JP2005024427A - 車重検知用光ファイバセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造の車重センサで車両重量を計測し、複数のセンサを一台の計測器に接続できる車重検知用光ファイバセンサを提供する。
【解決手段】車両荷重を受け、それによって湾曲する弾性板2を道路等に敷設し、その弾性板2にセンサFBG1を固定し、荷重に伴う弾性板2の湾曲をセンサFBG1で検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両荷重を受け、それによって湾曲する弾性板2を道路等に敷設し、その弾性板2にセンサFBG1を固定し、荷重に伴う弾性板2の湾曲をセンサFBG1で検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路等に敷設する光ファイバセンサに係り、特に、ファイバブラッググレーティングを用いた車重検知用光ファイバセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の車重を計測するためのセンサとして、車両重量測定用光ファイバ圧力センサがある。
【0003】
車両重量測定用光ファイバ圧力センサは、車重を検知する受圧部に光ファイバを設置し、別に設置したリファレンス光ファイバの透過光との位相差から車両重量を測定するものである。この車両重量測定用光ファイバ圧力センサによれば、圧力センサ上の車両のタイヤ接地面積が異なっても、所定の計測精度内で車重の測定をすることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−168679号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術においては、位相の基準となる光ファイバのリファレンス光ファイバ長と圧力を検知するセンシング光ファイバ長とを同じ長さにする必要があり、光ファイバの固定に技術を要するという問題点があった。
【0006】
また、各光ファイバセンサ毎に計測器が必要になるため、複数の光ファイバセンサを一台の測定器で計測できないという問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡易な構造の車重センサで走行中の車両重量を計測し、複数のセンサを一台の計測器に接続できる車重検知用光ファイバセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、車両荷重を受け、それによって湾曲する弾性板を道路等に敷設し、その弾性板にセンサFBGを固定し、荷重に伴う弾性板の湾曲をセンサFBGで検知するものである。
【0009】
請求項2の発明は、センサFBGを弾性板に貼り付けたものである。
【0010】
請求項3の発明は、弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、検知板の湾曲によりセンサFBGに圧縮歪を加えるものである。
【0011】
請求項4の発明は、弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、そのセンサFBGの上方を固定板側で支持し、検知板の湾曲により該センサFBGを下方から引っ張って引っ張り歪を加えるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0013】
図1(a)は、車重検知用光ファイバセンサ10の構造を示す構造図である。図1(b)は、車重検知用光ファイバセンサ10に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0014】
図1(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ10は、光を伝送する光ファイバ6と、光ファイバ6に設けられたファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating、以下、センサFBGと言う。)1と、センサFBG1が固定された弾性板からなる検知板2とを備えて構成される。
【0015】
センサFBG1は、光ファイバ6のコアの長手方向に周期的な屈折率変化(グレーティング)を与えることで形成されている回折格子であり、光ファイバ6内を伝送する特定の波長の光だけを反射し、他の波長帯の光を透過する性質を有する。センサFBG1は、各車重検知用光ファイバセンサ10毎に異なる波長で反射する屈折率のグレーティングが設けられたセンサ部となっている。
【0016】
図示したようにセンサFBG1は、検知板2の下面に固定され、検知板2の面に沿ってグレーティングが配列するように設けられている。検知板2の変形に応じてセンサFBG1も検知板2と密着して貼り付けられいる部分で変形による歪を生じる構造となっている。
【0017】
検知板2は、金属板等で形成され、外力を受けて変形するものである。検知板2は、両端を固定され、検知板の中央部分は車両が通過した際に、荷重に伴い中央部分が湾曲するようになっている。また、検知板2は、熱膨張率・収縮率の低い材質(例えば、インバール合金材)で形成され、周囲の温度変化による影響を受けにくいようになっている。
【0018】
図示した車重検知用光ファイバセンサ10は、車両が通過する直下の道路表面に敷設されるか、車両の通過する道路直下に埋設され、センサFBG1のグレーティングが道路面に沿って配列されるように設置するとよい。検知板2の上に車が走行若しくは停車していないときは、検知板2には、車重は掛からないから検知板2の曲がりや変形はない。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ10に走行中の車両の車重が掛かったとする。車両が検知板2の上に在ることにより、検知板2には図示した矢印55の方向に車重が掛かる。
【0020】
検知板2は、車重に応じて図示したように検知板2は湾曲する。センサFBG1が取り付けられた検知板2の下面では、検知板2は湾曲により両端方向に引っ張られる力が働く。引っ張られた検知板2の下面と共に、検知板2に密着して取り付けられているセンサFBG1も同じく引っ張られる。
【0021】
センサFBG1は、引っ張られる前の状態では特定波長の光を反射しているが、引っ張り歪が生じることにより反射する波長が変化する。その反射波長の変化は、車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重に対応するので、波長変化量から車重を検知し、算出することができる。
【0022】
図2は、車重とセンサFBG波長変化との関係を示す特性図である。
【0023】
図示したグラフにおいて、横軸は車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重を示し、縦軸はセンサFBG1で反射(遮断)する光の波長変化を示す。グラフから車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重に応じて、センサFBG1で反射する波長が変化する簡単な関数となっていることが分かる。
【0024】
例えば、車重Wtの車両が車重検知用光ファイバセンサ10を通過したときには、図中のセンサFBG波長変化はλtとなる。したがって、センサFBG1から反射する光の波長の変化量を計測することにより、車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる走行中の車両の車重を算出することができる。
【0025】
センサFBG1の反射(遮断)波長は、検知板2及びセンサFBG1の温度変化によっても変化する。本実施の形態では、検知板2に熱膨張率の低い材質を使用することで検知板2の熱膨張による光の反射の誤差を抑えることができる。また、検知板2に熱膨張率の低い材質を使用して周囲からの熱の影響を抑える代わりに、次の実施の形態も熱による測定誤差を低減させることに有効である。
【0026】
上記のセンサFBG1が設けられた車重検知用光ファイバセンサ10とは別に、温度補償用のセンサFBG1を一個以上設ける。温度補償用のセンサFBG1は、車重検知用光ファイバセンサ10に設けられたセンサFBG1と同じ熱膨張率で熱膨張、収縮するように形成する。例えば、車重検知用光ファイバセンサ10と同じ形状、同じ部材で、同じ構造で形成するとよい。
【0027】
次に、温度補償用のセンサFBG1を設置する際には、常に車重検知用光ファイバセンサ10と同じ温度になるように車重検知用光ファイバセンサ10の近傍に設ける等の考慮をするとよい。但し、温度補償用のセンサFBG1は、上で述べたような車重の影響は受けることのない構造若しくは位置にセンサFBG1を設け、車重によるセンサFBG1の歪は生じないようにする。
【0028】
車重検知用光ファイバセンサ10は、通過した車両の重量による検知板2の変形の他、周囲温度による熱膨張に応じた検知板2の変形を生じる。このため、車重検知用光ファイバセンサ10において検知されたセンサFBG1の光の反射波長の変化は、車重による検知板2の変形と、熱膨張による変形とによるものである。
【0029】
一方、温度補償用のセンサFBG1の歪は、熱膨張による検知板2の変形によって生じるのみであるから、検知される温度補償用のセンサFBG1の光の反射波長の変化は、周囲温度によって生じる熱膨張による変化そのものに対応する。
【0030】
したがって、車重検知用光ファイバセンサ10において検知されたセンサFBG1の光の反射波長の変化から、温度補償用のセンサFBG1により検知された光の反射波長の変化分を除去することにより、車重検知用光ファイバセンサ10において検知される車重による変化のみを検知することが可能となる。
【0031】
以上説明したように、センサFBG1を検知板2に密着して貼り付けた簡単な構造の車重検知用光ファイバセンサ10で車両の重量を検知することが可能となる。
【0032】
また、熱膨張率の低い材質の検知板2を用いることにより、この検知板2に貼り付けられたセンサFBG1は、周囲の温度変化の影響を受けにくい車重検知用光ファイバセンサ10のセンサとすることができる。センサFBG1は、光ファイバ6内に設けられており、細径でセンサFBG1部分の長さも短いため、検知板2に悪影響を与えることもない。
【0033】
また、車重検知用光ファイバセンサ10のためのセンサFBG1とは別に温度補償用のセンサFBG1を1個以上設置することで、周囲の温度変化による車重検知用光ファイバセンサ10の波長変化分を除くことができる。
【0034】
次に、車重による検知板2の湾曲で生じる鉛直方向の移動量をセンサFBG1に圧縮歪として与え、通過する車両重量を測定する車重検知用光ファイバセンサ15の実施の形態を説明する。
【0035】
図3(a)は、センサFBG1の圧縮歪により車両の重量を検知する車重検知用光ファイバセンサ15を示す構造図である。図3(b)は、車重検知用光ファイバセンサ15に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0036】
図3(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ15は、車重を受けて湾曲する検知板2と固定板3との間にセンサFBG1が配置され、そのセンサFBG1に圧縮荷重を与えて、車両重量を検知するようにしたものである。
【0037】
具体的に、検知板2の下面ほぼ中央部には光ファイバ(図示しない)に設けられたセンサFBG1が鉛直方向に取り付けられ、固定板3の上面にセンサFBG1の下端が取り付けられたことにより固定板3でセンサFBG1の下端部を支持している。固定板3でセンサFBG1の下端部を支持することで、検知板2の湾曲がセンサFBG1を圧縮し圧縮歪を与えるように構成される。
【0038】
検知板2は、外力を受けて変形するものであり、両端を固定され、検知板2の中央部は車両が通過した際に、車重に応じて湾曲する構造になっている。センサFBG1は、光ファイバに沿って荷重方向(鉛直方向)にグレーティングが設けられている。
【0039】
検知板2の湾曲は、センサFBG1が圧縮歪を充分検知できると共に、センサFBG1が過大な圧縮歪により破損することのないように、車重による検知板2の湾曲の大きさを決めるとよい。
【0040】
固定板3は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものであり、道路上に設けられた検知板2の下方に埋設されている。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ15に車重が掛かったとする。車両が検知板2の中央付近を通過することにより、検知板2には図示した矢印55の方向に車重が掛かり、下方に湾曲する。検知板2の下面では、取り付けられたセンサFBG1は他端が固定板3に固定されているので、検知板2が湾曲し下方に沈んだ分だけ圧縮され、センサFBG1に圧縮歪が生じる。
【0042】
センサFBG1は、圧縮される前の状態では特定波長の光を反射しているが、圧縮されることにより反射する波長が変化する。その反射波長の変化は、車重検知用光ファイバセンサ15に掛かる車重に対応するので、波長変化量から車両重量を求めることができる。
【0043】
以上説明したように、検知板2の変形をセンサFBG1で圧縮歪として検知することにより、車重検知用光ファイバセンサ15を通過する車両の重量を算出することが実現できる。
【0044】
次に、車重による検知板2の湾曲で生じる鉛直方向の移動量をセンサFBG1に引っ張り歪として与え、通過する車両重量を測定する車重検知用光ファイバセンサ15の実施の形態を説明する。
【0045】
図4(a)は、センサFBG1に引っ張り歪を与えることにより車両の重量を検知する車重検知用光ファイバセンサ16を示す構造図である。図4(b)は、車重検知用光ファイバセンサ16に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0046】
図4(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ16は、車重を受けて湾曲する検知板2と固定板3との間にセンサFBG1が配置され、そのセンサFBG1に引っ張り荷重を与えて、車両重量を検知するようにしたものである。
【0047】
具体的に、検知板2の下面にはFBG引っ張り部4が設けられ、固定板3にはFBG保持部5が設けられ、そのFBG保持部5でセンサFBG1の上端部を支持し、FBG引っ張り部4でセンサFBG1の下端部を支持することで検知板2の湾曲をFBG引っ張り部4を介してセンサFBG1に引っ張り歪を与えるように構成される。
【0048】
FBG引っ張り部4は、鉤型(L字型)の形状で一端を検知板2の下面ほぼ中央部に取り付けられており、検知板2の中央部分の下方への湾曲に伴い、FBG引っ張り部4も中央部分と共に下方に下がる。FBG引っ張り部4の他端はFBG保持部5から吊り下げられたセンサFBG1の下端に取り付けられている。
【0049】
検知板2は、弾性板で形成され、両端を固定され道路上に敷設される。FBG引っ張り部4は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものである。
【0050】
センサFBG1は、FBG保持部5に吊り下げられており、FBG引っ張り部4に取り付けられた他端との間で撓まないように張られている。センサFBG1には、吊り下げられた鉛直方向に沿ってグレーティングが形成されており、センサFBG1の伸び縮みに応じて、グレーティングの間隔も上下に伸び縮みする。
【0051】
検知板2の湾曲は、センサFBG1が引っ張り歪を充分検知できるとともに、センサFBG1が過大な引っ張り歪により破損することのないように、車重による検知板2の湾曲の大きさを決めるとよい。
【0052】
固定板3は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものであり、道路上に設けられた検知板2の下方に埋設されている。FBG保持部5は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものである。図示したようにFBG引っ張り部4は、鉤型(逆L字型)の形状で一端を固定板3の上面に取り付けられており、他端にはセンサFBG1が吊り下げられている。
【0053】
検知板2は、車重検知用光ファイバセンサ16を通過した車両の重量に応じて図示した矢印55の方向に沈み、検知板2の中央部が湾曲する。検知板2が沈んで湾曲した分だけFBG引っ張り部4も共に下がり、FBG引っ張り部4がセンサFBG1を引っ張る。
【0054】
センサFBG1の他端は、FBG保持部5に吊り下げられており、FBG保持部5は固定板3に固定されたままなので、センサFBG1はFBG引っ張り部4に引っ張られただけ伸びる。即ち、センサFBG1はFBG引っ張り部4を介して、検知板2が車重により下方に沈んだ分だけ引っ張られることになる。この車重によって生じる引っ張りと、センサFBG1での反射波長の変化は、図2に示す特性と同様の傾向を示すので、波長変化量から車両重量を算出することができる。
【0055】
次に、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いたシステム構成を説明する。
【0056】
図5は、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた実施の形態を示す構成図である。
【0057】
図示したように、車重検知システム20は、車重検知用光ファイバセンサ10と、光源を内蔵し反射波長を計測する波長計測器12と、車重検知用光ファイバセンサ10及び波長計測器12を接続し光を伝送するための光ファイバ6とを備えて構成される。
【0058】
波長計測器12から光ファイバ6を経て車重検知用光ファイバセンサ10が接続され、各車重検知用光ファイバセンサ10は光ファイバ6によりシリアル接続されており、センサの一筆書き方式を構成している。
【0059】
車重検知用光ファイバセンサ10は、センサFBG1を設けた車重を検知できるセンサであればよく、上記の圧縮歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ15、引っ張り歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ16などの同種センサを使用することもよい。
【0060】
波長計測器12の光源から発光した光は、光ファイバ6を伝送し、車重検知用光ファイバセンサ10に達する。車重検知用光ファイバセンサ10の上を車両が通過した場合には、反射する光の波長が変化する。反射した光は、波長計測器12に戻り、反射した光の波長が計測され、走行中の車重が検出できる。
【0061】
次に、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた他の車重検知システム構成を説明する。
【0062】
図6は、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの他の実施の形態を示す構成図である。
【0063】
図示したように、車重検知システム21は、車重検知用光ファイバセンサ10と、光源を内蔵し反射波長を計測する波長計測器12と、車重検知用光ファイバセンサ10、車重検知用光ファイバセンサ10と波長計測器12とを接続し光を伝送するための光ファイバ6と、光ファイバ6の経路を分岐する光カプラ11とを備えて構成される。
【0064】
車重検知用光ファイバセンサ10は、センサFBG1を設けた車重を検知できるセンサであれば、上記の圧縮歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ15、引っ張り歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ16などの同種センサを使用することでもよい。
【0065】
図中の接続は、図5に示した一筆書き状のシリアル接続とは異なり、光カプラ11から分岐して車重検知用光ファイバセンサ10が接続されるパラレル接続となっており、センサFBG1の分岐方式を構成している。
【0066】
波長計測器12の光源から発光した光は、光ファイバ6を伝送し、光カプラ11を介して分岐、伝送され、車重検知用光ファイバセンサ10に達する。車重検知用光ファイバセンサ10の上を車両が通過した場合には、反射する光の波長が変化する。反射した光は、波長計測器12に戻り、反射した光の波長が計測され、車重が算出される。
【0067】
以上説明した図5、図6の構成は、従来複数のセンサに対して同数の計測器を必要としていたのに対し、車重検知用光ファイバセンサ10毎に異なる反射波長をもつセンサFBG1を設けることができるため、複数の車重検知用光ファイバセンサ10からの反射波長の計測を一台の波長計測器12で行うことができる優れた効果を得られる。
【0068】
また、一筆書き方式の構成である車重検知システム20は、センサFBG1の波長強度に殆ど減衰が発生しないため、複数の車重検知用光ファイバセンサ10を遠距離間隔で設置し広範囲にわたる道路上での車重検知を行うシステムを構成できるというメリットがある。
【0069】
また、分岐方式の構成である車重検知システム21は、光カプラ11の分岐点から先で光ファイバ6が切断した場合でも切断された先の車重検知用光ファイバセンサ10に光が伝送されなくなるのみで、接続された他の車重検知用光ファイバセンサ10の検知には影響を与えないため、道路上での車重検知を行うシステムを信頼性の高いものに構成できる優れた効果を得られる。
【0070】
センサFBG1を用いた類似センサとして、分野は異なるが河川環境の監視センサとしての水位センサ、流向センサなどがある。本発明の実施の形態は、これら監視センサと同じ波長測定器等を用いて計測することが可能となる。河川に掛けられた橋梁または、橋梁の出入り口に車重検知用光ファイバセンサを設け、河川に水位センサを設置すれば、河川の水位に応じて通行可能な車両の重量制限を行うこともできる。この場合、検知板2は、走行中の車両が1台程度載る小規模なものから、路面のアスファルト、コンクリート板等を利用する中規模のものや、更には橋梁を通過する車両の総重量を検知するための大規模なものまで、広く適用できる。
【0071】
更に、流向センサも組み合わせることにより、津波、高潮などによる河川情報も取り込むことができ、河川の状況に応じた最適の通行制限処理を行うことができ、安全な車両通行と橋梁の保全を確保することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、簡易な構造の車重センサで走行中の車両重量を計測し、複数のセンサを一台の計測器に接続できる車重検知用光ファイバセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の形態である車重検知用光ファイバセンサの構造を示す構造図である。図1(b)は、車重検知用光ファイバセンサに荷重が掛かった状態を示す構造図である。
【図2】車重とセンサFBG波長変化との関係を示す特性図である。
【図3】センサFBG1に圧縮歪を与えることにより車重を検知する車重検知用光ファイバセンサを示す構造図である。
【図4】センサFBG1に引っ張り歪を与えることにより車重を検知する車重検知用光ファイバセンサを示す構造図である。
【図5】車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの実施の形態を示す構成図である。
【図6】車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの他の実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ファイバブラッググレーティング(センサFBG)
2 弾性板(検知板)
6 光ファイバ
10 車重検知用光ファイバセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路等に敷設する光ファイバセンサに係り、特に、ファイバブラッググレーティングを用いた車重検知用光ファイバセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の車重を計測するためのセンサとして、車両重量測定用光ファイバ圧力センサがある。
【0003】
車両重量測定用光ファイバ圧力センサは、車重を検知する受圧部に光ファイバを設置し、別に設置したリファレンス光ファイバの透過光との位相差から車両重量を測定するものである。この車両重量測定用光ファイバ圧力センサによれば、圧力センサ上の車両のタイヤ接地面積が異なっても、所定の計測精度内で車重の測定をすることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−168679号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術においては、位相の基準となる光ファイバのリファレンス光ファイバ長と圧力を検知するセンシング光ファイバ長とを同じ長さにする必要があり、光ファイバの固定に技術を要するという問題点があった。
【0006】
また、各光ファイバセンサ毎に計測器が必要になるため、複数の光ファイバセンサを一台の測定器で計測できないという問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡易な構造の車重センサで走行中の車両重量を計測し、複数のセンサを一台の計測器に接続できる車重検知用光ファイバセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、車両荷重を受け、それによって湾曲する弾性板を道路等に敷設し、その弾性板にセンサFBGを固定し、荷重に伴う弾性板の湾曲をセンサFBGで検知するものである。
【0009】
請求項2の発明は、センサFBGを弾性板に貼り付けたものである。
【0010】
請求項3の発明は、弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、検知板の湾曲によりセンサFBGに圧縮歪を加えるものである。
【0011】
請求項4の発明は、弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、そのセンサFBGの上方を固定板側で支持し、検知板の湾曲により該センサFBGを下方から引っ張って引っ張り歪を加えるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0013】
図1(a)は、車重検知用光ファイバセンサ10の構造を示す構造図である。図1(b)は、車重検知用光ファイバセンサ10に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0014】
図1(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ10は、光を伝送する光ファイバ6と、光ファイバ6に設けられたファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating、以下、センサFBGと言う。)1と、センサFBG1が固定された弾性板からなる検知板2とを備えて構成される。
【0015】
センサFBG1は、光ファイバ6のコアの長手方向に周期的な屈折率変化(グレーティング)を与えることで形成されている回折格子であり、光ファイバ6内を伝送する特定の波長の光だけを反射し、他の波長帯の光を透過する性質を有する。センサFBG1は、各車重検知用光ファイバセンサ10毎に異なる波長で反射する屈折率のグレーティングが設けられたセンサ部となっている。
【0016】
図示したようにセンサFBG1は、検知板2の下面に固定され、検知板2の面に沿ってグレーティングが配列するように設けられている。検知板2の変形に応じてセンサFBG1も検知板2と密着して貼り付けられいる部分で変形による歪を生じる構造となっている。
【0017】
検知板2は、金属板等で形成され、外力を受けて変形するものである。検知板2は、両端を固定され、検知板の中央部分は車両が通過した際に、荷重に伴い中央部分が湾曲するようになっている。また、検知板2は、熱膨張率・収縮率の低い材質(例えば、インバール合金材)で形成され、周囲の温度変化による影響を受けにくいようになっている。
【0018】
図示した車重検知用光ファイバセンサ10は、車両が通過する直下の道路表面に敷設されるか、車両の通過する道路直下に埋設され、センサFBG1のグレーティングが道路面に沿って配列されるように設置するとよい。検知板2の上に車が走行若しくは停車していないときは、検知板2には、車重は掛からないから検知板2の曲がりや変形はない。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ10に走行中の車両の車重が掛かったとする。車両が検知板2の上に在ることにより、検知板2には図示した矢印55の方向に車重が掛かる。
【0020】
検知板2は、車重に応じて図示したように検知板2は湾曲する。センサFBG1が取り付けられた検知板2の下面では、検知板2は湾曲により両端方向に引っ張られる力が働く。引っ張られた検知板2の下面と共に、検知板2に密着して取り付けられているセンサFBG1も同じく引っ張られる。
【0021】
センサFBG1は、引っ張られる前の状態では特定波長の光を反射しているが、引っ張り歪が生じることにより反射する波長が変化する。その反射波長の変化は、車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重に対応するので、波長変化量から車重を検知し、算出することができる。
【0022】
図2は、車重とセンサFBG波長変化との関係を示す特性図である。
【0023】
図示したグラフにおいて、横軸は車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重を示し、縦軸はセンサFBG1で反射(遮断)する光の波長変化を示す。グラフから車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる車重に応じて、センサFBG1で反射する波長が変化する簡単な関数となっていることが分かる。
【0024】
例えば、車重Wtの車両が車重検知用光ファイバセンサ10を通過したときには、図中のセンサFBG波長変化はλtとなる。したがって、センサFBG1から反射する光の波長の変化量を計測することにより、車重検知用光ファイバセンサ10に掛かる走行中の車両の車重を算出することができる。
【0025】
センサFBG1の反射(遮断)波長は、検知板2及びセンサFBG1の温度変化によっても変化する。本実施の形態では、検知板2に熱膨張率の低い材質を使用することで検知板2の熱膨張による光の反射の誤差を抑えることができる。また、検知板2に熱膨張率の低い材質を使用して周囲からの熱の影響を抑える代わりに、次の実施の形態も熱による測定誤差を低減させることに有効である。
【0026】
上記のセンサFBG1が設けられた車重検知用光ファイバセンサ10とは別に、温度補償用のセンサFBG1を一個以上設ける。温度補償用のセンサFBG1は、車重検知用光ファイバセンサ10に設けられたセンサFBG1と同じ熱膨張率で熱膨張、収縮するように形成する。例えば、車重検知用光ファイバセンサ10と同じ形状、同じ部材で、同じ構造で形成するとよい。
【0027】
次に、温度補償用のセンサFBG1を設置する際には、常に車重検知用光ファイバセンサ10と同じ温度になるように車重検知用光ファイバセンサ10の近傍に設ける等の考慮をするとよい。但し、温度補償用のセンサFBG1は、上で述べたような車重の影響は受けることのない構造若しくは位置にセンサFBG1を設け、車重によるセンサFBG1の歪は生じないようにする。
【0028】
車重検知用光ファイバセンサ10は、通過した車両の重量による検知板2の変形の他、周囲温度による熱膨張に応じた検知板2の変形を生じる。このため、車重検知用光ファイバセンサ10において検知されたセンサFBG1の光の反射波長の変化は、車重による検知板2の変形と、熱膨張による変形とによるものである。
【0029】
一方、温度補償用のセンサFBG1の歪は、熱膨張による検知板2の変形によって生じるのみであるから、検知される温度補償用のセンサFBG1の光の反射波長の変化は、周囲温度によって生じる熱膨張による変化そのものに対応する。
【0030】
したがって、車重検知用光ファイバセンサ10において検知されたセンサFBG1の光の反射波長の変化から、温度補償用のセンサFBG1により検知された光の反射波長の変化分を除去することにより、車重検知用光ファイバセンサ10において検知される車重による変化のみを検知することが可能となる。
【0031】
以上説明したように、センサFBG1を検知板2に密着して貼り付けた簡単な構造の車重検知用光ファイバセンサ10で車両の重量を検知することが可能となる。
【0032】
また、熱膨張率の低い材質の検知板2を用いることにより、この検知板2に貼り付けられたセンサFBG1は、周囲の温度変化の影響を受けにくい車重検知用光ファイバセンサ10のセンサとすることができる。センサFBG1は、光ファイバ6内に設けられており、細径でセンサFBG1部分の長さも短いため、検知板2に悪影響を与えることもない。
【0033】
また、車重検知用光ファイバセンサ10のためのセンサFBG1とは別に温度補償用のセンサFBG1を1個以上設置することで、周囲の温度変化による車重検知用光ファイバセンサ10の波長変化分を除くことができる。
【0034】
次に、車重による検知板2の湾曲で生じる鉛直方向の移動量をセンサFBG1に圧縮歪として与え、通過する車両重量を測定する車重検知用光ファイバセンサ15の実施の形態を説明する。
【0035】
図3(a)は、センサFBG1の圧縮歪により車両の重量を検知する車重検知用光ファイバセンサ15を示す構造図である。図3(b)は、車重検知用光ファイバセンサ15に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0036】
図3(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ15は、車重を受けて湾曲する検知板2と固定板3との間にセンサFBG1が配置され、そのセンサFBG1に圧縮荷重を与えて、車両重量を検知するようにしたものである。
【0037】
具体的に、検知板2の下面ほぼ中央部には光ファイバ(図示しない)に設けられたセンサFBG1が鉛直方向に取り付けられ、固定板3の上面にセンサFBG1の下端が取り付けられたことにより固定板3でセンサFBG1の下端部を支持している。固定板3でセンサFBG1の下端部を支持することで、検知板2の湾曲がセンサFBG1を圧縮し圧縮歪を与えるように構成される。
【0038】
検知板2は、外力を受けて変形するものであり、両端を固定され、検知板2の中央部は車両が通過した際に、車重に応じて湾曲する構造になっている。センサFBG1は、光ファイバに沿って荷重方向(鉛直方向)にグレーティングが設けられている。
【0039】
検知板2の湾曲は、センサFBG1が圧縮歪を充分検知できると共に、センサFBG1が過大な圧縮歪により破損することのないように、車重による検知板2の湾曲の大きさを決めるとよい。
【0040】
固定板3は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものであり、道路上に設けられた検知板2の下方に埋設されている。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ15に車重が掛かったとする。車両が検知板2の中央付近を通過することにより、検知板2には図示した矢印55の方向に車重が掛かり、下方に湾曲する。検知板2の下面では、取り付けられたセンサFBG1は他端が固定板3に固定されているので、検知板2が湾曲し下方に沈んだ分だけ圧縮され、センサFBG1に圧縮歪が生じる。
【0042】
センサFBG1は、圧縮される前の状態では特定波長の光を反射しているが、圧縮されることにより反射する波長が変化する。その反射波長の変化は、車重検知用光ファイバセンサ15に掛かる車重に対応するので、波長変化量から車両重量を求めることができる。
【0043】
以上説明したように、検知板2の変形をセンサFBG1で圧縮歪として検知することにより、車重検知用光ファイバセンサ15を通過する車両の重量を算出することが実現できる。
【0044】
次に、車重による検知板2の湾曲で生じる鉛直方向の移動量をセンサFBG1に引っ張り歪として与え、通過する車両重量を測定する車重検知用光ファイバセンサ15の実施の形態を説明する。
【0045】
図4(a)は、センサFBG1に引っ張り歪を与えることにより車両の重量を検知する車重検知用光ファイバセンサ16を示す構造図である。図4(b)は、車重検知用光ファイバセンサ16に車重が掛かった状態を示す構造図である。
【0046】
図4(a)に示すように、車重検知用光ファイバセンサ16は、車重を受けて湾曲する検知板2と固定板3との間にセンサFBG1が配置され、そのセンサFBG1に引っ張り荷重を与えて、車両重量を検知するようにしたものである。
【0047】
具体的に、検知板2の下面にはFBG引っ張り部4が設けられ、固定板3にはFBG保持部5が設けられ、そのFBG保持部5でセンサFBG1の上端部を支持し、FBG引っ張り部4でセンサFBG1の下端部を支持することで検知板2の湾曲をFBG引っ張り部4を介してセンサFBG1に引っ張り歪を与えるように構成される。
【0048】
FBG引っ張り部4は、鉤型(L字型)の形状で一端を検知板2の下面ほぼ中央部に取り付けられており、検知板2の中央部分の下方への湾曲に伴い、FBG引っ張り部4も中央部分と共に下方に下がる。FBG引っ張り部4の他端はFBG保持部5から吊り下げられたセンサFBG1の下端に取り付けられている。
【0049】
検知板2は、弾性板で形成され、両端を固定され道路上に敷設される。FBG引っ張り部4は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものである。
【0050】
センサFBG1は、FBG保持部5に吊り下げられており、FBG引っ張り部4に取り付けられた他端との間で撓まないように張られている。センサFBG1には、吊り下げられた鉛直方向に沿ってグレーティングが形成されており、センサFBG1の伸び縮みに応じて、グレーティングの間隔も上下に伸び縮みする。
【0051】
検知板2の湾曲は、センサFBG1が引っ張り歪を充分検知できるとともに、センサFBG1が過大な引っ張り歪により破損することのないように、車重による検知板2の湾曲の大きさを決めるとよい。
【0052】
固定板3は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものであり、道路上に設けられた検知板2の下方に埋設されている。FBG保持部5は、剛体材質で形成されており外力に対して変形しにくいものである。図示したようにFBG引っ張り部4は、鉤型(逆L字型)の形状で一端を固定板3の上面に取り付けられており、他端にはセンサFBG1が吊り下げられている。
【0053】
検知板2は、車重検知用光ファイバセンサ16を通過した車両の重量に応じて図示した矢印55の方向に沈み、検知板2の中央部が湾曲する。検知板2が沈んで湾曲した分だけFBG引っ張り部4も共に下がり、FBG引っ張り部4がセンサFBG1を引っ張る。
【0054】
センサFBG1の他端は、FBG保持部5に吊り下げられており、FBG保持部5は固定板3に固定されたままなので、センサFBG1はFBG引っ張り部4に引っ張られただけ伸びる。即ち、センサFBG1はFBG引っ張り部4を介して、検知板2が車重により下方に沈んだ分だけ引っ張られることになる。この車重によって生じる引っ張りと、センサFBG1での反射波長の変化は、図2に示す特性と同様の傾向を示すので、波長変化量から車両重量を算出することができる。
【0055】
次に、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いたシステム構成を説明する。
【0056】
図5は、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた実施の形態を示す構成図である。
【0057】
図示したように、車重検知システム20は、車重検知用光ファイバセンサ10と、光源を内蔵し反射波長を計測する波長計測器12と、車重検知用光ファイバセンサ10及び波長計測器12を接続し光を伝送するための光ファイバ6とを備えて構成される。
【0058】
波長計測器12から光ファイバ6を経て車重検知用光ファイバセンサ10が接続され、各車重検知用光ファイバセンサ10は光ファイバ6によりシリアル接続されており、センサの一筆書き方式を構成している。
【0059】
車重検知用光ファイバセンサ10は、センサFBG1を設けた車重を検知できるセンサであればよく、上記の圧縮歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ15、引っ張り歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ16などの同種センサを使用することもよい。
【0060】
波長計測器12の光源から発光した光は、光ファイバ6を伝送し、車重検知用光ファイバセンサ10に達する。車重検知用光ファイバセンサ10の上を車両が通過した場合には、反射する光の波長が変化する。反射した光は、波長計測器12に戻り、反射した光の波長が計測され、走行中の車重が検出できる。
【0061】
次に、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた他の車重検知システム構成を説明する。
【0062】
図6は、本発明の車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの他の実施の形態を示す構成図である。
【0063】
図示したように、車重検知システム21は、車重検知用光ファイバセンサ10と、光源を内蔵し反射波長を計測する波長計測器12と、車重検知用光ファイバセンサ10、車重検知用光ファイバセンサ10と波長計測器12とを接続し光を伝送するための光ファイバ6と、光ファイバ6の経路を分岐する光カプラ11とを備えて構成される。
【0064】
車重検知用光ファイバセンサ10は、センサFBG1を設けた車重を検知できるセンサであれば、上記の圧縮歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ15、引っ張り歪を利用した車重検知用光ファイバセンサ16などの同種センサを使用することでもよい。
【0065】
図中の接続は、図5に示した一筆書き状のシリアル接続とは異なり、光カプラ11から分岐して車重検知用光ファイバセンサ10が接続されるパラレル接続となっており、センサFBG1の分岐方式を構成している。
【0066】
波長計測器12の光源から発光した光は、光ファイバ6を伝送し、光カプラ11を介して分岐、伝送され、車重検知用光ファイバセンサ10に達する。車重検知用光ファイバセンサ10の上を車両が通過した場合には、反射する光の波長が変化する。反射した光は、波長計測器12に戻り、反射した光の波長が計測され、車重が算出される。
【0067】
以上説明した図5、図6の構成は、従来複数のセンサに対して同数の計測器を必要としていたのに対し、車重検知用光ファイバセンサ10毎に異なる反射波長をもつセンサFBG1を設けることができるため、複数の車重検知用光ファイバセンサ10からの反射波長の計測を一台の波長計測器12で行うことができる優れた効果を得られる。
【0068】
また、一筆書き方式の構成である車重検知システム20は、センサFBG1の波長強度に殆ど減衰が発生しないため、複数の車重検知用光ファイバセンサ10を遠距離間隔で設置し広範囲にわたる道路上での車重検知を行うシステムを構成できるというメリットがある。
【0069】
また、分岐方式の構成である車重検知システム21は、光カプラ11の分岐点から先で光ファイバ6が切断した場合でも切断された先の車重検知用光ファイバセンサ10に光が伝送されなくなるのみで、接続された他の車重検知用光ファイバセンサ10の検知には影響を与えないため、道路上での車重検知を行うシステムを信頼性の高いものに構成できる優れた効果を得られる。
【0070】
センサFBG1を用いた類似センサとして、分野は異なるが河川環境の監視センサとしての水位センサ、流向センサなどがある。本発明の実施の形態は、これら監視センサと同じ波長測定器等を用いて計測することが可能となる。河川に掛けられた橋梁または、橋梁の出入り口に車重検知用光ファイバセンサを設け、河川に水位センサを設置すれば、河川の水位に応じて通行可能な車両の重量制限を行うこともできる。この場合、検知板2は、走行中の車両が1台程度載る小規模なものから、路面のアスファルト、コンクリート板等を利用する中規模のものや、更には橋梁を通過する車両の総重量を検知するための大規模なものまで、広く適用できる。
【0071】
更に、流向センサも組み合わせることにより、津波、高潮などによる河川情報も取り込むことができ、河川の状況に応じた最適の通行制限処理を行うことができ、安全な車両通行と橋梁の保全を確保することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、簡易な構造の車重センサで走行中の車両重量を計測し、複数のセンサを一台の計測器に接続できる車重検知用光ファイバセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の形態である車重検知用光ファイバセンサの構造を示す構造図である。図1(b)は、車重検知用光ファイバセンサに荷重が掛かった状態を示す構造図である。
【図2】車重とセンサFBG波長変化との関係を示す特性図である。
【図3】センサFBG1に圧縮歪を与えることにより車重を検知する車重検知用光ファイバセンサを示す構造図である。
【図4】センサFBG1に引っ張り歪を与えることにより車重を検知する車重検知用光ファイバセンサを示す構造図である。
【図5】車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの実施の形態を示す構成図である。
【図6】車重検知用光ファイバセンサを用いた車重検知システムの他の実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ファイバブラッググレーティング(センサFBG)
2 弾性板(検知板)
6 光ファイバ
10 車重検知用光ファイバセンサ
Claims (4)
- 車両荷重を受け、それによって湾曲する弾性板を道路等に敷設し、その弾性板にセンサFBGを固定し、荷重に伴う弾性板の湾曲をセンサFBGで検知することを特徴とする車重検知用光ファイバセンサ。
- センサFBGを弾性板に貼り付けた請求項1記載の車重検知用光ファイバセンサ。
- 弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、検知板の湾曲によりセンサFBGに圧縮歪を加える請求項1記載の車重検知用光ファイバセンサ。
- 弾性板で形成された検知板と検知板の下方に設置した固定板との間にセンサFBGを設置すると共に、そのセンサFBGの上方を固定板側で支持し、検知板の湾曲により該センサFBGを下方から引っ張って引っ張り歪を加える請求項1記載の車重検知用光ファイバセンサ。
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