JP2005017986A - Nd filter, method for manufacturing nd filter and light quantity attenuation device and camera having such nd filter - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NDフィルタ、NDフィルタの製造方法、及びこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置、カメラに関し、特にビデオカメラあるいはスチルビデオカメラ等の撮影系に使用するのに適したグラデーション濃度分布を有するNDフィルタの製造方法及びNDフィルタ、並びにこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、デジタルビデオカメラの絞り装置は、図3に示すような構造に構成されている。このような絞り装置に、同図の31に示されるNDフィルタを用いているのは、つぎのような理由による。撮像画像が明るすぎると絞り羽根は光量を減少させるため、閉める方向に動く。しかし、ある大きさより開口径を小さくすると光線の回折現象が起き、画像の解像度が低下する。この最小絞りを“小絞り”と呼んでいるが、この小絞り時の透過量をより下げるために、NDフィルタによってCCDに到達する光量を減らしている。
【0003】
近年、撮像素子の感度が向上するに従い、前記NDフィルタの濃度を濃くして、光の透過率をさらに低下させ、被写界の明るさが同一でも絞りの開口を大きくする様になってきている。しかしながら、この様にNDフィルタの濃度が濃くなると、図3に示すような状態において、フィルムを通過した光aと通過しない光bの光量差が大きく異なり、画面内で明るさが異なる“シェーディング”現象が起きたり、解像度が低下してしまうという欠点が生じる。そこで、このような欠点を解決するために、NDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となるような構造を取る必要が出てくる。
【0004】
従来において、光量絞り装置の主要部分であるNDフィルタは、フィルム状をなす材料(セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)、塩化ビニル等)中に光を吸収する有機色素または顔料を混ぜ、練り込むタイプのものを使用してきた。
しかし、前記NDフィルタの濃度を光軸中心に向かって順次透過率が大となる様な構造を得ようとすると、従来方法では作製がかなり困難である。
【0005】
このような濃度が変化するタイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルタに関して、本発明者らは、特許文献1、特許文献2、特許文献3、等において、マイクロ写真法による濃度可変タイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルタの作製方法等を提案している。当時のビデオカメラではこの方法により作製したNDフィルタで画質の向上が図られたが、近年のCCDの更なる高感度化、小型化、高画質対応により特に特殊条件での使用(例えば逆光下での小径絞り状態)において、銀塩粒子での光の散乱による影響により画質が劣化してしまうことがある。
また、特許文献4には、真空蒸着法により楕円形グラデーションフィルタの製造方法が開示されている。この方法では、微少領域(例えば3mmの範囲で透過率3%から80%までの変化等)での濃度変化ができない欠点がある。
【0006】
このようなことから、本発明者らは、より理想的な濃度可変タイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルタを得るため、蒸着方法によりそれらを作製することについて、特願2002−220762号、特願2002−220770号、特願2002−220776号等において既に提案をしている。この先行例の例えば特願2002−220776号には、図9に示されるような真空蒸着機を用いた蒸着方法による上記した濃度可変タイプのNDフィルタの作製方法について、つぎのように記載されている。この真空蒸着法においては、図9の様にチャンバー内の基板は蒸着傘101に備え付けられ、この蒸着傘101と共に基板102が回転し成膜が行われる。この基板102の成膜側に例えば図10に示すようなスリット型のマスクを設けることにより、蒸着源103と基板102との位置関係から、蒸着する蒸着粒子はスリットを通過し基板102に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板102まで到達できなかったりすることになり、例えば図11(a)に示すような膜厚分布を得ることとなる。図11(a)の横軸は基板上の位置で、図11(b)と対応している。縦軸は膜厚である。
【0007】
このような蒸着方法による上記した濃度可変タイプのNDフィルタの作製方法のメリットは、最適な膜構成で成膜を行えば、良好な分光特性が得られることである。例えば、分光透過率の波長依存性の少ないものが得られることである。
NDフィルタとしては、各波長で均一に透過光量を減衰させることが重要である。特別な波長の透過率が高い場合、色バランスが崩れてくる。
可紫光(400nmから700nm)の範囲で、400nm近傍の透過率が高い場合は、画像が青っぽくなり、700nm近傍の透過率が高い場合は、画像が赤っぽくなる。
また、分光反射率も最適な膜構成で成膜を行えば、2%以下もしくは1%以下にすることが可能で、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に搭載された場合、ゴースト・フレア現象が発生しない。
【0008】
【特許文献1】特許第2754518号公報
【特許文献2】特許第2771078号公報
【特許文献3】特許第2771084号公報
【特許文献4】特開平11−38206号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した蒸着法によって上記NDフィルタを作製する場合においては、一方で蒸着源が高温になるため、蒸着源からの輻射熱で基板の温度が上がってしまうこととなり、この温度による影響は、プラスチック基板を用いる場合に特に問題となる。プラスチック基板は、ガラスに比べ割れないため、光量絞り装置を薄く作製することが可能となる点で有利であるが、一般的に光学薄膜を蒸着法で成膜する場合において、ガラス基板では基板温度を300℃以上の温度で加熱することが可能であるのに対して、プラスチック基板の場合には、あまり温度を上げることができないというデメリットがある。
【0010】
例えば、延伸されたPETフィルムの場合、80℃から寸法の収縮現象が起こり、実際の蒸着では、成膜後で160℃前後まで温度上昇し、室温に戻るとかなりの収縮率になる。
その結果、NDフィルタの寸法ずれが生じて、同一面内で濃度の異なるNDフィルタの場合、絞り値のずれ(FNO.ずれ)が生じる問題がある。
同一面内で濃度が異なるNDフィルタにも大きく分けて、
▲1▼2〜3ケの均一濃度部があって、それらの濃度が例えばND0.5,ND1.0,ND1.5の3領域になっている、ステップ型に濃度変化する場合と、
▲2▼連続的に濃度がND0.1〜ND1.5に変化する場合がある。
ステップ型に濃度変化する場合は、濃度境界部の位置のずれが問題になる。
また、連続的に濃度変化する場合は、全体のバランスが崩れるため、後者の方がより、寸法精度が問題となってくる。
【0011】
そこで、本発明は、上記課題を解決し、蒸着法によりプラスチック基材上に連続的に膜厚分布が変化する膜を形成したNDフィルタにおいて、熱収縮による寸法ずれによる影響の少ないNDフィルタ、NDフィルタの製造方法、及びこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置、カメラを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のように構成したNDフィルタ、NDフィルタの製造方法、及びこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置、カメラを提供する。
すなわち、本発明のNDフィルタは、基材上に連続的に膜厚分布が変化する膜を形成し、透過光量を変えるようにしたNDフィルタであって、前記基材が延伸加工の施されたプラスチックフィルムで構成され、前記膜による連続的な膜厚分布の変化方向が、前記延伸加工の施されたプラスチックフィルムの延伸方向と略垂直であることを特徴としている。その際、この延伸加工の施されたプラスチックフィルムとして、2軸延伸加工の施されたプラスチックフィルムを用いた場合には、前記膜による連続的な膜厚分布の変化方向が該2軸延伸加工の施されたプラスチックフィルムの主延伸方向と略垂直に構成する。
また、本発明のNDフィルタは、前記プラスチックフィルムとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムのいずれかの材料を用いることができる。
また、本発明のNDフィルタの製造方法は、蒸着法を用いて延伸加工の施されたプラスチックフィルムの基板上に、連続的に膜厚分布が変化する膜を形成し、透過光量を変えるようにしたNDフィルタを作製するNDフィルタの製造方法であって、前記延伸加工の施されたプラスチックフィルムの基板上に、前記連続的に膜厚分布が変化する膜を、該プラスチックフィルムの延伸方向と略垂直な方向に形成する工程を有することを特徴としている。この前記延伸加工の施されたプラスチックフィルムとして、2軸延伸加工の施されたプラスチックフィルムを用いた場合には、前記工程において前記連続的に膜厚分布が変化する膜を、該プラスチックフィルムの主延伸方向と略垂直な方向に形成する。
また、本発明のNDフィルタの製造方法は、前記膜の蒸着法として、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法のいずれかを用いることができる。その際、予め熱収縮率を考慮して寸法が修正されたマスクを用いNDフィルタを作製する構成を採ることができる。
また、本発明の光量絞り装置は、相対的に駆動されて絞り開口の大きさを可変する複数の絞り羽根と、該絞り羽根により形成された開口内の少なくとも一部に配置される光量調整のためのNDフィルタとを備えた光量絞り装置において、前記NDフィルタが、上記いずれかに記載のNDフィルタ、または上記いずれかに記載の製造方法によって製造されたNDフィルタで構成することができる。
また、本発明のカメラは、光学系と、該光学系を通過する光量を制限する上記記載の光量絞り装置と、該光学系によって形成される像を受ける固体撮像素子を有する構成とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記構成により、熱収縮による寸法ずれによる影響の少ないNDフィルタ、NDフィルタの製造方法、及びこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置、カメラを実現するようにしたものであるが、それは本発明者らの鋭意検討した結果による、つぎのような知見に基づくものである。
すなわち、図4に示すように、NDフィルタ43は絞り羽根41に貼られているが、ここで、光学的に影響を及ぼすのは、羽根の開口端部である図4に示されるDからX2、DからX1、Dから0までの各距離であるが、本発明者らはこれらの距離のバラツキがどのように生ずるかについて、詳細に調査した結果、特定の個所に発生する寸法変化のバラツキが蒸着工程における加熱温度に起因するPETの熱収縮によるものであることが明らかとなった。
【0014】
そして、これによりNDフィルタの濃度変化方向を、主延伸方向に対して略垂直とすることにより、羽根の開口端部DからNDフィルタ上の位置X2、羽根の開口端部DからNDフィルタ上の位置0までの距離を一定にすることが可能となり、これらの距離のバラツキにより生じる問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成するに到ったものである。
【0015】
以下に、これらの詳細について説明するが、これらについての理解を容易とするため、まず、このようなNDフィルタが光量絞り装置にどのような形態で用いられるかについて説明する。
光量絞り装置の主要部分であるNDフィルタ11および絞り羽根12は、図1に示すような構成をとっている。
ガラス基材を用いないでプラスチックフィルムを使用している主たる理由としては、前にも述べたがプラスチックフィルムはガラスに比べ割れないため、図3に示す光量絞り装置を薄く作製することが可能となる点が挙げられる。
その結果、図3に示す光学断面図において、レンズ36A、レンズ36Bの間の間隔を短くすることができ、より高倍率の画像を得ることが可能となる。プラスチックフィルムの板厚は、100μm以下も可能であり50μmのものもある。
【0016】
因みに図3で36A,36B,36C,36Dは撮影光学系36を構成するレンズ、37は固体撮像素子で38はローパスフィルタである。また31から34は絞り装置で、31がNDフィルタ、32と33が対向的に移動する絞り羽根で、2枚の絞り羽根は略菱形の開口を形成する。NDフィルタは普通、絞り羽根に接着されている。34は絞り羽根支持板である。
【0017】
図4は図3において絞り部分の位置を光線aおよびbの入射方向から見た濃度連続変化タイプNDフィルタの絞り装置の図である。NDフィルタ43は図1のように羽根41に貼られている。
図4はこれらの羽根が互い違いに動作することにより開口部Cの大きさを制御している状態を示している。図中41、42は絞り駆動する羽根であり、この場合には、41の羽根にNDフィルタ43が接着剤により固定されており、42はNDフィルタが張られていないもう片方の羽根を構成している。
図5(c)はNDフィルタ全体を示しており、透明プラスチックベースの片面または両面に多層の誘電体を蒸着することにより得られる。
特に濃度が連続的に変化する構造を有しており、これは前述したように図9に示すような基板回転ドーム上に、基板と一体で配置されるスリットマスクを使用することにより得られる。
透明プラスチックとしては、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが用いられる。
【0018】
つぎに、図4を用いて濃度変化部の構成を説明する。
図4において、NDフィルタ43の端面を0とした時、濃度が濃くなる方向にX1,X2,X3,X4,X5と各位置に記号が付けられている。
この例では、NDフィルタの濃度変化方向の端から端までの距離は、5.1mmであり、以下の▲1▼〜▲5▼にこれらの各部について説明する。
▲1▼0〜X1:透明部 幅1mm(PET基材に反射防止膜を両面成膜した部分)
▲2▼X1〜X2:連続濃度変化部 幅1.6mm、濃度0.1〜濃度1.2の変化領域。
▲3▼X2〜X4:最高濃度部1.2 幅0.5mm。
▲4▼X3〜X4:開口端部付近X3から接着用の成膜されない部分までの区間。
▲5▼X4〜X5:羽根に接着する部分で蒸着膜が成膜されていると接着強度が低下するため、マスクで覆い、基材が露出している部分 幅2mm。である。これをグラフにしたのが図6である。また、NDフィルタの断面構造を図7に示してある。
【0019】
ここで、光学的に影響を及ぼすのは、羽根の開口端部である図4に示されるDからX2、DからX1、Dから0までの各距離である。
これらの距離にバラツキが生じると、光量値が各々異なってしまい、不具合が生じる。そのため、これらの距離を各々一定にする必要がある。
(ここで、X3は、NDフィルタ上の位置を表わしており、羽根の開口端部D付近に相当する位置である。)
次に、これらの距離のバラツキがどのように生ずるのかを、以下のように調査した。
まず、その前にNDフィルタの製造工程の概略について説明する。
NDフィルタは、以下の(1)〜(9)の製造工程を経て作製される。
(1)基材である透明なプラスチックフィルムを、プレスで抜き加工を行う。
(2)蒸着治具に上記透明なプラスチックフィルムをセットする。この時、位置決めを行う基準ピンが治具に取り付けられており、プラスチックフィルムにはそれに対応する基準穴が設けられている。その上に外枠のみ設けられた全面成膜用のマスクをセットする。
(3)反射防止コート(ARコート)の蒸着を行う。(図7に示す702のND部と反対側の面。)
(4)次に、プラスチックフィルムを裏返してセットし、その上に連続的に濃度分布が変化するNDフィルタの膜を形成するための、直線スリットマスクをスペーサを介してセットする。両者には位置決め用の基準穴が設けられている。
(5)NDフィルタを構成する膜の蒸着を行う(図7に示す701)。
(6)NDフィルタの成膜面と同じ面に、(5)で成膜した部分を覆うマスクをセットし反射防止コート(ARコート)の蒸着を行う。(図7に示す702のND部と同一面側)
このようにして形成された完成図を図5(a)に示す。
(7)蒸着されたプラスチックフィルムのシートをシート上のある位置(図5 (a)に示す51)を基準にして外形プレス抜きを行う。
(8)プレス抜きした後の外形は、図5(b)の略台形の様になる。これを剥がして、図1に示す形状のNDフィルタを完成させる。
(9)前記プレス抜きされたNDフィルタを絞り羽根に張り付け位置を確認して接着する。例えば、図2の23に示す様なラインに合わせるために、度当たり治具を用いて、位置合わせを行う。
以上が、NDフィルタの製造工程の概略である。
【0020】
次に、これらの距離を一定にするためには、上記NDフィルタの製造工程のどのような工程に注目すればよいかを考察する。
図4において、NDフィルタの端面0と羽根開口部Dの距離は、バラツキは少なが、端面部0〜X1、0〜X2には、100〜200μmのバラツキが発生した。
前記のバラツキを調査したところ、真空蒸着工程での寸法変化が大きいことが分かった。真空蒸着工程において、基板加熱温度は110℃であるが、蒸着中に温度上昇し、サーモラベルで蒸着中の温度を測定したところ、160℃に達していた。
プラスチックフィルムには、材質厚75μmのPETを用い、蒸着前後でのPETの寸法を比較した。
【0021】
以下にその結果を示す。
【0022】
【表1】A方向の寸法調査結果
【0023】
【表2】B方向の寸法調査結果
表1、表2にPETフィルムの図5(d)に示すA方向、B方向の蒸着前後の寸法を測定した結果である。A方向で0.76%,B方向で0.33%の収縮率である。PETの熱収縮は、シート加工時の延伸方向と関係がある。
【0024】
一般に、プラスチックフィルムは、強度を向上させる理由により一方向に延伸をかける1軸延伸と二方向に延伸をかける2軸延伸があり、どちらかを用いている。2軸の場合も一般的にはロール方向の延伸力が強く主延伸となり、主延伸の方向の方がその直交する方向より熱収縮が大きくなる。未延伸プラスチックは一般的に強度が弱く用いられない。
延伸は、プラスチックフィルムの融点以下で二次転移点以上に加熱しながら、縦横2軸延伸を行い、延伸加工後はフィルム分子配向を固定するため、加熱し固定させている。
しかしその後、転移点以上に温度が上がると、分子配列の熱記憶が発生し、熱収縮が発生する。
今回用いられているPETは、2軸延伸加工が施されていて、図5(d)に示すA方向が主延伸方向、B方向がそれと直交方向である。
この結果から、前述のバラツキの原因がPETの熱収縮にあることがわかる。
NDフィルタの濃度変化方向を、主延伸方向に対して略垂直とすることにより、無作為の方向の時と比較して、寸法変化を1/2以下にすることが可能になった。
また、熱収縮率を考慮して予めマスクの寸法を修正して作成することにより、無作為の方向の時と比較して寸法変化を1/10以下にすることが可能になった。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例においては、NDフィルタを、つぎの(1)〜(9)の製造工程により作製した。
(1)高透過率の材厚75μmのPETの主延伸方向をNDフィルタの濃度変化方向と略垂直方向にベース材の外形プレス抜きを行う。
(2)蒸着治具に上記透明なプラスチックフィルムをセットする。この時、位置決めを行う基準ピンを治具には取り付けられており、プラスチックフィルムにはそれに対応する基準穴が設けられている。その上に外枠のみ設けられた全面成膜用のマスクをセットする。
(3)反射防止コート(ARコート)の蒸着を行う。(図7に示す702のND部と反対側の面。)
(4)次に、プラスチックフィルムを裏返してセットし、その上に連続的に濃度分布が変化するNDフィルタの膜を形成するための、直線スリットマスクをスペーサを介してセットする。両者には位置決め用の基準穴が設けられている。
(5)NDフィルタを構成する膜の蒸着を行う(図7に示す701)。
【0026】
ここで、一例として、このようにして形成された膜構成を、図8に示す。
(6)NDフィルタの成膜面と同じ面に、マスクをセットし反射防止コート(ARコート)の蒸着を行う。(図7に示す702のND部と同一面側)
このようにして形成された完成図を図5に示す。
(7)蒸着されたプラスチックフィルムのシートをシート上のある位置(図5 (a)に示す51)を基準にして外形プレ抜きを行う。
(8)プレス抜きした後の外形は、図5(b)の略台形の様になる。これを剥がして、図5(c)に示す形状のNDフィルタが完成する。
(9)前記プレス抜きされたNDフィルタを絞り羽根に張り付け位置を治具を用いて確認し、接着する。
【0027】
その結果、寸法0〜X1、0〜X2のバラツキを±20μmにすることが可能となった。
このことから、羽根の開口部DからNDフィルタ上の位置X2、及び開口部DからNDフィルタ上の位置0までの距離のバラツキを±20μmにすることが可能になった。
これを組み込むことにより、ビデオカメラの絶対光量を均一にすることが可能となった。
一般的にはレンズの明るさを示すFナンバーがあるが、この絞りを搭載しているビデオカメラの機器差は±0.2に抑えることが可能となり、機器により同じFナンバーで明るさが異なるということを無くすことができた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸着法によりプラスチック基材上に連続的に膜厚分布が変化する膜を形成したNDフィルタにおいて、熱収縮による寸法ずれによる影響の少ないNDフィルタ、NDフィルタの製造方法、及びこれらのNDフィルタを有する光量絞り装置、カメラを実現することができる。これにより、光量絞り装置におけるNDフィルタの熱収縮による寸法ずれによって生じる、光量値の異なりに起因する不具合を解決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための濃度可変タイプ(グラデーションタイプ)のNDフィルターが羽根に貼られている図。
【図2】本発明の実施の形態を説明するための度当たり治具でNDフィルタの位置を合わせた図。
【図3】本発明を説明するための撮影系にNDフィルタを配した時の作用を示すための光学断面図。
【図4】本発明を説明するための絞り装置の状態を表わした図。
【図5】(a)は本発明の実施の形態を説明するための成膜されたプラスチックフィルムの状態を表わした図、(b)は成膜されたプラスチックフィルムをプレス抜きした状態を表わした図、(c)はプレス抜きした後に剥されて完成したNDフィルタの構成を示す図、(d)は本発明を説明するためのプラスチックフィルムの収縮率を調べた時の図。
【図6】連続濃度変化タイプNDフィルタの距離vs.濃度の関係を表わした図。
【図7】本発明の実施の形態及び実施例におけるNDフィルタの断面構成図。
【図8】本発明の実施例におけるNDフィルタの膜構成図。
【図9】本発明の先行例における真空蒸着法によるNDフィルタの製造方法を説明するための図であり、(a)は真空蒸着機におけるチャンバー内の構成図、(b)は基板の拡大図である。
【図10】本発明の先行例に用いられるスリット型マスクとマスク形状を示す図。
【図11】本発明の先行例におけるスリット型マスクによる膜厚分布シミュレーション例を示す図。
【符号の説明】
11:NDフィルタ
12:絞り羽根
23:度当たり治具
36A,36B,36C,36D:撮影光学系36を構成するレンズ
37:固体撮像素子
38:ローパスフィルタ
31:NDフィルター
32,33:絞り羽根
34:絞り羽根支持板
51:切断基準線
41:NDフィルタが貼られている方の絞り羽根
42:NDフィルタが貼られていないもう片方の羽根
43:NDフィルタ
A:主延伸方向
B:主延伸方向と略垂直方向
C:開口部
D:開口部端部
701:NDフィルタ膜
702:反射防止膜
703:PETフィルム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ND filter, a method for manufacturing the ND filter, a light amount diaphragm device and a camera having these ND filters, and in particular, has a gradation density distribution suitable for use in a video camera or a still video camera or the like. The present invention relates to a method for manufacturing an ND filter, an ND filter, and a light quantity reduction device including these ND filters.
[0002]
[Prior art]
In general, a diaphragm device of a digital video camera is configured as shown in FIG. The reason why the ND filter shown by 31 in the drawing is used in such a diaphragm device is as follows. If the captured image is too bright, the diaphragm blades move in the closing direction to reduce the amount of light. However, if the aperture diameter is made smaller than a certain size, a light diffraction phenomenon occurs and the resolution of the image decreases. This minimum aperture is called a “small aperture”, but the amount of light reaching the CCD is reduced by an ND filter in order to further reduce the amount of transmission at the time of this small aperture.
[0003]
In recent years, as the sensitivity of the image pickup device has improved, the density of the ND filter is increased to further reduce the light transmittance, and the aperture of the diaphragm is increased even if the brightness of the object field is the same. Yes. However, when the density of the ND filter is increased in this way, in the state as shown in FIG. 3, the light amount difference between the light a that has passed through the film and the light b that has not passed is greatly different, and “shading” in which the brightness differs within the screen. There is a drawback that the phenomenon occurs or the resolution is lowered. Therefore, in order to solve such drawbacks, it is necessary to adopt a structure in which the transmittance of the ND filter increases in order toward the center of the optical axis.
[0004]
Conventionally, the ND filter, which is the main part of the light quantity reduction device, has an organic dye or pigment that absorbs light in a film-like material (cellulose acetate, polyethylene terephthalate (hereinafter referred to as PET), vinyl chloride, etc.). I have been using a mixture and kneading type.
However, if an attempt is made to obtain a structure in which the transmittance of the ND filter gradually increases toward the center of the optical axis, it is very difficult to manufacture with the conventional method.
[0005]
Regarding the ND filter of such a type in which the density changes (gradation type), the inventors have disclosed a density variable type (gradation type) by microphotography in
Patent Document 4 discloses a method for manufacturing an elliptical gradation filter by a vacuum deposition method. This method has a drawback that the density cannot be changed in a very small region (for example, a change from 3% to 80% transmittance in the range of 3 mm).
[0006]
In view of the above, the present inventors have disclosed Japanese Patent Application No. 2002-220762 and Japanese Patent Application No. 2002 about producing them by a vapor deposition method in order to obtain a more ideal density variable type (gradation type) ND filter. No. 220770, Japanese Patent Application No. 2002-22076, etc. have already made proposals. In this prior example, for example, Japanese Patent Application No. 2002-22076, a method for producing the above-described concentration variable type ND filter by a vapor deposition method using a vacuum vapor deposition machine as shown in FIG. 9 is described as follows. Yes. In this vacuum vapor deposition method, as shown in FIG. 9, the substrate in the chamber is attached to the vapor deposition umbrella 101, and the
[0007]
The merit of the above-described method of producing a variable density type ND filter by such a vapor deposition method is that good spectral characteristics can be obtained if the film is formed with an optimum film configuration. For example, it is possible to obtain a light having a small spectral dependency of wavelength.
It is important for the ND filter to attenuate the amount of transmitted light uniformly at each wavelength. When the transmittance at a special wavelength is high, the color balance is lost.
In the range of purple light (400 nm to 700 nm), when the transmittance near 400 nm is high, the image becomes bluish, and when the transmittance near 700 nm is high, the image becomes reddish.
Spectral reflectance can also be reduced to 2% or less or 1% or less if the film is formed with an optimal film configuration, and ghost / flare phenomenon occurs when mounted on video cameras, digital still cameras, etc. do not do.
[0008]
[Patent Document 1] Japanese Patent No. 2754518 [Patent Document 2] Japanese Patent No. 2771078 [Patent Document 3] Japanese Patent No. 2777108 [Patent Document 4] Japanese Patent Laid-Open No. 11-38206
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case where the ND filter is manufactured by the above-described vapor deposition method, on the other hand, since the vapor deposition source becomes high temperature, the temperature of the substrate rises due to the radiant heat from the vapor deposition source. This is particularly a problem when using a substrate. A plastic substrate is advantageous in that it can be made thin because the plastic substrate does not break compared to glass. However, in general, when an optical thin film is formed by vapor deposition, the glass substrate has a substrate temperature. Can be heated at a temperature of 300 ° C. or higher, whereas a plastic substrate has a demerit that the temperature cannot be raised so much.
[0010]
For example, in the case of a stretched PET film, a dimensional shrinkage phenomenon occurs from 80 ° C., and in actual vapor deposition, the temperature rises to around 160 ° C. after film formation, and when the temperature returns to room temperature, the shrinkage rate becomes considerable.
As a result, the ND filter has a dimensional deviation, and in the case of ND filters having different densities in the same plane, there is a problem that an aperture value deviation (FNO. Deviation) occurs.
Broadly divided into ND filters with different densities in the same plane,
(1) There are two to three uniform density portions, and the density changes to, for example, three regions of ND0.5, ND1.0, and ND1.5.
(2) The concentration may continuously change from ND0.1 to ND1.5.
When the density changes to the step type, the shift of the density boundary position becomes a problem.
In addition, when the density continuously changes, the overall balance is lost, so that the latter is more problematic in dimensional accuracy.
[0011]
Therefore, the present invention solves the above-mentioned problems, and in an ND filter in which a film whose film thickness distribution continuously changes is formed on a plastic substrate by a vapor deposition method, It is an object of the present invention to provide a method for manufacturing a filter, a light quantity diaphragm device and a camera having these ND filters.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides an ND filter configured as follows, an ND filter manufacturing method, a light amount diaphragm device and a camera having these ND filters.
That is, the ND filter of the present invention is an ND filter in which a film whose film thickness distribution continuously changes is formed on a base material, and the amount of transmitted light is changed. It is made of a plastic film, and the continuous film thickness distribution change direction by the film is substantially perpendicular to the stretching direction of the stretched plastic film. At this time, when a plastic film that has been subjected to biaxial stretching is used as the plastic film that has been subjected to stretching, the direction of change in the continuous film thickness distribution due to the film is that of the biaxial stretching. It is constituted substantially perpendicular to the main stretching direction of the applied plastic film.
In the ND filter of the present invention, any one of a polyester film, a polypropylene film, a polystyrene film, a polyvinylidene chloride film, a polyethylene film, and a polyethylene naphthalate film can be used as the plastic film.
Further, the manufacturing method of the ND filter of the present invention is such that a film having a continuously changing film thickness distribution is formed on a plastic film substrate that has been stretched by vapor deposition to change the amount of transmitted light. An ND filter manufacturing method for producing an ND filter, wherein the film having a continuously changing film thickness distribution on a substrate of the plastic film subjected to the stretching process is substantially the same as the stretching direction of the plastic film. It has the process of forming in a perpendicular direction. When a plastic film that has been subjected to biaxial stretching is used as the plastic film that has been subjected to stretching, the film having a continuously changing film thickness distribution in the step is used as the main film of the plastic film. It is formed in a direction substantially perpendicular to the stretching direction.
In addition, in the ND filter manufacturing method of the present invention, any one of a vacuum vapor deposition method, an ion plating method, and an ion assist vapor deposition method can be used as the film vapor deposition method. At that time, it is possible to adopt a configuration in which an ND filter is manufactured using a mask whose dimensions are corrected in advance in consideration of the thermal contraction rate.
In addition, the light quantity diaphragm device of the present invention includes a plurality of diaphragm blades that are relatively driven to change the size of the diaphragm opening, and a light quantity adjustment device that is disposed on at least a part of the aperture formed by the diaphragm blades. In the light quantity reduction device provided with the ND filter for the above, the ND filter can be constituted by any of the ND filters described above or an ND filter manufactured by any of the manufacturing methods described above.
The camera of the present invention may include an optical system, the above-described light amount diaphragm device that limits the amount of light that passes through the optical system, and a solid-state imaging device that receives an image formed by the optical system. it can.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the present invention, an ND filter that is less affected by dimensional deviation due to thermal shrinkage, a method for manufacturing the ND filter, a light amount diaphragm device that includes these ND filters, and a camera are realized by the above-described configuration. This is based on the following findings based on the results of extensive studies by the present inventors.
That is, as shown in FIG. 4, the
[0014]
Thus, by making the density change direction of the ND filter substantially perpendicular to the main stretching direction, the position X2 on the ND filter from the opening end D of the blade, and the position on the ND filter from the opening end D of the blade. The present inventors have found that the distance to the
[0015]
Details of these will be described below, but in order to facilitate understanding of these, first, in what form such an ND filter is used in the light quantity reduction device will be described.
The
The main reason for using a plastic film without using a glass substrate is that the plastic film is not cracked compared to glass as described above. The point becomes.
As a result, in the optical cross-sectional view shown in FIG. 3, the interval between the
[0016]
In FIG. 3,
[0017]
FIG. 4 is a diagram of a diaphragm device of a density continuous change type ND filter in which the position of the diaphragm portion in FIG. 3 is viewed from the incident direction of the rays a and b. The
FIG. 4 shows a state in which the size of the opening C is controlled by these blades operating alternately. In the figure,
FIG. 5C shows the entire ND filter, which is obtained by depositing a multilayer dielectric on one or both sides of a transparent plastic base.
In particular, it has a structure in which the concentration changes continuously, and this can be obtained by using a slit mask arranged integrally with the substrate on the substrate rotating dome as shown in FIG. 9 as described above.
As the transparent plastic, polyester film, polyethylene film, polypropylene film, polystyrene film, polyvinylidene chloride film, polyethylene film, and polyethylene naphthalate film are used.
[0018]
Next, the configuration of the density changing unit will be described with reference to FIG.
In FIG. 4, when the end face of the
In this example, the distance from end to end in the direction of density change of the ND filter is 5.1 mm, and each of these parts will be described in (1) to (5) below.
(1) 0 to X1:
{Circle around (2)} X1 to X2: Continuous density changing portion A changing area having a width of 1.6 mm and a density of 0.1 to 1.2.
(3) X2 to X4: highest density portion 1.2 width 0.5 mm.
{Circle around (4)} X3 to X4: A section from the vicinity of the opening end X3 to a portion where no film is formed for bonding.
(5) X4 to X5: Adhesive strength is reduced when a vapor deposition film is formed at the part that adheres to the blade, so that the part is covered with a mask and the substrate is exposed. It is. This is shown in a graph in FIG. A cross-sectional structure of the ND filter is shown in FIG.
[0019]
Here, the optical influences are the distances from D to X2, D to X1, and D to 0 shown in FIG.
If variations occur in these distances, the light quantity values differ from each other, resulting in a problem. Therefore, it is necessary to make these distances constant.
(Here, X3 represents a position on the ND filter and is a position corresponding to the vicinity of the opening end D of the blade.)
Next, we investigated how the variation of these distances occurred as follows.
First, the outline of the manufacturing process of the ND filter will be described before that.
The ND filter is manufactured through the following manufacturing steps (1) to (9).
(1) A transparent plastic film as a base material is punched with a press.
(2) Set the transparent plastic film on the vapor deposition jig. At this time, a reference pin for positioning is attached to the jig, and a corresponding hole is provided in the plastic film. A mask for film formation on the entire surface provided with only the outer frame is set thereon.
(3) An antireflection coating (AR coating) is deposited. (The surface opposite to the
(4) Next, the plastic film is turned over and set, and a linear slit mask for forming an ND filter film whose density distribution continuously changes is set on the plastic film via a spacer. Both are provided with positioning reference holes.
(5) The film constituting the ND filter is deposited (701 shown in FIG. 7).
(6) A mask that covers the portion formed in (5) is set on the same surface as the film formation surface of the ND filter, and an antireflection coating (AR coating) is deposited. (Same side as
A completed drawing formed in this way is shown in FIG.
(7) The outer shape press-out of the deposited plastic film sheet is performed with reference to a certain position on the sheet (51 shown in FIG. 5A).
(8) The outer shape after the press is cut out is a substantially trapezoidal shape as shown in FIG. This is removed to complete the ND filter having the shape shown in FIG.
(9) Adhere the pressed ND filter to the aperture blade after confirming the position. For example, in order to align with a line as indicated by 23 in FIG.
The above is the outline of the manufacturing process of the ND filter.
[0020]
Next, in order to make these distances constant, what kind of process should be considered in the manufacturing process of the ND filter will be considered.
In FIG. 4, the distance between the
As a result of investigating the variation, it was found that the dimensional change in the vacuum deposition process was large. In the vacuum deposition process, the substrate heating temperature was 110 ° C., but the temperature increased during the deposition, and the temperature during the deposition was measured with a thermolabel, which reached 160 ° C.
For the plastic film, PET with a material thickness of 75 μm was used, and the dimensions of the PET before and after vapor deposition were compared.
[0021]
The results are shown below.
[0022]
[Table 1] Dimensional survey results in direction A
[0023]
[Table 2] Dimensional survey results in the B direction
It is the result of having measured the dimension before and behind the vapor deposition of A direction and B direction which are shown in Table 1 and Table 2 of PET film in FIG.5 (d). The shrinkage is 0.76% in the A direction and 0.33% in the B direction. The thermal shrinkage of PET is related to the stretching direction during sheet processing.
[0024]
In general, plastic films are uniaxially stretched in one direction and biaxially stretched in two directions for the purpose of improving strength, and either one is used. Also in the case of biaxial, the stretching force in the roll direction is generally strong and becomes main stretching, and the thermal shrinkage is larger in the main stretching direction than in the orthogonal direction. Unstretched plastic is generally weak and not used.
Stretching is performed by biaxial stretching in the vertical and horizontal directions while heating at a temperature equal to or lower than the melting point of the plastic film and above the secondary transition point, and is fixed by heating in order to fix the film molecular orientation after the stretching.
However, after that, when the temperature rises above the transition point, thermal memory of the molecular arrangement occurs and thermal contraction occurs.
The PET used this time is biaxially stretched, and the A direction shown in FIG. 5D is the main stretching direction, and the B direction is the direction orthogonal thereto.
From this result, it can be seen that the cause of the aforementioned variation is the thermal shrinkage of PET.
By making the density change direction of the ND filter substantially perpendicular to the main stretching direction, the dimensional change can be reduced to ½ or less compared to the case of the random direction.
In addition, it is possible to reduce the dimensional change to 1/10 or less as compared with the case of the random direction by preparing the mask dimension in advance in consideration of the heat shrinkage rate.
[0025]
【Example】
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited to these examples.
In this example, an ND filter was produced by the following manufacturing steps (1) to (9).
(1) The outer shape of the base material is punched out in a direction substantially perpendicular to the direction of density change of the ND filter in the main stretching direction of PET having a high transmittance of 75 μm.
(2) Set the transparent plastic film on the vapor deposition jig. At this time, a reference pin for positioning is attached to the jig, and a plastic film is provided with a corresponding reference hole. A mask for film formation on the entire surface provided with only the outer frame is set thereon.
(3) An antireflection coating (AR coating) is deposited. (The surface opposite to the
(4) Next, the plastic film is turned over and set, and a linear slit mask for forming an ND filter film whose density distribution continuously changes is set on the plastic film via a spacer. Both are provided with positioning reference holes.
(5) The film constituting the ND filter is deposited (701 shown in FIG. 7).
[0026]
Here, as an example, the film configuration thus formed is shown in FIG.
(6) A mask is set on the same surface as the film formation surface of the ND filter, and an antireflection coating (AR coating) is deposited. (Same side as
A completed drawing formed in this way is shown in FIG.
(7) The pre-extraction of the deposited plastic film sheet is performed on the basis of a certain position on the sheet (51 shown in FIG. 5A).
(8) The outer shape after the press is cut out is a substantially trapezoidal shape as shown in FIG. This is peeled off to complete the ND filter having the shape shown in FIG.
(9) Affix the pressed ND filter to the aperture blade, confirm the position using a jig, and bond it.
[0027]
As a result, the variation of the
Therefore, the variation in distance from the blade opening D to the position X2 on the ND filter and from the opening D to
By incorporating this, the absolute light quantity of the video camera can be made uniform.
In general, there is an F number indicating the brightness of the lens, but the difference in equipment of video cameras equipped with this diaphragm can be suppressed to ± 0.2, and the brightness varies with the same F number depending on the equipment. I was able to eliminate that.
[0028]
【The invention's effect】
According to the present invention, in an ND filter in which a film whose film thickness distribution is continuously changed on a plastic substrate is formed by vapor deposition, an ND filter that is less affected by dimensional deviation due to thermal shrinkage, an ND filter manufacturing method, and It is possible to realize a light quantity stop device and a camera having these ND filters. As a result, it is possible to solve the problem caused by the difference in the light amount value caused by the dimensional deviation due to the thermal contraction of the ND filter in the light amount diaphragm device.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram in which a ND filter of variable density type (gradation type) for explaining the present invention is attached to a blade.
FIG. 2 is a diagram in which the position of an ND filter is aligned with a jig for explaining an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an optical cross-sectional view for illustrating the operation when an ND filter is provided in an imaging system for explaining the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing a state of a diaphragm device for explaining the present invention.
5A is a view showing a state of a formed plastic film for explaining the embodiment of the present invention, and FIG. 5B is a view showing a state in which the formed plastic film is pressed. FIG. 4C is a diagram showing the configuration of an ND filter that is completed after being punched, and FIG. 4D is a diagram when the shrinkage rate of a plastic film for explaining the present invention is examined.
FIG. 6 shows the distance vs. distance of the continuous density change type ND filter. The figure showing the relationship of density | concentration.
FIG. 7 is a cross-sectional configuration diagram of an ND filter according to the embodiment and examples of the present invention.
FIG. 8 is a film configuration diagram of an ND filter according to an embodiment of the present invention.
FIGS. 9A and 9B are diagrams for explaining a method of manufacturing an ND filter by a vacuum vapor deposition method in a prior example of the present invention, wherein FIG. 9A is a configuration diagram inside a chamber in a vacuum vapor deposition machine, and FIG. It is.
FIG. 10 is a diagram showing a slit type mask and a mask shape used in the preceding example of the present invention.
FIG. 11 is a diagram showing an example of a film thickness distribution simulation using a slit mask in a prior example of the present invention.
[Explanation of symbols]
11: ND filter 12: diaphragm blade 23:
Claims (9)
前記基材が延伸加工の施されたプラスチックフィルムで構成され、前記膜による連続的な膜厚分布の変化方向が、前記延伸加工の施されたプラスチックフィルムの延伸方向と略垂直であることを特徴とするNDフィルタ。An ND filter in which a film with a continuously changing film thickness distribution is formed on a substrate and the amount of transmitted light is changed.
The base material is composed of a stretched plastic film, and a continuous film thickness distribution change direction by the film is substantially perpendicular to a stretch direction of the stretched plastic film. ND filter.
前記延伸加工の施されたプラスチックフィルムの基板上に、前記連続的に膜厚分布が変化する膜を、該プラスチックフィルムの延伸方向と略垂直な方向に形成する工程を有することを特徴とするNDフィルタの製造方法。A method of manufacturing an ND filter, in which a film having a continuously changing film thickness distribution is formed on a plastic film substrate that has been stretched using a vapor deposition method, and an ND filter that changes the amount of transmitted light is produced. There,
ND comprising the step of forming, on the stretched plastic film substrate, the film having a continuously changing film thickness distribution in a direction substantially perpendicular to the stretching direction of the plastic film. A method for manufacturing a filter.
前記NDフィルタが、請求項1〜3のいずれか1項に記載のNDフィルタ、または請求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたNDフィルタで構成されていることを特徴とする光量絞り装置。A light quantity diaphragm comprising a plurality of diaphragm blades that are relatively driven to vary the size of the diaphragm aperture, and an ND filter for adjusting the light quantity disposed at least in part of the aperture formed by the diaphragm blades In the device
The said ND filter is comprised with the ND filter of any one of Claims 1-3, or the ND filter manufactured by the manufacturing method of any one of Claims 4-7. A featured light diaphragm device.
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