JP2005025799A - 光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】対物レンズの移動距離を短くすることにより小型化を可能にした2波長対応光ピックアップを提供する。
【解決手段】コリメータレンズ24は、DVD用レーザ光L1を平行光に変換し、またCD用レーザ光L2を拡散光に変換する。開口制限板26は、CD用レーザ光L2に関して開口制限を行う。対物レンズ27は、DVD用レーザ光L1をDVDの記録面上に集光し、また、CD用レーザ光L2をCDの記録面上に集光する。CD用レーザ光L2が拡散光として対物レンズ27に入射するので、集光点が遠くなり、その分だけ対物レンズ27を移動させる距離を短くできる。
【選択図】 図3
【解決手段】コリメータレンズ24は、DVD用レーザ光L1を平行光に変換し、またCD用レーザ光L2を拡散光に変換する。開口制限板26は、CD用レーザ光L2に関して開口制限を行う。対物レンズ27は、DVD用レーザ光L1をDVDの記録面上に集光し、また、CD用レーザ光L2をCDの記録面上に集光する。CD用レーザ光L2が拡散光として対物レンズ27に入射するので、集光点が遠くなり、その分だけ対物レンズ27を移動させる距離を短くできる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的記録媒体(光ディスク)の記録又は再生を行なう光ピックアップに関し、特に、2波長対応光ピックアップの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップとは、光ディスクの記録又は再生を行なう装置である。光ディスクとしては、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク又はデジタル・ビデオ・ディスク)やCD(コンパクト・ディスク)などがある。CDには、1回限りの記録ができる書込みCDであるCD−R(CD Recordable)や、相変化記録方式を使った書き換えCDであるCD−RW(CD Rewritable)などがある。一方、DVDには、1回限りの記録ができる書込みDVDであるDVD−R(DVD Recordable)や、DVD−RAMと対立するソニー独自の書き換えフォーマットをもつDVD+RW(DVD+Rewritable)、DVD−Rの書き換え版であるDVD−RW(DVD Rewritable)などがある。
【0003】
DVDプレーヤにおいては、DVDとCDとのいずれにも記録又は再生を可能にするために特別の光ピックアップが搭載されたものが存在している。この種の特別の光ピックアップは、DVD用の短波長レーザ光(波長650nm帯)とCD用の長波長レーザ光(波長780nm帯)との2種類のレーザ光を使い分けて記録又は再生を行うためのものであり、2波長対応光ピックアップと呼ばれている。
【0004】
このような2波長対応光ピックアップは例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
以下、図1を参照して、特許文献1に第3の従来例として挙げられている、従来の2波長対応光ピックアップについて説明する。図1は従来の2波長対応光ピックアップの光学系のシステム構成図である。
【0006】
図示の2波長対応光ピックアップは、2波長レーザ11と、回折格子12と、偏光ビームスプリッタ13と、反射ミラー14と、コリメータレンズ15と、対物レンズ16と、拡大レンズ17と、光検出器18とを有している。
【0007】
2波長レーザ11は、DVD用の波長が650nm帯の第1のレーザ光L1を出射させる第1のレーザダイオード(図示せず)と、CD用の波長が780nm帯の第2のレーザ光L2を出射させる第2のレーザダイオード(図示せず)とが集積された半導体チップを有している。第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードの相互距離(発光点間距離)は、約100μmであって、±1μmの距離精度で作製することが可能である。
【0008】
回折格子12は、2波長レーザ11からの1本のレーザ光を3本の光束に分岐させる。ここで、3本の光束のうち、中央の光束はメインビームと呼ばれ、その両側の2本の光束はサブビームと呼ばれる。
【0009】
偏光ビームスプリッタ13は、回折格子12からの3本の光束を反射すると共に、後述するように戻り光(光ディスクからの反射光)を透過させるためのものである。
【0010】
反射ミラー14は偏光ビームスプリッタ13で反射されたレーザ光の進行方向を90度折り曲げるように反射する。コリメータレンズ15は、反射ミラー14で反射されたレーザ光を平行光に変換し、対物レンズ16へ入射させる。対物レンズ16は、入射するレーザ光を光ディスクの記録面に集光する。また、これら対物レンズ16、コリメータレンズ15、および反射ミラー14は、光ディスクで反射されたレーザ光を戻り光として、偏光ビームスプリッタ13へ入射させる。
【0011】
拡大レンズ17は、光検出器18における検出精度を向上させるために、偏光ビームスプリッタ13からの戻り光を一軸方向に関して拡大する。光検出器18は、拡大レンズ17で拡大された戻り光を検出し、その光強度に応じた電気信号を発生する。尚、光検出器18は、図示はしないが、CD用の受光素子とDVD用の受光素子との2種類の受光素子を内部に備えている。
【0012】
次に、この光ピックアップの動作について説明する。2波長レーザ11は、光ディスクがDVDの場合は、第1のレーザダイオードを駆動し、光ディスクがCDの場合は、第2のレーザダイオードを駆動する。これらのレーザダイオードは、互いに100μm程度離れているので、第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2とは、互いに平行ではあるが、その光軸(光束の中心軸)が図の左右方向に離れている。
【0013】
最初に、DVDを再生するときの動作について説明する。この場合、2波長レーザ11の第1のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第1のレーザ光L1は、回折格子12で3本のレーザ光(光束)に分離され、偏光ビームスプリッタ13に入射する。この偏光ビームスプリッタ13に入射した第1のレーザ光L1は、ここで90度の角度折り曲げるように反射され、反射ミラー14へ向けて出射される。
【0014】
反射ミラー14で第1のレーザ光L1は90度の角度折り曲げるように上方に反射して、その上方に配置したコリメータレンズ16に入射する。このコリメータレンズ16で平行光にされた第1のレーザ光L1は、対物レンズ16で収束されて、DVDの記録面に照射される。
【0015】
DVDは、その記録面に形成された情報に応じて第1のレーザ光L1を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ16及びコリメータレンズ16を透過し、反射ミラー14で反射された後、偏光ビームスプリッタ13を透過して、拡大レンズ17に入射する。拡大レンズ17において戻り光L1が光検出器18内のCD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器18に入射される。
【0016】
DVD用受光素子で受光した戻り光L1は電気信号に変換される。尚、このDVD用受光素子で受光された戻り光L1の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0017】
次に、CDを再生するときの動作について説明する。この場合、2波長レーザ11の第2のレーザダイオードから出射した発振波長が780nm帯の第2のレーザ光L2は、回折格子12で3本のレーザ光(光束)に分離され、偏光ビームスプリッタ13に入射する。この偏光ビームスプリッタ13に入射した第2のレーザ光L2は、ここで90度の角度折り曲げるように反射され、反射ミラー14へ向けて出射される。
【0018】
反射ミラー14で第2のレーザ光L2は90度の角度折り曲げるように上方に反射して、その上方に配置したコリメータレンズ16に入射する。このコリメータレンズ16で平行光にされた第2のレーザ光L2は、対物レンズ16で収束されて、CDの記録面に照射される。
【0019】
CDは、その記録面に形成された情報に応じて第2のレーザ光L2を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ16及びコリメータレンズ16を透過し、反射ミラー14で反射された後、偏光ビームスプリッタ13を透過して、拡大レンズ17に入射する。拡大レンズ17において戻り光L2が光検出器18内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器18に入射される。
【0020】
CD用受光素子で受光した戻り光L2は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L2の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−195767号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来の2波長対応光ピックアップは、上述したように、DVD用の第1のレーザ光L1及びCD用の第2のレーザ光L2のいずれについてもコリメータレンズで平行光に変換してから対物レンズに入射するように構成されている。そして、対物レンズとして二波長用対物レンズを用いることにより、第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2が、それぞれ収差なく集光されるようにしている。
【0023】
しかしながら、DVDとCDには、0.6mmほどの厚みの違いがある。このため、第1及び第2のレーザ光L1及びL2を、DVD及びCDの記録面上に夫々集光させるためには、光ディスクの種類に応じて対物レンズを光軸方向に移動させる必要がある。具体的には、第2のレーザ光L2をCDの記録面上に集光させるには、第1のレーザ光L1をDVD上の記録面上に集光させる場合に比べて約0.39mm(=ディスク厚差0.6mm/ディスクの屈折率1.53)ディスクに近づける必要がある。
【0024】
それゆえ、従来の2波長対応光ピックアップには、対物レンズの移動距離が長く、対物レンズを移動させるアクチュエータとして可動範囲の広い大型のアクチュエータが必要であり、小型化が阻害されているという問題点がある。
【0025】
そこで、本発明は、対物レンズの移動距離を短くすることにより小型化を可能にした2波長対応光ピックアップを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに波長の異なる第1及び第2のレーザ光(L1及びL2)を共通のコリメータレンズ(24)及び対物レンズ(27)を介して選択的に光学的記録媒体(DVD又はCD)に照射する2波長対応型の光ピックアップにおいて、
前記コリメータレンズ(24)及び前記対物レンズ(27)は、これらの間が前記第1のレーザ光に対しては無限光学系となり、前記第2のレーザ光に対しては有限光学系となるように構成されていることを特徴とする光ピックアップが選られる。
【0027】
具体的には、前記コリメータレンズ(24)は、前記第1のレーザ光(L1)を平行光に変換し、前記第2のレーザ光(L2)の平行光に変換することなく広がり角を変更し、前記対物レンズ(27)は、前記コリメータレンズ(24)からの前記第1のレーザ光(L1)及び前記第2のレーザ光(L2)をそれぞれ集光する。
【0028】
また、前記コリメータレンズ(24)と前記対物レンズ(27)との間には、開口数を変更するための開口制限板(26)が設けられる。あるいは、前記開口制限板に代えて開口制限膜が前記対物レンズの表面に形成される。
【0029】
なお、上記かっこ内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図2、図3及び図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップについて説明する。
【0032】
図2は光ディスクがDVDである場合の光ピックアップの光学系のシステム構成図であり、図3は光ディスクがCDである場合の光ピックアップの光学系のシステム構成図である。
【0033】
図示の光ピックアップは、2波長レーザ21と、回折手段22と、ビームスプリッタ23と、コリメータレンズ24と、反射ミラー25と、開口制限板26と、対物レンズ27と、拡大レンズ28と、光検出器29と、フォワードセンサ30とを有する。
【0034】
2波長レーザ21は、DVD用の波長650nm帯の第1のレーザ光L1を出射させる第1のレーザダイオード(図示せず)と、CD用の波長780nm帯の第2のレーザ光L2を出射させる第2のレーザダイオード(図示せず)とが集積された半導体チップを有している。第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードの相互距離(発光点間距離)は、約100μmであって、±1μmの距離精度で作製することが可能である。
【0035】
回折手段22は、2波長レーザ21からの1本のレーザ光を3本の光束に分岐させる。ここで、3本の光束のうち、中央の光束はメインビームと呼ばれ、その両側の2本の光束はサブビームと呼ばれる。
【0036】
ビームスプリッタ23は、回折手段22からの3本の光束を反射すると共に、後述するように戻り光(光ディスクからの反射光)を透過させるためのものである。
【0037】
コリメータレンズ24は、ビームスプリッタ23で反射された第1のレーザ光L1を平行光に変換し、第2のレーザ光L2を拡散光に変換するためのものである。つまり、コリメータレンズ24は対物レンズ27との間で、第1のレーザ光L1に対しては無限光学系を、第2のレーザ光L2に対しては有限光学系を構成する。このように、コリメータレンズ24は、第1のレーザ光と第2のレーザ光とに対して異なる作用をするように、その入射面に回折手段が形成されている。この回折手段としては例えば溝等がある。
【0038】
反射ミラー25はコリメータレンズ24からの平行光又は拡散光を直角に折り曲げるように反射して、対物レンズ27側へ導出するためのものである。
【0039】
開口制限板26は、反射ミラーからの第1のレーザ光L1を透過させ、第2のレーザ光L2を開口制限して透過させるためのものである。具体的には、図4(a)及び(b)に示すように、開口制限板26の一面であってその周縁部に、第1のレーザ光を透過させ、かつ第2のレーザ光L2を反射、吸収、または回折させる波長選択性膜41が設けられている。
【0040】
対物レンズ27は開口制限板26を透過した(開口制限された)レーザ光を光ディスクの記録面に集光する。この対物レンズ27は、第1のレーザ光L1(平行光)を1点に集光させるように設計・製造されたDVD専用レンズであるが、コリメータレンズ24との相互作用により第2のレーザ光L2をも1点に、即ち球面収差なく集光させることができる。つまり、コリメータレンズ24に形成された回折手段により、第2のレーザ光L2がDVD専用レンズを透過する際に生じる球面収差は補正される。
【0041】
上述した対物レンズ27、開口制限板26、反射ミラー25、およびコリメータレンズ24は、また、光ディスクで反射されたレーザ光を戻り光として、ビームスプリッタ23へ入射させる。
【0042】
拡大レンズ28は、光検出器29における検出精度を向上させるために、ビームスプリッタ23からの戻り光を一軸方向に関して拡大する。光検出器29は、拡大レンズ28で拡大された戻り光を検出し、その光強度に応じた電気信号を発生する。尚、光検出器29は、後述するように、DVD用の受光素子とCD用の受光素子との2種類の受光素子を内部に備えている。
【0043】
フォーワードセンサ30は、ビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0044】
次に、図2および図3に示した光ピックアップの動作について説明する。最初に、図2及び図4(a)を参照して、光ディスクとしてDVDを使用した場合の動作について説明し、その後で図3及び図4(b)を参照して、光ディスクとしてCDを使用した場合の動作について説明する。
【0045】
図2を参照して、DVDを再生するとき、2波長レーザ21の第1のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第1のレーザ光L1は、回折手段22で3本のレーザ光(光束)に分離され、ビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタ23は、入射したレーザ光を反射光と透過光とに一定割合で分離する。フォワードセンサ30は、このビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0046】
一方、ビームスプリッタ23で反射されたレーザ光は、コリメータレンズ24で平行光にされた後、反射ミラー25で直角に反射される。この反射ミラー25で反射された平行光は、図4(a)に示すように、開口制限板26を透過し対物レンズ27を介してDVDの信号記録面へ集光(照射)される。
【0047】
DVDは、その信号記録面に形成された情報に応じて第1のレーザ光L1を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ27、開口制限板26を透過し、反射ミラー25で反射された後、コリメータレンズ24およびビームスプリッタ23を透過して、拡大レンズ28に入射する。拡大レンズ28において戻り光L1が光検出器29内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器29に入射される。
【0048】
DVD用受光素子で受光した戻り光L1は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L1の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0049】
次に、図3及び図4(b)を参照して、DVDを再生するとき、2波長レーザ21の第2のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第2のレーザ光L2は、回折手段22で3本のレーザ光(光束)に分離され、ビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタ23は、入射したレーザ光を反射光と透過光とに一定割合で分離する。フォワードセンサ30は、このビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0050】
一方、ビームスプリッタ23で反射されたレーザ光は、コリメータレンズ24で拡散光にされた後、反射ミラー25で直角に反射される。この反射ミラー25で反射された拡散光は、図4(b)に示すように開口制限板26でその開口が制限された後、対物レンズ27を介してCDの信号記録面へ集光(照射)される。
【0051】
CDは、その信号記録面に形成された情報に応じて第2のレーザ光L2を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ27、開口制限板26を透過し、反射ミラー25で反射された後、コリメータレンズ24およびビームスプリッタ23を透過して、拡大レンズ28に入射する。拡大レンズ28において戻り光L2が光検出器29内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器29に入射される。
【0052】
CD用受光素子で受光した戻り光L2は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L2の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0053】
以上のように、本実施の形態に係る光ピックアップでは、コリメータレンズ24を用いて第2のレーザ光L2を拡散光にするようにしたことで、第2のレーザ光L2に関して対物レンズ28から集光点までの距離を従来のものより大きくすることができる。その結果、図5(a)及び(b)からも理解されるように、第2のレーザ光L2をCD上に集光させるために必要となる対物レンズの移動距離を従来よりも短くすることができる。従って、対物レンズを移動させるためのアクチュエータとして、従来よりも可動範囲が小さい0.18〜0.20mmである小型のアクチュエータを用いることができる。これにより、光ピックアップの小型化を実現することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る光ピックアップは、その構成が第1の実施の形態に係る光ピックアップと殆ど同じである。よって、以下では異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
本実施の形態に係る光ピックアップでは、図6(a)及び(b)に示すように、開口制限板26に代わる開口制限膜61が対物レンズ28の表面に形成されている。この開口制限膜61は、開口制限板26の表面に形成された波長選択性膜41と同様に、第1のレーザ光を透過させ、かつ第2のレーザ光L2を反射、吸収、または回折させる。この開口制限膜61が形成された対物レンズ28では、第1のレーザ光についての開口数を0.58〜0.65とすると、第2のレーザ光についての開口数を0.45〜0.55とすることができる。
【0056】
対物レンズ28の表面への開口制限膜61の形成は、例えば、図7(a)に示すような開口部を持つマスクを用い、図7(b)に示すように蒸着によって行うことができる。こうして形成された蒸着膜は、図7(c)に示すような形状となる。この蒸着膜としては、例えば、波長650〜660nmの光に対して90%以上の透過率を有し、780〜790nmの光に対して10以下の透過率を有するものであればよい。
【0057】
本実施の形態に係る光ピックアップによれば、開口制限板を削除できるので、部品点数の削減と、コストの低減を実現することができる。
【0058】
以上本発明について実施の形態に即して説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、コリメータレンズと対物レンズとの間を、第1のレーザ光に対しては無限光学系となるように、第2のレーザ光に対しては有限光学系となるように構成したことで、第1のレーザ光及び第2のレーザ光をそれぞれ対応する光学的記録媒体上に集光させるために必要となる対物レンズの移動距離を短くできる。その結果、小型のアクチュエータを用いることができ、光ピックアップの小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ピックアップの光学系システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る光ピックアップの光学系システムの構成を示す図であって、光ディスクがDVDの場合を示す図である。
【図3】図2の光学系システムをCDに用いた場合を示す図である。
【図4】開口制限板の作用について説明するための図であって、(a)はDVD用の第1のレーザ光が入射する場合、(b)はCD用の第2のレーザ光が入射する場合を示す図である。
【図5】対物レンズの移動距離について説明するための図であって、(a)は従来の光ピックアップの場合、(b)は本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップの場合を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップに用いられる対物レンズの構成及び作用を説明するための図であって、(a)はDVD用の第1のレーザ光が入射する場合、(b)はCD用の第2のレーザ光が入射する場合をそれぞれ示す図である。
【図7】(a)は図6の対物レンズに開口制限膜を形成する際に使用されるマスクの開口部形状を示す図、(b)は(a)の開口部を有するマスクを用いて開口制限膜を形成している状態を示す図、(c)は図6の対物レンズの正面図である。
【符号の説明】
11 2波長レーザ
12 回折格子
13 偏光ビームスプリッタ
14 反射ミラー
15 コリメータレンズ
16 対物レンズ
17 拡大レンズ
18 光検出器
21 2波長レーザ
22 回折手段
23 ビームスプリッタ
24 コリメータレンズ
25 反射ミラー
26 開口制限板
27 対物レンズ
28 拡大レンズ
29 光検出器
30 フォワードセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的記録媒体(光ディスク)の記録又は再生を行なう光ピックアップに関し、特に、2波長対応光ピックアップの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップとは、光ディスクの記録又は再生を行なう装置である。光ディスクとしては、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク又はデジタル・ビデオ・ディスク)やCD(コンパクト・ディスク)などがある。CDには、1回限りの記録ができる書込みCDであるCD−R(CD Recordable)や、相変化記録方式を使った書き換えCDであるCD−RW(CD Rewritable)などがある。一方、DVDには、1回限りの記録ができる書込みDVDであるDVD−R(DVD Recordable)や、DVD−RAMと対立するソニー独自の書き換えフォーマットをもつDVD+RW(DVD+Rewritable)、DVD−Rの書き換え版であるDVD−RW(DVD Rewritable)などがある。
【0003】
DVDプレーヤにおいては、DVDとCDとのいずれにも記録又は再生を可能にするために特別の光ピックアップが搭載されたものが存在している。この種の特別の光ピックアップは、DVD用の短波長レーザ光(波長650nm帯)とCD用の長波長レーザ光(波長780nm帯)との2種類のレーザ光を使い分けて記録又は再生を行うためのものであり、2波長対応光ピックアップと呼ばれている。
【0004】
このような2波長対応光ピックアップは例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
以下、図1を参照して、特許文献1に第3の従来例として挙げられている、従来の2波長対応光ピックアップについて説明する。図1は従来の2波長対応光ピックアップの光学系のシステム構成図である。
【0006】
図示の2波長対応光ピックアップは、2波長レーザ11と、回折格子12と、偏光ビームスプリッタ13と、反射ミラー14と、コリメータレンズ15と、対物レンズ16と、拡大レンズ17と、光検出器18とを有している。
【0007】
2波長レーザ11は、DVD用の波長が650nm帯の第1のレーザ光L1を出射させる第1のレーザダイオード(図示せず)と、CD用の波長が780nm帯の第2のレーザ光L2を出射させる第2のレーザダイオード(図示せず)とが集積された半導体チップを有している。第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードの相互距離(発光点間距離)は、約100μmであって、±1μmの距離精度で作製することが可能である。
【0008】
回折格子12は、2波長レーザ11からの1本のレーザ光を3本の光束に分岐させる。ここで、3本の光束のうち、中央の光束はメインビームと呼ばれ、その両側の2本の光束はサブビームと呼ばれる。
【0009】
偏光ビームスプリッタ13は、回折格子12からの3本の光束を反射すると共に、後述するように戻り光(光ディスクからの反射光)を透過させるためのものである。
【0010】
反射ミラー14は偏光ビームスプリッタ13で反射されたレーザ光の進行方向を90度折り曲げるように反射する。コリメータレンズ15は、反射ミラー14で反射されたレーザ光を平行光に変換し、対物レンズ16へ入射させる。対物レンズ16は、入射するレーザ光を光ディスクの記録面に集光する。また、これら対物レンズ16、コリメータレンズ15、および反射ミラー14は、光ディスクで反射されたレーザ光を戻り光として、偏光ビームスプリッタ13へ入射させる。
【0011】
拡大レンズ17は、光検出器18における検出精度を向上させるために、偏光ビームスプリッタ13からの戻り光を一軸方向に関して拡大する。光検出器18は、拡大レンズ17で拡大された戻り光を検出し、その光強度に応じた電気信号を発生する。尚、光検出器18は、図示はしないが、CD用の受光素子とDVD用の受光素子との2種類の受光素子を内部に備えている。
【0012】
次に、この光ピックアップの動作について説明する。2波長レーザ11は、光ディスクがDVDの場合は、第1のレーザダイオードを駆動し、光ディスクがCDの場合は、第2のレーザダイオードを駆動する。これらのレーザダイオードは、互いに100μm程度離れているので、第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2とは、互いに平行ではあるが、その光軸(光束の中心軸)が図の左右方向に離れている。
【0013】
最初に、DVDを再生するときの動作について説明する。この場合、2波長レーザ11の第1のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第1のレーザ光L1は、回折格子12で3本のレーザ光(光束)に分離され、偏光ビームスプリッタ13に入射する。この偏光ビームスプリッタ13に入射した第1のレーザ光L1は、ここで90度の角度折り曲げるように反射され、反射ミラー14へ向けて出射される。
【0014】
反射ミラー14で第1のレーザ光L1は90度の角度折り曲げるように上方に反射して、その上方に配置したコリメータレンズ16に入射する。このコリメータレンズ16で平行光にされた第1のレーザ光L1は、対物レンズ16で収束されて、DVDの記録面に照射される。
【0015】
DVDは、その記録面に形成された情報に応じて第1のレーザ光L1を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ16及びコリメータレンズ16を透過し、反射ミラー14で反射された後、偏光ビームスプリッタ13を透過して、拡大レンズ17に入射する。拡大レンズ17において戻り光L1が光検出器18内のCD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器18に入射される。
【0016】
DVD用受光素子で受光した戻り光L1は電気信号に変換される。尚、このDVD用受光素子で受光された戻り光L1の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0017】
次に、CDを再生するときの動作について説明する。この場合、2波長レーザ11の第2のレーザダイオードから出射した発振波長が780nm帯の第2のレーザ光L2は、回折格子12で3本のレーザ光(光束)に分離され、偏光ビームスプリッタ13に入射する。この偏光ビームスプリッタ13に入射した第2のレーザ光L2は、ここで90度の角度折り曲げるように反射され、反射ミラー14へ向けて出射される。
【0018】
反射ミラー14で第2のレーザ光L2は90度の角度折り曲げるように上方に反射して、その上方に配置したコリメータレンズ16に入射する。このコリメータレンズ16で平行光にされた第2のレーザ光L2は、対物レンズ16で収束されて、CDの記録面に照射される。
【0019】
CDは、その記録面に形成された情報に応じて第2のレーザ光L2を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ16及びコリメータレンズ16を透過し、反射ミラー14で反射された後、偏光ビームスプリッタ13を透過して、拡大レンズ17に入射する。拡大レンズ17において戻り光L2が光検出器18内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器18に入射される。
【0020】
CD用受光素子で受光した戻り光L2は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L2の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−195767号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来の2波長対応光ピックアップは、上述したように、DVD用の第1のレーザ光L1及びCD用の第2のレーザ光L2のいずれについてもコリメータレンズで平行光に変換してから対物レンズに入射するように構成されている。そして、対物レンズとして二波長用対物レンズを用いることにより、第1のレーザ光L1及び第2のレーザ光L2が、それぞれ収差なく集光されるようにしている。
【0023】
しかしながら、DVDとCDには、0.6mmほどの厚みの違いがある。このため、第1及び第2のレーザ光L1及びL2を、DVD及びCDの記録面上に夫々集光させるためには、光ディスクの種類に応じて対物レンズを光軸方向に移動させる必要がある。具体的には、第2のレーザ光L2をCDの記録面上に集光させるには、第1のレーザ光L1をDVD上の記録面上に集光させる場合に比べて約0.39mm(=ディスク厚差0.6mm/ディスクの屈折率1.53)ディスクに近づける必要がある。
【0024】
それゆえ、従来の2波長対応光ピックアップには、対物レンズの移動距離が長く、対物レンズを移動させるアクチュエータとして可動範囲の広い大型のアクチュエータが必要であり、小型化が阻害されているという問題点がある。
【0025】
そこで、本発明は、対物レンズの移動距離を短くすることにより小型化を可能にした2波長対応光ピックアップを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに波長の異なる第1及び第2のレーザ光(L1及びL2)を共通のコリメータレンズ(24)及び対物レンズ(27)を介して選択的に光学的記録媒体(DVD又はCD)に照射する2波長対応型の光ピックアップにおいて、
前記コリメータレンズ(24)及び前記対物レンズ(27)は、これらの間が前記第1のレーザ光に対しては無限光学系となり、前記第2のレーザ光に対しては有限光学系となるように構成されていることを特徴とする光ピックアップが選られる。
【0027】
具体的には、前記コリメータレンズ(24)は、前記第1のレーザ光(L1)を平行光に変換し、前記第2のレーザ光(L2)の平行光に変換することなく広がり角を変更し、前記対物レンズ(27)は、前記コリメータレンズ(24)からの前記第1のレーザ光(L1)及び前記第2のレーザ光(L2)をそれぞれ集光する。
【0028】
また、前記コリメータレンズ(24)と前記対物レンズ(27)との間には、開口数を変更するための開口制限板(26)が設けられる。あるいは、前記開口制限板に代えて開口制限膜が前記対物レンズの表面に形成される。
【0029】
なお、上記かっこ内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図2、図3及び図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップについて説明する。
【0032】
図2は光ディスクがDVDである場合の光ピックアップの光学系のシステム構成図であり、図3は光ディスクがCDである場合の光ピックアップの光学系のシステム構成図である。
【0033】
図示の光ピックアップは、2波長レーザ21と、回折手段22と、ビームスプリッタ23と、コリメータレンズ24と、反射ミラー25と、開口制限板26と、対物レンズ27と、拡大レンズ28と、光検出器29と、フォワードセンサ30とを有する。
【0034】
2波長レーザ21は、DVD用の波長650nm帯の第1のレーザ光L1を出射させる第1のレーザダイオード(図示せず)と、CD用の波長780nm帯の第2のレーザ光L2を出射させる第2のレーザダイオード(図示せず)とが集積された半導体チップを有している。第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードの相互距離(発光点間距離)は、約100μmであって、±1μmの距離精度で作製することが可能である。
【0035】
回折手段22は、2波長レーザ21からの1本のレーザ光を3本の光束に分岐させる。ここで、3本の光束のうち、中央の光束はメインビームと呼ばれ、その両側の2本の光束はサブビームと呼ばれる。
【0036】
ビームスプリッタ23は、回折手段22からの3本の光束を反射すると共に、後述するように戻り光(光ディスクからの反射光)を透過させるためのものである。
【0037】
コリメータレンズ24は、ビームスプリッタ23で反射された第1のレーザ光L1を平行光に変換し、第2のレーザ光L2を拡散光に変換するためのものである。つまり、コリメータレンズ24は対物レンズ27との間で、第1のレーザ光L1に対しては無限光学系を、第2のレーザ光L2に対しては有限光学系を構成する。このように、コリメータレンズ24は、第1のレーザ光と第2のレーザ光とに対して異なる作用をするように、その入射面に回折手段が形成されている。この回折手段としては例えば溝等がある。
【0038】
反射ミラー25はコリメータレンズ24からの平行光又は拡散光を直角に折り曲げるように反射して、対物レンズ27側へ導出するためのものである。
【0039】
開口制限板26は、反射ミラーからの第1のレーザ光L1を透過させ、第2のレーザ光L2を開口制限して透過させるためのものである。具体的には、図4(a)及び(b)に示すように、開口制限板26の一面であってその周縁部に、第1のレーザ光を透過させ、かつ第2のレーザ光L2を反射、吸収、または回折させる波長選択性膜41が設けられている。
【0040】
対物レンズ27は開口制限板26を透過した(開口制限された)レーザ光を光ディスクの記録面に集光する。この対物レンズ27は、第1のレーザ光L1(平行光)を1点に集光させるように設計・製造されたDVD専用レンズであるが、コリメータレンズ24との相互作用により第2のレーザ光L2をも1点に、即ち球面収差なく集光させることができる。つまり、コリメータレンズ24に形成された回折手段により、第2のレーザ光L2がDVD専用レンズを透過する際に生じる球面収差は補正される。
【0041】
上述した対物レンズ27、開口制限板26、反射ミラー25、およびコリメータレンズ24は、また、光ディスクで反射されたレーザ光を戻り光として、ビームスプリッタ23へ入射させる。
【0042】
拡大レンズ28は、光検出器29における検出精度を向上させるために、ビームスプリッタ23からの戻り光を一軸方向に関して拡大する。光検出器29は、拡大レンズ28で拡大された戻り光を検出し、その光強度に応じた電気信号を発生する。尚、光検出器29は、後述するように、DVD用の受光素子とCD用の受光素子との2種類の受光素子を内部に備えている。
【0043】
フォーワードセンサ30は、ビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0044】
次に、図2および図3に示した光ピックアップの動作について説明する。最初に、図2及び図4(a)を参照して、光ディスクとしてDVDを使用した場合の動作について説明し、その後で図3及び図4(b)を参照して、光ディスクとしてCDを使用した場合の動作について説明する。
【0045】
図2を参照して、DVDを再生するとき、2波長レーザ21の第1のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第1のレーザ光L1は、回折手段22で3本のレーザ光(光束)に分離され、ビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタ23は、入射したレーザ光を反射光と透過光とに一定割合で分離する。フォワードセンサ30は、このビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0046】
一方、ビームスプリッタ23で反射されたレーザ光は、コリメータレンズ24で平行光にされた後、反射ミラー25で直角に反射される。この反射ミラー25で反射された平行光は、図4(a)に示すように、開口制限板26を透過し対物レンズ27を介してDVDの信号記録面へ集光(照射)される。
【0047】
DVDは、その信号記録面に形成された情報に応じて第1のレーザ光L1を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ27、開口制限板26を透過し、反射ミラー25で反射された後、コリメータレンズ24およびビームスプリッタ23を透過して、拡大レンズ28に入射する。拡大レンズ28において戻り光L1が光検出器29内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器29に入射される。
【0048】
DVD用受光素子で受光した戻り光L1は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L1の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0049】
次に、図3及び図4(b)を参照して、DVDを再生するとき、2波長レーザ21の第2のレーザダイオードから出射した発振波長が650nm帯の第2のレーザ光L2は、回折手段22で3本のレーザ光(光束)に分離され、ビームスプリッタ23に入射する。ビームスプリッタ23は、入射したレーザ光を反射光と透過光とに一定割合で分離する。フォワードセンサ30は、このビームスプリッタ23を透過してきたレーザ光の光量をモニタする。
【0050】
一方、ビームスプリッタ23で反射されたレーザ光は、コリメータレンズ24で拡散光にされた後、反射ミラー25で直角に反射される。この反射ミラー25で反射された拡散光は、図4(b)に示すように開口制限板26でその開口が制限された後、対物レンズ27を介してCDの信号記録面へ集光(照射)される。
【0051】
CDは、その信号記録面に形成された情報に応じて第2のレーザ光L2を反射する。この記録面からの反射光は、再び、対物レンズ27、開口制限板26を透過し、反射ミラー25で反射された後、コリメータレンズ24およびビームスプリッタ23を透過して、拡大レンズ28に入射する。拡大レンズ28において戻り光L2が光検出器29内のDVD用受光素子で受光するために最適なスポットに変換された後、光検出器29に入射される。
【0052】
CD用受光素子で受光した戻り光L2は電気信号に変換される。尚、このCD用受光素子で受光された戻り光L2の一部は、フォーカス制御およびトラッキング制御のために用いられる。
【0053】
以上のように、本実施の形態に係る光ピックアップでは、コリメータレンズ24を用いて第2のレーザ光L2を拡散光にするようにしたことで、第2のレーザ光L2に関して対物レンズ28から集光点までの距離を従来のものより大きくすることができる。その結果、図5(a)及び(b)からも理解されるように、第2のレーザ光L2をCD上に集光させるために必要となる対物レンズの移動距離を従来よりも短くすることができる。従って、対物レンズを移動させるためのアクチュエータとして、従来よりも可動範囲が小さい0.18〜0.20mmである小型のアクチュエータを用いることができる。これにより、光ピックアップの小型化を実現することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る光ピックアップは、その構成が第1の実施の形態に係る光ピックアップと殆ど同じである。よって、以下では異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
本実施の形態に係る光ピックアップでは、図6(a)及び(b)に示すように、開口制限板26に代わる開口制限膜61が対物レンズ28の表面に形成されている。この開口制限膜61は、開口制限板26の表面に形成された波長選択性膜41と同様に、第1のレーザ光を透過させ、かつ第2のレーザ光L2を反射、吸収、または回折させる。この開口制限膜61が形成された対物レンズ28では、第1のレーザ光についての開口数を0.58〜0.65とすると、第2のレーザ光についての開口数を0.45〜0.55とすることができる。
【0056】
対物レンズ28の表面への開口制限膜61の形成は、例えば、図7(a)に示すような開口部を持つマスクを用い、図7(b)に示すように蒸着によって行うことができる。こうして形成された蒸着膜は、図7(c)に示すような形状となる。この蒸着膜としては、例えば、波長650〜660nmの光に対して90%以上の透過率を有し、780〜790nmの光に対して10以下の透過率を有するものであればよい。
【0057】
本実施の形態に係る光ピックアップによれば、開口制限板を削除できるので、部品点数の削減と、コストの低減を実現することができる。
【0058】
以上本発明について実施の形態に即して説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、コリメータレンズと対物レンズとの間を、第1のレーザ光に対しては無限光学系となるように、第2のレーザ光に対しては有限光学系となるように構成したことで、第1のレーザ光及び第2のレーザ光をそれぞれ対応する光学的記録媒体上に集光させるために必要となる対物レンズの移動距離を短くできる。その結果、小型のアクチュエータを用いることができ、光ピックアップの小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ピックアップの光学系システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る光ピックアップの光学系システムの構成を示す図であって、光ディスクがDVDの場合を示す図である。
【図3】図2の光学系システムをCDに用いた場合を示す図である。
【図4】開口制限板の作用について説明するための図であって、(a)はDVD用の第1のレーザ光が入射する場合、(b)はCD用の第2のレーザ光が入射する場合を示す図である。
【図5】対物レンズの移動距離について説明するための図であって、(a)は従来の光ピックアップの場合、(b)は本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップの場合を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップに用いられる対物レンズの構成及び作用を説明するための図であって、(a)はDVD用の第1のレーザ光が入射する場合、(b)はCD用の第2のレーザ光が入射する場合をそれぞれ示す図である。
【図7】(a)は図6の対物レンズに開口制限膜を形成する際に使用されるマスクの開口部形状を示す図、(b)は(a)の開口部を有するマスクを用いて開口制限膜を形成している状態を示す図、(c)は図6の対物レンズの正面図である。
【符号の説明】
11 2波長レーザ
12 回折格子
13 偏光ビームスプリッタ
14 反射ミラー
15 コリメータレンズ
16 対物レンズ
17 拡大レンズ
18 光検出器
21 2波長レーザ
22 回折手段
23 ビームスプリッタ
24 コリメータレンズ
25 反射ミラー
26 開口制限板
27 対物レンズ
28 拡大レンズ
29 光検出器
30 フォワードセンサ
Claims (7)
- 互いに波長の異なる第1及び第2のレーザ光を共通のコリメータレンズ及び対物レンズを介して選択的に光学的記録媒体に照射する2波長対応型の光ピックアップにおいて、
前記コリメータレンズ及び前記対物レンズは、これらの間が前記第1のレーザ光に対しては無限光学系となり、前記第2のレーザ光に対しては有限光学系となるように構成されていることを特徴とする光ピックアップ。 - 前記コリメータレンズは、前記第1のレーザ光を平行光に変換し、前記第2のレーザ光の平行光に変換することなく広がり角を変更し、
前記対物レンズは、前記コリメータレンズからの前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光をそれぞれ集光することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記対物レンズは、前記第1のレーザ光に対応するよう形成されており、前記コリメータレンズは、前記第2のレーザ光が前記対物レンズを透過する際に球面収差を生じないようにするための回折手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ。
- 前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間に、開口数を変更するための開口制限板を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の光ピックアップ。
- 前記開口制限板は、前記第1のレーザ光を透過させ、前記第2のレーザ光を反射、吸収又は回折させる波長選択性フィルタであるであることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ。
- 前記開口制限板に代えて開口制限膜を前記対物レンズの表面に形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の光ピックアップ。
- 前記開口制限膜が前記対物レンズの表面に蒸着された蒸着膜であることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ。
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