JP2005017188A - Sh波を用いた軸受の内輪疲労度測定方法 - Google Patents

Sh波を用いた軸受の内輪疲労度測定方法 Download PDF

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    • F16C23/086Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements

Abstract

【課題】内輪軌道面の疲労度の測定を行う場所が限定されず、かつ、内輪の破壊検査をせずに内輪軌道面の表層部の疲労度を簡単安価かつ安全に測定できる内輪疲労度測定方法を提供する。
【解決手段】転動体による軌道面の転走痕の転走痕幅bを測定し、この転走痕幅bと、転走痕の幅方向における上記内輪の曲率半径と、転走痕の幅方向における転動体の曲率半径と、軌道面の周方向の曲率半径と、転動体の中点を通る軸直角断面の曲率半径と、軌道面と同じ材質の金属部材に対するSH波の固有の伝播速度とから、上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する上記軌道面の表面からの深さの範囲を伝播するSH波の周波数を求める。そして、この周波数のSH波を、軌道面の表層部を伝播させてこのSH波の伝播速度の測定に基づいて、軌道面の疲労度を測定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SH波を用いた軸受の内輪疲労度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軸受の内輪疲労度測定方法としては、電子線マイクロアナライザー(Electron Prove Micro Analyzer : EPMA)を用いた方法がある。この電子線マイクロアナライザーを用いた方法では、内輪を破壊することによって内輪の軌道面の表層部の一部を取出して、この取出された表層部を研磨して試料を作成した後、この試料に電子線を照射してこの試料から炭素の特性X線を発生させて、この炭素の特性X線の測定を行っている。そして、この炭素の特性X線の測定に基づいて上記取出された表層部中の炭素の含有率を検出して、内輪の軌道面の表層部の疲労度を測定している。
【0003】
また、他の軸受の内輪疲労度測定方法としては、X線照射装置を用いた方法もある。このX線照射装置を用いた方法では、内輪の軌道面の表層部にX線を照射することによって、上記表層部の残留応力および残留オーステナイト量を測定している。そして、この測定結果に基づいて内輪の軌道面の表層部の疲労度を測定している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−304710号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子線マイクロアナライザーを用いた内輪疲労度測定方法では、内輪の破壊が必要になるので、疲労度の測定をした内輪を使用できないという問題がある。
【0006】
また、内輪の破壊や、内輪の軌道面の表層部から取出した試料の研磨等を必要とするので、上記軌道面の表層部の疲労度を測定するときの工数が多くなって、上記軌道面の表層部の疲労度の測定に要する時間が長くなり、コストと労力が大きくなるという問題がある。
【0007】
一方、上記X線照射装置を用いた内輪疲労度測定方法では、内輪の疲労度の測定に大掛りなX線照射装置を用いるので、このX線照射装置を自由に疲労度の測定現場に持ち運びできず、上記軌道面の表層部の疲労度の測定を行う場所が限定されるという問題がある。
【0008】
また、人体に危険な放射線のX線を用いるので、X線照射装置の操作に熟練を必要とし、上記軌道面の表層部の疲労度の測定を安全かつ簡単にできないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、内輪軌道面の疲労度の測定を行う場所が限定されず、かつ、内輪の破壊検査をせずに内輪軌道面の表層部の疲労度を簡単安価かつ安全に測定できる内輪疲労度測定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の軸受の内輪疲労度測定方法は、
内輪の軌道面上に転動体によって付けられた転走痕の転走痕幅を測定する転走痕幅測定工程と、
上記測定された転送痕幅をb、上記転走痕の幅方向における上記内輪の曲率半径をr1、上記転走痕の幅方向における上記転動体の曲率半径をr2、上記軌道面の周方向の曲率半径をr3、上記転動体の中心を通る軸直角断面の曲率半径をr4としたとき、上記転動体の上記軌道面に対する接触楕円の短半径aを、下記の(1)式から導出する接触楕円短半径導出工程と、
a=(b/2)((1/r1+1/r2)/(1/r3+1/r4))2/3・・・(1)
上記内輪と同じ材質の金属部材に対するSH波(horizontal polalized shear wave)の固有の伝播速度をV、上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する上記軌道面の表面からの深さの範囲を伝播するSH波の周波数をFとしたとき、下記の(2)式から周波数Fの範囲を計算するSH波周波数計算工程と、
2V/0.35a≧F≧2V/0.5a・・・(2)
SH波送信機とSH波受信機とを上記内輪の軌道面上に互いに離間して配置して、上記SH波送信機から上記周波数Fの範囲内の周波数を有するSH波を送信して、上記軌道面の表面から所定の深さを伝播した上記SH波を、上記SH波受信機で受信して、この受信されたSH波に基づいてSH波の伝播速度を測定するSH波伝播速度測定工程とを備え、
上記SH波伝播速度測定工程で測定されたSH波の伝播速度に基づいて内輪の疲労度を測定することを特徴としている。
【0011】
尚、この明細書で、表層部といった場合、この表層部という表現には、表面を含むものとする。
【0012】
また、上記SH波とは、主振動方向が伝播方向に垂直でかつ材料の表面に略平行な方向で、かつ、材料の表面に沿って伝播する超音波である。上記SH波は、主振動方向が材料の表面の法線方向で、かつ、材料の表面に沿って伝播する超音波である表面波とは異質な超音波である。
【0013】
また、上記疲労度は、内輪表層部のひずみと対応しており、ひずみはSH波の伝播速度と対応している。この発明の軸受の内輪疲労度測定方法は、内輪表層部におけるSH波の伝播速度に基づいて、内輪表層部のひずみの度合いを測定し、このひずみの度合いに基づいて内輪の疲労度の度合いを測定するものである。
【0014】
本発明者は、転動体による軌道面の転走痕の転走痕幅と、上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する軌道面の表面からの深さを伝播するSH波の周波数に相関関係があることを発見した。
【0015】
詳細には、本発明者は、転送痕幅をb、転走痕の幅方向における上記内輪の曲率半径をr1、転走痕の幅方向における転動体の曲率半径をr2、軌道面の周方向の曲率半径をr3、転動体の中点を通る軸直角断面の曲率半径をr4、上記軌道面と同じ材質の金属部材に対するSH波の固有の伝播速度をVとしたとき、転動体の軌道面に対する接触楕円の短半径aが、上記(1)式から導出できるという事実と、上記繰り返し応力が最も大きく作用する深さが、接触楕円の短半径aに依存するという事実と、SH波が伝播する深さが、SH波の波長に依存するという事実に着目し、上記SH波の周波数Fの範囲が、上記短半径aと上記固有の伝播速度Vを用いて、上記(2)式から導出できるということを発見した。
【0016】
上記請求項1の発明の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、SH波送信機と、SH波受信機とを内輪の軌道面上に所定の間隔を隔てて配置して、SH波の伝播速度を測定することにより、内輪の疲労度の測定を行うので、上記電子線マイクロアナライザーを用いる疲労度測定方法とは異なり、内輪の疲労度の測定を行うのに内輪を破壊する必要がない。したがって、内輪の疲労度の測定を行うときの工数を大幅に低減できて、内輪の疲労度の測定に要するコストと労力を大幅に低減できる。
【0017】
また、上記請求項1の発明の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、軽くて小型で持ち運び可能なSH波送信機と、SH波受信機とを用い、かつ、人体に安全なSH波の伝播速度に基づいて内輪の疲労度の測定を行うので、大掛りで人体に危険なX線を使用するX線照射装置を用いる疲労度測定方法とは異なり、内輪の疲労度の測定を行う場所が限定されず、かつ、内輪の疲労度の測定を安全に行うことができる。
【0018】
また、上記請求項1の発明の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、上記(1)式を用いて、転動体の軌道面に対する接触楕円の短半径aを導出し、更に、上記(1)式から導き出されたaと、上記固有の伝播速度Vとを用いて計算された周波数Fの範囲の周波数のSH波を、内輪の表層部に伝播させて、内輪の軌道面の疲労度の測定を行うので、SH波を、内輪の軌道面の表層部における繰り返し応力が最も大きく作用する箇所を伝播させることができて、内輪の疲労度の測定を精密に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0020】
尚、以下の実施形態では、全ての物理量の単位として、MKS単位系を採用しているものとする。
【0021】
図1は、内輪10の軌道面10Aの平面図であり、転動体の一例としての円筒ころの転動によって軌道面10Aに付いた転走痕21を示す図である。また、図2は、上記内輪10の軌道面10A上の円筒ころ31を示す軸方向の部分断面図であり、図3は、図2にP1で示す円筒ころ31の中点を通る軸直角部分断面図である。上記内輪10は、普通焼入品であるSUJ2鋼から形成されている。尚、図1の参照番号22は、実際には軌道面10Aに痕としてのこらない軌道面10Aと、円筒ころ31(図2および図3参照)との接触楕円であり、図2の参照番号33は、円筒ころの中心軸である。
【0022】
先ず、図1、図2および図3を用いて、この発明の軸受の内輪疲労度測定方法の一実施形態としての円筒ころ軸受の内輪10の疲労度測定方法の接触楕円短半径導出工程を説明する。
【0023】
この接触楕円短半径導出工程では、軌道面と円筒ころとの接触楕円の長半径の2倍に相当する図1に示す転走痕22の転走痕幅bを、軌道面10Aの転走痕から測定した後、この測定された転走痕幅bと、図2に示す上記転走痕の幅方向における値が既知の上記内輪の曲率半径r1と、図2に示す上記転走痕の幅方向における値が既知の上記転動体の曲率半径r2と、値が既知の図3に示す上記軌道面の周方向の曲率半径r3と、値が既知の図3に示す上記転動体の中点を通る軸直角断面の曲率半径r4とから、以下の(1)式を用いて、aで示す接触楕円の短半径を導き出す。
【0024】
a=(b/2)((1/r1+1/r2)/(1/r3+1/r4))2/3[m] ・・・(1)
次に、SH波周波数計算工程を行う。このSH波周波数計算工程では、軌道面と転動体の接触楕円の短半径をaとしたとき、転動体の転がり運動によって繰り返し応力が最も大きく作用する軌道面の表面からの深さが、0.35a以上0.5以下になるという事実と、SH波の波長をλとしたとき、SH波が2λの深さを伝播するという事実とから導き出された繰り返し応力が最も大きく作用する深さを伝播するSH波の波長の範囲を示す下記の(3)式と、
0.35a≦2λ≦0.5a[m]・・・・(3)
SH波の内輪10を伝播する固有の伝播速度(この固有の伝播速度をVで表わす)と、SH波の波長λと、SH波の周波数(この周波数をFで表わす)との間に成立する下記の(4)式と
F=V/λ[Hz]・・・・(4)
から導き出された繰り返し応力が最も大きく作用する軌道面の表面からの深さを伝播するSH波の周波数Fが満たす関係式である下記の(2)式
0.35a≦2(V/F)≦0.5a[m]
2V/(0.35a)≧F≧2V/(0.5a)[Hz]・・・(2)
を用いて、上記周波数Fの範囲を計算する。
【0025】
この実施形態では、内輪の材質として普通焼入品であるSUJ2鋼を用いているので、SH波のSUJ2鋼における固有の伝播速度(3240m/s)を上記(2)式のVに代入することによって導き出された下記の(5)式から、繰り返し応力が最も大きく作用する深さを伝播するSH波の周波数Fを計算する。
2×3240/(0.35a)≧F≧2×3240/(0.5a)[Hz]
129600/(7a)≧F≧12960/a[Hz]・・・(5)
【0026】
続いて、SH波伝播速度測定工程を行う。このSH波伝播速度測定工程では、SH波送信機1とSH波受信機2が設置された上記軌道面10Aを示す平面図である図4と、SH波送信機1とSH波受信機2が設置された内輪10の正面図である図5に示すように、SH波送信機1と内輪10の軌道面10Aとが接触線3で線接触するように、SH波送信機1を内輪10の軌道面10Aの軸方向の略中央に設置する一方、SH波受信機2と内輪10の軌道面10Aとが接触線5で線接触するように、SH波受信機2をSH波送信機1から周方向に離間した状態で内輪10の軌道面10Aの軸方向の略中央に設置する。そして、上記SH送信機1が内蔵する圧電素子からなるSH波発振部(図示せず)を駆動して、対向面1Aの有効部分7を、上記(5)式で求めた周波数の範囲内の周波数で振動させて、上記SH波送信機1から上記(5)式で求めた周波数の範囲内の周波数を有するSH波を発信して、上記SH送信機1から発信されて内輪10の転動体の転がり運動によって繰り返し応力が最も大きく作用する深さを伝播したSH波をSH波受信機2で受信することによって、SH波の伝播速度の測定を行う。
【0027】
詳細には、SH波送信機1の接触線3と内輪10の中心P0とを結ぶ直線Lrと、SH波受信機2の接触線5と上記中心P0とを結ぶ直線Lqとがなす角度を2αとし、rを軌道面10Aの半径としたとき、SH波の振幅が0になるSH波の波形のゼロクロス点を計時基準にして、SH波送信機1の接触線3からSH波受信機2の線接触5までのSH波の伝播時間tを求め、以下の(6)式から内輪10の軌道面10Aの表層部におけるSH波の伝播速度vを測定する。
v=(2πr・(2α/360°))/t[m/s]・・・(6)
【0028】
最後に、上記SH波伝播速度測定工程で測定された上記内輪10の表層部におけるSH波の伝播速度vに基づいて、SH波の伝播速度と対応している内輪10の表層部のひずみの度合いを測定し、このひずみの度合いに基づいて内輪10の疲労度の度合いを測定する。
【0029】
尚、上記実施形態においては、上記SH波送信機1およびSH波受信機2の軸方向の寸法D1は、内輪10の軸方向の寸法D2の3分の1になっている。また、上記SH波送信機1の接触線3は、SH波送信機1の軌道面10Aに対する対向面1AのうちのSH波を発生する有効部分7に含まれており、上記SH波受信機2の接触線5は、SH波受信機2の軌道面10Aに対する対向面2AのうちのSH波を検知可能な有効部分8に含まれているものとする。
【0030】
図6は、SH波の固有の伝播速度を、マルテンサイト鋼におけるSH波の伝播速度の理論値(3240m/s)に設定したときの、上記接触楕円短半径aと、上記繰り返し応力が最も大きく作用する深さの範囲を伝播するSH波の周波数との関係を示す計算例の図である。
【0031】
例えば、接触楕円短半径aの値が8.0×10−4mである場合、図5に示す関係から、共振周波数(送信されるSH波の周波数)が16.2×10Hz〜23.1×10HzのSH波送信機を用いて、内輪の疲労度の測定を行えば、内輪の疲労度を正確に測定できる。
【0032】
上記実施形態の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、SH波送信機1と、SH波受信機2とを内輪10の軌道面10A上に所定の間隔を隔てて配置して、SH波の伝播速度を測定することにより、内輪10の疲労度の測定を行うので、上記電子線マイクロアナライザーを用いる疲労度測定方法とは異なり、内輪10の疲労度の測定を行うのに内輪10を破壊する必要がない。したがって、内輪10の疲労度の測定を行うときの工数を大幅に低減できて、内輪10の疲労度の測定に要するコストと労力を大幅に低減できる。
【0033】
また、上記実施形態の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、軽くて小型で持ち運び可能なSH波送信機1と、SH波受信機2とを用い、かつ、人体に安全なSH波の伝播速度に基づいて内輪10の疲労度の測定を行うので、大掛りで人体に危険なX線を使用するX線照射装置を用いる疲労度測定方法とは異なり、内輪10の疲労度の測定を行う場所が限定されず、かつ、内輪10の疲労度の測定を安全に行うことができる。
【0034】
また、上記実施形態の軸受の内輪疲労度測定方法によれば、上記(1)式を用いて、転動体の軌道面に対する接触楕円の短半径aを導出し、更に、このaと、上記固有の伝播速度V(この実施形態では、3240m/s)とを用いて、(5)式より計算された周波数Fの範囲の周波数のSH波を用いて、内輪10の軌道面10Aの疲労度の測定を行うので、SH波を、内輪10の軌道面10Aにおける繰り返し応力が最も大きく作用する深さを伝播させることができる。したがって、内輪10の疲労度の測定を精密に行うことができる。
【0035】
尚、上記実施形態の軸受の内輪疲労度測定方法では、この発明の軸受の内輪疲労度測定方法を、ころ軸受に適用したが、この発明の軸受の内輪疲労度測定方法を、深溝玉軸受の内輪や、単列や複列のアンギュラ玉軸受の内輪に適用しても良い。また、この発明を円錐ころ軸受の内輪に適用しても良い。
【0036】
また、この実施形態の軸受の内輪疲労度測定方法では、内輪の構成素材としてSUJ2(高炭素クロム軸受鋼)の普通焼入品を用いたが、内輪の構成素材として、浸炭焼入を行ったSAE5120鋼等のSUJ2の普通焼入品以外の構成素材を用いても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明によれば、SH波送信機と、SH波受信機とを内輪軌道面上に所定の間隔を隔てて配置して、SH波の伝播速度を測定するだけで、内輪の軌道面の疲労度の測定を行うことができるので、内輪の軌道面の疲労度の測定を行うのに内輪を破壊する必要がない。したがって、内輪の軌道面の疲労度の測定を行うときの工数を大幅に低減できて、内輪の軌道面の疲労度の測定に要するコストと労力を大幅に低減できる。
【0038】
また、請求項1の発明によれば、軽くて小型で持ち運び自由なSH波送信機と、SH波受信機とを用い、かつ、人体に安全なSH波の伝播速度に基づいて内輪の軌道面の疲労度の測定を行うので、内輪の軌道面の疲労度の測定を行う場所が限定されず、かつ、内輪の軌道面の疲労度の測定を安全に行うことができる。
【0039】
また、請求項1の発明によれば、上記(1)式を用いて、転動体の軌道面に対する接触楕円の短半径aを導出し、更に、このaと、上記固有の伝播速度Vとを用いて計算された周波数Fの範囲の周波数のSH波を用いて、内輪の軌道面の疲労度の測定を行うので、SH波を、内輪の軌道面の表層部における上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する箇所を伝播させることができて、内輪の疲労度の測定を精密に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内輪の軌道面における円筒ころの転走痕を示す図である。
【図2】内輪の軌道面上の円筒ころを示す軸方向の部分断面図である。
【図3】内輪の軌道面上の円筒ころの中点を通る軸直角部分断面図である。
【図4】SH波送信機とSH波受信機が設置されている軌道面の平面図である。
【図5】SH波送信機とSH波受信機が設置されている内輪の正面図である。
【図6】接触楕円短半径と、上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する上記軌道面の表面からの深さの範囲を伝播するSH波の周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 SH波送信機
2 SH波受信機
10 内輪
10A 軌道面
21 転走痕
22 接触楕円
31 円筒ころ
a 接触楕円短半径
b 転走痕幅
p1 円筒ころの中点
r1 転走痕の幅方向における内輪の曲率半径
r2 転走痕の幅方向における転動体の曲率半径
r3 軌道面の周方向の曲率半径
r4 転動体の中点を通る軸直角断面の曲率半径
V 内輪に対するSH波の固有の伝播速度
v 内輪に対するSH波の伝播速度

Claims (1)

  1. 内輪の軌道面上に転動体によって付けられた転走痕の転走痕幅を測定する転走痕幅測定工程と、
    上記測定された転送痕幅をb、上記転走痕の幅方向における上記内輪の曲率半径をr1、上記転走痕の幅方向における上記転動体の曲率半径をr2、上記軌道面の周方向の曲率半径をr3、上記転動体の中心を通る軸直角断面の曲率半径をr4としたとき、上記転動体の上記軌道面に対する接触楕円の短半径aを、下記の(1)式から導出する接触楕円短半径導出工程と、
    a=(b/2)((1/r1+1/r2)/(1/r3+1/r4))2/3・・・(1)
    上記内輪と同じ材質の金属部材に対するSH波の固有の伝播速度をV、上記転動体の転がり運動による繰り返し応力が最も大きく作用する上記軌道面の表面からの深さの範囲を伝播するSH波の周波数をFとしたとき、下記の(2)式から周波数Fの範囲を計算するSH波周波数計算工程と、
    2V/0.35a≧F≧2V/0.5a・・・(2)
    SH波送信機とSH波受信機とを上記内輪の軌道面上に互いに離間して配置して、上記SH波送信機から上記周波数Fの範囲内の周波数を有するSH波を送信して、上記軌道面の表面から所定の深さを伝播した上記SH波を、上記SH波受信機で受信して、この受信されたSH波に基づいてSH波の伝播速度を測定するSH波伝播速度測定工程とを備え、
    上記SH波伝播速度測定工程で測定されたSH波の伝播速度に基づいて内輪の疲労度を測定することを特徴とする軸受の内輪疲労度測定方法。
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