JP2005020463A - 機器制御装置及び機器制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リモコンの信号が届かない遠隔地からネットワーク経由で被制御機器の制御を可能とし、かつ、遠隔地にいるユーザに被制御機器の状態を表す映像情報を少ない時間遅延で伝達することができる機器制御装置及び機器制御方法を提供すること。
【解決手段】制御側機器400とネットワークで接続するネットワークインタフェース部101と、被制御機器200からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、ネットワークインタフェース部101に出力する映像エンコード部103とを備え、制御側機器400からネットワークインタフェース部101を通して入力される制御信号に基づき、コマンド送出部102が被制御機器200に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、エンコード切替指示部104が映像エンコード部103のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】制御側機器400とネットワークで接続するネットワークインタフェース部101と、被制御機器200からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、ネットワークインタフェース部101に出力する映像エンコード部103とを備え、制御側機器400からネットワークインタフェース部101を通して入力される制御信号に基づき、コマンド送出部102が被制御機器200に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、エンコード切替指示部104が映像エンコード部103のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機器制御技術に係り、特に遠隔地へネットワーク経由で被制御機器の状態を通知するようにした機器制御装置及び機器制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
宅外などの遠隔地から宅内の機器を確実に制御する方法として、特開2002−159074号公報に記載された「機器制御システム」がある。この従来技術は、宅外から宅内の機器を制御する際に、宅外から機器制御システムに対して機器制御コマンドを発行するように依頼する。機器制御システムは、機器制御依頼を受信したら、あらかじめ記憶してあるコマンドシーケンスに基づき宅内の機器に対して、リモコンコード送信などの機器制御動作を行うとともに、被制御機器の表示パネルの変化や音の変化などの物理現象の変化検知動作を開始する。そして、この物理現象変化を検知したら、宅外のユーザに対して機器制御コマンドが被制御機器に到達したことを通知する。この従来の方法では、機器制御システムが物理現象を解釈しその結果を判断してユーザに被制御機器の状態の変化を通知していた。この方法では、機器制御システムが被制御機器の全ての状態変化のための物理現象の変化を解釈できる必要があり、実現が困難であった。
【0003】
一方、従来のVTRやDVDプレイヤーなどのAV機器のアナログ映像/音声信号を遠隔地から視聴する手段として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、無線や有線のデジタルネットワークを介して転送する方法が一般に知られている。
【0004】
また、従来は、機器の情報をユーザに提示する手段として、アナログ映像信号にOSD(オンスクリーン表示、On Screen Displayの略)信号等を用いてメニューや、動作状態を重畳してその映像信号を画面に表示する方法がある。アナログ映像信号に重畳された機器情報は状態の変化の解釈をユーザが行うことができるので、従来の機器制御システムで起こりうる可能性のある状態変化の取りこぼし、もしくは、判断誤りを回避することができる。
【0005】
ところで、アナログ信号をデジタル信号に変換する場合、例えばMPEG等の圧縮方法等を用いる場合、動画像の圧縮率を高めるためには時間遅延が生じることが知られている。例えば、MPEGによる動画圧縮では、フレーム間の差分情報を符号化する際の処理に時間がかかり、遅延時間を生じる。一方、圧縮率を低くした場合は、データ量が多くなるので、デジタル映像信号のネットワーク転送のために必要となる伝送帯域等のネットワーク資源を多く占有しなければならない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−159074号公報(第1−11頁、図1−図12)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の機器制御システムでは、被制御機器に対してコマンドを発行してから被制御機器の状態変化をユーザが確認できるようになるまでには、時間遅延が生じユーザの操作感が悪いという問題があった。
【0008】
この発明は、このような問題に鑑みたものであり、リモコンの信号が届かない遠隔地からネットワーク経由で被制御機器の制御を可能とし、かつ、遠隔地にいるユーザがリモコン操作したときに該ユーザに被制御機器の状態変化を表す映像情報を少ない時間遅延で伝達でき、ユーザの操作感を改善できる機器制御装置及び機器制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による機器制御装置は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力するエンコード切替指示手段と、前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、エンコード切替指示手段を付加して映像エンコード手段のエンコード方法を切り替え可能としたことにより、被制御機器にコマンドを送信した直後は映像エンコードを遅延時間の少ないエンコード方法に切り替わり、ユーザはリモコン操作に即応した映像状態を取得(体感)することが可能となる。
【0011】
また、本発明による機器制御装置は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、ネットワーク資源の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力し、さらに前記ネットワーク資源情報取得手段で取得したネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する指示を出力するエンコード切替指示手段と、前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、エンコード切替指示手段を付加して映像エンコード手段のエンコード方法を切り替え可能としたことにより、被制御機器にコマンドを送信した直後は映像エンコードを遅延時間の少ないエンコード方法に切り替わり、ユーザはリモコン操作に即応した映像状態を取得(体感)することが可能となる。さらに、ネットワーク資源情報取得手段を付加したことにより、ネットワーク資源の使用状況(空き状況)に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整して、例えばネットワークの伝送量が多く伝送帯域の容量が少ない場合には、遅延時間の少ない方法でかつ(画質は落ちるが)データ量も少なくなるように設定値を調整するようにした。
【0013】
本発明において、前記映像エンコード手段は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高い第1の変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法の二種類が可能であり、前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からの制御に基づき、前記第1の変換方法と第2の変換方法の切替えを行うことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、エンコード切替指示手段は、映像エンコード手段に対して、通常の高解像度でかつデータ量の少ない(例えば通常のMPEG処理がされた)デジタル映像信号を出力するエンコード方法と、データ量が多いがエンコード処理にかかる遅延時間の少ない(例えばMPEG処理におけるBピクチャを減少させIピクチャを主とした)デジタル映像信号を出力するエンコード方法の、どちらかを選択するように指示することができる。従って、エンコード切替指示手段は、制御側機器からの制御信号が被制御機器に転送されたときに、それによる被制御機器の映像状態の変化(被制御機器が例えば再生指示されたときは再生画像の映出、早送り指示されたときは早送り状態の映出)を時間遅延が少なく速やかに取得(体感)することができる。
【0015】
本発明において、前記エンコード切替指示手段は、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法として、前記ネットワーク資源情報取得手段にて取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて動的にその変換方法の設定値を変更することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、エンコード切替指示手段では、エンコード処理にかかる遅延時間の少ないエンコード方法を選択した(例えばMPEG処理におけるBピクチャを減少させIピクチャを主とした)際、ネットワークのリソースの使用状況から、ストリームの転送のデータ量の上限を求め、それによりもっとも解像度が高い変換を実現するための設定値(例えばMPEG処理におけるIピクチャの符号化係数)を動的に変更することができるので、遅延の少ないエンコード方法を選択した場合でも高解像度の映像を遠隔地に転送することができる一方、ネットワーク資源としての伝送帯域が少ない状況では設定値の変更によって解像度の低い(例えばIピクチャの符号化係数を低くして解像度を落とした)映像で遠隔地に転送することができる。
【0017】
本発明において、前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からのコマンド送出完了通知を受け取ったとき、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法に切り替えた後、所定の時間経過後、元の第1の変換方法に切り替えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、遅延時間が少ないエンコード方法に切り替わった後、自動的にもとの高画質で低データ量の変換方法に切り替わるので、ユーザが被制御機器の状態の変化を確認した後は一定時間を経て高画質な映像信号を視聴することができる。
【0019】
本発明において、前記コマンド送出手段は、コマンド送出完了通知を前記ネットワークインタフェース手段に転送することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、コマンド送出手段は、ネットワークインタフェース部からの制御信号に基づきコマンド送出を行うが、そのコマンドを送出し終わったら直ぐにその完了通知をネットワークインタフェース手段に転送することにより、被制御機器に制御信号が送出されたことをネットワークを介して制御側機器に伝え、ユーザにその旨知らせることが可能となる。
【0021】
本発明による機器制御方法は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による機器制御方法は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えるようにし、さらにネットワーク資源情報を取得し、ネットワーク資源の使用状況に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容(例えば符号化係数)を調整することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る機器制御装置を含んだ遠隔機器制御システムの概略図である。図1における機器制御装置が、本発明における遠隔機器制御システムの要部を示している。以下説明では、被制御機器200としては、例えばVTR,DVDプレイヤー等のリモコン制御が可能な映像記録再生機器を使用する。制御側機器400としては、例えばTV受信機等の映像再生表示機器を使用する。
【0024】
本発明に係る機器制御装置100は、被制御機器200からのアナログ信号ケーブルと接続され、被制御機器200が出力するアナログ映像/音声信号をデジタル信号に変換し、イーサネット(R)(以下、Ethernet(R)と記す)などのデジタルネットワーク300に出力する。デジタルネットワーク300には、TV受信機等で構成される制御側機器400が接続している。ここで、デジタルネットワーク300は有線のデジタルネットワーク規格に基づくものを想定しているが、無線LAN規格によるデジタルネットワークに対しても応用することができる。無線LAN規格によるものは、第2,第3の実施の形態で説明する。
【0025】
TV受信機等の制御側機器400はデジタルネットワーク300からの映像信号を受信しTV画面に表示する。一方、制御側機器400より被制御機器200を制御する場合においては、制御側機器400に被制御機器200用のリモコン500を向けてリモコンコードを送信し、その赤外線信号を制御側機器400がデジタルデータに変換してデジタルネットワーク300を経由し機器制御装置100に送信する。機器制御装置100では、デジタルネットワーク300からの機器制御信号を受信し赤外線信号に変換して被制御機器200に送信することにより、機器制御を実現している。なお、機器制御装置100には、機器制御信号を被制御機器200の赤外線受光部に効率よく赤外線伝送するために、機器制御信号を赤外線信号に変換するIRブラスタ(図示せず)を機器200の赤外線受光部の近くに配置しその信号コードを機器制御装置100に接続して使用する構成としてもよい。
【0026】
[第1の実施の形態]
図2は本発明の第1の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態の機器制御装置100は、Ethernet(R)などのデジタルネットワークと接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するためのネットワークインタフェース部101と、このネットワークインタフェース部101によってデジタルネットワーク300から受信した機器制御信号(コマンド信号)をVTRなどの被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し赤外線発光を行うコマンド送出部102と、被制御機器200からのアナログ映像信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、映像エンコードの方法を切り替えるように指示するエンコード切替指示部104とを備えて構成されている。
【0027】
映像エンコード部103で用いられるMPEGによるエンコード処理では、動画の1シーケンスを複数のフレーム(ピクチャ)、即ちBピクチャ、Iピクチャ、及びPピクチャからなるGOP(グループオブピクチャ)に分割して符号化を行う。MPEG処理については周知であるので詳細な説明を省略する。
【0028】
本実施の形態では、アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSを用い、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、Ethernet(R)などのデジタルネットワーク300に対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際、デジタル信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い第1の変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0029】
エンコード切替指示部104では、ネットワークインタフェース部101からコマンド送出要求に基づきコマンド送出部102がコマンド送出を行いそれが完了したとき、完了通知を受けて、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力する。
【0030】
通常の映像信号をデジタルネットワーク300で通信するためには、ネットワークインタフェース部101がデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワーク300がEthernet(R)の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0031】
第1の実施の形態においては、コマンド送出部102が被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104がコマンド送出部102からコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104が映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100に送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が少ない時間遅延でユーザ側の制御側機器400に伝達(映出)されることになる。
【0032】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104は、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理によるエンコード動作を行わせるように指示するので、デジタルネットワーク300での伝送帯域等のネットワーク資源の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0033】
以下、図3を参照して、第1の実施の形態の動作を説明する。
図3は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードがコマンド送出要求としてネットワークインタフェース部101にて受信される。ネットワークインタフェース部101がコマンド送出要求を受信しコマンド送出部102にコマンド送出要求指示を行う(ステップS1−1)。コマンド送出要求は、図1におけるリモコン500の信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワーク300に送られたものでもよい。
【0035】
次に、コマンド送出部102はネットワークインタフェース部101からのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS1−2)。なお、コマンド送出要求信号として、前述したようにデジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0036】
次に、コマンド送出部102はリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104にコマンド切替信号を発行し、それを受信したエンコード切替指示部104は遅延時間が短くなるようなエンコード方法を選択し、映像エンコード部103に設定する(ステップS1−4)。遅延時間を短くするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させる。差分情報が入っているBピクチャを減少し、静止画情報であるIピクチャを主とすることで、データ量は多くなるが差分処理が減って遅延時間が改善される。次に、エンコード切替指示部104は、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS1−5)、規定の5秒間が経過したら(ステップS1−6)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS1−7)、もとの画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS1−7におけるエンコード切替信号を発行する際、映像エンコード部103においてGOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、もとの画質優先のエンコード方式に切り替えるという方法をとり、ユーザにとって画質の変化が徐々に行われるようにしてもよい。
【0037】
第1の実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザはリモコン操作後に被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0038】
次に、無線ネットワークによる第2,第3の実施の形態について説明する。これらの実施の形態では、図1の遠隔機器制御システムにおける制御側機器400及び機器制御装置100に代えて、無線LAN規格に対応した制御側機器及び機器制御装置が用いられる。無線LAN規格としては、IEEE802.11無線LAN規格を用いることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
図4は本発明の第2の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
【0040】
本実施の形態の機器制御装置100Aは、無線LAN規格のデジタルネットワークに接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するための無線送信部と無線受信部を備えた無線ネットワークインタフェース部101Aと、ネットワークから受信した機器制御信号を被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し発光を行うコマンド送出部102と、被制御機器からのアナログ信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、デジタルネットワークへの映像信号を送受信するために必要な伝送帯域等のネットワーク資源の現在の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得部105と、映像エンコード部103のエンコード方法を切り替える指示をすると同時に、ネットワーク資源情報取得部101Aで取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をするエンコード切替指示部104Aと、を備えて構成されている。
【0041】
本実施の形態では、例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Aが基地局(即ちアクセスポイント)である場合には、無線ネットワーク内の送受信は全て機器制御装置100Aの無線ネットワークインタフェース部101Aを通過するので、ネットワーク資源情報取得部105は、ネットワーク資源である伝送帯域の使用状況(空き状況)を取得することができる。
【0042】
図4の構成で、図2と異なる点は、有線のネットワークインタフェース部が無線のネットワークインタフェース部(即ち無線送信部及び無線受信部)となったことと、ネットワーク資源情報取得部105が設けられたことと、エンコード切替指示部104Aにはネットワーク資源情報取得部101Aで得られるネットワーク資源の使用状況情報(例えば伝送帯域の多少)に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をする機能が付加されたこと、である。
【0043】
アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSが用いられ、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、無線LANのデジタルネットワークに対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0044】
エンコード切替指示部104Aは、無線ネットワークインタフェース部101Aからコマンド送出要求に基づきコマンド送出部102がコマンド送出を行いそれを完了したとき、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力することができる。さらに、エンコード切替指示部104Aは、ネットワーク資源情報取得部101Aからのネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示を出力することができる。
【0045】
通常の映像信号を無線LANデジタルネットワークによって通信するためには、無線ネットワークインタフェース部101Aがデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワークが無線LAN規格の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0046】
第2の実施の形態においては、コマンド送出部102が被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104Aがコマンド送出部102からコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104Aが映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100Aに送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が遅延が少ないエンコード方法によって遅延なくユーザ側の制御機器である制御側機器400に伝達(映出)されることになる。
【0047】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104Aは、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理によるエンコード動作を行わせるように指示するので、無線デジタルネットワークでの伝送帯域等のネットワーク資源の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0048】
以下、図5を参照して、第2の実施の形態の動作を説明する。
図5は第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0049】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードが無線LANを介してコマンド送出要求として無線ネットワークインタフェース部101Aにて受信される。無線ネットワークインタフェース部101Aがコマンド送出要求を受信し、コマンド送出部102にコマンド送出要求指示を行う(ステップS2−1)。コマンド送出要求は、図2の場合と同様に、リモコンの信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワークに送られたものでもよい。
【0050】
次に、コマンド送出部102は無線ネットワークインタフェース部101Aからのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS2−2)。なお、コマンド送出要求信号として、デジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0051】
次に、コマンド送出部102はリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104Aにコマンド発行信号を送出し(ステップS2−3)、それを受信したエンコード切替指示部104Aはネットワーク資源情報取得部105にネットワーク資源の使用状況を取得するよう指示を出し、ネットワーク資源情報取得部105はネットワーク資源の使用状況を取得する(ステップS2−4)。
【0052】
例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Aが基地局(アクセスポイント)である場合、PCF(Point Coordination Functionの略)により、ポーリングに基づく集中制御によるアクセス制御が可能であり、本機能を持つMAC層にアクセスすることによりネットワーク資源の使用情報を取得することができる。また、PCFとDCF(Distributed Coordination Functionの略)を統合的に提供するHCF(Hybrid Cordination Functionの略)を持つMAC層でも実現可能である。
【0053】
ネットワーク資源の使用状況をもとに、エンコード切替指示部104Aは遅延時間が最短となるようなエンコード方法を選択し(ステップS2−5)、映像エンコード部103に設定する(ステップS2−6)。遅延時間を最短とするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させ、さらに、I(Intra−coded)ピクチャの符号化係数を変更し、ネットワーク資源の空き容量によってストリーム転送に必要なネットワーク資源の容量を調整する。GOPは、静止画フレームに相当するフレーム内符号化であるIピクチャと、すでに符号化された時間的に前のフレームから予測するフレーム間符号化画像(Pピクチャ)、及び時間的に前後の2フレーム間の差分情報を含みその差分情報から予測するフレーム間予測符号化であるBピクチャから構成されている。従って、通常のMPEGによる動画像処理では、Bピクチャによる差分演算処理を要するために、映像エンコードに遅延時間を生じるので、遅延時間を減少するためには差分情報が入っているBピクチャ(フレーム)を減少させて主にIピクチャ(静止画情報)のみとすることが必要である。Iピクチャを主体として構成すると、差分処理が減る分、遅延時間は減少するが、データ量が少なくて済む差分情報を用いていないので静止画情報のみによるデータ量が多い情報となる。従って、映像エンコード処理において、遅延時間を減少して速やかな応答を行うようにし、しかもデータ量を減少してネットワーク資源の空き容量を増やすには、さらにIピクチャの符号化係数を変更(減少)して低解像度の粗い画像を作成して伝送することが必要となる訳である。
【0054】
次に、エンコード切替指示部104Aは、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS2−7)、規定の5秒間が経過したら(ステップS2−8)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS2−9)、画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS2−9におけるエンコード切り替え信号を発行する際、GOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、画質優先のエンコード方式に切り替えるという方式をとり、ユーザにとって画質の変化を徐々に行われるようにしてもよい。
【0055】
第2の実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザは被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、ネットワーク資源の使用状況に応じて、時間遅延の少ないエンコード方式の設定値(例えば、Iピクチャの符号化係数)を変更(調整)することにより、ネットワーク資源の空き容量を増やすことが可能となる。さらに、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
図6は本発明の第3の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
【0057】
本実施の形態の機器制御装置100Bは、無線LAN規格のデジタルネットワークに接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するための無線送信部と無線受信部を備えた無線ネットワークインタフェース部101Aと、ネットワークから受信した機器制御信号を被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し発光を行い、かつ、発光を行って被制御機器200に対してコマンド送出を行ったことを機器制御信号を発行した制御側機器(例えばTV受信機)に対して通知する信号(コマンド送出完了通知)を無線ネットワークインタフェース部101Aに転送するコマンド送出部102Aと、被制御機器からのアナログ信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、デジタルネットワークへの映像信号を送受信するために必要な伝送帯域等のネットワーク資源の現在の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得部105と、映像エンコード部103のエンコード方法を切り替える指示をすると同時に、ネットワーク資源情報取得部101Aで取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をするエンコード切替指示部104Aと、を備えて構成されている。
【0058】
本実施の形態では、例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Bが基地局(即ち、アクセスポイント)である場合には、無線ネットワーク内の送受信は全て機器制御装置100Bの無線ネットワークインタフェース部101Aを通過するので、ネットワーク資源情報取得部105は、ネットワーク資源である伝送帯域の使用状況(空き状況)を取得することができる。
【0059】
図6の構成で、図4と異なる点は、コマンド送出部102Aには、コマンド送出完了通知を無線ネットワークインタフェース部101Aに転送する機能が付加されたことである。これにより、コマンド送出部102Aがコマンドを送出し終えたら直ぐにコマンド送出完了をユーザに知らせることが可能となる。
【0060】
アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSが用いられ、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、無線LANのデジタルネットワークに対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0061】
エンコード切替指示部104Aは、コマンド送出部102Aが無線ネットワークインタフェース部101Aからコマンド送出要求を受け取ったとき、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力することができる。さらに、エンコード切替指示部104Aは、ネットワーク資源情報取得部101Aからのネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示を出力することができる。
【0062】
通常の映像信号を無線LANデジタルネットワークによって通信するためには、無線ネットワークインタフェース部101Aがデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワークが無線LAN規格の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0063】
第3の実施の形態においては、コマンド送出部102Aが被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104Aがコマンド送出部102Aからコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104Aが映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100Bに送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が遅延が少ないエンコード方法によって遅延なくユーザ側の制御機器である制御側機器400に伝達されることになる。
【0064】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104Aは、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理(高解像度でデータ量が少ない)によるエンコード動作を行わせるように指示するので、これによって無線デジタルネットワークでのネットワーク資源(伝送帯域等)の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0065】
以下、図7を参照して、第3の実施の形態の動作を説明する。
図7は第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードが無線LANを介してコマンド送出要求として無線ネットワークインタフェース部101Aにて受信される。無線ネットワークインタフェース部101Aがコマンド送出要求を受信しコマンド送出部102Aにコマンド送出要求指示を行う(ステップS3−1)。コマンド送出要求は、図1におけるリモコンの信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワークに送られたものでもよい。
【0067】
次に、コマンド送出部102Aは無線ネットワークインタフェース部101Aからのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS3−2)。なお、コマンド送出要求信号として、デジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0068】
次に、コマンド送出部102Aは、被制御機器200に対してコマンドを発光したことをコマンド送出要求を発光した制御側機器(TV受信機など)に対してコマンド送出要求に対するコマンド発行を行ったことを速やかに通知するため、無線ネットワークインタフェース部101Aに対して、コマンド発行完了通知を出力するように指示を出す(ステップS3−3)。
【0069】
次に、コマンド送出部102Aはリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104Aにコマンド発行信号を送出し、それを受信したエンコード切替指示部104Aはネットワーク資源情報取得部105にネットワーク資源の使用状況を取得するよう指示を出し(ステップS3−4)、ネットワーク資源情報取得部105はネットワーク資源の使用状況を取得する(ステップS3−5)。
【0070】
例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置が基地局(アクセスポイント)である場合、PCF(Point Coordination Functionの略)により、ポーリングに基づく集中制御によるアクセス制御が可能であり、本機能を持つMAC層にアクセスすることによりネットワーク資源の使用情報を取得することができる。また、PCFとDCF(Distributed Coordination Functionの略)を統合的に提供するHCF(Hybrid Cordination Functionの略)を持つMAC層でも実現可能である。
【0071】
ネットワーク資源の使用状況をもとに、エンコード切替指示部104Aは遅延時間が最短となるようなエンコード方法を選択し(ステップS3−6)、映像エンコード部103に設定する(ステップS3−7)。遅延時間を最短とするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させ、さらに、I(Intra−coded)ピクチャの符号化係数を変更し、ネットワーク資源の空き容量によってストリーム転送に必要なネットワーク資源の容量を調整する。
【0072】
次に、エンコード切替指示部104Aは、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS3−8)、規定の5秒間が経過したら(ステップS3−9)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS3−10)、画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS3−10におけるエンコード切替信号を発行する際、GOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、画質優先のエンコード方式に切り替えるという方式をとり、ユーザにとって画質の変化を徐々に行われるようにしてもよい。
【0073】
第3の実施の形態により、被制御機器に対してコマンド発行完了通知をコマンド発行要求元機器(TV受信機など)に発行することができるので、ユーザは制御のために発行したコマンドが被制御機器に対して発行されたことを即時に確認することができる。また、本実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザは被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、ネットワーク資源の使用状況に応じて、時間遅延の少ないエンコード方式の設定値(例えば、Iピクチャの符号化係数)を変更(調整)することにより、ネットワーク資源の空き容量を増やすことが可能となる。さらに、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の機器制御装置によれば、リモコンの信号が届かない遠隔地からネットワーク経由で機器の制御を可能とし、かつ、遠隔地にいるユーザに機器の状態を表す映像情報を遅延を少なく伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機器制御装置を含んだ遠隔機器制御システムの概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の機器制御装置のブロック図
【図3】第1の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態の機器制御装置のブロック図。
【図5】第2の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施の形態の機器制御装置のブロック図
【図7】第3の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
100,100A,100B…機器制御装置、101,101A…ネットワークインタフェース部、102,102A…コマンド送出部、103…映像エンコード部、104,104A…エンコード切替指示部、105…ネットワーク資源情報取得部、200…被制御機器、300…ネットワーク、400…制御側機器、500…リモコン。
【発明の属する技術分野】
この発明は、機器制御技術に係り、特に遠隔地へネットワーク経由で被制御機器の状態を通知するようにした機器制御装置及び機器制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
宅外などの遠隔地から宅内の機器を確実に制御する方法として、特開2002−159074号公報に記載された「機器制御システム」がある。この従来技術は、宅外から宅内の機器を制御する際に、宅外から機器制御システムに対して機器制御コマンドを発行するように依頼する。機器制御システムは、機器制御依頼を受信したら、あらかじめ記憶してあるコマンドシーケンスに基づき宅内の機器に対して、リモコンコード送信などの機器制御動作を行うとともに、被制御機器の表示パネルの変化や音の変化などの物理現象の変化検知動作を開始する。そして、この物理現象変化を検知したら、宅外のユーザに対して機器制御コマンドが被制御機器に到達したことを通知する。この従来の方法では、機器制御システムが物理現象を解釈しその結果を判断してユーザに被制御機器の状態の変化を通知していた。この方法では、機器制御システムが被制御機器の全ての状態変化のための物理現象の変化を解釈できる必要があり、実現が困難であった。
【0003】
一方、従来のVTRやDVDプレイヤーなどのAV機器のアナログ映像/音声信号を遠隔地から視聴する手段として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、無線や有線のデジタルネットワークを介して転送する方法が一般に知られている。
【0004】
また、従来は、機器の情報をユーザに提示する手段として、アナログ映像信号にOSD(オンスクリーン表示、On Screen Displayの略)信号等を用いてメニューや、動作状態を重畳してその映像信号を画面に表示する方法がある。アナログ映像信号に重畳された機器情報は状態の変化の解釈をユーザが行うことができるので、従来の機器制御システムで起こりうる可能性のある状態変化の取りこぼし、もしくは、判断誤りを回避することができる。
【0005】
ところで、アナログ信号をデジタル信号に変換する場合、例えばMPEG等の圧縮方法等を用いる場合、動画像の圧縮率を高めるためには時間遅延が生じることが知られている。例えば、MPEGによる動画圧縮では、フレーム間の差分情報を符号化する際の処理に時間がかかり、遅延時間を生じる。一方、圧縮率を低くした場合は、データ量が多くなるので、デジタル映像信号のネットワーク転送のために必要となる伝送帯域等のネットワーク資源を多く占有しなければならない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−159074号公報(第1−11頁、図1−図12)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の機器制御システムでは、被制御機器に対してコマンドを発行してから被制御機器の状態変化をユーザが確認できるようになるまでには、時間遅延が生じユーザの操作感が悪いという問題があった。
【0008】
この発明は、このような問題に鑑みたものであり、リモコンの信号が届かない遠隔地からネットワーク経由で被制御機器の制御を可能とし、かつ、遠隔地にいるユーザがリモコン操作したときに該ユーザに被制御機器の状態変化を表す映像情報を少ない時間遅延で伝達でき、ユーザの操作感を改善できる機器制御装置及び機器制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による機器制御装置は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力するエンコード切替指示手段と、前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、エンコード切替指示手段を付加して映像エンコード手段のエンコード方法を切り替え可能としたことにより、被制御機器にコマンドを送信した直後は映像エンコードを遅延時間の少ないエンコード方法に切り替わり、ユーザはリモコン操作に即応した映像状態を取得(体感)することが可能となる。
【0011】
また、本発明による機器制御装置は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、ネットワーク資源の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得手段と、前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力し、さらに前記ネットワーク資源情報取得手段で取得したネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する指示を出力するエンコード切替指示手段と、前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、エンコード切替指示手段を付加して映像エンコード手段のエンコード方法を切り替え可能としたことにより、被制御機器にコマンドを送信した直後は映像エンコードを遅延時間の少ないエンコード方法に切り替わり、ユーザはリモコン操作に即応した映像状態を取得(体感)することが可能となる。さらに、ネットワーク資源情報取得手段を付加したことにより、ネットワーク資源の使用状況(空き状況)に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整して、例えばネットワークの伝送量が多く伝送帯域の容量が少ない場合には、遅延時間の少ない方法でかつ(画質は落ちるが)データ量も少なくなるように設定値を調整するようにした。
【0013】
本発明において、前記映像エンコード手段は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高い第1の変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法の二種類が可能であり、前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からの制御に基づき、前記第1の変換方法と第2の変換方法の切替えを行うことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、エンコード切替指示手段は、映像エンコード手段に対して、通常の高解像度でかつデータ量の少ない(例えば通常のMPEG処理がされた)デジタル映像信号を出力するエンコード方法と、データ量が多いがエンコード処理にかかる遅延時間の少ない(例えばMPEG処理におけるBピクチャを減少させIピクチャを主とした)デジタル映像信号を出力するエンコード方法の、どちらかを選択するように指示することができる。従って、エンコード切替指示手段は、制御側機器からの制御信号が被制御機器に転送されたときに、それによる被制御機器の映像状態の変化(被制御機器が例えば再生指示されたときは再生画像の映出、早送り指示されたときは早送り状態の映出)を時間遅延が少なく速やかに取得(体感)することができる。
【0015】
本発明において、前記エンコード切替指示手段は、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法として、前記ネットワーク資源情報取得手段にて取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて動的にその変換方法の設定値を変更することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、エンコード切替指示手段では、エンコード処理にかかる遅延時間の少ないエンコード方法を選択した(例えばMPEG処理におけるBピクチャを減少させIピクチャを主とした)際、ネットワークのリソースの使用状況から、ストリームの転送のデータ量の上限を求め、それによりもっとも解像度が高い変換を実現するための設定値(例えばMPEG処理におけるIピクチャの符号化係数)を動的に変更することができるので、遅延の少ないエンコード方法を選択した場合でも高解像度の映像を遠隔地に転送することができる一方、ネットワーク資源としての伝送帯域が少ない状況では設定値の変更によって解像度の低い(例えばIピクチャの符号化係数を低くして解像度を落とした)映像で遠隔地に転送することができる。
【0017】
本発明において、前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からのコマンド送出完了通知を受け取ったとき、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法に切り替えた後、所定の時間経過後、元の第1の変換方法に切り替えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、遅延時間が少ないエンコード方法に切り替わった後、自動的にもとの高画質で低データ量の変換方法に切り替わるので、ユーザが被制御機器の状態の変化を確認した後は一定時間を経て高画質な映像信号を視聴することができる。
【0019】
本発明において、前記コマンド送出手段は、コマンド送出完了通知を前記ネットワークインタフェース手段に転送することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、コマンド送出手段は、ネットワークインタフェース部からの制御信号に基づきコマンド送出を行うが、そのコマンドを送出し終わったら直ぐにその完了通知をネットワークインタフェース手段に転送することにより、被制御機器に制御信号が送出されたことをネットワークを介して制御側機器に伝え、ユーザにその旨知らせることが可能となる。
【0021】
本発明による機器制御方法は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による機器制御方法は、制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えるようにし、さらにネットワーク資源情報を取得し、ネットワーク資源の使用状況に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容(例えば符号化係数)を調整することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る機器制御装置を含んだ遠隔機器制御システムの概略図である。図1における機器制御装置が、本発明における遠隔機器制御システムの要部を示している。以下説明では、被制御機器200としては、例えばVTR,DVDプレイヤー等のリモコン制御が可能な映像記録再生機器を使用する。制御側機器400としては、例えばTV受信機等の映像再生表示機器を使用する。
【0024】
本発明に係る機器制御装置100は、被制御機器200からのアナログ信号ケーブルと接続され、被制御機器200が出力するアナログ映像/音声信号をデジタル信号に変換し、イーサネット(R)(以下、Ethernet(R)と記す)などのデジタルネットワーク300に出力する。デジタルネットワーク300には、TV受信機等で構成される制御側機器400が接続している。ここで、デジタルネットワーク300は有線のデジタルネットワーク規格に基づくものを想定しているが、無線LAN規格によるデジタルネットワークに対しても応用することができる。無線LAN規格によるものは、第2,第3の実施の形態で説明する。
【0025】
TV受信機等の制御側機器400はデジタルネットワーク300からの映像信号を受信しTV画面に表示する。一方、制御側機器400より被制御機器200を制御する場合においては、制御側機器400に被制御機器200用のリモコン500を向けてリモコンコードを送信し、その赤外線信号を制御側機器400がデジタルデータに変換してデジタルネットワーク300を経由し機器制御装置100に送信する。機器制御装置100では、デジタルネットワーク300からの機器制御信号を受信し赤外線信号に変換して被制御機器200に送信することにより、機器制御を実現している。なお、機器制御装置100には、機器制御信号を被制御機器200の赤外線受光部に効率よく赤外線伝送するために、機器制御信号を赤外線信号に変換するIRブラスタ(図示せず)を機器200の赤外線受光部の近くに配置しその信号コードを機器制御装置100に接続して使用する構成としてもよい。
【0026】
[第1の実施の形態]
図2は本発明の第1の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態の機器制御装置100は、Ethernet(R)などのデジタルネットワークと接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するためのネットワークインタフェース部101と、このネットワークインタフェース部101によってデジタルネットワーク300から受信した機器制御信号(コマンド信号)をVTRなどの被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し赤外線発光を行うコマンド送出部102と、被制御機器200からのアナログ映像信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、映像エンコードの方法を切り替えるように指示するエンコード切替指示部104とを備えて構成されている。
【0027】
映像エンコード部103で用いられるMPEGによるエンコード処理では、動画の1シーケンスを複数のフレーム(ピクチャ)、即ちBピクチャ、Iピクチャ、及びPピクチャからなるGOP(グループオブピクチャ)に分割して符号化を行う。MPEG処理については周知であるので詳細な説明を省略する。
【0028】
本実施の形態では、アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSを用い、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、Ethernet(R)などのデジタルネットワーク300に対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際、デジタル信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い第1の変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0029】
エンコード切替指示部104では、ネットワークインタフェース部101からコマンド送出要求に基づきコマンド送出部102がコマンド送出を行いそれが完了したとき、完了通知を受けて、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力する。
【0030】
通常の映像信号をデジタルネットワーク300で通信するためには、ネットワークインタフェース部101がデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワーク300がEthernet(R)の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0031】
第1の実施の形態においては、コマンド送出部102が被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104がコマンド送出部102からコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104が映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100に送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が少ない時間遅延でユーザ側の制御側機器400に伝達(映出)されることになる。
【0032】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104は、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理によるエンコード動作を行わせるように指示するので、デジタルネットワーク300での伝送帯域等のネットワーク資源の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0033】
以下、図3を参照して、第1の実施の形態の動作を説明する。
図3は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードがコマンド送出要求としてネットワークインタフェース部101にて受信される。ネットワークインタフェース部101がコマンド送出要求を受信しコマンド送出部102にコマンド送出要求指示を行う(ステップS1−1)。コマンド送出要求は、図1におけるリモコン500の信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワーク300に送られたものでもよい。
【0035】
次に、コマンド送出部102はネットワークインタフェース部101からのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS1−2)。なお、コマンド送出要求信号として、前述したようにデジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0036】
次に、コマンド送出部102はリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104にコマンド切替信号を発行し、それを受信したエンコード切替指示部104は遅延時間が短くなるようなエンコード方法を選択し、映像エンコード部103に設定する(ステップS1−4)。遅延時間を短くするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させる。差分情報が入っているBピクチャを減少し、静止画情報であるIピクチャを主とすることで、データ量は多くなるが差分処理が減って遅延時間が改善される。次に、エンコード切替指示部104は、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS1−5)、規定の5秒間が経過したら(ステップS1−6)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS1−7)、もとの画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS1−7におけるエンコード切替信号を発行する際、映像エンコード部103においてGOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、もとの画質優先のエンコード方式に切り替えるという方法をとり、ユーザにとって画質の変化が徐々に行われるようにしてもよい。
【0037】
第1の実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザはリモコン操作後に被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0038】
次に、無線ネットワークによる第2,第3の実施の形態について説明する。これらの実施の形態では、図1の遠隔機器制御システムにおける制御側機器400及び機器制御装置100に代えて、無線LAN規格に対応した制御側機器及び機器制御装置が用いられる。無線LAN規格としては、IEEE802.11無線LAN規格を用いることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
図4は本発明の第2の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
【0040】
本実施の形態の機器制御装置100Aは、無線LAN規格のデジタルネットワークに接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するための無線送信部と無線受信部を備えた無線ネットワークインタフェース部101Aと、ネットワークから受信した機器制御信号を被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し発光を行うコマンド送出部102と、被制御機器からのアナログ信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、デジタルネットワークへの映像信号を送受信するために必要な伝送帯域等のネットワーク資源の現在の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得部105と、映像エンコード部103のエンコード方法を切り替える指示をすると同時に、ネットワーク資源情報取得部101Aで取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をするエンコード切替指示部104Aと、を備えて構成されている。
【0041】
本実施の形態では、例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Aが基地局(即ちアクセスポイント)である場合には、無線ネットワーク内の送受信は全て機器制御装置100Aの無線ネットワークインタフェース部101Aを通過するので、ネットワーク資源情報取得部105は、ネットワーク資源である伝送帯域の使用状況(空き状況)を取得することができる。
【0042】
図4の構成で、図2と異なる点は、有線のネットワークインタフェース部が無線のネットワークインタフェース部(即ち無線送信部及び無線受信部)となったことと、ネットワーク資源情報取得部105が設けられたことと、エンコード切替指示部104Aにはネットワーク資源情報取得部101Aで得られるネットワーク資源の使用状況情報(例えば伝送帯域の多少)に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をする機能が付加されたこと、である。
【0043】
アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSが用いられ、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、無線LANのデジタルネットワークに対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0044】
エンコード切替指示部104Aは、無線ネットワークインタフェース部101Aからコマンド送出要求に基づきコマンド送出部102がコマンド送出を行いそれを完了したとき、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力することができる。さらに、エンコード切替指示部104Aは、ネットワーク資源情報取得部101Aからのネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示を出力することができる。
【0045】
通常の映像信号を無線LANデジタルネットワークによって通信するためには、無線ネットワークインタフェース部101Aがデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワークが無線LAN規格の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0046】
第2の実施の形態においては、コマンド送出部102が被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104Aがコマンド送出部102からコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104Aが映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100Aに送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が遅延が少ないエンコード方法によって遅延なくユーザ側の制御機器である制御側機器400に伝達(映出)されることになる。
【0047】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104Aは、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理によるエンコード動作を行わせるように指示するので、無線デジタルネットワークでの伝送帯域等のネットワーク資源の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0048】
以下、図5を参照して、第2の実施の形態の動作を説明する。
図5は第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0049】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードが無線LANを介してコマンド送出要求として無線ネットワークインタフェース部101Aにて受信される。無線ネットワークインタフェース部101Aがコマンド送出要求を受信し、コマンド送出部102にコマンド送出要求指示を行う(ステップS2−1)。コマンド送出要求は、図2の場合と同様に、リモコンの信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワークに送られたものでもよい。
【0050】
次に、コマンド送出部102は無線ネットワークインタフェース部101Aからのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS2−2)。なお、コマンド送出要求信号として、デジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0051】
次に、コマンド送出部102はリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104Aにコマンド発行信号を送出し(ステップS2−3)、それを受信したエンコード切替指示部104Aはネットワーク資源情報取得部105にネットワーク資源の使用状況を取得するよう指示を出し、ネットワーク資源情報取得部105はネットワーク資源の使用状況を取得する(ステップS2−4)。
【0052】
例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Aが基地局(アクセスポイント)である場合、PCF(Point Coordination Functionの略)により、ポーリングに基づく集中制御によるアクセス制御が可能であり、本機能を持つMAC層にアクセスすることによりネットワーク資源の使用情報を取得することができる。また、PCFとDCF(Distributed Coordination Functionの略)を統合的に提供するHCF(Hybrid Cordination Functionの略)を持つMAC層でも実現可能である。
【0053】
ネットワーク資源の使用状況をもとに、エンコード切替指示部104Aは遅延時間が最短となるようなエンコード方法を選択し(ステップS2−5)、映像エンコード部103に設定する(ステップS2−6)。遅延時間を最短とするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させ、さらに、I(Intra−coded)ピクチャの符号化係数を変更し、ネットワーク資源の空き容量によってストリーム転送に必要なネットワーク資源の容量を調整する。GOPは、静止画フレームに相当するフレーム内符号化であるIピクチャと、すでに符号化された時間的に前のフレームから予測するフレーム間符号化画像(Pピクチャ)、及び時間的に前後の2フレーム間の差分情報を含みその差分情報から予測するフレーム間予測符号化であるBピクチャから構成されている。従って、通常のMPEGによる動画像処理では、Bピクチャによる差分演算処理を要するために、映像エンコードに遅延時間を生じるので、遅延時間を減少するためには差分情報が入っているBピクチャ(フレーム)を減少させて主にIピクチャ(静止画情報)のみとすることが必要である。Iピクチャを主体として構成すると、差分処理が減る分、遅延時間は減少するが、データ量が少なくて済む差分情報を用いていないので静止画情報のみによるデータ量が多い情報となる。従って、映像エンコード処理において、遅延時間を減少して速やかな応答を行うようにし、しかもデータ量を減少してネットワーク資源の空き容量を増やすには、さらにIピクチャの符号化係数を変更(減少)して低解像度の粗い画像を作成して伝送することが必要となる訳である。
【0054】
次に、エンコード切替指示部104Aは、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS2−7)、規定の5秒間が経過したら(ステップS2−8)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS2−9)、画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS2−9におけるエンコード切り替え信号を発行する際、GOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、画質優先のエンコード方式に切り替えるという方式をとり、ユーザにとって画質の変化を徐々に行われるようにしてもよい。
【0055】
第2の実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザは被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、ネットワーク資源の使用状況に応じて、時間遅延の少ないエンコード方式の設定値(例えば、Iピクチャの符号化係数)を変更(調整)することにより、ネットワーク資源の空き容量を増やすことが可能となる。さらに、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
図6は本発明の第3の実施の形態の機器制御装置のブロック図である。
【0057】
本実施の形態の機器制御装置100Bは、無線LAN規格のデジタルネットワークに接続し、デジタル映像信号や機器制御信号を送受信するための無線送信部と無線受信部を備えた無線ネットワークインタフェース部101Aと、ネットワークから受信した機器制御信号を被制御機器200に伝達するため赤外線信号に変換し発光を行い、かつ、発光を行って被制御機器200に対してコマンド送出を行ったことを機器制御信号を発行した制御側機器(例えばTV受信機)に対して通知する信号(コマンド送出完了通知)を無線ネットワークインタフェース部101Aに転送するコマンド送出部102Aと、被制御機器からのアナログ信号を入力とし、MPEGなどのデジタル信号に変換する映像エンコード部103と、デジタルネットワークへの映像信号を送受信するために必要な伝送帯域等のネットワーク資源の現在の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得部105と、映像エンコード部103のエンコード方法を切り替える指示をすると同時に、ネットワーク資源情報取得部101Aで取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示をするエンコード切替指示部104Aと、を備えて構成されている。
【0058】
本実施の形態では、例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置100Bが基地局(即ち、アクセスポイント)である場合には、無線ネットワーク内の送受信は全て機器制御装置100Bの無線ネットワークインタフェース部101Aを通過するので、ネットワーク資源情報取得部105は、ネットワーク資源である伝送帯域の使用状況(空き状況)を取得することができる。
【0059】
図6の構成で、図4と異なる点は、コマンド送出部102Aには、コマンド送出完了通知を無線ネットワークインタフェース部101Aに転送する機能が付加されたことである。これにより、コマンド送出部102Aがコマンドを送出し終えたら直ぐにコマンド送出完了をユーザに知らせることが可能となる。
【0060】
アナログデータをデジタルデータに変換する方式としてMPEG2−TSが用いられ、このエンコード処理は映像エンコード部103によって実現される。映像エンコード部103の出力であるMPEG2−TS出力はネットワークインタフェース部101に入力され、ネットワークインタフェース部101から、無線LANのデジタルネットワークに対して出力される。映像エンコード部103は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高いが遅延時間の多い変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない変換方法の2種類のエンコード方法が可能である。
【0061】
エンコード切替指示部104Aは、コマンド送出部102Aが無線ネットワークインタフェース部101Aからコマンド送出要求を受け取ったとき、上記の2種類のエンコード方法のうちの遅延時間の少ない変換方法に切り替える指示を映像エンコード部103に出力することができる。さらに、エンコード切替指示部104Aは、ネットワーク資源情報取得部101Aからのネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する切替指示を出力することができる。
【0062】
通常の映像信号を無線LANデジタルネットワークによって通信するためには、無線ネットワークインタフェース部101Aがデジタル映像データ転送に必要なネットワークリソースの取得および通信経路の確保を行う。例えば、デジタルネットワークが無線LAN規格の場合、RTP(リアルタイム転送プロトコル、Realtime Transport Protocolの略)によって映像データの転送が行われる。
【0063】
第3の実施の形態においては、コマンド送出部102Aが被制御機器200にリモコン500からのコマンドを送信し、エンコード切替指示部104Aがコマンド送出部102Aからコマンド完了通知を受信したときに、エンコード切替指示部104Aが映像デコード部103にエンコード方法を切り替える指示を出すことによって、データ量が少なくかつ高解像度であるが遅延時間の多い通常のエンコード方法から遅延時間の少ないエンコード方法に切り替える。これによって、ユーザが、リモコン信号が届かない遠隔地からリモコン500を操作したときに、そのコマンドがネットワーク経由で、機器制御装置100Bに送られ、それによって変化した被制御機器200の状態(映像情報の変化)が遅延が少ないエンコード方法によって遅延なくユーザ側の制御機器である制御側機器400に伝達されることになる。
【0064】
そして、エンコード方法を切り替えた後、一定時間が経過すると、エンコード切替指示部104Aは、エンコード切替指示信号を発行することによって、映像エンコード部103に対して、通常の低データ量かつ高解像度のMPEG処理(高解像度でデータ量が少ない)によるエンコード動作を行わせるように指示するので、これによって無線デジタルネットワークでのネットワーク資源(伝送帯域等)の使用率が少なくかつ鮮明な高画質映像を生成させることができる。
【0065】
以下、図7を参照して、第3の実施の形態の動作を説明する。
図7は第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず、TV受信機などの制御側機器から送られてくるリモコンコードが無線LANを介してコマンド送出要求として無線ネットワークインタフェース部101Aにて受信される。無線ネットワークインタフェース部101Aがコマンド送出要求を受信しコマンド送出部102Aにコマンド送出要求指示を行う(ステップS3−1)。コマンド送出要求は、図1におけるリモコンの信号をサンプリングし、適当なデジタルデータに変換した信号でもよいし、リモコンコードをそのままデジタルデータとしてデジタルネットワークに送られたものでもよい。
【0067】
次に、コマンド送出部102Aは無線ネットワークインタフェース部101Aからのコマンド送出要求を受け取り、対応するリモコンコマンドを赤外線信号として発光する(ステップS3−2)。なお、コマンド送出要求信号として、デジタルデータとして変換された信号の場合は、あらかじめ記憶しておいた変換表によってデジタルデータを赤外線の発光パターンに変換して、発光する。また、リモコンコードをそのまま受信した場合は、そのままの発光パターンで発光を行ってもよい。
【0068】
次に、コマンド送出部102Aは、被制御機器200に対してコマンドを発光したことをコマンド送出要求を発光した制御側機器(TV受信機など)に対してコマンド送出要求に対するコマンド発行を行ったことを速やかに通知するため、無線ネットワークインタフェース部101Aに対して、コマンド発行完了通知を出力するように指示を出す(ステップS3−3)。
【0069】
次に、コマンド送出部102Aはリモコンコードを発光した後、エンコード切替指示部104Aにコマンド発行信号を送出し、それを受信したエンコード切替指示部104Aはネットワーク資源情報取得部105にネットワーク資源の使用状況を取得するよう指示を出し(ステップS3−4)、ネットワーク資源情報取得部105はネットワーク資源の使用状況を取得する(ステップS3−5)。
【0070】
例えば、IEEE 802.11無線LAN規格において、本機器制御装置が基地局(アクセスポイント)である場合、PCF(Point Coordination Functionの略)により、ポーリングに基づく集中制御によるアクセス制御が可能であり、本機能を持つMAC層にアクセスすることによりネットワーク資源の使用情報を取得することができる。また、PCFとDCF(Distributed Coordination Functionの略)を統合的に提供するHCF(Hybrid Cordination Functionの略)を持つMAC層でも実現可能である。
【0071】
ネットワーク資源の使用状況をもとに、エンコード切替指示部104Aは遅延時間が最短となるようなエンコード方法を選択し(ステップS3−6)、映像エンコード部103に設定する(ステップS3−7)。遅延時間を最短とするMPEG2−TSにおけるエンコード方法は、例えば、GOP構造を変更し、B(Bidirectionally predictive−coded)ピクチャを減少させ、さらに、I(Intra−coded)ピクチャの符号化係数を変更し、ネットワーク資源の空き容量によってストリーム転送に必要なネットワーク資源の容量を調整する。
【0072】
次に、エンコード切替指示部104Aは、時間の計測を開始し、あらかじめ与えられた時間、例えば、5秒間の計測を開始し(ステップS3−8)、規定の5秒間が経過したら(ステップS3−9)エンコード方式切替信号を発行し(ステップS3−10)、画質優先のエンコード方式に切り替える。なお、ステップS3−10におけるエンコード切替信号を発行する際、GOP構造を徐々に変更し、時間遅延の少ない映像状態から、画質優先のエンコード方式に切り替えるという方式をとり、ユーザにとって画質の変化を徐々に行われるようにしてもよい。
【0073】
第3の実施の形態により、被制御機器に対してコマンド発行完了通知をコマンド発行要求元機器(TV受信機など)に発行することができるので、ユーザは制御のために発行したコマンドが被制御機器に対して発行されたことを即時に確認することができる。また、本実施の形態により、通常のストリーム転送に関しては、画質優先の映像がデジタル化されて転送されているが、リモコンコマンドの転送を行った後、時間遅延の少ないエンコード方式に切り替えることによって、ユーザは被制御機器が出力する映像に表われる機器状態の変化を少ない時間遅延で確認することができるので、ユーザにとっての機器操作感が向上する。また、ネットワーク資源の使用状況に応じて、時間遅延の少ないエンコード方式の設定値(例えば、Iピクチャの符号化係数)を変更(調整)することにより、ネットワーク資源の空き容量を増やすことが可能となる。さらに、リモコンコマンドを転送した後、一定時間後に自動的にもとの画質優先のエンコード方式に切り替わるので、コマンド転送の後、短時間でユーザは画質のよい映像データを視聴することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の機器制御装置によれば、リモコンの信号が届かない遠隔地からネットワーク経由で機器の制御を可能とし、かつ、遠隔地にいるユーザに機器の状態を表す映像情報を遅延を少なく伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機器制御装置を含んだ遠隔機器制御システムの概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の機器制御装置のブロック図
【図3】第1の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態の機器制御装置のブロック図。
【図5】第2の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施の形態の機器制御装置のブロック図
【図7】第3の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
100,100A,100B…機器制御装置、101,101A…ネットワークインタフェース部、102,102A…コマンド送出部、103…映像エンコード部、104,104A…エンコード切替指示部、105…ネットワーク資源情報取得部、200…被制御機器、300…ネットワーク、400…制御側機器、500…リモコン。
Claims (8)
- 制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、
前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、
前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力するエンコード切替指示手段と、
前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、
を具備することを特徴とする機器制御装置。 - 制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、
前記ネットワークインタフェース手段と接続し、ネットワーク資源の使用状況を取得するネットワーク資源情報取得手段と、
前記ネットワークインタフェース手段と接続し、前記制御側機器からの制御信号に基づき、被制御機器に対してコマンドを送信するコマンド送出手段と、
前記コマンド送出手段からコマンド送出完了通知を受け取ったとき、アナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法の切替指示を出力し、さらに前記ネットワーク資源情報取得手段で取得したネットワーク資源の使用状況情報に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整する指示を出力するエンコード切替指示手段と、
前記被制御機器からアナログ映像信号を入力し、前記エンコード切替指示手段からのエンコード切替指示信号に対応したエンコード方法によって前記アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段と、
を具備することを特徴とする機器制御装置。 - 前記映像エンコード手段は、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、デジタル映像信号のデータ量が少なくかつ解像度が高い第1の変換方法と、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法の二種類が可能であり、前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からの制御に基づき、前記第1の変換方法と第2の変換方法の切替えを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の機器制御装置。
- 前記エンコード切替指示手段は、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する際、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法として、前記ネットワーク資源情報取得手段にて取得されるネットワーク資源の使用状況情報に応じて動的にその変換方法の設定値を変更することを特徴とする請求項2又は3のいずれか1つに記載の機器制御装置。
- 前記エンコード切替指示手段は、前記コマンド送出手段からのコマンド送出完了通知を受け取ったとき、前記映像エンコード手段に対して、アナログ映像信号をデジタル信号に変換する際にかかる遅延時間の少ない第2の変換方法に切り替えた後、所定の時間経過後、元の第1の変換方法に切り替えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つに記載の機器制御装置。
- 前記コマンド送出手段は、コマンド送出完了通知を前記ネットワークインタフェース手段に転送することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の機器制御装置。
- 制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、
前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えることを特徴とする機器制御方法。 - 制御側機器とネットワークで接続するネットワークインタフェース手段と、被制御機器からアナログ映像信号を入力し、該アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、前記ネットワークインタフェース手段に出力する映像エンコード手段とを備えた機器制御装置の制御方法であって、
前記制御側機器から前記ネットワークインタフェース手段を通して入力される制御信号に基づき、前記被制御機器に対してコマンドを送信し、該コマンドの送信が完了した直後に、前記映像エンコード手段のアナログ信号をデジタル信号に変換するエンコード方法をコマンド送信完了前とは異なる方法に一定時間切り替えるようにし、さらにネットワーク資源情報を取得し、ネットワーク資源の使用状況に応じて前記の切り替えられたエンコード方法の設定内容を調整することを特徴とする機器制御方法。
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