JP2005023319A - 両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法 - Google Patents

両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 別途に着色剤を使用する必要がなく,転写効率に優れた両親媒性共重合体,その製造方法およびそれを含む電子写真用トナー組成物両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る両親媒性共重合体は,一つ以上のS部分および一つ以上のD部分を含み,ウレタン結合,ウレア結合またはアミド結合を通じて共有結合された発色団を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は,両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法に関する。より詳細には,本発明は,ウレタン,ウレアまたはアミド結合により発色団が共有結合されている両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法に関する。
電子写真工程および静電プリンティング工程で(通称的に電子記録工程という),静電画像は,それぞれ感光要素または誘電要素の表面に形成される。感光要素または誘電要素は,特許文献1〜3,非特許文献1でSchmidt,S.P.およびLarson,J.R.が記述したように,中間転写ドラム,中間転写ベルトまたは最終トーン画像自体の支持体でありうる。
静電プリンティングにおいて,潜像は,通常,(1)選択された領域の誘電要素(一般的に受容支持体)上に静電ライティングスタイラスまたはその等価物で電荷画像を位置させて電荷画像を形成し,(2)トナーを電荷画像に加えた後,(3)トーン画像を定着させることによって形成される。このような類型の工程の一例は,例えば,特許文献4に記載されている。
ゼログラフィーともいう電子写真プリンティングにおいて,電子写真法は,紙,フィルムなどの最終画像受容体上に画像を形成するのに使われる。電子写真法は,複写機,レーザープリンタ,FAXなどを含む様々な装置に使われる。
電子写真法は,一般的に,最終的な永久画像受容体上に電子写真画像を形成する工程で,再使用可能でかつ感光性の一時的画像受容体(感光体として知られている)を使用することを含む。代表的な電子写真工程は,帯電,露光,現像,転写,定着,クリーニングおよび除電を含み,受容体上に画像を形成するための一連の段階を含む。
帯電段階で,感光体は,通常,コロナまたは帯電ローラにより(−)極性または(+)極性のいずれか所望の極性の電荷で塗布される。露光段階では,光学システム,一般的にレーザースキャナまたはダイオード配列は,最終画像受容体上に形成される目的画像に対応する画像方式で感光体の帯電表面を選択的に放電させて潜像を形成することができる。現像段階では,適当な極性のトナー粒子は,一般的に,トナー極性と反対極性の電位で電気的にバイアスされた現像機を使用して感光体上の潜像と接触する。トナー粒子は,感光体に移動し,静電気力によって潜像に選択的に付着して感光体上にトーン画像を形成することができる。
転写段階では,トーン画像は感光体から目的とする最終画像受容体に転写される。トーン画像を感光体から最終画像受容体に転写し続けるために中間転写要素が使われることもある。定着段階では,最終画像受容体上のトーン画像を加熱してトナー粒子を軟化または溶融させ,そのトーン画像を最終受容体に定着させる。他の定着法としては,熱の存在または非存在下でかつ高圧下で最終受容体にトナーを定着させることがある。クリーニング段階では,感光体に残っている残留トナーが除去される。
最後に,除電段階では,感光体電荷は,特定の波長帯の光に露出されて実質的に均一な低い値に減少し,元の潜像の残留物が除去されることによって,感光体が次の画像形成サイクルに備えるようにする。
2種類のトナー,すなわち,湿式トナーと乾式トナーとが広範囲に商業的に使われうる。
「乾式」という用語は,乾式トナーが液体成分を全く有するていないということを意味するものではなく,トナー粒子が有意義なレベルの溶媒を含んでいない,例えば一般的に,溶媒の含有量が10重量%未満であるということを意味し(一般的に,乾式トナーは,溶媒含有量で表した時に実質的に乾式である),摩擦帯電電荷を伴えるということを意味する。これは,湿式トナー粒子が,低極性,低誘電性キャリア溶媒にある程度,一般的に50重量%を超える量で溶媒化され,湿式トナー粒子がキャリア溶媒で解離される極性基を使用して化学的に帯電されるが,湿式トナー粒子は液体キャリアに溶媒化および/または分散されている間に摩擦帯電電荷を伴わないという点で,乾式トナー粒子は湿式トナー粒子と区別される。
乾式トナー粒子は,一般的に,重合体バインダーと選択的に視覚改善添加剤,例えば着色顔料粒子とを含む。バインダーは,電子写真工程中およびそれ以後にバインダとしての機能をいずれも満足させる。加工性面で,バインダーの特性は,摩擦帯電および電荷保有特性,トナー粒子の流れおよび定着特性に影響を及ぼす。この特性は,現像,転写および定着中に優秀な性能を達成するのに重要である。画像が最終受容体上に形成された後,バインダーの特性(例えば,ガラス転移温度,溶融粘度,分子量)および定着条件(例えば,温度,圧力および定着器配置)は,耐久性(例えば,耐ブロッキング性および耐削除性),受容体への接着力,光沢などに影響を及ぼす。
例えば,乾式トナー粒子に使用するのに適した重合体材料は,定着後に優秀な耐ブロッキング性を表すために少なくとも約50〜65℃の高いガラス転移温度(T)を有するが,トナー粒子を軟化または溶融させてトナーを最終画像受容体に適切に定着させるために約200〜250℃の高い定着温度を必要とする。しかし,高い定着温度は,長時間のウォーミングアップ時間と高温での定着による過多なエネルギー消費,かつ紙の自然発火温度(約233℃)と近接した温度でトナーを紙に定着させることによる火災の危険性があるため,乾式トナーには適していない。
また,高いガラス転移温度を有する重合体バインダーを使用しているいくつかの乾式トナーは,望ましくないことに,最適な定着温度付近で最終画像受容体から定着器の表面にトーン画像を部分的に転写(オフセット)すると知られている。オフセットを防止するためには,定着器の表面に低い表面エネルギーを有する材料を使用するか,定着器オイルを加える必要がある。また,製造中に離型剤またはスリップ剤として作用する多様な潤滑剤またはワックスが乾式トナー粒子に物理的に混合されてきたが,ワックスは,重合体バインダーに化学的に結合されたものではないので,トナー粒子の摩擦帯電に不利な影響を及ぼしたり,トナー粒子から移動して感光体,中間転写要素,定着器要素または電子写真法工程において重要な他の表面を汚すおそれがある。視覚改善添加剤と重合体バインダー以外にも,乾式トナー粒子には他の添加剤を選択的に含めることができる。
帯電制御添加剤(電荷ディレクター,帯電制御剤またはCCA)は,他の成分だけでは所望の摩擦帯電または電荷保有特性を提供しない場合に乾式トナーによく使われる。上記のように,離型剤またはスリップ剤は,定着器ロールが使われる場合にトナーがその定着器ロールに付着しないようにしてオフセットを防止または減少させる。他の添加剤としては,例えば,酸化防止剤,紫外線安定剤,殺菌剤,殺真菌剤,流動性制御剤などがある。
乾式トナー粒子は,多様な製造方法で製造されてきた。広く用いられる一製造方法は,成分を溶融混合し,かつ得られた固体混合物を粉砕して粒子を形成した後,得られた粒子を分給して望ましくない粒径を有する微細な,または大き過ぎる材料を除去することを含む。その後,外添剤を得られた粒子と混合することができる。しかし,このような方法には短所がある。まず,上記方法は,粉砕がなされるように,ある程度割れたり,粉砕されうる重合体バインダー材料を使用せねばならない。これは,割れ難くて耐久性の高い材料を含む使用可能な重合体材料の種類を制限する。また,金属フレークなどのいくつかの材料は,粉砕中に接するエネルギーにより過度に損傷するおそれがあるため,使われる着色剤の種類も制限される。
粉砕自体に必要なエネルギー量は,必要な装備および製造コスト面で短所となる。また,微細粒子および大き過ぎる粒子を必要とせずに所望の生成物から除外されるという点で,重合体バインダー材料の使用は非効率的である。要約すれば,相当量の材料が無駄遣いになってしまう。リサイクルされた材料の組成がいつも所望の通りになるわけではないので,使用もしない材料をリサイクルするということは,廃棄物を減少させるという面においても実用的なものではない。
比較的最近,様々な方法により化学的に成長した乾式トナー材料が製造されてきた。かかる方法のうち,重合体バインダーは,サイズおよび形態が非常に均一な単分散された重合体粒子を形成する条件下で,通常,溶解,懸濁またはエマルジョン重合法により水性媒質中の分散液で製造される。重合体バインダーが形成された後,ろ過および洗浄して未反応モノマー,界面活性剤およびその他の外添剤を除去した後,乾燥させて他の必要な成分と合せて乾式トナー粉末を形成する。水の高い沸点および蒸発潜熱によってあらゆる水性媒質を蒸発させて乾式重合体バインダーを得ることは,非実用的でありかつコストアップになるため,バインダーは,通常,ろ過して相当量の水を除去した後,蒸発乾燥させて実質的にあらゆる残留水性媒質を除去している。
湿式トナー組成物は,一般的に,液体キャリアに懸濁または分散されたトナー粒子を含む。液体キャリアは,静電潜像を放電させることを防止するため,一般的に,非伝導性分散剤である。
湿式トナー粒子は,一般的に,液体キャリア(またはキャリア液体)にある程度,一般的に低極性および低誘電定数の,実質的に非水性のキャリア溶媒の50重量%以上の量で溶媒化される。湿式トナー粒子は,一般的に,キャリア溶媒で解離される極性基を使用して化学的に帯電されるが,液体キャリアで溶媒化および/または分散される間に摩擦帯電電荷を伴わない。湿式トナー粒子は,一般的に,乾式トナー粒子よりさらに小さい。約5ミクロン〜サブミクロンと粒径が小さいために,湿式トナーは,解像度が非常に高いトーン画像を製造できる。
湿式トナー組成物のためのトナー粒子は,一般的に,視覚改善添加剤(例えば,着色顔料粒子)および重合体バインダーを含む。重合体バインダーは,電子写真工程中およびその後いつでもバインダとしての機能を充足させる。加工性面でバインダーの特性は,トナー粒子の帯電および帯電安定性,流れおよび定着特性に影響を及ぼす。このような特性は,現像,転写および定着中に優秀な性能を得るのに重要である。画像が最終受容体上に形成された後,バインダーの特性(例えば,ガラス転移温度,溶融粘度,分子量)および定着条件(例えば,温度,圧力および定着器配置)は,耐久性(例えば,耐ブロッキング性および耐削除性),受容体に対する付着力,光沢などに影響を及ぼす。
湿式トナー粒子に使用するのに適した重合体バインダー材料は,一般的に,ガラス転移温度が約−24℃〜55℃であり,これは乾式トナー粒子に使われる重合体バインダーにおいて通常のガラス転移温度の範囲(50〜100℃)より低い。特に,いくつかの湿式トナーは,湿式電子写真画像形成工程においてフィルム形成により迅速に自己定着するために,室温(25℃)より低いガラス転移温度(T)を表す重合体バインダーを含むことが知られている(特許文献5参照)。しかし,このような湿式トナーはまた,トーン画像を最終画像受容体に定着させた後,低いTから招来される劣悪な画像耐久性(例えば,劣悪な耐ブロッキング性および耐削除性)を表すとも知られている。
湿式トナーを使用する他のプリンティング工程においては,自己定着は要求されない。このようなシステムで光導電性表面に現像された画像は,この段階でフィルムを形成せずに中間転写ベルト(Intermediate Transfer Belt:ITB)または中間転写部材(Intermediate Transfer Member:ITM)に転写されるか,または直接プリント媒体に転写される(例えば,特許文献6および特許文献7参照)。このようなシステムで画像形態に不連続的なトナー粒子を転写することは,機械的な力,静電気力および熱エネルギーを組み合わせて使用することによって行われる。特に,特許文献7(Camis,1992年5月19日に特許付与)に記載されたシステムで,DCバイアス電圧は,内部スリーブ部材に結合されてカラー画像を効率的に転写させるためにプリント媒体の表面で静電気力を作り出す。
このようなシステムに使われるトナー粒子は,以前はオルガノゾル工程を使用して製造された重合体ではなく,従来の重合体バインダー材料を使用して製造されてきた。したがって,例えば,特許文献6(Landa,1995年4月25日に特許付与)は開示されたシステムに使われた湿式現像剤は,特許文献8(Landa,1988年12月27日に特許付与)に記載されていると言及している。上記特許文献は,キャリア液体中にあらかじめ形成されたガラス転移温度の高い重合体樹脂をキャリア液体が樹脂を軟化または可塑化させるのに十分に高温に加熱して顔料を添加し,生成された高温分散液に高エネルギー混合またはミリング工程を行って製造される湿式トナーを開示している。
ガラス転移温度が高い(一般的に,約60℃以上であるT)重合体バインダーを使用した非自己定着湿式トナーは,画像耐久性に優れる。しかし,かかるトナーは,湿式トナーが画像形成工程において迅速に自己定着できないことによる画像欠陥,劣悪な帯電および帯電安定性,保存時の凝集または集合に対する劣悪な安定性,保存時の劣悪な沈降安定性,およびトナー粒子を軟化または溶融させてトナーを最終画像受容体に適切に定着させるために約200〜250℃の高い定着温度を必要とする点など,重合体バインダーの選択と関連した他の問題点を表すことが知られている。
耐久性欠陥を克服するために,非フィルム形成湿式トナーと乾式トナーのいずれにも使用するために選択された重合体材料は,一般的に,定着後に優秀な耐ブロッキング性を得るために少なくとも約55〜65℃のTを示すが,一般的にトナー粒子を軟化または溶融させて最終画像受容体にトナーを適切に定着させるために約200〜250℃の高い定着温度を必要とする。
非水性液体中の溶媒を基材とした重合体分散液(オルガノゾル)は,低極性,低誘電定数のキャリア溶媒に分散重合させることにより製造されてきた(特許文献9および10参照)。上記低極性,低誘電定数のキャリア溶媒は,比較的低いガラス転移温度(T≦30℃)を有するフィルム形成湿式電子写真用トナーを作るのに使われる。オルガノゾルは,静電気的スタイラスプリンタに使用するための中間ガラス転移温度(Tが30〜55℃)の湿式静電トナーを作るのに使用するために製造されてきた(特許文献5のB1参照)。
乾式トナーを製造するためにいくつかの溶媒基材の重合体分散液も開発されてきた(例えば,特許文献11〜13参照)。望ましくないことに,乾式トナー粒子の製造時にオルガノゾルまたは溶媒基材の重合体分散液を使用することは,湿式トナー組成物の製造時にオルガノゾルを使用することより,実質的にさらに危険が大きいということが明らかになった。乾式トナー粒子を作るために必要な場合に溶媒基材の分散液を乾燥させて非水性液体キャリアを除去する時,バインダー粒子は,一つ以上の大きな塊に集合および/または凝集する傾向がある。このような塊等は,適当な大きさの乾式トナー粒子を得るために粉砕するか,または割る必要がある。このような粉砕等の必要性は,大きさおよび形態が均一でありかつ実質的に単分散された重合体粒子を形成するためにオルガノゾルを使用する一番重要な利点を損なう。また,溶解度制約要件およびその他の考慮すべき事項のために,スリップ剤(例えば,ワックス)または摩擦帯電制御剤(Charge Control Additives:CCA)を非水性分散液に統合させることがさらに難しいと報告された。したがって,オルガノゾルを使用することによって得られるあらゆる利点が広範囲にかつ商業的に使われる乾式トナーでは実現されなかった。
粒径および帯電特性は,トナーを使用して優秀な解像度を有する高品質の画像を形成するにおいて特に重要である。トナー粒子は,画像形成性能を最大化させるために実質的にできるだけ均一なサイズ,帯電速度および帯電特性を有する必要がある。したがって,当該産業分野では,さらに均一な粒径,帯電速度および/または帯電特性を有するトナー粒子の製造方法への要求があった。また,制御可能な粒径,形状および電荷極性;改善された帯電特性および帯電安定性;改善された低温定着性能;および改善された収率,減少した数の処理段階,またはさらに効率的な処理方法により得られるさらなる低コストを表す新しいトナー用重合体バインダーへの要求がある。
スミスの特許文献14には,重合体染料を含む電子写真用湿式トナーが記載されている。これらのトナーにおいて,重合体染料は,重合体染料を炭化水素溶媒に分散可能にするマクロマー部分を含有して付加的に色を付与するセグメントを含有する。重合体染料は,電荷調節キレート部分または表面放出促進部分を含有するか,それら部分をいずれも含有できる。上記特許文献に記載された重合体染料は二系列に分けられるが,(1)バックボーン重合体染料と(2)側鎖重合体染料とである。スミスはまた側鎖重合体染料を製造する2種類の一般的な方法に言及しているが,それは(1)側鎖発色団を含有したモノマーの重合と,(2)反応性染料または反応性染料現像剤とあらかじめ形成された重合体間の反応である。方法(1)で製造された染料は,一般的に発色団を有するフリーラジカル重合可能なモノマーと無色のフリーラジカル重合可能なモノマーとの共重合により作られると言及されている。発色団を含有した適当なフリーラジカル重合可能なモノマーは当該技術分野で公知のものであると言及されており,「アクリロイルまたはメタクリロイル基を有する昇華性染料」を開示するものとして特許文献15のセクション[D]を引用している。アクリロイルまたはメタクリロイル基を含有したまた他の染料リストは特許文献16にあると言及されている。
ポリウレタン樹脂に使われる反応性着色剤は,クルーガーの特許文献17(Milliken Research Corporationに譲渡)に記載されている。それら着色剤は,ポリウレタンを生成する間に樹脂に含まれると開示されている。開示された発明の生成物は,特に着色されたポリウレタンフォームの製造時に有用であると言及されている。また,Reactint(登録商標)着色剤は,ミリケン・ケミカル社により販売され,ミリケン・ケミカル社の技術独占権に基づいて,着色分子が付着されているポリオールとしてウェブサイト(http://www.millikenchemical.com/html/reac_f.html)に記載されている。それら材料は,着色ポリウレタン用として世界中で最も広範囲に使われる製品であると言及されている。
米国特許第4,728,983号明細書 米国特許第4,321,404号明細書 米国特許第4,268,598号明細書 米国特許第5,262,259号明細書 米国特許第6,255,363号明細書 米国特許第5,410,392号明細書 米国特許第5,115,277号明細書 米国特許第4,794,651号明細書 米国特許第5,886,067号明細書 米国特許第6,103,781号明細書 米国特許第6,136,490号明細書 米国特許第5,384,226号明細書 特開平5−119529号公報 米国特許第5,663,024号明細書 米国特許第4,614,521号明細書 米国特許第4,795,794号明細書 米国特許第4,775,748号明細書 Handbook of Imaging Materials(Diamond,A.S.,Ed:Marcel Dekker:New York;Chapter 6,p.227〜252)
本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,別途に着色剤を使用する必要がなく,転写効率に優れた両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,一つ以上のS部分および一つ以上のD部分を含む両親媒性共重合体が提供される。この両親媒性共重合体は,ウレタン結合,ウレア結合またはアミド結合を通じて共有結合された発色団を有する。
この両親媒性共重合体は,トナー組成物に特別に有用な成分を提供するが,これは優秀な演色性を提供して容易に製造される色付与粒子を提供するからである。さらに具体的には,発色団は弾性のある化学結合を通じて両親媒性共重合体に容易に共有結合されうる。したがって,本発明の着色粒子は,例えば凝集または粒径を縮小させるためにハンドリングまたはミリング作動下で,要求されるようにせん断状態に露出された場合にも優秀な性能を示す。また,本発明の両親媒性共重合体に組み合わせるのに適した反応性染料を広範囲に利用できる。また,多くの染料が所望の反応性官能基を有するか,最終粒子が出発染料材料から色変動をほとんどまたは全く表さずに,所望の反応性官能基を組み合わせるために容易に改質されうる。したがって,トナー組成物は,規格品または規格品に近い染料材料を使用して本発明によって容易に製造されうる。また,多くの適当な染料出発物質が使われうるため,本発明のトナーを製造するための毒性および危険性のない出発物質を容易に選択できる。
特別な利点として,本発明の共有結合された発色団を含む両親媒性共重合体は,最終トナー組成物で顔料の使用を必要としない。従来は,トナーに必要な演色性を提供して所望の画像を得るためにトナー組成物に顔料が使われてきた。以前は,共重合体に一つ以上の高エネルギー混合工程を行って顔料を両親媒性共重合体と物理的に結合してきた。その後,分散された共重合体またはこの共重合体から誘導された断片を顔料粒子と,例えば顔料の表面に吸着または付着させて結合する。本発明を使用することによって,高エネルギー混合工程を減少または除去できる。さらに,発色団は,両親媒性共重合体に共有結合されるためにトナー組成物はさらに安定しているが,これは顔料が両親媒性共重合体から解離されないからである。したがって,顔料を含有していない本発明のトナーは,バインダーから顔料が分離される場合がほとんどない。これは特に湿式トナーの場合に有用であるが,この場合には,トナー組成物からの顔料の沈殿が,特にトナー製品の長期間保存時に問題になりうる。選択的に必要であれば,追加の視覚改善添加剤が本発明のトナー組成物に提供されうる。このような添加剤,特に顔料の組み合わせは,トナーの隠蔽効果を向上させる必要がある場合に望ましい。
本発明の望ましい具体例で,単一色の発色団が所定の色を提供するために共重合体に共有結合された両親媒性共重合体が製造される。本発明のまた他の望ましい具体例で,相異なる色を有する複数個の発色団が所定の混合色を提供するために,共重合体に共有結合された両親媒性共重合体が提供される。したがって,トナー組成物に存在する単一タイプの発色団を有する組成物を提供することによって優秀な演色性を有するトナー組成物が製造できる。また,トナー組成物は,所定の混合された色を有するトナー組成物を提供するために,所定の割合で混合された複数個の発色団を含むこともある。一具体例で,この発色団は,各両親媒性共重合体上のあらかじめ反応された混合物として提供されることもある(すなわち,それぞれの共重合体は実質的に同じ色混合を表す)。また,相異なる色を有する発色団を別途の両親媒性共重合体と反応させた後,この共重合体を所定の割合で混合し続けて所定のトナー組成物の色を表すことができる。
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,a)カウリ−ブタノールナンバーが30ml未満である液体キャリアと,b)液体キャリアに分散された複数個のトナー粒子と,を含む湿式電子写真用トナー組成物であって,トナー粒子は,一つ以上のS部分および一つ以上のD部分を含み,ウレタン結合,ウレア結合またはアミド結合を通じて共有結合された発色団を有する両親媒性共重合体を一つ以上含む重合体バインダーを含むトナー組成物が提供される。
本願に使われるように,’’両親媒性’’とは,共重合体を作るのに使われ,および/または共重合体を乾式トナー粒子に組み合わせる過程で使われる目的液体キャリアから区別される溶解度および分散性を有する部分が組み合わせられた共重合体を意味する。望ましくは,液体キャリアは少なくとも一部分(本願でS材料または部分と称する)がキャリアにより溶媒化される一方,両親媒性共重合体の少なくとも一つの他の部分(本願でD材料または部分と称する)はキャリアから分散された相を構成するように選択される。
望ましい具体例で,両親媒性共重合体は,実質的に非水性の望ましい液体キャリアでインサイチュ重合されるが,これによって後続の粉砕または分級過程がほとんど必要ない,トナーに使用するのに適した単分散された共重合体粒子が生成されるからである。その後に生成されたオルガノゾルは,一つ以上の視覚改善添加剤および/または一つ以上の選択的な他の必要成分と混合されうる。このような混合をする間に視覚改善添加剤粒子および両親媒性共重合体を含む成分は,自己集合して複合トナー粒子となる。具体的には,共重合体のD部分は,物理的におよび/または化学的に視覚改善添加剤表面と相互作用する一方,S部分は,別途の界面活性剤または分散剤を使用せずにキャリアでの分散を促進させる。本発明の乾式トナーの具体例の場合,分散液は,望ましくは本願に記載された流動乾燥方法を使用して複合乾式トナー粒子を提供するのに必要な程度に乾燥される。
本発明によれば,演色性に優れた色付与粒子を提供できる両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法を提供することができる。
以下に,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下に記載する本発明の具体例は完全なものではなく,開示された厳密な形態に本発明を限定しようとするものではない。すなわち,具体例は,当業者が本発明の原理および実施内容を評価および理解できるように選択されかつ記載されたものである。
望ましくは,オルガノゾルの非水性液体キャリアは,両親媒性共重合体の少なくとも一部分(本願でS材料またはS部分という)がキャリアによって溶媒化される一方,両親媒性共重合体の少なくとも一つの他の部分(本願でD材料またはD部分という)は,キャリア内に分散層を構成するように選択される。すなわち,本実施形態の望ましい共重合体は,望ましい液体キャリアで十分に相異なるそれぞれの溶解度を有するS材料およびD材料を含むため,Sブロックはキャリアによって溶媒化される傾向がある一方,Dブロックはキャリアによって分散される傾向がある。さらに望ましくは,Sブロックは液体キャリアに可溶性である一方,Dブロックは不溶性である。特に望ましい具体例で,D材料相は,液体キャリアから分離されて分散された粒子を形成する。
一つの観点で,重合体粒子は,液体キャリアに分散される時にD材料がコア内にある傾向がある一方,S材料はシェルにある傾向があるコア/シェル構造を有すると見られる。したがって,S材料は,分散助剤,立体安定化剤またはグラフト共重合体安定化剤として作用して,液体キャリアでの共重合体粒子の分散液を安定化させる。したがって,S材料は,本願で“グラフト安定化剤”と言及されうる。バインダー粒子のコア/シェル構造は,かかる粒子が乾燥される時,およびかかる粒子が湿式トナー粒子に含まれる時にも維持される傾向がある。
材料,または共重合体部分のような材料の一部分の溶解度は,ヒルデブランド溶解度パラメータで定性的および定量的に特徴づけられる。ヒルデブランド溶解度パラメータは,(圧力)1/2の単位を有する,材料の凝集エネルギー密度の自乗根で表す溶解度パラメータを意味し,(ΔH/RT)1/2/V1/2である。ここで,ΔHは材料のモル蒸発エンタルピを表し,Rは気体定数であり,Tは絶対温度であり,Vは溶媒1モルの体積である。ヒルデブランド溶解度パラメータは,溶媒についてはBarton,A.F.M.,Handbook of Solubility and Other Cohesion Parameters,2nd Ed.CRC Press,Boca Raton,Fla.,(1991)に,モノマーおよび代表的な重合体についてはPolymer Handbook,3rd Ed.,J.Brandrup & E.H.Immergut,Eds.John Wiley,N.Y.,p.519〜557(1989)に,および多数の商業的に入手可能な重合体についてはBarton,A.F.M.,Handbook of Polymer−Liquid Interaction Parameters and Solubility Parameters,CRC Press,Boca Raton,Fla.,(1990)に表で作成されている。
液体キャリアでの上記材料またはその一部分の溶解度は,上記材料またはその一部分と液体キャリアとの間のヒルデブランド溶解度パラメータの絶対差から予想されうる。材料またはその一部分は,材料またはその一部分と液体キャリアとの間のヒルデブランド溶解度パラメータの絶対差が約1.5MPa1/2未満である場合には,十分に可溶性であるか,または少なくとも非常に溶媒化された状態である。一方,ヒルデブランド溶解度パラメータ間の絶対差が約3.0MPa1/2を超える場合には,材料またはその一部分は,液体キャリアから相分離されて分散液を形成する傾向を表す。ヒルデブランド溶解度パラメータの絶対差が1.5MPa1/2〜3.0MPa1/2である場合には,材料またはその一部分は,液体キャリアに一部溶媒化されうるか,または難溶性であるとされる。
したがって,望ましい具体例で,共重合体のS部分と液体キャリアの各ヒルデブランド溶解度パラメータとの間の絶対差は,3.0MPa1/2未満,望ましくは約2.0MPa1/2未満,さらに望ましくは約1.5MPa1/2未満である。本実施形態の特に望ましい具体例で,共重合体のS部分と液体キャリアの各ヒルデブランド溶解度パラメータとの間の絶対差は,約2〜約3.0MPa1/2である。また,共重合体のD部分と液体キャリアの各ヒルデブランド溶解度パラメータとの間の絶対差は,2.3MPa1/2を超え,望ましくは約2.5MPa1/2を超え,さらに望ましくは約3.0MPa1/2を超えている。ただし,SおよびD部分の各ヒルデブランド溶解度パラメータ間の差は,少なくとも約0.4MPa1/2,さらに望ましくは少なくとも約1.0MPa1/2である。材料のヒルデブランド溶解度は温度によって変化するので,かかる溶解度パラメータは,例えば,25℃のような所定の基準温度で測定することが望ましい。
当該技術分野の当業者は,共重合体またはその一部分のヒルデブランド溶解度パラメータが,Barton A.F.M.,Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters,CRC Press,Boca Raton,p 12(1990年)に2成分共重合体について記載されているように,共重合体またはその一部を構成する各モノマーに対するそれぞれのヒルデブランド溶解度パラメータの体積分率重量係数を使用して計算できることが分かる。重合体材料のヒルデブランド溶解度パラメータのサイズは,Barton p.446〜448に記載されているように,重合体の重量平均分子量に多少左右されると知られている。したがって,所望の溶媒化または分散特性を得るためには,与えられた重合体またはその一部分に対して望ましい分子量範囲がある。同様に,混合物に対するヒルデブランド溶解度パラメータは,混合物の各成分に対するそれぞれのヒルデブランド溶解度パラメータに対する体積分率重量係数を使用して計算できる。
また,ポリマーハンドブック(Polymer Handbook,3rd Ed.,J.Brandrup & E.H.Immergut,Eds.John Wiley,New York,(1989年))のVII/525ページの表2.2に列挙されたスモールグループ寄与値を利用して,スモールが開発したグループ寄与法(Small,P.A.,J.Appl.Chem.,3,71(1953年))を利用して得たモノマーおよび溶媒の計算された溶解度パラメータによって本実施形態を定義した。本発明者は,他の実験方法によって得た溶解度パラメータ値を使用することによって招来される曖昧さを避けるために,本実施形態の定義に上記方法を使用した。また,スモールグループ寄与値によって蒸発エンタルピを測定して得るデータと一致する溶解度パラメータを得られるので,ヒルデブランド溶解度パラメータを定義する表現と完全に一致する。重合体の蒸発熱を測定することが実用的ではないので,モノマーに代替することが合理的である。
説明のために,表1は,電子写真用トナーに使われた幾つかの通常的な溶媒に対するヒルデブランド溶解度パラメータと,オルガノゾルの合成に使われる幾つかの通常的なモノマーに対するヒルデブランド溶解度パラメータと,ガラス転移温度(高分子量ホモポリマー基準)とを列挙する。
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液体キャリアは,実質的に非水性溶媒または溶媒混合物である。言い換えれば,液体キャリアの少量成分(一般的に,25重量%未満)だけが水を含む。望ましくは,実質的に非水性の液体キャリアは,20重量%未満,さらに望ましくは10重量%未満,さらに望ましくは3重量%未満,最も望ましくは1重量%未満の水を含む。
キャリア液体は,当該技術分野で公知の多様な材料,またはこれらの組み合わせから選択されうるが,30ml未満のカウリブタノールナンバーを有することが望ましい。キャリア液体は,望ましくは親油性であり,多様な条件下で化学的に安定でかつ電気絶縁性である。電気絶縁性は,誘電定数が低く,電気的な比抵抗が大きい分散剤液体を意味する。望ましくは,液体分散剤は,誘電定数が5未満,さらに望ましくは3未満である。キャリア液体の電気的な比抵抗は,一般的に10Ω・cmより大きく,さらに望ましくは1010Ω・cmより大きい。また,液体キャリアは,トナー粒子の配合に使われる成分に対してほとんどの場合に化学的に不活性である。
適当な液体キャリアの例としては,脂肪族炭化水素類(n−ペンタン,へキサン,へプタンなど),環状脂肪族炭化水素類(シクロペンタン,シクロへキサンなど),芳香族炭化水素類(ベンゼン,トルエン,キシレンなど),ハロゲン化炭化水素溶媒(塩素化アルカン,フルオロ化アルカン,クロロフルオロカーボンなど),シリコンオイルおよびそれら溶媒の混合物を含む。望ましいキャリア液体は,Isopar(商標)G,Isopar(商標)H,Isopar(商標)K,Isopar(商標)L,Isopar(商標)MおよびIsopar(商標)V(米国ニュージャージ所在,Exxon Corporationから購入可能)のような分枝型パラフィン系溶媒混合物を含み,最も望ましいキャリアは,Norpar(商標)12,Norpar(商標)13およびNorpar(商標)15(米国ニュージャージ所在,Exxon Corporationから購入)のような脂肪族炭化水素溶媒のブレンドである。特に望ましいキャリア液体は,約13〜約15MPa1/2のヒルデブランド溶解度パラメータを有する。
本実施形態のトナー組成物の液体キャリアは,望ましくは両親媒性共重合体の製造に使われた溶媒であって,使われたキャリア液体と同じである。一方,重合反応は,任意の適した溶媒のうち行われ,トナー組成物に望ましい液体キャリアを提供するように溶媒を代替できる。
本願で使われたように,“共重合体”という用語は,オリゴマー材料および重合体材料をいずれも含み,2以上のモノマーを含む重合体を含む。本願で使われたように“モノマー”という用語は,一つ以上の重合可能な置換基を有する,比較的低分子量の分子(すなわち,一般的に約500 Dalton未満の分子量を有する)を意味する。“オリゴマー”とは2以上のモノマーを含み,一般的に,約500〜約10,000 Daltonの分子量を有する中間サイズの分子を意味する。“重合体”とは,2以上のモノマー,オリゴマーおよび/または重合体成分よりなる下位構造を含み,一般的に,約10,000 Daltonより多い分子量を有する比較的大きい分子を意味する。
“マクロマー”または“マクロモノマー”という用語は,末端に重合可能な部分を有するオリゴマーまたは重合体を意味する。“重合かつ結晶化可能な化合物”または“PCC(Polymerizable Crystalizable Compound”は,少なくとも共重合体の一部が再生可能であり,定義された温度範囲で可逆的に結晶化されうる共重合体を製造するために重合されうる(例えば,共重合体が時差走査熱量計で測定した時,融点および凝固点を表す)化合物を意味する。PCCは,重合を行って共重合体を形成できるモノマー,機能性オリゴマー,機能性プレポリマー,マクロマーまたはその他の化合物を含む。本明細書で使われた“分子量”という用語は,別途に表現しないかぎり重量平均分子量を意味する。
本実施形態の両親媒性共重合体の重量平均分子量は,広範囲にわたって変化し,画像形成性能に影響を与えることもある。共重合体の多分散性も生成されたトナー組成物の画像形成性能および転写性能に影響を及ぼすこともある。両親媒性共重合体の分子量を測定し難いので,その代りに分散された共重合体(オルガノゾル)の粒径を生成された乾式トナー材料の画像形成性能および転写性能に関連させうる。一般的に,レーザ回折粒径測定法で測定された分散グラフト共重合体粒子の体積平均粒径(D)は,0.1〜100ミクロン,望ましくは0.5〜50ミクロン,さらに望ましくは1.0〜20ミクロン,最も望ましくは2〜10ミクロンでなければならない。
また,グラフト共重合体の溶媒化する性質または溶解性を有するS部分の分子量と,生成されたトナーの画像形成および転写性能間には相互関係が存在する。一般的に,共重合体のS部分は,重量平均分子量が1000〜1,000,000 Dalton,望ましくは5000〜500,000 Dalton,さらに望ましくは50,000〜400,000 Daltonである。また,共重合体のS部分の多分散性(数平均分子量に対する重量平均分子量の比)は,15未満,さらに望ましくは5未満,最も望ましくは2.5未満である。本実施形態の明確な利点としては,このようなS部分の多分散性の低い共重合体粒子は,本願に記載された実施方法によって,特に共重合体が液体キャリアでインサイチュ形成される具体例で容易に製造されるという点にある。
共重合体におけるS部分およびD部分の相対的な量は,これらの部分の溶媒化特性および分散性に影響を与えられる。例えば,S部分が過度に少なければ,共重合体は安定化効果が過度に小さくて必要に応じて凝集に対してオルガノゾルを立体的に安定化させられない。D部分が過度に少なければ,この少量のD材料が液体キャリアに過度に可溶性であるので,液体キャリアで明らかに分散された相を形成するための駆動力が不十分でありうる。溶媒化されて分散された相の存在は,粒子の成分を分離された粒子同士で特に均一にインサイチュ自己集合させる。このような関係に均衡を合わせるために,D材料対S材料の望ましい重量比は,1:20〜20:1,望ましくは1:1〜15:1,さらに望ましくは2:1〜10:1,最も望ましくは4:1〜8:1である。
ガラス転移温度(T)とは,(共)重合体またはその一部分が硬質のガラス質材料からゴム相または粘性材料に変化する温度を意味し,(共)重合体の加熱による自由体積の極的な増加に当たる。Tは,高分子量のホモポリマー(例えば,表1参照)に対する既知のT値と,以下のフォックス方程式を利用して(共)重合体またはその一部分に対して計算できる。
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数式1で各wは,モノマー“n”の重量分率であり,各Tgnは,Wicks,A.W.,F.N.Jones & S.P.Pappas,Organic Coatings 1,John Wiley,NY,p.54〜55(1992年)に記載されたように,モノマー“n”の高分子量ホモポリマーの絶対ガラス転移温度(K)である。
本実施形態の実施において,共重合体のTは,一般的に,例えば時差走査熱量計を使用して実験的に測定できるが,共重合体のDまたはS部分のT値は,上記フォックス方程式を利用して測定した。SおよびD部分のガラス転移温度(T)は,広範囲にわたって変化でき,得られた湿式トナー粒子の生産性および/または性能を向上させるために独立的に選択されうる。S部分およびD部分のTは,それぞれの部分を構成するモノマーのタイプに大きく左右される。したがって,さらに高いTを有する共重合体材料を提供するために,モノマーが使用される共重合体のD部分またはS部分のタイプに対して適当な溶解度特性を有する一つ以上のさらに高いTのモノマーを選択できる。一方,さらに低いTを有する共重合体材料を提供するために,モノマーが使われる共重合体部分のタイプに対して適当な溶解度特性を有する一つ以上のさらに低いTのモノマーを選択できる。
湿式トナー分野に有用な共重合体において,共重合体のTは,望ましくは過度に低くてはならないが,それは,トナーを用いてプリントされる受容体が過度にブロッキングされることもあるからである。一方,トナー粒子を最終画像受容体に付着させるに十分にトナー粒子を軟化または溶融させるのに必要な最小溶融温度は,共重合体のTが高くなるほど高くなる。したがって,共重合体のTは,ブロッキングが発生しないようにプリントされる受容体の予想最大保存温度より非常に高くなければならないが,最終画像受容体,が損傷する温度,例えば最終画像受容体として使われる紙の自然発火温度に近接な定着温度を必要とするほど高くてもならない。このような観点で,共重合体に重合および結晶化可能な化合物(Polymerizable Crystallizable Compound:PCC)を含めることによって,さらに低いTの共重合体を使用でき,したがって,PCCの溶融温度未満の保存温度で画像ブロッキングの危険なしに定着温度をさらに低下させることができる。したがって,共重合体は,望ましくは0〜100℃,さらに望ましくは20〜80℃,最も望ましくは40〜70℃のTを有する。
共重合体にPCCを含める利点は,本願に引用によって全体的に統合されたJulie Y.Qianなどの米国特許出願第60/425,469号公報’’ORGANOSOL INCLUDING AMPHIPATHIC COPOLYMERIC BINDER HAVING CRYSTALLINE MATERIAL,AND USE OF THE ORGANOSOL TO MAKE DRY TONER FOR ELECTROPHOTOGRAPHIC APPLICATION’’により詳細に記載されている。
D部分が共重合体の主要部分を形成する共重合体において,D部分のTは,一般的に共重合体のTを支配する。湿式トナー分野に有用な共重合体の場合,D部分のTは,20〜105℃,さらに望ましくは30〜85℃,最も望ましくは60〜75℃である。S部分は,一般的にD部分よりさらに低いTを表し,したがって,溶媒化されうるS部分のTの低下効果を相殺させるためにさらに高いTを有するD部分が望ましい。このような観点で,PCCを共重合体のD部分に含めることによって,一般的にさらに低いTを有するD部分を使用でき,したがって,PCCの溶融温度未満の保存温度で画像ブロッキングの危険なしに定着温度をさらに低下させることができる。感光体の画像形成条件下でフィルムを形成しない粒子は,D材料が,望ましくは約55℃以上,さらに望ましくは約65℃以上のTを有するようにD部分成分を選択することによって,容易に製造されうる。
S部分材料でのブロッキングは,望ましい共重合体が過半数のD部分材料を含む限り,重要な争点ではない。したがって,D部分材料のTは,一般的に共重合体の有効Tを支配する。しかし,S部分のTが過度に低ければ,乾燥中に粒子が集合および/または凝集する傾向がありうる。一方,Tが過度に高ければ,必要な定着温度が過度に高いこともある。このような関係の均衡をとるために,S部分材料は,少なくとも0℃,望ましくは少なくとも20℃,さらに望ましくは少なくとも40℃のTを有するように設計されることが望ましい。これに関して,例えば,真空乾燥,凍結乾燥,低温流動相乾燥などを使用して乾式トナー粒子を製造するところに使用される乾燥温度が,PCCの溶融温度未満に維持されるならば,共重合体のS部分にPCCを統合させることによって,さらに低いTのS部分を使用できる。
湿式トナーの自己定着特性に付加された要件は,画像形成工程の特性に大きく左右されるということが理解できる。例えば,付着性フィルムを形成するためのトナーの迅速な自己定着は要求されず,画像が最終受容体に転写され続けないか,または一時的な画像受容体(例えば,感光体)にフィルムで形成されたトナーを要求しない手段(例えば,静電気的転写)により転写が行われれば,電子写真画像形成工程で望ましくない。同様に,スタイラスが最終トナー受容体材料として作用する誘電受容体に直接静電潜像を発生させるのに使われる多色(または多数回通過)静電プリンティングにおいて,速かに自己定着するトナーフィルムは,スタイラス下の通過時に望ましくなく除去されることがありうる。
このようなヘッドスクレーピングは,オルガノゾルの有効ガラス転移温度を操作することによって減少または除去できる。湿式電子写真(静電)トナーにおいて,特に直接静電プリンティング工程で使用するために開発された湿式トナーにおいて,オルガノゾルのD部分は,望ましくはオルガノゾルが約15〜約55℃の有効ガラス転移温度を表し,D部分がフォックス方程式を利用して計算されたTが約30〜55℃を表すように十分に高いTを有する。PCCをオルガノゾルに有する有効ガラス転移温度が約15〜55℃である湿式トナーは,上述のように多数回通過静電プリンティング工程で特に望ましいが,これはトナーが優秀な定着温度および画像がプリンティングされる間およびその後に優秀な耐損傷性または耐スクレーピング性を表すからである。
多様な一つ以上の相異なるモノマー,オリゴマーおよび/または重合体材料が独立的にSおよびD部分に必要に応じて含まれうる。適当な材料の代表的な例としては,フリーラジカル重合された材料(いくつかの具体例ではビニル共重合体または(メタ)アクリル共重合体とも言及される),ポリウレタン,ポリエステル,エポキシ類,ポリアミド,ポリイミド,ポリシロキサン,フルオロ重合体,ポリスルホン,それらの組み合わせなどがある。望ましいSおよびD部分はフリーラジカル重合可能な材料から誘導される。本実施形態において,「フリーラジカル重合性」材料とは,自由ラジカルメカニズムを通じて重合反応に参加するモノマー,オリゴマーまたは重合体バックボーン(実情によって)に直接または間接的に結合された側鎖官能基を有するモノマー,オリゴマーおよび/または重合体を意味する。このような官能基の代表的な例は,(メタ)アクリレート基,オレフィン系炭素−炭素二重結合,アリルオキシ基,α−メチルスチレン基,(メタ)アクリルアミド基,シアネートエステル基,ビニルエーテル基,それらの組み合わせなどを含む。’’(メタ)アクリル’’とは,本願に記載されたようにアクリルおよび/またはメタクリルを含む。
フリーラジカル重合可能なモノマー,オリゴマーおよび/または重合体は,様々な相異なるタイプが商業的に入手でき,一つ以上の所望の性能を提供する様々な所望の特性を有するものを選択できるので,共重合体を形成するにおいて有利に使われる。本実施形態を実施するのに適したフリーラジカル重合可能なモノマー,オリゴマーおよび/または重合体は一つ以上のフリーラジカル重合可能な部分を含むことができる。
単一官能基のフリーラジカル重合可能なモノマーの代表的な例はスチレン,α−メチルスチレン,置換されたスチレン,ビニルエステル,ビニルエーテル,N−ビニル−2−ピロリドン,(メタ)アクリルアミド,ビニルナフタレン,アルキル化ビニルナフタレン,アルコキシビニルナフタレン,N−置換(メタ)アクリルアミド,オクチル(メタ)アクリレート,ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート,N−ビニルピロリドン,イソノニル(メタ)アクリレート,イソボルニル(メタ)アクリレート,2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート,2−エチルへキシル(メタ)アクリレート,ベータ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート,イソブチル(メタ)アクリレート,シクロ脂肪族エポキシド類,α−エポキシド,2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリロニトリル,マレイン酸無水物,イタコン酸,イソデシル(メタ)アクリレート,ラウリル(ドデシル)(メタ)アクリレート,ステアリル(オクタデシル)(メタ)アクリレート,べへニル(メタ)アクリレート,n−ブチル(メタ)アクリレート,メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,へキシル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリル酸,N−ビニルカプロラクタム,ステアリル(メタ)アクリレート,ヒドロキシ官能基を有するカプロラクトンエステル(メタ)アクリレート,イソオクチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート,ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート,テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート,イソボルニル(メタ)アクリレート,グリシジル(メタ)アクリレートビニルアセテートおよびこれらの組み合わせを含む。
本実施形態の望ましい共重合体は,フリーラジカル重合可能な組成物および/またはこれにから硬化された組成物が一つ以上の望ましい性能特性を充足させるように一つ以上の輻射硬化性モノマーまたはそれらの組み合わせと配合されうる。例えば,硬度および耐摩耗性を増進させるために,フォーミュレーターは,重合された材料またはその一部がガラス転移温度が高い成分がないことを除いては同じ材料と比較した時,その存在によってさらに高いガラス転移温度(T)を有する一つ以上のフリーラジカル重合可能なモノマー(以下,“高いT成分”という)を含むこともある。高いT成分の望ましいモノマー構成成分は,一般的にそのホモポリマーが硬化された状態で約50℃以上,望ましくは約60℃以上,さらに望ましくは約75℃以上のTを有するモノマーを含む。
高T成分に統合させるのに適した比較的高いT特性を有する光硬化性モノマーの例示的な系列としては,一般的に少なくとも一つの光硬化性(メタ)アクリレート部分と少なくとも一つの非芳香族,脂環族および/または非芳香族複素環式部分を含む。イソボルニル(メタ)アクリレートは,このようなモノマーの具体的な一例である。例えば,イソボルニルアクリレートから形成された硬化されたホモポリマーフィルムは,Tが110℃である。上記モノマーそれ自体は,分子量が222g/moleであり,室温で透明な液体として存在し,粘度が25℃で9センチポイズであり,表面張力が25℃で31.7dyne/cmである。また,1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレートは,高T特性を有するモノマーのさらに他の例である。
トリメチルシクロサイクロへキシルメタクリレート(TCHMA)は,本実施形態の実施に有用な特に望ましい可溶性高Tモノマーの例である。TCHMAは125℃のTを有し,親油性溶媒に溶解される傾向がある。したがって,TCHMAはS材料に容易に合体される。しかし,D材料の不溶性を過度に悪化させない調節された量として使用されれば,少量のTCHMAがD材料に合体されることもある。
本実施形態の特に望ましい具体例で,共重合体のS部分はフォックス方程式で計算した時に約90℃以上のガラス転移温度(グラフトサイト成分除外)で,さらに望ましくはフォックス方程式で計算した時に約100〜約130℃のガラス転移温度(グラフトサイト成分除外)を有する。望ましくは約75%以上,さらに望ましくは約90%以上のS部分(グラフトサイト成分除外)はTCHMA;t−ブチルメタクリレート;n−ブチルメタクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート;1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレートおよびそれらの組み合わせでなる群から選択される。S部分の特性を有する共重合体を使用したトナーは画像品質および転写において上述のように特に優秀な性能を表す。
改善された耐久性および視覚改善添加剤,例えば着色剤粒子などとの向上した相容性を含む様々な理由で,ニトリル官能基は共重合体に有利に含まれうる。側鎖ニトリル基を有する共重合体を提供するために,一つ以上のニトリル官能基を有するモノマーを使用できる。このようなモノマーの代表的な例は,(メタ)アクリロニトリル,β−シアノエチル−(メタ)アクリレート,2−シアノエトキシエチル(メタ)アクリレート,p−シアノスチレン,p−(シアノメチル)スチレン,N−ビニルピロリドンなどを含む。
側鎖ヒドロキシ基を有する共重合体を提供するために,一つ以上のヒドロキシ官能基を有するモノマーを使用できる。共重合体の側鎖ヒドロキシ基は組成物中での分散性および顔料との相互作用を促進させるだけでなく,溶解度,硬化性,他の反応物質との反応性も促進させ,他の反応物質との相容性も促進させる。ヒドロキシ基は,1級,2級または3級であるが,1級および2級ヒドロキシ基が望ましい。ヒドロキシ官能基を有するモノマーが使われる場合,上記モノマーは共重合体を製造するのに使われるモノマーの約0.5〜30,さらに望ましくは約1〜約25重量%を構成し,これは以下で記載するグラフト共重合体に対する望ましい重量範囲に属する。
適当なヒドロキシ官能基を有するモノマーの代表的な例としては,α,β−不飽和カルボン酸およびジオールのエステル,例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;1,3−ジヒドロキシプロピル−2−(メタ)アクリレート;2,3−ジヒドロキシプロピル−1−(メタ)アクリレート;α,β−不飽和カルボン酸およびカプロラクトンの付加物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなアルカノールビニルエーテル;4−ビニルベンジルアルコール;アリルアルコール;p−メチロールスチレンなどを含む。
PCC,例えば結晶化可能なモノマーは,プリントされた受容体間の耐ブロッキング性を改善させ,かつ定着時にオフセットを減少させるために共重合体に有利に含まれうる。PCCは化学的な統合,例えば重合または共重合によって共重合体に統合される。「結晶化可能なモノマー」という用語は,モノマーのホモポリマー類似体が室温以上の温度(例えば,22℃)で独立的かつ可逆的に結晶化できるモノマーを意味する。
このような具体例で,生成されたトナー粒子は,プリントされた受容体間の改善された耐ブロッキング性および定着時の減少したオフセットを表すことができる。もし使われるならば,一つ以上の結晶化可能なモノマーはS材料および/またはD材料に含まれうるが,望ましくはD材料に含まれる。適当な結晶化可能なモノマーは,アルキル鎖の炭素数が13を超えるアルキル(メタ)アクリレート(例えば,テトラデシル(メタ)アクリレート,ペンタデシル(メタ)アクリレート,ヘキサデシル(メタ)アクリレート,へプタデシル(メタ)アクリレート,オクタデシル(メタ)アクリレートなど)を含む。そのホモポリマーの融点が22℃を超える他の適当な結晶性モノマーは,アリールアクリレートとメタクリレート;高分子量のαオレフィン類;直線型または分枝型長鎖アルキルビニルエーテル類またはビニルエステル類;長鎖アルキルイソシアネート類;不飽和長鎖ポリエステル類,ポリシロキサン類およびポリシラン類;融点が22℃を超える重合性天然ワックス;融点が22℃を超える重合性合成ワックス;当業者に公知の他の類似なタイプの材料を含む。本願に記載されるように,共重合体に結晶性モノマーを含めれば,生成された湿式トナー粒子に驚くべき利点を提供する。
室温より高い温度であるが,結晶性モノマーまたは他のPCCを含む重合体部分の結晶化温度未満である温度では,耐ブロッキング性が観察されうるということを当業者なら理解できる。結晶化可能なモノマーがS材料の主成分である場合,望ましくはS材料の45%以上,さらに望ましくは75%以上,最も望ましくは90%以上が共重合体に統合される場合に改善された耐ブロッキング性が観察される。
多くの結晶性モノマーがオルガノゾル中の液体キャリア材料としてよく使われる親油性溶媒に溶解される傾向がある。したがって,結晶性材料は,所望の溶解度特性を損傷させずにS材料に比較的容易に統合される。しかし,このような結晶性材料があまり多くD材料に統合される場合,得られたD材料はオルガノゾルに過度に溶解性でありうる。しかし,D材料中の可溶性,結晶性モノマーの量が制限されるかぎり,ある程度の結晶性材料は所望の不溶性を過度に損傷させずにD材料に有利に統合されうる。したがって,D材料内に結晶性モノマーが存在する場合,前記結晶性モノマーは共重合体に統合される総D材料を基準として望ましくは約30%以下の量,さらに望ましくは約20%以下の量,最も望ましくは約5〜10%以下の量で提供されることが望ましい。
結晶性モノマーまたはPCCがD材料に化学的に統合される場合,PCCと共に使用されうる適当な共重合可能な化合物は,2−エチルへキシルアクリレート,2−エチルへキシル(メタクリレート),ラウリルアクリレート,ラウリルメタクリレート,オクタデシルアクリレート,オクタデシル(メタクリレート),イソボニルアクリレート,イソボニル(メタクリレート),ヒドロキシエチル(メタクリレート),その他のアクリレート類およびメタクリレート類のようなモノマー(他のPCCを含む)を含む。
本質的に摩擦帯電された重合された部分を提供するモノマーを共重合体に含めることも有利である。モノマーが使われる場合,このような物質は液体キャリアにさらによく溶媒化され,したがって,生成された摩擦帯電されたトナー粒子の外面またはシェル側に位置するために,S材料に含めることが望ましい。正および/または負の摩擦帯電電荷を有する重合体部分を提供するモノマーは目的とする本質的な摩擦帯電電荷特性を提供するのに効果的な量で使われうる。例えば,特に他のモノマーと共に使用するとき,ブチルメタクリレートは,一般的に,さらに正の摩擦電荷を提供する一方,スチレンはさらに負の摩擦電荷を提供する。
多官能基の自由ラジカル反応性材料も架橋結合密度,硬度,粘着性,耐表面損傷性などを含んで生成されたトナー粒子の一つ以上の特性を向上させるのに使用できる。このような多作用性モノマーの例としては,エチレングリコールジ(メタ)アクリレート,へキサンジオールジ(メタ)アクリレート,トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,グリセロールトリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート,ジビニルベンゼン,それらの組み合わせなどを含む。
本実施形態に使用するのに適した自由ラジカル反応性オリゴマーおよび/または重合体材料は,(メタ)アクリル化ウレタン類(すなわち,ウレタン(メタ)アクリレート類),(メタ)アクリル化エポキシ類(すなわち,エポキシ(メタ)アクリレート),(メタ)アクリル化ポリエステル類(すなわち,ポリエステル(メタ)アクリレート),(メタ)アクリル化(メタ)アクリル類,(メタ)アクリル化シリコン類,(メタ)アクリル化ポリエーテル類(すなわち,ポリエーテル(メタ)アクリレート類),ビニル(メタ)アクリレート類および(メタ)アクリル化オイルを含むが,これに制限されない。
本実施形態の両親媒性共重合体に含まれる反応性着色剤はウレタン,ウレアまたはアミド結合を形成するために両親媒性共重合体を形成する成分上の官能基と反応する官能基を有する任意の発色団化合物でありうる。例えば,両親媒性共重合体を形成する成分上の官能基がイソシアネート官能基である場合,発色団化合物はヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基から選択された官能基を有する。同様に,両親媒性共重合体を形成する成分上の官能基がヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基である場合,発色団化合物はイソシアネート官能基を有する。このような発色団化合物の例は当該技術分野で公知のものであり,Niwaらの米国特許第4,614,521号明細書,Klugerらの米国特許第4,775,748号明細書,Mileyらの米国特許第4,985,546号明細書,Klugerらの米国特許第5,082,938号明細書,Moodyらの米国特許第5,290,921号明細書,Batlawらの米国特許第5,919,846号明細書,およびStephesらの第6,077,927号明細書に開示されている。
本実施形態の共重合体は制限されていないが,バルク,溶液および分散重合法を含んで当該技術分野で公知のフリーラジカル重合法で製造されうる。生成された共重合体は,直線型,分枝型,3級元の網状構造,グラフト構造,これらの組み合わせを含んで多様な構造を有しうる。望ましい具体例は,オリゴマーまたは重合体のバックボーンに付着された一つ以上のオリゴマーおよび/または重合体アームを含むグラフト共重合体である。グラフト共重合体の具体例で,S部分またはD部分材料は,場合によってアームおよび/またはバックボーンに統合されうる。
当業者に公知の任意の数の反応を使用してグラフト構造を有するフリーラジカル重合された共重合体を製造できる。通常的なグラフト法は,多作用性自由ラジカルのランダムグラフト;モノマーとマクロモノマーとの共重合;環状エーテル,エステル,アミドまたはアセタルの開環重合;エポキシ化;ヒドロキシまたはアミノ鎖伝達剤と不飽和された末端基との反応;エステル化反応(すなわち,グリシジルメタクリレートは,メタクリル酸および3級アミン触媒とによってエステル化される);および縮重合を含む。
代表的なグラフト共重合体の製造方法は,本願に引用によって統合された米国特許第6,255,363号明細書と,米国特許第6,136,490号明細書と,米国特許第5,384,226号明細書と,特開平5−119529号公報に記載されている。代表的なグラフト法の例は,本願に引用によって統合されたDispersion Polymerization in Organic Media,K.E.J.Barrett,ed.,(John Wiley,New York,1975)p.79〜106のセクション3.7および3.8に記載されている。
グラフト法の代表的な例は,固定を促進するために固定基を使用できる。固定基の機能は,共重合体のコア部(D材料)と可溶性シェル成分(S材料)間に共有結合された結合部を提供することである。固定基を含有したモノマーは,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,3−ヒドロキシ−プロピルメタクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,4−ヒドロキシブチルビニルエーテル,9−オクタデセン−1−オル,シンナミルアルコール,アリールメルカプタン,およびメタリルアミンのようなヒドロキシ,アミノまたはメルカプタン基を含有した不飽和親核性化合物と2−アルケニル−4,4−ジアルキルアズラクトンのようなアズラクトン類を含む。
本実施形態では,一つ以上の共有結合された発色団を含む両親媒性共重合体を製造する方法が提供される。上記方法で複数個のフリーラジカル重合可能なモノマーが提供されるが,ここで一つ以上のモノマーは第1反応性官能基を含む。それらモノマーは溶媒でフリーラジカル重合されて第1反応性官能基を有する重合体を形成し,ここで,前記モノマーおよび第1反応性官能基を有する重合体は溶媒に可溶性である。第1反応性官能基と反応する第2反応性官能基を持ち,かつフリーラジカル重合可能な官能基を有する化合物は,前記化合物の第2反応性官能基の少なくとも一部が前記重合体の第1反応性官能基の少なくとも一部と反応して一つ以上の結合を形成することによって前記化合物を前記重合体に結合させる条件下で,第1反応性官能基を有する重合体と反応する。生成された重合体は側鎖にフリーラジカル重合可能な官能基を有するS材料部分重合体である。
その後,(i)前記一側鎖にフリーラジカル重合可能な官能基を有するS材料部分重合体,(ii)一つ以上のフリーラジカル重合可能なモノマー,(iii)第3反応性官能基を含む発色団,および(iv)成分(ii)の一つ以上の追加モノマーを含む成分から誘導された重合体材料が不溶性の液体キャリアを含む組成物を重合する。前記成分(i)および(ii)の少なくとも一つは反応に利用できる第4反応性官能基を含む。前記組成物で第3および第4反応性官能基のうち一つはイソシアネート官能基であり,第3および第4反応性官能基のうち他の一つはヒドロキシル,アミノ,カルボキシルまたはそれらの混合物でなる群から選択される。SとD部分,およびウレタン,ウレアまたはアミド結合を経由して発色団が共有結合されている両親媒性共重合体を形成するのに効果的な条件下で共重合が起きる。望ましくは,第1および第2反応性官能基のうち一つはヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基並びにそれらの混合物から選択され,第1および第2反応性官能基のうち他の一つはイソシアネートおよびエポキシ官能基から選択される。
発色団は両親媒性共重合体のS部分,両親媒性共重合体のD部分またはS部分とD部分いずれにも共有結合されうる。
以下,記載する望ましい方法は自由ラジカル反応性固定基を提供するためにヒドロキシ基にエチレン性不飽和イソシアネート(例えば,ジメチル−m−イソプロフェニルベンジルイソシアネート,TMI,CYTEC Industries,West Paterson,NJから購入可能;またはIEMとも知られたイソシアネートエチルメタクリレート)を付着させてグラフトを達成する。
本実施形態のグラフト共重合体を製造する望ましい方法は,生成されたS材料は可溶性であるが,D材料は分散されるか,または不溶性,実質的に非水性の液体キャリアで行われる3つの反応段階を含む。第1の望ましい段階で,ヒドロキシ官能基を有するフリーラジカル重合されたオリゴマーまたは重合体は,一つ以上のモノマーから製造されるが,ここで少なくとも一つの前記モノマーは側鎖ヒドロキシ官能基を有する。望ましくは,ヒドロキシ官能基を有するモノマーは,前記第1段階のオリゴマーまたは重合体を製造するのに使われるモノマーの約1〜約30重量%,望ましくは約2〜約10重量%,最も望ましくは3〜約5重量%をなす。前記第1段階は,モノマーおよび生成された重合体が溶解される実質的に非水性の溶媒で溶液重合を通じて行われることが望ましい。例えば,表1にあるヒルデブランド溶解度データを使用すれば,へプタンのような親油性溶媒を使用する場合,オクタデシルメタクリレート,オクタデシルアクリレート,ラウリルアクリレートおよびラウリルメタクリレートのようなモノマーが前記第1段階に適当である。
第2反応段階で,前記可溶性重合体のヒドロキシ基の全部または一部は,エチレン性不飽和脂肪族イソシアネート(例えば,TMIと知られたメタ−イソプロフェニルジメチルベンジルイソシアネートまたはIEMと一般的に知られたイソシアネートエチルメタクリレート)と接触反応してポリウレタン結合を通じてオリゴマーまたは重合体に付着される側鎖フリーラジカル重合可能な官能基を形成する。前記反応は,同じ溶媒で行われうるので,第1段階でと同じ反応容器で行われうる。生成された二重結合官能基を有する重合体は,一般的に反応溶媒で可溶性のままであり,生成された共重合体のS部分の材料を構成するが,これは窮極的に生成された摩擦帯電された粒子の溶媒化部分の少なくとも一部を構成する。発色団が前記両親媒性共重合体のS部分に位置する場合,望ましくは発色団化合物上のヒドロキシル官能基と反応するために重合工程中または重合工程後に利用できるNCO基がある。
生成された自由ラジカル反応性官能基は,D材料および選択的に付加的なS材料を重合体に付着させるためのグラフト位置を提供する。第3段階で,前記グラフト位置は,はじめには溶媒に可溶性であるが,グラフト共重合体の分子量が多くなるにつれて不溶性になる一つ以上の自由ラジカル反応性モノマー,オリゴマーおよび/または重合体との反応を通じて前記材料を重合体に共有的にグラフトさせるのに使われる。例えば,表1のヒルデブランド溶解度パラメータを参考すれば,へプタンのような親油性溶媒を使用する時,メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,t−ブチルメタクリレートおよびスチレンのようなモノマーがへプタンなどの親油性溶媒を使用する場合に前記第3反応段階に適している。
第3反応段階の生成物は,一般的に反応溶媒に分散された生成共重合体を含むオルガノゾルであるが,前記反応溶媒は実質的にオルガノゾルに対して非水性液体キャリアを構成する。この段階で共重合体は分散された(例えば,実質的に不溶性であり,相分離された)部分と溶媒化された(例えば,実質的に溶解性の)部分とを有する分離されかつ単分散された粒子として液体キャリア内に存在する傾向があると見なされる。したがって,前記溶媒化された部分は,液体キャリア中の前記粒子の分散液を立体的に安定化させるのに役に立つ。したがって,前記共重合体は,液体キャリア中でインサイチュで有利に製造されるということが分かる。
次の工程を行う前に,前記共重合体粒子は反応溶媒内に残留されうる。または,前記粒子は前記共重合体が新しい溶媒で可溶化されかつ分散されるかぎり,任意の適当な方法で同一,または相異なる新しい溶媒に移されることもある。いかなる場合にも,発色団を含むオルガノゾルは,望ましくは少なくとも一つの視覚改善添加剤と混合され,選択的に視覚改善添加剤をさらに含むこともある。選択的に一つ以上の他の所望の成分も視覚改善添加剤粒子と混合する前および/または後にオルガノゾルに混合されることもある。このように混合する間,視覚改善添加剤と共重合体とを含む成分は,分散された相部分が一般的に視覚改善添加剤粒子と結合する一方(例えば,粒子表面と物理的および/または化学的な相互作用を行うことによって),溶媒化された相部分はキャリアでの分散を促進させる構造を有する複合粒子として自己集合されると信じられる。その後,前記分散液は乾式トナー官能基を有する複合粒子を提供するのに必要な程度で乾燥される。
乾式トナー組成物を製造する時に分散液が乾燥される方法は,生成されたトナー粒子が集合および/または凝集される程度に影響を与えられる。望ましい実行方式で,粒子は,前記粒子が乾燥される時に乾式トナー粒子の集合および/または凝集を最小化させるためにキャリアガス中で流動,吸入,浮遊,捕獲(通称して’’流動’’)されつつ乾燥される。実質的な結果で,流動された粒子は低密度状態で乾燥される。これは粒子間衝突を最小化して粒子が他の粒子から相対的に孤立された状態で乾燥されるようにする。このような流動化は振動エネルギー,静電気的エネルギー,移動ガス,それらの組み合わせなどを通じて達成される。キャリアガスは一般的に不活性の一つ以上のガス(例えば,窒素,空気,二酸化炭素,アルゴンなど)を含むことができる。また,キャリアガスは一つ以上の反応種を含むことができる。例えば,酸化および/または還元種が必要ならば使われうる。有利には流動乾燥の生成物は粒径分布が狭い自由流動性の乾式トナー粒子を構成する。
流動床乾燥器を使用した一例として,湿式トナーはろ過または遠心分離されて濡れたケーキを形成する。濡れたフィルターケーキは流体床乾燥器(Niro Aeromatic,Niro Corp.,Hudson,WIから入手できる)の円錘形乾燥チャンバに載置される。約35〜50℃,または望ましくは共重合体のTより低い温度の周囲空気を,任意の乾燥粉末を浮かして前記粉末が容器内で浮かんだままで(すなわち,流動化された粉末床)維持されるのに十分な流速でチャンバに通過させる(下部から上部へ)。空気は加熱されるか,またはあらかじめ処理される。容器内にあるバッグフィルターは空気が粉末を含有したままで乾燥容器から抜け出るようにする。フィルターバッグ上に蓄積された任意のトナーは周期的にフィルターを通じて空気を逆に流すことによって飛ばすことができる。溶媒の特性(例えば,沸点),初期溶媒含有量および乾燥条件によって,10〜20分〜数時間のうちいずれかの時間の間にサンプルを乾燥させうる。
共重合体のS材料はグラフト安定化剤,化学的に結合された立体安定化剤,または流動状態でトナー粒子のための内部分散剤として作用しうる。したがって,別途の分散剤材料が,乾式トナー成分が共に混合されることを手助けするように使われうるが,望ましい具体例では別途の分散剤材料を使用する必要がなく,または使用しないほうがさらに望ましい。別途の分散剤は湿度に敏感であり,かつプリンティング中にトナー粒子から移動する恐れがあるためにあまり望ましくない。別途の分散剤材料を含む乾式トナー粒子は湿度変化によって変わる帯電特性を有する傾向がある。別途の分散剤材料を使用しないことによって,本実施形態の望ましい具体例は湿度が変わるにつれてさらに安定した帯電特性を表すと見なされる。
選択的な視覚改善添加剤は,一般的にこのような材料を含むトナー粒子が受容体上にプリントされる時に所望の視覚的効果を提供する任意の一つ以上の流体および/または粒子材料を含むことができる。このような例は,一つ以上の着色剤,蛍光材料,真珠色材料,にじ色材料,金属性材料,フリップフロップ顔料,シリカ,重合体ビード,反射および非反射ガラスビード,マイカ,それらの組み合わせなどを含む。前記トナー粒子に含まれる視覚改善添加剤の量は広い範囲にかけて変わりうる。代表的な具体例で共重合体大視覚改善添加剤の適当な重量比は1/1〜20/1,望ましくは2/1〜10/1および最も望ましくは4/1〜8/1である。
選択的に追加される視覚改善添加剤として使われうる有用な着色剤は当該技術分野で公知のものであり,染料,ステインおよび顔料を含み,カラーインデックス(Society of Dyers and Colorists(Bradford,England)発行)に列挙された材料を含む。望ましい着色剤は,本願に記載されたような構造を有する乾式トナー粒子を形成するために共重合体のD部分と相互作用する共重合体を含む成分と組み合わせられることもあり,キャリア液体に少なくとも公称的には不溶性かつ非反応性であり,可視的な静電潜像を形成するのに有用でかつ効果的な顔料である。選択的な視覚改善添加剤は物理的におよび/または化学的に相互作用でき,共重合体のD部分と相互作用できる視覚改善添加剤の集合物および/または凝集物を形成することもある。適当な着色剤の例には,フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15:1,15:2,15:3および15:4),モノアリリドイエロー(C.I.Pigment Yellow 1,3,65,73および74),ジアリリドイエロー(C.I.Pigment Yellow 12,13,14,17および83),アリールアミド(Hansa)イエロー(C.I.Pigment Yellow 10,97,105および111),イソインドリンイエロー(C.I.Pigment Yellow 138),アゾレッド(C.I.Pigment Red 3,17,22,23,38,48:1,48:2,52:1,および52:179),キナクリドンマゼンタ(C.I.Pigment Red 122,202および209),レークローダミン(laked rhodamine)マゼンタ(C.I.Pigment Red 81:1,81:2,81:3および81:4),および微分化されたカーボンのようなブラック顔料(Cabot Monarch 120,Cabot Regal 300R,Cabot Regal 350R,Vulcan X72およびAztech ED 8200)などを含む。
視覚改善添加剤以外にも他の添加剤を摩擦帯電粒子組成物に選択的に配合できる。特に望ましい添加剤は少なくとも一つの帯電制御添加剤(CCA,帯電制御剤)を含む。電荷ディレクターとも知られた帯電制御添加剤はトナー粒子に均一な電荷極性を提供するのに役に立つ。電荷ディレクターは共重合体を形成するのに使われる他のモノマーと適当なモノマーとを共重合させるか,電荷ディレクターをトナー粒子と化学的に反応させるか,電荷ディレクターをトナー粒子(樹脂または顔料)に化学的にまたは物理的に吸着させるか,または電荷ディレクターをトナー粒子に含まれた官能基にキレートするような多様な方法でトナー粒子に含まれうる。望ましい方法は,共重合体のS材料に内蔵された官能基を通じる方法である。
別途の成分で含まれるか,および/または両親媒性共重合体に含まれるSおよび/またはD材料の一つ以上の作用性部分として含まれうる摩擦帯電制御添加剤を使用することが望ましい。摩擦帯電制御添加剤はトナーの帯電性を向上させるために使われる。摩擦帯電制御添加剤は負または正の電荷を有する。摩擦帯電制御添加剤の代表的な例としてニグロシンNO1(Orient Chemical社製),ニグロシンEX(Orient Chemical社製),アイゼンスピロンブラック(Aizen Spilon Black)TRH(保土谷化学工業株式会社製),T−77(保土谷化学工業株式会社製),ボントロンS−34(Orinet Chemical社製)およびボントロンE−84(Orient Chemical社製)を挙げられる。摩擦帯電制御添加剤の量はトナー固形分100重量部基準に一般的に0.01〜10重量部,望ましくは0.1〜5重量部である。
他の添加剤度従来の実務によってトナー組成物配合に添加されうる。このようなものとしては,一つ以上のUV安定化剤,防黴剤,殺細菌剤,殺真菌剤,帯電防止剤,光沢改質剤,他の重合体またはオリゴマー材料,酸化防止剤,シランまたはシリコン−改質シリカ粒子(一般的に5〜50nm粒径)のような凝固防止剤,それらの組み合わせなどを含む。
生成された摩擦帯電トナー粒子の粒径はこのような粒子を含むトナー組成物の画像形成,定着,解像度および転写特性に影響を与えることもある。望ましくは,前記トナー粒子の体積平均粒径(レーザ回折法で測定)は,約0.5〜約30.0ミクロン,さらに望ましくは約1〜約15ミクロン,最も望ましくは約3〜約10ミクロンである。
電子写真法および電子記録法で,静電画像は感光要素または誘電要素の表面にそれぞれ形成される。感光要素または誘電要素はSchmidt,S.P.およびLarson,J.R.のHandbook of Imaging Materials,Diamond,A.S(Ed:Marcel Dekker:New York;Chapter6,p.227〜252),そして米国特許第4,728,983号公報,米国特許第4,321,404号公報,および米国特許第4,268,598号公報に記載したように中間転写ドラムまたはベルト,または最終トーン画像自体の支持体でありうる。
電子記録法で潜像は,一般的に(1)静電ライティングスタイラスまたはその等価物として選択された領域の誘電要素(一般的に受容基材)上に電荷画像を位置させて電荷画像を形成し,(2)トナーを前記電荷画像に加え,(3)前記トーン画像を定着させる段階で形成される。このような類型の方法の例は米国特許第5,262,259号公報に記載されている。本実施形態により形成された画像は単色または多色よりなる。多色画像は帯電およびトナー適用段階を反復して得られる。
電子写真法において静電画像は,(1)感光要素を印加電圧で均一に帯電させ,(2)感光要素の部分を光源で露光および放電させて潜像を形成し,(3)トナーを潜像に加えてトーン画像を形成し,(4)前記トーン画像を一つ以上の段階を経て最終受容体シートに転写する段階により,感光性要素でコーティングされたドラムまたはベルト上に一般的に形成される。いくつかの応用で,加熱された圧力ローラまたは当該技術分野で公知の他の定着法でトーン画像を定着させることが時々望ましい。
トナー粒子または感光要素の静電荷が正または負である一方,本実施形態に使われた電子写真法は望ましくは正帯電された感光要素上の電荷を消散させて行われる。その後,正帯電されたトナーは乾式トナー現像法を使用して前記正電荷が消散された領域に加えられる。
感光要素から画像を受容する支持体は紙,コーティング紙,重合体フィルム,プライミングまたはコーティング重合体フィルムのような一般的に使われる受容体材料でありうる。重合体フィルムはポリエステルおよびコーティングポリエステル,ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィン,可塑化およびコンパウンドされたポリビニルクロライド(PVC),アクリル類,ポリウレタン類,ポリエチレン/アクリル酸共重合体,およびポリビニルブチラルを含む。重合体フィルムはコーティングまたはプライミングされて,例えばトナー付着を促進させうる。
本実施形態の前記態様および他の態様は下記の実施例で説明される。
<実施例>
(テスト方法および装置)
下記実施例で,共重合体溶液,オルガノゾルおよびインク分散液の固形分百分率は,精密分析秤(Mettler Instruments,Inc.,Highstown,N.J.)に付着されたハロゲンランプ乾燥オーブンを使用してハロゲンランプ乾燥法で重量法によって測定した。前記サンプル乾燥法を使用して固形分百分率をそれぞれ測定するのに約2グラムのサンプルを使用した。
本実施形態の実施において,分子量は重量平均分子量として一般的に表現される一方,分子量の多分散性は,重量平均分子量対数平均分子量の比で与えられる。分子量パラメータは,キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用してゲル透過クロマトグラフィ(GPC)で測定した。絶対重量平均分子量は,Dawn DSP−F光散乱検出器(Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,Calif.)を使用して測定した一方,多分散性は重量平均分子量をOptilab 903時差屈折率検出器(Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,Calif.)で測定した数平均分子量値に対する比で評価した。
オルガノゾルおよびトナー粒径の分布は,Horiba LA−900レーザ回折粒子サイズ分析器(Horiba Instrumetns,Inc.,Irvine,Calif.)を使用してレーザ回折光散乱法で測定した。サンプルを約1/500体積で稀釈し,測定前に150wattおよび20kHzで1分間超音波処理した。粒子サイズは,基本(1級)粒子サイズおよび凝集物または集合物の存在に対する表示をするために数平均直径(D)と体積平均直径(Dv)とで表現された。
湿式トナー伝導度(バルク伝導度,k)は,Scientifica Model627伝導度計(Scientifica Instruments,Inc.,Princeton,N.J.)を使用して約18Hzで測定した。また,トナー粒子のない状態で自由(液体分散された)相伝導度(k)も測定した。トナー粒子は,Jouan MR 1822遠心分離機(Winchester,VA)で6000rpm(6,100相対遠心力)で1〜2時間5℃で遠心分離して液体媒質から除去した。次いで,上澄み液を徐々に注ぎ出し,前記液体の伝導度をScientifica Model 627伝導度計を使用して測定した。バルクトナー伝導度に対する自由相伝導度の百分率を100%(k/k)で測定した。
トナー粒子電気泳動移動度(動的移動度)は,Matec MBS−8000動電気音波振幅分析器(Matec Applied Sciences,Inc.,Hopkinton,MA)を使用して測定した。微細電気泳動に基づいた動電気測定とは違って,MBS−8000装置は移動度値を得るためにトナーサンプルを希釈する必要がないという利点がある。したがって,実際にプリンティングに望ましい固形分濃度でトナー粒子の動的移動度を測定できた。MBS−8000は,高周波(1.2MHz)交流(AC)電場に対する帯電粒子の反応を測定する。高周波AC電場で,帯電トナー粒子と周囲の分散液媒質(カウンターイオンを含む)間の相対的な動きは印加された電場と同じ周波数の超音波を発生させる。1.2MHzで前記超音波の振幅は,圧電石英変換器を使用して測定されうる。この動電気的音波振幅(ESA:Electrokinetic Sonic Amplitude)は,粒子の低電場AC電気泳動移動度に直接比例する。粒子ゼータ電位は,測定された動的移動度と既知のトナー粒径,液体分散剤の粘度および液体誘電定数から前記装置によって計算されうる。
質量当り電荷(Q/M)を導電性金属板,インジウム錫酸化物(ITO)でコーティングしたガラス板,高電圧電源,電位計,およびデータを得るためのPCでよりなる装置を使用して測定した。1%のインク溶液を前記導電性板とITOコーティングされたガラス板間に置いた。既知の極性とサイズとの電位をITOコーティングされたガラス板と金属板間に印加し,前記板間と高電圧電源とに結合されたワイヤーを通じて電流を発生させた。電流は20秒間1秒に100回測定し,PCを使用して記録した。印加された電位は,帯電されたトナー粒子が前記帯電されたトナー粒子と反対極性を有する板(電極)側に移動させる。ITOコーティングされたガラス板に印加される電圧の極性を調節することによって,トナー粒子を前記板に移動させうる。
ITOコーティングされたガラス板を装置から除去して50℃の温度で約30分間オーブンに置いて付着されたインクを完全に乾燥させた。乾燥させた後,乾燥されたインクフィルムを含有したITOコーティングされたガラス板の重量を測定した。その後,Norpar(商標)12に含浸された布ワイプを利用してITOコーティングされたガラス板からインクを除去し,きれいになったITOガラス板の重量を再び測定した。乾燥されたインクコーティングされたガラス板ときれいになったガラス板間の質量の差は,20秒の付着時間の間に付着されたインク粒子の質量(m)と見なす。前記電流値を使用してカーブフィットトプログラム(例えば,System Software社製のTable Curve 2D)で電流対時間のプロット下の面積を積分して20秒の付着時間の間にトナー粒子(Q)によって運搬される総電荷を得た。トナー粒子によって運搬される総電荷を乾燥された付着インクの質量で割ることによって質量当り電荷(Q/m)を測定した。
下記実施例で,トナーは下記の方法(湿式電子写真プリンティングト法として実施例で言及される)を使用して最終画像受容体上にプリントされた。
感光性臨時画像受容体(有機感光体または“OPC”)を約850voltで均一に正帯電させた。OPCの正帯電された表面にレーザを照射する度に電荷を減少させるために,走査赤外線レーザモジュールで画像に沿って照射した。通常的な電荷減少値は50ボルト〜100ボルトであった。
その後,現像装置を使用してトナー粒子をOPCの表面に印加した。現像装置は下記要素を含む。OPCと接触している導電性ゴム現像ロール,湿式トナー,導電性付着ロール,現像ロールの表面と接触している絶縁性フォーム洗浄ロール,および前記現像ロールと接触している導電性スカイビングブレード(スカイブ)。現像ロールとOPC間の接触領域は“現像ニップ”と言及される。現像ロールと導電性付着ロールとはいずれも部分的に湿式トナーに浮遊する。現像ロールは液体トナーをOPCの表面に供給する一方,導電性付着ロールはそのロール軸が現像ロール軸と平行であり,その表面は現像ロールの表面から約150ミクロン離れて配列されて付着ギャップを形成している。
現像中に約500ボルトの電圧を導電性現像ロールに加え,600ボルトの電圧を付着ロールに印加することによって現像ロールの表面に先にトナーを転写した。これは現像ロールと付着ロール間に100ボルトの電位を作って付着ギャップでトナー粒子(正帯電される)が現像ロールの表面に移動し,現像ロールの表面が湿式トナーから空気中に出るにつれて現像ロールの表面に維持させる。
導電性金属スカイブは,少なくとも600ボルト(またはそれ以上)でバイアスされて付着ギャップに付着されたトナー層を剥かずに現像ロールの表面から液体トナーを剥き出した。この段階で現像ロールの表面は約25%の固形分を有する均一な厚さのトナー層を含んだ。前記トナー層が現像ニップを通過する時,トナーは現像ロールの表面からOPCの全ての放電領域から(電荷画像)OPC表面に転写されるが,これはトナー粒子が正帯電されたからである。現像ニップを離れる時,OPCはトナー画像を含有し,現像ロールは回転するフォーム洗浄ロールと合うことによって現像ロールの表面から洗浄され続ける負帯電されたトナー画像を含有した。
感光体上の現像された潜像(トーン画像)は,OPC上にトナーのフィルムを形成せずに最終画像受容体に転写され続けた。最終画像受容体に直接転写されるか,または静電気的に補助されたオフセット転写を利用して中間転写ベルト(ITB:Intermedia Tetransfer Belt)に,続けて静電気的に補助されたオフセット転写を利用して最終画像受容体に間接的に最終画像受容体に転写される。軟らかく,かつクレーでコーティングされた紙が感光体から非フィルム形成トナーを直接転写する最終画像受容体として望ましい一方,コーティングされていない20ポンドの一般ボンド紙が静電気的なアシストを利用したるオフセット転写のための最終画像受容体として望ましい。
非フィルム形成トナーを静電気的に転写することは,転写電位(OPC上のトナーと直接転写のための紙バックアップローラ間の電位差,または,OPC上のトナーとオフセット転写のためのITB間の電位差)がそれぞれ200〜1000V,または800〜2000V範囲に維持される時に最も効果的である。
(材料)
本実施例では下記のような略語を使用した。
LMA:ラウリルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TMI:ジメチル−m−イソプロフェニルベンジルイソシアネート
EA:エチルアクリレート
EMA:エチルメタクリレート
V−601:開始剤,ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート
DBTDL:触媒,ジブチルチンジラウレート
<実施例1:グラフト共重合体安定化剤の製造>
<実施例1>
コンデンサー,デジタル温度調節器に結合されたサーモカップル,乾燥窒素供給源に結合された窒素注入チューブおよび磁気攪拌器を具備した5000ml容量の3口の丸底フラスコに2557gのNorpar(商標)12,849gのLMA,26.8gの98%HEMAおよび13.13gのV−601の混合物を満たした。前記混合物を攪拌しつつ反応フラスコを乾燥窒素で約2リットル/分の流速で30分間パージした。その後,中空ガラス栓をコンデンサーの開放端部に挿入し,窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を16時間70℃に加熱した。転換は定量的であった。
得られた混合物を90℃に加熱し,この温度で1時間維持して残留V−601を破壊させた後,再び70℃に冷却させた。その後,窒素注入チューブを除去して13.6gの95%DBTDLを前記混合物に添加した後,41.1gのTMIを加えた。反応混合物を攪拌しつつ約5分間TMIを滴加した。窒素注入チューブを元来の位置に戻した後,コンデンサーにある中空ガラス栓を除去し,反応フラスコを乾燥窒素で約2リットル/分の流速で30分間パージした。中空ガラス栓を再びコンデンサーの開放端部に挿入し,窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を70℃で6時間放置したが,その時間の間転換は定量的であった。
その後,前記混合物を室温に冷却させた。冷却された混合物は肉眼で見られる不溶性材料を含有していない粘性の透明液体であった。前記液体混合物中の固形分百分率は前記ハロゲンランプ乾燥法を使用して25.98%と測定された。引続き,前記のGPC法で分子量を測定した。前記共重合体は2個の独立的な測定に基づいて191,550DaのMおよび2.5のM/Mを有する。生成物はTMIのランダムな側鎖を含有したLMAとHEMAとの共重合体であり,ここではLMA/HEMA−TMI(97/3−4.7% w/w)と明示され,オルガノゾルを作るのに適している。
<実施例2〜5:Reactint(商標)ウレタン着色剤の統合によるオルガノゾルの製造>
<実施例2(比較)>
本実施例はReactint(商標)ウレタン着色剤を含有したオルガノゾルを製造するために実施例1のグラフト安定化剤を使用した比較例である。8オンス(0.24リットル)の狭い口を有するガラス瓶に126gのNorpar(商標)12,14.6gのEMA,1.4gのEA,25.98%の重合体固形分を有する実施例1のグラフト安定化剤混合物7.7gおよび0.18gのV−601を混合した。前記瓶を約1.5リットル/分の速度で乾燥窒素で1分間パージした後,テフロン(登録商標)ライナー付きスクリューキャップで密封した。前記キャップを電気テープを使用して元の位置に固定させた。密封された瓶を金属ケージアセンブリに入れてアトラスラウンダオメータ(Atlas Launder−Ometer;Atlas Electric Devices Company,Chicago,IL)の攪拌器アセンブリ上に設置した。前記ラウンダオメータを水槽温度を70℃にして42RPMの固定された攪拌速度で作動させた。前記混合物を約16〜18時間反応するように放置し,この時間の間にモノマーの重合体への転換は定量的であった。前記混合物を室温に冷却させて不透明な白色分散液を得た。
前記オルガノゾルはLMA/HEMA−TMI/EA/EMA(97/3−4.7//13/87w/w%)と本願に明示した。オルガノゾル分散液の固形分百分率は前記ハロゲンランプ乾燥法で12.02%と測定された。引続き,前記レーザー回折分析法で平均粒径を測定したが,前記オルガノゾルは体積平均直径が1.2μmであった。
<実施例3>
本実施例はReactint(商標)ウレタン着色剤が化学的に結合されたオルガノゾルを製造するために実施例1のグラフト安定化剤を使用した実施例である。コンデンサー,デジタル温度調節器に結合されたサーモカップル,乾燥窒素源に結合された窒素流入チューブおよび磁気攪拌器が備えられた5000mlの3口の丸底フラスコに2880gのNorpar(商標)12,341.5gのEMA,31.8gのEA,8.4gのTMI,52.5gのReactint(商標)Black X41LV(Milliken Chemical,Spartanburg,SC29304),25.98%の固形分含有量を有する実施例1のグラフト安定化剤混合物179.5gおよびV−601 6.03gの混合物を満たした。前記混合物を攪拌しつつ反応フラスコを乾燥窒素で約2リットル/分の流速で30分間パージした。その後,中空ガラス栓をコンデンサーの開放端部に挿入して窒素流速を約0.5リットル/分に減少させた。前記混合物を16時間70℃に加熱した。転換は定量的であった。前記混合物を室温に冷却させて自己安定性の黒色分散液を得た。
約350gのn−へプタンを冷却された分散液に添加し,生成された混合物をドライアイス/アセトンコンデンサーが備えられて90℃の温度および約15mmHgの真空で作動する回転蒸発器を使用して残留モノマーをはぎ取った。はぎ取られたオルガノゾルを室温に冷却させて安定した黒色オルガノゾルを得た。
オルガノゾルはLMA/HEMA−TMI//EA/EMA/TMI/ReactintBlack(97/3−4.7//7.3/78.6/12.1/2.0%w/w)と明示された。はぎ取った後のオルガノゾル分散液の固形分百分率は前記ハロゲンランプ乾燥法を使用して13.91%と測定された。引続き,前記レーザー回折分析法で平均粒径を測定したところ,前記オルガノゾルは体積平均直径が2.1μmであった。
<実施例4>
本実施例はReactint(商標)ウレタン着色剤が化学的に結合されており,粒径が1.0μmより小さなオルガノゾルを製造するために実施例2のグラフト安定化剤を使用した実施例である。32オンス(0.96リットル)のガラス瓶を使用することを除いては実施例1の方法および装置を使用して536gのNorpar(商標)12,63.4gのEMA,5.9gのEA,0.78gのTMI,9.8gのReactint(商標)Black X41LV(Milliken Chemical,Spartanburg,SC 29304)および25.98%の重合体固形分を有する実施例1のグラフト安定化剤混合物33.3gおよび1.17gのV−601を混合し,生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させた。
実施例3の方法を使用して前記分散液をはぎ取って残留モノマーを除去した後,はぎ取られた分散液を室温に冷却させて自己安定性の黒色オルガノゾルを得た。
前記オルガノゾルはLMA/HEMA−TMI//EA/EMA/TMI/Reactint Black(97/3−4.7//7.4/79.3/12.3/1.0%w/w)と明示された。はぎ取った後のオルガノゾル分散液の固形分百分率は前記ハロゲンランプ乾燥法で13.69%と測定された。引続き,前記レーザー回折分析法で平均粒径を測定したところ,前記オルガノゾルは体積平均直径が0.3μmであった。
<実施例5>
本実施例はReactint(商標)ウレタン着色剤が化学的に結合されており,粒径が5.0μmより大きい黒色オルガノゾルを製造するために実施例1のグラフト安定化剤を使用した実施例である。32オンス(0.96リットル)のガラス瓶を使用することを除いては実施例2の方法および装置を使用して,534gのNorpar(商標)12,63.4gのEMA,5.9gのEA,2.34gのTMI,9.8gのReactint(商標)Black X41LV(Milliken Chemical,Spartanburg,SC 29304)および25.98%の重合体固形分を有する実施例1のグラフト安定化剤混合物33.3gおよび1.17gのV−601を混合し,生成された混合物を70℃で16時間反応させた。前記混合物を室温に冷却させた。
実施例2の方法を使用して分散液をはぎ取って残留モノマーを除去した後,はぎ取られた分散液を室温に冷却させて自己安定性の黒色オルガノゾルを得た。
前記オルガノゾルは,LMA/HEMA−TMI//EA/EMA/TMI/Reactint Black(97/3−4.7//7/78/12/3%w/w)と明示された。はぎ取った後のオルガノゾル分散液の固形分百分率は前記ハロゲンランプ乾燥法で13.57%と測定された。引続き,前記レーザー回折分析法で平均粒径を測定したところ,前記オルガノゾルは体積平均直径が8.0μmであった。
<実施例6〜7:湿式トナーの製造>
それら実施例で製造された湿式トナー組成物の特性決定のために下記のものを測定した。サイズと関連した特性(粒径),電荷と関連した特性(バルクおよび自由相伝導度,動的移動ドおよびゼータ電位),および質量当りトナー電荷量(Q/M)に直接比例するパラメータの電荷量/現像された反射画像濃度(Z/ROD)。
<実施例6>
本実施例は実施例3で製造されたオルガノゾルを使用して黒色湿式トナーを製造する実施例である。Norpar(商標)12中の固形分含有量が13.91%(w/w)である実施例3のオルガノゾル300gを0.5リットルプラスチック瓶中の1.00%ジルコニウムHEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)2.32gと混合した。前記混合物をテストする前に48時間シェーカ上に放置した。
13%(w/w)固形分のトナー濃縮液は前記一試験方法で(に)測定した時下記特性を表した。
体積平均粒径:2.0ミクロン
Q/M:447μC/g
バルク伝導度:969picoMos/cm
自由相伝導度百分率:22.9%
動的移動度:5.14E−11(m/Vsec)
前記プリンティング工程を使用して前記トナーをテストした。反射画像濃度(ROD)は525ボルトより大きいプレーティング電圧(platingvoltage)で(から)0.60だった。前記トナーは優秀な転写効率を表した。
<実施例7>
本実施例は実施例3で製造されたオルガノゾルを使用して黒色湿式トナーを製造する実施例である。Norpar(商標)12中の固形分含有量が13.91%(w/w)である実施例3のオルガノゾル300gを0.5リットルプラスチック瓶中の1.00%ジルコニウムHEX−CEM溶液(OMG Chemical Company,Cleveland,Ohio)4.64gと混合した。前記混合物をテストする前に48時間シェーカ上に置いた。
13%(w/w)固形分のトナー濃縮液は前記試験方法で測定した時に下記特性を表した:
体積平均粒径:2.0ミクロン
Q/M:840μC/g
バルク伝導度:1443picoMos/cm
自由相伝導度百分率:23.3%
動的移動度:6.37E−11(m/Vsec)
上記プリンティング工程を使用して前記トナーをテストした。反射画像濃度(ROD)は525ボルトより大きいプレーティング電圧で0.53であった。前記トナーは優秀な転写効率を表した。
なお,本願に使われた百分率および比率は,別途に示さない限り,重量百分率および重量比である。本願に引用された特許文献および非特許文献は,個別的に統合されたように引用により本願に含まれている。本発明の様々な特性および利点は,上述した説明に記述されている。
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法に適用可能であり,特に,ウレタン結合,ウレア結合またはアミド結合により発色団が共有結合されている両親媒性共重合体,両親媒性共重合体を含むトナー組成物および両親媒性共重合体の製造方法に適用可能である。

Claims (25)

  1. 一つ以上のS部分および一つ以上のD部分を含み,ウレタン結合,ウレア結合またはアミド結合を通じて共有結合された発色団を有する,両親媒性共重合体。
  2. 前記発色団は,ウレタン結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  3. 前記発色団は,ウレア結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  4. 前記発色団は,アミド結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  5. 前記発色団は,前記両親媒性共重合体のS部分に共有結合されたことを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  6. 前記発色団は,前記両親媒性共重合体のD部分に共有結合されたことを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  7. 所定の色を提供するために,単一色の発色団が前記両親媒性共重合体に共有結合されていることを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  8. 所定の混合された色を提供するために,相異なる色を有する複数個の発色団が前記両親媒性共重合体に共有結合されていることを特徴とする,請求項1に記載の両親媒性共重合体。
  9. 請求項1に記載の両親媒性共重合体を複数個含むことを特徴とする,トナー組成物。
  10. 実質的に顔料を含まないことを特徴とする,請求項9に記載のトナー組成物。
  11. 所定の混合された色を有するトナー組成物を提供するために,それぞれ相異なる色を有する一つの発色団が共有結合された複数個の両親媒性共重合体を所定の割合で含むことを特徴とする,請求項9に記載のトナー組成物。
  12. 所定の混合された色を有するトナー組成物を提供するために,それぞれ相異なる色を有する複数個の発色団が所定の割合で共有結合された複数個の両親媒性共重合体を含むことを特徴とする,請求項9に記載のトナー組成物。
  13. a)カウリ−ブタノールナンバーが30ml未満である液体キャリアと;
    b)前記液体キャリアに分散された複数個のトナー粒子と;
    を含む湿式電子写真用トナー組成物であって,
    前記トナー粒子は,一つ以上の請求項1による両親媒性共重合体を含む重合体バインダーを含むことを特徴とする,湿式電子写真用トナー組成物。
  14. a)一つ以上のモノマーが第1反応性官能基を含む複数個のフリーラジカル重合可能なモノマーを提供する段階と;
    b)溶媒中のモノマーをフリーラジカル重合して第1反応性官能基を有する重合体を形成する段階であって,前記モノマーおよび第1反応性官能基を有する重合体は前記溶媒に可溶性である段階と;
    c)第1反応性官能基と反応する第2反応性官能基を持ち,かつフリーラジカル重合可能な官能基を有する化合物を,前記化合物の第2反応性官能基の少なくとも一部が前記重合体の第1反応性官能基の少なくとも一部と反応して前記化合物が前記重合体に結合されうる一つ以上の結合を形成する条件下で前記第1反応性官能基を有する重合体と反応させて,側鎖にフリーラジカル重合可能な官能基を有するS材料部分重合体を提供する段階と;
    d)(i)側鎖にフリーラジカル重合可能な官能基を有するS材料部分重合体,(ii)一つ以上のフリーラジカル重合可能なモノマー,(iii)第3反応性官能基を含む発色団,および(iv)成分(ii)の一つ以上のモノマーをさらに含む成分から誘導された重合体材料が不溶性の液体キャリアを含む成分を共重合させる段階と;
    からなり,
    成分(i)および(ii)のうち少なくとも一つは,利用可能な第4反応性官能基を含み,
    第3および第4反応性官能基のうちいずれか一方は,イソシアネート官能基であり,
    第3および第4反応性官能基のうちいずれか他方は,ヒドロキシル,アミノ,カルボキシルまたはそれらの混合物でなる群から選択され,
    前記共重合はSとD部分,およびウレタン,ウレアまたはアミド結合を通じてそれに共有結合された発色団を有する両親媒性共重合体を形成することが可能な条件下でなされる,
    ことを特徴とする両親媒性共重合体の製造方法。
  15. 前記発色団は,ウレタン結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  16. 前記発色団は,ウレア結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  17. 前記発色団は,アミド結合を通じて前記両親媒性共重合体に共有結合されたことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  18. 前記第3反応性官能基は,イソシアネートであり,
    前記第4反応性官能基は,ヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基,並びにそれらの混合物から選択される,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  19. 前記第3反応性官能基は,イソシアネートであり,
    前記第4反応性官能基は,ヒドロキシルである,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  20. 前記第3反応性官能基は,ヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基,並びにそれらの混合物から選択され,
    前記第4反応性官能基は,イソシアネートである,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  21. 前記第1反応性官能基は,ヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基,並びにそれらの混合物から選択され,
    前記第2反応性官能基は,イソシアネートおよびエポキシ官能基から選択される,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  22. 前記第1反応性官能基は,ヒドロキシル官能基であり,
    前記第2反応性官能基は,イソシアネート官能基である,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  23. 前記第1反応性官能基は,イソシアネートおよびエポキシ官能基から選択され,
    前記第2反応性官能基は,ヒドロキシル,アミノおよびカルボキシル官能基,並びにそれらの混合物から選択される,
    ことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  24. 前記発色団は,前記両親媒性共重合体のS部分に共有結合されたことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
  25. 前記発色団は,前記両親媒性共重合体のD部分に共有結合されたことを特徴とする,請求項14に記載の方法。
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