JP2005024361A - キャピラリー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線透過がよく、使用時に被覆を除去せずに用いられる、電気泳動装置や高速液体クロマトグラフィー等に使用するキャピラリーを提供する。
【解決手段】石英管からなるキャピラリーであって、該キャピラリーに環状フッ素樹脂を被覆したものを用いる。環状フッ素樹脂は、紫外線透過性がよく、紫外線検出手段を用いる電気泳動測定用キャピラリーに好適であり、該樹脂の被覆を除くことなくそのまま使用しても差し支えない。特に紫外線透過性の良い合成石英を用いて作製されたキャピラリーと組み合わせて用いるのが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】石英管からなるキャピラリーであって、該キャピラリーに環状フッ素樹脂を被覆したものを用いる。環状フッ素樹脂は、紫外線透過性がよく、紫外線検出手段を用いる電気泳動測定用キャピラリーに好適であり、該樹脂の被覆を除くことなくそのまま使用しても差し支えない。特に紫外線透過性の良い合成石英を用いて作製されたキャピラリーと組み合わせて用いるのが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気泳動測定用や高速液体クロマトグラフィー等に用いるキャピラリー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャピラリーは、溶融石英をるつぼで溶融し、これをパイプ状にして作製し、使用されている。そして、溶融石英からなるキャピラリーの外周には、ポリイミドの保護膜が形成されている。この保護膜は、溶融石英の物理的・化学的強度を向上するために設けられる(特許文献1参照)。
【0003】
また、別の文献では、安定化石英ガラスキャピラリーにはポリイミドで被覆されている記載がある(特許文献2参照)。即ち、従来使用されるキャピラリーは、石英ガラスもしくは溶融石英と表現されるシリカのキャピラリーを物理的・化学的に安定させるために、その外周をポリイミドで被覆されているものが使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−151729号公報、(0005)
【特許文献2】
特開平8−68785号公報、(0016−0019)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、キャピラリーは、管状の溶融シリカにポリイミドを被覆したものが一般的になっている。しかし、これを用いて、電気泳動測定等を行う際に、検出手段に紫外線吸収法を用いた場合、該キャピラリーは紫外線透過性において検出感度が不十分となる。これは、キャピラリーの外周にポリイミド樹脂が被覆され、該樹脂は紫外線透過性に劣るため、検出部分のポリイミド被覆を取り除く必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、石英管からなるキャピラリーであって、該キャピラリーに環状フッ素樹脂が被覆されたキャピラリーである。環状フッ素樹脂は紫外線透過性が非常によいので、検出部分の樹脂被覆を取り除く必要がない。前記石英管が、化学気相蒸着法を用いて得られる合成石英管を、電気炉で溶融、細径化した合成石英を用いると、溶融石英を用いたキャピラリーより格段に紫外線透過性を向上できる。
【0007】
本発明の製造方法は、石英管を溶融及び垂下もしくは延伸してなるキャピラリーに、環状フッ素樹脂をコーティングした後、該樹脂を乾燥硬化させることを特徴とする。使用する石英管は、溶融シリカでも、合成石英でも良い。
本発明の別の製造方法である、合成石英を使用する場合は、SiCl4を、化学気相蒸着法を用いてSiO2にしてなる合成石英をパイプ状にし、その後電気炉で溶融し、延伸又は垂下により細径化した後、継続して樹脂をコーティングする手段を加え、該コーティング手段に続いて該樹脂を乾燥硬化することを特徴とする。特に、合成石英からなるキャピラリーをその所望の寸法に形成後、継続して樹脂をコーティングし、乾燥硬化する、いわゆるタンデム化とすると、合成石英の表面に紫外線の透過に障害となる汚れが付きにくいので好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の、キャピラリーに被覆されている環状フッ素樹脂は、紫外線透過性が極めて優れており、従って紫外線を検出手段とする電気泳動測定用キャピラリーに用いても、検出部のコーティングを剥がすことなく、そのまま使用できる。また、紫外線を検出手段とする機器であれば、高速液体クロマトグラフィーのようなものも好適に使用できる。このような環状フッ素樹脂としては、商品名テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)、商品名サイトップ(旭硝子社製)などがある。これらの樹脂を溶液にし、石英管の外周にコーティングした後、乾燥硬化させれば良い。
【0009】
本発明に使用する石英管は、るつぼ中で溶融した石英ガラスを中空状に紡糸して得られるものでも良いし、化学気相蒸着法によって得られる合成石英ガラスを溶融及び延伸したものであっても良い。得られる石英管に前記環状フッ素樹脂溶液をコーティングした後、乾燥硬化させればよい。乾燥硬化は溶剤の除去と硬化反応を進める必要から、加熱をすればよい。
使用する石英管は、紫外線透過性に優れる合成石英を使用し、これを電気炉で溶融し、細径化したものを用いるのが好ましい。これに対し、るつぼを用いて溶融シリカを中空状に紡糸する手段では、るつぼ等からの紫外線透過に対する不純物を含むため、紫外線透過性において不利となる。
【0010】
前記化学気相蒸着法による合成石英ガラスの製造は、光ファイバーの製造で良く知られる方法がある。すなわち、SiCl4と酸素ガスを混合した気体を、石英管の内部で火炎加水分解反応させてSiO2のガラス層を成長させる方法(内付けCVD法又はMCVD法)や、逆に石英棒の外側で行う方法(外付けCVD法)がある。また、気相軸付け法と称する石英管や石英棒を用いず、火炎加水分解反応によるすすのみでガラス層を成長させる方法(VAD法)もある。いずれの方法を用いても良いが、出来たすす状ガラスを焼結し、最終的にはパイプ状に仕上げる。
このパイプ状の合成石英ガラスは、非常に不純物が少なく、光の透過性が良い。このパイプを溶融して延伸することによりキャピラリーとするが、通常ではパイプの一端を電気炉で加熱し、垂下させると、細径化したパイプが垂れ下がる。溶融温度と垂下速度をコントロールすることにより、所望のキャピラリー径を得ることが出来る。また、所定の内径を得るためには、パイプの内部を減圧することも可能である。
【0011】
その後、前記環状フッ素樹脂を継続してコーティングする手段を加え、それに続いて該樹脂を乾燥硬化させるのがよい。即ち、合成石英管を溶融垂下させ、これに樹脂をコーティングし、円筒状電気炉等の中を通過させ、乾燥硬化する手段をタンデムに行うのが好ましい。これは、合成石英管を溶融垂下し、そのまま放置すると、紫外線透過を妨げる不純物が混入する恐れがあり、また、石英のみのキャピラリーは、強度が弱く破損しやすいため、出来るだけそのような状態を短期間にする方法として好ましい。
【0012】
【実施例】
以下の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)SiCl4を原料とし、MCVD法によりすす付け、焼結し、外径70mm、内径35mmの合成石英管を作製した。この合成石英管を電気炉の炉心管内に設置し、加熱溶融し、所定の内径となるように真空ポンプで管内を減圧しながら延伸してキャピラリー基材を形成した。続けて、この表面に環状フッ素樹脂溶液(テフロン(登録商標)AF溶液)をダイスコーティングし、円筒状の電気炉を通過させて、溶媒を除去した。出来上がったキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、環状フッ素樹脂厚み50μmであった。
このキャピラリーを、電気泳動装置に、端部の樹脂を取り除くことなくそのまま取り付け、計測用キャピラリーとした。これに被検出物質として、0.1mMのアミノ酸溶液を注入し、紫外線吸光法で被分析物質を検出したところ、アミノ酸のピークの検出が可能であった。即ち、環状フッ素樹脂は、紫外線の透過に対し、障害とならない。
【0013】
(実施例2)るつぼを用いてシリカガラスを溶融し、これを中空状に紡糸して、冷却固化してキャピラリー基材にしたのち、このキャピラリー基材上に環状フッ素樹脂をダイスコーティングし、円筒状電気炉で溶媒を除去した。出来たキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、環状フッ素樹脂厚みが50μmで、実施例1と同じ寸法になった。
(比較例1)るつぼを用いてシリカガラスを溶融し、これを中空状に紡糸して、冷却固化してキャピラリー基材にしたのち、このキャピラリー基材上にポリイミド樹脂をダイスコーティングし、円筒状電気炉で溶媒を除去した。出来たキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、ポリイミド樹脂厚みが50μmで、実施例1と同じ寸法になった。
【0014】
実施例1と実施例2及び比較例1で作製したキャピラリーの端部はそのままとし、電気泳動装置に組み込み、検出用キャピラリーとして使用した。被分析物質として濃度0.1mM及び1mMのアミノ酸溶液をキャピラリーに注入して、紫外線吸光法により被分析物質を検出したところ、実施例1で作製したキャピラリーは、濃度0.1mMと1mMの両方のサンプルのアミノ酸ピークを検出した。実施例2で作製したキャピラリーでは、濃度1mMについては明確にピークを検出出来たが、濃度0.1mMは濃度1mMに比べ明確でなかった。比較例1で作製したキャピラリーを用いた場合は、双方の濃度のサンプルを検出できなかった。また、比較例1のポリイミド樹脂コーティングしたキャピラリーについて、検出部のポリイミド樹脂を除去して用いた場合は、濃度1mMのアミノ酸ピークを検出した。この結果から、本発明の、環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線に対する透明性が良いことがわかる。従ってキャピラリーの検出部の樹脂を取り除くことなく、そのまま使用できる。また、特に、合成石英を用いたキャピラリーに、環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線透過性がよく、希薄な濃度の被検出物を検出できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明になる環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線の透過性に優れているため、紫外線吸収法を用いた電気泳動装置に使用する際、該被覆を除去することなく、検出精度良く使用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気泳動測定用や高速液体クロマトグラフィー等に用いるキャピラリー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャピラリーは、溶融石英をるつぼで溶融し、これをパイプ状にして作製し、使用されている。そして、溶融石英からなるキャピラリーの外周には、ポリイミドの保護膜が形成されている。この保護膜は、溶融石英の物理的・化学的強度を向上するために設けられる(特許文献1参照)。
【0003】
また、別の文献では、安定化石英ガラスキャピラリーにはポリイミドで被覆されている記載がある(特許文献2参照)。即ち、従来使用されるキャピラリーは、石英ガラスもしくは溶融石英と表現されるシリカのキャピラリーを物理的・化学的に安定させるために、その外周をポリイミドで被覆されているものが使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−151729号公報、(0005)
【特許文献2】
特開平8−68785号公報、(0016−0019)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、キャピラリーは、管状の溶融シリカにポリイミドを被覆したものが一般的になっている。しかし、これを用いて、電気泳動測定等を行う際に、検出手段に紫外線吸収法を用いた場合、該キャピラリーは紫外線透過性において検出感度が不十分となる。これは、キャピラリーの外周にポリイミド樹脂が被覆され、該樹脂は紫外線透過性に劣るため、検出部分のポリイミド被覆を取り除く必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、石英管からなるキャピラリーであって、該キャピラリーに環状フッ素樹脂が被覆されたキャピラリーである。環状フッ素樹脂は紫外線透過性が非常によいので、検出部分の樹脂被覆を取り除く必要がない。前記石英管が、化学気相蒸着法を用いて得られる合成石英管を、電気炉で溶融、細径化した合成石英を用いると、溶融石英を用いたキャピラリーより格段に紫外線透過性を向上できる。
【0007】
本発明の製造方法は、石英管を溶融及び垂下もしくは延伸してなるキャピラリーに、環状フッ素樹脂をコーティングした後、該樹脂を乾燥硬化させることを特徴とする。使用する石英管は、溶融シリカでも、合成石英でも良い。
本発明の別の製造方法である、合成石英を使用する場合は、SiCl4を、化学気相蒸着法を用いてSiO2にしてなる合成石英をパイプ状にし、その後電気炉で溶融し、延伸又は垂下により細径化した後、継続して樹脂をコーティングする手段を加え、該コーティング手段に続いて該樹脂を乾燥硬化することを特徴とする。特に、合成石英からなるキャピラリーをその所望の寸法に形成後、継続して樹脂をコーティングし、乾燥硬化する、いわゆるタンデム化とすると、合成石英の表面に紫外線の透過に障害となる汚れが付きにくいので好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の、キャピラリーに被覆されている環状フッ素樹脂は、紫外線透過性が極めて優れており、従って紫外線を検出手段とする電気泳動測定用キャピラリーに用いても、検出部のコーティングを剥がすことなく、そのまま使用できる。また、紫外線を検出手段とする機器であれば、高速液体クロマトグラフィーのようなものも好適に使用できる。このような環状フッ素樹脂としては、商品名テフロン(登録商標)AF(デュポン社製)、商品名サイトップ(旭硝子社製)などがある。これらの樹脂を溶液にし、石英管の外周にコーティングした後、乾燥硬化させれば良い。
【0009】
本発明に使用する石英管は、るつぼ中で溶融した石英ガラスを中空状に紡糸して得られるものでも良いし、化学気相蒸着法によって得られる合成石英ガラスを溶融及び延伸したものであっても良い。得られる石英管に前記環状フッ素樹脂溶液をコーティングした後、乾燥硬化させればよい。乾燥硬化は溶剤の除去と硬化反応を進める必要から、加熱をすればよい。
使用する石英管は、紫外線透過性に優れる合成石英を使用し、これを電気炉で溶融し、細径化したものを用いるのが好ましい。これに対し、るつぼを用いて溶融シリカを中空状に紡糸する手段では、るつぼ等からの紫外線透過に対する不純物を含むため、紫外線透過性において不利となる。
【0010】
前記化学気相蒸着法による合成石英ガラスの製造は、光ファイバーの製造で良く知られる方法がある。すなわち、SiCl4と酸素ガスを混合した気体を、石英管の内部で火炎加水分解反応させてSiO2のガラス層を成長させる方法(内付けCVD法又はMCVD法)や、逆に石英棒の外側で行う方法(外付けCVD法)がある。また、気相軸付け法と称する石英管や石英棒を用いず、火炎加水分解反応によるすすのみでガラス層を成長させる方法(VAD法)もある。いずれの方法を用いても良いが、出来たすす状ガラスを焼結し、最終的にはパイプ状に仕上げる。
このパイプ状の合成石英ガラスは、非常に不純物が少なく、光の透過性が良い。このパイプを溶融して延伸することによりキャピラリーとするが、通常ではパイプの一端を電気炉で加熱し、垂下させると、細径化したパイプが垂れ下がる。溶融温度と垂下速度をコントロールすることにより、所望のキャピラリー径を得ることが出来る。また、所定の内径を得るためには、パイプの内部を減圧することも可能である。
【0011】
その後、前記環状フッ素樹脂を継続してコーティングする手段を加え、それに続いて該樹脂を乾燥硬化させるのがよい。即ち、合成石英管を溶融垂下させ、これに樹脂をコーティングし、円筒状電気炉等の中を通過させ、乾燥硬化する手段をタンデムに行うのが好ましい。これは、合成石英管を溶融垂下し、そのまま放置すると、紫外線透過を妨げる不純物が混入する恐れがあり、また、石英のみのキャピラリーは、強度が弱く破損しやすいため、出来るだけそのような状態を短期間にする方法として好ましい。
【0012】
【実施例】
以下の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)SiCl4を原料とし、MCVD法によりすす付け、焼結し、外径70mm、内径35mmの合成石英管を作製した。この合成石英管を電気炉の炉心管内に設置し、加熱溶融し、所定の内径となるように真空ポンプで管内を減圧しながら延伸してキャピラリー基材を形成した。続けて、この表面に環状フッ素樹脂溶液(テフロン(登録商標)AF溶液)をダイスコーティングし、円筒状の電気炉を通過させて、溶媒を除去した。出来上がったキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、環状フッ素樹脂厚み50μmであった。
このキャピラリーを、電気泳動装置に、端部の樹脂を取り除くことなくそのまま取り付け、計測用キャピラリーとした。これに被検出物質として、0.1mMのアミノ酸溶液を注入し、紫外線吸光法で被分析物質を検出したところ、アミノ酸のピークの検出が可能であった。即ち、環状フッ素樹脂は、紫外線の透過に対し、障害とならない。
【0013】
(実施例2)るつぼを用いてシリカガラスを溶融し、これを中空状に紡糸して、冷却固化してキャピラリー基材にしたのち、このキャピラリー基材上に環状フッ素樹脂をダイスコーティングし、円筒状電気炉で溶媒を除去した。出来たキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、環状フッ素樹脂厚みが50μmで、実施例1と同じ寸法になった。
(比較例1)るつぼを用いてシリカガラスを溶融し、これを中空状に紡糸して、冷却固化してキャピラリー基材にしたのち、このキャピラリー基材上にポリイミド樹脂をダイスコーティングし、円筒状電気炉で溶媒を除去した。出来たキャピラリーは、外径350μm、内径50μm、ポリイミド樹脂厚みが50μmで、実施例1と同じ寸法になった。
【0014】
実施例1と実施例2及び比較例1で作製したキャピラリーの端部はそのままとし、電気泳動装置に組み込み、検出用キャピラリーとして使用した。被分析物質として濃度0.1mM及び1mMのアミノ酸溶液をキャピラリーに注入して、紫外線吸光法により被分析物質を検出したところ、実施例1で作製したキャピラリーは、濃度0.1mMと1mMの両方のサンプルのアミノ酸ピークを検出した。実施例2で作製したキャピラリーでは、濃度1mMについては明確にピークを検出出来たが、濃度0.1mMは濃度1mMに比べ明確でなかった。比較例1で作製したキャピラリーを用いた場合は、双方の濃度のサンプルを検出できなかった。また、比較例1のポリイミド樹脂コーティングしたキャピラリーについて、検出部のポリイミド樹脂を除去して用いた場合は、濃度1mMのアミノ酸ピークを検出した。この結果から、本発明の、環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線に対する透明性が良いことがわかる。従ってキャピラリーの検出部の樹脂を取り除くことなく、そのまま使用できる。また、特に、合成石英を用いたキャピラリーに、環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線透過性がよく、希薄な濃度の被検出物を検出できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明になる環状フッ素樹脂を被覆したキャピラリーは、紫外線の透過性に優れているため、紫外線吸収法を用いた電気泳動装置に使用する際、該被覆を除去することなく、検出精度良く使用できる。
Claims (4)
- 石英管からなるキャピラリーであって、該キャピラリーに環状フッ素樹脂を被覆されてなるキャピラリー。
- 前記石英管が、化学気相蒸着法を用いて得られる合成石英管を、電気炉で溶融、細径化された合成石英からなる請求項1に記載のキャピラリー。
- 石英管を溶融及び延伸して細径化したキャピラリーに、環状フッ素樹脂をコーティングした後、該樹脂を乾燥硬化させることを特徴とするキャピラリーの製造方法。
- SiCl4を、化学気相蒸着法を用いてSiO2にしてなる合成石英をパイプ状にし、その後電気炉で溶融し、延伸又は垂下により細径化した後、継続して樹脂をコーティングする手段を加え、該コーティング手段に続いて該樹脂を乾燥硬化することを特徴とするキャピラリーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003189256A JP2005024361A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | キャピラリー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003189256A JP2005024361A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | キャピラリー及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005024361A true JP2005024361A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34187520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003189256A Withdrawn JP2005024361A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | キャピラリー及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005024361A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010522881A (ja) * | 2007-03-26 | 2010-07-08 | イージーン インコーポレイテッド | 無色透明被覆毛管を用いる毛管電気泳動法 |
-
2003
- 2003-07-01 JP JP2003189256A patent/JP2005024361A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010522881A (ja) * | 2007-03-26 | 2010-07-08 | イージーン インコーポレイテッド | 無色透明被覆毛管を用いる毛管電気泳動法 |
US8617374B2 (en) | 2007-03-26 | 2013-12-31 | Qiagen Sciences, Llc | Capillary electrophoresis using clear coated capillary tubes |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |