JP2005016677A - アキシャル型磁気浮上回転機器及び遠心ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ1の上方に上部ステータ2を、下方に下部ステータ3を配するとともにロータの周囲にリング状外側永久磁石9を配した構成で、上部ステータ2の電磁石5はロータ上面の上側永久磁石と共働して、ロータ1の軸方向位置及び傾き制御を行ない、下部ステータ3はロータ下面の永久磁石6と共働してロータの回転制御を行なう。ロータ1のラジアル方向の変動ないし振動はロータ周面に設けたリング状内側永久磁石8とこれと同心配置の前記永久磁石9との間の相互反発力により抑制し、ラジアル方向の受動安定性で支持する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータと、その軸線方向に沿って、その上部に配置された上部ステータ及び下部に配置された下部ステータとを備え、前記ロータをその軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながら、軸線のまわりに非接触状態で回転させるアキシャル型磁気浮上回転機器及びそれを用いたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータを磁気の作用によって非接触状態で回転させる構成の回転機器として、例えば磁気浮上回転モータ、高速回転機、工作機械用の高速スピンドル、更にはその応用例としての医療分野における人工心臓や遠心ポンプへの適用がある。磁気浮上の方式として、ロータのラジアル方向からの制御を行なうラジアル型のもの(例えば、特許文献1及び2参照)及びロータの軸線方向に沿ってロータの軸方向の位置ならびに回転の制御を行なうアキシャル型のもの(例えば、特許文献3参照)がある。
【0003】
【特許文献1】
特表平11−503210号公報
【特許文献2】
特開平4−236188号公報
【特許文献3】
特許第2860398号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び2に開示されたラジアル式の場合には、ロータの外周に離間配置したステータに、ロータ回転駆動のための電磁石の巻線に加えてロータの浮上状態を制御する電磁石の巻線を設ける必要があるために、構造、特に横方向の寸法が大となり、大型化ならびに重量増大といった問題、更には制御系が複雑になるといった問題があった。
【0005】
又、アキシャル型のものとして提案されている特許文献3に開示のものでは、上部ステータに回転・浮上を兼用する巻線を有する電磁石を設け、下部ステータには吸引用磁石を設けて、これを位置コントローラを介してロータの軸方向の位置の制御ならびに回転制御を行なう構成となっている。しかし、ロータの横方向、すなわちラジアル方向の位置の変動ないし振動を抑制する構成がないので、ロータ回転の安定化の構成が不十分であるとともに上部ステータに設けた電磁石がロータの回転と浮上の両方の制御を行なうために、ここにおいても制御系が複雑になるといった問題があった。
【0006】
従って、本発明は、上記従来の磁気浮上回転機器における諸問題に鑑みなされたもので、その目的は、ロータのラジアル方向の変動ないし振動を抑制して、より安定したロータ回転を可能とするとともに制御構成が簡単で、小型化設計も容易なアキシャル型磁気浮上回転機器ならびにその具体例としてのアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ロータと、該ロータの軸線方向に沿ってその上部に配置された上部ステータ及び下部に配置された下部ステータとを備え、前記ロータを該軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながら該軸線のまわりに非接触状態で回転させる構成のものにおいて、前記ロータの上面に円形状上側永久磁石を設けるとともに前記上部ステータには該円形状上側永久磁石と共働して該ロータに対して軸線方向の吸引力を発生させる吸引用電磁石手段を設け、前記ロータの下面には該ロータの回転用の複数個の下側永久磁石を設けるとともに前記下部ステータには該回転用永久磁石と共働して該ロータの回転駆動を行なう回転用電磁石手段を設け、前記ロータの周面にリング状内側永久磁石を設けるとともに該リング状内側永久磁石と共働して該ロータのラジアル方向の反発力を生じさせるために該ロータの周囲にこれと離間した状態で固定のリング状外側永久磁石を配置し、前記上部ステータの吸引用電磁石手段によって該ロータとの間にギャップを保持してロータの軸方向の位置を制御するとともに前記下部ステータの回転用電磁石手段によって該ロータの回転制御を行ない、前記内側及び外側永久磁石の相互の反発力によって該ロータのラジアル方向の位置制御を行なう構成のアキシャル型磁気浮上回転機器を提案するものである。
【0008】
上記構成のごとく、本発明においては、上部ステータの電磁石手段はロータに対して吸引力を作用させてロータの軸方向の位置制御を担当するが、ロータの回転制御は兼用せず、これは下部ステータの電磁石手段が担当する構成とし、かつ、ロータの横方向の変動ないし振動に対してはロータ側に設けたリング状内側永久磁石と、ロータの周囲に離間して配置した固定のリング状外側永久磁石の相互の反発力を用いて受動的ないしパッシブ(passive)に抑制するようにしたものである。
【0009】
従って、上部ステータにおいてロータの軸方向に着磁したバイアス磁束発生用としてロータの軸方向の位置を制御するが、ロータの回転については、下部ステータが担当するので、制御構成が簡単になり、又、ラジアル方向についてもロータの変動ないし振動を受動安定性をもって抑制してロータを支持するようにしたので、より安定したロータの回転動作を得ることができる。
【0010】
又、本発明においては、上部ステータに設けた電磁石手段は、ロータの上側永久磁石と共働してロータの傾きを制御をする傾き制御用電磁石手段として機能させることも提案するものである。これによって、ロータの回転の安定性を一層、向上させることができる。
【0011】
更に、本発明においては、このようなアキシャル型磁気浮上回転機器を用いて遠心ポンプを構成することも提案するものである。これによって、構造が簡単で小型のポンプを提供でき、しかも、非接触状態でロータが回転するので、軸受部分を一切不要とし、吐出液中に軸受の潤滑用グリースが入って汚染されたり摩耗クズ等の混入の恐れがないので、高純度の液のポンプ給送が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明に係るアキシャル型磁気浮上回転機器の原理構成を示す。1はロータ、2はその軸線Zに沿って、その上部に配置された上部ステータ、3はロータ1の下部に配置された下部ステータである。ロータ1の上面には円形状上側永久磁石4が設けられるとともに上部ステータ2には、この上側永久磁石4と共働する4つの電磁石5が設けられている。他方、ロータ1の下面には8個の下側永久磁石6が設けられるとともに下部ステータ3には12突極3相8極よりなる電磁石7が設けられている。又、ロータ1の周面にはリング状内側永久磁石8が設けられるとともに、このリング状内側永久磁石と共働する固定のリング状外側永久磁石9がロータ1の周面から離間した状態で同心状態で配置されている。上部ステータ2及び下部ステータ3に設けられた電磁石5及び7の巻線は図において省略してある。
【0013】
上記構成において、ロータ1の軸線Z方向におけるアキシャル制御は上部ステータ2が行ない、ロータ1の軸線Zのまわりの回転駆動の制御は下部ステータ3が行なう。又、ロータ1のラジアル方向(X軸,Y軸)の位置変動ないし振動に対しては、リング状外側永久磁石9とロータ1側にあるリング状内側永久磁石8の間で発生する相互の反発力によって受動的な制御、すなわちパッシブ(passive)方式の制御を行なう構成である。
【0014】
又、上部ステータ2は後述のようにロータ1が軸線Zに対して偏位した傾きに対する制御も担当する。すなわち、上部ステータ2に設けた4つの電磁石5がロータ1側の内側永久磁石4と共働してロータのアキシャル制御を行うとともに、この4つの電磁石が相互に対角方向に対向するものどうしの2対の電磁石を構成して傾き制御をも行なう。ロータ1の上面の上側永久磁石4は軸方向に着磁したバイアス磁束発生用とし、従って、そのバイアス磁束は軸線Zの一方向にのみ発生させ、磁気浮上制御はロータ1の回転に影響を与えない構成としてある。すなわち、4つの電磁石5は、ロータ1との間にギャップを保持しつつロータ1を軸方向に吸引して浮上させる吸引用電磁石手段及びロータ1の傾き制御用電磁石手段を構成する。
【0015】
下部ステータ3においては、12突極3相8極の電磁石7がロータ1に設けた8個の薄型永久磁石より構成した下側永久磁石6と、この間にギャップを保持した状態で共働してロータ1を軸線Zのまわりに回転駆動する回転制御手段を構成するが、ここではロータ1の浮上制御は行なわない。なお、上記電磁石7は、回転用電磁石であれば、6突極3相4極あるいは4突極2相4極など、突極数、相数、極数は実施形態のものに限定されない。同様に、永久磁石6の個数も下部ステータ3の電磁石7に応じて変化するので、実施形態に限定されるものではない。
【0016】
ロータ1のラジアル方向の位置制御は、前述の通り、ロータ1の周面に配置したリング状内側永久磁石8とロータ1の外周に固定状態に配置したリング状外側永久磁石9による相互の反発力を用いることでパッシイブに行ない、ロータ1のラジアル方向の変動ないし振動を抑制する。内側永久磁石8と外側永久磁石9は径の異なる同心円をなす。
【0017】
図1は本発明に係るアキシャル型磁気浮上回転機器の原理構成を示すが、具体的構成においては、上部ステータ1、下部ステータ3及びリング状外側永久磁石9は回転機器のハウジング等に取付け固定される。
【0018】
上部ステータ2によるロータ1のアキシャル制御、すなわち、ロータ1の軸方向の位置制御において、ロータ1側に設置した上側永久磁石4に対し、上部ステータ2の電磁石5の突極で磁束を増加、若しくは減少する方向に磁束を発生させて吸引力を調整する。以下に、電磁石5に付与される制御電流と吸引力との関係を示す。電磁石5によって発生する磁束をφc、コイルの巻き数をN、電流をIとし、又、磁気抵抗Rが4つの電磁石について全て等しいと仮定すると、φcは、以下の式が得られる。
φc=NI/R
電磁石5による磁束と永久磁石4によって発生する磁束φmの和及び差が、ロータ上面との間のギャップの断面積Sに通る軸方向の磁束Bzとなるので、その一方を示すと以下の式となる。
B1=(φm+φc)/S
よって、4個の突極で発生する吸引力F1,F2は、その一方を示すと
F1=(φc+φm)2/2Sμo
となり、コイル電流の2乗に比例したアキシャル方向の吸引力を発生させることができる。尚、μoは真空の透磁率である。
【0019】
従って、後述の通り、各電磁石5に供給するコイル電流の入力値を制御することによって、吸引力を変化させロータ1の軸方向の位置の制御が可能となる。
【0020】
上部ステータ2によるロータ1の傾き制御において、図2についてロータ1の傾きの検出構成を説明する。図2に示すように、ロータ1の上部には渦電流センサよりなるセンサ10を設置し、このセンサ10からの変位の差を取ることにより、ロータ1の傾きを検出する。図において、破線で示した水平状態のロータ1が実線で示したように角度θだけ傾いた場合、ロータ1の上方に軸線Zの左右対称位置におかれた各センサ10とロータ1との距離をそれぞれd1,d2として、両センサの距離rとしたとき、以下の式が得られる。
θ=tan−1(d1−d2)/r
【0021】
傾き制御は、バイアス磁束に電磁石5から発生する磁束によって、ロータ1の突極間のギャップの磁束に強弱をつけることにより行なう。ロータ1の傾きを検出した後、対をなす左右の電磁石5にロータ1を中心位置の水平状態に戻すための制御電流を流す。図2ではロータ1が左回りに傾いた例を示すが、これに対して、電磁石5から発生させる磁束の流れを変えることにより、磁束を左側で強め合い、右側で弱め合うようにして、ロータ1に右回りのトルクを与える。このようにして、ロータの傾き制御を行なう。すなわち、この場合、4つの電磁石5の内、軸線Zを挟んで対角方向に向き合う2つの電磁石を一対として制御するので、ここでは2対の電磁石が傾き制御の役目を果たす。
【0022】
以下に、制御電流と復元トルクの関係を示す。電磁石5によって発生する磁束をφc、コイルの巻き数をN、電流をIとし、又、磁気抵抗Rが左右とも等しいと仮定すると、φcの値は、左右とも以下の式で得られる。
φc=NI/R
一対の電磁石5による磁束と上側永久磁石4によって発生する磁束φmの和及び差がギャップの断面積Sに通る磁束Bzとなるので、左右の磁束B1,B2は以下の式で得られる。
B1=(φm+φc)/S
B2=(φm−φc)/S
よって、左右の電磁石の突極で発生する吸引力F1,F2は以下の式で得られる。
F1=(φc2+2φc+φm 2)/2Sμo
F2=(φc2+2φc+φm 2)/2Sμo
ここで、μoは真空の透磁率である。このような一対の電磁石2つの吸引力から、例えばロータ中心から距離Lのところにそれぞれ力がかかるとすると、実際にロータ1にかかるトルクTは以下の式で得られる。
T=F1L−F2L=(2φcφm/Sμo)×L
上記より、コイル電流に比例した復元トルクを発生させることができる。
【0023】
以上のように、上部ステータ2の各電磁石5に供給されるコイル電流の入力値を後述のように制御することにより、ロータ1の傾き制御がなされる。上記電磁石7及び永久磁石6の個数は、前述の通りこの実施形態のものに限定されるものではない。
【0024】
下部ステータ3によるロータ1の回転制御においては、下部ステータ3側の12突極3相8極の電磁石7に対して所定のコイル電流を入力することによりロータ1側の8個の永久磁石6との共働作用によりロータ1に軸線Zまわりの回転トルクを付与する。下部ステータ側の電磁石7に供給される電流により磁気エネルギが発生し、これによって、ロータ1に対する回転トルクが生じるが、この供給される入力電流値を変化させることによりロータ1の回転制御がなされる。上記電磁石7及び永久磁石6の個数は、前述の通り、この実施形態のものに限定されるものではない。
【0025】
なお、下部ステータ3において発生する磁気エネルギはロータ1の回転トルクを発生させるとともにロータ1を軸方向に浮上させる浮上力成分も発生させるが、下部ステータ3では、もっぱら回転制御を行ない、ロータ1の軸方向の位置制御は上述の通り、上部ステータ2が担当する。
【0026】
図3に示す本発明のアキシャル型磁気浮上回転機器の制御システムについて以下説明する。上部ステータ2の各電磁石5に対応して設けた渦電流センサ10よりロータ1の軸方向位置及び傾きの変位を表わす検出信号がA/Dコンバータ11を介して制御部12に送られると、該制御部12に設けた軸方向制御手段13、傾き制御手段14及び回転制御手段15において、上部ステータ2及び下部ステータ3の各電磁石5,7に流すべきコイル電流値が算出され、これが電源16に接続されたアンプ17に出力される。このアンプ17より矢印で示すように、上部ステータ2の吸引用及び傾き制御用の各電磁石5及び下部ステータ3の回転制御用の電磁石7にそれぞれ供給される。
【0027】
これによって、吸引用及び傾き制御用の上部ステータ2の電磁石5により、ロータ1に対して所要の吸引力が付与されて浮上状態における軸方向の位置が設定されるとともに傾き制御が行なわれる。他方、下部ステータ3の回転制御用の電磁石7によって所定のトルクが付与され、回転制御が行なわれる。
【0028】
上記制御システムの構成において、例えばアンプ17としてはパワーオペアンプが使用され、制御部12における制御にはPID制御が用いられ、又、高速なデジタル信号処理のためにDSP(Digital Signal Processor)が用いられ、その具体例として例えばdSPACE(商品名)が用いられる。A/Dコンバータ11を介してセンサ10からの検出信号はdSPACE内に取り込まれ、ここで各電磁石のコイルに流す電流が計算される。又、制御部12の制御プログラムはC言語などを用いて作成され、その具体例として例えばMATLAB5.3simulik(商品名)が用いられる。
【0029】
ロータ1の軸方向制御、傾き制御及び回転制御は上述のシステムによって遂行されるが、ロータ1の横方向ないしラジアル方向の制御は、ロータ1に設けたリング状の内側永久磁石8とこれと同心配置のリング状外側永久磁石9の相互反発力によって受動的ないしパッシブ(passive)に行なわれる。
【0030】
図4には、上述した本発明のアキシャル型磁気浮上回転機器を用いた具体例として、アキシャル型磁気浮上遠心ポンプが示されている。上述した回転機器と対応する部分には同一の参照番号を付して説明すると、20はポンプの固定フレームをなすハウジング、21はそのハウジング20内に区画して形成されたポンプ室、22は吸込口、23は吐出口である。
【0031】
ロータ1は、ポンプ室21内に配置されるとともに遠心型のインペラ24を一体に備え、軸線Zのまわりに回転可能に、かつ、その軸線に沿って上下動可能になっている。このロータ1の上面に設けた円形状の上側永久磁石4の上方には、上部ステータ2がハウジング20内に設置され、その各電磁石5が上側永久磁石4と対向している。25は各電磁石5のコイルを示す。
【0032】
ロータ1の下面に設けた永久磁石6の下方には、下部ステータ3がハウジング20内に設置され、その各電磁石7が永久磁石6と対向している。26は各電磁石7のコイルを示す。
【0033】
吸込口22はロータ1の軸線Z方向に沿ってハウジング20に形成され、その内奥端はポンプ室21に連通している。吐出口23はロータ1のラジアル方向に沿ってハウジング20に形成され、その内奥端はポンプ室21に連通している。
【0034】
ロータ1の周面に設けられたリング状内側永久磁石8に対向してリング状外側永久磁石9がハウジング20に固定状態で取付けられている。
【0035】
上述のように構成された遠心ポンプにおいて、ロータ1が上部ステータ2及び下部ステータ3のそれぞれの電磁石5,7により磁気浮上状態で回転駆動され、これによってインペラ24が回転して、吸込口22よりポンプ室21内に流入したポンプ給送流体が遠心作用を受けて吐出口23より外部へ給送され、ポンプ動作が遂行される。
【0036】
上記遠心ポンプは、ロータ1を回転支持する軸受を不要とした無接触状態で回転駆動されるので、潤滑用グリースによる吐出液の汚染や機械的接触による摩耗くずの混入の恐れがないので、高純度の液の給送に適している。又、人工心臓などの医療分野の小型ポンプとしても望ましい。
【0037】
以上、本発明に係るアキシャル型磁気浮上回転機器ならびにそれを用いた具体例として遠心ポンプを説明したが、回転機器としては、磁気浮上回転モータや各分野における高速回転機や工作機械用の高速スピンドル等、種々の分野において利用し得るものである。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明におけるアキシャル型磁気浮上回転機器は、上部ステータに設けた電磁石と、これと対向してロータ上面に設けた上側永久磁石との共働によりロータに対して吸引力を付与してロータの軸方向の位置を制御し、他方、下部ステータに設けた電磁石と、これに対向してロータ下面に設けた下側永久磁石との共働によりロータの回転を制御し、更にロータのラジアル方向についてはロータ周面に設けたリング状内側永久磁石と、これと同心をなすリング状外側永久磁石との相互反発力により受動安定をはかるように構成したので、制御構成が簡単で、小型化設計が容易であり、より安定したロータの動作を得ることができる。
【0039】
又、上部ステータの電磁石とロータ上面の上側永久磁石との共働により、ロータの傾き制御も可能であり、これによって、より一層安定したロータの動作を得ることができる。
【0040】
更に、このように構成されたアキシャル型磁気浮上回転機器の具体例として、遠心ポンプを提供でき、ロータが非接触状態で回転するので、軸受部に用いる潤滑用グリースによる吐出液の汚染や摩耗クズの混入等の不具合がなく、より高純度の液のポンプ給送が可能であり、医療用の人工心臓への適用、あるいはその他、高純度の液給送を要する種々の分野におけるポンプとして、高い利用価値を得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアキシャル型磁気浮上回転機器の原理構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す回転機器におけるロータの傾き制御の態様を説明する概要図である。
【図3】図1に示す回転機器の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るアキシャル型磁気浮上回転機器の具体例として構成したアキシャル型磁気浮上遠心ポンプの概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 上部ステータ
3 下部ステータ
4 上側永久磁石
5 電磁石
6 下側永久磁石
7 電磁石
8 リング状内側永久磁石
9 リング状外側永久磁石
Claims (4)
- ロータと、該ロータの軸線方向に沿って、その上部に離間配置された上部ステータ及び下部に離間配置された下部ステータとを備え、前記ロータを該軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながら該軸線のまわりに非接触状態で回転させるアキシャル型磁気浮上回転機器であって、
前記ロータの上面に円形状上側永久磁石を設けるとともに前記上部ステータには該円形状上側永久磁石と共働して該ロータに対して軸線方向の吸引力を発生させる吸引用電磁石手段を設け、
前記ロータの下面には該ロータの回転用の複数個の下側永久磁石を設けるとともに前記下部ステータには該回転用永久磁石と共働して該ロータの回転駆動を行なう回転用電磁石手段を設け、
前記ロータの周面にリング状内側永久磁石を設けるとともに該リング状内側永久磁石と共働して該ロータのラジアル方向の反発力を生じさせるために該ロータの周囲にこれと離間した状態で固定のリング状外側永久磁石を配置し、
前記上部ステータの吸引用電磁石手段によって該ロータとの間にギャップを保持してロータの軸方向の位置を制御するとともに前記下部ステータの回転用電磁石手段によって該ロータの回転制御を行ない、前記内側及び外側永久磁石の相互の反発力によって該ロータのラジアル方向の位置制御を行なうことを特徴とするアキシャル型磁気浮上回転機器。 - 前記上部ステータに、前記ロータの上側永久磁石と共働して該ロータの傾きを制御する傾き制御用電磁石手段を設けてなる請求項1に記載のアキシャル型磁気浮上回転機器。
- 前記上部ステータの回転用電磁石手段及び傾き制御用電磁石手段は、2対の電磁石により構成されてなる請求項2に記載のアキシャル型磁気浮上回転機器。
- ハウジングと、該ハウジングに形成されたポンプ室とを備え、前記ポンプ室内にロータを配置するとともに該ロータの上下に上部ステータ及び下部ステータを該ハウジングに設置し、該ロータの軸線方向に沿って該ハウジングに前記ポンプ室に連通する吸込口を設けるとともに該ロータのラジアル方向に沿って該ハウジングに前記ポンプ室に連通する吐出口を設け、前記ロータに遠心型のインペラを設けてなる請求項1乃至3のいずれか1に記載のアキシャル型磁気浮上回転機器を備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプ。
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