JP2005020480A - 救急通報システムおよび救急通報方法 - Google Patents

救急通報システムおよび救急通報方法 Download PDF

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JP2005020480A JP2003183773A JP2003183773A JP2005020480A JP 2005020480 A JP2005020480 A JP 2005020480A JP 2003183773 A JP2003183773 A JP 2003183773A JP 2003183773 A JP2003183773 A JP 2003183773A JP 2005020480 A JP2005020480 A JP 2005020480A
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Abstract

【課題】利用者自身が意識のない場合等でも第三者が利用者の携帯端末機器を利用して、容易に当該利用者に関する救急情報を災害救急情報センターに送信することができる救急通報システムおよび方法を提供する。
【解決手段】利用者100が携帯する携帯端末機器120から、第三者130の所定の入力操作により送られてくる当該利用者に関する救急情報110を第一のネットワーク300を介して災害救急情報センター200で受信して、その後通話モードによる第三者との相互会話により現場の位置情報等を得て、第二のネットワーク500を介して、現場の最寄りの消防署400に対して救急車410の手配を行なうと共に、当該利用者に関する救急情報110を消防署400を介して、または直接に救急車410に対して送信するように、救急通報システム10を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば病気,事故,災害等の際に、意識が無くなった利用者本人の代わりに、第三者が容易に当該利用者の救急に必要な連絡を行なうことができる救急通報を実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば病気や災害,事故等により意識をなくしたり、自分で動けなくなった場合に、これを発見した人が、災害救急情報センター(所謂119番)に通報して、救急車の出動を要請することがある。そして、本人の氏名や、通常緊急時の連絡先,本人の持病等に関する情報が得られないことが多い。
このような場合、例えば本人のもとに救急車が到着してから、救急隊員が本人の状態を確認する必要があり、応急措置が遅れてしまったり、あるいは持病等との関係から誤った処置を施してしまうという可能性がある。
さらに、本人に意識がないことから、家族等に連絡したくても、連絡先が分からない場合もある。
【0003】
また、本人がかかりつけの病院が救急車の搬送可能な範囲に在る場合もあるが、本人が意識不明の場合、かかりつけの病院が分からないので、かかりつけの病院に搬送することができない。
さらに、他の病院に搬送する場合でも、本人のかかりつけの病院が分かると、本人のカルテ情報を入手することができ、より適切な処置を行なうことができるが、同様にして本人が意識不明の場合、かかりつけの病院が分からないので、本人に最適な処置を行なうことができない。
【0004】
これに対して、例えば特許文献1においては、緊急時に必要な連絡先に通報し、メッセージを伝達するようにした通信システムおよび携帯通信端末が開示されている。
この場合、緊急時には、利用者が携帯通信端末に設けられたストラップを引き抜くことにより、携帯通信端末が予め登録されている緊急連絡先に対して自動発信して、予め録音されたメッセージを相手方に伝達するようになっている。
【0005】
また、例えば特許文献2においては、緊急時に、利用者が所定のボタンを複数回押すことにより、移動通信端末装置が所定の連絡先に対して自動発信して、当該移動通信端末装置の位置情報および利用者の識別情報を送信するようになっている。
この場合、利用者は、緊急時に所定のボタンを複数回押すことにより、所定の連絡先、例えば消防本部や警察本部に対して自動発信して、緊急事態が発生した旨を連絡するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−045182号
【特許文献2】
特開2002−300316号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各特許文献1〜2においては、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献1においては、緊急時には、利用者自身が携帯通信端末に設けられたストラップを引き抜く必要がある。このため、利用者が意識を無くしているような場合には、自動発信を行なうことができない。また、利用者を発見した第三者は、携帯通信端末のストラップを引く抜くことに気がつかないことが多いので、第三者が自動発信を行なうことは困難である。
また、特許文献2においては、緊急時には、利用者自身が移動通信端末装置の所定のボタンを複数回押す必要がある。このため、利用者が意識を無くしているような場合には、自動発信を行なうことができない。また、利用者を発見した第三者は、移動通信端末装置の所定のボタンを複数回押す操作に気がつかないことが多いので、第三者が自動発信を行なうことは困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、利用者自身が意識のない場合でも第三者が利用者の携帯端末機器を利用して、容易に当該利用者に関する救急情報を災害救急情報センターに送信することができるようにした救急通報システムおよび方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載の救急通報システムは、利用者が携帯する携帯端末機器からの当該利用者に関する救急情報を第一のネットワークを介して災害救急情報センターで受信して、当該救急情報に基づいて、当該利用者に関する情報を入手して、第二のネットワークを介して、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、当該利用者に関する救急情報を送信する救急通報システムであって、利用者の携帯端末機器が、前もって当該利用者に関する救急情報を読出可能に登録してあり、第三者である通報者の所定の入力操作により、第一のネットワークを介して災害救急情報センターに接続して、上記救急情報を送信した後、通話モードに切換えて、通報者が他の必要な情報を相互会話により送信し、災害救急情報センターが、第一のネットワークに接続されていて、利用者の携帯端末機器からの救急情報を受信して記憶部に登録すると共に、その後通話モードに切換える受付部と、受付部での通話モードにおける利用者の位置情報を含む通話内容に基づいて、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、上記救急情報を記憶部から読み出して当該救急車に対して送信する処理部と、を設けた構成としてある。
【0010】
救急通報システムをこのような構成とすると、利用者が例えば病気や災害,事故等により意識をなくした場合、あるいは意識があっても自分で動けない等の緊急の事態が発生した場合、当該利用者を発見した第三者が、利用者の携帯端末機器を使用して、所定の入力操作を行なうことにより、この携帯端末機器が自動的に第一のネットワークを介して災害救急情報センターに接続して、前もって登録してある当該利用者に関する救急情報を送信する。
これにより、災害救急情報センターは、受信部により、利用者の携帯端末機器から第一のネットワークを介して送信されてくる当該利用者に関する救急情報に基づいて、当該利用者の氏名や持病に関する情報を入手することができる。
そして、利用者の携帯端末機器が、救急情報の送信後、通話モードに切換えることにより、第三者である通報者と災害救急情報センターの係員との相互通話が可能になり、通報者が現場の位置情報や状況、そして利用者本人の容態等の通話内容で連絡を行なう。
【0011】
これを受けて、災害救急情報センターの処理部が、通話内容による位置情報に基づいて、最寄りの消防署に対して救急車出動の手配を行なうと共に、当該消防署を通じてまたは直接に出動中の救急車に対して、上記利用者に関する救急情報を送信する。
これにより、出動中の救急車では、利用者の居る場所に到着する前に、当該利用者に関する救急情報をいちはやく入手することができるので、現場に到着したとき、当該利用者に対して適切な処置を迅速にそして適切に行なうことが可能になる。
【0012】
このようにして、本発明による救急通報システムによれば、利用者自身が意識がない等の理由により携帯端末機器を操作できないときでも、第三者が利用者の携帯端末機器を使用して、所定の操作を行なうことにより、災害救急情報センターに対して当該利用者に関する救急情報を送信することができると共に、通話モードへの切換えによって、通報者が災害救急情報センターの係員と相互通話を行なって、現場の位置情報や状況そして利用者の容態等を連絡することができる。
このとき、第三者による携帯端末機器の所定の操作は、例えば特定キーの押下あるいは例えば「ファンクションキー+119」等の特殊番号等を利用することにより、誰でも容易に分かる方法で行なわれる。これにより、利用者と面識のない第三者であっても、容易に災害救急情報センターへの救急通報を行なうことが可能である。
【0013】
そして、災害救急情報センターは、受付部により上記救急情報を受信することにより、当該利用者に関する救急情報をいちはやく入手することができると共に、その後通報者との相互通話により、救急車出動に必要な現場の位置情報や利用者本人の容態等を得ることができる。
これにより、最寄りの消防署から救急車を現場に迅速に出動させることができると共に、この消防署を介して、あるいは直接に出動中の救急車に上記救急情報を送信することによって、救急車の救急隊員が当該利用者に関する救急情報に基づいて、当該利用者の持病等を予備知識として知ることができる。
したがって、現場に到着した救急車の救急隊員が、当該利用者を適切にそして迅速に処置することができる。
【0014】
請求項2記載の救急通報システムは、上記携帯端末機器が、登録されている救急情報のうち、最低限必要な情報のみを表示部に表示可能である構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、緊急時等に第三者が利用者の携帯端末機器を使用して、その表示部に救急情報を表示させたとしても、当該利用者のプライバシーに関わる情報が表示されず、災害救急情報センターへの通報に必要な最小限の情報のみが表示され得ることによって、利用者本人のプライバシーが確実に保護され得る。
【0015】
請求項3記載の救急通報システムは、上記携帯端末機器が、登録されている救急情報のうち、最低限必要な情報以外の情報について、暗証番号が一致したときのみ表示部に表示可能である構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、利用者本人が、携帯端末機器に暗証番号を入力して、その表示部に救急情報を表示させる場合には、救急情報をすべて表示させることが可能であり、これによって、利用者本人が救急情報を確認することができる。
【0016】
請求項4記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、利用者の携帯端末機器からの救急情報に基づいて、救急情報に含まれる医療機関に対して、当該救急情報を転送する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、当該利用者が救急を必要としていることを、上記災害救急情報センターの処理部が当該利用者のかかりつけの医療機関に対して通報することができる。
【0017】
請求項5記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に対して救急情報を転送した後、通話モードに切換えて、当該利用者に関する注意事項等の対応情報を、相互会話により入手する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、上記災害救急情報センターの処理部が当該利用者のかかりつけの医療機関に対して救急情報を転送した後、通話モードに切換えることによって、災害救急情報センターの係員が医療機関の担当者と相互通話を行なって、当該利用者に関する持病や注意事項に関する対応情報を入手することができる。
【0018】
請求項6記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に対して救急情報を転送した後、当該利用者に関する注意事項等の対応情報を受信する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、上記災害救急情報センターの処理部が、当該利用者のかかりつけの医療機関に対して救急情報を転送した後、災害救急情報センターの処理部が、この医療機関から当該利用者に関する持病や注意事項に関する対応情報を受信することができる。
【0019】
請求項7記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関から得た対応情報を、出動中の救急車に対して送信する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、上記災害救急情報センターの処理部が、救急情報を転送した医療機関から当該利用者に関する対応情報を得て、出動中の救急車に対して送信することによって、救急車の救急隊員は、現場に到着する前に、当該利用者に関する対応情報に基づいて、当該利用者の持病等に対応する適切な処置を予備知識として知ることができる。
【0020】
請求項8記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に利用者を搬送可能であるとき、出動中の救急車に対して上記医療機関への搬送を指示する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、救急車が、利用者のかかりつけの医療機関に当該利用者を搬送することによって、利用者が、当該利用者の持病等について知識のある、またはカルテ情報を保有している医療機関で処置を受けることができる。
【0021】
請求項9記載の救急通報システムは、上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関以外の医療機関に利用者を搬送するとき、当該利用者に関するカルテ情報を搬送先の医療機関に対して転送する構成としてある。
救急通報システムをこのような構成とすると、救急車が、利用者のかかりつけの医療機関以外の医療機関に当該利用者を搬送することによって、利用者が、この医療機関で処置を受ける際に、当該医療機関がかかりつけの医療機関から当該利用者に関するカルテ情報を転送してあることにより、当該医療機関が当該利用者に関する知識を得ることができるので、当該利用者のかかりつけの医療機関と同様に、当該利用者の処置を行なうことができる。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項10記載の救急通報方法によれば、利用者が携帯する携帯端末機器からの当該利用者に関する救急情報を第一のネットワークを介して災害救急情報センターで受信して、当該救急情報に基づいて、当該利用者に関する情報を入手して、第二のネットワークを介して、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、当該利用者に関する救急情報を送信する救急通報方法であって、利用者の携帯端末機器から第三者である通報者の所定の入力操作によって第一のネットワークを介して送信されてくる当該利用者に関する救急情報を、災害救急情報センターで受信して、その後通話モードに切換えて、通報者から他の必要な情報を相互会話により受信して、通報者との相互会話により得られた利用者の位置情報を含む通話内容に基づいて、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なって、さらに上記救急情報を当該救急車に対して送信する構成としてある。
本発明は、このように救急通報方法としても実現化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態における災害救急情報センターの情報管理装置での処理は、プログラムに制御されたコンピュータにより実行される。記録媒体としては、例えば磁気ディスク,半導体メモリ,その他の任意のコンピュータで読み取り可能なものを使用することができる。また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませてもよく、また通信回線を介してコンピュータに読み込ませてもよい。
【0024】
本発明の救急通報システムの一実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の救急通報システムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、救急通報システム10は、利用者100と、災害救急情報センター200と、第一のネットワーク300と、消防署400と、第二のネットワーク500と、を設けてある。
なお、図1においては、利用者100,消防署400は、一つだけ図示されているが、一つに限定されるものではない。
【0026】
また、第一のネットワーク300は、例えば携帯電話回線網や無線LAN等のネットワークである。
第二のネットワーク500は、例えば無線による専用回線網等のネットワークであるが、他のネットワークであってもよい。
【0027】
利用者100は、災害救急サービスを受けようとする者であって、第一のネットワーク300を介して災害救急情報センター200に接続して、利用者100に関する救急情報110を送信すると共に、災害救急情報センター200の係員と相互通話による会話を行なうことができるようになっている。
なお、利用者100は、第一のネットワーク300に接続して、災害救急情報センター200に接続するために、携帯電話端末や他の各種携帯情報端末機器,専用携帯端末機器等の携帯端末機器120を使用することができるようになっている。
【0028】
ここで、上記携帯端末機器120は、公知の構成の携帯端末機器と同様の構成であって、さらに利用者100に関する救急情報110を前もって登録することができるようになっている。
この救急情報110は、例えば利用者100の氏名,住所,生年月日,血液型,かかりつけの病院名,病院の電話番号,病院での患者番号,病名,担当主治医,家族の連絡先,家族の氏名等の各項目を含んでいる。
これらの救急情報110の各項目は、利用者100本人が入力し、あるいはかかりつけの病院等で自動登録されるようになっている。
【0029】
また、上記救急情報110は、携帯端末機器120の所定の操作によって、その表示部(図示せず)に表示させることができるようになっている。
その際、上記救急情報110のうち、救急通報の際に最低限必要な情報、例えば本人氏名,かかりつけの病院名,病院の電話番号,主治医等の本人のプライバシーを侵害しない程度の項目についてのみ表示されるようになっている。
これに対して、上記救急情報110のうち、上述した最低限必要な情報以外の詳細な情報については、携帯端末機器120の所定の操作と共に暗証番号を入力したときにのみ、表示部に表示されるようになっている。
これにより、上記暗証番号を知らない第三者が携帯端末機器120を操作したとしても、利用者100のプライバシーが確実に保護され得るようになっている。
【0030】
さらに、携帯端末機器120は、例えば専用に設けられた特定キーの押下や、例えば「ファンクションキー+119」等の特殊番号の入力操作によって、災害救急情報センター200に接続して、上記救急情報110を送信し、その後通話モードに切換えるようになっている。
【0031】
災害救急情報センター200は、適宜の箇所に設けられた情報管理装置としてのサーバから構成されており、受信部210と、記憶部220と、処理部230と、を有している。
【0032】
上記受信部210は、第一のネットワーク300に接続されており、利用者100の携帯端末機器120から第一のネットワーク300を介して送信されてくる救急情報110を受信して、記憶部220に登録すると共に、その表示部の表示画面に表示するようになっている。
【0033】
そして、上記受信部210は、利用者100の携帯端末機器120から第一のネットワーク300を介して送信されてくる救急情報110を受信した後、通話モードに切換えるようになっている。
【0034】
これにより、利用者100の携帯端末機器120と災害救急情報センター200の受信部210の双方が通話モードに切換えることにより、携帯端末機器120と災害救急情報センター200の受信部210との間で、相互通話による会話が行なわれ得るようになっている。
したがって、例えば利用者100の携帯端末機器120で救急通報を行なっている第三者である通報者と災害救急情報センター200の係員との間で、現場の位置情報,状況そして利用者100の容態等を、通常の119番通報の場合と同様にして、直接の会話により連絡することができる。
【0035】
これを受けて、災害救急情報センター200の処理部230は、利用者の携帯端末機器120との間の会話による現場の位置情報に基づいて、第二のネットワーク500を介して最寄りの消防署400に接続して、救急車出動を指示する。
さらに、災害救急情報センター200の処理部230は、記憶部220から救急情報110を読み出して、この救急情報110を当該消防署400を介して、または直接に救急車410に対して送信する。
【0036】
また、災害救急情報センター200の処理部230は、利用者100に関する救急情報110に基づいて、この救急情報110に含まれる利用者100のかかり付けの病院600に対して、例えば第一のネットワーク300または一般公衆回線等を利用して、利用者100の救急情報110を転送する。
これにより、病院600は、当該利用者100に関する応急処置における注意事項等や必要に応じて当該利用者100のカルテ情報を含む対応情報610を災害救急情報センター200の処理部230に対して送信する。
これを受けて、災害救急情報センター200の処理部230は、病院600からの当該利用者100に関する対応情報610を、第二のネットワーク500を介して、そして当該消防署400を介して、または直接に救急車410に対して送信する。
【0037】
さらに、災害救急情報センター200の処理部230は、当該病院600が救急車410による搬送範囲内に在る場合には、第二のネットワーク500を介して救急車410に対して、搬送先を当該病院600に指示する。
これに対して、災害救急情報センター200の処理部230は、当該病院600が救急車410による搬送範囲内にない場合には、搬送範囲内の他の病院700を搬送先に指示すると共に、当該病院600に対して、当該利用者100のカルテ情報620を他の病院700に送信するように指示する。
【0038】
このようにして、出動中の救急車410は、現場に到着する前に、利用者100に関する救急情報110および対応情報610を入手し、予備知識を得ることができるようになっている。
【0039】
次に、本実施形態の救急通報システムによる救急通報方法について、図2〜図3を参照して説明する。
救急通報システムは、図2に示す第三者による救急通報から救急車出動までの作業、そして図3に示す病院への搬送作業の各ステップで利用される。
【0040】
図2において、符号A1で示すように、利用者100が例えば病気や災害,事故等により意識をなくした場合、あるいは意識があっても自分で動けない等の緊急の事態が発生したとき、符号A2で示すように、通りかかった第三者等が、利用者100の状況を確認すると共に、利用者100が携帯端末機器120を所持していることを確認する。
そして、符号A3で示すように、上述した第三者等(以下、通報者130という)が、携帯端末機器120を使用して、特定キーの押下または特殊番号の入力操作によって、第一のネットワーク300を介して災害救急情報センター200に接続する。
【0041】
これにより、携帯端末機器120は、符号A4で示すように、前もって登録されている利用者100に関する救急情報110を、第一のネットワーク300を介して災害救急情報センター200に対して自動的に送信する。
これを受けて、災害救急情報センター200の受信部210は、符号A5で示すように、利用者100の携帯端末機器120からの救急情報110を受信して、記憶部220に登録すると共に、表示部に表示する。したがって、災害救急情報センター200の係員は、当該利用者100に関する救急情報110、即ち利用者100の氏名,住所,血液型やかかり付けの病院名等を入手することができる。
【0042】
このようにして救急情報110の送信が行なわれた後、符号A6で示すように、携帯端末機器120および災害救急情報センター200の受信部210は通話モードに切換える。これにより、通報者130と災害救急情報センター200の係員との間の相互通話が可能となり、符号A7で示すように、通報者130が災害救急情報センター200の係員に対して、通常の119番通報と同様にして、現場の位置情報,状況そして利用者100本人の容態等を連絡する。そして、災害救急情報センター200の係員は、この会話により得た現場の位置情報および利用者100本人の容態等を処理部230に入力する。
このようにして、通報者130による救急通報が行なわれることになる。
【0043】
その後、災害救急情報センター200の処理部230は、符号A8で示すように、通報者130との会話により得た現場の位置情報に基づいて、第二のネットワーク500を介して、最寄りの消防署400に接続して、救急車出動を指示すると共に、符号A9で示すように、記憶部220から当該利用者100に関する救急情報110を読み出して、当該消防署400を介して、または直接に救急車410に対して送信する。
このようにして、出動中の救急車410では、現場に到着する前に、利用者100に関する救急情報110を予備知識として得ることができるので、救急車410の救急隊員は、現場に到着後ただちに利用者100に対して、迅速で適切な処置を行なうことができる。
このようにして、救急車410の出動作業が完了する。
【0044】
次に、図3にて救急車による病院への搬送作業について説明する。
図3にて、救急隊員による応急処置が行なわれた後、救急車410は、符号B1で示すように、利用者100を病院に搬送する。
その際、災害救急情報センター200の処理部230は、符号B2で示すように、利用者100に関する救急情報110に含まれるかかりつけの病院600が救急車410による搬送範囲内に在るか否かを判断して、搬送範囲内に在る場合には、符号B3で示すように、第二のネットワーク500を介して、救急車410に対して当該病院600を搬送先に指示する。
これにより、救急車410は、符号B4で示すように、当該利用者100をかかりつけの病院600に搬送する。したがって、当該利用者100は、かかりつけの病院600にて、当該利用者100について十分に知識のある主治医によって、適切な処置を受けることが可能である。
【0045】
これに対して、利用者100に関する救急情報110に含まれるかかりつけの病院600が救急車410による搬送範囲内にない場合には、災害救急情報センター200の処理部230は、符号B5で示すように、適宜の病院700を搬送先に指示すると共に、符号B6で示すように、当該病院600に対してカルテ情報620を搬送先の病院700に送信するように指示する。
これを受けて、当該病院600は、符号B7で示すように、上記カルテ情報620を搬送先の病院700に送信する。
これにより、救急車410は、符号B8で示すように、当該利用者100をかかりつけの病院600ではない他の病院700に搬送する。
この場合、利用者100は、この病院700にて、前もってかかりつけの病院600から送信されたカルテ情報620に基づいて、担当によって、適切な処置を受けることが可能である。
【0046】
このようにして、本発明によれば、利用者100が意識をなくした場合等において、第三者である通報者130が、当該利用者100の携帯端末機器120を使用して、特定キーの押下または特殊番号の入力操作によって、当該利用者100に関する救急情報110を災害救急情報センター200に対して送信することができる。
これにより、災害救急情報センター200は、通報者130により携帯端末機器120から送られてくる救急情報110に基づいて、当該利用者100に対して適切な応急処置を行なうことができると共に、当該利用者100のかかりつけの病院600が搬送範囲内にある場合には、当該病院600を搬送先として指示し、あるいは他の病院700に搬送する場合には、かかりつけの病院600から当該利用者100に関するカルテ情報620を他の病院700に送信しておくことにより、当該利用者100に対して適切な処置を迅速に行なうことが可能になる。
【0047】
上述した実施形態においては、現場の位置情報は、通報者130が会話によって災害救急情報センター200の係員に対して連絡するようになっているが、携帯端末機器120が位置情報を検出することができる場合には、救急情報110を第一のネットワーク300を介して災害救急情報センター200に送信する際に、同時に位置情報を送信するようにしてもよい。この場合、災害救急情報センター200は、より早く現場の位置を確認することができる。
また、災害救急情報センター200の処理部230は、救急車410による利用者100の病院600,700への搬送の際に、当該利用者100に関する救急情報110に含まれる家族の連絡先に基づいて、家族に連絡するようにしてもよい。
さらに、救急車410が利用者100を他の病院700に搬送する場合、災害救急情報センター200の処理部230は、利用者100に関する救急情報110の少なくとも一部、特に家族の連絡先等を送信するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、利用者自身が意識がない等の理由により携帯端末機器を操作できないときでも、第三者が利用者の携帯端末機器を使用して、所定の操作を行なうことにより、災害救急情報センターに対して当該利用者に関する救急情報を送信し、さらに通話モードへの切換えによって、通報者が災害救急情報センターの係員に対して現場の位置情報や状況そして利用者の容態等を連絡することができる。
このとき、第三者による携帯端末機器の所定の操作は、例えば特定キーの押下あるいは例えば「ファンクションキー+119」等の特殊番号等を利用することにより、誰でも容易に分かる方法で行なわれる。これにより、利用者と面識のない第三者であっても、容易に災害救急情報センターへの救急通報を行なうことが可能である。
【0049】
そして、災害救急情報センターは、当該利用者に関する救急情報をいちはやく入手し、その後通報者との相互通話により、救急車出動に必要な現場の位置情報や利用者本人の容態等を得ることができる。
これにより、最寄りの消防署から救急車を現場に迅速に出動させることができると共に、この消防署を介して、あるいは直接に出動中の救急車に上記救急情報を送信することによって、救急車の救急隊員が当該利用者に関する救急情報に基づいて、当該利用者の持病等を予備知識として知ることができる。
したがって、現場に到着した救急車の救急隊員が、当該利用者を適切にそして迅速に処置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の救急通報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の救急通報システムにおける救急通報から救急車出動までの作業を示すフローチャートである。
【図3】図1の救急通報システムにおける救急車による病院への搬送作業を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 救急通報システム
100 利用者
110 救急情報
120 携帯端末機器
200 災害救急情報センター
210 受信部
220 記憶部
230 処理部
300 第一のネットワーク
400 最寄りの消防署
410 救急車
500 第二のネットワーク
600 利用者のかかりつけの病院
700 その他の病院

Claims (10)

  1. 利用者が携帯する携帯端末機器からの当該利用者に関する氏名,生年月日,血液型やかかりつけの病院,持病,家族の連絡先等を含む救急情報を第一のネットワークを介して災害救急情報センターで受信して、当該救急情報に基づいて、当該利用者に関する情報を入手して、第二のネットワークを介して、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、当該利用者に関する救急情報を送信する救急通報システムであって、
    利用者の携帯端末機器が、前もって当該利用者に関する救急情報を読出可能に登録してあり、第三者である通報者の所定の入力操作により、第一のネットワークを介して災害救急情報センターに接続して、上記救急情報を送信した後、通話モードに切換えて、通報者が他の必要な情報を相互会話により送信し、
    災害救急情報センターが、
    第一のネットワークに接続されていて、利用者の携帯端末機器からの救急情報を受信して記憶部に登録すると共に、その後通話モードに切換える受付部と、
    受付部での通話モードにおける利用者の位置情報を含む通話内容に基づいて、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、上記救急情報を記憶部から読み出して当該救急車に対して送信する処理部と、
    を設けたことを特徴とする救急通報システム。
  2. 上記携帯端末機器が、登録されている救急情報のうち、最低限必要な情報のみを表示部に表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の救急通報システム。
  3. 上記携帯端末機器が、登録されている救急情報のうち、最低限必要な情報以外の情報について、暗証番号が一致したときのみ表示部に表示可能であることを特徴とする請求項2に記載の救急通報システム。
  4. 上記災害救急情報センターの処理部が、利用者の携帯端末機器からの救急情報に基づいて、救急情報に含まれる医療機関に対して、当該救急情報を転送することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の救急通報システム。
  5. 上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に対して救急情報を転送した後、通話モードに切換えて、当該利用者に関する注意事項等の対応情報を、相互会話により入手することを特徴とする請求項4に記載の救急通報システム。
  6. 上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に対して救急情報を転送した後、当該利用者に関する注意事項等の対応情報を受信することを特徴とする請求項4または5に記載の救急通報システム。
  7. 上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関から得た対応情報を、出動中の救急車に対して送信することを特徴とする請求項5または6に記載の救急通報システム。
  8. 上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関に利用者を搬送可能であるとき、出動中の救急車に対して上記医療機関への搬送を指示することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の救急通報システム。
  9. 上記災害救急情報センターの処理部が、上記医療機関以外の医療機関に利用者を搬送するとき、当該利用者に関するカルテ情報を搬送先の医療機関に対して転送することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の救急通報システム。
  10. 利用者が携帯する携帯端末機器からの当該利用者に関する救急情報を第一のネットワークを介して災害救急情報センターで受信して、当該救急情報に基づいて、当該利用者に関する情報を入手して、第二のネットワークを介して、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なうと共に、当該利用者に関する救急情報を送信する救急通報方法であって、
    利用者の携帯端末機器から第三者である通報者の所定の入力操作によって第一のネットワークを介して送信されてくる当該利用者に関する救急情報を、災害救急情報センターで受信して、その後通話モードに切換えて、通報者から他の必要な情報を相互会話により受信して、
    通報者との相互会話により得られた利用者の位置情報を含む通話内容に基づいて、利用者の最寄りの消防署に対して救急車の手配を行なって、
    さらに上記救急情報を当該救急車に対して送信する
    ことを特徴とする救急通報方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012212199A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Fujitsu Ltd 救急医療情報の提供方法、装置、及びプログラム
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