JP5590520B2 - アキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプ - Google Patents

アキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプ Download PDF

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Description

本発明は、アキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプに関し、特に小型軽量の磁気浮上人工心臓を実現するアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプに関する。
本発明は、特にロータとその軸線方向に沿って、ロータの上部に配置された上部ステータおよびロータの下部に配置された下部ステータとを備え、ロータをロータの軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながらロータの軸線のまわりに非接触状態で回転させるアキシャル型磁気浮上モータおよびこのアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプに関する。
ロータを磁気の作用によってその軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながらロータの軸線のまわりに非接触状態で回転させる構成の磁気浮上モータとして、例えば磁気浮上回転モータ、高速回転機、工作機械用の高速スピンドル、さらにはその応用例としての医療分野における人工心臓の遠心ポンプ等への応用がある。磁気浮上のモータ方式としてロータの軸線方向に沿ってロータの軸方向の位置ならびにロータの回転の制御を行なうアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上遠心ポンプが知られている(特許文献1)
特許文献1に示されたアキシャル型磁気浮上モータは、ロータの上方に上部ステータ、
下方に下部ステータを配置し、ロータの周囲にリング状外側永久磁石を配置した構成である。上部ステータの電磁石はロータ上面の上側永久磁石と共働して、ロータの軸方向位置および傾き制御を行ない、下部ステータはロータ下面の永久磁石と共働してロータの回転制御を行なう。このアキシャル型磁気浮上モータにおいては、ロータのラジアル方向の変動ないし振動はロータ周面に設けたリング状内側永久磁石とこれと同心配置のリング状外側永久磁石との間の相互反発力により抑制し、ラジアル方向の受動安定性でロータを支持している。
上述の特許文献1に示されたアキシャル型磁気浮上モータでは、上部ステータに設けた4個の電磁石はロータに対して吸引力を作用させてロータの軸方向の位置制御を担っているがロータの回転制御は兼用していない。一方、下部ステータの電磁石が回転制御を担っている。従って、上部ステータにおいてロータの軸方向に着磁したバイアス磁束発生用としてロータの軸方向の位置を制御し、ロータの回転は下部ステータが担っている。すなわち、上部ステータはロータの軸線Z方向におけるアキシャル制御を行ない、下部ステータはロータの軸線Zのまわりの回転制御を行なっている。
また、上述の特許文献1に示されたアキシャル型磁気浮上モータでは、上部ステータに設けた電磁石は、ロータの上側永久磁石と共働してロータの傾きを制御する傾き制御用電磁石として機能している。すなわち、上部ステータの電磁石は、ロータが軸線Zに対して、径方向軸xとy軸周りの回転で生じるロータの傾きの制御を担っている。
上述の特許文献1に示されたアキシャル型磁気浮上モータでは、上部ステータでロータの位置とロータの傾きを制御し、ロータの回転制御と上部ステータに対するバイアス力を発生する下部ステータを備えており、軸方向位置制御は、上部ステータの吸引力と下部ステータの磁気吸引力の大きさを釣り合わせて行われている。またロータの傾き制御は永久磁石によるバイアス磁束と電磁石による磁束に基づいて行われている。
上述の特許文献1に示されたアキシャル型磁気浮上モータでは、成人用の循環系疾患者および呼吸器系疾患者の救命のための磁気浮上人工心臓や磁気浮上ポンプを実現するアキシャル型磁気浮上モータに関するものであり、ロータの直径すなわちラジアル方向の寸法が大きく大型になりロータの重量が増大し、また磁気浮上を担う上部ステータとモータ機能を担う下部ステータの異なる役割の上下磁気吸引力を釣り合わせる構造であった。
特開2005−16677
本発明の解決しようとする課題は、ラジアル方向に小さい寸法を有する小型軽量で、高いトルクが発生可能なアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は、上部ステータおよび下部ステータの両ステータでロータの軸方向位置および回転制御と傾き制御が容易に行われ、かつ、その構成が簡単なアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するために、ロータと、前記ロータの軸線方向に沿って前記ロータの上側に離間配置され、前記ロータ側に突出して延びた突極を有した上部ステータと、前記ロータの下側に離間配置され、前記ロータ側に突出して延びた突極を有した下部ステータと、前記ロータの前記軸方向両側面に永久磁石が配置されるアキシャル型磁気浮上モータにおいて、
前記上部ステータと下部ステータの前記突極には、それぞれ軸方向位置・回転制御用コイルおよび傾き制御用コイルが巻回して設けられること
を特徴とするアキシャル型磁気浮上モータを提供する。
また、前記アキシャル型磁気浮上モータにおいて、
前記上部ステータの軸方向位置・回転制御用コイルおよび傾き制御用コイルと、前記下部ステータの軸方向位置・回転制御用コイルおよび傾き制御用コイルとが、前記ロータを中心として、前記軸線方向に対称的に配置され、
前記ロータの両側面に配置された前記永久磁石は、配置角度が両側面で90度ずらされることが好ましい。
また、前記アキシャル型磁気浮上モータにおいて、
前記軸方向位置・回転制御用コイル及び前記傾き制御用コイルのそれぞれが、
前記上部ステータにある前記突極の根本部および先端部のいずれかに巻回して設けられ、
前記軸方向位置・回転制御用コイル及び前記傾き制御用コイルのそれぞれが、
前記下部ステータにある前記突極の根本部および先端部のいずれかに巻回して設けられることが好ましい。
当該アキシャル型磁気浮上モータが備える上部ステータの突極における前記上部軸方向位置・回転制御用コイルおよび前記上部傾き制御用コイルの配置と、下部ステータの突極における前記下部軸方向位置・回転制御用コイルおよび前記下部傾き制御用コイルの配置について具体的に述べると、以下の4つの組み合わせがある。
(1)前記上部軸方向位置・回転制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の根元部に巻回して設けられ、前記上部傾き制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられる。また、前記下部軸方向位置・回転制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の根本部に巻回して設けられ、前記下部傾き制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられる。
(2)前記上部軸方向位置・回転制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の根元部に巻回して設けられ、前記上部傾き制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられる。また、前記下部軸方向位置・回転制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられ、前記下部傾き制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の根本部に巻回して設けられる。
(3)前記上部軸方向位置・回転制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられ、前記上部傾き制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の根本部に巻回して設けられる。また、前記下部軸方向位置・回転制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられ、前記下部傾き制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の根本部に巻回して設けられる。
(4)前記上部軸方向位置・回転制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられ、前記上部傾き制御用コイルが前記上部ステータの前記突極の根本部に巻回して設けられる。また、前記下部軸方向位置・回転制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の根本部に巻回して設け、前記下部傾き制御用コイルが前記下部ステータの前記突極の先端部に巻回して設けられる。
また、前記アキシャル型磁気浮上モータにおいて、
前記一側のステータと他側のステータの前記突極には、それぞれ軸方向位置・回転制御用コイルと傾き制御用コイルとを混在させて巻回して設けられてもよい。
さらに、前記アキシャル型磁気浮上モータを用いたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプであって、
ハウジングと、前記ハウジングに形成されたポンプ室を備え、
前記ロータにインペラが設けられ、
当該ロータが、前記ポンプ室に配置されること
を特徴とするアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを提供する。
本発明によって、ラジアル方向に小さい寸法を有する小型軽量で、高いトルクが発生可能なアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを得ることができた。
また、本発明によって、上部ステータおよび下部ステータの両ステータでロータの軸方向位置および回転制御と傾き制御が容易に行われ、かつ、その構成が簡単なアキシャル型磁気浮上モータおよびアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを提供することができた。
本発明によるアキシャル型磁気浮上モータの一実施例の原理構成を示す外観斜視図である。 図1に示す本発明によるアキシャル型磁気浮上モータの一実施例における制御システム構成を示すブロック図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるロータ部分の一実施例を示す平面図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるステータの一実施例を示す外観斜視図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおける軸方向制御および回転制御用コイルと傾き制御用コイルとステータの一実施例を示す外観斜視図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるロータ部分の他の実施例を示す平面図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるステータの他の実施例を示す外観斜視図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおける軸方向制御・回転制御用コイルと傾き制御用コイルとステータの他の実施例を示す外観斜視図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプの一実施例を示す側面図である。 本発明によるアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプの一実施例で図9のX−X線に沿った断面図である。
以下、本発明のアキシャル型磁気浮上モータおよびこのアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを実施するための形態を図面に示す実施例に沿って説明する。図1は、本発明によるアキシャル型磁気浮上モータの一実施例の原理構成を示す外観斜視図である。
図1のアキシャル型磁気浮上モータAは、主としてロータ1、このロータ1の軸線Zに沿ってロータ1の一側に配置されたデスク型上部ステータ2、ロータ1の軸線Zに沿ってロータ1の他側に配置されたデスク型下部ステータ3から構成されている。また、ロータ1は上下に2枚のロータヨーク8およびヨーク間に6枚のインぺラ9を備えており、ロータの両側面に当たるヨーク8の外表面には2個の永久磁石10をそれぞれ設けている。
また、上部ステータ2の突極(図4参照)には、その根本部に、3相2極の回転磁界を発生するロータ1の軸方向位置および回転を制御する上部軸方向位置・回転制御用コイル4が巻回されており、前記突極の先端部にはロータ1の傾きを制御する上部傾き制御用コイル5が巻回されている。また、下部ステータ3の突極の根元部には、3相2極の回転磁界を発生するロータ1の下部軸方向位置・回転制御用コイル7、下部ステータ3の突極の先端部にはロータ1の傾きを制御する下部傾き制御用コイル6が巻回されている。
さらに、ロータ1には、浮上回転用の2極の永久磁石10が軸方向両面に配置されている。ロータ1は、上部ステータ2、下部ステータ3により軸方向両面から挟み込まれ、上部ステータ2、下部ステータ3で発生する磁気吸引力を釣り合わせることにより軸方向に磁気支持され回転する。本実施の形態のアキシャル型磁気浮上モータAは、上部ステータ2と下部ステータ3の両ステータによってロータ1の回転制御が行なわれている。
また、ロータ1の上下面に永久磁石10が上下で90度ずらして配置され、上部ステータ2、下部ステータ3の両ステータに配置した上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6で、ロータ1のラジアル方向2軸まわりの傾きを制御している。ラジアル方向位置については、受動安定性を用いて静的に支持している。上部ステータ2、上部軸方向位置・回転制御用コイル4、上部傾き制御用コイル5と下部ステータ3、下部軸方向位置・回転制御用コイル7、下部傾き制御用コイル6とはロータ1の軸線Xと軸線Yで形成される面上に、かつインペラを中心として対称的に配置されている。
図1のアキシャル型磁気浮上モータAにおけるロータ1の軸方向位置制御および回転制御は、上部ステータ2、下部ステータ3の両ステータを用いて行なわれる。ロータ1の軸方向位置制御は、上部ステータ2、下部ステータ3の上部軸方向位置・回転制御用コイル4と下部軸方向位置・回転制御用コイル7の両コイルに与える3相2極の回転磁界のd軸電流を変化させ、ロータ1上下に働く吸引力の大きさを釣り合わせて行っている。ロータ1の回転制御は、上部ステータ2、下部ステータ3の両ステータにU相、V相、W相の3相2極の回転磁界のq軸電流により回転トルクを発生させて行なっている。ロータ1の軸方向位置制御および回転制御はベクトル制御を用いそれぞれ独立に行われる。
本発明の実施の形態に係るアキシャル型磁気浮上モータAでは、d軸成分の電流値、q軸成分の電流値を用いて、ロータ1の軸方向吸引力と回転制御を独立に行なうが、最終的に決定したd軸成分の電流値、q軸成分の電流値を3相2極の回転磁界に変換し、その回転磁界を軸方向位置・回転制御用コイル4、の両コイルに与えて、3相2極の回転磁界で制御することで行う。
図1に示すアキシャル型磁気浮上モータAにおけるロータ1の傾き制御は、上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6の両コイルを用いて行なわれる。6個の突極に6個のコイルを巻いてあり、全ての傾き制御用コイルで同一方向に磁束を発生させ、ロータ1に配置した永久磁石のS極側とN極側に働く磁気吸引力の不均衡を生じさせて行なう。前述したように、ロータ1の上下面に上下で90度ずらして配置した永久磁石10と上部ステータ2、下部ステータ3の両ステータに配置した上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6で、ロータ1のラジアル方向2軸まわりの傾きを制御している。
アキシャル型磁気浮上モータAのロータ1のX軸回りおよびY軸回りの傾きを検出しロータ1の傾き制御を行なうが、傾き制御に用いる永久磁石10はロータ1として回転する。このため、回転角の検出をし、X軸回りおよびY軸回りの傾きを回転座標系の傾きに変換し、傾き制御を行なう。
本実施の形態のアキシャル型磁気浮上モータAにおける制御システムについて説明する。図2において、アキシャル型磁気浮上モータAに設けた上部軸方向位置および回転制御用コイル4と下部軸方向位置および回転制御用コイル7、および上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6に対応して設けた過電流センサ21よりロータ1の軸方向位置・回転制御用および傾きの変位を表わす検出信号がA/Dコンバータ22を介して制御部23に送られる。この制御部23に設けた軸方向位置制御手段23a、回転制御手段23bおよび傾き制御手段23cによって、上部軸方向位置・回転制御用コイル4と下部軸方向位置・回転制御用コイル7、および上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6に流すべきコイル電流値が算出され、これが電源24に接続された増幅器(アンプ)25に出力される。
このように、傾き制御用として発生させ磁界α相を発生させる上部傾き制御用コイル5、磁界β相を発生させる下部傾き制御用コイル6とU相、V相、W相の3相2極の回転磁界を発生させる上部軸方向位置・回転制御用コイル4と下部軸方向位置・回転制御用コイル7の各相(U、V、W相)に電流を増幅器(アンプ)25を介して入力する。制御には、デジタルPID制御を用いる。dSPACE(商品名)を用いて高速のデジタル信号処理をする。過電流センサ21の信号は、A/Dコンバータ22を介してdSPACEに取り込み上部傾き制御用コイル5と下部傾き制御用コイル6に流す電流を計算し、増幅器(アンプ)25に出力する。また、制御部23の制御プログラムはC言語などを用いて作成され、その具体例として例えばMATLAB.5.3simulik(商品名)が用いられる。
本発明の実施の形態に係るアキシャル型磁気浮上型モータの実施態様を説明する。アキシャル型磁気浮上型モータはネオジウム系磁石を使用したType 1−Nd型モータを採用している。図3は、本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるロータ部分の実施態様を示す平面図である。
アキシャル型磁気浮上型モータのロータ31は1極を2個の永久磁石により構成し、合計4個の永久磁石32a1、32a2をロータ31の両側面であるロータヨークに貼り付けて2極のロータ31を構成している(図1、図3参照)。永久磁石32a1、32a2の形状は扇形構造として形成してあり、各永久磁石32a1、32a2の厚さは1mmである。ロータ31のロータヨークの寸法は、外径24mm、内径8mm、厚さは2mmである。永久磁石32a1、32a2はネオジウム系磁石を採用した。ロータ31は両側面に2個のロータヨークを備えており、1つのロータヨークに対向して他のロータヨークを有し、2個のロータヨークの間に6枚のインぺラを設けている。なお、ロータ31の他のロータヨークの表面にも同じ形状とした永久磁石が設けられている。
図3に示すロータ31と共働するデスク型ステータについて説明する。図4は本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるステータの実施態様を示す外観斜視図である。
アキシャル型磁気浮上型モータのデスク型ステータ34は60度毎に等間隔で設けた6個の突極34aから構成されている。突極34aはストレート突極構造を採用し、断面は扇形構造を採用している。ステータ34の寸法は、外径24mm、内径8mm、突極34aの高さは5mmである。
図3に示すロータ31と図4に示すデスク型ステータ34に関連する軸方向位置および回転制御用の軸方向位置・回転制御用コイルと傾き制御用コイルの構成を説明する。図5は本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおける軸方向制御・回転制御用コイルと傾き制御用コイルの実施態様を示す外観斜視図である。
アキシャル型磁気浮上モータのステータ34の6個のすべての突極34aには、軸方向位置・回転制御用として、U相、V相、W相の3相2極の回転磁界を発生させるように軸方向位置・回転制御用コイル(電磁石用コイル)35(図1の4、7に対応)を巻き、その上に傾き制御用としてα相、β相どちらかの磁界を発生させるように傾き制御用コイル(電磁石コイル)36(図1の5、6に対応)を巻いた。すなわち、軸方向位置・回転制御用コイル35は、突極34aの根元部に巻回されており、傾き制御用コイル36は、突極34aの先端部に巻回されている。軸方向位置・回転制御用コイル35と傾き制御用コイル36は線径0.4mmの導線を用い、1突極あたり軸方向位置・回転制御用を27巻き、傾き制御用を5巻きとした。
本発明のアキシャル型磁気浮上型モータの、他の実施形態を説明する。アキシャル型磁気浮上型モータAの他の実施形態では、ネオジウム系磁石を使用したType 2−Nd型モータおよびサマリウム系磁石を使用したType 2−Sm型モータを採用している。図6は本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるロータ部分の他の実施態様を示す平面図である。
アキシャル型磁気浮上型モータのロータ41は、ロータ31と同様に、1極を2個の永久磁石により構成し、合計4個の永久磁石42a1、42a2をロータ41の両面側のロータヨークに貼り付けられて、2極のロータ41を構成している。永久磁石42a1、42a2の形状は、ステータ44とロータ41間との空隙における磁束密度が正弦波状に発生する形状を採用した。各永久磁石42a1、42a2の厚さは0.7mmである。モータロータ41のロータヨークの寸法は、外径24mm、内径8mm、厚さは2mmである。永久磁石42a1、42a2ネオジウム系磁石とサマリウムコバルト系磁石の2種類を採用した。ロータ41は2個のロータヨークを備えており、ロータヨークに対向して他のロータヨークを有し、2個のロータヨークの間に6枚のインぺラを設けている。なお、他のロータヨークの表面にも同じ形状の様な永久磁石が設けられている。
図6に示すロータ41と共働するデスク型ステータ44について説明する。図7は本実施の形態によるアキシャル型磁気浮上モータにおけるステータの他の実施態様を示す外観斜視図である。
上記したアキシャル型磁気浮上モータのデスク型ステータ44は60度毎に等間隔で設けた6個の突極から構成されている。ステータ44の突極44aはストレート突極構造を採用し、断面は扇形構造を採用した。ステータ44の寸法は、外径24mm、内径16mm、突極44aの高さは5mmである。
図6に示すロータ41と図7に示すデスク型ステータ44に関連する軸方向位置および回転制御用の軸方向位置・回転制御用コイルと傾き制御用コイルの構成を説明する。図8は本発明によるアキシャル型磁気浮上モータにおける軸方向制御・回転制御用コイルと傾き制御用コイルの実施態様を示す外観斜視図である。
アキシャル型磁気浮上モータのステータ44の6個のすべての突極44aには、軸
方向位置および回転制御用として、U相、V相、W相の3相2極の回転磁界を発生させるように軸方向位置・回転制御用コイル(電磁石用コイル)47(図1の4、7に対応)を巻き、その上に傾き制御用としてα相、β相どちらかの磁界を発生させるように傾き制御用コイル(電磁石コイル)46(図1の5、6に対応)を巻いた。すなわち、軸方向位置・回転制御用コイル47は、突極44aの根元部に巻回されており、傾き制御用コイル46は、突極44aの先端部に巻回されている。軸方向位置・回転制御用コイル47と傾き制御用コイル46は線径0.4mmの導線を用い、1突極あたり軸方向位置・回転制御用を43巻き、傾き制御用を5巻きとした。
次に本発明の実施の形態に係るアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプについて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係るアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプの実施態様を示す側面図、図10はアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプの実施態様で図9のX−X線に沿った断面図である。
このアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプPは、主として遠心ポンプPの固定フレームを構成するポンプハウジング51、このポンプハウジング51内に区画して形成されたポンプ室52、吸込口53、吐出口54で構成されている。
また、このアキシャル型磁気浮上モータを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプPにおいては、上述した他の実施形態であるアキシャル型磁気浮上モータを採用している。すなわち、図6に示したロータ、図7に示したステータ、図8に示した軸方向制御・回
転制御用コイルと傾き制御用コイルからなるアキシャル型磁気浮上モータの構成を基本的に採用している。
アキシャル型磁気浮上遠心ポンプPは、ロータ61を配置し、このロータ61は、ポンプハウジング51内に形成されたポンプ室52内に配置されるともに遠心型のインペラ61aを一体的に備えている。このロータ61は図1の軸線Zのまわりに回転可能に、かつその軸線Zに沿って上下動可能になっている。このロータ61は、その上面に設けた永久磁石62aを、その下面に永久磁石62bを配置している。永久磁石62aの上部にはデスク型上部ステータ63を配置し、永久磁石62aの下部にはデスク型下部ステータ64を配置している。上部ステータ63の突極には上部軸方向制御・回転制御用コイル65と上部傾き制御用コイル66が設けられている。下部ステータ64の上方には下部軸方向制御・回転制御用コイル67と下部傾き制御用コイル68が設けられている。
アキシャル型磁気浮上遠心ポンプPの上部ステータ63、上部軸方向制御・回転制御用コイル65と上部傾き制御用コイル66と下部ステータ64、下部軸方向制御・回転制御用コイル67と下部傾き制御用コイル68は対向して配置され、ロータ61の軸線Xに対して対称的に配置されている。
上述のように構成されたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプPにおいて、ロータ61が上部ステータ63および下部ステータ64のそれぞれの上部軸方向制御・回転制御用コイル65と下部軸方向制御・回転制御用コイル67により、磁気浮上状態で回転駆動され、これによってロータ61のインペラ61aが回転して、吸込口53よりポンプ室52に流入したポンプ給送流体(例えば、血液)が遠心作用を受けて吐出口54より外部に給送され、ポンプ動作が遂行される。
上述のアキシャル型磁気浮上遠心ポンプPは、ロータ61を回転支持する軸受を不要とした無接触状態で回転駆動されるので、潤滑用グリースによる吐出液の汚染や機械的接触による磨耗くずの混入の恐れがないので、高純度の液の給送に適している。
上述のアキシャル型磁気浮上モータの実施の形態では2極のアキシャル型磁気浮上モータについて説明したがこれに限定されなく、例えば4極、6極等多極のアキシャル型磁気浮上モータを採用できる。また、モータに用いられる永久磁石は、ネオジウム系磁石およびサマリウム系磁石を採用されたがこれに限定されない。また、ロータの軸方向位置・回転制御用コイルとロータの傾き制御用コイルの配置は、実施例のアキシャル型磁気浮上モータ構成に限定されなく、アキシャル型磁気浮上モータにおいて、軸方向位置・回転制御用コイルをステータの突極の根元部側に傾き制御用コイルを突極の先端部側に配置してもよい。また、軸方向位置・回転制御用コイルと傾き制御用コイルをステータの突極に両コイルを入り交ぜて、すなわち混在して配置してもよい。
例えば、アキシャル型磁気浮上4極モータの場合、傾き制御用の磁場を6極の回転磁界として、片側のステータにのみ軸方向位置・回転制御用コイルに加えて傾き制御用コイルを配置してもよい。この場合、他側のステータには、傾き制御用コイルは設けられていなく、軸方向位置・回転制御用コイルのみを配置することになる。このような構造のアキシャル型磁気浮上モータのロータ部分にインペラを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを得ることもできる。
さらに、例えば、アキシャル型磁気浮上4極モータとして傾き制御用の磁場を6極の回転磁界として片側に1個のステータ構造を採用し、この片側1個のステータに傾き制御用コイルを配置してもよい。そして、この片側1個のステータに対し、ロータに対向する他側に磁場等による磁気吸引力の発生体として代用可能な電磁石、永久磁石等の吸引力発生体を設置してもよい。この吸引力発生体は重力でも代用できる。このような構造のアキシャル型磁気浮上モータのロータ部分にインペラを備えたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプを得ることもできる。
1…ロータ、2…上部ステータ、3…下部ステータ、4…軸方向位置・回転制御用コイル、5…傾き制御用コイル、6…傾き制御用コイル、7…軸方向位置・回転制御用コイル、8…ロータヨーク、9…インペラ、10…永久磁石、21…過電流センサ、22…A/Dコンデンサ、23…制御部、23a…軸方向位置制御手段、23b…回転制御手段、23c…傾き制御手段、24…電源、25…増幅器(アンプ)、31…ロータ、32a132a2…永久磁石、34…ステータ、34a…突極、35…軸方向位置・回転制御用コイル、36…傾き制御用コイル、41…ロータ、42a1,42a2…永久磁石、44…ステータ、44a…突極、46…傾き制御用コイル、47…軸方向位
置・回転制御用コイル、51…ポンプハウジング、52…ポンプ室、53…吸込口、54…吐出口、61…ロータ、61a…インペラ、62a62b…永久磁石、6
3…上部ステータ、64…下部ステータ、65…上部軸方向位置・回転制御用コイル、66…上部傾き制御用コイル、67…下部軸方向位置・回転制御用コイル、68…下部傾き制御用コイル、A…アキシャル型磁気浮上モータ、P…アキシャル型磁気浮上遠心ポンプ。

Claims (3)

  1. ロータと、前記ロータの軸線方向に沿って前記ロータの一側に離間配置され、前記ロータ側に突出して延びた突極を有した一側ステータと、前記ロータの他側に離間配置され、前記ロータ側に突出して延びた突極を有した他側ステータと、前記ロータの前記軸方向面に永久磁石が配置されるアキシャル型磁気浮上モータにおいて、
    前記アキシャル型磁気浮上モータは供給される交流電流に基づいて回転する2極モータであって、
    前記ロータは、前記ロータの一側面に一対の永久磁石を備え、さらに前記ロータの他側面に一対の永久磁石を備え、これにより前記ロータは2極用のロータを形成し、
    前記一側面の一対の永久磁石と前記他側面の一対の永久磁石は互いに90度ずらして配置され、
    一側軸方向位置・回転制御用コイル及び一側傾き制御用コイルのそれぞれが、前記一側ステータにある前記突極に巻回して設けられ、
    他側軸方向位置・回転制御用コイル及び他側傾き制御用コイルのそれぞれが、前記他側ステータにある前記突極に巻回して設けられ、
    前記一側ステータの前記突極に巻回された前記一側傾き制御用コイルと前記他側ステータの前記突極に巻回された前記他側傾き制御用コイルは、これらに対向する前記一側面のあるいは前記他側面の前記永久磁石との間に磁気吸引力の不均衡を生じされて双方側で傾き制御する双方側傾き制御手段が形成され、該双方側傾き制御手段によって前記ロータの傾きが制御されること
    を特徴とするアキシャル型磁気浮上モータ。
  2. 請求項1に記載のアキシャル型磁気浮上モータにおいて、
    前記一側ステータと前記他側ステータの前記突極には、前記ロータから遠く離間された側に前記一側あるいは前記他側軸方向位置・回転制御用コイルがそれぞれ巻回して設けられ、そして近く離間された側に前記一側あるいは前記他側傾き制御用コイルがそれぞれ巻回して設けられること
    を特徴とするアキシャル型磁気浮上モータ。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載のアキシャル型磁気浮上モータを用いたアキシャル型磁気浮上遠心ポンプであって、
    ハウジングと、前記ハウジングに形成されたポンプ室を備え、
    前記ロータにインペラが設けられ、
    当該ロータが、前記ポンプ室に配置されること
    を特徴とするアキシャル型磁気浮上遠心ポンプ。
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