【0015】
本発明は、請求項1から4の何れかに記載のフェライトループアンテナであって、前記フェライトコアと前記金属板とを内部に収納するケース内に設けられたケース側凹部又はケース側凸部に対し、これらに係合されるアンテナ側凸部又はアンテナ側凹部が、前記金属板及び前記フェライトコアの少なくとも一方の外表面に設けられていることを特徴とする。
【0016】
このフェライトループアンテナによれば、アンテナ側凸部とケース側凹部とが、又はアンテナ側凹部とケース側凸部とが互いに係合して位置決めされるので、フェライトコアがケース内部で振動しても位置ずれが抑制される。
【0017】
本発明は、請求項1から5の何れかに記載のフェライトループアンテナであって、前記電波がFM波であることを特徴とする。
【0018】
このフェライトループアンテナによれば、FM波受信に適する材質のフェライトコアを選択することにより、所定の電波帯域のFM波が良好に受信でき、小型のFM受信機を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1及び図2に示すフェライトループアンテナ10は、直方体のフェライトコア12と、このフェライトコア12の周囲のうち最も広い断面積を有する外周面12aを覆い両端部が一対の電極部14とされる銅製の金属板16とを備え、同調回路部18と電極部14の両端部で接続して配設されている。
【0020】
金属板16は、フェライトコア12の外周面12aの幅よりも幅広に形成されており、FM波を受信するループアンテナ部として、外周面12aに導電性接着剤によって密着状態にほぼ1周して配設されている。
また、電極部14が、フェライトコア12の外周面の鉛直外方に向かって折り曲げられて形成されている。
【0021】
同調回路部18は、基板24と、この基板24上に形成され電極部14に半田付けで固定される配線部24aと、電極部14の電極間に配線部24aを介して並列に接続されたトリマコンデンサー26と、配線部24aに半田付けで固定され図示しない受信機本体へ接続される1対の端子部28と、これらの端子部28間に配線部24aを介して並列に接続された固定コンデンサ30とから構成されている。基板24は、矩形状のプリント配線基板であって電極部14の底面部分に半田付けされている。
【0022】
次に、以上の構成からなる本実施形態のフェライトループアンテナ10によるFM波の受信方法について説明する。
図1に示すように、金属板16が、フェライトコア12の最も広い断面積を有する外周面12aを周回しているので、フェライトコア12の最も表面積の大きい面である平面12bが、このフェライトループアンテナ10のアンテナ開口面となる。
【0023】
上記アンテナ開口面となる平面12bで例えば100MHzの周波数を有するFM波を受信する。すると、金属板16が形成するループ内に磁界が生じ、これに伴う誘導電流が金属板16に流れる。このとき、金属板16内部にはフェライトコア12が配設されているので、このフェライトコア12が磁心となって磁界密度が高められる。
【0024】
金属板16は幅広に形成されているので、金属板16における電気抵抗値は小さく抑えられる。そこで、電極部14間に損失の少ない高周波電流が流れる。
上記電流は、金属板16によるループアンテナのインダクタンスと同調回路部18のコンデンサキャパシタンスとによって同調されて、図示しない受信機本体へと流れる。
【0025】
このフェライトループアンテナ10によれば、アンテナを小型化してもアンテナ開口部は従来に比べて大きく確保できるので、アンテナ配置スペースの制約が厳しい場合であっても、高い受信性能を維持した設置ができる。
【0026】
なお、このフェライトループアンテナ10をケース内に収納して設置する場合、図3に示すように、例えばケース32内にケース側凹部32aを設け、上記幅広に形成されフェライトコア12よりも突出した金属板16の側端部16a(アンテナ側凸部)をケース側凹部32aに係合するように設け、これらを互いに係合してフェライトループアンテナ10を収納する。
このようにすることによって、振動等によってケース32内のフェライトループアンテナ10に位置ずれを生ずることが抑制される。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態について、図4を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0028】
第2の実施形態と上記第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では、幅広に形成された金属板16の側端部16bとケース32に形成されたケース側凹部32aとを係合させて位置決めを行っているのに対し、第2実施形態のフェライトループアンテナ100では、金属板116が外周面12aの鉛直外方に向けて突出したアンテナ側凸部116aを有し、これに係合されるケース側凹部132aがケース132に設けられている点である。
【0029】
すなわち、本実施形態では、フェライトコア12の外周面12aにおいて、互いに係合するアンテナ側凸部116aとケース側凹部132aとによる位置決めがなされる。そのため、第1の実施形態と同様に振動等による位置ずれが抑制される。
【0030】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、アンテナ側凸部とケース側凹部とを互いに係合して位置決めが行われているが、アンテナ側に凹部を設け、ケース側にこれに係合する凸部を設けて互いに係合して位置決めを行うとしても構わない。
【0031】
また、上記各実施形態においては、直方体のフェライトコアを用いているが、平板状の形状でも構わない。
さらに、上記各実施形態においては、金属板の両端部に基板上の固定コンデンサ及びトリマコンデンサが接続されているが、コンデンサはこれらに限らず、金属板の両端部に接続されたLSI等の集積回路内に構成されるコンデンサに接続されるものとしても構わない。
そして、上記フェライトコアと金属板とは導電性接着剤によって密着状態にされているが、高周波用ニス、両面テープ等のその他の固定手段によって又は単にフェライトコアを保持するように金属板を周回させても構わない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した本発明のフェライトループアンテナにおいては、以下の効果を奏する。
本発明によれば、小型化しても広いアンテナ開口面積を得ることができるので、磁界の高い発生効率により高い受信感度を得ることができる。
【0033】
また、本発明によれば、金属板の両端部がフェライトコア外周面の鉛直外方に向かって折り曲げられているので、この外周面側に他の回路等を配設することができフェライトループアンテナ全体の薄型化が可能となる。これによって、薄型化が要求される受信機本体に好適なフェライトループアンテナを提供することが可能となる。
【0034】
さらに、本発明によれば、ケース側と係合される部分のフェライトループアンテナ側に凹部又は凸部が形成されるので、ケース内におけるフェライトループアンテナの位置ずれが抑制され、振動等に強い製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるフェライトループアンテナの全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるフェライトループアンテナを示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるフェライトループアンテナがケース内に収納された状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるフェライトループアンテナがケース内に収納された状態を示す金属板に沿った方向の要部断面図である。
【符号の説明】
10、100 フェライトループアンテナ
12 フェライトコア
12a 外周面
14 電極部
16、116 金属板
16a、116a 側端部アンテナ側凸部
32a、132a ケース側凹部
26 トリマコンデンサ(コンデンサ)
30 固定コンデンサ(コンデンサ)
Claims (6)
- 直方体のフェライトコアと、該フェライトコアの周囲を覆い両端部が一対の電極部とされる金属板とを備えて電波を受信するフェライトループアンテナであって、
前記金属板が、前記フェライトコアの周囲のうち最も広い断面積を有する外周面を囲んで配設されていることを特徴とするフェライトループアンテナ。 - 前記金属板の両端部に、コンデンサが接続されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフェライトループアンテナ。
- 前記金属板が、前記フェライトコアの外周面の幅よりも幅広であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライトループアンテナ。
- 前記金属板の両端部が、前記フェライトコアの外周面の鉛直外方に向かって折り曲げられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のフェライトループアンテナ。
- 前記フェライトコアと前記金属板とを内部に収納するケース内に設けられたケース側凹部又はケース側凸部に対し、これらに係合されるアンテナ側凸部又はアンテナ側凹部が、前記金属板及び前記フェライトコアの少なくとも一方の外表面に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のフェライトループアンテナ。
- 前記電波がFM波であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のフェライトループアンテナ。
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