JP2005026329A - ステージ装置及び荷電粒子線露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等を提供する。
【解決手段】本発明のステージ装置10のリニアモータは、X方向にはステージ25を挟んでS極とN極とが対向するように配置されており、磁石30の極性が逆になっている。そのため、リニアモータの駆動時(制御電流の印加時)には、ステージ25上面に向かう磁束Φ1と、ステージ25下面に向かう磁束Φ2とが互いに打ち消し合うように働く。そして、ヒートパイプ41は、リニアモータの駆動方向に電気的絶縁を断つ絶縁部41aを備えているため、リニアモータの駆動に伴って生じる渦電流がヒートパイプ41中で流れにくくすることができる。したがって、磁界変動による電子線の軌道の乱れを低減し、ステージ25上に載置されたウェハの描画精度の劣化も低減できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感応基板やパターン原版(マスク、レチクル)等を載置して移動・位置決めするためのステージ装置、及び、そのようなステージ装置を備える荷電粒子線露光装置に関する。特には、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等に関する。
【0002】
【背景技術】
半導体デバイスのリソグラフィに使用される投影露光装置内には、感応基板やパターン原版(マスク、レチクル)等を載置して移動・位置決めするためのステージ装置が備えられている。このようなステージ装置の駆動用アクチュエータとしては、高分解能位置決め線形制御が可能で高推力のリニアモータが広く用いられている。
【0003】
リニアモータは、一般に、永久磁石と電磁コイルを有し、この電磁コイルへの印加電流を制御することで加速度等を制御する。リニアモータでは、通常、移動される側を移動子と呼び、固定される側を固定子と呼んでいる。ここで、ムービング・マグネット方式のリニアモータとは、移動子側に永久磁石が設けられ、固定子側に電磁コイルが設けられる方式をいう。ムービング・コイル方式のリニアモータとは、移動子側に電磁コイルが設けられ、固定子側に永久磁石が設けられる方式をいう。
【0004】
リニアモータは、駆動時に電磁コイルに電流を印加するが、この電流に作用する抵抗に起因して、電磁コイルから熱が生じる。この熱を逃がすために、ヒートパイプと呼ばれる冷却用金属板を用いることがある。ヒートパイプを用いる場合、発熱体となる電磁コイルにヒートパイプを接触させて配置し、このヒートパイプの端部に冷却水ジャケットを接続した構成が広く採用されている。電磁コイルから生じた熱は、ヒートパイプを伝わって冷却水で冷却され、ステージ装置外へと放熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らによる開発の過程で、ムービング・コイル方式のリニアモータにおいて移動子の電磁コイルを冷却するのにヒートパイプを用い、このようなリニアモータを電子線露光装置のステージ装置に装備した場合、ヒートパイプ部材中に渦電流が発生する問題が見出された。
【0006】
図7は、ステージ装置のリニアモータにおける渦電流の問題点を説明するための模式図である。
図7には、リニアモータの永久磁石(固定子)1、2の一部と、金属板からなるヒートパイプ(コイル冷却板)3とが模式的に描かれている。この図では、永久磁石1、2は上側の2つのみ描かれているが、実際にはヒートパイプ3を挟んで上下両側において、図中左右方向(移動方向)に沿って複数並んで配列されている。さらに、この図では描かれていないが、ヒートパイプ3の上下面には、リニアモータの電磁コイルが複数並んで配置されている。ヒートパイプ3は、電磁コイルとともに移動子を構成し、図中左右方向に移動可能となっている。
【0007】
このリニアモータの永久磁石1、2の間には、強い磁界が形成される。この磁界の磁束Bは、N極から出てS極へと向かう方向に作用する。そこで、この磁界中で移動子が移動してヒートパイプ3が移動すると、ヒートパイプ3には、磁束Bを打ち消す方向に磁束B′を発生させるような渦電流Iが流れる。そして、電子線露光装置のステージ装置において、このような渦電流Iが生じて外乱磁場が起こると、電子線の軌道が乱れ、パターン形成精度の劣化等が引き起こされる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置を提供することを目的とする。さらに、そのようなステージ装置を備える荷電粒子線露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の第1のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、を有し、 該コイル冷却板に、該板内における前記移動方向への電気的接続を断つ絶縁部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このステージ装置は、コイル冷却板に電気的接続を断つ絶縁部が設けられているので、同冷却板内で移動方向に沿って電気的に不連続な部分が形成される。そのため、リニアモータの駆動に伴って生じる渦電流を、リニアモータの移動方向に断つことができ、外乱磁場を低減することができる。
【0011】
本発明の第2のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、を有し、 該コイル冷却板が、非導電性で高熱伝導性の素材からなることを特徴とする。
【0012】
このステージ装置は、コイル冷却板が非導電性で高熱伝導性の素材(例えばセラミックス等)からなる。そのため、リニアモータの駆動に伴って生じる渦電流がコイル冷却板中で流れにくくすることができる。それとともに、コイル冷却板の高熱伝導性によって、コイルに生じる熱も外部へと逃がし易くなる。
【0013】
本発明の第3のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータが、前記ステージの移動軸を挟んで両側に配置されており、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、を有し、 前記リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、 前記ステージの移動軸を挟んで、前記両側のリニアモータの磁石の極性が逆になっていることを特徴とする。
【0014】
このステージ装置は、ステージの移動軸を挟んで両側のリニアモータの磁石の極性が逆になっている。そのため、リニアモータの移動子のコイル冷却板に生じる渦電流が、前記両側から互いに打ち消し合う向きに生じ、これによって磁界変動を低減することができる。
【0015】
本発明の荷電粒子線露光装置は、真空又は非空気雰囲気下で感応基板に荷電粒子線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするための前記請求項1〜3いずれか1項記載のステージ装置を備えることを特徴とする。
なお、前記荷電粒子線は、電子線、イオンビーム等である。また、露光の方式は特に限定されず、縮小投影露光や等倍近接転写、描画等であってよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
まず、図6を参照しつつ、本発明に係るステージ装置を搭載可能な電子線露光装置の例について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る電子線露光装置を模式的に示す図である。
図6の電子線露光装置100の上部には、照明光学系鏡筒101が示されている。この照明光学系鏡筒101には真空ポンプ102が接続されており、同鏡筒101内を真空排気している。照明光学系鏡筒101の上部には、電子銃103が配置されており、下方に向けて電子線を放射する。電子銃103の下方には、コンデンサレンズ104aや電子線偏向器104bが配置されている。なお、図ではコンデンサレンズ104aは一段であるが、実際の照明光学系には複数段のレンズやビーム成形開口等が設けられている。
【0017】
照明光学系鏡筒101の下部には、定盤116上に載置されたレチクルチャンバ118が配置されている。このレチクルチャンバ118内は、図示せぬ真空ポンプで真空排気されている。レチクルチャンバ118内において、定盤116上にはレチクルステージ111が配置されている。レチクルRは、このレチクルステージ111に設けられたチャック110に静電吸着等により固定されている。レチクルステージ111には、図の左方に示す駆動装置112が接続されている。なお、実際の駆動装置112は、レチクルステージ111内に組み込まれている。この駆動装置112は、ドライバ114を介して制御装置115に接続されている。
【0018】
レチクルステージ111には、図の右方に示すレーザ干渉計113が付設されている。このレーザ干渉計113は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計113で計測されたレチクルステージ111の位置情報が制御装置115に入力されると、レチクルステージ111の位置を目標位置とすべく、制御装置115からドライバ114に指令が送出され、駆動装置112が駆動される。その結果、レチクルステージ111の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0019】
照明光学系鏡筒101の電子銃103から放射された電子線は、コンデンサレンズ104aによって収束される。続いて、偏向器104bにより図の横方向に順次走査(スキャン)され、レチクルチャンバ118内(光学系の視野内)のレチクルステージ111上に吸着されたレチクルRの各小領域(サブフィールド)の照明が行われる。
【0020】
定盤116の下面側には、投影光学系鏡筒121が配置されている。この投影光学系鏡筒121には真空ポンプ122が接続されており、同鏡筒121内を真空排気している。投影光学系鏡筒121内には、コンデンサレンズ(投影レンズ)124aや偏向器124b等を含む投影光学系124、及びウェハWが配置されている。なお、図ではコンデンサレンズ124aは一段であるが、実際の投影光学系中には複数段のレンズや収差補正用のレンズやコイル等が設けられている。
【0021】
投影光学系鏡筒121の下部には、定盤136上に載置されたウェハチャンバ138が配置されている。このウェハチャンバ138内は、図示せぬ真空ポンプで真空排気されている。ウェハチャンバ138内において、定盤136上にはウェハステージ131が配置されている。ウェハWは、このウェハステージ131の上部に設けられたチャック130に静電吸着等により固定されている。ウェハステージ131には、図の左方に示す駆動装置132が接続されている。なお、実際の駆動装置132は、ウェハステージ131内に組み込まれている。この駆動装置132は、ドライバ134を介して制御装置115に接続されている。
【0022】
ウェハステージ131には、図の右方に示すレーザ干渉計133が付設されている。このレーザ干渉計133は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計133で計測されたウェハステージ131の位置情報が制御装置115に入力されると、ウェハステージ131の位置を目標位置とすべく、制御装置115からドライバ134に指令が出され、駆動装置132が駆動される。その結果、ウェハステージ131の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0023】
レチクルチャンバ118内のレチクルステージ111上のレチクルRを通過した電子線は、投影光学系鏡筒121内のコンデンサレンズ124aにより収束される。このコンデンサレンズ124aを通過した電子線は、偏向器124bにより偏向され、ウェハW上の所定の位置にレチクルRの像が結像される。
【0024】
次に、本発明の一実施の形態に係るステージ装置について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るステージ装置を示す平面図である。
図2は、同ステージ装置の断面図(図1のA−A線断面図)である。
図3は、同ステージ装置の駆動部(ムービング・コイル方式のリニアモータ)の構成を示す平面図である。
図4(A)は同リニアモータの移動子の一部を示す平面図であり、図4(B)は図4(A)の側面断面図であり、図4(C)は同リニアモータの移動子のヒートパイプを示す平面図である。
以下の説明において、X、Y、Z方向とは、図1〜図3に示す矢印方向を指すものとする。
【0025】
このステージ装置10は、図6の電子線露光装置におけるウェハステージ131に相当する。同ステージ装置10のステージ25は、図1中に矢印で示すY方向には精密な位置決めの必要な連続移動(スキャン)を行い、X方向には間欠的な移動・停止(ステップ)を行うよう構成されている(スキャン露光方式対応型のステージ装置)。
【0026】
図1及び図2に示すステージ装置10は、図6の電子線露光装置における定盤136上に配置されている。図1に示すように、このステージ装置10の四隅には、定盤136上に立ち上げられたポスト11a〜11dが設けられている。ポスト11aと11b間、ならびに、ポスト11cと11d間には、Y方向に沿って互いに平行に延びるY固定ガイド(兼リニアモータ固定子)13、14がそれぞれ架け渡されて固定されている。
【0027】
これらの各Y固定ガイド13(14)は、図2に示すように、それぞれZ方向上下のガイド部材13A、13B(14A、14B)を備えている。各Y固定ガイド13(14)の両ガイド部材13A、13B(14A、14B)はコ字状の断面を有し、内溝が外側(図2の左右)に向けて開口するように配置されている。これらガイド部材13A、13B(14A、14B)には、後に詳述する複数の永久磁石30が埋め込まれている。これらガイド部材13A、13B(14A、14B)及び永久磁石30により、ステージを駆動するリニアモータの固定子が構成される。
【0028】
図2に示すように、上下のガイド部材13A、13B(14A、14B)間には、Yスライダ17(18)が係合している。各Yスライダ17(18)はコ字状の断面を有し、上下ガイド部材13A、13B(14A、14B)の内溝に外側から差し込まれている。各Yスライダ17(18)は、ガイド部材13A、13B(14A、14B)に沿ってY方向(スキャン方向)にスライド可能である。各Yスライダ17(18)には、後に詳述する複数の電磁コイル40及びヒートパイプ41が取り付けられている。これらYスライダ17(18)及び電磁コイル40により、ステージを駆動するリニアモータの移動子が構成される。
【0029】
図2にわかり易く示すように、両Yスライダ17、18間には、Xガイド21が架け渡されて固定されている。このXガイド21には、Xスライダ23が係合している。このXスライダ23は、Xガイド21に沿ってX方向(ステップ方向)にスライド可能である。Xスライダ23の上面には、ステージ25が取り付けられている。この例のステージ25は円盤状であって、上面側にウェハを固定するための静電チャック(図示されず)が設けられている。ステージ25は、Xスライダ23とともにXガイド21に沿ってスライドする。
【0030】
次に、前述したガイド部材13A、13B(14A、14B)及び永久磁石30と、Yスライダ17(18)及び電磁コイル40とで構成されるリニアモータについて説明する。
まず、ガイド部材13A、13B(14A、14B)に設けられた永久磁石30について説明する。
図2及び図3に示すように、ガイド部材13A、13B(14A、14B)の上下平板部には、Y方向に沿って複数並んだタイル状の永久磁石30が設けられている。
【0031】
上側のガイド部材13A、14Aの各永久磁石30は、Y方向に沿ってN極・S極が交互になるように配置されている。これらの永久磁石30は、上板部13A′(14A′)ではS極、N極、S極、N極・・・の順で配置されており、下板部13A″(14A″)ではN極、S極、N極、S極・・・の順で配置されている。そのため、各永久磁石30は、Z方向にはN極に対してS極が対向するように配置されている(図2参照)。さらに、上側のガイド部材13A、14Aの各永久磁石30は、X方向にはステージ25を挟んでS極とN極とが対向するように配置されている(図3参照)。
【0032】
一方、下側のガイド部材13B、14Bの永久磁石30も、上側のガイド部材13A、14Aの各永久磁石30と同様に、上板部13B′(14B′)ではS極、N極、S極、N極・・・の順で配置され、下板部13B″(14B″)ではN極、S極、N極、S極・・・の順で配置されており、Z方向にはN極に対してS極が対向している。そして、これら下側のガイド部材13B、14Bの永久磁石30においても、X方向にはステージ25を挟んでS極とN極とが対向している(図3参照)。
【0033】
次に、Yスライダ17(18)に設けられた電磁コイル40及びヒートパイプ41について説明する。
図2、図4(A)及び(B)に示すように、Yスライダ17(18)の上下板部17′、17″(18′、18″)のそれぞれには、ヒートパイプ41が設けられている。このヒートパイプ41は、厚さ数mmのステンレス鋼板製等の導電材であって、内部に熱媒体の流通する細い流路が形成された熱移送部材である。ヒートパイプ41の一辺は、図示せぬ冷却水ジャケットに接続されており、熱をステージ装置10外部に逃がすことができるようになっている。
【0034】
このヒートパイプ41には、図4(C)に示すように、Y方向に並んだ複数の絶縁部41aが設けられている(図4(A)では図示省略)。これらの絶縁部41aは、詳しくは後述するが、ヒートパイプ41に生じ得る渦電流(前述した図7参照)を断つ役割を果たす。各絶縁部41aは、複数並んだ電磁コイル(図4(A)参照:図4(C)では図示省略)の中心に沿っている。絶縁部41aは、単なるスリット(ヒートパイプ41に形成された切込み)でもよいし、それらのスリットにプラスチック等の非導電材を埋め込んだものでもよい。
【0035】
なお、隣り合う絶縁部41aの間隔を前述の永久磁石30の磁極ピッチ以下とすると、渦電流をより効果的に断つことが期待できる。
あるいは、ヒートパイプを導電性の材料ではなく、SiC、AlNセラミックス等の非導電性で高熱伝導性の素材とすることもできる。この場合は、とり立てて絶縁部を設ける必要はない。
【0036】
図4(A)、(B)に示すように、ヒートパイプ41の上下面には、Y方向(スキャン方向)に沿って複数並んだ小判状の電磁コイル40が設けられている。各電磁コイル40は、電源に繋がる導線(図4の符号43)が接続されており、リニアモータの制御電流が印加されるようになっている。各電磁コイル40の間の隙間には、モールド材が充填されている。
【0037】
次に、前述の構成を有するステージ装置10の作用について、図5に示す比較例と対比しつつ説明する。
図5は、比較例のステージ装置の駆動部(ムービング・コイル方式のリニアモータ)の構成を示す平面図である。
図5を図3と比較対照すると明らかなように、図5に示す比較例のステージ装置のリニアモータにおいては、各ガイド部材13、14の各永久磁石30′は、Y方向(リニアモータ駆動方向)に沿ってN極・S極が交互になるように並んでいるが、X方向にはステージ25を挟んで同極同士が対向するように配置されている。これに対し、前述した図3に示すリニアモータ(本実施の形態に係るステージ装置のリニアモータ)においては、X方向にはステージ25を挟んでS極とN極とが対向するように配置されている。
【0038】
このように、図5の従来のステージ装置では、磁石30′の極性が対向している。すると、リニアモータの駆動時(制御電流の印加時)には、図2に一点鎖線で示すように、ステージ25に対して両側から磁束Φa、Φbが働き、図7を用いて前述した渦電流がヒートパイプ中で同じ向きに発生する。そのため、この渦電流に起因する磁界変動が起こり易く、磁界変動により電子線の軌道が乱れ、ステージ25上に載置されたウェハの描画精度の劣化が引き起こされ易い。
【0039】
一方、図3の本実施の形態に係るステージ装置10では、磁石30の極性が逆になっている。そのため、リニアモータの駆動時(制御電流の印加時)には、図2に点線で示すように、ステージ25上面に向かう磁束Φ1(図2では左側のみ示す)と、ステージ25下面に向かう磁束Φ2(図2では左側のみ示す)とが互いに打ち消し合うように働く。
【0040】
さらに、本実施の形態のヒートパイプ41は、リニアモータの駆動方向に電気的絶縁を断つ絶縁部41aを備えているため、リニアモータの駆動に伴って生じる渦電流がヒートパイプ41中で流れにくくすることができる。したがって、磁界変動による電子線の軌道の乱れを低減し、ステージ25上に載置されたウェハの描画精度の劣化も低減できる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステージ装置を示す平面図である。
【図2】同ステージ装置の断面図(図1のA−A線断面図)である。
【図3】同ステージ装置の駆動部(ムービング・コイル方式のリニアモータ)の構成を示す平面図である。
【図4】図4(A)は同リニアモータの移動子の一部を示す平面図であり、図4(B)は図4(A)の側面断面図であり、図4(C)は同リニアモータの移動子のヒートパイプを示す平面図である。
【図5】比較例のステージ装置の駆動部(ムービング・コイル方式のリニアモータ)の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る電子線露光装置を模式的に示す図である。
【図7】ステージ装置のリニアモータにおける渦電流の問題点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 ステージ装置
11a〜11d ポスト 13、14 Y固定ガイド
13A、13B、14A、14B ガイド部材
13A′、14A′ 上板部 13A″、14A″ 下板部
17、18 Yスライダ 21 Xガイド
23 Xスライダ 25 ステージ
30 永久磁石 40 電磁コイル
41 ヒートパイプ 41a 絶縁部
131 ウェハステージ 136 定盤

Claims (4)

  1. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、
    前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、
    該リニアモータの移動子が、
    移動方向に沿って配列された複数のコイルと、
    該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、
    を有し、
    該コイル冷却板に、該板内における前記移動方向への電気的接続を断つ絶縁部が設けられていることを特徴とするステージ装置。
  2. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、
    前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、
    該リニアモータの移動子が、
    移動方向に沿って配列された複数のコイルと、
    該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、
    を有し、
    該コイル冷却板が、非導電性で高熱伝導性の素材からなることを特徴とするステージ装置。
  3. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、
    前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータが、前記ステージの移動軸を挟んで両側に配置されており、
    該リニアモータの移動子が、
    移動方向に沿って配列された複数のコイルと、
    該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、
    を有し、
    前記リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、
    前記ステージの移動軸を挟んで、前記両側のリニアモータの磁石の極性が逆になっていることを特徴とするステージ装置。
  4. 感応基板に荷電粒子線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、
    前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするための前記請求項1〜3いずれか1項記載のステージ装置を備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置。
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