JP2005025194A - 湿式電子写真用トナー組成物,湿式電子写真用トナー組成物の製造方法,及び電子写真画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体キャリアに分散された共重合体バインダー粒子状に重合体バインダーが化学的に成長された湿式トナー組成物を提供する。
【解決手段】一つ以上のS材料部分と一つ以上のD材料部分とを含む両親媒性共重合体を含み,前記トナー組成物の成分はエネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化されうる制御された強度を有する3次元構造のゲルを提供するに十分な架橋結合作用基を含む重合体バインダーである。しかも,本発明に記載されたトナーは,光導電体上にフィルムを形成せずに光導電体表面で中間転写材料に画像を転写させるか,または印刷媒体に直接画像を転写させる電子写真形成工程に特に適した組成物を提供する。
【選択図】無し

Description

本発明は電子写真法に利用される湿式トナー組成物,その製造方法及びそれを利用した電子写真画像形成方法に係り,さらに詳細には,ゲル組成物に提供される両親媒性共重合体バインダー粒子を含む湿式トナー組成物,その製造方法及びそれを利用した電子写真画像形成方法に関する。
電子写真工程及び静電プリンティング工程で(通称的に,電子記録工程という),静電画像はそれぞれ感光要素または誘電要素の表面に形成される。感光要素または誘電要素は,非特許文献1及び特許文献1,2及び3に記述されたように,中間転写ドラムまたはベルト,または最終トナー画像自体の支持体でありうる。
静電プリンティングで,潜像は,通常的に(1)選択された領域の誘電要素(通常的には,受容支持体である)上に静電ライティングスタイラスまたはその等価物を利用して電荷画像を位置させて電荷画像を形成し,(2)トナーを前記電荷画像に加えた後,(3)トナー画像を定着させることによって形成される。このような類型の工程の一例は,特許文献4に記載されている。
ゼログラフィともいう電子写真プリンティングで,電子写真法は,紙,フィルムのような最終画像受容体上に画像を形成するのに使われる。電子写真法は,写真複写機,レーザプリンタ,ファクシミリなどを含む多様な装置に使われる。
電子写真法は,通常的に最終永久画像受容体上に電子写真画像を形成する工程で,感光体として知られている,再使用可能で感光性である一時的画像受容体を使用することを含む。代表的な電子写真工程は,帯電,露光,現像,転写,定着,クリーニング及び除電を含み,受容体上に画像を形成するための一連の段階を含む。
帯電段階で,感光体は第1電位を形成するために,通常的にコロナまたは帯電ローラによって(−)極性または(+)極性である所望の極性の電荷で塗布される。露光段階では,光学システム,通常的にレーザスキャナまたはダイオード配列は第2電位を形成するために,最終画像受容体上に形成される目的画像に対応する画像方式で感光体の帯電表面を選択的に放電させて潜像を形成する。現像段階では,適当な極性のトナー粒子が一般的に前記感光体上の潜像と接触するが,この時,トナー極性とは同じ極性を有する前記第1電位と第2電位との中間電位として電気的にバイアスされた現像器を使用する。トナー粒子は感光体に移動し,静電気力によって潜像に選択的に付着して感光体上にトナー画像を形成する。
転写段階では,トナー画像が感光体から目的とする最終画像受容体に転写されるが,この時,感光体から転写されたトナー画像を続けて最終画像受容体に転写するための中間転写要素が使われることもある。前記画像は前記画像が転写された表面に対してターゲット中間受容体または最終画像受容体に選択的に付着されつつ,物理的な加圧またはトナーとの接触によって転写されうる。また,前記トナーは,以下より詳細に記述される静電気的な手段を選択的に利用する湿式システムに転写されうる。定着段階では,最終画像受容体上のトナー画像は加熱されてトナー粒子を軟化または溶融させて,トナー画像を最終受容体に定着させる。他の定着方法は,熱が存在または非存在する高圧下で最終受容体にトナーを定着させることを含む。クリーニング段階では,感光体に残っている残留トナーが除去される。
最後に,除電段階では,感光体電荷は特定波長帯域の光に露出され,実質的には均一な低い値に減少し,本来潜像の残留物が除去されることによって,感光体が次の画像形成サイクルを準備させる。
2タイプのトナー,すなわち,湿式トナーと乾式トナーとが広範囲に商業的に使われる。“乾式”という用語は乾式トナーが液体成分を全的に有していないということを意味せず,トナー粒子が意味のあるレベルの溶媒,例えば通常的に10重量%未満の溶媒を含有していないということを意味し(一般的に,乾式トナーは溶媒含量で表した時に実質的に乾式である),摩擦帯電電荷を伴えるということを意味する。これは,乾式トナー粒子を湿式トナー粒子と区別させる。
通常的な湿式トナー組成物は,一般的に液体キャリアに懸濁または分散されたトナー粒子を含む。液体キャリアは,通常的に非導電性分散剤であるので,静電潜像を放電させることを避けられる。湿式トナー粒子は,一般的に液体キャリア(またはキャリア液体)にある程度溶媒化されるが,通常的に50重量%を超える低極性,低誘電定数の実質的に非水性であるキャリア溶媒で溶媒化される。湿式トナー粒子は,一般的にキャリア溶媒で解離される極性基を使用して化学的に帯電されるが,液体キャリアに可溶化及び/または分散される間に摩擦帯電電荷を伴わない。湿式トナー粒子はまた,乾式トナー粒子より通常的にさらに小さい。約5ミクロンないしサブミクロンで粒径が小さいため,湿式トナーは非常に高解像度のトナー画像を形成できる。
湿式トナー組成物に使われる代表的なトナー粒子は,一般的に視覚改善添加剤,例えば有色顔料粒子及び重合体バインダーを含む。重合体バインダーは,電子写真工程の間及びその工程後に全ての場合に機能を満足させる。加工性面で,バインダー特性はトナー粒子の帯電及び電荷安定性,流動性及び定着性に影響を与える。このような特性は,現像,転写及び定着工程の間に優秀な性能を達成するのに重要である。画像が最終受容体に形成された後,バインダーの性質(例えば,ガラス転移温度,溶融粘度,分子量)及び定着条件(例えば,温度,圧力及び定着器の配置)は,耐久性(例えば,耐ブロッキング性及び耐削除性),受容体に対する付着力,光沢に影響を与える。
湿式トナー粒子に使用するのに適当な重合体バインダー材料は,乾式トナー粒子に使われる重合体バインダーの通常的なガラス転移温度(50〜100℃)より低い約−24〜55℃のガラス転移温度を表す。特に,幾つかの湿式トナーは湿式電子写真画像形成工程で,例えば,フィルム形成によって速かに自己定着するために室温(25℃)未満のガラス転移温度(T)を表す重合体バインダーを含むと知られている(特許文献5参照)。しかし,このような湿式トナーはまた,低いTから招来される劣悪な画像耐久性(例えば,劣悪な耐ブロッキング性及び耐削除性)を表すとも知られている。また,前記トナーは接着付着力が伴われる転写工程では適するが,最終画像受容体にトナー画像が定着された後,トナーフィルムの粘着性が非常に増加するので,一般的には静電転写が伴われる転写工程では不適合である。また,低いTのトナーは接着転写の弱化(フィルムスプリット)し易い一方,感光体または中間転写要素から除去し難い(粘着性がある)。
湿式トナーを使用する他のプリンティング工程で,自己定着は要求されない。このようなシステムで光導電性表面に現像された画像は,この段階でフィルムを形成せずに中間転写ベルト(“ITB”)または中間転写部材(“ITM”)に転写されるか,または直接プリント媒体に転写される(例えば,特許文献6及び特許文献7参照)。このようなシステムで画像形態に不連続的なトナー粒子を転写することは機械的な力,静電気力及び熱エネルギーを組み合わせて使用することによって行われる。特に特許文献7に記載されたシステムで,DCバイアス電圧は,内部スリーブ部材に連結されてカラー画像を効率的に転写させるためにプリント媒体の表面で静電気力を作り出す。
このようなシステムに使われるトナー粒子は,以前にはオルガノゾル工程を使用して製造された重合体ではなく,従来の重合体バインダー材料を使用して製造されてきた。したがって,例えば,特許文献6は開示されたシステムに使われた湿式現像剤は特許文献8に記載されていると言及している。前記特許は,キャリア液体のうちあらかじめ形成されたガラス転移温度の高い重合体樹脂をキャリア液体が樹脂を軟化または可塑化するのに十分に高い温度に加熱し,顔料を添加した後,生成された高温分散液を高エネルギー混合またはミリング工程に露出させて製造される湿式トナーを開示している。
このようにガラス転移温度が高い(一般的に,約60℃以上のT)重合体バインダーを使用した非自己定着湿式トナーは画像耐久性に優れるが,前記湿式トナーが画像形成工程で速かに自己定着できないことによる画像欠陥,劣悪な帯電及び帯電安定性,保存時の凝集または集合に対する劣悪な安定性,保存時の劣悪な沈降安定性,及びトナー粒子を軟化または溶融させてトナーを最終画像受容体に適切に定着させるために使われる約200〜250℃の高い定着温度を必要とする点を含んで重合体バインダー選択と関連した他の問題点を表すと知られている。
耐久性欠陥を克服するために,非フィルム形成湿式トナーと乾式トナーとに何れも使用するために選択された重合体材料は,通常的に定着後に優秀な耐ブロッキング性を得るために少なくとも約55〜65℃のTを表すが,通常的にトナー粒子を軟化または溶融させて最終画像受容体にトナーを適切に定着させるために約200〜250℃の高い定着温度を必要とする。高い定着温度は,長時間のワーミングアップ時間と,高温定着による過度なエネルギー消費,そして紙の自然発火温度(233℃)に近接な温度でトナーを紙に定着させることによる火災の危険性のために乾式トナーに不利である。
また高いTの重合体バインダーを使用した幾つかの湿式及び乾式トナーは,最適の定着温度上または下の温度では最終画像受容体から定着器の表面にトナー画像を望ましくなく部分的に転写するので(オフセット),オフセットを防止するために定着器の表面に低い表面エネルギーを有する材料を使用するか,または定着器オイルを使用することを必要とすると知られている。また,製造時に多様な潤滑剤またはワックスを乾式トナー粒子に物理的に混合して離型剤またはスリップ剤として作用させたが,このようなワックスは重合体バインダーに化学的に結合されていないので,トナー粒子の摩擦帯電に不利な影響を及ぼすか,またはトナー粒子から移動して感光体,中間転写要素,定着器要素またはその他の電子写真工程に重要な表面を汚染させる恐れがある。
重合体バインダー及び視覚改善添加剤以外に,湿式トナー組成物は選択的に他の添加剤を含みうる。例えば,帯電制御剤はトナー粒子に静電気的な電荷を付与するように添加されうる。分散剤はコロイド安定性を提供し,画像を定着させ,粒子の表面に帯電されたサイトまたは帯電サイトを提供する。分散剤は,通常的に湿式トナー組成物に添加されるが,これはトナー粒子の濃度が濃く(粒子間の距離が短い),電気的な二重層効果だけでは凝集または集合に対して分散液を安定化させるのに適しないためである。離型剤は,定着器ロールが使われる時にこれらにトナーがくっ付くことを防止するのに使用されうる。他の添加剤としては,酸化防止剤,紫外線安定剤,殺菌剤,殺真菌剤,流動性制御剤がある。
湿式トナー組成物を形成する一つの製造方法は,液体キャリアに分散された両親媒性共重合体バインダーを合成してオルガノゾルを形成した後,生成されたオルガノゾルを他の成分と混合して湿式トナー組成物を形成するものを含む。通常的に,オルガノゾルは重合可能な化合物(例えば,モノマー)を非水性分散重合して低誘電率の炭化水素溶媒(キャリア液体)に分散された共重合体バインダー粒子を形成することによって合成される。このような分散された共重合体粒子は,重合反応で形成された分散されている状態のコア粒子に,キャリア液体によって溶媒化された立体構造安定化剤(例えば,グラフト安定化剤)が化学結合することによって集合と関連して安定化される。このような立体構造安定化メカニズムに対する細部事項は非特許文献2に記載されている。自己安定性オルガノゾルの合成方法は非特許文献3に記載されている。
湿式トナー組成物は,電子写真画像形成工程で速かに自己定着する比較的低いガラス転移温度(T≦30℃)のフィルム形成湿式トナーを作るのに使用するために低極性,低誘電定数のキャリア溶媒で分散重合によって製造されてきた(特許文献9及び10参照)。また,オルガノゾルは,静電気的なスタイラスプリンタに使用するための中間ガラス転移温度(Tが30〜55℃)の湿式静電トナーを作るのに使用するために製造されてきた(特許文献5 B1参照)。オルガノゾルを製造するための代表的な非水性分散重合方法は,炭化水素媒質に溶解される一つ以上のエチレン系不飽和モノマーをあらかじめ形成された重合可能な溶液重合体(例えば,グラフト安定化剤または“活性的な”重合体)の存在下で重合する時に行われる自由ラジカル重合である(特許文献5参照)。
オルガノゾルが形成されれば,一つ以上の添加体が必要分だけ含まれうる。例えば,一つ以上の視覚改善添加剤及び/または帯電制御剤が含まれうる。次いで,組成物は均質化,マイクロ流動化,ボールミリング,粉碎機ミリング,高エネルギービード(サンド)ミリング,バスケットミリングまたは分散液で粒子サイズを減少させるための当該技術分野で公知された他の方法のような一つ以上の混合工程を経うる。混合工程は,凝集された視覚改善添加剤粒子が存在する場合,これらを1次粒子(直径が0.05〜1.0ミクロン)に粉砕し,分散された共重合体バインダーを視覚改善添加剤の表面と結合できる断片に部分的に細かく作る。
前記具現例によれば,分散された共重合体または共重合体から由来した断片は,例えば,視覚改善添加剤の表面に吸着または付着されて視覚改善添加剤と結合されることによってトナー粒子を形成する。その結果,約0.1〜2.0ミクロンのサイズを有するトナー粒子,通常的にはトナー粒子の直径が0.1〜0.5ミクロンのサイズを有する立体的に安定化され,かつ非水性であるトナー粒子分散液を得る。幾つかの具現例で,必要によって混合後に一つ以上の帯電制御剤を添加できる。
幾つかの湿式トナー組成物の特性は,高品質の画像を提供するのに重要である。トナー粒径及び電荷特性は,特に優秀な解像度を有する高品質の画像を形成するのに重要である。さらにトナー粒子の迅速な自己定着は,例えばプリンティング欠陥(スミアリング)または後面尾引き及び高速プリンティングでの不完全な転写を避けるために幾つかの湿式電子写真プリンティング分野で重要な要求事項である。例えば,低いTを表すオルガノゾルトナー組成物において,画像形成工程の間に形成された前記組成物から生成されたフィルムは,転写条件下で粘着性及び弱い接着性を有しうる。これは画像スプリッティングまたは感光体または中間画像受容体の表面上の望ましくない残基残留をもたらす恐れがある。湿式トナー組成物の製造にさらに他の重要な考慮事項は,最終受容体上の画像の耐久性及び保管性に関するものである。耐削除性,例えば摩耗,特に不要な鉛筆またはペンマーキングを除去するために良く使われる天然または合成消しゴムによる摩耗によるトナー画像の除去または損傷に対する耐性は湿式トナー粒子の望ましい特性である。
湿式トナーの製造に重要なさらに一つの考慮事項は,最終受容体上での画像の粘着性である。最終受容体上の画像は,本質的に非常に広い温度範囲で粘着性のないことが望ましい。画像に残余粘着性があれば,画像は他の表面と接する時に凸凹になるか,または剥げられる(ブロッキングともいう)。これは,特にプリンティングされたシートが積み重ねられる時に問題になる。最終画像受容体上で受容体に対する(または他のトナー表面に対する)ブロッキングによる損傷に対する耐性は湿式トナー粒子のさらに他の望ましい特性である。
前記問題を解消させるために,フィルムラミネートまたは保護層が画像表面上に置かれる。前記ラミネートは,頻繁に画像の有効ドットゲインを増加させてカラー複合体の演色性を妨害する。また,最終画像表面上に保護層をラミネーションすることは保護層を塗布するための材料の追加コスト及び追加工程をもたらし,幾つかのプリンティング分野(例えば,一般用紙の複写またはプリンティング)では容認されない。
ラミネーションによる欠点を解消するために色々方法が使われてきた。例えば,粘着性を除去するために現像段階後に湿式トナーを硬化または架橋結合させる照射または触媒硬化法が使われてきた。このような硬化法は,一般的に高速プリンティング工程に使用するにはあまり遅い。また,このような硬化法は,プリンティング工程のコストを非常に追加させる恐れがある。硬化性湿式トナーは,頻繁に自己安定性が脆弱でプリンティングされたインクの脆性をもたらす恐れがある。
湿式トナー画像の耐久性を改善させ,かつラミネーションの欠点を解消するさらに他の方法は,特許文献10に記載されている。特許文献10は,側鎖または主鎖に結晶化可能な重合体モイエティを有するオルガノゾルを含有した湿式インク組成物を記載している。第6段第53−60行で,著者は不溶性,熱可塑性(共)重合体コアに共有結合された高分子量(共)重合体の立体安定化剤を含む液体キャリア(オルガノゾルとも知られている)に分散された両親媒性共重合体のバインダー樹脂を記載している。立体安定化剤は,室温(22℃)以上の温度で独立的にかつ可逆的に結晶化できる結晶化可能な重合体モイエティを含む。
前記特許の著者によれば,分散されたトナー粒子の集合に対する優秀な安定性は,少なくとも一つ以上の重合体または共重合体(安定化剤と表示する)が液体キャリアによって溶媒化された5,000以上の重量平均分子量を有するオリゴマーまたは重合体成分を含有した両親媒性物質である場合に得られる。すなわち,選択された安定化剤は,独立的な分子として存在する場合,液体キャリアに多少限定された溶解度を有する。一般的に,このような要件は立体安定化剤と溶媒間のヒルデブラント溶解度パラメータ絶対差が3.0MPa1/2以下である時に充足される。
特許文献10に記載されたように,不溶性樹脂コアの組成物は,オルガノゾルが22℃未満,さらに望ましくは6℃未満の有効ガラス転移温度(T)を表すように製造されることが望ましい。ガラス転移温度を調節すれば,樹脂を主成分として含有するインク組成物がコアのTより高い温度で行われるオフセット転写工程を使用する湿式電子写真プリンティングまたは画像形成工程で迅速なフィルム形成(迅速な自己定着)をさせる。望ましく,オフセット転写工程は22℃以上の温度で行われる(第10段,第36−46行)。室温(22℃)以上の温度で独立的にかつ可逆的に結晶化できる結晶化可能な重合体モイエティが存在して,最終画像受容体に定着した後に軟性及び粘着性の低T不溶性樹脂コアを保護する。これは,結晶化可能な重合体モイエティの結晶化温度(融点)以下の温度で定着されたトナー画像の耐ブロッキング性及び耐削除性を改善させる役割を行う。
米国特許第4728983号明細書 米国特許第4321404号明細書 米国特許第4268598号明細書 米国特許第5262259号明細書 米国特許第6255363号明細書 米国特許第5410392号明細書(Landa,1995年4月25日に許与) 米国特許第5115277号明細書(Camis,1992年5月19日に許与) 米国特許第4794651号明細書(Landa,1988年12月27日に許与) 米国特許第5886067号明細書 米国特許第6103781号明細書 WO 01/79316号 WO 01/79363号 WO 01/70364号 Schmidt,S.P.及びLarson,J.R.のHandbook of Imaging Materials,Diamond,A.S.,Ed:Marcel Dekker:New York;Chapter6,pp 227−252 "Polymeric Stabilization of Colloidal Dispersions"(Napper,D.H.,Academic Press,New York,N.Y.,1983) "Dispersion Polymerization in Organic Media"(K.E.J.Barret,ed.,John Wiley:New York,N.Y.,1975)
本発明が解決しようとする目的は,優秀な画像現像及び転写特性を表す湿式電子写真用トナー組成物,その製造方法及びそれを利用した電子写真画像形成方法を提供することである。
前記目的を達成するために,本発明の第1態様は,液体キャリア及び前記液体キャリアのうち分散されたトナー粒子を含む電子写真用ゲル湿式トナー組成物を提供する。液体キャリアは,30ml未満のカウリブタノールナンバーを有する。トナー粒子は,一つ以上のS材料部分及び一つ以上のD材料部分を有する少なくとも一つの両親媒性共重合体を含む重合体バインダーを含む。前記両親媒性共重合体は,エネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化させうる制御された強度を有する3次元構造のゲルを提供するのに十分な量の共有結合性架橋結合作用基を含む。前記電子写真用トナー組成物は,感光体画像形成条件下では実質的にフィルムを形成しない。
本発明において,“ゲル”はエネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化させうる制御された強度を有する3次元構造のマトリックスである。具体的に,ゲル形成は,粒子間の可逆的凝集をもたらす粒子間相互作用によると考えられている。しかし,このような粒子間相互作用は,せん断エネルギー,音波エネルギー,熱エネルギーを加えて破壊できるほどに弱い。
前述したように,本発明の組成物は,下記のように限定された感光体画像形成条件下ではトナーが実質的にフィルムを形成しないように製造される。このような特異な配合によって,プリンティング工程の間に光導電体上には本質的にフィルムが形成されない。その代わりに,光導電体上には実質的にフィルムが形成されていないまま,光導電体の表面から中間転写材料に画像が転写されるか,または印刷媒体に画像が直接転写される。光導電体から画像が転写された後,望ましくは最終受容体上に画像が最終定着される時または定着される前にフィルムが形成される。
本発明の目的のための“感光体画像形成条件”とは,組成物の固形分含量が約30〜約40%であり,温度が23〜45℃である場合に前記組成物が実質的にフィルムを形成しない条件,望ましくは組成物の固形分含量が70%未満であり,温度が23〜45℃である場合に前記組成物が実質的にフィルムを形成しない条件を意味する。主要考慮事項であって,両親媒性重合体のTは本発明のオルガノゾルゲル組成物がフィルムを形成するか否かに大きい影響を及ぼす。しかし,他の要因,例えば,キャリア溶媒の選択,両親媒性共重合体のうち残りの成分に比べてさらに低いかまたはさらに高いTを有する重合体成分の同質領域の位置,及び多様な作用基の含有如何(特に,両親媒性共重合体のS材料部分への含有如何)のような要因が組成物のフィルム形成特性に影響を及ぼす恐れがある。当業者は,前記要因及び当業界で認知可能な他の要因を調節することによって公知のフィルム形成特性を充足させるオルガノゾル組成物を製造できる。
感光体画像形成条件下で実質的にフィルムを形成しないゲルトナー組成物は,プリンティング時,感光体への画像逆転写が少なく発生するか,または画像逆転写の発生なしに感光体から画像を優秀に転写させるものを含んで,特別な利点を提供する。また,前記ゲルトナー組成物の場合,分散剤,界面活性剤または安定化添加剤を必要によって使用することもあるが,これらを印刷品質を低下させない量だけ使用しても画期的な保存安定性を表す。両親媒性共重合体が使われるため,共重合体のS材料部分は全体トナー組成物を安定化させるのに助けになる,共有結合された安定化作用基を容易に含みうる。優秀な最終画像特性はまた,耐削除性及び耐ブロッキング性とも関連したものである。
また,前述したような両親媒性共重合体を含むトナー粒子は,そのサイズ及び形態が一定するので,均一な画像形成において実質的な利点を提供する。このようなトナー粒子のサイズ及び形態上の均一性は,従来方法でミリングされたトナー重合体バインダーには達成し難いか,または不可能である。本発明による湿式トナー組成物は,非常に優秀に転写される画像が提供されうるシステムを提供し,また耐ブロッキング性も有する。本発明の組成物を利用して形成された画像は案外にも非粘着性であり,耐除電性及び耐損傷性を有する。前記ゲルは,印刷品質またはインク転写性能を低下させずにも,着色剤の沈殿安定性を顕著に向上させる有用な特性を湿式インクに付与する。前記ゲルで製造されたインクはまた,沈殿された場合に向上した再分散性を表し,ゲル状態ではないオルガノゾルインクで形成された沈殿物のようなダイラタント沈殿を形成しない。このようなゲルインクの特性は,高濃度の固形分(2重量%を超える固形分,望ましくは10重量%を超える固形分及び最も望ましくは20重量%を超える固形分)を含むインクの製造及び使用を容易にするので,所定のインク容量から印刷されるページまたは画像数が増加する。しかも,本発明のオルガノゾルは実質的に大きいゲル粒子サイズを表すところ,高い画像濃度の現像に適する低いか,または中間ほどの単位質量当り電荷量(Q/M)を表すが,高解像度の画像を形成する微細粒子を生成するために画像現像分野ではゲル分解現像も表す。
本発明に使われる“両親媒性”という用語は,共重合体の製造に使われるか,及び/または湿式トナー粒子の製造に使われる望ましい液体キャリアでそれぞれ明らかに異なる溶解度と分散性とを有する部分が組み合わせられた共重合体を意味する。望ましくは,前記液体キャリア(“キャリア液体”ともいう)は,前記共重合体の少なくとも一部分(本発明でS材料またはブロックという)が前記キャリアによってさらに溶媒化される一方,共重合体の少なくとも一つの他の部分(本発明でD材料またはブロックという)は前記キャリアで分散された相を構成するように選択される。
前記ゲルは,架橋結合作用基を有するモノマーを両親媒性共重合体に低い百分率(通常的に1.6%w/w未満)で統合し,前記両親媒性共重合体を架橋結合してゲルを形成するのに十分な量で分子間共有結合を形成することによって製造される。架橋結合作用基は,両親媒性共重合体のS材料部分,D材料部分またはS材料部分及びD材料部分に何れも提供されうる。架橋結合時,両親媒性共重合体の粒子は分子間の共有結合によって連結されてゲルオルガノゾルを形成する。
本発明の他の具現例で,2以上の架橋結合作用基を有する架橋化合物がさらにオルガノゾル組成物に提供されて両親媒性共重合体の架橋結合を助けられる。
ゲルオルガノゾルは,顔料インクの沈降及び再分散性を改善させる新しい方法を提供する。ゲル化を誘導する方法は,両親媒性共重合体とキャリア溶媒間の溶解度パラメータの相対的な差を,両親媒性共重合体の凝集安定性を低下する範囲に操作することを必要としない。これはフォミュレータが両親媒性共重合体のモノマー成分を選択するのにおける柔軟性を増加させ,キャリア流体を選択するのにおける柔軟性も増加させる。
例えば,キャリア溶媒のうち高い溶解度を有する側鎖結晶化可能なモノマーは,ゲル化特性を低下させずにも両親媒性共重合体に含まれうる。非ゲルオルガノゾルインクの耐久性を向上させるために結晶化可能な重合体モイエティを使用することは米国特許第5,886,067号に開示されている。これまで,両親媒性共重合体に結晶化可能な重合体モイエティを高い重量百分率で使用することは,優秀な溶解度範囲に属する両親媒性共重合体とキャリア溶媒間の相対的な溶解度パラメータ差(0〜2.5MPa1/2)によるゲルオルガノゾルの形成を抑制してきた。ゲルオルガノゾルと制御された結晶化度のオルガノゾルの特性を単一組成物に組み合わせることが有利である。
望ましくは,トナー粒子は一つ以上の視覚改善添加剤をさらに含む。
望ましい具現例で,前記共重合体は望ましい液体キャリアでインサイチュ重合される。反応溶媒としてキャリア液体を使用すれば,トナー組成物に使用するのに適した実質的に単分散された共重合体粒子を容易に形成できる。これにより生成されたオルガノゾルを,以後に望ましくは一つ以上の視覚改善添加剤及び選択的に一つ以上の望ましい成分と混合して,湿式トナーを形成する。このように混合する間,視覚改善粒子を含む成分及び共重合体は,自己集合して溶媒化されたS部分と分散されたD部分とを有する複合粒子となる。具体的には,共重合体のD部分は,物理的に及び/または化学的に視覚改善添加剤の表面と相互作用する傾向がある一方,S部分はキャリアでの分散を促進させる。
前記他の目的を達成するために本発明の第2態様は,a)一つ以上のモノマーが第1反応性作用基を含む多数の自由ラジカル重合性モノマーを提供する段階と,b)前記モノマーを溶媒中で自由ラジカル重合させて第1反応性作用基−含有重合体を形成する段階であって,前記モノマー及び前記第1反応性作用基−含有重合体は前記溶媒に可溶性である段階と,c)前記第1反応性作用基及び自由ラジカル重合性作用基と反応性のある第2反応性作用基を有する化合物を,前記化合物の第2反応性作用基の一部以上が前記重合体の前記第1反応性作用基の一部以上と反応する条件下で前記第1反応性作用基−含有重合体と反応させて,前記化合物を前記重合体に連結させる一つ以上の連結部を形成することによって,前記重合体のS材料部分に側鎖自由ラジカル重合性作用基を提供する段階と,d)(i)前記側鎖自由ラジカル重合性作用基を含むS材料部分重合体,(ii)一つ以上の自由ラジカル重合性モノマー及び(iii)成分(ii)の一つ以上の追加モノマーを含む成分から誘導された重合体材料は,不溶性の液体キャリアを含む成分を共重合させる段階と,を含む湿式電子写真用トナー組成物を製造する方法であって,前記共重合段階は,S材料部分及びD材料部分を有する両親媒性共重合体を形成するのに効果的な条件下で行われ,前記トナー組成物はエネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化されうる制御された強度を有する3次元構造のゲルを提供するのに十分な量の架橋結合作用基を含み,前記電子写真用トナー組成物は,感光体画像形成条件下でフィルムを形成しないことを特徴とする湿式電子写真用トナー組成物の製造方法を提供する。
前記さらに他の目的を達成するために本発明の第3態様は,a)前記湿式電子写真用トナー組成物を提供する段階と,b)キャリア液体中にトナー粒子を含む画像を感光体表面上に形成させる段階と,c)前記感光体上にフィルムを形成せずに前記画像を前記感光体表面から中間転写材料に転写させるか,または印刷媒体に直接転写させる段階と,を含む,支持体の表面上に電子写真画像を形成する方法を提供する。
本発明の特定具現例による湿式トナー組成物は,共有的に架橋結合されたゲルオルガノゾルを含む湿式トナー組成物であって,光導電体上にフィルムを形成せずに光導電体の表面から中間転写材料に画像を転写させるか,または印刷媒体に直接的に画像を転写させる電子写真形成工程に特に適している。
以下,本発明をさらに詳細に説明する。後述する本発明の具現例は,完全なものであるか,または本発明を下記の発明の詳細な説明に開示された厳密な形態に限定するものではなく,他の当業者が本発明の原理及び実施を理解できるようにこれを選択及び説明したものである。
望ましくは,前記オルガノゾルの非水性液体キャリアは,両親媒性共重合体の少なくとも一部分(本発明でS材料またはS部分という)がキャリアによって溶媒化される一方,前記共重合体の少なくとも一つの他の部分(本発明でD材料またはD部分という)はキャリア内に分散相を構成するように選択される。すなわち,本発明の望ましい共重合体は,望ましい液体キャリアで十分に相異なるそれぞれの溶解度を有するS及びD材料を含むため,Sブロックはキャリアによって溶媒化される傾向がある一方,Dブロックはキャリアによって分散される傾向がある。さらに望ましくは,Sブロックは液体キャリアに可溶性である一方,Dブロックは不溶性である。特に望ましい具現例で,D材料相は液体キャリアから分離されて分散された粒子を形成する。
一つの観点で,前記液体キャリア内の分散された重合体粒子は,D材料がコア内にある傾向がある一方,S材料はシェルにある傾向があるコア/シェル構造を有すると見られる。したがって,S材料は分散補助剤,立体安定化剤またはグラフト共重合体安定化剤として作用して,液体キャリアでの共重合体粒子の分散液を安定化させる。したがって,S材料は本発明で“グラフト安定化剤”と言及されうる。前記バインダー粒子のコア/シェル構造は,湿式トナー組成物に含まれる時に,バインダー粒子が乾燥される時にも維持される傾向がある。
材料,または共重合体部分のような材料の一部分の溶解度は,ヒルデブラント溶解度パラメータで定性及び定量的に特性化できる。ヒルデブラント溶解度パラメータは,(圧力)1/2の単位を有する,材料の凝集エネルギー密度の自乗根で表す溶解度パラメータを意味し,(ΔH/RT)1/2/V1/2と同じである。ここで,ΔHは材料のモル蒸発エンタルピを表し,Rは一般気体定数であり,Tは絶対温度であり,Vは溶媒のモル体積である。ヒルデブラント溶解度パラメータは,溶媒についてはBarton,A.F.M.,“Handbook of Solubility and Other Cohesion Parameters”,2d Ed.CRC Press,Boca Raton,Fla.,(1991)に,モノマー及び代表的な重合体については“Polymer Handbook”,3rd Ed.,J.Brand rup & E.H.Immergut,Eds.John Wiley,N.Y.,pp 519〜557(1989)に,及び多数の商業的に入手可能な重合体についてはBarton,A.F.M.,“Handbook of Polymer−Liquid Interaction Parameters and Solubility Parameters”,CRC Press,Boca Raton,Fla.,(1990)に表で作られている。
液体キャリアでの材料またはその一部分の溶解度は,前記材料またはその一部分と前記液体キャリア間のヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差から予想されうる。材料またはその一部分は,前記材料またはその一部分と液体キャリア間のヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差が約1.5MPa1/2未満である場合,十分に可溶性であるか,または少なくとも非常に溶媒化された状態である。一方,ヒルデブラント溶解度パラメータ間の絶対差が約3.0MPa1/2を超える場合,前記材料またはその一部分は液体キャリアから相分離されて分散液を形成する傾向を表す。ヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差が1.5MPa1/2〜3.0MPa1/2である場合,前記材料またはその一部分は液体キャリアに少し溶媒化されうるか,またはすこし不溶性であると見なされる。
理論によって制限されるものではないが,両親媒性共重合体は,分散剤液体のうち初期相分離点の付近で超高分子量の共重合体として作用するほどまで共有的に架橋結合されると見なされる。
ゲルオルガノゾルは,分散された相の要素間の人力相互作用が強くて全体システムが堅固なネットワーク構造を有して小さな応力下でも弾性的に作用する分散物である。オルガノゾルゲル化の特性は,当業者には明白なものである。架橋結合されたゲルオルガノゾルは,速かにゲル化して多量の重合体沈殿物を形成し,放置時に実質的に透明なキャリア液体の象徴液層を形成する。
理論によって制限されるものではないが,両親媒性共重合体オルガノゾルのゲル化は,両親媒性共重合体の部分間に共有結合を形成することによって誘導される。架橋結合は,多作用性架橋結合剤,すなわち,複数の重合可能なモイエティを有する架橋結合性重合可能な化合物を使用してなされる。架橋結合性モイエティは,S材料部分,D材料部分,またはS材料部分とD材料部分とに何れも統合されうる。架橋結合性重合可能な化合物は,全ての反応基が同じ化学的モイエティを含むこともあり,また一方には,一つ以上の反応基が残りの他の反応基と異なるか,または区別されることもある。便宜のために,反応基を含む化学的モイエティが単一な類型である架橋結合性重合可能な化合物を対称架橋結合性重合可能な化合物と称する。反応基を含む2以上の異なって区別される化学的モイエティを有する架橋結合性重合可能な化合物は,非対称架橋結合性重合可能な化合物と称する。組成物は,ゲルの形成を補助するために2以上の反応基を有する多作用性架橋化合物をさらに有することもある。
ゲルの強度(これによるインクの耐沈殿性も含む)は,両親媒性共重合体の架橋結合程度を制御することによって容易に調節されうる。さらに大きいゲル強度(さらに高い耐沈殿性)は,両親媒性共重合体の架橋結合密度(架橋結合剤の百分率)を増加させることによって得る。
物質のヒルデブラント溶解度は,温度変化によって変わりうるので,このような溶解度パラメータは,望ましくは25℃のような望ましい標準温度で測定する。
当業者は,共重合体またはその一部分のヒルデブラント溶解度パラメータが,Barton A.F.M.,“Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters”,CRC Press,Boca Raton,p 12(1990)に2成分共重合体について記載されているように,共重合体またはその一部を構成する各モノマーに対するそれぞれのヒルデブラント溶解度パラメータの体積分率重量係数を使用して計算されうることが分かる。重合体材料のヒルデブラント溶解度パラメータのサイズはBarton pp 446〜448に記載されているように,重合体の重量平均分子量に多少左右されると知られている。したがって,望ましい溶媒化または分散特性を得るためには,与えられた重合体またはその一部分に対して望ましい分子量範囲がある。同様に,混合物に対するヒルデブラント溶解度パラメータは,混合物の各成分に対するそれぞれのヒルデブラント溶解度パラメータに対する体積分率重量係数を使用して計算されうる。
また,ポリマーハンドブック(Polymer Handbook,3rd Ed.,J.Brandrup & E.H.Immergut,Eds.John Wiley,NewYork,(1989))のVII/525ページの表2.2に列挙されたスモールグループ寄与値を利用して,スモールが開発したグループ寄与法を利用して(Small,P.A.,J.Appl.Chem.,3,71(1953))得たモノマー及び溶媒の計算された溶解度パラメータによって本発明を定義した。本発明者は,他の実験方法で得た溶解度パラメータ値を使用することによって招来される恐れのある曖昧さを避けるために,本発明の定義に前記方法を使用した。また,スモールグループ寄与値は,蒸発エンタルピを測定して得るデータと一致する溶解度パラメータを得させるので,ヒルデブラント溶解度パラメータを定義する表現と完全に一致する。重合体の蒸発熱を測定することが実用的ではないので,モノマーに代替することが合理的である。
説明のために,表1は,電子写真用トナーに使われた幾つかの通常的な溶媒に対するヒルデブラント溶解度パラメータと,オルガノゾルの合成に使われる幾つかの通常的なモノマーに対するヒルデブラント溶解度パラメータ及びガラス転移温度(高分子量ホモポリマー基準)を列挙する。
Figure 2005025194
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前記液体キャリアは,実質的に非水性溶媒または溶媒混合物である。言い換えれば,液体キャリアの単に少量成分(一般的に,25重量%未満)だけが水を含む。望ましくは,前記実質的に非水性である液体キャリアは20重量%未満,さらに望ましくは10重量%未満,さらに望ましくは3重量%未満,最も望ましくは1重量%未満の水を含む。
前記実質的に非水性であるキャリア液体は,当該技術分野で公知の多様な材料,またはこれらの組み合わせから選択されうるが,30ml未満のカウリブタノールナンバーを有することが望ましい。前記液体は,望ましくは親油性であり,多様な条件下で化学的に安定的で,電気絶縁性である。電気絶縁性は,誘電定数が低く,電気的な比抵抗が大きい分散剤液体を意味する。望ましくは,前記液体分散剤は誘電定数が5未満,さらに望ましくは3未満である。キャリア液体の電気的な比抵抗は,通常的に10 Ωcmより大きく,さらに望ましくは1010 Ωcmより大きい。また,液体キャリアは,トナー粒子の配合に使われる成分に対してほとんどの具現例で化学的に非活性である。
適当な液体キャリアの例としては,脂肪族炭化水素類(n−ペンタン,へキサン,へプタンなど),環状脂肪族炭化水素類(シクロペンタン,シクロヘキサンなど),芳香族炭化水素類(ベンゼン,トルエン,キシレンなど),ハロゲン化炭化水素溶媒(塩素化アルカン,フルオロ化アルカン,クロロフルオロカーボンなど),シリコンオイル及びこれら溶媒の混合物を含む。望ましいキャリア液体は,IsoparTMG,IsoparTMH,IsoparTMK,IsoparTML,IsoparTMM及びIsoparTMV(米国ニュージャージ所在,Exxon Corporationから購入可能)のような分枝型パラフィン系溶媒混合物を含み,最も望ましいキャリアはNorparTM12,NorparTM13及びNorparTM15(米国ニュージャージ所在,Exxon Corporationから購入)のような脂肪族炭化水素溶媒のブレンドである。特に望ましいキャリア液体は,約13〜約15MPa1/2のヒルデブラント溶解度パラメータを有する。
本発明のトナー組成物の液体キャリアは,望ましくは両親媒性共重合体の製造に使われた溶媒と同じ液体である。一方,重合反応は,任意の適した溶媒中で行われ,前記トナー組成物に望ましい液体キャリアを提供するように溶媒を代替できる。
本発明で使われたように,“共重合体”という用語は,オリゴマー材料及び重合体材料を何れも含み,2以上のモノマーを含む重合体を含む。本発明で使われたように“モノマー”という用語は,一つ以上の重合可能な基を有する,比較的低分子量の材料(すなわち,一般的に約500 ダルトン未満の分子量を有する)を意味する。“オリゴマー”とは2以上のモノマーを含み,一般的に約500〜約10,000 ダルトンの分子量を有する比較的中間サイズの分子を意味する。“重合体”とは2以上のモノマー,オリゴマー及び/または重合体成分よりなる下位構造を含み,一般的に約10,000 ダルトンより多い分子量を有する比較的大きい材料を意味する。
“マクロマー”または“マクロモノマー”という用語は,末端に重合可能な部分を有するオリゴマーまたは重合体を意味する。“重合可能で結晶化可能な化合物”または“PCC(Polymerizable Crystallizable Compound)”は,少なくとも共重合体の一部が再生可能でよく定義された温度範囲で可逆的に結晶化されうる共重合体を製造するために重合されうる(例えば,共重合体が時差走査熱量計で測定した時,融点及び氷点を表す)化合物を意味する。PCCは重合を行って共重合体を形成できるモノマー,機能性オリゴマー,機能性プレポリマー,マクロマーまたはその他の化合物を含む。本明細書で使われた“分子量”という用語は,別に表現しなければ重量平均分子量を意味する。
本発明の両親媒性共重合体の重量平均分子量は,広い範囲にわたって変化し,画像形成性能に影響を与えることもある。共重合体の多分散性も生成されたトナー組成物の画像形成性能及び転写性能に影響を及ぼすこともある。両親媒性共重合体の分子量を測定し難いので,その代りに分散された共重合体(オルガノゾル)の粒子サイズを生成されたトナー組成物の画像形成性能及び転写性能に連貫させうる。一般的に,レーザ回折粒子サイズ測定法で測定された分散されたグラフト共重合体粒子の体積平均粒径(D)は0.1〜100ミクロン,望ましくは0.5〜50ミクロン,さらに望ましくは1.0〜20ミクロン,最も望ましくは2〜10ミクロンでなければならない。
また,前記グラフト共重合体の溶媒化性または溶解性S部分の分子量と,生成されたトナーの画像形成及び転写性能間には相互関係が存在する。一般的に,前記共重合体のS部分は,重量平均分子量が1000〜約1,000,000ダルトン,望ましくは5000〜500,000ダルトン,さらに望ましくは50,000〜400,000ダルトンである。また,前記共重合体のS部分の多分散性(数平均分子量に対する重量平均分子量の比)は15未満,さらに望ましくは5未満,最も望ましくは2.5未満に維持することが望ましい。本発明の明確な利点は,このようなS部分の多分散性の低い共重合体粒子は,本発明に記載された実施方法,特に共重合体が液体キャリアでインサイチュ形成される具現例によって容易に製造されるという点である。
共重合体でS及びD部分の相対的な量は,これら部分の溶媒化特性及び分散性に影響を与えられる。例えば,S部分が過度に少なければ,共重合体は安定化効果が過度に小さくて必要によって凝集に対してオルガノゾルを立体的に安定化させられない。D部分が過度に少なければ,この少量のD材料が液体キャリアに過度に可溶性であるので,液体キャリアで明らかで分散された相を形成するための駆動力が不充分でありうる。溶媒化されて分散された相の存在は,粒子の成分を分離された粒子間で,特に均一にインサイチュ自己集合させる。このような関係に均衡を合せるために,D材料対S材料の望ましい重量比は1:1〜20:1,さらに望ましくは2:1〜15:1,最も望ましくは4:1〜10:1である。
ガラス転移温度(T)とは,(共)重合体またはその一部分が硬質のガラス質材料からゴム相または粘性材料に変化する温度を意味し,(共)重合体の加熱によって自由体積が極的に増加することに当たる。Tは高分子量のホモポリマー(例えば,表1参照)に対する既知のT値と,以下のフォクス方程式を利用して(共)重合体またはその一部分に対して計算できる。
(数1)1/T=w/Tg1+w/Tg2+・・・+w/Tgi
前記式で各wはモノマー“n”の重量分率であり,各TgnはWicks,A.W.,F.N.Jones & S.P.Pappas,Organic Coatings 1,John Wiley,NY,pp 54−55(1992)に記載されたように,モノマー“n”の高分子量ホモポリマーの絶対ガラス転移温度(K)である。
本発明の実施において,前記共重合体のTは全体的に,例えば時差走査熱量計を使用して実験的に測定できるが,共重合体のDまたはS部分のT値は前記フォクス方程式を利用して測定した。S及びD部分のTは広い範囲にわたって変化でき,得られた湿式トナー粒子の生産性及び/または性能を向上させるために独立的に選択されうる。S及びD部分のTは,前記部分を構成するモノマーのタイプに大きく左右される。したがって,さらに高いTを有する共重合体材料を提供するために,モノマーが使われる共重合体部分(DまたはS)のタイプに対して適当な溶解度特性を有する一つ以上のさらに高いTのモノマーを選択できる。一方,さらに低いTを有する共重合体材料を提供するために,モノマーが使われる共重合体部分のタイプに対して適当な溶解度特性を有する一つ以上のさらに低いTのモノマーを選択できる。
前述したように,バインダーのガラス転移温度の選択は,フィルム形成が起こる条件及びトナーによって形成された画像の最終特性に影響を及ぼすことができる。また,キャリア液体の選択は,フィルム形成及びトナーで形成された画像の最終生成物の特性に影響を及ぼす。したがって,高いTを有するバインダーであっても特定バインダー組成物を強く溶媒化させうるキャリア液体を選択することによって特定条件下ではさらに低い有効Tを表せる。このように,バインダーの有効Tが使用条件下では理論的なTより高くなるようにキャリア液体を選択することによって,低いTを有するバインダーが合体(すなわち,フィルム形成)されないこともある。また,多様なモノマー成分を選択すれば,バインダー成分間の化学的または立体的な相互作用によって,画像形成時に感光体の上部及び最終受容体層の上部で観察されるバインダーの挙動を変化させうる。例えば,後述するように,理論的には低いTを有するバインダーが高い“活性化”温度を有する結晶性モイエティを有する場合,理論的なT以上の温度の特定条件下ではフィルムを形成できないが,適当な加工条件下では優秀なフィルムを形成できる。
湿式トナー分野に有用な共重合体において,共重合体のTは,望ましくは過度に低くてはならないが,それともトナーにプリントされる受容体が過度にブロッキングされることもあるためである。一方,トナー粒子が最終画像受容体に付着するのに十分であるように前記トナー粒子を軟化または溶融させるのに必要な最小定着温度は,共重合体のTが高くなるほど高くなる。したがって,共重合体のTはブロッキングが発生しないようにプリントされる受容体の予想最大保存温度より非常に高くなければならないが,最終画像受容体が損傷される温度,例えば最終画像受容体として使われる紙の自然発火温度に近接した定着温度を必要とするほど高くてもならない。このような観点で,PCCを共重合体に統合させることによって,一般的にさらに低いTの共重合体を使用させ,したがって,PCCの溶融温度未満の保存温度で画像ブロッキングの危険なしに定着温度をさらに低められる。したがって,前記共重合体は,望ましくは25〜100℃,さらに望ましくは30〜80℃,最も望ましくは40〜70℃のTを有する。
D部分が共重合体の主要部分を形成する共重合体において,D部分のTは,全体的に共重合体のTを支配する。湿式トナー分野に有用な共重合体の場合,D部分のTが30〜105℃,望ましくは40〜95℃,さらに望ましくは45〜85℃,最も望ましくは50〜65℃である。S部分は,一般的にD部分よりさらに低いTを表し,したがって,溶媒化できるS部分のTの低下効果を相殺させるためにさらに高いTを有するD部分が望ましい。このような観点で,PCCを共重合体のD部分に含めることによって,一般的にさらに低いTを有するD部分を使用でき,したがって,PCCの溶融温度未満の保存温度で画像ブロッキングの危険なしに定着温度をさらに低められる。感光体の画像形成条件下でフィルムを形成しない粒子は,D材料が望ましくは約55℃以上,さらに望ましくは約65℃以上のTを有するようにD部分成分を選択することによって容易に製造される。
S部分材料でのブロッキングは,望ましい共重合体が過半数のD部分材料を含むかぎり重要な争点ではない。したがって,D部分材料のTは,全体的に共重合体の有効Tを支配する。しかし,S部分のTが過度に低ければ,粒子が凝集する傾向がありうる。一方,Tが過度に高ければ,必要な定着温度が過度に高いこともある。このような関係の均衡を合せるために,S部分材料は,少なくとも0℃,望ましくは少なくとも20℃,さらに望ましくは少なくとも40℃のTを有するように設計されることが望ましい。このような観点で,共重合体のS部分にPCCを統合させることによって,一般的にさらに低いTのS部分を使用できる。
本発明の望ましい共重合体は,自由ラジカル重合可能な組成物及び/またはこれにから硬化された組成物が一つ以上の望ましい性能特性を充足させるように一つ以上の光硬化性モノマーまたはこれらの組み合わせで製造されうる。例えば,硬度及び耐摩耗性を増進させるために,一つ以上の自由ラジカル重合可能なモノマー(以下,“高いT成分”という)を含められ,これらの存在によって重合された材料または前記材料の部分は,前記高いTがないことを除いては,同じ材料に比べて高いガラス転移温度Tを有する。高いT成分の望ましいモノマー構成要素は,一般的にそのホモポリマーが硬化された状態で約50℃以上,望ましくは約60℃以上,さらに望ましくは約75℃以上のTを有するモノマーを含む。
高いTモノマーを共重合体のD材料部分に合体させる場合の利点は,本出願と共同係留中であり,“Organosol including high Tamphipathic copolymeric binder and liquid tonors for electrophotographic applications(高T両親媒性共重合体バインダーを含むオルガノゾル及び電子写真形成用の湿式トナー)”という表題を有し,Julie Y.Qianらが発明者である,本出願人の米国特許仮出願60/425,466にさらに詳細に記載されており,前記特許出願は全体として引用されて本発明に統合されている。
高T成分に統合させるのに適する比較的高いT特性を有する光硬化性モノマーの例示的な系列としては,一般的に少なくとも一つの光硬化性(メタ)アクリレートモイエティと少なくとも一つの非芳香族,脂環族及び/または非芳香族ヘテロ環状モイエティとを含む。イソボニル(メタ)アクリレートは,このようなモノマーのうち具体的な一例である。例えば,イソボニルアクリレートから形成された硬化されたホモポリマーフィルムは,Tが110℃である。前記モノマーその自体は分子量が222g/moleであり,室温で透明な液体として存在し,粘度が25℃で9centipoiseであり,表面張力が25℃で31.7dyne/cmである。また,1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレートは,高T特性を有するモノマーのさらに他の例である。
両親媒性共重合体のD部分に使われる特に望ましいモノマーは,トリメチルサイクロへキシルメタクリレート,エチルメタクリレート,エチルアクリレート,イソボニル(メタ)アクリレート,1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート,メチルメタクリレートを含む。両親媒性共重合体のS部分に使われる特に望ましいモノマーは,ラウリルメタクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,ジメチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネート,トリメチルサイクロへキシルメタクリレート及びエチルへキシルメタクリレートを含む。
両親媒性共重合体は,約55℃より高いT(さらに望ましくは,約80℃より高い)を有する高いTの可溶性モノマーを選択的に有しうる。本発明の前記態様のうち“可溶性”という用語は,高いTの可溶性モノマーと液体キャリア間のヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差が約2.2MPa1/2未満である場合を意味する。
共重合体に高いTの可溶性モノマーを合体させる場合の利点は,本発明と共同係留中であり,“Organosol including amphipathic copolymeric binder made with soluble high Tmonomer and liquid tonors for electrophotographic applications(高いTの可溶性モノマーで製造された両親媒性共重合体バインダーを含むオルガノゾル及び電子写真形成用の湿式トナー)”という表題を有し,Julie Y.Qianらが発明者である,本出願人の米国特許出願10/612,533にさらに詳細に記載されており,前記特許出願は全体として引用されて本発明に統合されている。
トリメチルサイクロへキシルメタアクリレート(TCHMA)は,本発明を実施するのに有用な高Tモノマーの一例である。TCHMAはTが125℃であり,親油性溶媒に可溶性である。したがって,TCHMAはS材料に容易に含まれる。しかし,D材料の不溶性を過度に損傷させないように制限された量として使用されれば,少しのTCHMAはD材料にも含まれうる。
前述したように,可溶性高Tモノマーは約20℃以上のTを有するように選択され,前記可溶性高Tモノマーと液体キャリア間のヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差は約3MPa1/2未満である。特に可溶性高Tモノマーは,約40℃以上,さらに望ましくは約60℃以上,最も望ましくは約100℃以上のTを有する。最も望ましくは,可溶性高Tモノマーと液体キャリア間のヒルデブラント溶解度パラメータの絶対差が約2.2MPa1/2未満である。望ましくは,可溶性高Tモノマーは両親媒性共重合体の約5〜30重量%の濃度で存在する。
多様な一つ以上の相異なるモノマー,オリゴマー及び/または重合体材料が独立的にS及びD部分に必要の通りに含まれうる。適当な材料の代表的な例としては,自由ラジカル重合された材料(幾つかの具現例では,ビニル共重合体または(メタ)アクリル共重合体とも言及される),ポリウレタン類,ポリエステル類,エポキシ類,ポリアミド類,ポリイミド類,ポリシロキサン類,フルオロポリマー類,ポリスルホン類,これらの組み合わせを含む。望ましいS及びD部分は,自由ラジカル重合性材料から誘導される。本発明の実施において,“自由ラジカル重合性”材料とは,自由ラジカルメカニズムを通じて重合反応に参加するモノマー,オリゴマーまたは重合体バックボーン(実情によって)に直接または間接的に結合された側鎖作用基を有するモノマー,オリゴマーまたは重合体を意味する。このような作用基の代表的な例は,(メタ)アクリレート基,オレフィン系炭素−炭素二重結合,アリルオキシ基,α−メチルスチレン基,(メタ)アクリルアミド基,シアネートエステル基,ビニルエーテル基,これらの組み合わせを含む。“(メタ)アクリル”とは,本発明に記載されたようにアクリル及び/またはメタクリルを含む。
自由ラジカル重合性モノマー,オリゴマー及び/または重合体は,色々な相異なるタイプが商業的に入手され,一つ以上の所望の性能を提供することを助けられる色々所望の特性を有するものを選択できるので,前記共重合体を形成するのに有利に使われる。本発明の実施に適する自由ラジカル重合性モノマー,オリゴマー及び/または重合体は,一つ以上の自由ラジカル重合性部分を含みうる。
単一作用基の自由ラジカル重合性モノマーの代表的な例は,スチレン,α−メチルスチレン,置換されたスチレン類,ビニルエステル,ビニルエーテル,N−ビニル−2−ピロリドン,(メタ)アクリルアミド,ビニルナフタレン,アルキル化されたビニルナフタレン類,アルコキシビニルナフタレン類,N−置換(メタ)アクリルアミド,オクチル(メタ)アクリレート,ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート,N−ビニルピロリドン,イソノニル(メタ)アクリレート,イソボニル(メタ)アクリレート,2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート,2−エチルへキシル(メタ)アクリレート,ベータ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート,イソブチル(メタ)アクリレート,サイクロ脂肪族エポキシド類,α−エポキシド,2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリロニトリル,マレイン酸無水物,イタコン酸,イソデシル(メタ)アクリレート,ラウリル(ドデシル)(メタ)アクリレート,ステアリル(オクタデシル)(メタ)アクリレート,べへニル(メタ)アクリレート,n−ブチル(メタ)アクリレート,メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,へキシル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリル酸,N−ビニルカプロラクタム,ステアリル(メタ)アクリレート,ヒドロキシ作用基を有するカプロラクトンエステル(メタ)アクリレート,イソオクチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート,ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート,テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート,イソボニル(メタ)アクリレート,グリシジル(メタ)アクリレートビニルアセテート及びこれらの組み合わせを含む。
改善された耐久性及び視覚改善添加剤,例えば着色剤粒子との向上した常用性を含む色々な理由で,ニトリル作用基は共重合体に有利に統合されうる。側鎖ニトリル基を有する共重合体を提供するために,一つ以上のニトリル作用基を有するモノマーを使用できる。このようなモノマーの代表的な例は,(メタ)アクリロニトリル,β−シアノエチル−(メタ)アクリレート,2−シアノエトキシエチル(メタ)アクリレート,p−シアノスチレン,p−(シアノメチル)スチレン,N−ビニルピロリドンを含む。
また,他の作用基も最終受容体上の画像形成後,共重合体が架橋結合されうるように共重合体に含まれうる。このような架橋結合性作用基を共重合体内に合体させる場合の利点は,2003年1月3日付に出願され,“Organosol liquid tonor including amphipathic copolymeric binder having crosslinkable functionality(架橋結合性作用基を有する両親媒性共重合体バインダーを含むオルガノゾル湿式トナー”という表題を有し,James A.Bakerらが発明者である米国特許出願60/437,881号に詳細に記載されており,前記米国出願の内容は全体として引用されて本発明に統合されている。
特定の望ましい具現例で,重合可能で結晶化可能な化合物,例えば結晶性モノマーは共重合体に化学的に統合される。“結晶化可能なモノマー”という用語は,前記モノマーのホモポリマー類似体が室温以上の温度(例えば,22℃)で独立的にかつ可逆的に結晶化できるモノマーを意味する。“化学的結合”という用語は,重合可能で結晶化可能な化合物と一つ以上の他の共重合体構成要素間の共有結合または他の化学的連結を意味する。PCCを共重合体に合体させる場合の利点は,本発明と共同係留中であり,“Organosol liquid tonor including amphipathic copolymeric binder having crystalline component(結晶性成分を有する両親媒性共重合体バインダーを含むオルガノゾル湿式トナー)という表題を有し,Julie Y.Qianらが発明者である米国特許出願10/612,534に記載されており,前記米国出願の内容は全体として引用されて本発明に統合されている。
このような具現例で,生成されたトナー粒子は,プリントされた受容体間の改善された耐ブロッキング性と定着時の減少したオフセットとを表せる。もし使用されれば,一つ以上のこれら結晶性モノマーは,S及び/またはD物質に含まれうるが,望ましくは共重合体のD材料に統合されうる。適当な結晶性モノマーは,アルキル鎖の炭素数が13を超えるアルキル(メタ)アクリレート(例えば,テトラデシル(メタ)アクリレート,ペンタデシル(メタ)アクリレート,ヘキサデシル(メタ)アクリレート,へプタデシル(メタ)アクリレート,オクタデシル(メタ)アクリレートなど)を含む。そのホモポリマーの融点が22℃を超える他の適当な結晶性モノマーは,アリルアクリレートとメタクリレート,高分子量のαオレフィン類,直線型または分枝型長鎖アルキルビニルエーテル類またはビニルエステル類,長鎖アルキルイソシアネート類,不飽和長鎖ポリエステル類,ポリシロキサン類及びポリシラン類,融点が22℃を超える重合性天然ワックス,融点が22℃を超える重合性合成ワックス,及び当業者に公知の他の類似したタイプの材料を含む。本発明に記載されるように,共重合体に結晶性モノマーを含有させれば,生成された湿式トナー組成物に卓越な利点を提供する。
室温より高い温度であるが,前記結晶性モノマーまたは他の重合可能で結晶化可能な化合物を含む重合体部分の結晶化温度未満である温度では,耐ブロッキング性が観察されうるということを当業者は理解する。改善された耐ブロッキング性は,結晶型モノマーまたはPCCがS物質の主成分である場合,望ましくは共重合体内に合体されたS物質部の45%以上,さらに望ましくは75%以上,最も望ましくは90%以上である場合に観察される。
多い結晶性モノマーがオルガノゾルのうち液体キャリア材料として頻繁に使われる親油性溶媒に溶解される傾向がある。したがって,結晶性モノマーは,所望の溶解度特性を損傷させずにS材料に比較的容易に統合される。しかし,このような結晶性材料が過度に多くD材料に統合される場合,得られたD材料はオルガノゾルに過度に溶解性でありうる。しかし,D材料のうち可溶性,結晶性モノマーの量が制限されるかぎり,ある程度の結晶性材料は所望の不溶性を過度に損傷させずにD材料に有利に統合されうる。したがって,D材料内に存在する場合,前記結晶性材料は共重合体に統合される総D材料を基準として,望ましくは約30%以下の量,さらに望ましくは約20%以下の量,最も望ましくは約5〜10%以下の量で提供されることが望ましい。
結晶性モノマーまたはPCCがS材料に化学的に統合される場合,PCCと共に使用されうる適当な共重合可能な化合物は,2−エチルへキシルアクリレート,2−エチルへキシル(メタクリレート),ラウリルアクリレート,ラウリルメタクリレート,オクタデシルアクリレート,オクタデシル(メタクリレート),イソボニルアクリレート,イソボニル(メタクリレート),ヒドロキシエチル(メタクリレート),その他のアクリレート類及びメタクリレート類のようなモノマー(他のPCCを含む)を含む。
本発明に使用するのに適する自由ラジカル反応性オリゴマー及び/または重合体材料は,(メタ)アクリル化ウレタン類(すなわち,ウレタン(メタ)アクリレート類),(メタ)アクリル化エポキシ類(すなわち,エポキシ(メタ)アクリレート),(メタ)アクリル化ポリエステル類(すなわち,ポリエステル(メタ)アクリレート),(メタ)アクリル化(メタ)アクリル類,(メタ)アクリル化シリコン類,(メタ)アクリル化ポリエーテル類(すなわち,ポリエーテル(メタ)アクリレート類),ビニル(メタ)アクリレート類及び(メタ)アクリル化オイルを含むが,これに制限されるものではない。
両親媒性共重合体に添加される架橋結合性重合可能な化合物は,2つの作用基を有する。架橋結合性重合可能な化合物は,全ての反応基が同じ化学的モイエティを含むか(“対称架橋結合性重合体化合物”),あるいは一つ以上の反応基が残りの他の反応基と異なるか,または区別される(“非対称架橋結合性重合体化合物”)。
望ましくは,架橋結合性重合可能な化合物は対称であり,これは架橋結合反応を単一段階,一般的に両親媒性共重合体を形成する重合段階に当たる単一段階で起こらせる。望ましくは,前記架橋結合反応は自由ラジカル重合を通じて起こるが,他の架橋結合反応も使用されうる。適当な非ラジカル架橋結合反応の非制限的な例としては,イソシアネートがヒドロキシル基と反応してポリウレタン連結を形成する反応,イソシアネートがアミノ基と反応してポリウレアを形成する反応,及びグリシジルメタクリレートとアクリル酸基とが反応してエポキシド連結を形成する反応を含む。
非対称架橋結合性化合物の一つの作用性モイエティがS材料部分を形成するための重合反応中に可溶性バックボーン,またはD材料部分を形成するための重合反応中に非可溶性バックボーンに共有結合される工程で非対称架橋結合性重合可能な化合物を使用することが望ましい。同時にまたは連続して非対称架橋結合性化合物の第2反応性作用モイエティは,架橋結合化合物を両親媒性共重合体に共有結合させるのに使われるものとは区別される反応メカニズムを使用して両親媒性共重合体分子間に共有結合される。最終的な効果は,両親媒性共重合体分子間に分子間架橋結合(共有結合)を形成することである。
適当な2作用性対称モノマーとしては,ジビニルベンゼン,1,3−ブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,3−ブタンジオールジメタクリレート,ジエチレングリコールジアクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート,エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA),1,6−へキサンジオールジアクリレート,1,6−へキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,トリプロピレングリコールジアクリレート,トリプロピレングリコールジメタクリレート,亜鉛ジアクリレート,亜鉛ジメタクリレート及び1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI)を挙げられる。
適当な2作用性非対称モノマーとしては,t−ブチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート,2−ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート,2−ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド,ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート,2,3−エポキシプロピルメタクリレート(グリシジルメタクリレート),4−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,シンナミルアルコール,アリルメルカプタン,メタリルアミン,2−アルケニル−4,4−ジアルキルアズラクトンを含むアズラクトン,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,メタ−イソプロぺニルジメチルベンジルイソシアネート(TMI),イソシアナトエチルメタクリレート(IEM),トリメチルシリルメタクリレート,(トリメチルシリルメチル)メタクリレート,n−ビニルカプロラクタム,2−ビニルプリジン,4−ビニルプリジン及びN−ビニル−2−ピロリドンを挙げられる。
適当な3作用性対称モノマーとしては,エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート,グリセリルプロポキシトリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA),及びトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを挙げられる。適当な4作用基を有する架橋結合性重合可能な化合物は,ペンタエリトリトールテトラアクリレートである。
両親媒性共重合体の架橋結合は,多作用性自由ラジカルの反応,基伝達重合,環状エーテル,エステル,アミドまたはアセタルの開環重合,エポキシ化ヒドロキシルまたはアミノ鎖伝達剤と末端不飽和端部基の反応,エステル化反応(すなわちグリシジルメタクリレートは,メタクリル酸と3次アミン触媒とによってエステル化反応をする),及び縮合反応(例えば,イソシアネートはアミンと反応してポリウレアを形成し,イソシアネートはヒドロキシル基と反応してポリウレタンを形成する)を含んで任意の数の公知の重合架橋結合反応からなる。
前記したように,組成物はゲル形成に助けになる2以上の反応基を有する多作用性架橋化合物をさらに有しうる。このような多作用性架橋結合化合物の例としては,前述した2作用性及び3作用性化合物を含む。このような化合物は,ゲル化のために必要の通りに架橋結合作用を行うのに利用できれば,いつでもトナー組成物に添加しても良い。望ましくは,架橋化合物は両親媒性重合体が形成された後,オルガノゾルのゲル化以前に組成物に添加される。
架橋結合されたゲルオルガノゾルのゲル化の程度は,両親媒性共重合体に含まれる架橋結合性重合可能な化合物の濃度を調節することによって制御されうる。一般的に,架橋結合性重合可能な化合物の濃度が高いほど架橋結合密度が高くなってさらに強いゲルを形成する。しかし,架橋結合性重合可能なモノマーの濃度が過度に高ければ,両親媒性共重合体が架橋結合されたゲルオルガノゾルへの統合に適していない非常に多い分子量の不溶性重合体に固形化する。望ましくは,架橋結合性重合可能な化合物は,両親媒性共重合体の0.1〜2%w/w,さらに望ましくは0.25〜1.5%w/w,最も望ましくは0.5〜1.0%w/wである。しかし,架橋結合性重合可能な化合物の望ましい濃度範囲は,特定の架橋結合性重合可能な化合物によって多少変わりうる。
本発明の共重合体は制限されていないが,バルク,溶液及び分散重合法を含んで当該技術分野で公知の自由ラジカル重合法で製造されうる。生成された共重合体は,直線型,分枝型,3次元の網状構造,グラフト構造,これらの組み合わせを含んで多様な構造を有しうる。望ましい具現例は,オリゴマーまたは重合体のバックボーンに付着された一つ以上のオリゴマー及び/または重合体アームを含むグラフト共重合体である。グラフト共重合体の具現例で,S部分またはD部分材料は,場合によってアーム及び/またはバックボーンに統合されうる。
当業者に公知の任意の数の反応を使用してグラフト構造を有する自由ラジカル重合された共重合体を製造できる。通常的なグラフティング方法は,多作用性自由ラジカルのランダムグラフティング,モノマーとマクロモノマーとの共重合,環状エーテル,エステル,アミドまたはアセタルの開環重合,エポキシ化,ヒドロキシまたはアミノチェイン伝達剤と不飽和された末端基との反応,エステル化反応(すなわち,グリシジルメタクリレートは,メタクリル酸と3次アミン触媒とによってエステル化される),及び縮重合を含む。
代表的なグラフト共重合体の製造方法は,本発明に引用によって統合された米国特許第6,255,363号と,第6,136,490号と,5,384,226号と,日本公開特許公報平05−119529号に記載されている。代表的なグラフティング方法の例は,本発明に引用によって統合されたDispersion Polymerization in Organic Media,K.E.J.Barrett,ed.,(John Wiley,NewYork,1975)pp.79〜106のセクション3.7及び3.8に記載されている。
グラフティング方法の代表的な例としては,固定基を使用できる。固定基の機能は,共重合体のコア部(D材料)と可溶性シェル成分(S材料)間に共有結合された連結部を提供することである。固定基を含有したモノマーは,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,3−ヒドロキシ−プロピルメタクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,4−ヒドロキシブチルビニルエーテル,9−オクタデセン−1−オル,シンナミルアルコール,アリルメルカプタン,及びメタリルアミンのようなヒドロキシ,アミノまたはメルカプタン基を含有した不飽和親核性化合物及び2−アルケニル−4,4−ジアルキルアズラクトンのようなアルケニルアズラクトンコモノマーの付加体を含む。
前述した望ましい方法は,自由ラジカル反応性固定基を提供するためにヒドロキシ基またはアミン基にエチレン系不飽和イソシアネート(例えば,ジメチル−m−イソプロフェニルベンジルイソシアネート(TMI,CYTEC Industries,West Paterson,NJから購入可能),またはイソシアネートエチルメタクリレート(IEM,Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WIから購入可能)またはエポキシ作用基を付着させてグラフティングを達成する。
本発明のグラフト共重合体を製造する望ましい方法は,生成されたS材料は可溶性であるが,D材料は分散されるか,または不溶性である適当な実質的に非水性である液体キャリアで行われる3つの反応段階を含む。
第一の望ましい段階で,ヒドロキシ作用基を有する自由ラジカル重合されたオリゴマーまたは重合体は,一つ以上のモノマーより製造されるが,ここで少なくとも一つの前記モノマーは側鎖ヒドロキシ作用基を有する。望ましくは,ヒドロキシ作用基を有するモノマーは,前記第1段階のオリゴマーまたは重合体を製造するのに使われるモノマーの約1〜約30重量%,望ましくは約2〜約10重量%,最も望ましくは3〜約5重量%をなす。前記第1段階は,モノマーと生成された重合体とが溶解される実質的に非水性である溶媒で溶液重合を通じて行われることが望ましい。例えば,表1にあるヒルデブラント溶解度データを使用すれば,へプタンのような親油性溶媒を使用する場合,オクタデシルメタクリレート,オクタデシルアクリレート,ラウリルアクリレート及びラウリルメタクリレートのようなモノマーが前記第1反応に適当である。
第2反応段階で,前記可溶性重合体のヒドロキシ基の全部または一部は,エチレン性不飽和脂肪族イソシアネート(例えば,TMIと知られたメタ−イソプロフェニルジメチルベンジルイソシアネートまたはIEMと通常的に知られたイソシアネートエチルメタクリレート)と接触反応してポリウレタンリンケージを通じてオリゴマーまたは重合体に付着される側鎖自由ラジカル重合可能な作用基を形成する。前記反応は,同じ溶媒で行われうるので,第1段階と同じ反応容器で行われうる。生成された二重結合作用基を有する重合体は,一般的に反応溶媒で可溶性であるままにあり,生成された共重合体のS部分の材料を構成するが,これは窮極的に生成された摩擦帯電された粒子の溶媒化部分の少なくとも一部を構成する。
生成された自由ラジカル反応性作用基は,D材料及び選択的に付加的なS材料を重合体に付着させるためのグラフティング位置を提供する。第3段階で,前記グラフティング位置ははじめには溶媒に可溶性であるが,グラフト共重合体の分子量が多くなるにつれて不溶性になる一つ以上の自由ラジカル反応性モノマー,オリゴマー及び/または重合体との反応を通じて前記材料を重合体に共有的にグラフトさせるのに使われる。例えば,表1のヒルデブラント溶解度パラメータを参考すれば,へプタンのような親油性溶媒を使用する時,メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,t−ブチルメタクリレート及びスチレンのようなモノマーが前記第3反応段階に適当である。
第3反応段階の生成物は,一般的に反応溶媒に分散された生成共重合体を含むオルガノゾルであるが,前記反応溶媒は実質的にオルガノゾルに対して非水性液体キャリアを構成する。この段階で共重合体は分散された(例えば,実質的に不溶性であり,相分離された)部分と溶媒化された(例えば,実質的に溶解性である)部分とを有する分離されかつ単分散された粒子であって液体キャリア内に存在する傾向があると見なされる。したがって,前記溶媒化された部分は,液体キャリア中の前記粒子の分散液を立体的に安定化させるのに助けになる。したがって,前記共重合体は,液体キャリアのうちインサイチュで有利に製造されるということが分かる。
次の工程を行う前に,前記共重合体粒子は反応溶媒中に残留されうる。または,前記粒子は前記共重合体が新しい溶媒で溶媒化された相と分散された相とを有するかぎり,任意の適当な方法で同一であるか,または相異なる新しい溶媒に移されることもある。いかなる場合にも,生成されたオルガノゾルは,少なくとも一つの視覚改善添加剤と混合されてトナー粒子に転換される。選択的に,一つ以上の他の所望の成分も視覚改善添加剤粒子と混合する前及び/または後にオルガノゾルに混合されることもある。このように混合する間に,視覚改善添加剤と共重合体とを含む成分は,分散された相部分が一般的に視覚改善添加剤粒子と結合する一方(例えば,粒子表面と物理的及び/または化学的な相互作用を行うことによって)溶媒化された相部分はキャリアでの分散を促進させる構造を有する複合粒子として自己集合されると信じられる。
視覚改善添加剤以外にも他の添加剤が選択的に前記湿式トナー組成物に配合されうる。特に望ましい添加剤は,少なくとも一つの帯電制御剤(CCA,帯電制御添加剤または電荷ディレクター)を含む。電荷ディレクターとも知られた帯電制御剤は,別途の成分に含まれるか,及び/または両親媒性共重合体に統合されたS及び/またはD材料の一つ以上の作用性モイエティに含まれうる。帯電制御剤は,トナー粒子の帯電可能性を向上させるか,及び/またはトナー粒子に電荷を付与する。トナー粒子は粒子材料と帯電制御剤との組み合わせによって(+)または(−)の電荷を得られる。
帯電制御剤は,適当なモノマーを共重合体の形成に使用する他のモノマーと共重合するか,帯電制御剤をトナー粒子と化学的に反応させるか,帯電制御剤をトナー粒子(樹脂または顔料)上に化学的または物理的に吸着させるか,または帯電制御剤をトナー粒子に含まれた作用基にキレーティングするような多様な方法を使用してトナー粒子に含有させうる。望ましい方法は,共重合体のS材料に内在させた作用基によるものである。
帯電制御剤は,選択された極性の電荷をトナー粒子に付与する作用を行う。当該技術分野で記載された多数の帯電制御剤が使用されうる。例えば,帯電制御剤は,多価金属イオン及びカウンターイオンであって有機陰イオンよりなる金属塩の形態を備えうる。適当な金属イオンとしては,Ba(II),Ca(II),Mn(II),Zn(II),Zr(IV),Cu(II),Al(III),Cr(III),Fe(II),Fe(III),Sb(III),Bi(III),Co(II),La(III),Pb(II),Mg(II),Mo(III),Ni(II),Ag(I),Sr(II),Sn(IV),V(V),Y(III),及びTi(IV)を挙げられ,これに制限されるものではない。適当な有機負イオンは,脂肪族または芳香族カルボキシル酸またはスルホン酸,望ましくはステアル酸,べヘン酸,ネオデカン酸,ジイソプロピルサリシル酸,オクタン酸,アビエト酸,ナフテン酸,ラウル酸,タル酸のような脂肪族脂肪酸から誘導されたカルボキシル酸またはスルホン酸を含む。
望ましい(−)帯電制御剤は,レシチンと塩基性バリウムペトロネートとである。望ましい(+)帯電制御剤は,例えば,米国特許第3,411,936号(本発明に引用によって統合される)に記載された金属カルボキシレート(石鹸)を含む。特に望ましい(+)帯電制御剤は,ジルコニウムテトラオクトエート(OMG Chemical Company(Cleveland,OH)からZirconium HEX−CEMで購入可能)である。
与えられたトナー配合に望ましい帯電制御剤のレベルは,S部分とオルガノゾルとの組成,オルガノゾルの分子量,オルガノゾルの粒子サイズ,重合体バインダーのD:S比,トナー組成物の製造に使われる顔料及びオルガノゾル対顔料比を含んで多数の因子に左右される。また,望ましい帯電制御剤のレベルは,画像形成工程の特性に左右される。帯電制御剤のレベルは,当該技術分野で公知のように,本発明に列挙されたパラメータに基づいて調節されうる。帯電制御剤の量は,トナー固形分100重量部を基準として一般的に0.01〜10重量部,望ましくは0.1〜5重量部である。
湿式トナー組成物の伝導度は,電子写真記録画像の現像時にトナーの有効性を表すのに使用されうる。本発明の湿式トナーは,例えば5〜25%,さらに望ましくは8〜15%であって高い固形分放電領域の現像に特に適している。湿式トナー組成物の伝導度は,約1x10−11mho/cm〜3x10−10mho/cm,さらに望ましくは5x10−11mho/cm〜2.5x10−10mho/cmである。高い伝導度は,一般的にトナー粒子上の電荷の非効率的な結合を表し,これは電流密度と現像する間に付着されたトナー間の低い関連性から分かる。低い伝導度は,トナー粒子がほとんどまたは全く帯電されなかったことを表し,非常に低い現像速度をもたらす。トナー粒子上の吸着部位にマッチングされる帯電制御剤を使用することは十分な電荷が各トナー粒子と結合するように保障するための通常的な実務である。
他の添加剤も従来の実務によってトナー組成物の配合に添加されうる。このようなものは,一つ以上のUV安定化剤,防黴剤,殺細菌剤,殺真菌剤,帯電防止剤,光沢改質剤,他の重合体またはオリゴマー材料,酸化防止剤を含む。
生成された帯電されたトナー粒子の粒子サイズは,このような粒子を含むトナー組成物の画像形成,定着,解像度及び転写特性に影響を与えることもある。望ましくは,前記トナー粒子の体積平均粒径(レーザ回折法で測定)は,約0.05〜約50.0ミクロン,さらに望ましくは約1.5〜約10ミクロン,最も望ましくは約3〜約5ミクロンである。
本発明のゲルオルガノゾルは,液体含浸現像時に優秀な画像形成特性を表す電子写真法に使われる湿式トナーの製造に使われる。例えば,ゲルオルガノゾル湿式トナーは,低いバルク導電性,低い自由相導電性,低い電荷/質量,高い移動度及び高度な光学密度を備えた高解像度のバックグラウンドのない画像の製造に望ましい全ての特性を表す。特に,低いバルク導電性,低い遊離相導電性及び低いトナーの電荷/質量によって多様な固形分の濃度にわたって高度な現像光学密度を達成できて,従来トナーに比べて向上した印刷性能を有する。
本発明によって製造されたカラー湿式トナーは,現像時に選択された波長(望ましくは700nm以上,さらに望ましくは780nm以上である)の入射光線を透過させる実質的に透明なフィルムを形成して,光導電体層を放電させ,非合体凝集されていない粒子は前記入射光線の一部を散乱させる。したがって,非合体トナー粒子は,感光体の感度を低下させた後に露光させるので,画像のオーバープリンティングを防止する。これはまた,赤外線レーザスキャニング装置を利用して潜像を形成させる。
トナー粒子または感光要素の静電荷は(+)または(−)でありうるが,本発明に使われた電子写真法は,望ましくは正帯電された感光要素上の電荷を消散させて行われる。次いで,正帯電されたトナーは,湿式トナー現像法を使用して前記(+)電荷が消散された領域に加えられる。
感光要素から画像を受容する支持体は,紙,コーティングされた紙,重合体フィルム及びプライミングされたまたはコーティングされた重合体フィルムのような通常的に使われる受容体材料でありうる。重合体フィルムは,ポリエステルとコーティングされたポリエステル,ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン,可塑化及びコンパウンディングされたポリビニルクロライド(PVC),アクリル類,ポリウレタン類,ポリエチレン/アクリル酸共重合体,及びポリビニルブチラルを含む。重合体フィルムは,コーティングされるか,またはプライミングされてトナー付着を促進させうる。
電子写真形成工程において,トナー組成物は,望ましくは約1〜30%,さらに望ましくは3〜25%,最も望ましくは5〜20%の固形分含量を有する。静電工程において,トナー組成物は,望ましくは3〜15%の固形分含量を有する。
特に望ましい本発明の態様において,約20〜40%のトナー固形分含量を有するトナー組成物が提供される。前記組成物は,特に画像転写させる静電気力を含むシステムによって,画像転写段階のうちまたはその前にはフィルムを形成せずに光導電性表面から他の表面に画像を転写させる静電気的な画像転写工程に適している。このようなシステムは,例えば,米国特許出願第2002/0110390号及び第2003/0044202号に記載されており,前記特許出願の開示内容は,全体として引用されて本発明に統合されている。
本発明の前記態様及び他の態様は,下記実施例で説明される。
(実施例)
(テスト方法及び装置)
下記実施例で,共重合体溶液,オルガノゾル及びインク分散液の固形分百分率は,精密分析秤(Mettler Instruments,Inc.,Highstown,N.J.)に付着されたハロゲンランプ乾燥オーブンを使用してハロゲンランプ乾燥法で重量法によって測定した。前記サンプル乾燥法を使用して固形分百分率を各々測定するのに約2グラムのサンプルを使用した。
本発明の実施において,分子量は重量平均分子量で通常的に表現される一方,分子量の多分散性は,重量平均分子量対数平均分子量の比で与えられる。分子量パラメータは,キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用してゲル透過クロマトグラフィ(GPC)で測定した。絶対重量平均分子量は,Dawn DSP−F光散乱検出器(Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,Calif.)を使用して測定した一方,多分散性は重量平均分子量をOptilab 903時差屈折率検出器(Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,Calif.)で測定した数平均分子量値に対する比で評価した。
オルガノゾル及びトナー粒径の分布は,Horiba LA−900レーザ回折粒子サイズ分析器(Horiba Instrumetns,Inc.,Irvine,Calif.)を使用してレーザ回折光散乱法で測定した。サンプルを約1/500体積で希釈し,測定前に150watt及び20kHzで1分間超音波処理した。粒子サイズは,基本(1次)粒子サイズ及び凝集物または集合物の存在に対する表示をするために数平均直径(D)と体積平均直径(Dv)とで表現された。
湿式トナー伝導度(バルク伝導度,k)は,Scientifica Model627伝導度計(Scientifica Instruments,Inc.,Princeton,N.J.)を使用して約18Hzで測定した。また,トナー粒子がない状態で自由(液体分散された)相伝導度(k)も測定した。トナー粒子は,Jouan MR 1822遠心分離機(Winchester,VA)で6000rpm(6,100相対遠心力)で1〜2時間5℃で遠心分離して液体媒質から除去した。次いで,上澄み液を気をつけて注ぎ出し,前記液体の伝導度をScientifica Model 627伝導度計を使用して測定した。バルクトナー伝導度に対する自由相伝導度の百分率を100%(k/k)で測定した。
トナー粒子電気泳動移動度(動的移動度)は,Matec MBS−8000動電気音波振幅分析器(Matec Applied Sciences,Inc.,Hopkinton,MA)を使用して測定した。微細電気泳動に基づいた動電気測定とは違って,MBS−8000装置は移動度値を得るためにトナーサンプルを希釈する必要がないという利点がある。したがって,実際にプリンティングに望ましい固形分濃度でトナー粒子の動的移動度を測定できる。MBS−8000は,高周波(1.2MHz)交流(AC)電場に対する帯電粒子の反応を測定する。高周波AC電場で,帯電トナー粒子と周囲の分散液媒質(カウンターイオンを含む)間の相対的な動きは印加された電場と同じ周波数の超音波を発生させる。1.2MHzで前記超音波の振幅は,圧電石英変換器を使用して測定されうる。この動電気的音波振幅(ESA:Electrokinetic Sonic Amplitude)は,粒子の低電場AC電気泳動移動度に直接比例する。粒子ゼタ電位は,測定された動的移動度と既知のトナー粒子サイズ,液体分散剤の粘度及び液体誘電定数から前記装置によって計算されうる。
質量当り電荷(Q/M)を導電性金属板,インジウム錫酸化物(ITO)でコーティングしたガラス板,高電圧電源,電位計,及びデータを得るためのPCでよりなる装置を使用して測定した。1%のインク溶液を前記導電性板とITOコーティングされたガラス板間に置いた。既知の極性とサイズとの電位をITOコーティングされたガラス板と金属板間に印加し,前記板間と高電圧電源とに連結されたワイヤーを通じて電流を発生させた。電流は20秒間1秒に100回測定し,PCを使用して記録した。印加された電位は,帯電されたトナー粒子が前記帯電されたトナー粒子と反対極性を有する板(電極)側に移動させる。ITOコーティングされたガラス板に印加される電圧の極性を調節することによって,トナー粒子を前記板に移動させうる。
前記ITOコーティングされたガラス板を装置から除去して50℃の温度で約30分間オーブンに置いて付着されたインクを完全に乾燥させた。乾燥させた後,乾燥されたインクフィルムを含有したITOコーティングされたガラス板の重さを測定した。その後,NorparTM12に含浸された布ワイプを利用してITOコーティングされたガラス板からインクを除去し,きれいになったITOガラス板の重さを再び測定した。乾燥されたインクコートされたガラス板ときれいになったガラス板間の質量の差は,20秒間に付着されたインク粒子の質量(m)と見なす。前記電流値を使用してカーブフィッティングプログラム(例えば,System Software Inc.のTable Curve 2D)で電流対時間のプロット下の面積を積分して20秒の付着時間の間にトナー粒子によって運搬される総電荷(Q)を得た。トナー粒子によって運搬される総電荷を乾燥された付着インクの質量で割ることによって質量当り電荷(Q/M)を測定した。
下記実施例で,トナーは下記方法(湿式電子写真プリンティング法で実施例で言及される)を使用して最終画像受容体上にプリントされた。
感光性臨時画像受容体(有機感光体または“OPC”)を約850ボルトで均一に正帯電させた。OPCの正帯電された表面をレーザが表面を露光させる度に電荷を減少させるために,走査赤外線レーザモジュールで画像に沿って照射した。通常的な電荷減少値は50ボルト〜100ボルトであった。
その後,現像装置を使用してトナー粒子をOPCの表面に現像した。現像装置は下記要素を含んでいる。OPCと接触している導電性ゴム現像ロール,湿式トナー,導電性デポジションロール,現像ロールの表面と接触している絶縁性フォームクリーニングロール,及び前記現像ロールと接触している導電性スカイビングブレード(スカイブ)。現像ロールとOPC間の接触領域は“現像ニップ”と言及される。現像ロールとデポジションロールとは何れも部分的に湿式トナーに浮遊させた。現像ロールは液体トナーをOPCの表面に供給する一方,導電性デポジションロールはそのロール軸が現像ロール軸と平行であり,その表面は現像ロールの表面から約150ミクロン離れて配列されてデポジションギャップを形成している。
現像する間,約500ボルトの電圧を導電性現像ロールに印加し,600ボルトの電圧をデポジションロールに印加することによって現像ロールの表面に先にトナーを転写した。これは現像ロールとデポジションロール間に100ボルトの電位を作って付着ギャップでトナー粒子(正帯電される)が現像ロールの表面に移動し,現像ロールの表面が湿式トナーから空気中に出る時,現像ロールの表面に維持させる。
導電性金属スカイブは,少なくとも600ボルト(またはそれ以上)でバイアスされ,デポジションギャップでデポジションされたトナー層を現像ロールの表面から剥がせた。この段階で現像ロールの表面は約25%の固形分を有する均一な厚さのトナー層を含んだ。前記トナー層が現像ニップを通過する時,トナーは現像ロールの表面からOPCの全ての放電領域で(電荷画像)現像ロール表面からOPC表面に転写されるが,これはトナー粒子が正帯電されたためである。現像ニップを離れる時,OPCはトナー画像を含有し,現像ロールは回転するフォームクリーニングロールと合うことによって現像ロールの表面から続けてクリーニングされる負帯電されたトナー画像を含有した。
感光体上の現像された潜像(トナー画像)は,OPC上にトナーのフィルムを形成せずに最終画像受容体に転写され続けた。最終画像受容体に直接転写されるか,または静電気的に補助されたオフセット転写を利用して中間転写ベルト(ITB:Intermedia Tetransfer Belt)に,続けて静電気的に補助されたオフセット転写を利用して最終画像受容体に間接的に最終画像受容体に転写される。軟らかくてクレイでコーティングされた紙が感光体から非フィルム形成トナーを直接転写する最終画像受容体として望ましい一方,コーティングされていない20ポンドの一般ボンド紙が静電気的な補助を利用するオフセット転写のための最終画像受容体として望ましい。
静電気的に補助された非フィルム形成トナーの転写は,転写電位(OPC上のトナーと直接転写のための紙バックアップローラ間の電位差,または,OPC上のトナーとオフセット転写のためのITB間の電位差)がそれぞれ200〜1000V,または800〜2000V範囲に維持される時に最も効果的である。
(材料)
本実施例では下記のような略語を使用した。
LMA:ラウリルメタクリレート
TCHMA:トリメチルサイクロへキシルメタクリレート
BHA:べへニルアクリレート
ODA:オクタデシルアクリレート
EA:エチルアクリレート
EMA:エチルメタクリレート
EHMA:2−エチルへキシルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
PDI:1,4−フェニレンジイソシアネート
TMI:ジメチル−m−イソプロフェニルベンジルイソシアネート
V−601:開始剤,ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート
DBTDL:触媒,ジブチルチンジラウレート
(命名法)
下記実施例で,各共重合体の組成の詳細な組成比は,共重合体の組成に使用されるモノマーの重量百分率比で要約される。グラフティングサイト組成は,場合によって共重合体または共重合体前駆体を構成するモノマーの重量百分率で表現される。例えば,TCHMA/HEMA−TMI(97/3−4.7)と明示されたグラフト安定化剤(共重合体のS部分の前駆体)は,相対的基準で97重量部のTCHMAと3重量部のHEMAとを共重合して作られ,前記ヒドロキシ作用基を有する重合体は4.7重量部のTMIと反応させたということを意味する。
(実施例1−6:“グラフト安定化剤”ともいう共重合体S材料の製造)
(実施例1(比較))
32オンス(0.96リットル)の狭い入口のガラス瓶に475gのNorparTM12,158gのLMA,5.0gの98%のHEMA及び2.44gのV−601を満たした。前記ガラス瓶を乾燥窒素で約1.5リットル/分の流速で1分間パージした後,Teflonライナーを付けたスクリューキャップで密封させた。前記キャップを電気テープを利用して固定した。密封されたガラス瓶を金属ケージアセンブリに入れてAtlas Launder−Ometer(米国,イリノイ州,シカゴ所在,Atlas Electric Devices Company社製)の攪拌アセンブリ上にインストールさせた。Atlas Launder−Ometerを70℃で水湯煎しつつ42 RPMの固定された攪拌速度で作動させた。前記混合物を約16〜18時間反応させ,この時,モノマーから重合体への転換は定量的であった。混合物を90℃で1時間加熱して残留V−601を破壊した後,室温に冷却させた。
ガラス瓶をオープンし,2.5gの95%のDBTDL及び7.6gのTMIを冷却された混合物に添加した。ガラス瓶をTeflonライナーを付けたスクリューキャップで密封させた。前記キャップを電気テープで固定させた。密封された瓶を金属ケージアセンブリに入れてAtlas Launder−Ometerの攪拌アセンブリ上にインストールさせた。Launder−Ometerを70℃で水湯煎しつつ42 RPMの固定された攪拌速度で作動させた。前記混合物を約4〜6時間反応させ,この時,モノマーから重合体への転換は定量的であった。冷却された混合物は粘性を有する透明な溶液であり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分百分率は24.72%であった。次いで,前述したGPC法で測定した分子量は,前記共重合体は2つの独立的な測定に基づいて,131,600 DaのMと2.3のM/Mとを有した。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したLMAとHEMAとの共重合体であり,ここではLMA/HEMA−TMI(97/3−4.7%
w/w)と表記され,非ゲルオルガノゾルの製造に適するものであった。
(実施例2)
コンデンサ,デジタル温度調節器に連結されたサーモカップル,乾燥窒素供給源に連結された窒素注入チューブ及び磁気攪拌器を備えた5000ml容量の3口の丸底フラスコに2556gのNorparTM12,844gのLMA,4.5gのDVB,26.8gの98% HEMA及び13.13gのV−601を満たした。前記混合物を攪拌しつつ,反応フラスコを約2リットル/分の流速で30分間乾燥窒素でパージした。次いで,中空ガラス栓をコンデンサの開放端部に挿入し,窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を70℃で16時間加熱した。転換は定量的であった。
前記混合物を90℃に加熱し,この温度で1時間維持して残留V−601を破壊させた後,再び70℃に冷却させた。次いで,窒素注入チューブを除去し,13.6gの95%のDBTDLを前記混合物に加え,41.1gのTMIを添加した。反応混合物を攪拌しつつ前記TMIを約5分間積加した。窒素注入チューブを元来の位置に置き,コンデンサ内の中空ガラス栓を除去した後,反応フラスコを約2リットル/分の流速で30分間乾燥窒素でパージした。中空ガラス栓をコンデンサの開放端部に再び挿入し,窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を70℃で6時間反応するように放置し,その間に転換は定量的であった。
次いで,前記混合物を室温に冷却させた。冷却された混合物は,透明なゲルであり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分の百分率は24.61%であった。次いで,前述したGPC法を利用して測定したところ,前記共重合体はMが過度に大きくてフィルタを通過できなかった。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したLMA,DVBとHEMAとの共重合体であり,ここではLMA/HEMA/DVB−TMI(96.5/3/0.5−4.7% w/w)と表記され,オルガノゾルの製造に適するものであった。
(実施例3)
実施例1の方法及び装置を利用して,475gのNorparTM12,157gのTCHMA,5gの98%のHEMA,1gのDVB及び2.44gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を90℃で1時間加熱して残留V−601を破壊した後,70℃に再び冷却させた。冷却された混合物に2.5gの95% DBTDL及び7.6gのTMIを添加した。実施例1の過程によって,前記混合物を70℃で約6時間反応させ,この時,反応は定量的であった。前記混合物を室温に冷却させた。前記冷却された混合物は透明な厚いゲルであり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分の百分率は24.28%であった。次いで,前述したGPC法で分子量を測定したところ,前記共重合体はMが過度に大きくてフィルタを通過できなかった。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したTCHMA,DVBとHEMAとの共重合体であり,ここではTCHMA/HEMA/DVB−TMI(96.5/3/0.5−4.7%
w/w)と表記され,オルガノゾルの製造に適するものであった。
(実施例4)
実施例1の方法及び装置を利用して,475gのNorparTM12,157gのTCHMA,5gの98%のHEMA及び1gのEGDMA及び2.44gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。次いで,前記混合物を90℃で1時間加熱して残留V−601を破壊した後,再び70℃に冷却させた。冷却された混合物に2.5gの95%のDBTDL及び7.6gのTMIを添加した。実施例1の過程によって,前記混合物を70℃で約6時間反応させ,この時に反応は定量的であった。次いで,前記混合物を室温に冷却させた。冷却された混合物は透明なゲルであり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
ハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分の百分率は24.96%であった。次いで,前述したGPC法で測定した分子量は,前記共重合体は2つの独立的な測定に基づいて,342,900 DaのMと1.8のM/Mとを有した。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したODA,EGDMAとHEMAとの共重合体であり,ここではODA/HEMA/EGDMA−TMI(96.5/3/0.5−4.7% w/w)と表記され,ゲルオルガノゾルの製造に適するものであった。
(実施例5)
実施例1の方法及び装置を利用して,475gのNorparTM12,156gのTCHMA,5gの98%のHEMA,2gのTMPTMA及び2.44gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を90℃で1時間加熱して残留V−601を破壊した後,再び70℃に冷却させた。冷却された混合物に2.5gの95%のDBTDL及び7.6gのTMIを添加した。実施例1の過程によって,前記混合物を70℃で約6時間反応させ,この時,反応は定量的であった。次いで,前記混合物を室温に冷却させた。前記冷却された混合物は透明なゲルであり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分百分率は24.70%であった。次いで,前述したGPC法で測定した分子量は,前記共重合体は2つの独立的な測定に基づいて,171,000 DaのMと3.5のM/Mとを有する。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したODA,TCHMAとHEMAとの共重合体であり,ここではODA/HEMA/TCHMA−TMI(96/3/1−4.7% w/w)と表記され,ゲルオルガノゾルの製造に適するものであった。
(実施例6)
実施例1の方法及び装置を利用して,476gのNorparTM12,156gのEHMA,5gの98%のHEMA,及び2.44gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を90℃で1時間加熱して残留V−601を破壊した後,再び70℃に冷却させた。冷却された混合物に2.5gの95%のDBTDL,7.6gのTMI及び1.6gのPDIを添加した。実施例1の過程によって,前記混合物を70℃で約6時間反応させ,この時,反応は定量的であった。次いで,前記混合物を室温に冷却させた。前記冷却された混合物は透明なゲルであり,肉眼で観察可能な不溶性物質を含有していない。
前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記液体混合物の固形分百分率は25.19%であった。次いで,前述したGPC法で測定した分子量は,前記共重合体は2つの独立的な測定に基づいて,734,700 DaのMと2.3のM/Mとを有する。生成物はTMIとPDIのランダムな側鎖を含有したEHMAとHEMAとの共重合体であり,ここではEHMA/HEMA−TMI−PDI(97/3−4.7−1.0% w/w)と表記され,ゲルオルガノゾルの製造に適するものであった。
実施例1〜6のグラフト安定化剤の組成は下記表に要約した。
Figure 2005025194
(実施例7−12:オルガノゾルを形成するためのD材料の添加)
(実施例7(比較))
本実施例は,ゲルではないオルガノゾルを製造するために実施例1のグラフト安定化剤を利用した比較例である。8オンス(0.24リットル)の狭い入口のガラス瓶に126gのNorparTM12,14.6gのEMA,1.4gのEA,24.72%の重合体固形分を有する実施例1のグラフト安定化剤混合物8.1g及び0.18gのV−601を満たした。前記ガラス瓶を乾燥窒素で約1.5リットル/分の流速で1分間パージした後,テフロン(登録商標)ライナーを付けたスクリューキャップで密封させた。前記キャップを電気テープを利用して固定した。密封されたガラス瓶を金属ケージアセンブリに入れてAtlas Launder−Ometer(米国,イリノイ州,シカゴ所在,Atlas Electric Devices Company社製)の攪拌アセンブリ上にインストールさせた。Launder−Ometerを70℃で水湯煎しつつ42 RPMの固定された攪拌速度で作動させた。前記混合物を約16〜18時間反応させ,この時,モノマーから重合体への転換は定量的であった。前記混合物を室温に冷却させて,白色の不透明な分散液を得た。
前記オルガノゾルは,LMA/HEMA−TMI//EA/EMA(97/3−4.7//13/87% w/w)と明示した。前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記オルガノゾル分散液の固形分百分率は10.83%であった。次いで,前述したレーザ回折光散乱法を利用して測定した平均粒子サイズは,前記オルガノゾルは体積平均直径は0.25μmであった。
(実施例8)
コンデンサ,デジタル温度調節計に連結されたサーモカップル,乾燥窒素供給源に連結された窒素流入チューブ及び磁気攪拌器が備わった5000mlの3口の丸底のフラスコに2933gのNorparTM12,324.8gのEMA,48.5gのEA,24.61%の重合体固形分の実施例2のグラフト安定化剤混合物189.6g及び4.20gのV−601の混合物で満たした。前記混合物を攪拌しつつ,反応フラスコを約2リットル/分の流速で30分間乾燥窒素でパージした。次いで,中空ガラス栓をコンデンサの開放端部に挿入し,窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を70℃で16時間加熱した。転換は定量的であった。前記混合物を室温に冷却させて重合体のS部分が共有架橋結合された不透明な白色分散物を得た。
約350gのn−へプタンを冷却されたオルガノゾルに添加し,生成された混合物でドライアイス/アセトンコンデンサが備わり,90℃の温度及び約15mmHgの真空で作動する回転蒸発器を使用して残留モノマーをストリッピングした。ストリッピングしたオルガノゾルを室温に冷却させて不透明な白色分散液を得た。
前記オルガノゾルは,LMA/HEMA/DVB−TMI//EA/EMA(96.5/3/0.5−4.7//13/87% w/w)と明示した。前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定したストリッピング後の前記オルガノゾル分散液の固形分百分率は15.71%であった。次いで,前述したレーザ回折分析を利用して測定した平均粒子サイズは,前記オルガノゾルの体積平均直径は0.19μmであった。
(実施例9)
実施例7の方法及び装置を利用して,126gのNorparTM12,13.8gのEMA,2.1gのEA,24.28%の重合体固形分を有する実施例3のグラフト安定化剤混合物8.2g及び0.18gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させて凝集された分散液を得た。前記オルガノゾルは,TCHMA/HEMA/DVBTMI//EA/EMA(96.5/3/0.5−4.7//13/87% w/w)と明示した。
(実施例10)
実施例7の方法及び装置を利用して,126gのNorparTM12,12.4gのEMA,3.5gのEA,24.96%重合体固形分を有する実施例4のグラフト安定化剤混合物8.0g及び0.18gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させて重合体のS部分が共有的に架橋結合された不透明な白色分散液を得た。
前記オルガノゾルは,ODA/HEMA/EGDMA−TMI//EA/EMA(96.5/3/0.5−4.7//22/78% w/w)と明示した。前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記オルガノゾル分散液の固形分百分率は11.62%であった。次いで,前述したレーザ回折分析を利用して測定した平均粒子サイズは,前記オルガノゾルの体積平均直径は0.28μmであった。
(実施例11)
実施例7の方法及び装置を利用して,126gのNorparTM12,12.4gのEMA,3.5gのEA,24.70%の重合体固形分を有する実施例5のグラフト安定化剤混合物8.1g及び0.18gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させて重合体のS部分が共有架橋結合された不透明な白色分散液を得た。
前記オルガノゾルは,BHA/HEMA/TMPTMA−TMI//EA/EMA(96/3/1.0−4.7//22/78% w/w)と明示した。前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記オルガノゾル分散液の固形分百分率は11.00%であった。次いで,前述したレーザ回折分析を利用して測定した平均粒子サイズは,前記オルガノゾルの体積平均直径は14.5μmであった。
(実施例12)
実施例7の方法及び装置を利用して,126gのNorparTM12,10.8gのEMA,5.2gのEA,25.19%の重合体固形分を有する実施例6のグラフト安定化剤混合物7.9g及び0.18gのV−601を混合し,これから生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させて重合体のS部分が共有架橋結合された不透明な白色分散液を得た。
前記オルガノゾルは,EHMA/HEMA−TMI−PDI//EA/EMA(97/3−4.7−1.6//22/78% w/w)と明示した。前述したハロゲンランプ乾燥法を利用して測定した前記オルガノゾル分散液の固形分百分率は10.91%であった。次いで,前述したレーザ回折光散乱法を利用して測定した平均粒子サイズは,前記オルガノゾルの体積平均直径が7.0μmであった。
実施例7−12のオルガノゾルの組成は下記表3に要約した。
Figure 2005025194
(実施例13−16:湿式トナーの製造)
(実施例13)
本実施例で製造された湿式トナー組成物の特性決定のために次を測定した。サイズと関連された特性(粒子サイズ)と,電荷と関連された特性(バルク伝導度及び自由相伝導度,動的移動度及びゼタ電位)と,前記トナー電荷量/質量(Q/M)に直接的に比例するパラメータである電荷/現像された反射光濃度(Z/ROD)。
本実施例は,実施例8で製造したオルガノゾルを利用してオルガノゾル共重合体対顔料の重量比が5(O/P比)であるマゼンタ湿式トナーを製造する例であって,D材料対S材料の重量比は8であった。NorparTM12のうち15.71%(w/w)固形分のオルガノゾル191gを103gのNorparTM12,6gのPigment Red81:4(Magruder Color Company,Tucson,AZ)及び0.49gの6.11%のジルコニウム HEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)と8オンスのガラス瓶で混合した。次いで,前記混合物を直径が1.3mmであるポターズガラスビード(Potter Industries,Inc.,Parsippany,NJ)390gが充填された0.5リットルの垂直ビードミル(モデル 6TSG−1/4,Amex Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)でミリングした。前記ミルをミリングチャンバの冷却ジャケットを通じて冷却水を循環させずに2,000 RPMで1.5時間作動させた。
12%(w/w)固形分トナー濃縮液は,前記テスト方法で測定した時に下記特性を表した。
体積平均粒子サイズ:0.69ミクロン
Q/M:98μC/g
バルク伝導度:247 picoMhos/cm
自由相伝導度百分率:2.7%
動的移動度:7.07E−11(m/Vsec)
前記トナーは,前述した湿式電子写真プリンティング法を利用してテストされた。反射光密度(ROD)は,525ボルトより高い付着電圧で1.34であった。印刷された画像は,フローパターン及びバックグラウンドのない優秀な静電転写特性を表した。
(実施例14)
本実施例は,実施例8で製造したオルガノゾルを利用してオルガノゾル共重合体対顔料の重量比が6(O/P比)であるマゼンタ湿式トナーを製造する例であって,D材料対S材料の重量比は8であった。NorparTM12のうち15.71%(w/w)の固形分のオルガノゾル191gを103gのNorparTM12,5gのBlack Pigment(Aztech EK8200,Magruder Color Company,Tucson,AZ)及び0.42gの6.11%のジルコニウム HEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)と8オンスのガラス瓶で混合した。次いで,前記混合物を直径が1.3mmであるポターズガラスビード(Potter Industries,Inc.,Parsippany,NJ)390gが充填された0.5リットルの垂直ビードミル(モデル 6TSG−1/4,Amex Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)でミリングした。前記ミルをミリングチャンバの冷却ジャケットを通じて冷却水を循環させずに2,000RPMで1.5時間作動させた。
12%(w/w)の固形分トナー濃縮液は,前記テスト方法で測定した時,下記特性を表した。
体積平均粒子サイズ:0.59ミクロン
Q/M:84μC/g
バルク伝導度:215picoMhos/cm
自由相伝導度百分率:6.1%
動的移動度:5.40E−11(m/Vsec)
前記トナーは,前述したプリンティング法を利用してテストされた。反射光画像濃度(ROD)は525ボルトより高い付着電圧で1.41であった。印刷された画像はフローパターン及びバックグラウンドのない優秀な静電転写特性を表した。
(実施例15)
本実施例は,実施例8で製造したオルガノゾルを利用してオルガノゾル共重合体対顔料の重量比が6(O/P比)であるマゼンタ湿式トナーを製造する例であって,D材料対S材料の重量比は8であった。NorparTM12のうち15.71%(w/w)の固形分のオルガノゾル196gを98gのNorparTM12,5gのPigment Blue 15:4(PB:15:4,249−3450,Sun Chemical Company,Cincinnati,Ohio)及び0.42gの6.11%のジルコニウム HEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)と8オンスのガラス瓶で混合した。次いで,前記混合物を直径が1.3mmであるポターズガラスビード(Potter Industries,Inc.,Parsippany,NJ)390gが充填された0.5リットルの垂直ビードミル(モデル 6TSG−1/4,Amex Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)でミリングした。前記ミルをミリングチャンバの冷却ジャケットを通じて冷却水を循環させずに2,000RPMで1.5時間作動させた。
12%(w/w)の固形分トナー濃縮液は,前記テスト方法で測定した時,下記特性を表した。
体積平均粒子サイズ:0.47ミクロン
Q/M:149μC/g
バルク伝導度:48picoMhos/cm
自由相伝導度百分率:2.0%
動的移動度:1.41E−11(m/Vsec)。
前記トナーは,前述したプリンティング法を利用してテストされた。反射光画像濃度(ROD)は,525ボルトより高い付着電圧で1.14であった。印刷された画像はフローパターン及びバックグラウンドのない優秀な静電転写特性を表した。
(実施例16)
本実施例は,実施例8で製造したオルガノゾルを利用してオルガノゾル共重合体対顔料の重量比が5(O/P比)であるイエロー湿式トナーを製造する例であって,D材料対S材料の重量比は8であった。NorparTM12のうち15.71%(w/w)の固形分のオルガノゾル191gを103gのNorparTM12,5.4gのPigment Yellow 138,0.6gのPigment Yellow 83(Sun Chemical Company,Cincinnati,Ohio)及び0.49gの6.11%のジルコニウム HEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)と8オンスのガラス瓶で混合した。次いで,前記混合物を直径が1.3mmであるポターズガラスビード(Potter Industries,Inc.,Parsippany,NJ)390gが充填された0.5リットルの垂直ビードミル(モデル 6TSG−1/4,Amex Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)でミリングした。前記ミルをミリングチャンバの冷却ジャケットを通じて冷却水を循環させずに2,000RPMで1.5時間作動させた。
12%(w/w)の固形分トナー濃縮液は,前記テスト方法で測定した時,下記特性を表した。
体積平均粒子サイズ:0.64ミクロン
Q/M:171μC/g
バルク伝導度:164 picoMhos/cm
自由相伝導度百分率:4.3%
動的移動度:5.99E−11(m/Vsec)。
前記トナーは,前述したプリンティング法を利用してテストされた。反射光画像濃度(ROD)は,525ボルトより高い付着電圧で1.01であった。印刷された画像は,フローパターン及びバックグラウンドのない優秀な静電転写特性を表した。
紙上の画像品質(光学密度(“OD”),フローパターン,バックグラウンドなど)と転写効率(T0,T1及びT2)とを評価するために,米国特許出願2003/0044202の第19−28文段に記載された画像形成システムにトナーを印刷した。インク固形分をITB上で評価した。前記工程で,スコッチテープを使用してOPC及びITBのような多様な表面からインク粒子を取り離して,テーピングした前記画像を白紙上に置いてODを測定した。
T0,T1及びT2は,下記定義されたようである
T0:現像器ロールからOPCに転写されたインク
T1:OPCからITBに転写されたインク
T2:ITBから紙に転写されたインク
Figure 2005025194
23℃及び55%の相対湿度でテストし,全てのDevバイアスは550/750Vであった。
前記表から確認されたように,静電画像の転写工程を利用した場合,本発明の組成物で優秀な画像転写が観察された。
本発明の他の具現例は,本明細書の検討及び本明細書に開示された発明の実施から当業者に明白である。ここに引用された全ての特許文献及び出版物は,あたかも個別的に統合されたように,本明細書に引用によって統合される。本発明に記載された原理及び具現例に対する多様な省略,修正及び変更は,特許請求の範囲によって表示された本発明の真の範囲及び精神を外れずに当業者によって行われうる。
本発明のゲルオルガノゾルを含む湿式トナー組成物は,画像転写能に優れて電子写真画像形成工程に有用に使用できる。

Claims (23)

  1. (a)カウリブタノールナンバーが30ml未満である液体キャリアと,
    (b)前記液体キャリアに分散された多数のトナー粒子を含む湿式電子写真用トナー組成物であって,前記トナー粒子は一つ以上のS材料部分と一つ以上のD材料部分とを含む少なくとも一つの両親媒性共重合体を含む重合体バインダーを含み,前記両親媒性共重合体はエネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化するよう制御された強度を有する3次元構造のゲルを提供するのに十分な量の共有結合性架橋結合作用基と,
    を含み,
    前記電子写真用トナー組成物は,感光体画像形成条件下ではフィルムを形成しないことを特徴とする,湿式電子写真用トナー組成物。
  2. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体のS材料部分に位置することを特徴とする,請求項1に記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  3. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体のD材料部分に位置することを特徴とする,請求項1に記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  4. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体のS材料部分とD材料部分ともに位置することを特徴とする,請求項1に記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  5. 前記組成物は,ゲル形成に助けになる2以上の架橋結合作用基を有する多作用性架橋化合物を含むことを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  6. 前記架橋結合作用基は,両親媒性共重合体に一つ以上の2作用性重合可能な化合物を統合することによって提供され,前記2作用性重合可能な化合物は,ジビニルベンゼン,1,3−ブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,3−ブタンジオールジメタクリレート,ジエチレングリコールジアクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート,エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA),1,6−へキサンジオールジアクリレート,1,6−へキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,トリプロピレングリコールジアクリレート,トリプロピレングリコールジメタクリレート,亜鉛ジアクリレート,亜鉛ジメタクリレート及び1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI)よりなる群から選択されることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  7. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体に一つ以上の2作用性重合可能な化合物を統合させることによって提供され,前記2作用性重合可能な化合物は,t−ブチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート,2−ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート,2−ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド,ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート,2,3−エポキシプロピルメタクリレート(グリシジルメタクリレート),4−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,シンナミルアルコール,アリルメルカプタン,メタリルアミン,2−アルケニル−4,4−ジアルキルアズラクトンを含むアズラクトン,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,メタ−イソプロぺニルジメチルベンジルイソシアネート(TMI),イソシアナトエチルメタクリレート(IEM),トリメチルシリルメタクリレート,(トリメチルシリルメチル)メタクリレート,n−ビニルカプロラクタム,2−ビニルプリジン,4−ビニルプリジン及びN−ビニル−2−ピロリドンよりなる群から選択されることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  8. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体に一つ以上の3作用性重合可能な化合物を統合させることによって提供され,前記3作用性重合可能な化合物は,エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート,グリセリルプロポキシトリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA),及びトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートよりなる群から選択されることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  9. 前記架橋結合作用基は,前記両親媒性共重合体に一つ以上の4作用性重合可能な化合物を統合させることによって提供され,前記4作用性重合可能な化合物は,ペンタエリトリトールテトラアクリレートであることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  10. 前記架橋結合作用基は,多作用性自由ラジカルの反応,基伝達重合,環状エーテル,エステル,アミドまたはアセタルの開環重合,エポキシ化,末端不飽和端部基とヒドロキシルまたはアミノ鎖伝達剤の反応,エステル化反応及び縮合反応よりなる群から選択された重合架橋反応を行えることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  11. 前記架橋結合作用基は,ポリウレア連結を形成するために反応するイソシアネート作用基とアミン作用基とを含むことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  12. 前記架橋結合作用基は,ポリウレタン連結を形成するために反応するイソシアネート作用基とヒドロキシル作用基とを含むことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  13. 前記多作用性架橋結合化合物は,ジビニルベンゼン,1,3−ジブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,3−ブタンジオールジメタクリレート,ジエチレングリコールジアクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート,エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート,エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA),1,6−へキサンジオールジアクリレート,1,6−へキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,トリプロピレングリコールジアクリレート,トリプロピレングリコールジメタクリレート,亜鉛ジアクリレート,亜鉛ジメタクリレート,1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI),t−ブチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート,2−ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート,2−ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド,ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート,2,3−エポキシプロピルメタクリレート(グリシジルメタクリレート),4−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,シンナミルアルコール,アリルメルカプタン,メタリルアミン,2−アルケニル−4,4−ジアルキルアズラクトンを含むアズラクトン,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,メタ−イソプロぺニルジメチルベンジルイソシアネート(TMI),イソシアナトエチルメタクリレート(IEM),トリメチルシリルメタクリレート,(トリメチルシリルメチル)メタクリレート,n−ビニルカプロラクタム,2−ビニルプリジン,4−ビニルプリジン,N−ビニル−2−ピロリドン,エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート,グリセリルプロポキシトリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA),トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート),及びペンタエリトリトールテトラアクリレートよりなる群から選択されることを特徴とする,請求項5に記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  14. 前記両親媒性共重合体のD材料部分は,ガラス転移温度Tが約30℃以上であることを特徴とする,請求項1〜13のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  15. 前記両親媒性共重合体のD材料部分は,ガラス転移温度Tが約50〜60℃であることを特徴とする,請求項1〜13のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  16. 前記両親媒性共重合体は,ガラス転移温度Tが約30℃以上であることを特徴とする,請求項1〜15のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  17. 前記両親媒性共重合体は,ガラス転移温度Tが約55℃より大きいことを特徴とする,請求項1〜15のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  18. 前記トナー粒子は,少なくとも一つの視覚改善添加剤を含むことを特徴とする,請求項1〜17のいずれかに記載の湿式電子写真用トナー組成物。
  19. 湿式電子写真用トナー組成物を製造する方法であって,
    a)一つ以上のモノマーが第1反応性作用基を含む多数の自由ラジカル重合性モノマーを提供する段階と,
    b)前記モノマーを溶媒中で自由ラジカル重合させて第1反応性作用基含有重合体を形成する段階であって,前記モノマー及び前記第1反応性作用基−含有重合体は前記溶媒に可溶性である段階と,
    c)前記第1反応性作用基と反応する第2反応性作用基と自由ラジカル重合性作用基とを有する化合物を,前記化合物の第2反応性作用基の一部以上が前記重合体の前記第1反応性作用基の一部以上と反応する条件下で,前記第1反応性作用基−含有重合体と反応させて,前記化合物を前記重合体に連結させる一つ以上の連結部を形成することによって,前記重合体のS材料部分に側鎖自由ラジカル重合性作用基を提供する段階と,
    d)(i)前記側鎖自由ラジカル重合性作用基を含むS材料部分重合体,(ii)一つ以上の自由ラジカル重合性モノマー及び(iii)成分(ii)の一つ以上の追加モノマーを含む成分から誘導された重合体材料は,不溶性の液体キャリアを含む成分を共重合させる段階と,
    を含み,
    前記共重合段階は,S及びD部分を有する両親媒性共重合体を形成し,前記共重合体に架橋結合作用基を統合させるのに効果的な条件下で行い,前記トナー組成物は,エネルギーを加えることによって流体状態に可逆変化できる制御された強度を有する3次元構造のゲルを提供するのに十分な量の架橋結合作用基を含み,前記電子写真用トナー組成物は,感光体画像形成条件下でフィルムを形成しないことを特徴とする,湿式電子写真用トナー組成物の製造方法。
  20. 前記第1反応性作用基はヒドロキシル及びアミン作用基から選択され,前記第2反応性作用基はイソシアネート及びエポキシ作用基から選択されることを特徴とする,請求項19に記載の湿式電子写真用トナー組成物の製造方法。
  21. 前記第1反応性作用基はヒドロキシル作用基であり,前記第2反応性作用基はイソシアネート作用基であることを特徴とする,請求項19に記載の湿式電子写真用トナー組成物の製造方法。
  22. 前記第1反応性作用基は,イソシアネート及びエポキシ作用基から選択され,前記第2反応性作用基はヒドロキシル及びアミン作用基から選択されることを特徴とする,請求項19に記載の湿式電子写真用トナー組成物の製造方法。
  23. a)請求項1の湿式電子写真用トナー組成物を提供する段階と,
    b)液体キャリア中にトナー粒子を含む画像を感光体の表面上に形成させる段階と,
    c)前記感光体上にフィルムを形成せずに,前記画像を前記感光体の表面から中間転写材料に転写させるか,または印刷媒体に直接転写させる段階と,
    を含むことを特徴とする,電子写真画像形成方法。
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