JP2005017181A - 加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】外部から加えられた加速度の検知が可能であると共に、製品の使用環境の制限を受けることのない加速度センサを提供する。
【解決手段】ハウジング1内に転動可能に収納され、転動時に複数の固定接点2、3、4、5と接離される球状の可動接点8と、可動接点8を転動可能に保持すると共に、可動接点8をハウジング1内の中立位置に復帰させる弾性部材7とを備え、非加速状態では、可動接点8は弾性部材7の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、弾性部材7が変位して可動接点8がハウジング1内を転動し、可動接点8と固定接点2、3、4、5との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング1内に転動可能に収納され、転動時に複数の固定接点2、3、4、5と接離される球状の可動接点8と、可動接点8を転動可能に保持すると共に、可動接点8をハウジング1内の中立位置に復帰させる弾性部材7とを備え、非加速状態では、可動接点8は弾性部材7の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、弾性部材7が変位して可動接点8がハウジング1内を転動し、可動接点8と固定接点2、3、4、5との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種携帯用電子機器、家庭用ゲーム機、玩具などに用いられる加速度センサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加速度センサ(振動検知器)の構造としては、ケース内に鋼球が移動自在に収納され、外部から加えられる機械的振動に応じて鋼球が相対的に変位すると、この変位に応じて、所定の配置で設けられたスイッチ部がオン又はオフ出力を生じる構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、従来の加速度センサの構造を図に基づいて説明する。図11は従来の加速度センサの構造を示す断面図、図12は接点部の構成例を示す平面図である。
【0004】
図において、ケース31は、非磁性及び非導電性体からなる凹曲面状に設けられ、部分的球形状をしている。このケース31内には、鉄などの磁性体からなる鋼球32が移動自在に収納されている。この鋼球32は自重によりケース31の最底部に位置しており、この位置が中立位置である。ケース31の外側の下面には永久磁石34が配置されており、磁性体コア部33が位置調整可能に配置されている。この磁性体コア部33の先端が鋼球32に近接して配置されている。磁性体コア部33を調整することにより磁石34の鋼球32への吸引力が調整され、外部からの振動に対する鋼球2の可動応答性が可変制御されるものとなっている。
【0005】
鋼球32の相対位置を検出するスイッチ部は、図12に示すように、ケース31の最底部における鋼球32の中立位置に対応して、2つの電気的接点35a、35bを配置し、鋼球32が該中立位置に位置しているときは、鋼球32が両接点35a、35bに接触して、該接点間を電気的に開成するように構成されている。外部からの振動により鋼球32が変位すると、鋼球32が中立位置から外れて、一方の接点35a、35bに接触しない状態となり、接点間が電気に開放されることにより外部からの機械的振動の有無に応じて、オン、オフ出力を生じるものとなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−280941号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の加速度センサの構成においては、ケース31の外側の下面に永久磁石34が配置され、磁性体コア部33の先端を可動接点である鋼球32に近接して配置することで、外部からの振動に対する鋼球2の可動応答性を規制するようにしてあるので、磁石を必要とし、磁力の影響を受けてはいけない製品への使用ができず、使用環境が制限されてしまうという問題があった。
【0008】
従って、本発明では上述した問題点を解決し、外部から加えられた加速度の検知が可能であると共に、製品の使用環境の制限を受けることのない加速度センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、ハウジングと、該ハウジング内に配設された複数の固定接点と、前記ハウジング内に転動可能に収納され、転動時に前記複数の固定接点と接離される球状の可動接点と、該可動接点を転動可能に保持すると共に、前記可動接点を前記ハウジング内の中立位置に復帰させる弾性部材とを備え、非加速状態では、前記可動接点は前記弾性部材の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、前記弾性部材が変位して前記可動接点が前記ハウジング内を転動し、前記可動接点と前記固定接点との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにした構成とした。
また、第2の解決手段として、前記弾性部材は、渦巻き状ばねからなり、該渦巻き状ばねの内周部側に空洞部を設け、該空洞部に前記可動接点を転動可能に保持した構成とした。
【0010】
また、第3の解決手段として、前記固定接点と前記可動接点とは、前記中立位置においては非接触状態であり、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となる構成とした。
また、第4の解決手段として、前記固定接点は、中立位置における前記渦巻き状ばねの内周部側に設けられた前記空洞部よりも外周部側に配置されている構成とした。
また、第5の解決手段として、前記固定接点は、前記ハウジングの同一面側に設けられている構成とした。
また、第6の解決手段として、前記固定接点は、前記可動接点が転動可能なレール状部を有する構成とした。
また、第7の解決手段として、前記固定接点を、前記ハウジングの十字方向にそれぞれ対向させて配置した構成とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図10に示す。図1は加速度センサの分解斜視図、図2は加速度センサの斜視図、図3は加速度センサの断面図、図4はカバーを外した状態の平面図、図5はハウジングと可動接点を示す部分斜視図、図6は固定接点と可動接点を示す部分斜視図、図7は渦巻き状ばねの変位状態を示す平面図、図8は渦巻き状ばねが変位した時の可動接点の状態を示す部分斜視図、図9は固定接点の変形例を示す部分斜視図、図10は変形例での可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【0012】
図において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材からなり、上面が開口された方形状の収納部1aを有する箱型に形成されている。また、このハウジング1の収納部1a内底面の四角部には、円柱状の棒状突起1bが設けられており、この棒状突起1bに、導電性の金属板からなる複数の固定接点2、3、4、5に設けられたガイド孔2d、3d、4d、5dが貫通されている。固定接点2、3、4、5は、ガイド孔2d、3d、4d、5dが棒状突起1bに貫通されることにより、それぞれ一定のギャップを有して離間した状態で、ハウジング1の内底面の対角線上の十字方向に、それぞれ平面視対向させて同一平面上に配設されている。
【0013】
固定接点2、3、4、5は、中央に前記ガイド孔2d、3d、4d、5dが設けられた方形状の接点部2a、3a、4a、5aと、この接点部2a、3a、4a、5aから導出されて、ハウジング1側面の切り溝部1cから外方へ延出する長尺状の端子部2b、3b、4b、5bとを有している。また、接点部2a、3a、4a、5aの、お互いに対向するそれぞれの側辺部には、後述する可動接点8が転動可能なレール状部2c、3c、4c、5cが設けられている。
このレール状部2c、3c、4c、5cは、接点部2a、3a、4a、5aのお互いに対向する側辺部を下方へL字状に屈曲することにより形成されており、このレール状部2c、3c、4c、5cを設けることにより、可動接点8が、固定接点2、3、4、5と接触する際に、このレール状部2c、3c、4c、5cに沿って、前後左右の4方向に確実に転動するようになっている。
【0014】
ケース6は、同じく合成樹脂などの絶縁材からなり、中央に円形の開口部を有する略方形の板状に形成されており、前記ハウジング1の収納部1aに挿入されて前記固定接点2、3、4、5上に固着されるものとなっている。また、開口部の中央には、後述する渦巻き状ばね7の外周部が載置される段部6aが設けられ、この段部6aの下側がやや小さめな第1開口部6b、そして段部の上側がやや大きめな第2開口部6cを形成している。
【0015】
また、第1開口部6bの内周面には、ケース6の対角線上に位置する4箇所に、内方へ突出したガイド突起6dが設けられている。このガイド突起6dは、先細状の三角形をしており、側辺部が、先端に行くに従って下側へ傾斜する弧状面となっている。そして、ケース6が、ハウジング1の収納部1aに挿入された際には、このガイド突起6dが固定接点2、3、4、5の上面側の一部を覆うことになり、渦巻き状ばね7と固定接点2、3、4、5とが接触するのを防止するものとなっている。
【0016】
また、第2開口部6cの内周面には、同じくケース6の対角線上に位置する4箇所に、外方へ向かって延びる凹溝6eが設けられており、この凹溝6eの内底部には、下面へ貫通した貫通孔6fが設けられている。この貫通孔6fに、前記ハウジング1の収納部1aに設けられた棒状突起1bが貫通されて、ケース6がハウジング1の収納部1aに固着されるものとなる。
また、ケース6の第2開口部6cの外方で、上面側の一方の対角線上の角部には、一対の係合穴6gが設けられている。この係合穴6gに、後述するカバー9の係合突部9dが係合されてカバー9がケース6に固着されるものとなっている。
【0017】
渦巻き状ばね7は、りん青銅などのばね性を有する薄板金属板で形成され、時計のゼンマイの様に渦巻き状に巻回されて形成されている。この渦巻き状ばね7の内周部には、円状の空洞部7aが形成されており、この空洞部7aに、導電性の金属材で球状に形成された可動接点8が転動可能に収納されるものとなっている。また、この渦巻き状ばね7の外周部は、前記カバー6の第2開口部6cの内周径と略同じか、やや大きめに形成され、一定のばね性を有した状態で前記カバー6の段部6aに載置されるものとなっている。
【0018】
可動接点8は、表面に金めっきが施された導電性の金属材で球状に形成されており、前記ハウジング1の収納部1aに保持され、ケース6の第2開口部6cに配置された渦巻き状ばね7の空洞部7a内に配設され、外部から加えられる加速度によって自ら転動することにより、固定接点2、3、4、5と接離されるものとなっている。この際、球状の前記可動接点8は、接点部2a、3a、4a、5aの互いに対向する側辺部に設けられたレール状部2c、3c、4c、5cに沿って、前後左右の4方向に転動して、それぞれの方向に対応した接点部2a、3a、4a、5aと接離されるものとなっている。
【0019】
カバー9は、同じく合成樹脂などの絶縁材で形成され、下面側に円形凹状に設けられた収容部9aを有する方形状の箱型に形成されている。このカバー9の収容部9aの天面側の内周面には、カバー9の対角線上に位置する4箇所に、内方へ突出したガイド突起9bが設けられている。このガイド突起9bは、先細状の三角形をしており、側辺部が、先端に行くに従って上側へ傾斜する弧状面となっている。そして、カバー9が、ケース6に嵌着された際には、このガイド突起9bが、渦巻き状ばね7を挟んで、ケース6のガイド突起6dとそれぞれ対向して配置されるものとなっており、このガイド突起6d及び9bとで、外部から加えられる加速度によって渦巻き状ばね7及び可動接点8が変位、転動する際に、上下からガイドすることにより、検出動作が確実に行われるものとなっている。
【0020】
また、カバー9の下面側には、前記収容部9aの周縁に沿って円環状の突壁部9cが形成されている。カバー9をケース6に嵌着する際に、この突壁部9cが、ケース6の第2開口部6cの内周面に嵌合するようになっており、この時、突壁部9cの先端が、第2開口部6cの段部6aに載置された渦巻き状ばね7の外周部に当接されることにより、渦巻き状ばね7が適宜位置に位置決めされるものとなっている。
【0021】
また、カバー9の下面側には、カバー9の収容部9aの外方で、一方の対角線上の角部には、一対の係合突部9dが設けられている。カバー9をケース6に嵌着する際に、この係合突部9dが、ケース6の係合穴6gに係合されることにより、カバー9がケース6に固着されるものとなっている。
尚、上記実施例におけるハウジング1、ケース6、カバー9の3部品により、本発明におけるハウジングが構成されている。
【0022】
上記実施例では、固定接点2、3、4、5は、ハウジング1の内底面の同一平面上に設けるようにしてあり、このように固定接点2、3、4、5を、ハウジング1、ケース6、カバー9からなるハウジングの同一面側に設けることにより、ハウジングの加工が容易となり、ローコスト化が図れるものとなっている。
尚、この場合、ハウジングを上下の2個の部品で形成し、2個のハウジングのそれぞれの上面と下面とに固定接点を形成するようにしても良い。
【0023】
次に、図4、図5、図7、図8を用いて、上記構成の加速度センサの動作を説明する。
まず、加速度センサが搭載された機器が、略平行状態で、どちらの方向にも加速度が加わっていない時、及び加わる加速度が、予め設定された規定値に対して下回っている時(微小時)には、図4に示すように、前記可動接点8は前記ケース6の第2開口部6cに配置されている渦巻き状ばね7の中央の円状の空洞部7aに収納され、この渦巻き状ばね7の有するばね力によって第2開口部6cの中立位置(中央位置)に保持されている。この場合、図5に示すように、前記可動接点8は、前記固定接点2、3、4、5の中央部に位置し、ハウジング1の内底面上に載置されており、それぞれの接点部2a、3a、4a、5aとは離間された状態となっている。
【0024】
この時、固定接点2、3、4、5は、中立位置における渦巻き状ばね7の、内周部中央に設けられた空洞部7aよりも外周部側に配置されるように形成されているので、この中立位置では、可動接点8はそれぞれの接点部2a、3a、4a、5aと離間した状態となり、確実に固定接点間をオフにすることができるものとなっている。
【0025】
この状態から、機器にどちらかの一方向(ここでは右側とする)に、予め設定された規定値以上の加速度が加わると、図7に示すように、前記可動接点8が、前記渦巻き状ばね7のばね力に抗して、第2開口部6cの中立位置から外れ、図示左側に転動する。そして、この可動接点8が、図8に示すように、左側に配設された固定接点2、3の接点部2a、3aのレール状部2c、3cに沿って転動するものとなり、固定接点2、3と可動接点8が接触するものとなる。
【0026】
この状態においては、前記固定接点2と固定接点3とに前記可動接点8が跨った状態で、前記可動接点8を介して、前記固定接点2と固定接点3が接続されるものとなり、このオン信号を前記端子部2bと3bを通して機器側の制御回路(図示せず)に送信することで機器に右側方向の加速度が加わったことを検知するようになっている。
【0027】
尚、上述した図示右方向とは異なり、左方向やこれに直交する方向である図示上下方向に加速度が加わった場合においても、上述した動作と同様な動作となるので、ここでの説明は省略する。
【0028】
また、上記実施例では、可動接点8が中立位置にある時には、可動接点8は、それぞれの固定接点2、3、4、5とは離間された状態となっており、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となるように形成してあるので、中立位置で導通状態にする場合に比べて、中立位置の範囲を大きく取ることができ、誤動作が起こりにくいものとなっている。また、中立位置では非導通状態となるので、検出回路の消費電力を少なくすることができる。
尚、この場合、可動接点8が中立位置にある時には、固定接点2、3、4、5と接触しており、加速度が加わった時に非接触となるように形成しても良い。
【0029】
上記した実施例によれば、複数の固定接点2、3、4、5と接離される球状の可動接点8を、転動可能に保持する渦巻き状のばね7を設け、非加速状態では、可動接点8は渦巻き状ばね7の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、渦巻き状ばね7が変位して可動接点8がハウジング1内を転動し、可動接点8と固定接点2、3、4、5との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられた方向を検出するようにしてあり、可動接点8を中立位置に保持させるのに渦巻き状ばね7を使用しているので、磁石などの磁力の影響がなく使用環境の制限を受けることがないものとなっている。
また、可動接点8は転動可能に保持されているので、固定接点2、3、4、5と接触する箇所が固定されることがなく、摺動接点のような摩耗が発生せず、接点の長寿命化が図れるものとなる。
【0030】
また、渦巻き状ばね7の内周部中央に空洞部7aを設けて、この空洞部7aに可動接点8を転動可能に保持することにより、加速度センサの小型化を図ることができると共に、ばねの長さ(撓み距離)を長くすることができるので、小さな加速度でも、ばねが変位して接点が切り換わる加速度センサが得られる。また、渦巻き状ばね7のばねの長さを長くとることができることから、所望の検出加速度に合った適切な弾性力を得ることができ、検出精度のバラツキも少なくすることができる。また、構成が簡単で、確実に、可動接点8を転動可能に保持することができるものとなっている。
【0031】
図9、図10は、本発明の加速度センサの他の実施例の構成を示している。
この場合、上記実施例の構成とは、ハウジング1に配設された固定接点2、3、4、5の構成が一部相違したものとなっている。
【0032】
すなわち、本実施例における固定接点2、3、4、5の、レール状部2c、3c、4c、5cには、前記可動接点8が中立位置から側方(左右前後方向)に移動するに従って、ハウジング1の底面から離れる方向に傾斜する傾斜面2e、3e、4e、5eが設けられたものとなっている。
このため、加速度が加わった際には、可動接点8は、レール状部2c、3c、4c、5cの傾斜面2e、3e、4e、5eに沿って斜面を登るように転動されるものとなる。
【0033】
このように、レール状部2c、3c、4c、5cに傾斜面2e、3e、4e、5eを設けることにより、加わった加速度により可動接点8が、図10に示すように、中立位置から左側に転動する時には、斜面を登る時の可動接点8の自重によって、可動接点8が固定接点2、3側に押し付けられるため、確実に固定接点2、3と接触することとなり、接触が安定するものとなっている。
【0034】
尚、上述したいずれの実施例においても、可動接点を中立位置に復帰させる弾性部材として、ばね性を有する薄板金属板からなる渦巻き状ばねを用いたもので説明したが、本発明は、これに限らず、可撓性を有する合成樹脂製の渦巻き状ばね、あるいは、中空部を備えたドーナツ状のエラストマーやスポンジ材を弾性部材として使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加速度センサは、ハウジングと、ハウジング内に配設された複数の固定接点と、ハウジング内に転動可能に収納され、転動時に複数の固定接点と接離される球状の可動接点と、可動接点を転動可能に保持すると共に、可動接点をハウジング内の中立位置に復帰させる弾性部材とを備え、非加速状態では、可動接点は弾性部材の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、弾性部材が変位して可動接点がハウジング内を転動し、可動接点と固定接点との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにしたことから、可動接点を弾性部材によって中立位置に保持させるようにしているので、磁石などの磁力の影響がなく使用環境の制限を受けることがない。また、可動接点は転動可能に保持されているので、固定接点と接触する箇所が固定されることがなく、摺動接点のような摩耗が発生せず、接点の長寿命化が図れる。
また、弾性部材は、渦巻き状ばねからなり、渦巻き状ばねの内周部側に空洞部を設け、空洞部に可動接点を転動可能に保持したことから、ばねの長さを長くすることができるので、所望の加速度に合った適切な弾性力(付勢力)を得ることができ、検出精度のバラツキも少なくできる。また、構成が簡単で、確実に、可動接点を転動可能に保持することができる。
【0036】
また、固定接点と可動接点とは、中立位置においては非接触状態であり、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となることから、中立位置で導通状態にする場合に比べて、中立位置の範囲を大きく取ることができ、誤動作が起こりにくい。また、中立位置では非導通状態となるので、検出回路の消費電力を少なくすることができる。
また、固定接点は、中立位置における渦巻き状ばねの内周部側に設けられた空洞部よりも外周部側に配置されていることから、中立位置で、確実に固定接点間をオフにすることができる。
また、固定接点は、ハウジングの同一面側に設けられていることから、ハウジングの加工が容易となり、ローコスト化が図れる。
【0037】
また、固定接点は、可動接点が転動可能なレール状部を有することから、可動接点がレール状部を転動して、接触位置を変えながら固定接点と接することとなるので、接点の切り換えが確実に行われると共に、接触が安定することで、接触信頼性の向上が図れる。
また、固定接点を、ハウジングの十字方向にそれぞれ対向させて配置したことから、多方向(4方向)の加速度の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である加速度センサを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の同じく加速度センサを示す斜視図である。
【図3】本発明の同じく加速度センサを示す断面図である。
【図4】本発明の加速度センサのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図5】本発明の加速度センサのハウジングと可動接点を示す部分斜視図である。
【図6】本発明の加速度センサの固定接点と可動接点を示す部分斜視図である。
【図7】本発明の渦巻き状ばねの変位状態を示す平面図である。
【図8】本発明の渦巻き状ばねが変位した時の可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【図9】本発明の加速度センサの固定接点の変形例を示す部分斜視図である。
【図10】本発明の加速度センサの固定接点の変形例での可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【図11】従来の加速度センサの構造を示す断面図である。
【図12】従来の加速度センサの接点部の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b 棒状突起
1c 切り溝部
2 固定接点
2a 接点部
2b 端子部
2c レール状部
2d ガイド孔
2e 傾斜面
3 固定接点
3a 接点部
3b 端子部
3c レール状部
3d ガイド孔
3e 傾斜面
4 固定接点
4a 接点部
4b 端子部
4c レール状部
4d ガイド孔
4e 傾斜面
5 固定接点
5a 接点部
5b 端子部
5c レール状部
5d ガイド孔
5e 傾斜面
6 ケース
6a 段部
6b 第1開口部
6c 第2開口部
6d ガイド突起
6e 凹溝
6f 貫通孔
6g 係合穴
7 渦巻き状ばね(弾性部材)
7a 空洞部
8 可動接点
9 カバー
9a 収容部
9b ガイド突起
9c 突壁部
9d 係合突部
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種携帯用電子機器、家庭用ゲーム機、玩具などに用いられる加速度センサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加速度センサ(振動検知器)の構造としては、ケース内に鋼球が移動自在に収納され、外部から加えられる機械的振動に応じて鋼球が相対的に変位すると、この変位に応じて、所定の配置で設けられたスイッチ部がオン又はオフ出力を生じる構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、従来の加速度センサの構造を図に基づいて説明する。図11は従来の加速度センサの構造を示す断面図、図12は接点部の構成例を示す平面図である。
【0004】
図において、ケース31は、非磁性及び非導電性体からなる凹曲面状に設けられ、部分的球形状をしている。このケース31内には、鉄などの磁性体からなる鋼球32が移動自在に収納されている。この鋼球32は自重によりケース31の最底部に位置しており、この位置が中立位置である。ケース31の外側の下面には永久磁石34が配置されており、磁性体コア部33が位置調整可能に配置されている。この磁性体コア部33の先端が鋼球32に近接して配置されている。磁性体コア部33を調整することにより磁石34の鋼球32への吸引力が調整され、外部からの振動に対する鋼球2の可動応答性が可変制御されるものとなっている。
【0005】
鋼球32の相対位置を検出するスイッチ部は、図12に示すように、ケース31の最底部における鋼球32の中立位置に対応して、2つの電気的接点35a、35bを配置し、鋼球32が該中立位置に位置しているときは、鋼球32が両接点35a、35bに接触して、該接点間を電気的に開成するように構成されている。外部からの振動により鋼球32が変位すると、鋼球32が中立位置から外れて、一方の接点35a、35bに接触しない状態となり、接点間が電気に開放されることにより外部からの機械的振動の有無に応じて、オン、オフ出力を生じるものとなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−280941号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の加速度センサの構成においては、ケース31の外側の下面に永久磁石34が配置され、磁性体コア部33の先端を可動接点である鋼球32に近接して配置することで、外部からの振動に対する鋼球2の可動応答性を規制するようにしてあるので、磁石を必要とし、磁力の影響を受けてはいけない製品への使用ができず、使用環境が制限されてしまうという問題があった。
【0008】
従って、本発明では上述した問題点を解決し、外部から加えられた加速度の検知が可能であると共に、製品の使用環境の制限を受けることのない加速度センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、ハウジングと、該ハウジング内に配設された複数の固定接点と、前記ハウジング内に転動可能に収納され、転動時に前記複数の固定接点と接離される球状の可動接点と、該可動接点を転動可能に保持すると共に、前記可動接点を前記ハウジング内の中立位置に復帰させる弾性部材とを備え、非加速状態では、前記可動接点は前記弾性部材の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、前記弾性部材が変位して前記可動接点が前記ハウジング内を転動し、前記可動接点と前記固定接点との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにした構成とした。
また、第2の解決手段として、前記弾性部材は、渦巻き状ばねからなり、該渦巻き状ばねの内周部側に空洞部を設け、該空洞部に前記可動接点を転動可能に保持した構成とした。
【0010】
また、第3の解決手段として、前記固定接点と前記可動接点とは、前記中立位置においては非接触状態であり、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となる構成とした。
また、第4の解決手段として、前記固定接点は、中立位置における前記渦巻き状ばねの内周部側に設けられた前記空洞部よりも外周部側に配置されている構成とした。
また、第5の解決手段として、前記固定接点は、前記ハウジングの同一面側に設けられている構成とした。
また、第6の解決手段として、前記固定接点は、前記可動接点が転動可能なレール状部を有する構成とした。
また、第7の解決手段として、前記固定接点を、前記ハウジングの十字方向にそれぞれ対向させて配置した構成とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図10に示す。図1は加速度センサの分解斜視図、図2は加速度センサの斜視図、図3は加速度センサの断面図、図4はカバーを外した状態の平面図、図5はハウジングと可動接点を示す部分斜視図、図6は固定接点と可動接点を示す部分斜視図、図7は渦巻き状ばねの変位状態を示す平面図、図8は渦巻き状ばねが変位した時の可動接点の状態を示す部分斜視図、図9は固定接点の変形例を示す部分斜視図、図10は変形例での可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【0012】
図において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材からなり、上面が開口された方形状の収納部1aを有する箱型に形成されている。また、このハウジング1の収納部1a内底面の四角部には、円柱状の棒状突起1bが設けられており、この棒状突起1bに、導電性の金属板からなる複数の固定接点2、3、4、5に設けられたガイド孔2d、3d、4d、5dが貫通されている。固定接点2、3、4、5は、ガイド孔2d、3d、4d、5dが棒状突起1bに貫通されることにより、それぞれ一定のギャップを有して離間した状態で、ハウジング1の内底面の対角線上の十字方向に、それぞれ平面視対向させて同一平面上に配設されている。
【0013】
固定接点2、3、4、5は、中央に前記ガイド孔2d、3d、4d、5dが設けられた方形状の接点部2a、3a、4a、5aと、この接点部2a、3a、4a、5aから導出されて、ハウジング1側面の切り溝部1cから外方へ延出する長尺状の端子部2b、3b、4b、5bとを有している。また、接点部2a、3a、4a、5aの、お互いに対向するそれぞれの側辺部には、後述する可動接点8が転動可能なレール状部2c、3c、4c、5cが設けられている。
このレール状部2c、3c、4c、5cは、接点部2a、3a、4a、5aのお互いに対向する側辺部を下方へL字状に屈曲することにより形成されており、このレール状部2c、3c、4c、5cを設けることにより、可動接点8が、固定接点2、3、4、5と接触する際に、このレール状部2c、3c、4c、5cに沿って、前後左右の4方向に確実に転動するようになっている。
【0014】
ケース6は、同じく合成樹脂などの絶縁材からなり、中央に円形の開口部を有する略方形の板状に形成されており、前記ハウジング1の収納部1aに挿入されて前記固定接点2、3、4、5上に固着されるものとなっている。また、開口部の中央には、後述する渦巻き状ばね7の外周部が載置される段部6aが設けられ、この段部6aの下側がやや小さめな第1開口部6b、そして段部の上側がやや大きめな第2開口部6cを形成している。
【0015】
また、第1開口部6bの内周面には、ケース6の対角線上に位置する4箇所に、内方へ突出したガイド突起6dが設けられている。このガイド突起6dは、先細状の三角形をしており、側辺部が、先端に行くに従って下側へ傾斜する弧状面となっている。そして、ケース6が、ハウジング1の収納部1aに挿入された際には、このガイド突起6dが固定接点2、3、4、5の上面側の一部を覆うことになり、渦巻き状ばね7と固定接点2、3、4、5とが接触するのを防止するものとなっている。
【0016】
また、第2開口部6cの内周面には、同じくケース6の対角線上に位置する4箇所に、外方へ向かって延びる凹溝6eが設けられており、この凹溝6eの内底部には、下面へ貫通した貫通孔6fが設けられている。この貫通孔6fに、前記ハウジング1の収納部1aに設けられた棒状突起1bが貫通されて、ケース6がハウジング1の収納部1aに固着されるものとなる。
また、ケース6の第2開口部6cの外方で、上面側の一方の対角線上の角部には、一対の係合穴6gが設けられている。この係合穴6gに、後述するカバー9の係合突部9dが係合されてカバー9がケース6に固着されるものとなっている。
【0017】
渦巻き状ばね7は、りん青銅などのばね性を有する薄板金属板で形成され、時計のゼンマイの様に渦巻き状に巻回されて形成されている。この渦巻き状ばね7の内周部には、円状の空洞部7aが形成されており、この空洞部7aに、導電性の金属材で球状に形成された可動接点8が転動可能に収納されるものとなっている。また、この渦巻き状ばね7の外周部は、前記カバー6の第2開口部6cの内周径と略同じか、やや大きめに形成され、一定のばね性を有した状態で前記カバー6の段部6aに載置されるものとなっている。
【0018】
可動接点8は、表面に金めっきが施された導電性の金属材で球状に形成されており、前記ハウジング1の収納部1aに保持され、ケース6の第2開口部6cに配置された渦巻き状ばね7の空洞部7a内に配設され、外部から加えられる加速度によって自ら転動することにより、固定接点2、3、4、5と接離されるものとなっている。この際、球状の前記可動接点8は、接点部2a、3a、4a、5aの互いに対向する側辺部に設けられたレール状部2c、3c、4c、5cに沿って、前後左右の4方向に転動して、それぞれの方向に対応した接点部2a、3a、4a、5aと接離されるものとなっている。
【0019】
カバー9は、同じく合成樹脂などの絶縁材で形成され、下面側に円形凹状に設けられた収容部9aを有する方形状の箱型に形成されている。このカバー9の収容部9aの天面側の内周面には、カバー9の対角線上に位置する4箇所に、内方へ突出したガイド突起9bが設けられている。このガイド突起9bは、先細状の三角形をしており、側辺部が、先端に行くに従って上側へ傾斜する弧状面となっている。そして、カバー9が、ケース6に嵌着された際には、このガイド突起9bが、渦巻き状ばね7を挟んで、ケース6のガイド突起6dとそれぞれ対向して配置されるものとなっており、このガイド突起6d及び9bとで、外部から加えられる加速度によって渦巻き状ばね7及び可動接点8が変位、転動する際に、上下からガイドすることにより、検出動作が確実に行われるものとなっている。
【0020】
また、カバー9の下面側には、前記収容部9aの周縁に沿って円環状の突壁部9cが形成されている。カバー9をケース6に嵌着する際に、この突壁部9cが、ケース6の第2開口部6cの内周面に嵌合するようになっており、この時、突壁部9cの先端が、第2開口部6cの段部6aに載置された渦巻き状ばね7の外周部に当接されることにより、渦巻き状ばね7が適宜位置に位置決めされるものとなっている。
【0021】
また、カバー9の下面側には、カバー9の収容部9aの外方で、一方の対角線上の角部には、一対の係合突部9dが設けられている。カバー9をケース6に嵌着する際に、この係合突部9dが、ケース6の係合穴6gに係合されることにより、カバー9がケース6に固着されるものとなっている。
尚、上記実施例におけるハウジング1、ケース6、カバー9の3部品により、本発明におけるハウジングが構成されている。
【0022】
上記実施例では、固定接点2、3、4、5は、ハウジング1の内底面の同一平面上に設けるようにしてあり、このように固定接点2、3、4、5を、ハウジング1、ケース6、カバー9からなるハウジングの同一面側に設けることにより、ハウジングの加工が容易となり、ローコスト化が図れるものとなっている。
尚、この場合、ハウジングを上下の2個の部品で形成し、2個のハウジングのそれぞれの上面と下面とに固定接点を形成するようにしても良い。
【0023】
次に、図4、図5、図7、図8を用いて、上記構成の加速度センサの動作を説明する。
まず、加速度センサが搭載された機器が、略平行状態で、どちらの方向にも加速度が加わっていない時、及び加わる加速度が、予め設定された規定値に対して下回っている時(微小時)には、図4に示すように、前記可動接点8は前記ケース6の第2開口部6cに配置されている渦巻き状ばね7の中央の円状の空洞部7aに収納され、この渦巻き状ばね7の有するばね力によって第2開口部6cの中立位置(中央位置)に保持されている。この場合、図5に示すように、前記可動接点8は、前記固定接点2、3、4、5の中央部に位置し、ハウジング1の内底面上に載置されており、それぞれの接点部2a、3a、4a、5aとは離間された状態となっている。
【0024】
この時、固定接点2、3、4、5は、中立位置における渦巻き状ばね7の、内周部中央に設けられた空洞部7aよりも外周部側に配置されるように形成されているので、この中立位置では、可動接点8はそれぞれの接点部2a、3a、4a、5aと離間した状態となり、確実に固定接点間をオフにすることができるものとなっている。
【0025】
この状態から、機器にどちらかの一方向(ここでは右側とする)に、予め設定された規定値以上の加速度が加わると、図7に示すように、前記可動接点8が、前記渦巻き状ばね7のばね力に抗して、第2開口部6cの中立位置から外れ、図示左側に転動する。そして、この可動接点8が、図8に示すように、左側に配設された固定接点2、3の接点部2a、3aのレール状部2c、3cに沿って転動するものとなり、固定接点2、3と可動接点8が接触するものとなる。
【0026】
この状態においては、前記固定接点2と固定接点3とに前記可動接点8が跨った状態で、前記可動接点8を介して、前記固定接点2と固定接点3が接続されるものとなり、このオン信号を前記端子部2bと3bを通して機器側の制御回路(図示せず)に送信することで機器に右側方向の加速度が加わったことを検知するようになっている。
【0027】
尚、上述した図示右方向とは異なり、左方向やこれに直交する方向である図示上下方向に加速度が加わった場合においても、上述した動作と同様な動作となるので、ここでの説明は省略する。
【0028】
また、上記実施例では、可動接点8が中立位置にある時には、可動接点8は、それぞれの固定接点2、3、4、5とは離間された状態となっており、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となるように形成してあるので、中立位置で導通状態にする場合に比べて、中立位置の範囲を大きく取ることができ、誤動作が起こりにくいものとなっている。また、中立位置では非導通状態となるので、検出回路の消費電力を少なくすることができる。
尚、この場合、可動接点8が中立位置にある時には、固定接点2、3、4、5と接触しており、加速度が加わった時に非接触となるように形成しても良い。
【0029】
上記した実施例によれば、複数の固定接点2、3、4、5と接離される球状の可動接点8を、転動可能に保持する渦巻き状のばね7を設け、非加速状態では、可動接点8は渦巻き状ばね7の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、渦巻き状ばね7が変位して可動接点8がハウジング1内を転動し、可動接点8と固定接点2、3、4、5との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられた方向を検出するようにしてあり、可動接点8を中立位置に保持させるのに渦巻き状ばね7を使用しているので、磁石などの磁力の影響がなく使用環境の制限を受けることがないものとなっている。
また、可動接点8は転動可能に保持されているので、固定接点2、3、4、5と接触する箇所が固定されることがなく、摺動接点のような摩耗が発生せず、接点の長寿命化が図れるものとなる。
【0030】
また、渦巻き状ばね7の内周部中央に空洞部7aを設けて、この空洞部7aに可動接点8を転動可能に保持することにより、加速度センサの小型化を図ることができると共に、ばねの長さ(撓み距離)を長くすることができるので、小さな加速度でも、ばねが変位して接点が切り換わる加速度センサが得られる。また、渦巻き状ばね7のばねの長さを長くとることができることから、所望の検出加速度に合った適切な弾性力を得ることができ、検出精度のバラツキも少なくすることができる。また、構成が簡単で、確実に、可動接点8を転動可能に保持することができるものとなっている。
【0031】
図9、図10は、本発明の加速度センサの他の実施例の構成を示している。
この場合、上記実施例の構成とは、ハウジング1に配設された固定接点2、3、4、5の構成が一部相違したものとなっている。
【0032】
すなわち、本実施例における固定接点2、3、4、5の、レール状部2c、3c、4c、5cには、前記可動接点8が中立位置から側方(左右前後方向)に移動するに従って、ハウジング1の底面から離れる方向に傾斜する傾斜面2e、3e、4e、5eが設けられたものとなっている。
このため、加速度が加わった際には、可動接点8は、レール状部2c、3c、4c、5cの傾斜面2e、3e、4e、5eに沿って斜面を登るように転動されるものとなる。
【0033】
このように、レール状部2c、3c、4c、5cに傾斜面2e、3e、4e、5eを設けることにより、加わった加速度により可動接点8が、図10に示すように、中立位置から左側に転動する時には、斜面を登る時の可動接点8の自重によって、可動接点8が固定接点2、3側に押し付けられるため、確実に固定接点2、3と接触することとなり、接触が安定するものとなっている。
【0034】
尚、上述したいずれの実施例においても、可動接点を中立位置に復帰させる弾性部材として、ばね性を有する薄板金属板からなる渦巻き状ばねを用いたもので説明したが、本発明は、これに限らず、可撓性を有する合成樹脂製の渦巻き状ばね、あるいは、中空部を備えたドーナツ状のエラストマーやスポンジ材を弾性部材として使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加速度センサは、ハウジングと、ハウジング内に配設された複数の固定接点と、ハウジング内に転動可能に収納され、転動時に複数の固定接点と接離される球状の可動接点と、可動接点を転動可能に保持すると共に、可動接点をハウジング内の中立位置に復帰させる弾性部材とを備え、非加速状態では、可動接点は弾性部材の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、弾性部材が変位して可動接点がハウジング内を転動し、可動接点と固定接点との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにしたことから、可動接点を弾性部材によって中立位置に保持させるようにしているので、磁石などの磁力の影響がなく使用環境の制限を受けることがない。また、可動接点は転動可能に保持されているので、固定接点と接触する箇所が固定されることがなく、摺動接点のような摩耗が発生せず、接点の長寿命化が図れる。
また、弾性部材は、渦巻き状ばねからなり、渦巻き状ばねの内周部側に空洞部を設け、空洞部に可動接点を転動可能に保持したことから、ばねの長さを長くすることができるので、所望の加速度に合った適切な弾性力(付勢力)を得ることができ、検出精度のバラツキも少なくできる。また、構成が簡単で、確実に、可動接点を転動可能に保持することができる。
【0036】
また、固定接点と可動接点とは、中立位置においては非接触状態であり、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となることから、中立位置で導通状態にする場合に比べて、中立位置の範囲を大きく取ることができ、誤動作が起こりにくい。また、中立位置では非導通状態となるので、検出回路の消費電力を少なくすることができる。
また、固定接点は、中立位置における渦巻き状ばねの内周部側に設けられた空洞部よりも外周部側に配置されていることから、中立位置で、確実に固定接点間をオフにすることができる。
また、固定接点は、ハウジングの同一面側に設けられていることから、ハウジングの加工が容易となり、ローコスト化が図れる。
【0037】
また、固定接点は、可動接点が転動可能なレール状部を有することから、可動接点がレール状部を転動して、接触位置を変えながら固定接点と接することとなるので、接点の切り換えが確実に行われると共に、接触が安定することで、接触信頼性の向上が図れる。
また、固定接点を、ハウジングの十字方向にそれぞれ対向させて配置したことから、多方向(4方向)の加速度の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である加速度センサを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の同じく加速度センサを示す斜視図である。
【図3】本発明の同じく加速度センサを示す断面図である。
【図4】本発明の加速度センサのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図5】本発明の加速度センサのハウジングと可動接点を示す部分斜視図である。
【図6】本発明の加速度センサの固定接点と可動接点を示す部分斜視図である。
【図7】本発明の渦巻き状ばねの変位状態を示す平面図である。
【図8】本発明の渦巻き状ばねが変位した時の可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【図9】本発明の加速度センサの固定接点の変形例を示す部分斜視図である。
【図10】本発明の加速度センサの固定接点の変形例での可動接点の状態を示す部分斜視図である。
【図11】従来の加速度センサの構造を示す断面図である。
【図12】従来の加速度センサの接点部の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b 棒状突起
1c 切り溝部
2 固定接点
2a 接点部
2b 端子部
2c レール状部
2d ガイド孔
2e 傾斜面
3 固定接点
3a 接点部
3b 端子部
3c レール状部
3d ガイド孔
3e 傾斜面
4 固定接点
4a 接点部
4b 端子部
4c レール状部
4d ガイド孔
4e 傾斜面
5 固定接点
5a 接点部
5b 端子部
5c レール状部
5d ガイド孔
5e 傾斜面
6 ケース
6a 段部
6b 第1開口部
6c 第2開口部
6d ガイド突起
6e 凹溝
6f 貫通孔
6g 係合穴
7 渦巻き状ばね(弾性部材)
7a 空洞部
8 可動接点
9 カバー
9a 収容部
9b ガイド突起
9c 突壁部
9d 係合突部
Claims (7)
- ハウジングと、該ハウジング内に配設された複数の固定接点と、前記ハウジング内に転動可能に収納され、転動時に前記複数の固定接点と接離される球状の可動接点と、該可動接点を転動可能に保持すると共に、前記可動接点を前記ハウジング内の中立位置に復帰させる弾性部材とを備え、非加速状態では、前記可動接点は前記弾性部材の付勢力により中立位置に保持されており、外部から加えられる加速度に応じて、前記弾性部材が変位して前記可動接点が前記ハウジング内を転動し、前記可動接点と前記固定接点との接続状態が切り換わることにより、加速度が加えられたことを検出するようにしたことを特徴とする加速度センサ。
- 前記弾性部材は、渦巻き状ばねからなり、該渦巻き状ばねの内周部側に空洞部を設け、該空洞部に前記可動接点を転動可能に保持したことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
- 前記固定接点と前記可動接点とは、前記中立位置においては非接触状態であり、外部から加えられる加速度に応じて、接触状態となることを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
- 前記固定接点は、中立位置における前記渦巻き状ばねの内周部側に設けられた前記空洞部よりも外周部側に配置されていることを特徴とする請求項2、又は3記載の加速度センサ。
- 前記固定接点は、前記ハウジングの同一面側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の加速度センサ。
- 前記固定接点は、前記可動接点が転動可能なレール状部を有することを特徴とする請求項5記載の加速度センサ。
- 前記固定接点を、前記ハウジングの十字方向にそれぞれ対向させて配置したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の加速度センサ。
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