JP2005020815A - モータの電機子コア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電機子コア1は、第1のコア層6と絶縁層7と第2のコア層8とを備えた分割積層構造のコアである。電機子コア1は、各コア層6,8を形成するための鉄粉と絶縁層7を形成するための絶縁粉体とを含む粉体材料を圧縮して一体成形される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁皮膜を施した磁性金属粉体を圧縮成形してなるモータの電機子コアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動モータでは、電機子の回転により電機子コアに回転数の2乗に比例した渦電流損が発生し、高回転域になるほど鉄損が増大するため、モータ効率が悪化することが知られている。従来、その鉄損を減らすために複数枚のコアシートからなる積層コアが用いられている。すなわち、図16に示すように、積層コア41は、冷間圧延鋼板42を高速クランクプレスにて打ち抜き加工してコアシート43を形成し、そのコアシート43を複数積層することで製造されている。この積層コア41では、各コアシート43の層間で絶縁されるため鉄損を低減することができるが、それぞれのコアシート43の中では渦電流が流れてしまう。
【0003】
また、鉄損を低減する技術としては、絶縁皮膜を施した磁性金属粉体(高抵抗皮膜付純鉄粉等)の圧縮成形によって電機子コア(粉体コア)を製造するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この粉体コアの場合、鉄粉が高抵抗皮膜で一粒一粒絶縁され、その一粒の鉄粉の中だけでしか渦電流が流れないため、鉄損をより少なくすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−128840号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような粉体コアでは、コアの積厚により鉄損が増加してしまうといった問題がある。図17には、粉体コアの積厚と鉄損との関係を示している。なお、同図には、粉体コアに加え、冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した積層コア、及び電磁鋼板(JIS規格:50A470)を使用した積層コアの鉄損をその比較例として示している。粉体コアでは、コアの積厚が約45mm以上となると、SPCCの積層コアの鉄損よりも大きくなってしまう。従って、積厚が厚い粉体コアは、鉄損による効率低下が問題となるため、高回転用のモータには適用することが困難となっていた。因みに、電磁鋼板の積層コアでは鉄損は少ないが、電磁鋼板は高価であり材料コストが増大するといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、磁性金属粉体を圧縮成形してなる電機子コアにおいて、コア積厚に伴う鉄損の増加を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、絶縁皮膜を施した磁性金属粉体を圧縮成形してなるモータの電機子コアであって、2つ以上のコア層と前記各コア層との間に設けられる絶縁層とを備え、前記各コア層を形成するための磁性金属粉体と、前記絶縁層を形成するための絶縁材料とを圧縮して一体成形した。
【0008】
請求項2に記載の発明は、絶縁皮膜を施した磁性金属粉体を圧縮成形してなるモータの電機子コアであって、2つ以上のプレ圧縮体を圧縮結合させた圧縮結合体であり、仮圧縮成形にて前記各プレ圧縮体を形成した後、該各プレ圧縮体を更に圧縮成形してなる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータの電機子コアにおいて、前記絶縁皮膜を施した磁性金属粉体に加えて結合材として機能する結合バインダーを含めて圧縮成形した。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のモータの電機子コアにおいて、前記各プレ圧縮体は同じ材料からなる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のモータの電機子コアにおいて、前記各プレ圧縮体は異なる材料からなる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のモータの電機子コアにおいて、前記プレ圧縮体は複数の圧縮体からなる。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のモータの電機子コアにおいて、前記各プレ圧縮体を結合させるために圧縮成形する際の圧力は、前記プレ圧縮体を仮圧縮成形する際の圧力よりも大きい。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、磁性金属粉体と絶縁材料とが圧縮されることにより、2つ以上のコア層と各コア層間の絶縁層とが一体成形される。このように、各コア層との間に絶縁層が設けられることで、渦電流の発生が抑制されるため、鉄損の少ない電機子コアを実現することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、圧縮成形された各プレ圧縮体の間ではミクロ的な空隙が形成されるため、その空隙により従来の積層コアにおけるコアシートの間隙と同様の作用が生じて渦電流の発生が抑制される。これによって、鉄損の少ない電機子コアを実現することができる。またこの場合、仮圧縮成形により各プレ圧縮体の圧縮比に差を生じさせることができ、電機子コアの構造に合わせた均一の強度を確保することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、磁性金属粉体に結合材として機能する結合バインダーが加えられて圧縮成形されるため、粉体間の固着力を向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、各プレ圧縮体が同じ材料からなるので、各プレ圧縮体での結合面の固着力を均一に確保することができる。
請求項5に記載の発明によれば、各プレ圧縮体が異なる材料からなるので、目的に応じて材料の特性を利用した電機子コアを実現することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、プレ圧縮体が複数の圧縮体からなるので、目的に応じて材料の特性や強度を利用した電機子コアを実現することができる。
請求項7に記載の発明によれば、各プレ圧縮体を結合させるための圧縮成形が仮圧縮成形よりも大きな圧力でなされるので、仮圧縮成形の際にプレ圧縮体に残されていた粒子間の隙間が詰まり、各プレ圧縮体を確実に結合させることができる。また、電機子コアの強度を十分に確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は本実施形態の電機子コア1の斜視図を示し、図2は、その電機子コア1の断面図を示す。電機子コア1は、例えば、車載用モータにおけるロータのコア(鉄心)として用いられる。
【0019】
図1に示すように、電機子コア1は、回転軸を挿入するための中心孔2aを有する本体部2と、該本体部2の外周から外方へ等角度間隔(45°)で放射状に延設された複数(8個)のティース3とを備える。この電機子コア1には、各ティース3間に形成されるスロット4に電機子コイルが巻回される。
【0020】
本実施形態の電機子コア1には、図1及び図2に示すように、厚さ方向に(図2では上下方向)に第1のコア層6と絶縁層7と第2のコア層8との3つの層が積層されている。つまり、電機子コア1は、絶縁層7によって2つに分割された分割積層構造を持ち、この構造によって電機子コア1の鉄損が低減され、モータ効率が向上される。
【0021】
次に、本実施形態における電機子コア1の製造方法を図3〜図7に従って説明する。
電機子コア1を製造するための製造装置11は、粉体を圧縮成形する成形機であって、ダイ12、下パンチ13及び上パンチ14(図7参照)、第1及び第2フィードボックス15,16等を備える。この製造装置11には、ダイ12及び下パンチ13によって、上方が開口したキャビティ17が形成されている。そのキャビティ17の中央部には、円柱状をなす成形芯18が立設している。成形芯18の下端(図示略)はダイ12に対して移動不能に固定されている。なお、図示を省略しているが、キャビティ17の内周面にはスロット形状に合わせた凸部が形成されている。また、ダイ12上には、絶縁皮膜を施した鉄粉(磁性金属粉体)Xを搬送するための第1フィードボックス15と、絶縁粉体Yを搬送するための第2フィードボックス16とが、図の左右方向に移動可能に設けられている。
【0022】
この製造装置11によって電機子コア1を製造する際には、先ず、図3に示すように、コア体積の半分の量に相当する鉄粉Xを第1フィードボックス15に充填し、所定量(コア体積と比較すると微量)の絶縁粉体Yを第2フィードボックス16に充填する。
【0023】
その後、図4に示すように、第1フィードボックス15をキャビティ17の真上に移動させ、第1フィードボックス15の鉄粉Xをキャビティ17に充填する。
【0024】
次いで、図5に示すように、第2フィードボックス16をキャビティ17の真上に移動させ、第2フィードボックス16の絶縁粉体Yをキャビティ17に充填する。またこのとき、ダイ12上に位置する第1フィードボックス15にコア体積の半分の量に相当する鉄粉Xを充填する。
【0025】
そして、図6に示すように、再び第1フィードボックス15をキャビティ17の真上に移動させ、第1フィードボックス15の鉄粉Xをキャビティ17に充填する。
【0026】
その後、図7に示すように、上パンチ14を下方に移動させ、キャビティ17の上部に嵌め込む。さらに、上パンチ14が所定の加圧力でキャビティ17内の粉体(鉄粉X、絶縁粉体Y)を下方に加圧し、下パンチ13が所定の加圧力でキャビティ17内の粉体を上方に加圧する。この加圧によって、キャビティ17内の粉体が圧縮され、電機子コア1が成形される。
【0027】
なお、上記の電機子コア1は2分割構造であるが、絶縁粉体Yの充填工程(図5参照)と鉄粉Xの充填工程(図6参照)の回数を増やすことで、3分割以上の電機子コアを製造してもよい。
【0028】
図8には、電機子コアの体積と鉄損との関係を示している。なお、同図において、標準コアとは、上記電機子コア1の半分の体積(各コア層6,8と同じ体積)を持つコアであり、鉄粉Xを圧縮成形した一体成形コアである。
【0029】
図8に示すように、標準コアよりも体積が2倍、6倍の一体成形コアの場合には、その鉄損はコア体積の増加に比例して大きくなる。これに対し、本実施形態のように、2つのコア層6,8を絶縁層7で分離した構造を持つ電機子コア(2分割積層コア)1は、コア体積は基準コアの2倍となるが、鉄損は標準コアと同じ値となっている。同様に、3分割積層コアの場合、コア体積が3倍となるが鉄損はほぼ同じ値に維持されている。
【0030】
具体的に、2分割積層構造の電機子コア1では、同じ体積の一体成形コアと比較して、ほぼ1割程度の鉄損を抑制できることが確認された。また、本願発明者らは、複数枚の標準コアを重ね合わせた単純積層構造のコア(単純積層コア)を構成し、その単純積層コアの鉄損(図示略)を測定した。そして、本実施形態の分割積層構造の電機子コア1がその単純積層コアの鉄損とほぼ同一であるといった評価結果を得ることができた。
【0031】
以上詳述したように第1実施形態は、以下の特徴を有する。
(1)電機子コア1は、キャビティ17において鉄粉Xと絶縁粉体Yとを含む粉体材料が圧縮されることで、第1及び第2のコア層6,8と絶縁層7とが一体成形される。この場合、各コア層6,8との間に絶縁層7が形成されるので、渦電流の発生が抑制されて鉄損の少ない電機子コア1を実現することができる。また、粉体材料をキャビティ17に投入するための材料投入口が1カ所で済むため、電機子コア1を容易に製造することができる。
【0032】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。
図9には本実施形態の電機子コア31の斜視図を示し、図10にはその電機子コア31の断面図を示している。すなわち、本実施形態の電機子コア31は、第1実施形態と相違して絶縁層7を省略している。なお、電機子コア31の形状は、第1実施形態と同じであり、中心孔2aを有する本体部2と、複数のティース3とを備えている。この電機子コア31は、第1及び第2のコア層6,8を構成するための2つのプレ圧縮体を圧縮結合させた圧縮結合体である。
【0033】
次に、電機子コア31の製造方法を図11及び図12に従って説明する。
図11に示すように、製造装置11は、先ず、キャビティ17に鉄粉Xを充填し、下パンチ13と上パンチ14とでその鉄粉Xを圧縮して第1のプレ圧縮体P1を成形する。同様に、キャビティ17に鉄粉Xを充填し、下パンチ13と上パンチ14とでその鉄粉Xを圧縮して第2のプレ圧縮体P2を成形する。
【0034】
さらに、図12に示すように、各プレ圧縮体P1,P2を、キャビティ17内に入れ、下パンチ13と上パンチ14とで圧縮する。このとき、各パンチ13,14によって、前記プレ圧縮体P1,P2を仮圧縮成形する際の圧力よりも大きな圧力が加えられる。この場合、仮圧縮成形の際にプレ圧縮体P1,P2に残されていた粒子間の隙間が詰まり、電機子コア31の強度が確保されるとともに、第1及び第2のプレ圧縮体P1,P2が結合される。
【0035】
以上詳述したように第2実施形態は、以下の特徴を有する。
(1)圧縮形成された各プレ圧縮体P1,P2の間ではミクロ的な空隙が形成されるため、その空隙によって、図16の積層コア41におけるコアシート43の間隙と同様に渦電流の発生が抑制される。従って、鉄損の少ない電機子コア31を実現することができる。
【0036】
(2)各プレ圧縮体P1,P2を結合させるための圧縮成形が仮圧縮成形よりも大きな圧力でなされるので、仮圧縮成形の際にプレ圧縮体P1,P2に残されていた粒子間の隙間が詰まり、各プレ圧縮体P1,P2を確実に結合させることができる。またこの場合、電機子コア31の強度を十分に確保することができる。
【0037】
(3)電機子コア31における第1のコア層6と第2のコア層とは、同一形状(厚さ方向に重ね合わせた形状が同じ)である。そのため、製造装置11における同一のキャビティ17で各プレ圧縮体P1,P2を圧縮成形することができ、実用上好ましいものとなる。
【0038】
最後に、第1実施形態と第2実施形態とを比較する。第2実施形態の電機子コア31では、予め2つのプレ圧縮体P1,P2を磁性金属粉体の圧縮成形により製造する必要があるため、成形時間や金型費用が増大してしまう。これに対して、第1実施形態の電機子コア1は1回の圧縮成形で製造することができるため、成形時間や金型費用等が抑制される。つまり、第1実施形態の電機子コア1は、第2実施形態の電機子コア31を製造する場合と比較して、成形時間や金型費用等が抑制されるので、製造コストを低減することができる。なお、具体的なコスト見積もりとしては、3割程度のコスト低減が可能である。
【0039】
なお、上記以外に次の形態にて具体化できる。
・上記各実施形態において、絶縁皮膜を施した鉄粉Xに結合材として機能する結合バインダーを含めて圧縮成形してもよい。この場合、鉄粉Xの固着力を向上できる。また、結合バインダーにより鉄粉Xの絶縁皮膜が保護されるため、渦電流損の抑制も可能となる。
【0040】
・第1実施形態において、絶縁層7を形成する絶縁材料として絶縁粉体Yを用いたが、樹脂からなる絶縁シートを用いてもよい。また、第2実施形態において、第1のプレ圧縮体P1と第2のプレ圧縮体P2との間に絶縁シートを配置した状態で圧縮成形し、電機子コアを製造してもよい。
【0041】
・第2実施形態において、第1のプレ圧縮体P1と第2のプレ圧縮体P2とが同一形状であり同じキャビティ17で成形されていたが、これに限定されるものではない。第1のプレ圧縮体P1と第2のプレ圧縮体P2との形状が異なる場合、それらを別々のキャビティ(金型)で圧縮成形してもよい。また、各プレ圧縮体P1,P2を仮圧縮成形する際の圧力を異ならせて、各プレ圧縮体P1,P2の圧縮比に差を生じさせてもよい。この場合、電機子コアの構造に合わせた均一の強度を確保することができる。
【0042】
また、電機子コア31の各コア層6,8(プレ圧縮体P1,P2)は、同じ材料(鉄粉X)を用いて成形するものであるが、それぞれ異なる材料を用いて成形してもよい。ここで、各プレ圧縮体P1,P2を同じ材料で成形する場合、各プレ圧縮体P1,P2での結合面の固着力を均一に確保することができる。また、各プレ圧縮体P1,P2を異なる材料で成形する場合、目的に応じて材料の特性を利用した電機子コア31を実現することができる。
【0043】
・第2実施形態では、2つのプレ圧縮体P1,P2によって圧縮成形される2層(第1及び第2のコア層6,8)の電機子コア31に具体化するものであるが、3つ以上のプレ圧縮体を圧縮結合させた多層の電機子コアに具体化してもよい。その具体例として、図13には、第1〜第5のコア層33a〜33eを有する5層の電機子コア33を示している。この電機子コア33は、5つのプレ圧縮体を更に圧縮成形して製造される。この電機子コア33においても、各コア層33a〜33eで同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
【0044】
・図14に示すプレ圧縮体P10を2つ用いて、図15に示す電機子コア35を圧縮成形してもよい。詳しくは、図14のプレ圧縮体P10は3つの圧縮体を圧縮結合させた圧縮結合体であり、図15の電機子コア35は、2つのプレ圧縮体P10を更に圧縮結合させた圧縮結合体である。プレ圧縮体P10には第1〜第3のコア層36〜38が形成されている。第2のコア層37の下部に形成されている第1のコア層36の材料は、その第2のコア層37よりも荒い粒子の鉄粉であり、第2のコア層37の上部に形成されている第3のコア層38の材料は、第2のコア層37よりも細かい粒子の鉄粉である。
【0045】
そして、圧縮成形により各プレ圧縮体P10の第1のコア層36を結合させて図15の電機子コア35が製造されている。つまり、電機子コア35では、荒い粒子の第1のコア層36が中央部に形成され、細かい粒子の第3のコア層38が上下の端部に形成されている。この場合、各プレ圧縮体P10の結合強度を向上させることができる。また、この電機子コア35では、細かい粒子の第3のコア層38が上下の端面を形成するので、その外観を向上させることができる。このように、電機子コア35では、プレ圧縮体P10を複数の圧縮体から構成している。この構成により、目的に応じて材料の特性や強度を利用した電機子コア35を実現することができる。
【0046】
・各プレ圧縮体P1,P2,P10の結合部分は平面であるが、その結合部分に段差部を設けて、結合面積を増大させてもよい。このようにすると、プレ圧縮体間の固着力を向上させることができる。
【0047】
・電機子コアは、図1に示す電機子コア1の形状(本体部2、ティース3の形状)に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
上記実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
【0048】
(イ)前記絶縁材料は、絶縁粉体、或いは絶縁シートであることを特徴とする請求項1に記載のモータの電機子コア。絶縁材料が絶縁粉体である場合には、絶縁粉体を磁性金属粉体と共通の材料投入口から金型内に投入できる。また、絶縁材料が絶縁シートである場合には、絶縁層を均一に形成することができる。
【0049】
(ロ)中央に位置するコア層の形成材料は、そのコア層の外側に設けられるコア層よりも荒い粒子の材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータの電機子コア。この構成によれば、中央に位置するコア層を確実に結合できる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、磁性金属粉体を圧縮成形してなる電機子コアにおいて、コア積厚に伴う鉄損の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電機子コアを示す斜視図。
【図2】電機子コアの断面図。
【図3】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図4】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図5】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図6】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図7】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図8】コア体積と鉄損との関係を示す説明図。
【図9】第2実施形態の電機子コアを示す斜視図。
【図10】第2実施形態の電機子コアを示す断面図。
【図11】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図12】電機子コアの製造方法を説明するための説明図。
【図13】別例の電機子コアを示す断面図。
【図14】別例のプレ圧縮体を示す断面図。
【図15】別例の電機子コアを示す断面図。
【図16】従来の積層コアを説明するための説明図。
【図17】粉体コアの積厚と鉄損との関係を示説明図。
【符号の説明】
P1,P2,P10…プレ圧縮体、X…磁性金属粉体としての鉄粉、Y…絶縁材料としての絶縁粉体、1、31,33,35…電機子コア、6,8,33a〜33e,36,37,38…コア層、7…絶縁層。
Claims (7)
- 絶縁皮膜を施した磁性金属粉体を圧縮成形してなるモータの電機子コアであって、
2つ以上のコア層と前記各コア層との間に設けられる絶縁層とを備え、前記各コア層を形成するための磁性金属粉体と、前記絶縁層を形成するための絶縁材料とを圧縮して一体成形したことを特徴とするモータの電機子コア。 - 絶縁皮膜を施した磁性金属粉体を圧縮成形してなるモータの電機子コアであって、
2つ以上のプレ圧縮体を圧縮結合させた圧縮結合体であり、仮圧縮成形にて前記各プレ圧縮体を形成した後、該各プレ圧縮体を更に圧縮成形してなることを特徴とするモータの電機子コア。 - 前記絶縁皮膜を施した磁性金属粉体に加えて結合材として機能する結合バインダーを含めて圧縮成形したことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータの電機子コア。
- 前記各プレ圧縮体は同じ材料からなることを特徴とする請求項2に記載のモータの電機子コア。
- 前記各プレ圧縮体は異なる材料からなることを特徴とする請求項2に記載のモータの電機子コア。
- 前記プレ圧縮体は複数の圧縮体からなることを特徴とする請求項2に記載のモータの電機子コア。
- 前記各プレ圧縮体を結合させるために圧縮成形する際の圧力は、前記プレ圧縮体を仮圧縮成形する際の圧力よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のモータの電機子コア。
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