JP2005022764A - 金属線条体用リール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状の捲胴部1と、捲胴部の左右両側に一体的に設けられた一対のフランジ2とを備えた金属線条体用リール10において、捲胴部の捲き面1aを、捲き面との間に隙間aをあけて配設され捲き面1aのほぼ全周を被覆可能な円筒状で同円筒状体にかかる巻き圧を吸収するための不連続部6を有する胴当板5で包み、さらに捲胴部1の内部に螺旋構造体20を溶接した構成により、金属線条体をリールに巻付けた時の巻付け張力によるリール捲胴部1の破損を、捲胴部1の内外がら防止するようにして課題解決の手段としている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属線条体を巻装するためのリールに関し、特に、金属線条体をリールに巻付けた時の巻付け張力によるリールの捲胴部の破損防止対策、およびリールの捲胴部とフランジとの接合部の破損防止対策を施した金属線条体用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属線条体用リール011は、図9、図10に示すように、捲胴部012と、捲胴部012の両端部に配設される一対のフランジ013、013とで構成されている。捲胴部012および一対のフランジ013、013は構造用炭素鋼(例えばS45C)などの厚肉鋼材で造られている。そして、製造の仕方によって、捲胴部012とフランジ013、013とを一体物として削り出した一体物リール(削り出しリール)と、捲胴部012とフランジ013、013とを別々に製作し、捲胴部012とフランジ013、013とを溶接した溶接リール(組立てリール)とに分類されている。
【0003】
これらのリールに金属線条体、例えば線径が0.12〜0.16mm(あるいはそれ以下)のワイヤソ−用極細金属線、またはゴム製品補強用の撚線スチールコード(タイヤコード)の素線としての線径0.15〜0.40mm程度の極細金属線(場合によってはスチールコードをも含む)を所定の張力(例えば0.4kg〜1.5kg)でリールに巻付けた場合に、この巻付け張力に起因して、大きな締め付け力が捲胴部に作用する。
そして、捲胴部の幅Hよりもフランジの直径Lが大なリール(H<L、図9参照、「スリム型リール」という)の場合、捲胴部にかかる巻き圧よりもフランジにかかる圧力(側圧)の方が遙かに大きく、この圧力は、図9に点線で示すように、両フランジを互いに離反する方向に押し広げる変形を起こすように作用する。
発生する側圧は、金属線条体の線径が小さいほど、また巻き付け張力が大きいほど、そして巻き付け往復回数が多いほど大きくなる。上記極細金属線、例えばワイヤソ−の場合、リールに40〜60kgあるいはそれ以上の重量を巻き付けるが、このような場合の側圧は数トンあるいは数十トンに達することがる。
その結果、このスリム型リールの場合、捲胴部とフランジとの継ぎ目Yに応力が集中し、この個所で破損が発生する。したがって、このような形状のリールの場合には、特に捲胴部012とフランジ013との接合部の補強が必要となる。
捲胴部とフランジとを溶接して構成したリールの場合、この溶接部分で応力(側圧)を完全に吸収できないので、極めて破損度が高い。したがって、このような形状のリールの場合に対しては、リールの捲胴部およびフランジの補強対策、ならびに捲胴部とフランジとの接合部の破損防止対策が必要となる。
【0004】
一方、フランジの直径Lが捲胴部の幅Hよりも大なリール(L<H、図10参照、「胴長リール」という)の場合、巻付け張力に起因して捲胴部に作用する上記の大きな締め付け力は、フランジよりも捲胴部に集中し、この締め付け力(巻き圧)により、捲胴部はその中央部が縮径するように変形し(図10に点線で示す)、この変形により、両フランジは内側に倒れこむように変形する。したがって、このような形状のリールに対しては、捲胴部に対する補強が必要となる。
【0005】
従来リールは、この側圧に耐え得る強度や剛性を付与するために、厚さ20〜50mm程度の厚肉鋼材を使用していた。このため、従来リールは非常に重量が重く、リールの取り扱い性が非常に悪く、運搬コストもかさんでいた。また材料費や加工コストが高くなっていた。
さらに、このような頑丈な構造のリールであっても、発生する側圧が途方もなく大きいために、フランジや捲胴部が塑性変形することは避けられない。そして、数回ないし十数回の繰り返し使用で、リールの変形が進行し、あるいは破損して使い物にならなくなる。すなわち、従来リールは、コスト高に見合う耐久性が保証できないという問題があった。このような問題に対処したリールとして、特許文献1に示すようなリールが提案されている。
さらに、捲胴部の内側に補強部材を配設して捲胴部の補強を図るようにしたリールも提案されている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−114798号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−206636号公報(第2頁、第3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のリールは、図11に示すように、ソーワイヤを巻かれるバレル部01と、バレル部01両端のフランジ部02と、バレル部01の中心中空部内に圧入された充填材03とにより形成され、充填材03がリールの変形を抑制するように作用する構成となっている。ここで、充填材03は鋼よりも軽量で、かつ圧縮強度を有する材料からなり、蓋部材04により保持されるようになっている。図11中の符号05は蓋部材04をフランジ部02の端部に固着するための雄ネジを示している。
ところで、図11に示された金属線条体用リールは、金属線条体の巻付け張力によりバレル部(捲胴部)が締め付けられても、バレル部01の中心中空部内に圧入された充填材03が締め付け力に対抗するように作用して、バレル部01の変形を抑制できるものの、構造が複雑なため、また充填材を必要とするため、コスト面および重量面において不利であるという課題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載のリールは、図12に示すように、捲胴部031の内側にリング状の補強板033があてがわれた構成となっている。符号032はフランジ部を示す。この図12に示すリールは、その捲胴部031は補強板033から離れた部分では補強効果が小さくなるため、補強板033の数が少ないと、局部的に強度が弱くなる。補強板033の数を増やすと製作コストが高くなるほか、製造工程が増し作業能率も悪くなる。
本発明の課題は、従来の金属線条体用リールにおけるこれらの課題を解決して、軽量かつ安価でありながら、十分な強度と反復使用性を有する極細金属線用リールを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両側に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体用リールにおいて、上記捲胴部の捲き面を、同捲き面との間に隙間をあけて配設され同捲き面のほぼ全周を被覆可能な円筒状の胴当板で包み、同胴当板に、同胴当板にかかる巻き圧を吸収するための不連続部を形成する構成により、金属線条体をリールに巻付けた時の巻付け張力によるリール捲胴部の破損を防止するようにして課題解決の手段としている。
【0010】
この発明のリールは、捲胴部が、リール本体の捲き面と円筒状の胴当板との二層構造となっており、しかも胴当板は、リール本体の捲き面との間に隙間をあけて配設されているため、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により胴当板は自由に弾性変形できる。しかも胴当板に形成された不連続部が胴当板の弾性変形量を吸収するように作用するから、捲胴部に作用する大きな締め付け力の大部分が胴当板で吸収される。このようにして、本発明によれば、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部に作用する大きな締め付け力により、リール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを抑制することができ、リールの耐久性の向上が可能となる。
【0011】
さらに、本発明は、円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両側に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体用リールにおいて、上記捲胴部の捲き面を、同捲き面との間に隙間をあけて配設され同捲き面のほぼ全周を被覆可能な円筒状の胴当板で包み、上記の捲胴部と各フランジとの連接角部に、断面形状L型のコーナー当板を、それぞれそれらの各垂直部外面を上記各フランジの内面にスポット溶接し、上記各フランジの内面に、ド−ナツ状の平面形状を有するフランジ当板をそれぞれ固着し、上記各コーナー当板の垂直部の端縁部に、上記各フランジ当板の内側周縁部を溶接するとともに、同各コーナー当板の水平部の端縁部に上記胴当板の各外縁部をそれぞれ溶接するようにして課題解決の手段としている。
【0012】
この発明のリールは、捲胴部が、リール本体の捲き面と円筒状の胴当板との二層構造となっており、しかも胴当板は、リール本体の捲き面との間に隙間をあけて配設されているため、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により胴当板は自由に弾性変形でき、しかも胴当板に形成された不連続部が胴当板の弾性変形量を吸収するように作用するから、捲胴部に作用する大きな締め付け力の大部分が胴当板で吸収される。このようにして、本発明によれば、円筒状の胴当板の作用により、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部に作用する大きな締め付け力により、リール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを抑制する機能を有するとともに、コーナー当板の垂直部の端縁部をフランジ当板の内側周縁部に溶接した際に発生した溶接歪みに伴う応力が、リールの製作時にフランジを内方に引っ張る応力として残留する。つまり、リールの製作時に、フランジを内方に引っ張る初期応力が存在し、そしてこの初期応力が、側圧によりフランジが互いに離反する方向に押し拡げられるのを防止するように作用する。さらに、捲胴部とフランジとの継ぎ目に設けられたコーナー当板が、この個所での破損の発生を防止するよう作用し、これら各部材の相互作用により、リールの耐久性の向上が可能となる。
【0013】
また、捲胴部の巻き面のほぼ全周を一対の胴当板間に形成した隙間が、胴当板の弾性変形を吸収するよう作用する。
【0014】
また、コーナー当板の屈曲部の内面を円弧状に形成しておくことで、応力集中を避けることができる。
【0015】
さらにまた、円筒状の捲胴部の内側に、鋼線材製の螺旋構造体を設けて課題解決の手段としている。捲胴部の内側に設けられた螺旋構造体が、捲胴部を内側からほぼ均等に補強するよう作用するので、リールの剛性を増すばかりか、巻圧吸収効果および側圧吸収効果が付加され、このことにより、リール剛性の向上とリールの巻圧吸収機能および側圧吸収機能の一層の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、図面とともに本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第一実施形態としての金属線条体用リールの断面図、図2は同要部の断面図、図3は同斜視図、図4(a)、(b)は同テスト結果を示すグラフ、図5は胴当板の斜視図、図6(a)〜(e)は不連続部(スリット)の例を示す概略図である。図7は同第二実施形態としての金属線条体用リールの側面図、図8(a)は螺旋構造体の側面図、(b)は同正面図である。
【0017】
図1〜3において、符号10は金属線条体用リールを示しており、この金属線条体用リール10は円筒状の捲胴部1と捲胴部1の左右両側に一体的に設けられたフランジ2、2とを備えて構成されている。
【0018】
捲胴部1の捲き面1aが、捲き面1aとの間に隙間aをあけて配設され捲き面1aのほぼ全周を被覆可能な円筒状の胴当板5で包みこまれている。
胴当板5には、胴当板5にかかる巻き圧を吸収するための不連続部6が形成されている。この不連続部6は、図1に示したリールでは、僅かな幅を有するスリット7(図2、図3参照)で構成されている。
【0019】
スリット7は、その軸線Zが、図1、図2、図3および図6(a)に示すように、捲胴部1の軸線に対して垂直方向に延在するように形成されている。なお、スリット7はその軸線Zが垂直方向からある程度の角度傾斜した場合においても、作用効果に殆ど差異はない。フランジ2の直径Lが捲胴部1の長さHよりも大きい形状のリール(スリム型リール)では、捲胴部1に掛かる圧力Aよりもフランジ2に掛かる圧力B(図6(a)参照)の方が大きいため、方向Zをこのように設定すると、胴当板5による巻圧の吸収効果が高くなる。
【0020】
このほか、スリット7は、その軸線Zが、図6(b)などに示すように、捲胴部1の軸線に平行方向に延在するように形成してもよい。図6(b)などに示したフランジ2の直径Lが捲胴部1の長さHよりも小さい「胴長リール」の場合、捲胴部1に掛かる圧力Aよりもフランジ2に掛かる圧力Bの方が小さいため、軸線Zをこの方向に設定する方が、胴当板5による巻圧の吸収効果が高くなるので、スリット7としてはこの方向のものが望ましい。
なお、スリット7が平行方向からある程度の角度傾斜した場合においても作用効果に殆ど差異はない。
図6(a)、(b)および図2、3に示した例では、スリット7は平面視サインカ−ブ曲線形状に形成されている。しかし、スリット7の形状は平面視サインカ−ブ曲線形状でなくてもよい。この点についは、後述する。
【0021】
リールの製作段階(捲胴部1にフランジ2が取り付けられる前の段階)では、胴当板5を捲胴部1の横側(あるいは上側)から嵌合することにより、簡単に装着することができる。
既存のリールに装着する場合には、胴当板5を半円形状の一対の半割り体5A、5Bに形成し、これらをそれぞれ捲胴部1の外側(あるいは上側)から嵌合した後、それらの対向面を溶接することにより、装着することができる。図2、3および図6(a)の符号15は溶接線を示している。
図6(b)に示すものの場合もほぼ同様で、図5に示すように、胴当板5を半円形状の一対の半割り体5A、5Bに形成してこれらをそれぞれ捲胴部1の外側から嵌合するのであるが、この例の場合、半割り体5A、5Bの互いに対向する一方の側端縁面(外側面)5aは平面視直線状の直線面に形成され、互いに対向する他方の対向端縁面(内側面)5bは平面視サインカ−ブ状の曲線面に形成される。そして、両方の外側面5a同志を溶接することにより、円筒状の胴当板5が形成されると同時に、対向端縁面(内側面)5b間に、所定寸法のスリット7が形成される。
このようにして、既存のリールにも簡単に胴当板5を装着することができる。
またこれと反対の工程により、簡単に取り外すこともできるので、胴当板5の取り替えが可能となり、リールを半永久的に使用することが可能となる。
【0022】
このように、この実施形態のリールは、捲胴部1が、リール本体の捲き面1aと円筒状の胴当板5との二層構造となっており、しかも胴当板5は、リール本体の捲き面1aとの間に隙間をあけて配設されているため、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部1に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により胴当板5は自由に弾性変形することができる。しかも胴当板5に形成された不連続部(スリット7)が胴当板5の弾性変形量を吸収するように作用するから、捲胴部1に作用する大きな締め付け力の大部分を胴当板5が吸収する。このようにして、この実施形態のリールによれば、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部1に作用する大きな締め付け力により、リール捲胴部1の中央部が縮径するように変形するのを防止することができ、リールの耐久性の向上が可能となる。
【0023】
スリット7の形状として、図6(c)に示すような、滑らかな曲線(例えばサインカ−ブ曲線)に形成されたもののほか、図6(d)に示すような、スリット7の形状が平面視で連続した山形形状に形成されたものや、図6(e)に示すような、スリット7の形状が平面視直線に形成されたものなども、図6(c)のものとほぼ同様の効果が得られる。
ところで、巻圧が作用したり、取り除かれたりしたことにより、胴当板5は伸縮するが、その場合伸縮範囲が大きいほど弾性変形量が大きくなる。そしてこの伸縮範囲は、スリット7がその軸線と直交する方向に分布する寸法(設定有効寸法)C(図6(c)参照)に比例するから、寸法Cは大きい方が望ましい。
このような観点から、図6(c)、図6(d)のものの方が、図6(e)のものよりも大きな弾性変形が得られ、捲胴部1に掛かる巻圧をより多く吸収できるので、有利である。図6(e)のものは加工コストの点で極めて有利である。
【0024】
図6(d)のものは、図6(c)のものとほぼ同様の伸縮範囲を有し、十分な巻圧吸収作用を発揮するが、山形の先端部(山形の頂上付近)の形状が鋭く、ワイヤを巻き付けたとき、この先端部が反ったり、浮いたりするなどの変形を生じやすく、さらに対向端縁部にワイヤが食い込みやすいので、極細線用リールとしては若干の不都合があるものの、加工が図6(c)のものに比べて簡単なため、製作コストの面で有利である。
【0025】
どの形状のスリット7を選択するかということは、各形状のものの上述の長所、短所に基いて決定される事項である。
なお、本明細書において、「サインカーブ状の曲線」とは、必ずしもサインカ−ブに限定するものではなく、サインカーブのような、滑らかな連続曲線を含むものである。
また、スリット7の幅dは、胴当板5の変形時にスリットを介して対向する端縁同志が当接するのを防止することができるような寸法に設定されることは、いうまでもない。
【0026】
図1〜3に示すリール10には、後述するように、胴当板5両側の捲胴部1とフランジ2との連接角部に、断面L字型のコーナー当板3が配設されているが、リールの捲胴部1の破損防止対策のみを目的とするリールでは、断面L字型のコーナー当板3は不必要となる。したがって、このようなリールにおいては、胴当板5を捲胴部1のほぼ全長に亘って延在するように構成すると、捲胴部1の変形や破損を防止する効果を一層高めることができる。
【0027】
上述の通り、図1〜3に示すリール10には、捲胴部1両側の各フンジ2との連接角部(接合部分、図7で矢Yで示した部分)にそれぞれ断面L字型のコーナー当板3が、また各フランジ2の各内面にそれぞれドーナツ状の平面形状を有するフランジ当板4が配設されている。
各フランジ当板4は各フランジ2の内面に固着されている。固着手段については特に限定しないが、溶接やボルト・ナットによる固着などが好ましい。図1〜3にはスポット溶接41により固着した例が示されている。
断面L字型のコーナー当板3は、その水平部の端縁部を胴当板5の外縁部に溶接31されるとともに、その垂直部の端縁部をフランジ当板4の内側周縁部に溶接32されている。
コーナー当板3の屈曲部Xは、その内面を円弧状に形成しておく(いわゆる「R」を付ける)ことが、応力集中を避けることができるので、望ましい。
【0028】
コーナー当板3およびフランジ当板4のリールへの取り付けについては、上述の胴当板5の場合と同様である。
すなわち、リールの製作段階(捲胴部1にフランジ2が取り付けられる前の段階)では、コーナー当板3およびフランジ当板4を捲胴部1の外側から嵌合することにより、簡単に装着することができる。
既存のリールに装着する場合には、コーナー当板3およびフランジ当板4を半円形状の一対の半割り体に形成し、これらをそれぞれ捲胴部1の外側から嵌合した後、それらを溶接3a、4aにより一体化してから、それぞれ胴当板5あるいはフランジ2に溶接乃至固着することにより、装着することができる。
このようにして、既存のリールにも簡単にコーナー当板3およびフランジ当板4を装着することができ、またこれと反対の工程により、これらの各部材を簡単に取り外すこともできるので、胴当板5、コーナー当板3およびフランジ当板4の取り替えが可能となり、リールを半永久的に使用することが可能となる。
なお、コーナー当板3およびフランジ当板4の取り付けは、▲1▼フランジ当板4のフランジ内面への固着、▲2▼コーナー当板3の水平端縁部の胴当板5の外縁部への溶接31、▲3▼コーナー当板3の垂直端縁部のフランジ当板4の内側周縁部への溶接32、の順に行うのが、作業効率上望ましい。
【0029】
このような構成のリール10は、フランジ部分が、本来のフランジ2とフランジ当板4との2層構造となるので、フランジ部の剛性が大きくなる。さらに、コーナー当板3の垂直部の端縁部をフランジ当板4の内側周縁部に溶接したことにより、溶接部付近に、溶接時に発生した溶接歪みに伴うフランジ2を内方に引っ張る応力が残留し、この応力により、製作後にもフランジ2は内方に引っ張られた状態に保持される。つまり、この実施形態のリール10は、製作時に、フランジ2を内方に引っ張る初期応力を具備することとなる。
この初期応力は、側圧によりフランジが互いに離反する方向に押し拡げられるのを阻止する方向に作用するので、リールに金属線条体を巻付けた場合に、フランジ2にかかる圧力(側圧)により、両フランジ2、2を互いに離反する方向に押し広げる変形を抑圧することが可能となる。
さらに、捲胴部1とフランジ2との継ぎ目に設けられたコーナー当板3が、コーナー当板3に作用する側圧に対抗するとともに、その弾性が、コーナー当板3の屈曲部Xを中心としたフランジ2の復元性に大きく貢献し、この個所での破損の発生を防止するよう作用する。
このように、フランジ部分を2層構造にした構成、捲胴部1とフランジ2との継ぎ目にコーナー当板3を設ける構成、およびコーナー当板3の垂直部の端縁部をフランジ当板4の内側周縁部に溶接した構成により、さらにリール捲胴部の中央部が縮径するように変形するのを防止する機能を有する円筒状の胴当板5を設ける構成、の相互作用により、リールに金属線条体を巻付けた場合のリールの変形乃至破損、特にフランジの内側への変形の抑制および解巻後の復元性の向上をはかることが可能となり、リールの耐久性の向上が可能となる。
【0030】
図4(a)は、図1〜3に示した実施形態に係る構成に金属線条体用リール10(1.5ton リール、コーナー当板3の屈曲部は、その内面にRがつけられている)のテスト結果を示すグラフである。このテスト結果を示すグラフは、この金属線条体用リール10は、5回使用した後においても、両フランジ間の寸法は、弾性限界内に止まっていて、この金属線条体用リール10が耐久性に優れていることを示している。
【0031】
図4(b)は従来の金属線条体用リール(1.5ton リール、コーナー当板3の屈曲部は、その内面にRがつけられている)のテスト結果を示すグラフである。図4(b)のグラフに示すように、リールの破損防止対策を施されていない従来の金属線条体用リールでは、1回目の使用でフランジは弾性限度を越えた変形を起こしており、金属線条体がリールから解かれても、リールは原状に復帰していないことがわかる。したがって、このような従来の金属線条体用リールでは、2回の使用が限度となる。
両グラフを比較するとき、この発明の金属線条体用リールが従来のものに対して耐久性において優ぐれていることを読み取ることができる。
【0032】
次に、図7、8により、第二実施形態について説明する。
この第二実施形態の金属線条体用リールは、上述の第一実施形態に係る金属線条体用リールの円筒状の捲胴部1の内側に、螺旋構造体20(図8参照)が取り付けられて構成されている。この螺旋構造体20は、鋼線材(フラットバ−)をコイル状に成形加工して形成される。この螺旋構造体20は、捲胴部1を内側から補強するためのもので、螺旋構造体20は、円筒状の捲胴部1の内面にスポット溶接などの適宜な取り付け手段で取り付けられている。図7中の符号22は芯軸、23は補強板を示す。
【0033】
螺旋構造体20を形成する鋼線材としては、その断面形状が四角形のもの(一般に「フラットバー」とよばれている)が通常用いられるが、断面形状が三角形状またはT字状のものであってももよい。その場合、これらの線材により形成される螺旋構造体20の外周が平面形状となるような形状に形成されて、この平面部で捲胴部1の内面に溶接される構成とする。
【0034】
図12に示した従来の補強型の金属線条体用リールでは、リング状の補強板033がより多くの負荷を支持することになるため、捲胴部031に巻き圧が作用した時、図14に示すように、補強されていない箇所は変形し、捲胴部031は全体として波打ち型(点線図示)に変形することになる。
一方、第二実施形態の金属線条体用リールでは、図13に示すように、捲胴部1の軸線に直交する断面線W−W(断面線W−Wは無数に存在する)のすべての断面線W−W上には螺旋構造体20(の一部)が必ず配置されている構成となっているので、捲胴部1の単位面積当たりの応力が均一化し、捲胴部1に部分的な変形は起こり難くなる。螺旋構造体20のピッチが小さいほど上記の効果が大きいことは、いうまでもない。
【0035】
組み立ては、螺旋構造体20を予め製作しておき、これを捲胴部1の内部に溶接することにより行うことができるので、螺旋構造体20、すなわち補強体の位置決め作業は一度でよい。一方、図11の金属線条体用リールの場合、複数枚の補強板033を捲胴部031の内部に溶接するためには複数回の位置決め作業を必要とするのであるから、図11のものに比べて、この実施形態の金属線条体用リールは製作効率、製作コストの上で有利である。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1)捲胴部が、リール本体の捲き面と円筒状の胴当板との二層構造となっており、しかも胴当板は、リール本体の捲き面との間に隙間をあけて配設されているため、金属線条体をリールに巻付ける時、捲胴部に大きな締め付け力が作用すると、その締め付け力により胴当板は自由に弾性変形できる。しかも胴当板に形成された不連続部が胴当板の弾性変形量を吸収するように作用するから、捲胴部に作用する大きな締め付け力の大部分が胴当板で吸収されるので、金属線条体をリールに巻付ける場合の捲胴部に作用する大きな締め付け力によりリール捲胴部の中央部が縮径するように変形を抑制でき、使用時におけるリールの巻き圧による変形を、リール構成部材の弾性限度内とすることができて、リールの耐久性の向上が可能となる。
(2)捲胴部を、リール本体の捲き面と円筒状の胴当板との二層構造とした構成により、上記(1)と同様に使用時におけるリールの巻き圧による変形を、リール構成部材の弾性限度内とすることができるとともに、コーナー当板の垂直部の端縁部をフランジ当板の内側周縁部に溶接した際に発生した溶接歪みにより、リールの製作時に、フランジを内方に引っ張る初期応力が存在し、この初期応力が、側圧によりフランジが互いに離反する方向に押し拡げられるのを抑制するように作用し、さらに、捲胴部とフランジとの継ぎ目に設けられたコーナー当板が、この個所での破損の発生を防止するよう作用し、これら各部材の相互作用により、リールの耐久性の向上が可能となる。
(3)胴当板、コーナー当板およびフランジ当板は、既存のリールに対しても簡単に取り付けたり、取り外したりできて、取り替え可能であるので、リールを半永久的に使用することが可能となる。
(4)第二実施形態の金属線条体用リールでは、上記の効果の外に、捲胴部の内側に設けた螺旋構造体の作用により、巻き圧吸収機能および側圧吸収機能が一段向上する。しかもこの第二実施形態の金属線条体用リールは、予め製作した螺旋構造体を捲胴部の内部に溶接することにより金属線条体用リールを形成することができるので、製作効率、製作コストの上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態としての金属線条体用リールの断面図 。
【図2】同要部の断面図。
【図3】同斜視図。
【図4】(a)、(b)は同テスト結果を示すグラフ。
【図5】同胴当板の斜視図。
【図6】(a)〜(e)は不連続部(スリット)の例を示す概略図。
【図7】同第二実施形態としての金属線条体用リールの側面図。
【図8】(a)は螺旋構造体の側面図。
(b)は同正面図。
【図9】従来のスリム型リールの側面図。
【図10】従来の胴長リールの側面図。
【図11】従来の高強度リールの断面図。
【図12】従来の捲胴部補強対策を施した金属線条体用リール。
【図13】第二実施形態としての金属線条体用リールの効果説明図。
【図14】図11に示した金属線条体用リールの効果説明図。
【符号の説明】1:捲胴部、1a:捲胴部の捲き面、2:フランジ、3:コーナー当板、4:フランジ当板、5:胴当板、6:不連続部(スリット)、20:螺旋構造体、31、32、41:溶接(部)、X:コーナー当板の屈曲部、Y:捲胴部とフランジとの連接角部、Z:不連続部(スリット)の軸線、a:捲き面と胴当板5との間の隙間。
Claims (14)
- 円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両側に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体用リールにおいて、
上記捲胴部の捲き面が、同捲き面との間に隙間をあけて配設され同捲き面のほぼ全周を被覆可能な円筒状の胴当板で包みこまれ、
同胴当板が、同胴当板にかかる巻き圧を吸収するための不連続部を備えていることを特徴とする金属線条体用リール。 - 上記不連続部が、上記捲胴部の軸線に対して垂直方向に延在するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の金属線条体用リール。
- 上記不連続部が、上記捲胴部の軸線に対して平行方向に延在するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の金属線条体用リール。
- 上記不連続部が、上記捲胴部の軸線に対して任意の角度傾斜した方向に延在するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の金属線条体用リール。
- 上記不連続部が、滑らかな曲線で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 上記不連続部が、平面視直線に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 上記不連続部が、平面視で連続した山形形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 円筒状の捲胴部と、同捲胴部の左右両側に一体的に設けられた一対のフランジとを備えた金属線条体用リールにおいて、
上記捲胴部の捲き面が、同捲き面との間に隙間をあけて配設され同捲き面のほぼ全周を被覆可能な円筒状の胴当板で包みこまれ、
上記の捲胴部と各フランジとの連接角部に、断面形状L型のコーナー当板が、それぞれそれらの各垂直部外面を上記各フランジの内面にスポット溶接されて配設され、
上記各フランジの内面に、ドーナツ状の平面形状を有するフランジ当板がそれぞれ固着され、
上記各コーナー当板の垂直部の端縁部に、上記各フランジ当板の内側周縁部が溶接されるとともに、同各コーナー当板の水平部の端縁部に上記胴当板の各外縁部がそれぞれ溶接されていることを特徴とする金属線条体用リール。 - 上記胴当板が、同胴当板にかかる巻き圧を吸収するための不連続部を備えていることを特徴とする請求項8に記載の金属線条体用リール。
- 上記各コーナー当板のL型屈曲部が、その内面を円弧状に形成されていることを特徴とする請求項8〜請求項9のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 上記円筒状の捲胴部の内側に、鋼線材をコイル状に成形加工して形成された螺旋構造体が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 上記螺旋構造体が、上記捲胴部の内面にスポット溶接されていることを特徴とする請求項11に記載の金属線条体用リール。
- 上記鋼線材の断面形状が、四角形であることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
- 上記鋼線材が三角形状またはT字状の断面形状を有し、同鋼線材をコイル状に成形加工して形成した螺旋構造体の外側部が平面となるように形成されることを特徴とする請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の金属線条体用リール。
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