JP2005020139A - 通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の装置1と第2の装置2との間で共通のケーブル3を介して複数の周波数信号を通信する通信システムで、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正する。
【解決手段】第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段41、43及び第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段71、73が、ケーブルを介して第1の装置から第2の装置へ送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出する。第1の装置では基準以外周波数信号レベル制御手段44〜51、32〜35が第1の装置における検出結果と第2の装置における検出結果との比較結果に基づいて第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段41、43及び第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段71、73が、ケーブルを介して第1の装置から第2の装置へ送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出する。第1の装置では基準以外周波数信号レベル制御手段44〜51、32〜35が第1の装置における検出結果と第2の装置における検出結果との比較結果に基づいて第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する通信システムに関し、特に、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正する通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、室内装置(IDU:In Door Unit)と屋外装置(ODU:Out Door Unit)とを1本のケーブルを介して接続した無線基地局システムでは、当該1本のケーブルに複数の周波数信号を多重して通信することが行われる。このような無線基地局システムでは、接続する装置のいずれか一方又は両方に可変利得器を配置して、運用開始時やケーブル接続時に、各周波数信号毎に基準テスト信号(キャリブレーション用信号)と測定器を用いて校正作業を行うことが必要であった。
【0003】
しかしながら、このような無線基地局システムでは、経年変化や環境変化によるケーブルの損失(ロス)の変動が生じた場合や、校正誤差や作業ミス等による不正確さなどがある場合には、誤差を含んだままの状態で運用することになる事態も起こり得る。
【0004】
また、装置の設置場所が山間部などのように遠隔地である場合には、校正作業時における器材の移動や作業者の手間が煩雑となる。また、装置を塔頂に設置する場合には、危険が伴う特殊な作業となっていた。
また、定期的な再校正作業も必要であった。
ケーブルの損失は、その長さや個体差等により変化し、伝送する信号の周波数により変化し、環境変化などによっても変動するものである。
【0005】
なお、例えば、加入者無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)などのシステムでは、屋外ユニット(ODU)と屋内ユニット(IDU)とを通信ケーブルで接続した形式を有する基地局装置(基地局システム)や加入者局装置(加入者局システム)において、各ユニットの送信アンプのゲインを設定する仕方が検討等されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−190771号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で示したような無線基地局システムでは、1本のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する場合に、それぞれの周波数信号毎に測定を行ってケーブルの損失分を補正していたため、このような補正が効率的ではなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する構成において、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる通信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る通信システムでは、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、第1の装置では、送信側基準周波数信号レベル検出手段が、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出する。
第2の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出手段が、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルを検出する。
【0010】
そして、当該通信システムでは、基準以外周波数信号レベル制御手段が、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果との比較結果に基づいて、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0011】
従って、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信するに際して、基準となる周波数信号に関するレベルの検出結果に基づいて、他の周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)のレベルを制御することにより、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる。
【0012】
ここで、第1の装置や、第2の装置としては、それぞれ、種々な装置が用いられてもよい。一例として、第1の装置と第2の装置とが接続されることにより、例えば基地局装置のような1つの装置(システム)が構成される。
また、ケーブルとしては、種々な有線のケーブルが用いられてもよい。
【0013】
また、複数の周波数信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数の周波数信号としては、例えば、それぞれ、周波数(或いは、周波数帯)が異なっており、ケーブルを伝送するときにおけるレベルの損失の特性が異なる。
また、それぞれの周波数信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
【0014】
また、それぞれの周波数信号が通信される方向としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、それぞれの周波数信号は、第1の装置から送信されて第2の装置により受信される方向、或いは、第2の装置から送信されて第1の装置により受信される方向で、通信される。
【0015】
また、基準となる周波数信号としては、種々な周波数信号が用いられてもよく、一例として、常に或いはほぼ常に第1の装置と第2の装置との間で通信されるような周波数信号が用いられるのが好ましい。
また、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段や、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段では、例えば、基準となる周波数信号のレベルとして、当該レベルの平均値を検出してもよく、具体的には、所定の回数分の平均値のように回数的な平均値や、所定の時間内の平均値のように時間的な平均値などを検出してもよい。
【0016】
また、周波数信号のレベルとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、電力のレベルや、振幅のレベルなどを用いることができる。
また、基準以外周波数信号レベル制御手段は、通信システムのいずれのところに備えられてもよく、例えば、第1の装置に備えられてもよく、或いは、第2の装置に備えられてもよく、或いは、第1の装置と第2の装置とに分散されて備えられてもよく、或いは、他の装置に備えられてもよい。
【0017】
また、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果との比較結果としては、例えば、これら2つの検出結果で得られるレベルの大小を比較した結果が用いられる。一例として、これら2つの検出結果で得られるレベルの差が所定の値と一致或いはほぼ一致するように制御することにより、基準となる周波数信号のケーブルによる損失分を補正することができる。
【0018】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段により制御する対象となる周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)としては、種々な周波数信号が用いられてもよく、例えば、基準となる周波数信号以外の全ての周波数信号が用いられてもよく、或いは、基準となる周波数信号以外の一部の任意の数の周波数信号が用いられてもよい。
【0019】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段により周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)のレベルを制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該周波数信号のケーブルでの損失分を補正するような態様が用いられ、一例として、予め設定された情報に基づいて制御を行う態様が用いられる。
【0020】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
【0021】
また、第2の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段が、受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を第1の装置に対して送信する。
また、第1の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段が、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段により送信される第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を受信する。
【0022】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段は、第1の装置に備えられる。
基準以外周波数信号レベル制御手段では、基準周波数信号レベル制御手段が、送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果(第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果)との比較結果に基づいて、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する基準となる周波数信号のレベルを制御し、また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段が、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果と、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様との対応を、記憶する。
そして、基準以外周波数信号レベル制御手段では、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段の記憶内容に基づいて、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果に対応した制御態様で、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0023】
従って、例えば基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルについての測定が行われなくとも、基準となる周波数信号のレベルの制御結果を取得し、当該取得された制御結果に対応した制御態様を用いることにより、基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御することができる。
【0024】
ここで、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段により送信される、受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、検出されたレベルの値の情報や、或いは、検出されたレベルの値に基づく他の情報などを用いることができる。
【0025】
また、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果としては、例えば、複数の周波数信号を通信する共通のケーブルを介して第1の装置へ送信されるが、他の構成例として、他のケーブルを介して第1の装置へ送信される態様や、或いは、無線通信を介して第1の装置へ送信される態様などを用いることも可能である。
【0026】
また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段により記憶される、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様としては、例えば、それぞれの周波数信号毎に、制御態様が設定される。一例として、それぞれの周波数信号毎に、ケーブルでの損失分を補正することができるような制御態様が設定される。
また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段としては、例えば、メモリを用いて構成することができる。
【0027】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、当該通信システムは、無線基地局システムである。
また、第1の装置は、室内(屋内)装置である。第2の装置は、屋外装置である。
また、基準となる周波数信号は、送信系の信号である。
また、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して複数の周波数信号を多重化して通信する。
【0028】
従って、このような無線基地局システムにおいて、室内装置と屋外装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を多重化して通信するに際して、送信系の信号を基準として、これら複数の周波数信号のケーブルでの損失分を効率的に補正することができる。
【0029】
ここで、無線基地局システムとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、加入者無線アクセス(FWA)のシステムの基地局や、携帯電話システムの基地局や、簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handyphone System)の基地局などを用いることができる。
【0030】
また、室内装置や、屋外装置としては、それぞれ、種々な装置が用いられてもよい。一例として、屋外装置にはアンテナが備えられ、室内装置から屋外装置へ送信される信号がアンテナにより無線送信され、アンテナにより無線受信される信号が屋外装置から室内装置へ送信される。
【0031】
また、送信系の信号としては、例えば、室内装置から屋外装置へ送信される、アンテナから無線送信する対象となる信号が用いられる。このような信号は、通常、常に或いはほぼ常に存在する。
また、多重化としては、例えば、周波数多重化が用いられる。
【0032】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
基準以外周波数信号レベル制御手段では、第1の装置に備えられた受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段が、第1の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果を平均化する。
また、基準以外周波数信号レベル制御手段では、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第1の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段による平均化結果との比較結果に基づいて、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0033】
本発明に係る通信システムでは、例えば、それぞれの周波数信号のレベルは、それぞれの周波数信号毎に、制御される。
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果と第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様との対応は、それぞれの周波数信号がケーブルを介して通信される場合における当該ケーブルでのレベル損失の特性に基づいて設定される。当該特性は、通常、それぞれの周波数信号毎に異なる。
【0034】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果として、基準周波数信号レベル制御手段による制御により予想されるケーブルの長さの情報が用いられる。例えば、基準となる周波数信号についてのレベルの検出結果に基づく当該周波数信号のレベル制御においてケーブルの長さが予想され、当該予想結果に基づいて基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルが制御される。
【0035】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段は、送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と、受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果(或いは、受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段による平均化結果)と、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する基準となる周波数信号のレベルを制御する態様が、所定の条件を満たすように、基準となる周波数信号のレベルを制御する。ここで、所定の条件としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、基準となる周波数信号のケーブルでの損失分を補正するための条件が用いられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、室内装置(IDU)と屋外装置(ODU)とをケーブルで接続して構成される無線基地局システムに本発明を適用した場合を示す。
まず、本実施例に係る無線基地局システムの概要を説明する。
図1には、本実施例に係る無線基地局システムの構成例を示してある。
【0037】
本実施例に係る無線基地局システムは、室内装置(IDU)1と、屋外装置(ODU)2と、高周波ケーブルである同軸ケーブル3を用いて構成されている。
室内装置1と屋外装置2とは1本の同軸ケーブル3を介して接続されている。
また、屋外装置2には、アンテナ(図示せず)が備えられている。
【0038】
室内装置1には、送信系11と、送信モニタ系12と、受信系13と、受信モニタ系14と、第1の監視制御信号系15と、第2の監視制御信号系16と、参照信号(REF信号)系17と、周波数多重器18が備えられている。
屋外装置2には、送信系21と、送信モニタ系22と、受信系23と、受信モニタ系24と、第1の監視制御信号系25と、第2の監視制御信号系26と、参照信号(REF信号)系27と、周波数多重器28が備えられている。
【0039】
そして、室内装置1の送信系11から屋外装置2の送信系21へ送信系の信号が送信され、屋外装置2の送信モニタ系22から室内装置1の送信モニタ系12へ送信モニタ系の信号が送信され、屋外装置2の受信系23から室内装置2の受信系13へ受信系の信号が送信され、室内装置1の受信モニタ系14から屋外装置2の受信モニタ系24へ受信モニタ系の信号が送信され、室内装置1の第1の監視制御信号系15から屋外装置2の第1の監視制御信号系25へ第1の監視制御信号が送信され、屋外装置2の第2の監視制御信号系26から室内装置1の第2の監視制御信号系16へ第2の監視制御信号が送信され、室内装置1のREF信号系17から屋外装置2のREF信号系27へ参照信号(REF信号)が送信される。
【0040】
また、室内装置1と屋外装置2との間で通信される上記した7つの系の信号は、室内装置1の周波数多重器18の機能及び屋外装置2の周波数多重器28の機能により、周波数多重化されて共通の同軸ケーブル3を伝送する。室内装置1の周波数多重器18や屋外装置2の周波数多重器28は、送信対象となる信号については同軸ケーブル3へ送信出力し、同軸ケーブル3から受信入力される信号については各系の周波数毎に分離して対応する系へ入力させる。
【0041】
また、同図には、同軸ケーブル3を伝送する周波数多重化された信号のスペクトラムのイメージの一例を示してある。グラフの横軸は周波数を示しており、縦軸は信号の電力を示している。
当該スペクトラムに見られるように、本例の無線基地局システムでは、室内装置1と屋外装置2との間で通信することが必要となる複数の信号をそれぞれ異なる周波数の高周波信号としてあり、周波数多重器18、28により多重化して通信している。
【0042】
ここで、送信系の信号は、例えば、通信相手となる端末局装置(図示せず)に対する信号であり、室内装置1から屋外装置2へ同軸ケーブル3を介して送信されて、屋外装置2のアンテナから無線により送信される。
また、受信系の信号は、例えば、通信相手となる端末局装置(図示せず)からの信号であり、屋外装置2のアンテナにより受信されて、屋外装置2から室内装置1へ同軸ケーブル3を介して送信される。
なお、室内装置1は、例えば、バックボーンのネットワーク(図示せず)と接続されており、送信系の信号や受信系の信号を当該ネットワークとの間で通信する。
【0043】
送信モニタ系の信号は、送信系に関する監視信号(モニタ信号)であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
受信モニタ系の信号は、受信系に関する監視信号(モニタ信号)であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
【0044】
第1の監視制御信号は、例えば、室内装置1と屋外装置2との間で監視や制御を行うための信号であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
第2の監視制御信号は、例えば、室内装置1と屋外装置2との間で監視や制御を行うための信号であり、種々な任意の利用が為されてもよい。なお、本実施例では、第2の監視制御信号を用いて、屋外装置2から室内装置1へ、受信した送信系の信号のレベルを報告するための情報が通信される。
REF信号は、例えば、周波数などの基準となる信号である。
【0045】
また、同軸ケーブル3として用いられている高周波ケーブルは、一般的に、伝送される信号の周波数が高くなるほど損失が大きくなる周波数特性を有しており、当該損失は当該ケーブルの長さに比例する。
また、同軸ケーブル3の長さは、室内装置1や屋外装置2の設置場所の環境や、装置1、2間の距離などによって、変化する。
【0046】
次に、本発明に係る第1実施例を説明する。
図2には、本例の無線基地局システムの構成例を示してある。なお、概略的な構成については、上記図1に示した通りである。
室内装置1には、送信系11として結合器(CPL)31や可変利得器32が備えられており、受信系13として可変利得器33が備えられており、受信モニタ系14として可変利得器34が備えられており、送信モニタ系12として可変利得器35が備えられており、REF信号系17として基準周波数送信部36が備えられており、第2の監視制御信号系16として制御信号復調部37が備えられており、第1の監視制御信号系15として制御信号変調部38が備えられている。
【0047】
また、室内装置1には、可変利得器32〜35により、送信系や受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の信号のレベルを制御するための構成部として、レベル検出器41と、A/D(Analog to Digital)変換器42と、平均化処理部43と、比較制御部44と、送信系のD/A(Digital to Analog)変換器45と、収束結果取得部46と、ケーブル補正値設定部47と、メモリ48と、受信系のD/A変換器49と、受信モニタ系のD/A変換器50と、送信モニタ系のD/A変換器51が備えられている。
【0048】
屋外装置2には、送信系21として結合器(CPL)61が備えられており、第2の監視制御信号系26として制御信号変調部62が備えられており、第1の監視制御信号系25として制御信号復調部63が備えられている。
また、屋外装置2には、送信系や受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の信号のレベルを制御するための構成部として、レベル検出器71と、A/D変換器72と、平均化処理部73が備えられている。
【0049】
本例の無線基地局システムにより行われる動作の一例を示す。
一般的に、移動体通信向けの基地局では、常時、制御チャネル用の信号を所定の一定電力以上で送信している。当該信号は、送信系の信号として、送信される。
室内装置1では、装置起動又は初期化動作の後に、直ちに、送信系の送信信号(FL:フォワードリンク)の電力を、周波数多重器18及び可変利得器32の前段に配置されたレベル検出器41により、検出する。ここで、レベル検出器41は、本例では、電力検出器から構成されている。
【0050】
室内装置1からの送信系の信号は、可変利得器32を通過して、周波数多重器18により同軸ケーブル3へ出力され、そして、屋外装置2へ入力される。当該信号は、屋外装置2において、周波数多重器28により抽出された後に、結合器61を通過して、そして、増幅や周波数変換等の処理が行われる。ここで、増幅や周波数変換等の処理を行う構成部(図示せず)は、結合器61の後段に備えられている。
【0051】
また、屋外装置2では、室内装置1から受信入力された送信系の信号が結合器71により取り出され、当該取り出された信号の電力がレベル検出器71により検出される。ここで、レベル検出器71は、本例では、電力検出器から構成されている。
【0052】
なお、室内装置1のレベル検出器41や屋外装置2のレベル検出器71に関しては、例えば、それぞれ、単体の温度特性や経年変化特性が十分な精度で管理されるのが好ましい。また、これら2つのレベル検出器41、71は、同じ回路であることが好ましい。
【0053】
屋外装置2では、レベル検出器71による検出結果が、A/D変換器72によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、平均化処理部73により例えば所定の時間の間だけ平均化されて、当該平均化結果が制御信号変調部62へ出力される。当該平均化結果は、レベル検出器71により検出される電力レベルの平均値に相当し、当該平均値を表す情報が制御信号変調部73により変調された第2の監視制御信号に含まれて室内装置1に対して送信される。
【0054】
なお、当該情報は、例えば、制御信号変調部62により、なるべく低い周波数の高周波変調信号へ変換されて送信されるのが好ましい。周波数が低いことが良い理由は、同軸ケーブル3の長さによる損失の変化幅を小さくすることを図るためである。
【0055】
室内装置1では、屋外装置2の制御信号変調部62から送信される情報を制御信号復調部37により復調し、当該復調結果が比較制御部44へ入力される。当該復調結果は、屋外装置2の平均化処理部73で得られた平均値の情報を表す。
なお、制御信号復調部37のダイナミックレンジとしては、例えば、使用が想定される同軸ケーブル3の長さによる損失範囲に対して十分な余裕があるように設定されるのが好ましい。
【0056】
また、室内装置1では、レベル検出器41による送信系の信号の電力レベルの検出結果が、A/D変換器42によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、平均化処理部43により所定の時間の間だけ平均化されて、当該平均化結果が比較制御部44へ入力される。当該平均化結果は、レベル検出器41により検出される電力レベルの平均値に相当する。
【0057】
室内装置1の比較制御部44は、平均化処理部43から入力される情報と制御信号復調部37から入力される情報とを比較し、具体的には、送信系の信号の電力レベルについて、室内装置1のレベル検出器41により検出された結果の平均値と、屋外装置2のレベル検出器71により検出された結果の平均値との大小を比較する。
【0058】
そして、比較制御部44は、当該比較結果に基づいて、室内装置1での電力レベルの検出結果(平均化結果)に対して屋外装置2での電力レベルの検出結果(平均化結果)が適正な値となるように、送信系の可変利得器32の利得を制御する。
【0059】
ここで、比較制御部44では、例えば、室内装置1での検出結果(平均化結果)と屋外装置2での検出結果(平均化結果)との差が予め設定された値に近づくように制御することが行われ、入力レベルに対して予め設計するケーブル区間の標準損失量から決まる出力側の設定値に合わせるように制御することが行われる。他の構成例として、室内装置1での検出結果(平均化結果)と屋外装置2での検出結果(平均化結果)とを合わせるように制御する態様や、送信系の信号の可変利得器32及び同軸ケーブル3での損失が常に一定となるように制御する態様などを用いることも可能である。
【0060】
比較制御部45は、送信系の可変利得器32の利得を制御するための電圧信号をD/A変換器45及び収束結果取得部46へ出力する。当該電圧信号は、当該D/A変換器45によりデジタル信号からアナログ信号へ変換されて、可変利得器32の利得制御端子へ入力される。これにより、送信系の可変利得器32の利得が制御されて調整される。
【0061】
また、比較制御部45は、平均化処理部43からの入力と制御信号復調部37からの入力とを比較して当該比較結果に基づいて可変利得器32を制御する動作を繰り返して実行することにより、可変利得器32の利得が最適値になるように調整し、最適値となったときに動作が収束したものとみなす。本例では、予め設定された収束条件が達成されたときに、収束したものとして判定する。
【0062】
収束判定となった場合には、比較制御部44から出力される可変利得器32の制御電圧が収束結果取得部46により取得されて、当該制御電圧に基づいてケーブル補正値設定部47により同軸ケーブル3の長さが判定される。なお、同軸ケーブル3の長さの判定は、例えば、同軸ケーブル3の単位長さ当たりの周波数毎の損失量の情報などに基づいて行われる。
【0063】
メモリ48には、例えば生産時に予め、受信系と受信モニタ系と送信モニタ系の各系の可変利得器33、34、35毎に、且つ、同軸ケーブル3の長さ毎に、可変利得器に関する補正値が記憶されている。当該補正値としては、例えば、可変利得器に対する制御値を用いることができる。
【0064】
ケーブル補正値設定部47は、同軸ケーブル3の長さを判定した後に、当該判定結果に対応してメモリ48に記憶されている各系の可変利得器33、34、35に関する補正値を読み出し、当該読み出した補正値に従って各系の可変利得器33、34、35に対して制御のための電圧信号を出力する。当該電圧信号は、各系のD/A変換器49、50、51によりデジタル信号からアナログ信号へ変換されて、各系の可変利得器33、34、35の利得制御端子へ入力される。これにより、各系の可変利得器33、34、35の利得が制御されて調整が完了される。
【0065】
なお、本例では、それぞれの可変利得器32、33、34、35として、可変減衰器(可変ATT)を用いている。他の構成例として、可変利得増幅器などの種々なものを用いることも可能であり、同軸ケーブル3での損失分を補正するという観点からは可変利得増幅器を用いる方が好ましい場合が考えられる。
【0066】
図3を参照して、室内装置1により行われる動作の一例を示す。
室内装置1では、まず、電源がオン(ON)にされると(ステップS1)、比較制御部44やケーブル補正値設定部47により、各系の可変利得器32、33、34、35の利得として初期値が設定される(ステップS2)。当該初期値としては、同軸ケーブル3の長さがゼロ(0m)であるとみなした場合における値が設定され、可変利得器32〜35として可変減衰器を用いた場合には最大の減衰量が設定される。
【0067】
室内装置1では、次に、初期値として、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)として、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)とする(ステップS3)。
室内装置1では、次に、レベル検出器41により送信系の信号の電力レベルを検出して、当該検出した電力レベルの値M1を取得し(ステップS4)、平均化回数のカウント値N1を1だけ増加させるとともに、合計電力レベルの値LV1に当該検出した電力レベルの値M1を加算する(ステップS5)。
【0068】
室内装置1では、次に、平均化回数のカウント値N1が予め設定された所定の回数に達したか否かを比較して判定し(ステップS6)、平均化回数のカウント値N1が所定の回数に達していないと判定した場合には、レベル検出器41によるレベル検出及び検出結果の加算を繰り返して実行する(ステップS4、ステップS5)。なお、当該所定の回数としては、種々な回数が用いられてもよい。
【0069】
一方、室内装置1では、平均化回数のカウント値N1が所定の回数に達したと判定した場合には、合計電力レベルの値LV1を平均化回数のカウント値N1により割り算した結果の値L1(=LV1/N1)を平均化結果として取得する(ステップS7)。
【0070】
室内装置1では、次に、制御信号復調部37により屋外装置2から送信系の信号の受信電力レベルの平均値L2の情報が取得されているか否かを判定し(ステップS8)、未だ取得されていない場合には、取得されるまで待機する。
【0071】
一方、室内装置1では、屋外装置2から送信系の信号の受信電力レベルの平均値L2の情報が既に取得されていた場合或いは待機して取得された場合には、送信系の信号の電力レベルに関して、室内装置1での平均化結果L1と、屋外装置2での平均化結果L2と、可変利得器32に設定された補正値(本例では、ATT値)Pから決定される値Qが、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS9)。当該所定の条件としては、本例では、当該値Q(=L1−L2+P)が所定の目標値となるという条件が用いられている。
【0072】
この結果、当該所定の条件が満たされたことを判定した場合には、室内装置1では、可変利得器32に設定された補正値(本例では、ATT値)Pに基づいて同軸ケーブル3の長さを判定し(ステップS10)、当該判定した長さに基づいて送信系以外の系である受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の可変利得器33、34、35に関する補正値を決定し(ステップS11)、当該補正値に基づいてこれらの可変利得器33、34、35の利得を制御するためのそれぞれの電圧を設定する(ステップS12)。
【0073】
これにより、利得の補正が完了し(ステップS13)、室内装置1では、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0074】
一方、上記した所定の条件が満たされないことを判定した場合には(ステップS9)、室内装置1では、上記した値Q(=L1−L2+P)と所定の目標値との大小を比較する(ステップS14)。
この結果、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて大きい場合には、送信系の信号の可変利得器32に関する補正値(本例では、ATT値)を1ビット(bit)減算させて、可変利得器32の利得を大きくし或いは減衰量を小さくし(ステップS15)、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0075】
また、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて小さい場合には、送信系の信号の可変利得器32に関する補正値(本例では、ATT値)を1ビット(bit)加算させて、可変利得器32の利得を小さくし或いは減衰量を大きくし(ステップS16)、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0076】
また、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて所定の正常範囲を超えて大きいか或いは小さい場合には、同軸ケーブル3などに関して異常な状態が発生したとみなして、本例の無線基地局システムを監視する装置や人などに対して、当該異常の発生を通知する(ステップS17)。なお、当該正常範囲としては、種々な範囲が用いられてもよい。
【0077】
図4を参照して、屋外装置2により行われる動作の一例を示す。
屋外装置2では、まず、電源がオン(ON)にされると(ステップS21)、初期値として、平均化回数のカウント値N2をゼロ(N2=0)として、合計電力レベルの値LV2をゼロ(LV2=0)とする(ステップS22)。
屋外装置2では、次に、レベル検出器71により送信系の信号の電力レベルを検出して、当該検出した電力レベルの値M2を取得し(ステップS23)、平均化回数のカウント値N2を1だけ増加させるとともに、合計電力レベルの値LV2に当該検出した電力レベルの値M2を加算する(ステップS24)。
【0078】
屋外装置2では、次に、平均化回数のカウント値N2が予め設定された所定の回数に達したか否かを比較して判定し(ステップS25)、平均化回数のカウント値N2が所定の回数に達していないと判定した場合には、レベル検出器71によるレベル検出及び検出結果の加算を繰り返して実行する(ステップS23、ステップS24)。なお、当該所定の回数としては、種々な回数が用いられてもよい。
【0079】
一方、屋外装置2では、平均化回数のカウント値N2が所定の回数に達したと判定した場合には、合計電力レベルの値LV2を平均化回数のカウント値N2により割り算した結果の値L2(=LV2/N2)を平均化結果として取得する(ステップS26)。
そして、屋外装置2では、取得した平均化結果の値L2の情報を制御信号変調部62から第2の監視制御信号に含めて室内装置1に対して通知する(ステップS27)。
【0080】
以上のように、本例の無線基地局システムでは、複数の高周波信号(本例では、計7波の系の信号)が周波数多重されている1本のケーブル3の損失について、当該ケーブル3で接続される両方の装置1、2に配置された検出器41、71により1つの周波数信号の出力或いは入力の高周波電力をそれぞれ検出し、当該電力検出結果に基づいて可変利得器32により当該周波数におけるケーブル3の損失を補償し、更に、当該補償結果に基づいてケーブル3の長さを特定し、電力検出を行った信号周波数とは異なる所定の各周波数信号系に関してケーブル3の長さ毎に可変利得器補正値を記憶したメモリ48の記憶内容を用いて、当該各周波数系の可変利得器33、34、35により当該各周波数系のケーブル損失を補償することが行われ、これらの処理が制御回路により制御される。
【0081】
従って、本例の無線基地局システムでは、1本のケーブル3に複数の周波数信号を多重して2つの装置1、2を接続するに際して、例えばユーザによる操作が無くとも自動的に、信号周波数毎にケーブル損失を補正することができ、これにより、例えば、装置1、2を設置する時における高周波ケーブルの校正作業を自動化することが可能となり、また、環境変化により高周波ケーブルの損失が変化したような場合においても最適な補正が可能となる。
【0082】
また、本例の無線基地局システムでは、電力検出が行われる送信系以外の系については、電力検出が行われなくとも、ケーブル損失を補正することができる。
また、本例の無線基地局システムでは、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73が当該屋外装置2の側に備えられているため、例えば当該平均化処理部73の機能を室内装置1の側に備えた場合と比べて、屋外装置2から室内装置1への通信速度を低速化することが可能となる。
【0083】
このように、本例の無線基地局システムでは、ケーブル損失の補正処理を自動的に行うことが可能であるため、例えば、装置設置時やメンテナンス時における人手による煩雑な校正作業を不要とすることが可能であり、また、環境変化によるケーブル損失の変動についても自動的に校正することができ、メンテナンスフリーなシステムを実現することが可能である。
【0084】
例えば、屋外装置2は屋外や塔頂などに配置されることが多く、高周波ケーブルの温度変化によりケーブル損失が容易に変化することが予想されるが、本例では、定期的或いは常時にケーブル損失に対する補正動作を行うことにより、最適な状態を維持することができる。
【0085】
なお、本例の無線基地局システムでは、室内装置1により第1の装置が構成されており、屋外装置2により第2の装置が構成されており、送信系11の信号により基準となる周波数信号が構成されている。
また、本例の室内装置1では、レベル検出器41の機能や平均化処理部43の機能により送信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されており、制御信号復調部37の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段が構成されており、比較制御部44の機能や可変利得器32の機能や収束結果取得部46の機能やメモリ48の機能やケーブル補正値設定部47の機能や可変利得器33、34、35の機能により基準以外周波数信号レベル制御手段が構成されている。
【0086】
また、本例の室内装置1では、比較制御部44の機能や可変利得器32の機能により基準周波数信号レベル制御手段が構成されており、比較制御部44による制御結果(本例では、収束結果に対応したケーブル長)と各可変利得器33、34、35の制御態様との対応を記憶するメモリ48の機能により基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段が構成されている。
また、本例の屋外装置2では、レベル検出器71の機能や平均化処理部73の機能により受信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されており、制御信号変調部62の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段が構成されている。
【0087】
次に、本発明に係る第2実施例を説明する。
図5には、本例の無線基地局システムの構成例を示してある。なお、概略的な構成については、上記図1に示した通りである。
ここで、本例の無線基地局システムの構成や動作は、例えば、上記第1実施例の上記図2に示した無線基地局システムの構成や動作と比較して、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73の機能が屋外装置2の側ではなく室内装置1の側に平均化処理部81として備えられている点を除いては、上記第1実施例の上記図2に示した無線基地局システムの構成や動作と同様である。図5では、上記図2に示したのと同様な構成部分については、同一の符号を用いて示してある。
【0088】
本例の屋外装置2では、レベル検出器71による検出結果がA/D変換器72によりA/D変換されて、当該A/D変換結果の情報が制御信号変調部62から第2の監視制御信号に含められて室内装置1に対して送信される。
また、本例の室内装置1では、屋外装置2のレベル検出器71によるレベル検出結果の情報が制御信号復調部37により復調され、当該レベル検出結果が平均化処理部81により平均化されて、当該平均化結果が比較制御部44へ入力される。
【0089】
以上のように、本例の無線基地局システムでは、各周波数信号に関するケーブル損失についての補正を効率的に行うことができる。
なお、本例の屋外装置2では、レベル検出器71の機能により受信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されている。また、本例では、室内装置1の平均化処理部81の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段が構成されている。
【0090】
次に、以上に示した本発明に係る実施例(第1、2実施例)について、他の構成例を示す。
一構成例として、室内装置1のレベル検出器41による検出結果を平均化する平均化処理部43の機能や、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73、81の機能が、備えられないような構成を実施することも可能である。
【0091】
一構成例として、本実施例ではレベル制御を行う対象となる全ての周波数信号についての可変利得器32、33、34、35によるレベル制御を室内装置1の側で行ったが、これらの周波数信号の全て或いは一部についての可変利得器によるレベル制御を屋外装置2の側で行うような構成(ここで、構成Aと言う)を実施することも可能である。
【0092】
なお、このような構成(構成A)を実施することも可能であるが、本実施例に係る構成の方が、(1)ケーブル長対補正値の記憶テーブルを装置毎の個別値(生産時に書き込む調整値)とする場合に制御が複雑とならない点や、(2)一般的に室内装置側と比べて屋外装置側の方が環境条件の変化が大きいために可変利得器及び制御回路を室内装置側にまとめた方が誤差や信頼性の面で有利となる点で、好ましい。
一方、当該(1)に関して無調整の可変利得器を使用することができるような場合や、当該(2)に関して環境の差が無い場合或いは環境の差が問題とならないような場合には、必要な情報を第1或いは第2の監視制御信号に含めることにより、このような構成(構成A)を実施することも有効である。
【0093】
一構成例として、送信系11以外の系の周波数信号を基準としてケーブル損失を補正する構成を実施することも可能である。一例として、常時に一定レベル以上の信号が存在するような系がある場合には、当該系の信号を基準として用いるのが好ましい。
【0094】
なお、本実施例では、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いた無線基地局システムが想定され、当該無線基地局システムでは一般に運用中のフォワードリンク系(送信系)には、常時、制御信号等の或る一定電力以上の信号が存在することから、当該信号を基準として有効に利用することができる。一方、当該無線基地局システムでは、リバースリンク系(受信系)には、信号が全く無い場合も想定され、また、入力があっても電力が微小なことが多く、電力検出が困難である。また、当該無線基地局システムでは、モニタ系(送信モニタ系、受信モニタ系)には、例えば、テスト信号が外部から入力されたときのみ信号が存在するため、常時に制御することが困難である。
【0095】
また、本発明の適用対象としては、必ずしも室内装置と屋外装置から成るシステムに限定されることはなく、例えば、或る一定電力レベル以上の信号が常時1系以上存在するようなシステムや、周波数軸上に複数の信号が多重されて伝送路がまとまっているようなシステムや、伝送路の損失の環境による変化量が予め推定されるようなシステムなどに、特に有効に適用することが可能である。
【0096】
また、本発明の適用対象は、第1の装置と第2の装置とを有線のケーブルで接続するシステムであるが、例えば、本発明と同様な構成を、第1の装置と第2の装置とを無線の伝送路により接続するようなシステムに適用することも可能である。
なお、一般に、無線通信では、伝送路の各周波数に関する変動量を予め予測することが困難である場合が多く、無線区間において各周波数毎の信号がフェージング等により個別に変動することから、本発明を適用することが容易ではないこともあり得るが、同様な構成を適用することは可能である。
【0097】
ここで、本発明に係る通信システムや第1の装置や第2の装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0098】
また、本発明に係る通信システムや第1の装置や第2の装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る通信システムによると、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する構成において、第1の装置ではケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出し、第2の装置ではケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルを検出し、更に、第1の装置などにおいて、第1の装置における検出結果と第2の装置における検出結果との比較結果に基づいて第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御するようにしたため、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る無線基地局システムの概略的な構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る無線基地局システムの構成例を示す図である。
【図3】室内装置により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図4】屋外装置により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る無線基地局システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1・・室内装置、 2・・屋外装置、 3・・同軸ケーブル、
11、21・・送信系、 12、22・・送信モニタ系、
13、23・・受信系、 14、24・・受信モニタ系、
15、25・・第1の監視制御信号系、
16、26・・第2の監視制御信号系、 17、27・・REF信号系、
18、28・・周波数多重器、 31、61・・結合器、
32〜35・・可変利得器、 36・・基準周波数送信部、
37、63・・制御信号復調部、 38、62・・制御信号変調部、
41、71・・レベル検出器、 42、72・・A/D変換器、
43、73、81・・平均化処理部、 44・・比較制御部、
45、49〜51・・D/A変換器、 46・・収束結果取得部、
47・・ケーブル補正値設定部、 48・・メモリ、
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する通信システムに関し、特に、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正する通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、室内装置(IDU:In Door Unit)と屋外装置(ODU:Out Door Unit)とを1本のケーブルを介して接続した無線基地局システムでは、当該1本のケーブルに複数の周波数信号を多重して通信することが行われる。このような無線基地局システムでは、接続する装置のいずれか一方又は両方に可変利得器を配置して、運用開始時やケーブル接続時に、各周波数信号毎に基準テスト信号(キャリブレーション用信号)と測定器を用いて校正作業を行うことが必要であった。
【0003】
しかしながら、このような無線基地局システムでは、経年変化や環境変化によるケーブルの損失(ロス)の変動が生じた場合や、校正誤差や作業ミス等による不正確さなどがある場合には、誤差を含んだままの状態で運用することになる事態も起こり得る。
【0004】
また、装置の設置場所が山間部などのように遠隔地である場合には、校正作業時における器材の移動や作業者の手間が煩雑となる。また、装置を塔頂に設置する場合には、危険が伴う特殊な作業となっていた。
また、定期的な再校正作業も必要であった。
ケーブルの損失は、その長さや個体差等により変化し、伝送する信号の周波数により変化し、環境変化などによっても変動するものである。
【0005】
なお、例えば、加入者無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)などのシステムでは、屋外ユニット(ODU)と屋内ユニット(IDU)とを通信ケーブルで接続した形式を有する基地局装置(基地局システム)や加入者局装置(加入者局システム)において、各ユニットの送信アンプのゲインを設定する仕方が検討等されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−190771号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で示したような無線基地局システムでは、1本のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する場合に、それぞれの周波数信号毎に測定を行ってケーブルの損失分を補正していたため、このような補正が効率的ではなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する構成において、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる通信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る通信システムでは、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、第1の装置では、送信側基準周波数信号レベル検出手段が、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出する。
第2の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出手段が、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルを検出する。
【0010】
そして、当該通信システムでは、基準以外周波数信号レベル制御手段が、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果との比較結果に基づいて、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0011】
従って、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信するに際して、基準となる周波数信号に関するレベルの検出結果に基づいて、他の周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)のレベルを制御することにより、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる。
【0012】
ここで、第1の装置や、第2の装置としては、それぞれ、種々な装置が用いられてもよい。一例として、第1の装置と第2の装置とが接続されることにより、例えば基地局装置のような1つの装置(システム)が構成される。
また、ケーブルとしては、種々な有線のケーブルが用いられてもよい。
【0013】
また、複数の周波数信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数の周波数信号としては、例えば、それぞれ、周波数(或いは、周波数帯)が異なっており、ケーブルを伝送するときにおけるレベルの損失の特性が異なる。
また、それぞれの周波数信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
【0014】
また、それぞれの周波数信号が通信される方向としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、それぞれの周波数信号は、第1の装置から送信されて第2の装置により受信される方向、或いは、第2の装置から送信されて第1の装置により受信される方向で、通信される。
【0015】
また、基準となる周波数信号としては、種々な周波数信号が用いられてもよく、一例として、常に或いはほぼ常に第1の装置と第2の装置との間で通信されるような周波数信号が用いられるのが好ましい。
また、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段や、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段では、例えば、基準となる周波数信号のレベルとして、当該レベルの平均値を検出してもよく、具体的には、所定の回数分の平均値のように回数的な平均値や、所定の時間内の平均値のように時間的な平均値などを検出してもよい。
【0016】
また、周波数信号のレベルとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、電力のレベルや、振幅のレベルなどを用いることができる。
また、基準以外周波数信号レベル制御手段は、通信システムのいずれのところに備えられてもよく、例えば、第1の装置に備えられてもよく、或いは、第2の装置に備えられてもよく、或いは、第1の装置と第2の装置とに分散されて備えられてもよく、或いは、他の装置に備えられてもよい。
【0017】
また、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果との比較結果としては、例えば、これら2つの検出結果で得られるレベルの大小を比較した結果が用いられる。一例として、これら2つの検出結果で得られるレベルの差が所定の値と一致或いはほぼ一致するように制御することにより、基準となる周波数信号のケーブルによる損失分を補正することができる。
【0018】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段により制御する対象となる周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)としては、種々な周波数信号が用いられてもよく、例えば、基準となる周波数信号以外の全ての周波数信号が用いられてもよく、或いは、基準となる周波数信号以外の一部の任意の数の周波数信号が用いられてもよい。
【0019】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段により周波数信号(基準となる周波数信号以外の周波数信号)のレベルを制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該周波数信号のケーブルでの損失分を補正するような態様が用いられ、一例として、予め設定された情報に基づいて制御を行う態様が用いられる。
【0020】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
【0021】
また、第2の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段が、受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を第1の装置に対して送信する。
また、第1の装置では、受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段が、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段により送信される第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を受信する。
【0022】
また、基準以外周波数信号レベル制御手段は、第1の装置に備えられる。
基準以外周波数信号レベル制御手段では、基準周波数信号レベル制御手段が、送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果(第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果)との比較結果に基づいて、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する基準となる周波数信号のレベルを制御し、また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段が、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果と、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様との対応を、記憶する。
そして、基準以外周波数信号レベル制御手段では、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段の記憶内容に基づいて、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果に対応した制御態様で、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0023】
従って、例えば基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルについての測定が行われなくとも、基準となる周波数信号のレベルの制御結果を取得し、当該取得された制御結果に対応した制御態様を用いることにより、基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御することができる。
【0024】
ここで、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段により送信される、受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、検出されたレベルの値の情報や、或いは、検出されたレベルの値に基づく他の情報などを用いることができる。
【0025】
また、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果としては、例えば、複数の周波数信号を通信する共通のケーブルを介して第1の装置へ送信されるが、他の構成例として、他のケーブルを介して第1の装置へ送信される態様や、或いは、無線通信を介して第1の装置へ送信される態様などを用いることも可能である。
【0026】
また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段により記憶される、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様としては、例えば、それぞれの周波数信号毎に、制御態様が設定される。一例として、それぞれの周波数信号毎に、ケーブルでの損失分を補正することができるような制御態様が設定される。
また、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段としては、例えば、メモリを用いて構成することができる。
【0027】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、当該通信システムは、無線基地局システムである。
また、第1の装置は、室内(屋内)装置である。第2の装置は、屋外装置である。
また、基準となる周波数信号は、送信系の信号である。
また、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して複数の周波数信号を多重化して通信する。
【0028】
従って、このような無線基地局システムにおいて、室内装置と屋外装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を多重化して通信するに際して、送信系の信号を基準として、これら複数の周波数信号のケーブルでの損失分を効率的に補正することができる。
【0029】
ここで、無線基地局システムとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、加入者無線アクセス(FWA)のシステムの基地局や、携帯電話システムの基地局や、簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handyphone System)の基地局などを用いることができる。
【0030】
また、室内装置や、屋外装置としては、それぞれ、種々な装置が用いられてもよい。一例として、屋外装置にはアンテナが備えられ、室内装置から屋外装置へ送信される信号がアンテナにより無線送信され、アンテナにより無線受信される信号が屋外装置から室内装置へ送信される。
【0031】
また、送信系の信号としては、例えば、室内装置から屋外装置へ送信される、アンテナから無線送信する対象となる信号が用いられる。このような信号は、通常、常に或いはほぼ常に存在する。
また、多重化としては、例えば、周波数多重化が用いられる。
【0032】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出する。
基準以外周波数信号レベル制御手段では、第1の装置に備えられた受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段が、第1の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果を平均化する。
また、基準以外周波数信号レベル制御手段では、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第1の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段による平均化結果との比較結果に基づいて、第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する。
【0033】
本発明に係る通信システムでは、例えば、それぞれの周波数信号のレベルは、それぞれの周波数信号毎に、制御される。
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果と第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様との対応は、それぞれの周波数信号がケーブルを介して通信される場合における当該ケーブルでのレベル損失の特性に基づいて設定される。当該特性は、通常、それぞれの周波数信号毎に異なる。
【0034】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果として、基準周波数信号レベル制御手段による制御により予想されるケーブルの長さの情報が用いられる。例えば、基準となる周波数信号についてのレベルの検出結果に基づく当該周波数信号のレベル制御においてケーブルの長さが予想され、当該予想結果に基づいて基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルが制御される。
【0035】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、基準周波数信号レベル制御手段は、送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と、受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果(或いは、受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段による平均化結果)と、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する基準となる周波数信号のレベルを制御する態様が、所定の条件を満たすように、基準となる周波数信号のレベルを制御する。ここで、所定の条件としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、基準となる周波数信号のケーブルでの損失分を補正するための条件が用いられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、室内装置(IDU)と屋外装置(ODU)とをケーブルで接続して構成される無線基地局システムに本発明を適用した場合を示す。
まず、本実施例に係る無線基地局システムの概要を説明する。
図1には、本実施例に係る無線基地局システムの構成例を示してある。
【0037】
本実施例に係る無線基地局システムは、室内装置(IDU)1と、屋外装置(ODU)2と、高周波ケーブルである同軸ケーブル3を用いて構成されている。
室内装置1と屋外装置2とは1本の同軸ケーブル3を介して接続されている。
また、屋外装置2には、アンテナ(図示せず)が備えられている。
【0038】
室内装置1には、送信系11と、送信モニタ系12と、受信系13と、受信モニタ系14と、第1の監視制御信号系15と、第2の監視制御信号系16と、参照信号(REF信号)系17と、周波数多重器18が備えられている。
屋外装置2には、送信系21と、送信モニタ系22と、受信系23と、受信モニタ系24と、第1の監視制御信号系25と、第2の監視制御信号系26と、参照信号(REF信号)系27と、周波数多重器28が備えられている。
【0039】
そして、室内装置1の送信系11から屋外装置2の送信系21へ送信系の信号が送信され、屋外装置2の送信モニタ系22から室内装置1の送信モニタ系12へ送信モニタ系の信号が送信され、屋外装置2の受信系23から室内装置2の受信系13へ受信系の信号が送信され、室内装置1の受信モニタ系14から屋外装置2の受信モニタ系24へ受信モニタ系の信号が送信され、室内装置1の第1の監視制御信号系15から屋外装置2の第1の監視制御信号系25へ第1の監視制御信号が送信され、屋外装置2の第2の監視制御信号系26から室内装置1の第2の監視制御信号系16へ第2の監視制御信号が送信され、室内装置1のREF信号系17から屋外装置2のREF信号系27へ参照信号(REF信号)が送信される。
【0040】
また、室内装置1と屋外装置2との間で通信される上記した7つの系の信号は、室内装置1の周波数多重器18の機能及び屋外装置2の周波数多重器28の機能により、周波数多重化されて共通の同軸ケーブル3を伝送する。室内装置1の周波数多重器18や屋外装置2の周波数多重器28は、送信対象となる信号については同軸ケーブル3へ送信出力し、同軸ケーブル3から受信入力される信号については各系の周波数毎に分離して対応する系へ入力させる。
【0041】
また、同図には、同軸ケーブル3を伝送する周波数多重化された信号のスペクトラムのイメージの一例を示してある。グラフの横軸は周波数を示しており、縦軸は信号の電力を示している。
当該スペクトラムに見られるように、本例の無線基地局システムでは、室内装置1と屋外装置2との間で通信することが必要となる複数の信号をそれぞれ異なる周波数の高周波信号としてあり、周波数多重器18、28により多重化して通信している。
【0042】
ここで、送信系の信号は、例えば、通信相手となる端末局装置(図示せず)に対する信号であり、室内装置1から屋外装置2へ同軸ケーブル3を介して送信されて、屋外装置2のアンテナから無線により送信される。
また、受信系の信号は、例えば、通信相手となる端末局装置(図示せず)からの信号であり、屋外装置2のアンテナにより受信されて、屋外装置2から室内装置1へ同軸ケーブル3を介して送信される。
なお、室内装置1は、例えば、バックボーンのネットワーク(図示せず)と接続されており、送信系の信号や受信系の信号を当該ネットワークとの間で通信する。
【0043】
送信モニタ系の信号は、送信系に関する監視信号(モニタ信号)であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
受信モニタ系の信号は、受信系に関する監視信号(モニタ信号)であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
【0044】
第1の監視制御信号は、例えば、室内装置1と屋外装置2との間で監視や制御を行うための信号であり、種々な任意の利用が為されてもよい。
第2の監視制御信号は、例えば、室内装置1と屋外装置2との間で監視や制御を行うための信号であり、種々な任意の利用が為されてもよい。なお、本実施例では、第2の監視制御信号を用いて、屋外装置2から室内装置1へ、受信した送信系の信号のレベルを報告するための情報が通信される。
REF信号は、例えば、周波数などの基準となる信号である。
【0045】
また、同軸ケーブル3として用いられている高周波ケーブルは、一般的に、伝送される信号の周波数が高くなるほど損失が大きくなる周波数特性を有しており、当該損失は当該ケーブルの長さに比例する。
また、同軸ケーブル3の長さは、室内装置1や屋外装置2の設置場所の環境や、装置1、2間の距離などによって、変化する。
【0046】
次に、本発明に係る第1実施例を説明する。
図2には、本例の無線基地局システムの構成例を示してある。なお、概略的な構成については、上記図1に示した通りである。
室内装置1には、送信系11として結合器(CPL)31や可変利得器32が備えられており、受信系13として可変利得器33が備えられており、受信モニタ系14として可変利得器34が備えられており、送信モニタ系12として可変利得器35が備えられており、REF信号系17として基準周波数送信部36が備えられており、第2の監視制御信号系16として制御信号復調部37が備えられており、第1の監視制御信号系15として制御信号変調部38が備えられている。
【0047】
また、室内装置1には、可変利得器32〜35により、送信系や受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の信号のレベルを制御するための構成部として、レベル検出器41と、A/D(Analog to Digital)変換器42と、平均化処理部43と、比較制御部44と、送信系のD/A(Digital to Analog)変換器45と、収束結果取得部46と、ケーブル補正値設定部47と、メモリ48と、受信系のD/A変換器49と、受信モニタ系のD/A変換器50と、送信モニタ系のD/A変換器51が備えられている。
【0048】
屋外装置2には、送信系21として結合器(CPL)61が備えられており、第2の監視制御信号系26として制御信号変調部62が備えられており、第1の監視制御信号系25として制御信号復調部63が備えられている。
また、屋外装置2には、送信系や受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の信号のレベルを制御するための構成部として、レベル検出器71と、A/D変換器72と、平均化処理部73が備えられている。
【0049】
本例の無線基地局システムにより行われる動作の一例を示す。
一般的に、移動体通信向けの基地局では、常時、制御チャネル用の信号を所定の一定電力以上で送信している。当該信号は、送信系の信号として、送信される。
室内装置1では、装置起動又は初期化動作の後に、直ちに、送信系の送信信号(FL:フォワードリンク)の電力を、周波数多重器18及び可変利得器32の前段に配置されたレベル検出器41により、検出する。ここで、レベル検出器41は、本例では、電力検出器から構成されている。
【0050】
室内装置1からの送信系の信号は、可変利得器32を通過して、周波数多重器18により同軸ケーブル3へ出力され、そして、屋外装置2へ入力される。当該信号は、屋外装置2において、周波数多重器28により抽出された後に、結合器61を通過して、そして、増幅や周波数変換等の処理が行われる。ここで、増幅や周波数変換等の処理を行う構成部(図示せず)は、結合器61の後段に備えられている。
【0051】
また、屋外装置2では、室内装置1から受信入力された送信系の信号が結合器71により取り出され、当該取り出された信号の電力がレベル検出器71により検出される。ここで、レベル検出器71は、本例では、電力検出器から構成されている。
【0052】
なお、室内装置1のレベル検出器41や屋外装置2のレベル検出器71に関しては、例えば、それぞれ、単体の温度特性や経年変化特性が十分な精度で管理されるのが好ましい。また、これら2つのレベル検出器41、71は、同じ回路であることが好ましい。
【0053】
屋外装置2では、レベル検出器71による検出結果が、A/D変換器72によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、平均化処理部73により例えば所定の時間の間だけ平均化されて、当該平均化結果が制御信号変調部62へ出力される。当該平均化結果は、レベル検出器71により検出される電力レベルの平均値に相当し、当該平均値を表す情報が制御信号変調部73により変調された第2の監視制御信号に含まれて室内装置1に対して送信される。
【0054】
なお、当該情報は、例えば、制御信号変調部62により、なるべく低い周波数の高周波変調信号へ変換されて送信されるのが好ましい。周波数が低いことが良い理由は、同軸ケーブル3の長さによる損失の変化幅を小さくすることを図るためである。
【0055】
室内装置1では、屋外装置2の制御信号変調部62から送信される情報を制御信号復調部37により復調し、当該復調結果が比較制御部44へ入力される。当該復調結果は、屋外装置2の平均化処理部73で得られた平均値の情報を表す。
なお、制御信号復調部37のダイナミックレンジとしては、例えば、使用が想定される同軸ケーブル3の長さによる損失範囲に対して十分な余裕があるように設定されるのが好ましい。
【0056】
また、室内装置1では、レベル検出器41による送信系の信号の電力レベルの検出結果が、A/D変換器42によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、平均化処理部43により所定の時間の間だけ平均化されて、当該平均化結果が比較制御部44へ入力される。当該平均化結果は、レベル検出器41により検出される電力レベルの平均値に相当する。
【0057】
室内装置1の比較制御部44は、平均化処理部43から入力される情報と制御信号復調部37から入力される情報とを比較し、具体的には、送信系の信号の電力レベルについて、室内装置1のレベル検出器41により検出された結果の平均値と、屋外装置2のレベル検出器71により検出された結果の平均値との大小を比較する。
【0058】
そして、比較制御部44は、当該比較結果に基づいて、室内装置1での電力レベルの検出結果(平均化結果)に対して屋外装置2での電力レベルの検出結果(平均化結果)が適正な値となるように、送信系の可変利得器32の利得を制御する。
【0059】
ここで、比較制御部44では、例えば、室内装置1での検出結果(平均化結果)と屋外装置2での検出結果(平均化結果)との差が予め設定された値に近づくように制御することが行われ、入力レベルに対して予め設計するケーブル区間の標準損失量から決まる出力側の設定値に合わせるように制御することが行われる。他の構成例として、室内装置1での検出結果(平均化結果)と屋外装置2での検出結果(平均化結果)とを合わせるように制御する態様や、送信系の信号の可変利得器32及び同軸ケーブル3での損失が常に一定となるように制御する態様などを用いることも可能である。
【0060】
比較制御部45は、送信系の可変利得器32の利得を制御するための電圧信号をD/A変換器45及び収束結果取得部46へ出力する。当該電圧信号は、当該D/A変換器45によりデジタル信号からアナログ信号へ変換されて、可変利得器32の利得制御端子へ入力される。これにより、送信系の可変利得器32の利得が制御されて調整される。
【0061】
また、比較制御部45は、平均化処理部43からの入力と制御信号復調部37からの入力とを比較して当該比較結果に基づいて可変利得器32を制御する動作を繰り返して実行することにより、可変利得器32の利得が最適値になるように調整し、最適値となったときに動作が収束したものとみなす。本例では、予め設定された収束条件が達成されたときに、収束したものとして判定する。
【0062】
収束判定となった場合には、比較制御部44から出力される可変利得器32の制御電圧が収束結果取得部46により取得されて、当該制御電圧に基づいてケーブル補正値設定部47により同軸ケーブル3の長さが判定される。なお、同軸ケーブル3の長さの判定は、例えば、同軸ケーブル3の単位長さ当たりの周波数毎の損失量の情報などに基づいて行われる。
【0063】
メモリ48には、例えば生産時に予め、受信系と受信モニタ系と送信モニタ系の各系の可変利得器33、34、35毎に、且つ、同軸ケーブル3の長さ毎に、可変利得器に関する補正値が記憶されている。当該補正値としては、例えば、可変利得器に対する制御値を用いることができる。
【0064】
ケーブル補正値設定部47は、同軸ケーブル3の長さを判定した後に、当該判定結果に対応してメモリ48に記憶されている各系の可変利得器33、34、35に関する補正値を読み出し、当該読み出した補正値に従って各系の可変利得器33、34、35に対して制御のための電圧信号を出力する。当該電圧信号は、各系のD/A変換器49、50、51によりデジタル信号からアナログ信号へ変換されて、各系の可変利得器33、34、35の利得制御端子へ入力される。これにより、各系の可変利得器33、34、35の利得が制御されて調整が完了される。
【0065】
なお、本例では、それぞれの可変利得器32、33、34、35として、可変減衰器(可変ATT)を用いている。他の構成例として、可変利得増幅器などの種々なものを用いることも可能であり、同軸ケーブル3での損失分を補正するという観点からは可変利得増幅器を用いる方が好ましい場合が考えられる。
【0066】
図3を参照して、室内装置1により行われる動作の一例を示す。
室内装置1では、まず、電源がオン(ON)にされると(ステップS1)、比較制御部44やケーブル補正値設定部47により、各系の可変利得器32、33、34、35の利得として初期値が設定される(ステップS2)。当該初期値としては、同軸ケーブル3の長さがゼロ(0m)であるとみなした場合における値が設定され、可変利得器32〜35として可変減衰器を用いた場合には最大の減衰量が設定される。
【0067】
室内装置1では、次に、初期値として、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)として、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)とする(ステップS3)。
室内装置1では、次に、レベル検出器41により送信系の信号の電力レベルを検出して、当該検出した電力レベルの値M1を取得し(ステップS4)、平均化回数のカウント値N1を1だけ増加させるとともに、合計電力レベルの値LV1に当該検出した電力レベルの値M1を加算する(ステップS5)。
【0068】
室内装置1では、次に、平均化回数のカウント値N1が予め設定された所定の回数に達したか否かを比較して判定し(ステップS6)、平均化回数のカウント値N1が所定の回数に達していないと判定した場合には、レベル検出器41によるレベル検出及び検出結果の加算を繰り返して実行する(ステップS4、ステップS5)。なお、当該所定の回数としては、種々な回数が用いられてもよい。
【0069】
一方、室内装置1では、平均化回数のカウント値N1が所定の回数に達したと判定した場合には、合計電力レベルの値LV1を平均化回数のカウント値N1により割り算した結果の値L1(=LV1/N1)を平均化結果として取得する(ステップS7)。
【0070】
室内装置1では、次に、制御信号復調部37により屋外装置2から送信系の信号の受信電力レベルの平均値L2の情報が取得されているか否かを判定し(ステップS8)、未だ取得されていない場合には、取得されるまで待機する。
【0071】
一方、室内装置1では、屋外装置2から送信系の信号の受信電力レベルの平均値L2の情報が既に取得されていた場合或いは待機して取得された場合には、送信系の信号の電力レベルに関して、室内装置1での平均化結果L1と、屋外装置2での平均化結果L2と、可変利得器32に設定された補正値(本例では、ATT値)Pから決定される値Qが、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS9)。当該所定の条件としては、本例では、当該値Q(=L1−L2+P)が所定の目標値となるという条件が用いられている。
【0072】
この結果、当該所定の条件が満たされたことを判定した場合には、室内装置1では、可変利得器32に設定された補正値(本例では、ATT値)Pに基づいて同軸ケーブル3の長さを判定し(ステップS10)、当該判定した長さに基づいて送信系以外の系である受信系や受信モニタ系や送信モニタ系の可変利得器33、34、35に関する補正値を決定し(ステップS11)、当該補正値に基づいてこれらの可変利得器33、34、35の利得を制御するためのそれぞれの電圧を設定する(ステップS12)。
【0073】
これにより、利得の補正が完了し(ステップS13)、室内装置1では、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0074】
一方、上記した所定の条件が満たされないことを判定した場合には(ステップS9)、室内装置1では、上記した値Q(=L1−L2+P)と所定の目標値との大小を比較する(ステップS14)。
この結果、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて大きい場合には、送信系の信号の可変利得器32に関する補正値(本例では、ATT値)を1ビット(bit)減算させて、可変利得器32の利得を大きくし或いは減衰量を小さくし(ステップS15)、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0075】
また、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて小さい場合には、送信系の信号の可変利得器32に関する補正値(本例では、ATT値)を1ビット(bit)加算させて、可変利得器32の利得を小さくし或いは減衰量を大きくし(ステップS16)、再び、平均化回数のカウント値N1をゼロ(N1=0)とするとともに、合計電力レベルの値LV1をゼロ(LV1=0)として(ステップS3)、同様な処理を行う(ステップS4〜ステップS17)。
【0076】
また、室内装置1では、上記した値Qが目標値と比べて所定の正常範囲を超えて大きいか或いは小さい場合には、同軸ケーブル3などに関して異常な状態が発生したとみなして、本例の無線基地局システムを監視する装置や人などに対して、当該異常の発生を通知する(ステップS17)。なお、当該正常範囲としては、種々な範囲が用いられてもよい。
【0077】
図4を参照して、屋外装置2により行われる動作の一例を示す。
屋外装置2では、まず、電源がオン(ON)にされると(ステップS21)、初期値として、平均化回数のカウント値N2をゼロ(N2=0)として、合計電力レベルの値LV2をゼロ(LV2=0)とする(ステップS22)。
屋外装置2では、次に、レベル検出器71により送信系の信号の電力レベルを検出して、当該検出した電力レベルの値M2を取得し(ステップS23)、平均化回数のカウント値N2を1だけ増加させるとともに、合計電力レベルの値LV2に当該検出した電力レベルの値M2を加算する(ステップS24)。
【0078】
屋外装置2では、次に、平均化回数のカウント値N2が予め設定された所定の回数に達したか否かを比較して判定し(ステップS25)、平均化回数のカウント値N2が所定の回数に達していないと判定した場合には、レベル検出器71によるレベル検出及び検出結果の加算を繰り返して実行する(ステップS23、ステップS24)。なお、当該所定の回数としては、種々な回数が用いられてもよい。
【0079】
一方、屋外装置2では、平均化回数のカウント値N2が所定の回数に達したと判定した場合には、合計電力レベルの値LV2を平均化回数のカウント値N2により割り算した結果の値L2(=LV2/N2)を平均化結果として取得する(ステップS26)。
そして、屋外装置2では、取得した平均化結果の値L2の情報を制御信号変調部62から第2の監視制御信号に含めて室内装置1に対して通知する(ステップS27)。
【0080】
以上のように、本例の無線基地局システムでは、複数の高周波信号(本例では、計7波の系の信号)が周波数多重されている1本のケーブル3の損失について、当該ケーブル3で接続される両方の装置1、2に配置された検出器41、71により1つの周波数信号の出力或いは入力の高周波電力をそれぞれ検出し、当該電力検出結果に基づいて可変利得器32により当該周波数におけるケーブル3の損失を補償し、更に、当該補償結果に基づいてケーブル3の長さを特定し、電力検出を行った信号周波数とは異なる所定の各周波数信号系に関してケーブル3の長さ毎に可変利得器補正値を記憶したメモリ48の記憶内容を用いて、当該各周波数系の可変利得器33、34、35により当該各周波数系のケーブル損失を補償することが行われ、これらの処理が制御回路により制御される。
【0081】
従って、本例の無線基地局システムでは、1本のケーブル3に複数の周波数信号を多重して2つの装置1、2を接続するに際して、例えばユーザによる操作が無くとも自動的に、信号周波数毎にケーブル損失を補正することができ、これにより、例えば、装置1、2を設置する時における高周波ケーブルの校正作業を自動化することが可能となり、また、環境変化により高周波ケーブルの損失が変化したような場合においても最適な補正が可能となる。
【0082】
また、本例の無線基地局システムでは、電力検出が行われる送信系以外の系については、電力検出が行われなくとも、ケーブル損失を補正することができる。
また、本例の無線基地局システムでは、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73が当該屋外装置2の側に備えられているため、例えば当該平均化処理部73の機能を室内装置1の側に備えた場合と比べて、屋外装置2から室内装置1への通信速度を低速化することが可能となる。
【0083】
このように、本例の無線基地局システムでは、ケーブル損失の補正処理を自動的に行うことが可能であるため、例えば、装置設置時やメンテナンス時における人手による煩雑な校正作業を不要とすることが可能であり、また、環境変化によるケーブル損失の変動についても自動的に校正することができ、メンテナンスフリーなシステムを実現することが可能である。
【0084】
例えば、屋外装置2は屋外や塔頂などに配置されることが多く、高周波ケーブルの温度変化によりケーブル損失が容易に変化することが予想されるが、本例では、定期的或いは常時にケーブル損失に対する補正動作を行うことにより、最適な状態を維持することができる。
【0085】
なお、本例の無線基地局システムでは、室内装置1により第1の装置が構成されており、屋外装置2により第2の装置が構成されており、送信系11の信号により基準となる周波数信号が構成されている。
また、本例の室内装置1では、レベル検出器41の機能や平均化処理部43の機能により送信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されており、制御信号復調部37の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段が構成されており、比較制御部44の機能や可変利得器32の機能や収束結果取得部46の機能やメモリ48の機能やケーブル補正値設定部47の機能や可変利得器33、34、35の機能により基準以外周波数信号レベル制御手段が構成されている。
【0086】
また、本例の室内装置1では、比較制御部44の機能や可変利得器32の機能により基準周波数信号レベル制御手段が構成されており、比較制御部44による制御結果(本例では、収束結果に対応したケーブル長)と各可変利得器33、34、35の制御態様との対応を記憶するメモリ48の機能により基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段が構成されている。
また、本例の屋外装置2では、レベル検出器71の機能や平均化処理部73の機能により受信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されており、制御信号変調部62の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段が構成されている。
【0087】
次に、本発明に係る第2実施例を説明する。
図5には、本例の無線基地局システムの構成例を示してある。なお、概略的な構成については、上記図1に示した通りである。
ここで、本例の無線基地局システムの構成や動作は、例えば、上記第1実施例の上記図2に示した無線基地局システムの構成や動作と比較して、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73の機能が屋外装置2の側ではなく室内装置1の側に平均化処理部81として備えられている点を除いては、上記第1実施例の上記図2に示した無線基地局システムの構成や動作と同様である。図5では、上記図2に示したのと同様な構成部分については、同一の符号を用いて示してある。
【0088】
本例の屋外装置2では、レベル検出器71による検出結果がA/D変換器72によりA/D変換されて、当該A/D変換結果の情報が制御信号変調部62から第2の監視制御信号に含められて室内装置1に対して送信される。
また、本例の室内装置1では、屋外装置2のレベル検出器71によるレベル検出結果の情報が制御信号復調部37により復調され、当該レベル検出結果が平均化処理部81により平均化されて、当該平均化結果が比較制御部44へ入力される。
【0089】
以上のように、本例の無線基地局システムでは、各周波数信号に関するケーブル損失についての補正を効率的に行うことができる。
なお、本例の屋外装置2では、レベル検出器71の機能により受信側基準周波数信号レベル検出手段が構成されている。また、本例では、室内装置1の平均化処理部81の機能により受信側基準周波数信号レベル検出結果平均化手段が構成されている。
【0090】
次に、以上に示した本発明に係る実施例(第1、2実施例)について、他の構成例を示す。
一構成例として、室内装置1のレベル検出器41による検出結果を平均化する平均化処理部43の機能や、屋外装置2のレベル検出器71による検出結果を平均化する平均化処理部73、81の機能が、備えられないような構成を実施することも可能である。
【0091】
一構成例として、本実施例ではレベル制御を行う対象となる全ての周波数信号についての可変利得器32、33、34、35によるレベル制御を室内装置1の側で行ったが、これらの周波数信号の全て或いは一部についての可変利得器によるレベル制御を屋外装置2の側で行うような構成(ここで、構成Aと言う)を実施することも可能である。
【0092】
なお、このような構成(構成A)を実施することも可能であるが、本実施例に係る構成の方が、(1)ケーブル長対補正値の記憶テーブルを装置毎の個別値(生産時に書き込む調整値)とする場合に制御が複雑とならない点や、(2)一般的に室内装置側と比べて屋外装置側の方が環境条件の変化が大きいために可変利得器及び制御回路を室内装置側にまとめた方が誤差や信頼性の面で有利となる点で、好ましい。
一方、当該(1)に関して無調整の可変利得器を使用することができるような場合や、当該(2)に関して環境の差が無い場合或いは環境の差が問題とならないような場合には、必要な情報を第1或いは第2の監視制御信号に含めることにより、このような構成(構成A)を実施することも有効である。
【0093】
一構成例として、送信系11以外の系の周波数信号を基準としてケーブル損失を補正する構成を実施することも可能である。一例として、常時に一定レベル以上の信号が存在するような系がある場合には、当該系の信号を基準として用いるのが好ましい。
【0094】
なお、本実施例では、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いた無線基地局システムが想定され、当該無線基地局システムでは一般に運用中のフォワードリンク系(送信系)には、常時、制御信号等の或る一定電力以上の信号が存在することから、当該信号を基準として有効に利用することができる。一方、当該無線基地局システムでは、リバースリンク系(受信系)には、信号が全く無い場合も想定され、また、入力があっても電力が微小なことが多く、電力検出が困難である。また、当該無線基地局システムでは、モニタ系(送信モニタ系、受信モニタ系)には、例えば、テスト信号が外部から入力されたときのみ信号が存在するため、常時に制御することが困難である。
【0095】
また、本発明の適用対象としては、必ずしも室内装置と屋外装置から成るシステムに限定されることはなく、例えば、或る一定電力レベル以上の信号が常時1系以上存在するようなシステムや、周波数軸上に複数の信号が多重されて伝送路がまとまっているようなシステムや、伝送路の損失の環境による変化量が予め推定されるようなシステムなどに、特に有効に適用することが可能である。
【0096】
また、本発明の適用対象は、第1の装置と第2の装置とを有線のケーブルで接続するシステムであるが、例えば、本発明と同様な構成を、第1の装置と第2の装置とを無線の伝送路により接続するようなシステムに適用することも可能である。
なお、一般に、無線通信では、伝送路の各周波数に関する変動量を予め予測することが困難である場合が多く、無線区間において各周波数毎の信号がフェージング等により個別に変動することから、本発明を適用することが容易ではないこともあり得るが、同様な構成を適用することは可能である。
【0097】
ここで、本発明に係る通信システムや第1の装置や第2の装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0098】
また、本発明に係る通信システムや第1の装置や第2の装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る通信システムによると、第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する構成において、第1の装置ではケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出し、第2の装置ではケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルを検出し、更に、第1の装置などにおいて、第1の装置における検出結果と第2の装置における検出結果との比較結果に基づいて第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御するようにしたため、それぞれの周波数信号のケーブルでのレベル損失分を効率的に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る無線基地局システムの概略的な構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る無線基地局システムの構成例を示す図である。
【図3】室内装置により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図4】屋外装置により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る無線基地局システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1・・室内装置、 2・・屋外装置、 3・・同軸ケーブル、
11、21・・送信系、 12、22・・送信モニタ系、
13、23・・受信系、 14、24・・受信モニタ系、
15、25・・第1の監視制御信号系、
16、26・・第2の監視制御信号系、 17、27・・REF信号系、
18、28・・周波数多重器、 31、61・・結合器、
32〜35・・可変利得器、 36・・基準周波数送信部、
37、63・・制御信号復調部、 38、62・・制御信号変調部、
41、71・・レベル検出器、 42、72・・A/D変換器、
43、73、81・・平均化処理部、 44・・比較制御部、
45、49〜51・・D/A変換器、 46・・収束結果取得部、
47・・ケーブル補正値設定部、 48・・メモリ、
Claims (3)
- 第1の装置と第2の装置との間で共通のケーブルを介して複数の周波数信号を通信する通信システムにおいて、
第1の装置は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルを検出する送信側基準周波数信号レベル検出手段を備え、
第2の装置は、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルを検出する受信側基準周波数信号レベル検出手段を備え、
更に、当該通信システムは、第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果との比較結果に基づいて第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する基準以外周波数信号レベル制御手段を備えた、
ことを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
第1の装置の送信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第2の装置に対して送信する周波数信号の中で基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出し、
第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段は、ケーブルを介して第1の装置から受信される基準となる周波数信号のレベルの平均値を検出し、
更に、第2の装置は、受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を第1の装置に対して送信する受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段を備え、
更に、第1の装置は、第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出結果送信手段により送信される第2の装置の受信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果を受信する受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段を備え、
更に、基準以外周波数信号レベル制御手段は、第1の装置に備えられ、
基準以外周波数信号レベル制御手段は、送信側基準周波数信号レベル検出手段による検出結果と受信側基準周波数信号レベル検出結果受信手段により受信される検出結果との比較結果に基づいてケーブルを介して第2の装置に対して送信する基準となる周波数信号のレベルを制御する基準周波数信号レベル制御手段と、基準周波数信号レベル制御手段による制御結果と第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する態様との対応を記憶する基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段を有しており、基準周波数信号レベル制御結果基準以外周波数信号レベル制御態様対応記憶手段の記憶内容に基づいて基準周波数信号レベル制御手段による制御結果に対応した制御態様で第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して通信する基準となる周波数信号以外の周波数信号のレベルを制御する、
ことを特徴とする通信システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の通信システムにおいて、
当該通信システムは、無線基地局システムであり、
第1の装置は、室内装置であり、
第2の装置は、屋外装置であり、
基準となる周波数信号は、送信系の信号であり、
第1の装置と第2の装置との間でケーブルを介して複数の周波数信号を多重化して通信する、
ことを特徴とする通信システム。
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