JP2005021248A - カーリングストーン及びカーリングストーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一の形状・重量のカーリングストーンを容易かつ低廉に製造でき、カーリングストーンの破損部分のみを交換でき、長期間に亘り安定した滑走が可能なカーリングストーン及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】カーリングストーン1は、ストーン本体10がトップストーン2、センターストーン3及びアンダーストーン4でなる。成形凹部を有しエッジ成形溝30b2が形成された型30bを製作する工程と、成形凹部を有しその底部は平面状でなる型32を製作する工程と、型30b及び型32に成形材料を充填し硬化させアンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン3を成形する工程と、アンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン3の表面を処理する工程と、アンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン13とを接合する工程からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】カーリングストーン1は、ストーン本体10がトップストーン2、センターストーン3及びアンダーストーン4でなる。成形凹部を有しエッジ成形溝30b2が形成された型30bを製作する工程と、成形凹部を有しその底部は平面状でなる型32を製作する工程と、型30b及び型32に成形材料を充填し硬化させアンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン3を成形する工程と、アンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン3の表面を処理する工程と、アンダーストーン4、トップストーン2及びセンターストーン13とを接合する工程からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーリング競技、カーリングの練習、カーリング遊戯に用いるカーリングストーン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーリングは、氷上で行われるスポーツの一種であり、ストーンと称される円盤状の重い石を氷上で滑走させ、その進路をブラシで掃くことによりストーンの滑りを良くし又は滑走方向を変える等の調整をしながら、所定の円の中にストーンを入れて得点を競うものである。
【0003】
カーリングで使用されるカーリングストーンとしては、図7に示すようなものが知られている。図7はカーリングで使用される従来のカーリングストーンを示す図であり、(a)は従来のカーリングストーンの構成を示す斜視図、(b)は従来のカーリングストーンのストーン本体の断面図である。
【0004】
図7(a)に示すように、従来のカーリングストーン100は、ストーン本体110と、ハンドル130と、ボルト120とによって構成され、ストーン本体110は、平面視において全体が円形であり、図7(b)に示すように、平坦な上方平面部111及び下方平面部115を有し、周縁部は他のカーリングストーンと衝突する衝突部113を有している。また、上方平面部111及び下方平面部115から衝突部113にかけては曲面部112、114が形成されている。
【0005】
図7(b)に示すように、上方平面部111及び下方平面部115の中央部には、皿状に凹んだカップ111a、115aを有し、カップ111a、115aの周縁部にはエッジ111b、115bが形成されている。エッジ111b及び115bは、上方平面部111及び下方平面部115よりやや突出して形成されており、実際に氷上に当接し滑走するのはこのエッジ115bである。なお、上方平面部111と下方平面部115を反対にして使用する場合は、氷上に当接し滑走するのはエッジ111bとなる。
【0006】
カップ111a、115aの中央部には、上方平面部111及び下方平面部115と交差する方向にストーン本体110を貫通する貫通孔116を有し、貫通孔116のカップ111a近傍には四角形の係止段部111cが形成され、同様にカップ115a近傍には係止段部115cが形成されている。これは、ストーン本体110にハンドル130を取り付ける場合、図7(a)に示すように、四角形のボルト頭部120bを有するボルト120を、ボルト頭部120bが係止段部115cに係止されるまで下方平面部115側から貫通孔116に挿通することによって、ハンドルのナット部130cと堅固に固定可能にするためのものである。なお、上方平面部111と下方平面部115を反対にして使用する場合においては、ボルト120を、ボルト頭部120bが係止段部125cに係止されるまで下方平面部115側から貫通孔116に挿通し、上方平面部111側でハンドルのナット部130cと固定する。
【0007】
実際の競技で使用されるカーリングストーンは、更に次の規格に適合するものでなければならない。ハンドル130とボルト120を含めて、重さが44ポンド(19.96キログラム)、円周が36インチ(91.44センチメートル)を夫々超えてはならず、高さは4.5インチ(11.43センチメートル)を下回ってはならないことが競技規則において定められている。
【0008】
また、実際の競技で使用されるカーリングストーンの材質としては、摩擦に強く弾力性があり吸水性のないものが良く、このような観点から現在ではスコットランド産の花崗岩が良質とされており、これにより製造されたカーリングストーンが主流となっている。
【0009】
また、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンは、重さやエッジの幅など厳重なコンピューターチェックをクリアし世界カーリング連盟が承認したものであることが必要であって、このようなカーリングストーンは開催地によって用意され、選手が持ち込むことはできない。
【0010】
なお、カーリングストーンに関しては、実用新案登録3058640号公報や特開平11−313908号公報に開示されているものがある。
【0011】
【特許文献1】
実用新案登録3058640号公報
【特許文献2】
特開平11−313908号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ストーン本体110は、材料となる1つの石材(主として花崗岩)を前記形状になるように削って形成され製造されるものであるが、この製造工程の大部分は手作業で行う必要があるため、1つ1つのカーリングストーンの製造に多大な労力と時間がかかる。
【0013】
また、カーリングの試合では1試合当たり16個のカーリングストーンを使用するため、少なくともこの16個のカーリングストーンについては、いずれのカーリングストーンを使用しても氷上における滑走が一定となるように、総ての形状・重量が可能な限り同一であることが望ましいが、前記製造工程により製造されたストーン本体110では、手作業による製造工程が多いこと、及び、天然石(主として花崗岩)を材料とするため内部に空洞やひずみがあることによって、1つ1つのストーン本体110に個体差が生じてしまう。
【0014】
また、カーリングの競技選手が練習用に使用するカーリングストーンは、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンと同一の形状・重量のカーリングストーンであることが望ましいが、1つのカーリングストーンが極めて高価なものであるため、練習に使用する総てのカーリングストーンを用意するのはコストが増大する。同様に、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンにあっては、複数の試合を同時に行う場合は試合数に16を乗じた個数のカーリングストーンを開催地が用意する必要があるが、その総ての個数のカーリングストーンを用意するのはコストが増大する。
【0015】
また、カーリングの試合においてカーリングストーン同士が衝突する衝撃によりストーン本体110が破損してしまう場合があるが、破損するたびに新しいカーリングストーンを購入する必要が生じることからコストが増大する傾向がある。
【0016】
また、エッジ111b及び115bは、ストーン本体110の他の部分に比べて粗く磨かれており、氷上滑走時、氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走するためにカーリングストーン100の滑走方向を調整することができるものであるが、滑走を繰り返す間に次第に磨耗してしまう。エッジ111b及び115bが磨耗して滑らかになると、氷上の微細な凸部を削り又は溶かすことができなくなるので、カーリングストーン100の滑走方向を調整しにくくなってしまう。エッジ115bが磨耗した場合には、ストーン本体110の上下を反対にして使用し、エッジ111bを使用すればよいが、エッジ111bも磨耗してしまった場合には改めてエッジ111b及び113bの仕上げ直しの作業が必要となってしまう。
【0017】
一方、前記実用新案登録3058640号公報や特開平11−313908号公報の他、種々のカーリングストーンに関する発明が開示されているが、これらはいずれも、氷上以外の場所で滑走可能なカーリングストーンを提供するものであり、または、氷上で滑走させるカーリングストーンであっても従来のカーリングストーンの形状と著しく異なるものである。氷上においてカーリングの競技や練習を行う場合に、従来のカーリングストーンと同様の滑走を実現でき、前記のような問題がなく、従来のカーリングストーンに代替可能なカーリングストーンは何ら開示されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、同一の形状・重量のカーリングストーンを容易かつ低廉に製造でき、カーリングストーンが破損した場合に破損部分のみの交換が可能であり、長期間に亘って安定した滑走が可能なカーリングストーン及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカーリングストーンは、複数のストーン部材からなるストーン本体と、ストーン本体の上面に取り付けられるハンドルと、ストーン本体及びハンドルを固定する固定手段からなり、前記ストーン部材の交換を可能な構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン本体は、少なくとも、滑走面に当接するエッジを有する第1のストーン部材と、他のカーリングストーンと衝突する衝突部を有する第2のストーン部材からなることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン本体は、前記第1のストーン部材と同一の形状を有する第3のストーン部材を有し、前記第1のストーン部材と、第2のストーン部材と、第3のストーン部材とが積層する構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン部材は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物によって成形することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのエッジは、金属部材その他耐磨耗性を有する部材によって構成したことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン部材は、ストーン部材同士の接合面に凹部及び/又は凸部を有し、ストーン部材同士を接合する場合にストーン部材同士が前記凹部及び/又は凸部において係合可能な構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法は、略円盤状の成形凹部を有し成形凹部の底部には少なくともエッジを成形する成形溝が形成された第1の型を製作する工程と、略円盤状の成形凹部を有し該成形凹部の底部は平面状で構成される第2の型を製作する工程と、前記第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形する工程と、前記第2の型に成形材料を充填し硬化させて第2のストーン部材を成形する工程と、第1のストーン部材及び第2のストーン部材の表面を処理する工程と、前記第1のストーン部材と第2のストーン部材とを接合する工程からなることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の前記成形材料は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物であることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第1のストーン部材を成形する工程は、前記成形溝に金属部材その他耐磨耗性を有するリング部材を設置し、前記第1の型に取付治具を固定して、取付治具に設けられた押さえ部材によって前記リング部材を固定してから、第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第1の型は、取付治具を固定可能であって取付治具には張出部が設けられ、前記張出部が第1の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第1のストーン部材の接合面に凹部を成形可能に構成し、前記第2の型は、成形凹部の底部に更に凹部が形成され、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第2の型は、取付治具を固定可能であって取付治具に凸部部材を着脱可能に固定し、前記凸部部材が第2の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
本発明によるカーリングストーン及びその製造方法によれば、カーリングストーンが破損した場合に破損部分のみの交換が可能であり、長期間に亘って安定した滑走を実現することができ、同一の形状・重量のカーリングストーンを容易かつ低廉に製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明によるカーリングストーン及びその製造方法の実施の形態について説明する。なお、従来のカーリングストーンと同一の構成及び機能を有する部分については詳細な説明を省略し、要部のみの説明に留める。また、従来のカーリングストーンに取り付けるハンドルは同じ機能及び構成であるので、同じ符号を用いる。
【0022】
まず、本発明によるカーリングストーンについて、図面1乃至図面4を参照して説明する。図1は、本発明によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図、図2(a)は、アンダーストーンの底面図、(b)は、アンダーストーンの断面図及び一部拡大図、図3(a)は、トップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、センターストーンを成形する型の断面図、図4は、アンダーストーン、センターストーン及びアンダーストーンを接合する工程を示す斜視図である。
【0023】
図1及び図4に示すように、本発明によるカーリングストーン1は、平面視において円形でなるストーン本体10と、ハンドル130と、ボルト20とによって構成され、ストーン本体10は、トップストーン2、センターストーン3及びアンダーストーン4からなり、これらにボルト20を挿通してハンドル130のナット部130cと堅固に固定して使用するものである。
【0024】
図2に示すように、アンダーストーン14は、平坦な下方平面部14fと、センターストーン13と接合する平面状の接合面14eとを有し、下方平面部14fの周縁部から接合面14eにかけては曲面部14hが形成されている。図2(b)に示すように、下方平面部14fの中央部には、皿状に凹んだカップ14aを有し、カップ14aの周縁部にはエッジ14bが形成されている。
【0025】
図2(b)の部分拡大図に示すように、エッジ14bは、下方平面部14fよりも幅W1だけ突出し、かつ、カップ14aの周縁部よりも幅W2だけ突出して形成されている。これによって、氷上滑走時、エッジ14bが氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走していく場合の排水性を向上させることができる。具体的には、W1は約1ミリメートルとし、W2は約2ミリメートルとするのが望ましいが、排水性を確保できる寸法であればこれに限られるものではない。エッジ14bの氷上に当接する表面は、微細な傷が多数存在するように粗く仕上げられており、氷上滑走時、氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走してカーリングストーン1の滑走方向を調整可能にしている。エッジ14bは、アンダーストーン14と同じ材料によって一体的に構成するようにしてもよいし、図2に示すように、アンダーストーン14と異なるリング状の部材を製造時に接合させて構成するようにしてもよい。エッジ14bをアンダーストーン14と異なるリング部材によって構成する場合、エッジ14bの材質としては耐磨耗性を有する金属材料を選択することにより、滑走を繰り返してもエッジ14bが磨耗し難くなり、カーリングストーン1の長期間安定した滑走を実現することができる。なお、金属材料としては、例えば、SUS(Special Use Stainless steel:特殊用途ステンレス鋼板)などを選択可能であるが、金属材料の他、耐磨耗性を有する材料を適宜選択可能である。
【0026】
カップ14aの中央部には、接合面14eと交差する方向にアンダーストーン14を貫通する貫通孔14cを有し、さらに貫通孔14cのカップ14a近傍には円形の係止段部14dが形成されているため、図4に示すように、ボルト20のボルト頭部20aが係止段部14dに係止されて堅固に固定できるようになっている。図2(b)の部分拡大図に示すように、貫通孔14cの内側には砲金パイプ14gが設けられており、図4に示すように、ボルト20とハンドル130によって締結固定時に、砲金パイプ14gはアンダーストーン14eの貫通孔14cの補強部材としての役割を有する。
【0027】
トップストーン12はアンダーストーン14と同一の構成でなるため、トップストーン12の構成についての詳細な説明は省略する。
【0028】
図1(b)に示すように、センターストーン13は、略円柱形状で構成されており、トップストーン12と接合する平面状の接合面13bと、アンダーストーン14と接合する平面状の接合面13cと、本発明によるカーリングストーンの使用時に他のカーリングストーンと衝突する衝突部13dとを有し、接合面13b、13cの中央部には、接合面13b、13cと交差する方向にセンターストーン13を貫通する貫通孔13aが形成されている。貫通孔13aの内側には砲金パイプ13e(図示せず)が設けられており、図4に示すように、ボルト20とハンドル130によって締結固定時に、砲金パイプ13eはセンターストーン13の貫通孔13aの補強部材としての役割を有する。
【0029】
このようにしてストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の3つで構成したため、カーリングの試合においてカーリングストーン1同士が衝突部13dで衝突する衝撃によりセンターストーン13が破損した場合であっても、センターストーン13のみを取り替えればよく、新しいカーリングストーンを購入する必要はないためコストを削減できる。なお、本実施の形態ではストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の3つで構成しているが、これに限られるものではなく、2つで構成してもよいし4つ以上で構成してもよく、適宜選択可能である。
【0030】
次に、本発明によるカーリングストーンの製造方法について説明する。本発明によるカーリングストーンの製造方法は、1つのカーリングストーンを複数のストーン部材に分割して夫々を型によって成形し、各ストーン部材を互いに結合させて1つのカーリングストーンを製造するものである。
【0031】
まず、本発明によるカーリングストーン1のストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14に分割して製造する場合、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の各々を成形するための型を製作する工程について説明する。
【0032】
本発明によるカーリングストーンの製造方法により製造するカーリングストーン1のストーン本体10の形状を特定する。ストーン10の形状の特定は、例えば、ストーン本体の実物が存在する場合には、三次元測定器を用いることによりストーン本体の総ての形状を数値化することによりストーン本体10の形状を特定可能であり、また、ストーン本体の実物が存在しない場合には、三次元CADその他の設計手段によってストーン本体10を設計し、その形状を特定する。この場合において、本発明によるカーリングストーンの製造方法により製造するカーリングストーン1が、競技用又は練習用のものである場合には、前記競技規則の規格に適合するようにストーン本体の形状を特定すればよく、遊戯用のものである場合には、前記競技規則の規格にとらわれずに、遊戯者の年齢・性別その他の条件に合わせて適宜大きさを選択してストーン本体10を設計し、その形状を特定すればよい。
【0033】
このようにして特定されたストーン10の形状に基づいて、ストーン本体10を成形するための型を製作する。本実施の形態では、特定されたストーン本体10の形状を複数に分割し、この分割した形状ごとに型を作成する。図3に示すように、本実施の形態においては、ストーン本体10の上方平面部12f及び下方平面部14fと平行方向に3つに分割し、アンダーストーン14、アンダーストーン14と同一の形状を有するトップストーン12、及び、アンダーストーン14とトップストーン12の間に位置するセンターストーン13により構成されるので、アンダーストーン14を成形する型30bと、センターストーン13を成形する型32を製作する。トップストーン12は、アンダーストーン14と同一の形状を有するため、トップストーン12の型は型30bで代用可能である。なお、本実施の形態では、ストーン本体10の形状を3つに分割しているが、これに限定されるものではなく、2つ以上で分割する場合は分割した各々の形状に成形可能な型を製作すればよく、また、ストーン本体10の形状を分割することなくストーン10の全体の形状を成形可能な型を製作し、これによってストーン本体10を成形するようにしてもよい。
【0034】
図3(a)に示すように、型30bは、アンダーストーン14及びトップストーン12を成形するためのものである。なお、以下、型30bについては、アンダーストーン14との関係で説明するものとし、トップストーン12との関係はアンダーストーン14の場合と同様であるので、その記載を省略する。図3(a)に示すように、型30bは、略円盤状の凹部(付番なし)を有し、該凹部は、平坦な平面成形部30b6と、平面成形部30b6の周縁部に形成された曲面成形部30b1でなり、平面成形部30b6の中央部にはカップ成形部30b3が形成され、さらにカップ成形部30b3の中央部には係止段部成形部30b4が形成されている。また、図3(a)に示すように、平面成形部30b6と交差する方向で、型30bの裏側から係止段部成形部30b4の中央部にかけて、ボルト30b5が貫通して取り付けられている。また、カップ成形部30b3の周縁部には、エッジ成形溝30b2が形成されている。
【0035】
なお、図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14とは別のリング部材によって構成する場合には、エッジ14bがエッジ成形溝30b2に案内されて設置されるので、エッジ14bの位置決めが可能になっている。以下、エッジ14bをアンダーストーン14と異なるリング部材によって構成する場合は、エッジ成形溝30b2をエッジ案内溝30b2とも称する。この場合、図3(a)に示すように、取付治具30aを型30bに対してボルト30a2によって固定し、取付治具30aに設けられた押さえ部材30a1により、エッジ30bがエッジ案内溝30b2から外れないように押さえられる。なお、押さえ部材30a1は、取付治具30aと別体で構成されて、取付治具30aと着脱可能に取り付けられている。
【0036】
図3(b)に示すように、型32は、センターストーン13を成形するためのものであり、略円盤状の凹部(付番なし)を有し、該凹部は、接合面成形部32aと、衝突部成形部32bでなる。また、図3(b)に示すように、接合面成形部32aと交差する方向で、型32の裏側から接合面成形部32aの中央部にかけて、ボルト32cが貫通して取り付けられている。
【0037】
次に、型30、32によってトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形する工程について説明する。
【0038】
図3(a)に示すように、型30bによってアンダーストーン14を成形する場合、まず、型30bのボルト30b5にパッキン28を取り付ける。パッキン28は、厚さは約2ミリメートルで、材質はポリウレタン製のものが望ましいが、樹脂と接着しにくい材質のものであれば適宜選択可能である。パッキン28を取り付け後、砲金パイプ14gをボルト30b5に取り付ける。砲金パイプ14gの内側はネジ溝(図示せず)が形成されており、ボルト30b5のネジ山と係合可能である。また、砲金パイプ14gは、アンダーストーン14の係止段部14dから接合面14eまでの長さよりも長く形成されている。次に、図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14とは異なるリング部材によって構成する場合は、エッジ14bをエッジ案内溝30b2に設置し、取付治具30aをボルト30a2によって型30bに固定し、取付治具30aに設けられた押さえ部材30a1をエッジ14bに当接させて押さえる。
【0039】
一方、図3(b)に示すように、型32によってセンターストーン13を成形する場合、型32のボルト32cにパッキン28を介して砲金パイプ13eを取り付ける。砲金パイプ13eの内側はネジ溝(図示せず)が形成されており、ボルト32cのネジ山と係合可能である。また、砲金パイプ13eは、センターストーン13の接合面13cから接合面13bまでの長さよりも長く形成されている。
【0040】
以上のように準備した型30b及び型32に、ストーン本体10の成形材料を充填する。ストーン本体10の成形材料としては、結合剤、微粒子充填剤及び骨材を混合したものであり、結合剤は硬化性樹脂及び硬化剤からなり、骨材は2ミリメートルから10ミリメートルの粒状の花崗岩であることが好適である(以下、前記材料を鉱物性成形材料とも称する。)。また、結合剤、微粒子充填剤及び骨材の重量比率は、「7乃至30」対「5乃至45」対「88乃至25」となるように混合することが好適である。このような鉱物性成形材料を選択することによって、緩衝性が高くなりカーリングストーン同士の衝突を繰り返すカーリングにおいてストーン本体10の強度を向上させることが可能であり、また、熱伝導性が低いためストーン本体10はカーリング競技会場内の室温の影響を受けにくく、さらに、吸水性も低いため、材質面で理想的なカーリングストーンを製造できる。また、鉱物性成形材料が硬化した場合、本物の花崗岩のような重量を実現することが可能で、見た目にも花崗岩を削り出して製造されたカーリングストーンのような美観・風合いを出すことが可能である。なお、本実施の形態では、鉱物性成形材料は前記のような混合物としているが、これに限定されるものではなく、花崗岩以外の岩石の粒状体その他の骨材を結合剤及び微粒子充填剤と混合したものであってもよい。
【0041】
型30b、32に成形材料を充填する場合には、型30b、32に対して振幅0.5ミリメートル乃至5.0ミリメートルの振動を毎分360回乃至3600回の回数で加えることによって、型30b、32の隅々まで成形材料を充填させ、空洞やひずみが生じることを防ぐことができる。
【0042】
図3(a)に示すように、エッジ14bを鉱物性成形材料とは別のリング部材によって構成する場合、取付治具30aの押さえ部材30a1によってエッジ14bを押さえられているので、型30bに振動を加えて成形材料を充填する場合に、エッジ14bがエッジ案内溝30b2から外れることがない。また、図3(a)に示すように、砲金パイプ14gと型30bの間にはパッキン28を取り付けているので、砲金パイプ14gの内部に成形材料が流入せず、また、砲金パイプ14gは、アンダーストーン14の係止段部14dから接合面14eまでの長さよりも長く形成しているので、砲金パイプ14gの上方から成形材料が流入せず、図3(b)に示すように、型32についても同様である。
【0043】
図3(a)に示すように、型30bに充填した成形材料が硬化した後、型30bのボルト30b5を砲金パイプ14cから外し、型30b内で硬化した成形材料、即ち、アンダーストーン14を取り出すことができる。図3(a)に示すように、パッキン28を取り除き、砲金パイプ14gのうち接合面14eから突出している部分を切断する。図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14と異なる部材によって構成する場合は、型30bに充填した成形材料が硬化する前に、取付治具30aのボルト30a2を型30bから外し、取付治具30aを押さえ部材30a1とともに型30bから取り外す。このようにすることによって、エッジ14bをエッジ案内溝30b2に位置決めをした状態で成形材料を硬化させ、別部材からなるエッジ14bとアンダーストーン14とを型30b内で高精度の接合が可能となる。なお、取付治具30aと押さえ部材30a1とは着脱可能であるので、型30bに充填した成形材料の硬化後に、取付治具30aのボルト30a2を型30bから外し、取付治具30aと押さえ部材30a1とを外すことによって、押さえ部材30a1を硬化した成形材料(アンダーストーン14)の中に残したまま取付治具30aを型30bから取り外すようにしてもよく、この場合の押さえ部材30a1は、図3(a)に示すように、アンダーストーン14の接合面4eから突出した部分を切断すればよい。
【0044】
図3(b)に示すように、型32に充填した成形材料が硬化した後、型32のボルト32cを砲金パイプ13eから外し、型32内で硬化した成形材料、即ち、センターストーン13を取り出すことができる。図3(b)に示すように、パッキン28を取り除き、砲金パイプ13eは、接合面13bから突出している部分を切断する。
【0045】
型30b、32により成形されたアンダーストーン14(トップストーン12)の接合面14e(12e)及びセンターストーン13の接合面13bについては、研磨をすることによって平面状に形成する。
【0046】
図1及び図4に示すように、アンダーストーン14の接合面14eとセンターストーン13の接合面13cとを接合させ、トップストーン12の接合面12eとセンターストーン13の接合面13bとを接合させて、アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cにボルト20を挿通させる。ボルト20は、ボルト頭部20aが係止段部14dに係止されるまでアンダーストーン14側から挿通させ、トップストーン12側でハンドル130のナット部130cに係合させることによって、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定する。なお、トップストーン12のエッジ12bを氷上に当接させて使用する場合には、ボルト20は、ボルト頭部20aが係止段部12dに係止されるまでセンターストーン12側から挿通させ、アンダーストーン14側でハンドル130のナット部130cに係合させて、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定すればよい。この場合、アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cの各々の内側に砲金パイプが設けられているので、各砲金パイプが貫通孔14c、13a、12cの補強部材としての機能し、ボルト20とハンドル130による締結固定時に、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12が破損することを防止できる。
【0047】
以上のようなカーリングストーンの製造方法によれば、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を各々成形可能な一組の型を製作すれば、あとはこの型に鉱物性成形材料を充填・硬化させてアンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を成形し、既存のボルト20とハンドル130によって各々を接合させるだけであるので、一つの石材を手作業によって削って製造するカーリングストーンの製造方法よりもはるかに時間と労力を軽減でき、また、同一形状・重量のカーリングストーンの大量生産が可能であり、安価なカーリングストーンの提供が可能となる。
【0048】
次に、図面5及び図6を参照して、本発明によるカーリングストーン及びその製造方法の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図、図6(a)は、第2の実施の形態によるトップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、第2の実施の形態によるセンターストーンを成形する型の断面図である。なお、図1及び図3と実質的に同一の機能及び同一の構成を有するものについては同じ符号を付して説明し、同一の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0049】
図5に示すように、本発明によるカーリングストーン1の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、平面視において円形でなるストーン本体10と、ハンドル130と、ボルト20で構成され、ストーン本体10は、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14からなる。
【0050】
図5に示すように、アンダーストーン14の接合面14eの中央部には、凹部14iが形成されており、同様に、トップストーン12の接合面12eの中央部には、凹部12iが形成されている。一方、センターストーン13の接合面13b、13cの中央部には、凹部14i、12iと嵌合可能な凸部13f、13gが形成されている。このような構成とすることによって、アンダーストーン14の凹部14iがセンターストーン13の凸部13gと係合し、トップストーン12の凹部12iがセンターストーン13の凸部13fと係合するので、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12の接合をより確実に行うことができる。なお、凹部13i、12iと凸部13f、13gの形状と幅は適宜選定することができ、また、アンダーストーン14の接合面14eの中央部及びセンターストーン12の接合面12eの中央部に凸部を形成し、センターストーン13の接合面13b、13cの中央部には、前記凸部と嵌合可能に凹部が形成するようにしてもよく、その他適宜組み合せて形成可能である。
【0051】
次に、第2の実施の形態によるカーリングストーンの製造方法について説明する。なお、第1の実施の形態によるカーリングストーンの製造方法の工程のうち同一のものについては、詳細な説明を省略する。
【0052】
第2の実施の形態によるカーリングストーン1のストーン本体10を、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14に分割して製造する場合において、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形するための型を製作する工程について説明する。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態においては、アンダーストーン14を成形する型34bと、センターストーン13を成形する型36bを製作する。トップストーン12は、アンダーストーン14と同一の形状を有するため、トップストーン12の型は型34bで代用可能である。従って、以下、型34bについては、アンダーストーン14との関係で説明するものとし、トップストーン12との関係は、アンダーストーン14の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0054】
図6(a)に示すように、型34bは、取付治具34aをボルト34a2によって固定可能であり、取付治具34aは、アンダーストーン14の凹部34を成形する張出部34a3を有している。張出部34a3は、型34bに向かって細くなるようにテーパ状に形成されており、成形材料の硬化後に取付治具34aを取り外す場合において、硬化した成形材料(アンダーストーン14)との分離が容易になっている。また、図6(a)に示すように、平面成形部34b6と交差する方向で、取付治具34aの張出部34a3の中央部に、ボルト34b4が取付治具34aを貫通して取り付けられている。
【0055】
図3(b)に示すように、型36bは、接合面成形部36b1の中央部にはセンターストーン13の凸部13gを成形する凸部成形部36b4が設けられている。また、図6(b)に示すように、接合面成形部36b1と交差する方向で、型36bの裏側から凸部成形部36b4の中央部にかけて、ボルト36b3が型36bを貫通して取り付けられている。
【0056】
図6(b)に示すように、取付治具36aは、型36bに対してボルト36a2によって固定可能であり、また、接合面成形部36b1と交差する方向で、取付治具36aの中央部にボルト36a1が取付治具36aを貫通して取り付けられている。
【0057】
次に、型34b、36bによってトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形する工程について説明する。
【0058】
図6(a)に示すように、型34bによってアンダーストーン14を成形する場合、型34bのボルト34b5にパッキン28を介して砲金パイプ14gを取り付ける。砲金パイプ14gの内側はネジ溝が形成されており、ボルト34b5のネジ山と係合可能である。本実施の形態では、砲金パイプ14gの両端にパッキン28を取り付けるため、砲金パイプ14gの長さは、アンダーストーン14の係止段部14dから凹部14iの表面までの長さよりも、2つのパッキン28の厚さの分だけ短くなっている。次に、図3(a)に示すように、取付治具34aをボルト34a2によって型34bに固定して、張出部34a3の一部が型34bの内部に入り込む位置に固定する。取付治具34aに設けられたボルト34a4を、パッキン28を介して砲金パイプ14gに固定する。砲金パイプ14gの内側に形成されているネジ溝は、ボルト34b5のネジ山とも係合可能である。
【0059】
一方、図6(b)に示すように、型36bによってセンターストーン13を成形する場合、まず、センターストーン13の凸部13gを形成する凸部部材13g1を予め成形しておく。凸部部材13g1は、凸部13gの高さよりも高く成形し、中央部には砲金パイプ13eを設けている。本実施の形態では、砲金パイプ13eの両端にパッキン28を取り付けるため、砲金パイプ13eの長さは、凸部13gのトップストーン側の表面から凸部13fの表面までの長さよりも、2つのパッキン28の厚さの分だけ短くなっている。凸部部材13g1の成形方法は、凸部部材13g1の型(図示せず)を製作し、あとは、図3(b)に示すように、第1の実施の形態によるカーリングストーン1のセンターストーン13を成形する場合と同じ方法により製作すればよい。次に、図6(a)に示すように、取付治具36aに設けられたボルト36a1を凸部部材13g1の砲金パイプ13eに固定し、取付治具36aをボルト36a2によって型36bに固定して、凸部部材13g1の一部が型36bの内部に入り込む位置に固定する。砲金パイプ13eの内側はネジ溝が形成されており、ボルト36a1のネジ山と係合可能である。次に、型36bのボルト36b3を、パッキン28を介して凸部部材13g1の砲金パイプ13eに固定する。砲金パイプ13eの内側に形成されているネジ溝(図示せず)は、ボルト36b3のネジ山とも係合可能である。
【0060】
以上のように準備がされた型34b及び型36bに、成形材料を充填する。図6(a)に示すように、型34bには、取付治具34aの張出部34a3の一部が埋まるまで成形材料を充填し、図6(b)に示すように、型36bには、取付治具36aに取り付けた凸部部材13g1の一部が埋まるまで鉱物性成形材料を充填する。
【0061】
図6(a)に示すように、型34bに充填した成形材料が硬化した後、型34bのボルト34b5を砲金パイプ14gから外し、取付治具34aのボルト34a4を砲金パイプ14gから外せば、成形材料に埋まっていた張出部34a3によって、接合面14e上に凹部14iが成形される。さらに取付治具34aのボルト34a2を型34bから外せば、型34b内で硬化した成形材料、すなわち、アンダーストーン14を取り出すことができる。図6(a)に示すように、砲金パイプ14gに取り付けられているパッキン28を取り除く。
【0062】
図6(b)に示すように、型36bに充填した成形材料が硬化した後、取付治具36aのボルト36a1を砲金パイプ13eから外し、取付治具36aのボルト36a2を型36bから外せば、型36b内の成形材料と凸部部材13g1の一部が一体化し、残余の部分が凸部13gとして形成される。さらに型36bのボルト36b3を砲金パイプ13eから外せば、型36b内で硬化した成形材料、すなわち、センターストーン13を取り出すことができる。図6(b)に示すように、砲金パイプ13eに取り付けられているパッキン28を取り除く。
【0063】
型34b、36bにより成形されたアンダーストーン14(トップストーン12)及びセンターストーン13の形状のうち接合面14e及び接合面13bについては、研磨をすることによって平面状に形成する。
【0064】
図4及び図5に示すように、アンダーストーン14の凹部14iとセンターストーン3の凸部13gとを嵌合させて、アンダーストーン14の接合面14eとセンターストーン13の接合面13cとを接合させる。同様にして、トップストーン12の凹部12iとセンターストーン13の凸部13gとを嵌合させて、トップストーン12の接合面12eとセンターストーン13の接合面13bとを接合させる。アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cに、ボルト20を、ボルト頭部20aが係止段部14dに係止されるまでアンダーストーン14側から挿通させ、トップストーン12側でハンドル130のナット部130cに係合させることによって、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図である。
【図2】(a)はアンダーストーンの底面図、(b)はアンダーストーンの断面図及び一部拡大図である。
【図3】(a)は、トップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、センターストーンを成形する型の断面図である。
【図4】アンダーストーン、センターストーン及びアンダーストーンを接合する工程を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図である。
【図6】(a)は、第2の実施の形態によるトップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、第2の実施の形態によるセンターストーンを成形する型の断面図である。
【図7】カーリングで使用される従来のカーリングストーンを示す図であり、(a)は従来のカーリングストーンの構成を示す斜視図、(b)は従来のカーリングストーンのストーン本体の断面図である。
【符号の説明】
1 カーリングストーン
10 ストーン本体
12 トップストーン
12a カップ
12b エッジ
12c 貫通孔
12d 係止段部
12e 接合面
12f 上方平面部
12h 曲面部
12i 凹部
13 センターストーン
13a 貫通孔
13b,13c 接合面
13d 衝突面
13e 砲金パイプ
13f 凸部
13f1 凸部部材
13g 凸部
14 アンダーストーン
14a カップ
14b エッジ
14c 貫通孔
14d 係止段部
14e 接合面
14f 下方平面部
14g 砲金パイプ
14h 曲面部
14i 凹部
20 ボルト
20a ボルト頭部
20b ボルト軸部
28 パッキン
30a 取付治具(第1の取付治具)
30a1 押さえ部材
30a2 ボルト
30b 型(第1の型)
30b1 曲面形成部
30b2 エッジ成形溝(エッジ案内溝)
30b3 カップ成形部
30b4 係止段部成形部
30b5 ボルト
30b6 平面成形部
32 型(第2の型)
32a 接合面成形部
32b 衝突部成形部
32c ボルト
34a 取付治具(第1の取付治具)
34a1 押さえ部材
34a2 ボルト
34a3 張出部
34a4 ボルト
34b 型(第1の型)
34b1 曲面成形部
34b2 エッジ成形溝(エッジ成形溝)
34b3 カップ成形部
34b4 係止段部成形部
34b5 ボルト
36a 取付治具(第2の取付治具)
36a1 ボルト
36a2 ボルト
36b 型(第2の型)
36b1 接合面成形部
36b2 衝突部成形部
36b3 ボルト
36b4 凸部成形部
100 従来のカーリングストーン
110 ストーン本体
111 上方平面部
111a カップ
111b エッジ
111c 係止段部
112 曲面部
113 衝突部
114 曲面部
115 下方平面部
115a カップ
115b エッジ
115c 係止段部
116 貫通孔
120 ボルト
120a ボルト軸部
120b ボルト頭部
130 ハンドル
130a 取っ手
130b ハンドルプレート
130c ナット
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーリング競技、カーリングの練習、カーリング遊戯に用いるカーリングストーン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーリングは、氷上で行われるスポーツの一種であり、ストーンと称される円盤状の重い石を氷上で滑走させ、その進路をブラシで掃くことによりストーンの滑りを良くし又は滑走方向を変える等の調整をしながら、所定の円の中にストーンを入れて得点を競うものである。
【0003】
カーリングで使用されるカーリングストーンとしては、図7に示すようなものが知られている。図7はカーリングで使用される従来のカーリングストーンを示す図であり、(a)は従来のカーリングストーンの構成を示す斜視図、(b)は従来のカーリングストーンのストーン本体の断面図である。
【0004】
図7(a)に示すように、従来のカーリングストーン100は、ストーン本体110と、ハンドル130と、ボルト120とによって構成され、ストーン本体110は、平面視において全体が円形であり、図7(b)に示すように、平坦な上方平面部111及び下方平面部115を有し、周縁部は他のカーリングストーンと衝突する衝突部113を有している。また、上方平面部111及び下方平面部115から衝突部113にかけては曲面部112、114が形成されている。
【0005】
図7(b)に示すように、上方平面部111及び下方平面部115の中央部には、皿状に凹んだカップ111a、115aを有し、カップ111a、115aの周縁部にはエッジ111b、115bが形成されている。エッジ111b及び115bは、上方平面部111及び下方平面部115よりやや突出して形成されており、実際に氷上に当接し滑走するのはこのエッジ115bである。なお、上方平面部111と下方平面部115を反対にして使用する場合は、氷上に当接し滑走するのはエッジ111bとなる。
【0006】
カップ111a、115aの中央部には、上方平面部111及び下方平面部115と交差する方向にストーン本体110を貫通する貫通孔116を有し、貫通孔116のカップ111a近傍には四角形の係止段部111cが形成され、同様にカップ115a近傍には係止段部115cが形成されている。これは、ストーン本体110にハンドル130を取り付ける場合、図7(a)に示すように、四角形のボルト頭部120bを有するボルト120を、ボルト頭部120bが係止段部115cに係止されるまで下方平面部115側から貫通孔116に挿通することによって、ハンドルのナット部130cと堅固に固定可能にするためのものである。なお、上方平面部111と下方平面部115を反対にして使用する場合においては、ボルト120を、ボルト頭部120bが係止段部125cに係止されるまで下方平面部115側から貫通孔116に挿通し、上方平面部111側でハンドルのナット部130cと固定する。
【0007】
実際の競技で使用されるカーリングストーンは、更に次の規格に適合するものでなければならない。ハンドル130とボルト120を含めて、重さが44ポンド(19.96キログラム)、円周が36インチ(91.44センチメートル)を夫々超えてはならず、高さは4.5インチ(11.43センチメートル)を下回ってはならないことが競技規則において定められている。
【0008】
また、実際の競技で使用されるカーリングストーンの材質としては、摩擦に強く弾力性があり吸水性のないものが良く、このような観点から現在ではスコットランド産の花崗岩が良質とされており、これにより製造されたカーリングストーンが主流となっている。
【0009】
また、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンは、重さやエッジの幅など厳重なコンピューターチェックをクリアし世界カーリング連盟が承認したものであることが必要であって、このようなカーリングストーンは開催地によって用意され、選手が持ち込むことはできない。
【0010】
なお、カーリングストーンに関しては、実用新案登録3058640号公報や特開平11−313908号公報に開示されているものがある。
【0011】
【特許文献1】
実用新案登録3058640号公報
【特許文献2】
特開平11−313908号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ストーン本体110は、材料となる1つの石材(主として花崗岩)を前記形状になるように削って形成され製造されるものであるが、この製造工程の大部分は手作業で行う必要があるため、1つ1つのカーリングストーンの製造に多大な労力と時間がかかる。
【0013】
また、カーリングの試合では1試合当たり16個のカーリングストーンを使用するため、少なくともこの16個のカーリングストーンについては、いずれのカーリングストーンを使用しても氷上における滑走が一定となるように、総ての形状・重量が可能な限り同一であることが望ましいが、前記製造工程により製造されたストーン本体110では、手作業による製造工程が多いこと、及び、天然石(主として花崗岩)を材料とするため内部に空洞やひずみがあることによって、1つ1つのストーン本体110に個体差が生じてしまう。
【0014】
また、カーリングの競技選手が練習用に使用するカーリングストーンは、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンと同一の形状・重量のカーリングストーンであることが望ましいが、1つのカーリングストーンが極めて高価なものであるため、練習に使用する総てのカーリングストーンを用意するのはコストが増大する。同様に、オリンピックにおいて使用するカーリングストーンにあっては、複数の試合を同時に行う場合は試合数に16を乗じた個数のカーリングストーンを開催地が用意する必要があるが、その総ての個数のカーリングストーンを用意するのはコストが増大する。
【0015】
また、カーリングの試合においてカーリングストーン同士が衝突する衝撃によりストーン本体110が破損してしまう場合があるが、破損するたびに新しいカーリングストーンを購入する必要が生じることからコストが増大する傾向がある。
【0016】
また、エッジ111b及び115bは、ストーン本体110の他の部分に比べて粗く磨かれており、氷上滑走時、氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走するためにカーリングストーン100の滑走方向を調整することができるものであるが、滑走を繰り返す間に次第に磨耗してしまう。エッジ111b及び115bが磨耗して滑らかになると、氷上の微細な凸部を削り又は溶かすことができなくなるので、カーリングストーン100の滑走方向を調整しにくくなってしまう。エッジ115bが磨耗した場合には、ストーン本体110の上下を反対にして使用し、エッジ111bを使用すればよいが、エッジ111bも磨耗してしまった場合には改めてエッジ111b及び113bの仕上げ直しの作業が必要となってしまう。
【0017】
一方、前記実用新案登録3058640号公報や特開平11−313908号公報の他、種々のカーリングストーンに関する発明が開示されているが、これらはいずれも、氷上以外の場所で滑走可能なカーリングストーンを提供するものであり、または、氷上で滑走させるカーリングストーンであっても従来のカーリングストーンの形状と著しく異なるものである。氷上においてカーリングの競技や練習を行う場合に、従来のカーリングストーンと同様の滑走を実現でき、前記のような問題がなく、従来のカーリングストーンに代替可能なカーリングストーンは何ら開示されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、同一の形状・重量のカーリングストーンを容易かつ低廉に製造でき、カーリングストーンが破損した場合に破損部分のみの交換が可能であり、長期間に亘って安定した滑走が可能なカーリングストーン及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカーリングストーンは、複数のストーン部材からなるストーン本体と、ストーン本体の上面に取り付けられるハンドルと、ストーン本体及びハンドルを固定する固定手段からなり、前記ストーン部材の交換を可能な構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン本体は、少なくとも、滑走面に当接するエッジを有する第1のストーン部材と、他のカーリングストーンと衝突する衝突部を有する第2のストーン部材からなることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン本体は、前記第1のストーン部材と同一の形状を有する第3のストーン部材を有し、前記第1のストーン部材と、第2のストーン部材と、第3のストーン部材とが積層する構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン部材は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物によって成形することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのエッジは、金属部材その他耐磨耗性を有する部材によって構成したことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンのストーン部材は、ストーン部材同士の接合面に凹部及び/又は凸部を有し、ストーン部材同士を接合する場合にストーン部材同士が前記凹部及び/又は凸部において係合可能な構成としたことを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法は、略円盤状の成形凹部を有し成形凹部の底部には少なくともエッジを成形する成形溝が形成された第1の型を製作する工程と、略円盤状の成形凹部を有し該成形凹部の底部は平面状で構成される第2の型を製作する工程と、前記第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形する工程と、前記第2の型に成形材料を充填し硬化させて第2のストーン部材を成形する工程と、第1のストーン部材及び第2のストーン部材の表面を処理する工程と、前記第1のストーン部材と第2のストーン部材とを接合する工程からなることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の前記成形材料は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物であることを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第1のストーン部材を成形する工程は、前記成形溝に金属部材その他耐磨耗性を有するリング部材を設置し、前記第1の型に取付治具を固定して、取付治具に設けられた押さえ部材によって前記リング部材を固定してから、第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第1の型は、取付治具を固定可能であって取付治具には張出部が設けられ、前記張出部が第1の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第1のストーン部材の接合面に凹部を成形可能に構成し、前記第2の型は、成形凹部の底部に更に凹部が形成され、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする。また、本発明によるカーリングストーンの製造方法の第2の型は、取付治具を固定可能であって取付治具に凸部部材を着脱可能に固定し、前記凸部部材が第2の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
本発明によるカーリングストーン及びその製造方法によれば、カーリングストーンが破損した場合に破損部分のみの交換が可能であり、長期間に亘って安定した滑走を実現することができ、同一の形状・重量のカーリングストーンを容易かつ低廉に製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明によるカーリングストーン及びその製造方法の実施の形態について説明する。なお、従来のカーリングストーンと同一の構成及び機能を有する部分については詳細な説明を省略し、要部のみの説明に留める。また、従来のカーリングストーンに取り付けるハンドルは同じ機能及び構成であるので、同じ符号を用いる。
【0022】
まず、本発明によるカーリングストーンについて、図面1乃至図面4を参照して説明する。図1は、本発明によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図、図2(a)は、アンダーストーンの底面図、(b)は、アンダーストーンの断面図及び一部拡大図、図3(a)は、トップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、センターストーンを成形する型の断面図、図4は、アンダーストーン、センターストーン及びアンダーストーンを接合する工程を示す斜視図である。
【0023】
図1及び図4に示すように、本発明によるカーリングストーン1は、平面視において円形でなるストーン本体10と、ハンドル130と、ボルト20とによって構成され、ストーン本体10は、トップストーン2、センターストーン3及びアンダーストーン4からなり、これらにボルト20を挿通してハンドル130のナット部130cと堅固に固定して使用するものである。
【0024】
図2に示すように、アンダーストーン14は、平坦な下方平面部14fと、センターストーン13と接合する平面状の接合面14eとを有し、下方平面部14fの周縁部から接合面14eにかけては曲面部14hが形成されている。図2(b)に示すように、下方平面部14fの中央部には、皿状に凹んだカップ14aを有し、カップ14aの周縁部にはエッジ14bが形成されている。
【0025】
図2(b)の部分拡大図に示すように、エッジ14bは、下方平面部14fよりも幅W1だけ突出し、かつ、カップ14aの周縁部よりも幅W2だけ突出して形成されている。これによって、氷上滑走時、エッジ14bが氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走していく場合の排水性を向上させることができる。具体的には、W1は約1ミリメートルとし、W2は約2ミリメートルとするのが望ましいが、排水性を確保できる寸法であればこれに限られるものではない。エッジ14bの氷上に当接する表面は、微細な傷が多数存在するように粗く仕上げられており、氷上滑走時、氷上の微細な凸部(氷の粒)を削り又は溶かしながら滑走してカーリングストーン1の滑走方向を調整可能にしている。エッジ14bは、アンダーストーン14と同じ材料によって一体的に構成するようにしてもよいし、図2に示すように、アンダーストーン14と異なるリング状の部材を製造時に接合させて構成するようにしてもよい。エッジ14bをアンダーストーン14と異なるリング部材によって構成する場合、エッジ14bの材質としては耐磨耗性を有する金属材料を選択することにより、滑走を繰り返してもエッジ14bが磨耗し難くなり、カーリングストーン1の長期間安定した滑走を実現することができる。なお、金属材料としては、例えば、SUS(Special Use Stainless steel:特殊用途ステンレス鋼板)などを選択可能であるが、金属材料の他、耐磨耗性を有する材料を適宜選択可能である。
【0026】
カップ14aの中央部には、接合面14eと交差する方向にアンダーストーン14を貫通する貫通孔14cを有し、さらに貫通孔14cのカップ14a近傍には円形の係止段部14dが形成されているため、図4に示すように、ボルト20のボルト頭部20aが係止段部14dに係止されて堅固に固定できるようになっている。図2(b)の部分拡大図に示すように、貫通孔14cの内側には砲金パイプ14gが設けられており、図4に示すように、ボルト20とハンドル130によって締結固定時に、砲金パイプ14gはアンダーストーン14eの貫通孔14cの補強部材としての役割を有する。
【0027】
トップストーン12はアンダーストーン14と同一の構成でなるため、トップストーン12の構成についての詳細な説明は省略する。
【0028】
図1(b)に示すように、センターストーン13は、略円柱形状で構成されており、トップストーン12と接合する平面状の接合面13bと、アンダーストーン14と接合する平面状の接合面13cと、本発明によるカーリングストーンの使用時に他のカーリングストーンと衝突する衝突部13dとを有し、接合面13b、13cの中央部には、接合面13b、13cと交差する方向にセンターストーン13を貫通する貫通孔13aが形成されている。貫通孔13aの内側には砲金パイプ13e(図示せず)が設けられており、図4に示すように、ボルト20とハンドル130によって締結固定時に、砲金パイプ13eはセンターストーン13の貫通孔13aの補強部材としての役割を有する。
【0029】
このようにしてストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の3つで構成したため、カーリングの試合においてカーリングストーン1同士が衝突部13dで衝突する衝撃によりセンターストーン13が破損した場合であっても、センターストーン13のみを取り替えればよく、新しいカーリングストーンを購入する必要はないためコストを削減できる。なお、本実施の形態ではストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の3つで構成しているが、これに限られるものではなく、2つで構成してもよいし4つ以上で構成してもよく、適宜選択可能である。
【0030】
次に、本発明によるカーリングストーンの製造方法について説明する。本発明によるカーリングストーンの製造方法は、1つのカーリングストーンを複数のストーン部材に分割して夫々を型によって成形し、各ストーン部材を互いに結合させて1つのカーリングストーンを製造するものである。
【0031】
まず、本発明によるカーリングストーン1のストーン本体10をトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14に分割して製造する場合、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の各々を成形するための型を製作する工程について説明する。
【0032】
本発明によるカーリングストーンの製造方法により製造するカーリングストーン1のストーン本体10の形状を特定する。ストーン10の形状の特定は、例えば、ストーン本体の実物が存在する場合には、三次元測定器を用いることによりストーン本体の総ての形状を数値化することによりストーン本体10の形状を特定可能であり、また、ストーン本体の実物が存在しない場合には、三次元CADその他の設計手段によってストーン本体10を設計し、その形状を特定する。この場合において、本発明によるカーリングストーンの製造方法により製造するカーリングストーン1が、競技用又は練習用のものである場合には、前記競技規則の規格に適合するようにストーン本体の形状を特定すればよく、遊戯用のものである場合には、前記競技規則の規格にとらわれずに、遊戯者の年齢・性別その他の条件に合わせて適宜大きさを選択してストーン本体10を設計し、その形状を特定すればよい。
【0033】
このようにして特定されたストーン10の形状に基づいて、ストーン本体10を成形するための型を製作する。本実施の形態では、特定されたストーン本体10の形状を複数に分割し、この分割した形状ごとに型を作成する。図3に示すように、本実施の形態においては、ストーン本体10の上方平面部12f及び下方平面部14fと平行方向に3つに分割し、アンダーストーン14、アンダーストーン14と同一の形状を有するトップストーン12、及び、アンダーストーン14とトップストーン12の間に位置するセンターストーン13により構成されるので、アンダーストーン14を成形する型30bと、センターストーン13を成形する型32を製作する。トップストーン12は、アンダーストーン14と同一の形状を有するため、トップストーン12の型は型30bで代用可能である。なお、本実施の形態では、ストーン本体10の形状を3つに分割しているが、これに限定されるものではなく、2つ以上で分割する場合は分割した各々の形状に成形可能な型を製作すればよく、また、ストーン本体10の形状を分割することなくストーン10の全体の形状を成形可能な型を製作し、これによってストーン本体10を成形するようにしてもよい。
【0034】
図3(a)に示すように、型30bは、アンダーストーン14及びトップストーン12を成形するためのものである。なお、以下、型30bについては、アンダーストーン14との関係で説明するものとし、トップストーン12との関係はアンダーストーン14の場合と同様であるので、その記載を省略する。図3(a)に示すように、型30bは、略円盤状の凹部(付番なし)を有し、該凹部は、平坦な平面成形部30b6と、平面成形部30b6の周縁部に形成された曲面成形部30b1でなり、平面成形部30b6の中央部にはカップ成形部30b3が形成され、さらにカップ成形部30b3の中央部には係止段部成形部30b4が形成されている。また、図3(a)に示すように、平面成形部30b6と交差する方向で、型30bの裏側から係止段部成形部30b4の中央部にかけて、ボルト30b5が貫通して取り付けられている。また、カップ成形部30b3の周縁部には、エッジ成形溝30b2が形成されている。
【0035】
なお、図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14とは別のリング部材によって構成する場合には、エッジ14bがエッジ成形溝30b2に案内されて設置されるので、エッジ14bの位置決めが可能になっている。以下、エッジ14bをアンダーストーン14と異なるリング部材によって構成する場合は、エッジ成形溝30b2をエッジ案内溝30b2とも称する。この場合、図3(a)に示すように、取付治具30aを型30bに対してボルト30a2によって固定し、取付治具30aに設けられた押さえ部材30a1により、エッジ30bがエッジ案内溝30b2から外れないように押さえられる。なお、押さえ部材30a1は、取付治具30aと別体で構成されて、取付治具30aと着脱可能に取り付けられている。
【0036】
図3(b)に示すように、型32は、センターストーン13を成形するためのものであり、略円盤状の凹部(付番なし)を有し、該凹部は、接合面成形部32aと、衝突部成形部32bでなる。また、図3(b)に示すように、接合面成形部32aと交差する方向で、型32の裏側から接合面成形部32aの中央部にかけて、ボルト32cが貫通して取り付けられている。
【0037】
次に、型30、32によってトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形する工程について説明する。
【0038】
図3(a)に示すように、型30bによってアンダーストーン14を成形する場合、まず、型30bのボルト30b5にパッキン28を取り付ける。パッキン28は、厚さは約2ミリメートルで、材質はポリウレタン製のものが望ましいが、樹脂と接着しにくい材質のものであれば適宜選択可能である。パッキン28を取り付け後、砲金パイプ14gをボルト30b5に取り付ける。砲金パイプ14gの内側はネジ溝(図示せず)が形成されており、ボルト30b5のネジ山と係合可能である。また、砲金パイプ14gは、アンダーストーン14の係止段部14dから接合面14eまでの長さよりも長く形成されている。次に、図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14とは異なるリング部材によって構成する場合は、エッジ14bをエッジ案内溝30b2に設置し、取付治具30aをボルト30a2によって型30bに固定し、取付治具30aに設けられた押さえ部材30a1をエッジ14bに当接させて押さえる。
【0039】
一方、図3(b)に示すように、型32によってセンターストーン13を成形する場合、型32のボルト32cにパッキン28を介して砲金パイプ13eを取り付ける。砲金パイプ13eの内側はネジ溝(図示せず)が形成されており、ボルト32cのネジ山と係合可能である。また、砲金パイプ13eは、センターストーン13の接合面13cから接合面13bまでの長さよりも長く形成されている。
【0040】
以上のように準備した型30b及び型32に、ストーン本体10の成形材料を充填する。ストーン本体10の成形材料としては、結合剤、微粒子充填剤及び骨材を混合したものであり、結合剤は硬化性樹脂及び硬化剤からなり、骨材は2ミリメートルから10ミリメートルの粒状の花崗岩であることが好適である(以下、前記材料を鉱物性成形材料とも称する。)。また、結合剤、微粒子充填剤及び骨材の重量比率は、「7乃至30」対「5乃至45」対「88乃至25」となるように混合することが好適である。このような鉱物性成形材料を選択することによって、緩衝性が高くなりカーリングストーン同士の衝突を繰り返すカーリングにおいてストーン本体10の強度を向上させることが可能であり、また、熱伝導性が低いためストーン本体10はカーリング競技会場内の室温の影響を受けにくく、さらに、吸水性も低いため、材質面で理想的なカーリングストーンを製造できる。また、鉱物性成形材料が硬化した場合、本物の花崗岩のような重量を実現することが可能で、見た目にも花崗岩を削り出して製造されたカーリングストーンのような美観・風合いを出すことが可能である。なお、本実施の形態では、鉱物性成形材料は前記のような混合物としているが、これに限定されるものではなく、花崗岩以外の岩石の粒状体その他の骨材を結合剤及び微粒子充填剤と混合したものであってもよい。
【0041】
型30b、32に成形材料を充填する場合には、型30b、32に対して振幅0.5ミリメートル乃至5.0ミリメートルの振動を毎分360回乃至3600回の回数で加えることによって、型30b、32の隅々まで成形材料を充填させ、空洞やひずみが生じることを防ぐことができる。
【0042】
図3(a)に示すように、エッジ14bを鉱物性成形材料とは別のリング部材によって構成する場合、取付治具30aの押さえ部材30a1によってエッジ14bを押さえられているので、型30bに振動を加えて成形材料を充填する場合に、エッジ14bがエッジ案内溝30b2から外れることがない。また、図3(a)に示すように、砲金パイプ14gと型30bの間にはパッキン28を取り付けているので、砲金パイプ14gの内部に成形材料が流入せず、また、砲金パイプ14gは、アンダーストーン14の係止段部14dから接合面14eまでの長さよりも長く形成しているので、砲金パイプ14gの上方から成形材料が流入せず、図3(b)に示すように、型32についても同様である。
【0043】
図3(a)に示すように、型30bに充填した成形材料が硬化した後、型30bのボルト30b5を砲金パイプ14cから外し、型30b内で硬化した成形材料、即ち、アンダーストーン14を取り出すことができる。図3(a)に示すように、パッキン28を取り除き、砲金パイプ14gのうち接合面14eから突出している部分を切断する。図3(a)に示すように、エッジ14bをアンダーストーン14と異なる部材によって構成する場合は、型30bに充填した成形材料が硬化する前に、取付治具30aのボルト30a2を型30bから外し、取付治具30aを押さえ部材30a1とともに型30bから取り外す。このようにすることによって、エッジ14bをエッジ案内溝30b2に位置決めをした状態で成形材料を硬化させ、別部材からなるエッジ14bとアンダーストーン14とを型30b内で高精度の接合が可能となる。なお、取付治具30aと押さえ部材30a1とは着脱可能であるので、型30bに充填した成形材料の硬化後に、取付治具30aのボルト30a2を型30bから外し、取付治具30aと押さえ部材30a1とを外すことによって、押さえ部材30a1を硬化した成形材料(アンダーストーン14)の中に残したまま取付治具30aを型30bから取り外すようにしてもよく、この場合の押さえ部材30a1は、図3(a)に示すように、アンダーストーン14の接合面4eから突出した部分を切断すればよい。
【0044】
図3(b)に示すように、型32に充填した成形材料が硬化した後、型32のボルト32cを砲金パイプ13eから外し、型32内で硬化した成形材料、即ち、センターストーン13を取り出すことができる。図3(b)に示すように、パッキン28を取り除き、砲金パイプ13eは、接合面13bから突出している部分を切断する。
【0045】
型30b、32により成形されたアンダーストーン14(トップストーン12)の接合面14e(12e)及びセンターストーン13の接合面13bについては、研磨をすることによって平面状に形成する。
【0046】
図1及び図4に示すように、アンダーストーン14の接合面14eとセンターストーン13の接合面13cとを接合させ、トップストーン12の接合面12eとセンターストーン13の接合面13bとを接合させて、アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cにボルト20を挿通させる。ボルト20は、ボルト頭部20aが係止段部14dに係止されるまでアンダーストーン14側から挿通させ、トップストーン12側でハンドル130のナット部130cに係合させることによって、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定する。なお、トップストーン12のエッジ12bを氷上に当接させて使用する場合には、ボルト20は、ボルト頭部20aが係止段部12dに係止されるまでセンターストーン12側から挿通させ、アンダーストーン14側でハンドル130のナット部130cに係合させて、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定すればよい。この場合、アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cの各々の内側に砲金パイプが設けられているので、各砲金パイプが貫通孔14c、13a、12cの補強部材としての機能し、ボルト20とハンドル130による締結固定時に、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12が破損することを防止できる。
【0047】
以上のようなカーリングストーンの製造方法によれば、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を各々成形可能な一組の型を製作すれば、あとはこの型に鉱物性成形材料を充填・硬化させてアンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を成形し、既存のボルト20とハンドル130によって各々を接合させるだけであるので、一つの石材を手作業によって削って製造するカーリングストーンの製造方法よりもはるかに時間と労力を軽減でき、また、同一形状・重量のカーリングストーンの大量生産が可能であり、安価なカーリングストーンの提供が可能となる。
【0048】
次に、図面5及び図6を参照して、本発明によるカーリングストーン及びその製造方法の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図、図6(a)は、第2の実施の形態によるトップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、第2の実施の形態によるセンターストーンを成形する型の断面図である。なお、図1及び図3と実質的に同一の機能及び同一の構成を有するものについては同じ符号を付して説明し、同一の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0049】
図5に示すように、本発明によるカーリングストーン1の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、平面視において円形でなるストーン本体10と、ハンドル130と、ボルト20で構成され、ストーン本体10は、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14からなる。
【0050】
図5に示すように、アンダーストーン14の接合面14eの中央部には、凹部14iが形成されており、同様に、トップストーン12の接合面12eの中央部には、凹部12iが形成されている。一方、センターストーン13の接合面13b、13cの中央部には、凹部14i、12iと嵌合可能な凸部13f、13gが形成されている。このような構成とすることによって、アンダーストーン14の凹部14iがセンターストーン13の凸部13gと係合し、トップストーン12の凹部12iがセンターストーン13の凸部13fと係合するので、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12の接合をより確実に行うことができる。なお、凹部13i、12iと凸部13f、13gの形状と幅は適宜選定することができ、また、アンダーストーン14の接合面14eの中央部及びセンターストーン12の接合面12eの中央部に凸部を形成し、センターストーン13の接合面13b、13cの中央部には、前記凸部と嵌合可能に凹部が形成するようにしてもよく、その他適宜組み合せて形成可能である。
【0051】
次に、第2の実施の形態によるカーリングストーンの製造方法について説明する。なお、第1の実施の形態によるカーリングストーンの製造方法の工程のうち同一のものについては、詳細な説明を省略する。
【0052】
第2の実施の形態によるカーリングストーン1のストーン本体10を、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14に分割して製造する場合において、トップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形するための型を製作する工程について説明する。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態においては、アンダーストーン14を成形する型34bと、センターストーン13を成形する型36bを製作する。トップストーン12は、アンダーストーン14と同一の形状を有するため、トップストーン12の型は型34bで代用可能である。従って、以下、型34bについては、アンダーストーン14との関係で説明するものとし、トップストーン12との関係は、アンダーストーン14の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0054】
図6(a)に示すように、型34bは、取付治具34aをボルト34a2によって固定可能であり、取付治具34aは、アンダーストーン14の凹部34を成形する張出部34a3を有している。張出部34a3は、型34bに向かって細くなるようにテーパ状に形成されており、成形材料の硬化後に取付治具34aを取り外す場合において、硬化した成形材料(アンダーストーン14)との分離が容易になっている。また、図6(a)に示すように、平面成形部34b6と交差する方向で、取付治具34aの張出部34a3の中央部に、ボルト34b4が取付治具34aを貫通して取り付けられている。
【0055】
図3(b)に示すように、型36bは、接合面成形部36b1の中央部にはセンターストーン13の凸部13gを成形する凸部成形部36b4が設けられている。また、図6(b)に示すように、接合面成形部36b1と交差する方向で、型36bの裏側から凸部成形部36b4の中央部にかけて、ボルト36b3が型36bを貫通して取り付けられている。
【0056】
図6(b)に示すように、取付治具36aは、型36bに対してボルト36a2によって固定可能であり、また、接合面成形部36b1と交差する方向で、取付治具36aの中央部にボルト36a1が取付治具36aを貫通して取り付けられている。
【0057】
次に、型34b、36bによってトップストーン12、センターストーン13及びアンダーストーン14の夫々を成形する工程について説明する。
【0058】
図6(a)に示すように、型34bによってアンダーストーン14を成形する場合、型34bのボルト34b5にパッキン28を介して砲金パイプ14gを取り付ける。砲金パイプ14gの内側はネジ溝が形成されており、ボルト34b5のネジ山と係合可能である。本実施の形態では、砲金パイプ14gの両端にパッキン28を取り付けるため、砲金パイプ14gの長さは、アンダーストーン14の係止段部14dから凹部14iの表面までの長さよりも、2つのパッキン28の厚さの分だけ短くなっている。次に、図3(a)に示すように、取付治具34aをボルト34a2によって型34bに固定して、張出部34a3の一部が型34bの内部に入り込む位置に固定する。取付治具34aに設けられたボルト34a4を、パッキン28を介して砲金パイプ14gに固定する。砲金パイプ14gの内側に形成されているネジ溝は、ボルト34b5のネジ山とも係合可能である。
【0059】
一方、図6(b)に示すように、型36bによってセンターストーン13を成形する場合、まず、センターストーン13の凸部13gを形成する凸部部材13g1を予め成形しておく。凸部部材13g1は、凸部13gの高さよりも高く成形し、中央部には砲金パイプ13eを設けている。本実施の形態では、砲金パイプ13eの両端にパッキン28を取り付けるため、砲金パイプ13eの長さは、凸部13gのトップストーン側の表面から凸部13fの表面までの長さよりも、2つのパッキン28の厚さの分だけ短くなっている。凸部部材13g1の成形方法は、凸部部材13g1の型(図示せず)を製作し、あとは、図3(b)に示すように、第1の実施の形態によるカーリングストーン1のセンターストーン13を成形する場合と同じ方法により製作すればよい。次に、図6(a)に示すように、取付治具36aに設けられたボルト36a1を凸部部材13g1の砲金パイプ13eに固定し、取付治具36aをボルト36a2によって型36bに固定して、凸部部材13g1の一部が型36bの内部に入り込む位置に固定する。砲金パイプ13eの内側はネジ溝が形成されており、ボルト36a1のネジ山と係合可能である。次に、型36bのボルト36b3を、パッキン28を介して凸部部材13g1の砲金パイプ13eに固定する。砲金パイプ13eの内側に形成されているネジ溝(図示せず)は、ボルト36b3のネジ山とも係合可能である。
【0060】
以上のように準備がされた型34b及び型36bに、成形材料を充填する。図6(a)に示すように、型34bには、取付治具34aの張出部34a3の一部が埋まるまで成形材料を充填し、図6(b)に示すように、型36bには、取付治具36aに取り付けた凸部部材13g1の一部が埋まるまで鉱物性成形材料を充填する。
【0061】
図6(a)に示すように、型34bに充填した成形材料が硬化した後、型34bのボルト34b5を砲金パイプ14gから外し、取付治具34aのボルト34a4を砲金パイプ14gから外せば、成形材料に埋まっていた張出部34a3によって、接合面14e上に凹部14iが成形される。さらに取付治具34aのボルト34a2を型34bから外せば、型34b内で硬化した成形材料、すなわち、アンダーストーン14を取り出すことができる。図6(a)に示すように、砲金パイプ14gに取り付けられているパッキン28を取り除く。
【0062】
図6(b)に示すように、型36bに充填した成形材料が硬化した後、取付治具36aのボルト36a1を砲金パイプ13eから外し、取付治具36aのボルト36a2を型36bから外せば、型36b内の成形材料と凸部部材13g1の一部が一体化し、残余の部分が凸部13gとして形成される。さらに型36bのボルト36b3を砲金パイプ13eから外せば、型36b内で硬化した成形材料、すなわち、センターストーン13を取り出すことができる。図6(b)に示すように、砲金パイプ13eに取り付けられているパッキン28を取り除く。
【0063】
型34b、36bにより成形されたアンダーストーン14(トップストーン12)及びセンターストーン13の形状のうち接合面14e及び接合面13bについては、研磨をすることによって平面状に形成する。
【0064】
図4及び図5に示すように、アンダーストーン14の凹部14iとセンターストーン3の凸部13gとを嵌合させて、アンダーストーン14の接合面14eとセンターストーン13の接合面13cとを接合させる。同様にして、トップストーン12の凹部12iとセンターストーン13の凸部13gとを嵌合させて、トップストーン12の接合面12eとセンターストーン13の接合面13bとを接合させる。アンダーストーン14の貫通孔14c、センターストーン13の貫通孔13a及びトップストーン12の貫通孔12cに、ボルト20を、ボルト頭部20aが係止段部14dに係止されるまでアンダーストーン14側から挿通させ、トップストーン12側でハンドル130のナット部130cに係合させることによって、アンダーストーン14、センターストーン13及びトップストーン12を締結固定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図である。
【図2】(a)はアンダーストーンの底面図、(b)はアンダーストーンの断面図及び一部拡大図である。
【図3】(a)は、トップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、センターストーンを成形する型の断面図である。
【図4】アンダーストーン、センターストーン及びアンダーストーンを接合する工程を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態によるカーリングストーンのストーン本体の構成を示す斜視図であり、(a)はトップストーンの斜視図、(b)はセンターストーンの斜視図、(c)はアンダーストーンの斜視図である。
【図6】(a)は、第2の実施の形態によるトップストーン及びアンダーストーンを成形する型の断面図、(b)は、第2の実施の形態によるセンターストーンを成形する型の断面図である。
【図7】カーリングで使用される従来のカーリングストーンを示す図であり、(a)は従来のカーリングストーンの構成を示す斜視図、(b)は従来のカーリングストーンのストーン本体の断面図である。
【符号の説明】
1 カーリングストーン
10 ストーン本体
12 トップストーン
12a カップ
12b エッジ
12c 貫通孔
12d 係止段部
12e 接合面
12f 上方平面部
12h 曲面部
12i 凹部
13 センターストーン
13a 貫通孔
13b,13c 接合面
13d 衝突面
13e 砲金パイプ
13f 凸部
13f1 凸部部材
13g 凸部
14 アンダーストーン
14a カップ
14b エッジ
14c 貫通孔
14d 係止段部
14e 接合面
14f 下方平面部
14g 砲金パイプ
14h 曲面部
14i 凹部
20 ボルト
20a ボルト頭部
20b ボルト軸部
28 パッキン
30a 取付治具(第1の取付治具)
30a1 押さえ部材
30a2 ボルト
30b 型(第1の型)
30b1 曲面形成部
30b2 エッジ成形溝(エッジ案内溝)
30b3 カップ成形部
30b4 係止段部成形部
30b5 ボルト
30b6 平面成形部
32 型(第2の型)
32a 接合面成形部
32b 衝突部成形部
32c ボルト
34a 取付治具(第1の取付治具)
34a1 押さえ部材
34a2 ボルト
34a3 張出部
34a4 ボルト
34b 型(第1の型)
34b1 曲面成形部
34b2 エッジ成形溝(エッジ成形溝)
34b3 カップ成形部
34b4 係止段部成形部
34b5 ボルト
36a 取付治具(第2の取付治具)
36a1 ボルト
36a2 ボルト
36b 型(第2の型)
36b1 接合面成形部
36b2 衝突部成形部
36b3 ボルト
36b4 凸部成形部
100 従来のカーリングストーン
110 ストーン本体
111 上方平面部
111a カップ
111b エッジ
111c 係止段部
112 曲面部
113 衝突部
114 曲面部
115 下方平面部
115a カップ
115b エッジ
115c 係止段部
116 貫通孔
120 ボルト
120a ボルト軸部
120b ボルト頭部
130 ハンドル
130a 取っ手
130b ハンドルプレート
130c ナット
Claims (11)
- 複数のストーン部材からなるストーン本体と、ストーン本体の上面に取り付けられるハンドルと、ストーン本体及びハンドルを固定する固定手段からなり、前記ストーン部材の交換を可能な構成としたこと
を特徴とするカーリングストーン。 - 前記ストーン本体は、少なくとも、滑走面に当接するエッジを有する第1のストーン部材と、他のカーリングストーンと衝突する衝突部を有する第2のストーン部材からなることを特徴とする請求項1に記載のカーリングストーン。
- 前記ストーン本体は、前記第1のストーン部材と同一の形状を有する第3のストーン部材を有し、前記第1のストーン部材と、第2のストーン部材と、第3のストーン部材とが積層する構成としたことを特徴とする請求項2に記載のカーリングストーン。
- 前記ストーン部材は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物によって成形することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載のカーリングストーン。
- 前記エッジは、金属部材その他耐磨耗性を有する部材によって構成したことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうち、いずれか1に記載のカーリングストーン。
- 前記ストーン部材は、ストーン部材同士の接合面に凹部及び/又は凸部を有し、ストーン部材同士を接合する場合にストーン部材同士が前記凹部及び/又は凸部において係合可能な構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載のカーリングストーン。
- 略円盤状の成形凹部を有し成形凹部の底部には少なくともエッジを成形する成形溝が形成された第1の型を製作する工程と、略円盤状の成形凹部を有し該成形凹部の底部は平面状で構成される第2の型を製作する工程と、前記第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形する工程と、前記第2の型に成形材料を充填し硬化させて第2のストーン部材を成形する工程と、第1のストーン部材及び第2のストーン部材の表面を処理する工程と、前記第1のストーン部材と第2のストーン部材とを接合する工程からなること
を特徴とするカーリングストーンの製造方法。 - 前記成形材料は、硬化性樹脂及び硬化剤からなる結合剤と、微粒子充填剤と、粒状の鉱物とを混合した混合物であることを特徴とする請求項7に記載のカーリングストーンの製造方法。
- 前記第1のストーン部材を成形する工程は、前記成形溝に金属部材その他耐磨耗性を有するリング部材を設置し、前記第1の型に取付治具を固定して、取付治具に設けられた押さえ部材によって前記リング部材を固定してから、第1の型に成形材料を充填し硬化させて第1のストーン部材を成形することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のカーリングストーンの製造方法。
- 前記第1の型は、取付治具を固定可能であって取付治具には張出部が設けられ、前記張出部が第1の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第1のストーン部材の接合面に凹部を成形可能に構成し、
前記第2の型は、成形凹部の底部に更に凹部が形成され、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする請求項7乃至請求項9のうち、いずれか1に記載のカーリングストーンの製造方法。 - 前記第2の型は、取付治具を固定可能であって取付治具に凸部部材を着脱可能に固定し、前記凸部部材が第2の型の成形凹部の内側に入り込む位置で前記取付治具を固定することによって、第2のストーン部材の接合面に凸部を成形可能に構成することを特徴とする請求項7乃至請求項10のうち、いずれか1に記載のカーリングストーンの製造方法。
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188171A patent/JP2005021248A/ja active Pending
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