JP2005017113A - 水質分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】計測装置に供給される純水の純度を容易に把握することのできる水質分析装置を提供する。
【解決手段】TN/TP計内にイオン交換樹脂4と、イオン交換樹脂4で生成された純水の導電率を検出する導電率計6を設け、その導電率計6によってイオン交換樹脂4で生成された純水の劣化状況を計測し、装置外部に設けられた表示ランプ8によりその劣化状況を表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】TN/TP計内にイオン交換樹脂4と、イオン交換樹脂4で生成された純水の導電率を検出する導電率計6を設け、その導電率計6によってイオン交換樹脂4で生成された純水の劣化状況を計測し、装置外部に設けられた表示ランプ8によりその劣化状況を表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料水中に含まれる全窒素と全リンを計測する全窒素・全リン計測部を少なくとも備えた水質分析装置に関するものであり、さらに有機汚濁物質濃度を測定する機構も備えたものも含む。
【0002】
【従来の技術】
我が国においては水中の有機汚濁物質、窒素化合物、リン化合物を測定する方法は、JISのK0102環境庁告示140号によって公的に規格化されている。
水質分析計の分析方法は、まず試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに変換する。
窒素化合物の計測は、PHを2〜3に調整し波長220nmでの紫外線吸光度を測定することで計測される。
【0003】
一方、リン化合物の計測は、リン酸イオンが特有の光吸収を持たないので、発色剤としてモリブテン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定している。
【0004】
また、我が国においては、水質環境保全のために、閉鎖性海域に流入する工場排水に対し、有機汚濁物質についてはすでに総量規制が実施され、UV(紫外線)計、TOC(全有機炭素)計、BOD(生物化学的酸素要求量)計、COD(化学的酸素要求量)計などが公定法として採用されている。その中でもUV計は構成の簡素さにより最も普及している。
【0005】
水質分析を行なう際、全窒素・全リン計測部内においてセルの洗浄やPHの調整などに純水としてイオン交換水を使用する。この純水はイオン交換樹脂を用いた外部の純水器で水道水をイオン交換樹脂により精製して生成される。純水器では導電率が測定され、管理が行なわれている。
分光分析装置において、同様にイオン交換水を外部で生成し、導電率を検出して劣化を管理することが提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−118982号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、純水器単体で純水の劣化(イオン交換樹脂の劣化)を管理しているだけであるので計測器本体との連動性がなく、また、イオン交換樹脂の劣化にともなって純度の低い純水しか精製されていないかどうかは把握することができない。
【0008】
そこで本発明は、計測装置に供給される純水の純度を容易に把握することのできる水質分析装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料水中に含まれる全窒素と全リンを計測する全窒素・全リン計測部を少なくとも備えた水質分析装置であって、全窒素・全リン計測部に供給される純水を生成するイオン交換樹脂と、イオン交換樹脂により精製された純水の導電率を検出する導電率計とをこの水質分析装置内に備え、前記導電率計により検出された導電率を基にした劣化状況を外部に表示する表示部を備えたものである。
本発明の水質分析装置によれば、測定装置に導入される直前の純水の劣化状況を把握することができ、的確な時期にイオン交換樹脂の交換を行なうことができる。
【0010】
劣化状況を外部に出力するようにすれば、離れた場所であっても純水の劣化状況をモニタすることができ、純水が使用不可能となった場合にはエラーメッセージを出したりするなど、様々に対応することが可能となる。
また、純水の劣化状況によって計測動作を停止させるようにすることで、純度の低い純水が導入されている状況での計測データの取得を防ぎ、誤差や混乱を防ぐことができる。
【0011】
【実施例】
以下に一実施例を示す。
図1は一実施例を示す概略図であり、(A)は構成図、(B)は表示ランプを示す図である。
図1(A)において、計測装置(TN/TP計)本体1内には、試料水中の全窒素と全リンを計測するTN/TP測定部2と、TN/TP測定部2に純水を生成し供給するイオン交換樹脂4と、TN/TP測定部2とイオン交換樹脂4との間に配置されイオン交換樹脂4から供給される純水の導電率を検出する導電率計6と、導電率計6の計測結果を読み取って、その値が所定の値を越えるとTN/TP測定部を停止させる制御部12とが備え付けられている。
【0012】
また、計測装置1の外部に導電率計6と接続された表示ランプ8が設置されていて、表示ランプ8は図1(B)に示すように、青,黄,赤の三色のランプを点灯させることができるようになっている。表示ランプ8は導電率に基づいて純水の状態を3段階で表示する。青は正常な純水、黄は近い時期にイオン交換樹脂の交換が必要であること、赤はすぐにイオン交換樹脂の交換が必要であることをそれぞれ示している。
【0013】
導電率計6の機能としては、以下の3つの要素が挙げられる。
▲1▼導電率検出機能。
▲2▼導電率計6内に備えられたメモリに予め設定されたA,B,Cの3段階の閾値を記録し、測定した純水の導電率と記録されている各閾値とを比較する機能。
▲3▼比較した結果に基づいて、表示ランプ8の該当する色のランプを点灯する機能。
ここで、Aの閾値は、導電率がやや高くなっている、すなわち純水の純度が低下しつつあり、近い時期にイオン交換樹脂4を交換する必要があることを意味する目安の値であり、この閾値を超えると、表示ランプ8を青から黄に切り替える。
Bの閾値は、導電率が高くなっている、すなわち純水の純度がかなり低下していて、イオン交換樹脂4を交換する必要があることを意味する目安の値であり、この閾値を超えると表示ランプ8を黄から赤に切り替える。
Cの閾値は、純水が使用不可となっていることを意味するものである。この閾値を超えると、TN/TP測定部2の動作を停止させる。
【0014】
以下に本実施例の動作を説明する。
まず、TN/TP計1に純水を供給するために、外部から水道水をイオン交換樹脂4に導入しイオン交換水を生成する。生成されたイオン交換水は導電率計6を通過し導電率を検出された後、TN/TP測定部2に導入される。
【0015】
導電率計6を通過する純水の純度が高い通常運転時は、表示ランプ8は青色のランプを点灯し、導電率計6で計測された導電率が閾値Aを上回った場合、導電率計6は表示ランプ8を黄に替える信号を送信して黄色のランプを点灯させ、監視者に近い時期にイオン交換樹脂4を交換する時期が来ることを知らせる。
さらにイオン交換樹脂4の劣化が進行し、純水の導電率が閾値Bを越えた場合、導電率計6は表示ランプ8を赤に替える信号を送信して赤色のランプを点灯させ、監視者にイオン交換樹脂4を交換するよう促す。
【0016】
さらに、計測される純水の導電率が上昇して閾値Cを越えると、計測装置1内に設置された制御部12がTN/TP測定部2の全窒素・全リン測定動作を停止させる。
【0017】
劣化状況を示すランプ及び閾値は、3段階に限定されず2段階、又は4段階以上であってもよい。
また、表示ランプ8のカラーは何色であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の構成により以下の効果を奏する。
導電率計の信号を計測器側で管理することによって、イオン交換樹脂が劣化して使用に適さないイオン交換水しか生成できなくなった場合に、エラーメッセージを出したり、計測器を停止させたりするなど、その後の処理を自由に決めることが可能である。
また、アナログメータやデジタル表示と違い、段階的な信号だけを処理するので、計測器にかかる負担が軽くて済む。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す概略図であり、(A)は構成図、(B)は表示ランプを示す図である。
【符号の説明】
1 計測装置本体
2 TN/TP測定部
4 イオン交換樹脂
6 導電率計
8 表示ランプ
12 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料水中に含まれる全窒素と全リンを計測する全窒素・全リン計測部を少なくとも備えた水質分析装置に関するものであり、さらに有機汚濁物質濃度を測定する機構も備えたものも含む。
【0002】
【従来の技術】
我が国においては水中の有機汚濁物質、窒素化合物、リン化合物を測定する方法は、JISのK0102環境庁告示140号によって公的に規格化されている。
水質分析計の分析方法は、まず試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに変換する。
窒素化合物の計測は、PHを2〜3に調整し波長220nmでの紫外線吸光度を測定することで計測される。
【0003】
一方、リン化合物の計測は、リン酸イオンが特有の光吸収を持たないので、発色剤としてモリブテン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定している。
【0004】
また、我が国においては、水質環境保全のために、閉鎖性海域に流入する工場排水に対し、有機汚濁物質についてはすでに総量規制が実施され、UV(紫外線)計、TOC(全有機炭素)計、BOD(生物化学的酸素要求量)計、COD(化学的酸素要求量)計などが公定法として採用されている。その中でもUV計は構成の簡素さにより最も普及している。
【0005】
水質分析を行なう際、全窒素・全リン計測部内においてセルの洗浄やPHの調整などに純水としてイオン交換水を使用する。この純水はイオン交換樹脂を用いた外部の純水器で水道水をイオン交換樹脂により精製して生成される。純水器では導電率が測定され、管理が行なわれている。
分光分析装置において、同様にイオン交換水を外部で生成し、導電率を検出して劣化を管理することが提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−118982号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、純水器単体で純水の劣化(イオン交換樹脂の劣化)を管理しているだけであるので計測器本体との連動性がなく、また、イオン交換樹脂の劣化にともなって純度の低い純水しか精製されていないかどうかは把握することができない。
【0008】
そこで本発明は、計測装置に供給される純水の純度を容易に把握することのできる水質分析装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料水中に含まれる全窒素と全リンを計測する全窒素・全リン計測部を少なくとも備えた水質分析装置であって、全窒素・全リン計測部に供給される純水を生成するイオン交換樹脂と、イオン交換樹脂により精製された純水の導電率を検出する導電率計とをこの水質分析装置内に備え、前記導電率計により検出された導電率を基にした劣化状況を外部に表示する表示部を備えたものである。
本発明の水質分析装置によれば、測定装置に導入される直前の純水の劣化状況を把握することができ、的確な時期にイオン交換樹脂の交換を行なうことができる。
【0010】
劣化状況を外部に出力するようにすれば、離れた場所であっても純水の劣化状況をモニタすることができ、純水が使用不可能となった場合にはエラーメッセージを出したりするなど、様々に対応することが可能となる。
また、純水の劣化状況によって計測動作を停止させるようにすることで、純度の低い純水が導入されている状況での計測データの取得を防ぎ、誤差や混乱を防ぐことができる。
【0011】
【実施例】
以下に一実施例を示す。
図1は一実施例を示す概略図であり、(A)は構成図、(B)は表示ランプを示す図である。
図1(A)において、計測装置(TN/TP計)本体1内には、試料水中の全窒素と全リンを計測するTN/TP測定部2と、TN/TP測定部2に純水を生成し供給するイオン交換樹脂4と、TN/TP測定部2とイオン交換樹脂4との間に配置されイオン交換樹脂4から供給される純水の導電率を検出する導電率計6と、導電率計6の計測結果を読み取って、その値が所定の値を越えるとTN/TP測定部を停止させる制御部12とが備え付けられている。
【0012】
また、計測装置1の外部に導電率計6と接続された表示ランプ8が設置されていて、表示ランプ8は図1(B)に示すように、青,黄,赤の三色のランプを点灯させることができるようになっている。表示ランプ8は導電率に基づいて純水の状態を3段階で表示する。青は正常な純水、黄は近い時期にイオン交換樹脂の交換が必要であること、赤はすぐにイオン交換樹脂の交換が必要であることをそれぞれ示している。
【0013】
導電率計6の機能としては、以下の3つの要素が挙げられる。
▲1▼導電率検出機能。
▲2▼導電率計6内に備えられたメモリに予め設定されたA,B,Cの3段階の閾値を記録し、測定した純水の導電率と記録されている各閾値とを比較する機能。
▲3▼比較した結果に基づいて、表示ランプ8の該当する色のランプを点灯する機能。
ここで、Aの閾値は、導電率がやや高くなっている、すなわち純水の純度が低下しつつあり、近い時期にイオン交換樹脂4を交換する必要があることを意味する目安の値であり、この閾値を超えると、表示ランプ8を青から黄に切り替える。
Bの閾値は、導電率が高くなっている、すなわち純水の純度がかなり低下していて、イオン交換樹脂4を交換する必要があることを意味する目安の値であり、この閾値を超えると表示ランプ8を黄から赤に切り替える。
Cの閾値は、純水が使用不可となっていることを意味するものである。この閾値を超えると、TN/TP測定部2の動作を停止させる。
【0014】
以下に本実施例の動作を説明する。
まず、TN/TP計1に純水を供給するために、外部から水道水をイオン交換樹脂4に導入しイオン交換水を生成する。生成されたイオン交換水は導電率計6を通過し導電率を検出された後、TN/TP測定部2に導入される。
【0015】
導電率計6を通過する純水の純度が高い通常運転時は、表示ランプ8は青色のランプを点灯し、導電率計6で計測された導電率が閾値Aを上回った場合、導電率計6は表示ランプ8を黄に替える信号を送信して黄色のランプを点灯させ、監視者に近い時期にイオン交換樹脂4を交換する時期が来ることを知らせる。
さらにイオン交換樹脂4の劣化が進行し、純水の導電率が閾値Bを越えた場合、導電率計6は表示ランプ8を赤に替える信号を送信して赤色のランプを点灯させ、監視者にイオン交換樹脂4を交換するよう促す。
【0016】
さらに、計測される純水の導電率が上昇して閾値Cを越えると、計測装置1内に設置された制御部12がTN/TP測定部2の全窒素・全リン測定動作を停止させる。
【0017】
劣化状況を示すランプ及び閾値は、3段階に限定されず2段階、又は4段階以上であってもよい。
また、表示ランプ8のカラーは何色であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の構成により以下の効果を奏する。
導電率計の信号を計測器側で管理することによって、イオン交換樹脂が劣化して使用に適さないイオン交換水しか生成できなくなった場合に、エラーメッセージを出したり、計測器を停止させたりするなど、その後の処理を自由に決めることが可能である。
また、アナログメータやデジタル表示と違い、段階的な信号だけを処理するので、計測器にかかる負担が軽くて済む。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す概略図であり、(A)は構成図、(B)は表示ランプを示す図である。
【符号の説明】
1 計測装置本体
2 TN/TP測定部
4 イオン交換樹脂
6 導電率計
8 表示ランプ
12 制御部
Claims (3)
- 試料水中に含まれる全窒素と全リンを計測する全窒素・全リン計測部を少なくとも備えた水質分析装置において、
前記全窒素・全リン計測部に供給される純水を生成するイオン交換樹脂と、前記イオン交換樹脂により生成された純水の導電率を検出する導電率計とをこの水質分析装置内に備え、
前記導電率計により検出された導電率を基にした劣化状況を外部に表示する表示部を備えた水質分析装置。 - 前記劣化状況を表わす信号を外部に出力する請求項1に記載の水質分析装置。
- 前記劣化状況を表わす信号に基づいて、この水質分析装置の計測動作を停止させる機構を備えた請求項1又は2に記載の水質分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182287A JP2005017113A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 水質分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182287A JP2005017113A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 水質分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005017113A true JP2005017113A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34182708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003182287A Pending JP2005017113A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 水質分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005017113A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022021471A1 (zh) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | 海德星科技南京有限公司 | 一种基于无线传感的农业灌溉水质检测系统及其检测方法 |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003182287A patent/JP2005017113A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022021471A1 (zh) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | 海德星科技南京有限公司 | 一种基于无线传感的农业灌溉水质检测系统及其检测方法 |
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