JP2005016584A - 電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能を劣化させることなく隣接する電磁弁間の距離を近づけることが可能な形状の電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁のソレノイド部を形成するボビン1の胴部4の断面形状を、電磁弁を併設する横方向を短軸、直交する縦方向を長軸とする断面楕円形状とし、更にボビン1中央に設けた断面真円の可動鉄心挿入孔6を拡径して可動鉄心2を太くすると共に胴部4の短軸方向の肉厚を薄くした。ボビン1の強度は長軸方向の肉厚で確保した。
【選択図】 図1
【解決手段】電磁弁のソレノイド部を形成するボビン1の胴部4の断面形状を、電磁弁を併設する横方向を短軸、直交する縦方向を長軸とする断面楕円形状とし、更にボビン1中央に設けた断面真円の可動鉄心挿入孔6を拡径して可動鉄心2を太くすると共に胴部4の短軸方向の肉厚を薄くした。ボビン1の強度は長軸方向の肉厚で確保した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁弁に関し、詳しくは複数の電磁弁を併設する際に効果的に近接配置ができ、全体の小型化が可能な電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の流れを制御するバルブとして電磁弁が広く利用されている。このような電磁弁の駆動部となる従来のソレノイド部は、例えば図5に示すような形状となっていた。図5において、(a)はボビン側面図,(b)はボビン正面図,(c)はD−D線断面図であり、ボビン胴部11が断面真円形状で形成され、そこに導線(図示せず)を巻回してコイルを形成し、ボビン中心軸上に貫通形成した真円形状の挿入孔12に可動鉄心(図示せず)を配置してソレノイド部を形成していた。なお、このような電磁弁に使用するソレノイドの構成が記載された公知文献としては、例えば特許文献1に示す構成のものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−218440号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、電磁弁は流体制御部に広く利用されているが、その中で化学分析装置や血液検査等の医療用の分析装置分野において使用する電磁弁は、分析精度の向上や検体・反応用試薬の微量化のために小型化が求められている。電磁弁においては、内部容積、検体と試薬との混合弁からの反応室又は反応検出部までの流路長をできるだけ小さくすることが必要である。
【0005】
また、血液検査において、多項目の検査を高速に処理する大型血液分析装置や、多数チャンネルの反応を同時に検出・測定するDNA分析装置においては、パレットやマイクロプレートと呼ばれる多数の窪みを持った容器を使用して反応させている。ここに試薬や検体を分注するためのノズルは一列に並び、同時に注いで処理する機構が広く用いられている。この場合、パレットやマイクロプレートの大きさは、ノズルの間隔により制限を受ける。
パレットやマイクロプレートの多くは、安全性への配慮や汚染防止への配慮から使い捨てとされるため、廃棄物の削減や分注処理速度向上の観点から、集積度を上げた小型のものが必要とされている。この集積度の向上は、ノズルの間隔によって決まり、ノズルの間隔は電磁弁の大きさにより決まるため、電磁弁の小型化が求められている。
【0006】
このようなことから、電磁弁を小さくすることが要求されている。ところで、電磁弁の要部であるソレノイド部の可動鉄心の吸引力Pは下記の数1で表すことができ、上記図5のボビン形状において温度上昇係数は数2で表すことができることが知られている。
そこで、ソレノイドの外形を小さくするためにコイルの導線径を小さくすることが考えられるが、温度上昇係数Kを抑えるように設計すると、吸引力Pが低下することになる。また、コイルの巻数を削減してソレノイドの外径を小さくした場合、吸引力Pの変化を抑えるように設計すると電流Iを多くする必要があるため、温度上昇係数Kが高くなり、コイルの温度上昇が激しくなって連続使用ができない。また、可動鉄心及びボビン胴部の径を小さくしてソレノイドを細くすると、吸引力Pが減少してしまう。
【0007】
【数1】
【0008】
但し、Sはストローク、rは可動鉄心半径、Aは起磁力、kはコイル定数であり、起磁力はコイルに流れる電流とコイルの巻数を乗じて求めることができる。
【0009】
【数2】
【0010】
但し、Kは温度上昇係数、Iは電流、Cはサーキュラーミルであり、1サーキュラーミルは直径0.0254mm(0.001インチ)の面積である。
【0011】
このように、ソレノイドの外径を単純に小さくするだけでは特性は劣化するため、電磁弁の特性を劣化させずに径を小さくすることは難しかった。また、単に隣接する電磁弁間の距離を狭めるのであれば、図6のソレノイド部の断面説明図に示すように、ボビン14、ボビン中央の可動鉄心の挿入孔15を断面長方形にして、ソレノイド部全体を断面長方形にすることも考えられるが、巻回形成するコイル16は、直角に曲げることができず、ボビン14との間に隙間17が形成されて巻回し難く、小型化に寄与させるのは難しい。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、性能を劣化させることなく隣接する電磁弁間の距離を近づけることが可能な電磁弁を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ボビンに巻回したコイルの電磁作用により、ボビン中心軸上に配置した可動鉄心を吸引動作させて弁を開閉操作する電磁弁であって、前記コイルを巻回するボビン胴部を断面楕円形状としたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面楕円形状とすることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面多角形とすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電磁弁の一例を示し、その要部であるソレノイド部の正面図を示している。図において、1はボビン、2は可動鉄心、3はボビン端部に形成された鍔部、4はボビンの胴部、そして5は胴部4に巻回形成したコイルを示している。胴部4は図面縦方向に長軸、図面横方向に短軸を有する断面楕円形状に形成され、胴部4内を貫通する可動鉄心の挿入孔6は断面真円で形成され、円柱状の可動鉄心2が前後動可能に挿入されている。また、鍔部3は、胴部4の短軸方向を短辺、長軸方向を長辺とする長方形状に形成されている。
【0016】
図2は、図1に示すボビンの全体を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はA−A線断面図であり、各寸法は、可動鉄心2の吸引力を上記図5のボビンを使用して形成した電磁弁の吸引力と同等とした場合の寸法を示して、胴部4の寸法を、縦方向の長軸が図5のボビンより0.8mm大きく4mmとし、横方向の短軸が0.2mm小さく3mmとしてある。そして、可動鉄心の挿入孔6の直径は2.6mmであり変更していない。
また、図7は図2のボビンと上記図5のボビンの対比表であり、(a)は寸法の対比表、(b)はソレノイドとしての特性を比較した対比表を示し、列▲1▼〜▲3▼は、図5に示す形状のボビンを使用してコイル巻線仕様を変えた従来のソレノイド、列▲4▼は図2に示す本発明のソレノイドを示している。
【0017】
図7に示すように、ボビン1をこのような形状にした場合、列▲1▼の真円ボビンコイルを基準として、温度上昇係数Kをほぼ同等に維持したままコイル5外径を小さくした場合は、列▲2▼に示すように、吸引力は大幅に劣化することになる。また、コイル5を形成する導体の径を大きくして電流値を大きくして起磁力を上げると、列▲3▼に示すように吸引力の劣化は妨げても温度上昇係数Kが大きくなり、コイル5の温度上昇が増し、連続使用に適さなくなる。
しかし、楕円ボビンを使用すれば、列▲4▼に示すように、短軸3mm、長軸4mmの楕円ボビンは周長11.1mmとなり、胴部3mmの真円ボビンの周長9.4mmと比べ、コイル一巻き当たりの導線長さを長くすることができる。そのため、列▲1▼の真円ボビンと同等に導線長さを維持することができるため、温度上昇係数Kが同等であり、且つ可動鉄心2の吸引力を劣化させることはない。
【0018】
このように、ボビン胴部を断面楕円形状とすることで、コイルの高さを変えずにコイルの横方向の径、即ちソレノイドの幅を小さくしても吸引力を劣化させることはない。そのため、電磁弁同士を近接配置でき、併設した電磁弁全体の小型化を図ることができる。この時、ボビンの胴部短軸方向の肉厚を薄くしても長軸方向の十分な肉厚により、ボビンの強度を維持することが可能である。
また、ボビン内部に形成した断面真円状の可動鉄心の挿入孔の径を図5と同一にして胴部短軸方向の肉厚を薄く形成しているが、長軸方向の肉厚が十分であるため、ボビンの強度が劣化することがなく射出成型により容易に作製できるし、ボビンへのコイルの巻回も曲面への巻回であるので容易に巻回できる。
従って、上記パレットやマイクロプレートの窪みの集積度を上げるのに効果を奏するし、流路を短くするのにも貢献できる。
【0019】
図3はボビンの他の例を示している。図3の(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はB−B線断面図であり、上記図2との相違点は、可動鉄心2の挿入孔6が胴部4の断面形状に合わせて楕円に形成されている点である。なお、図2と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。
吸引力Pは、数1から可動鉄心2の径つまり可動鉄心2の断面積に比例して増加するため、例えば、図7(a)の列▲4▼ではボビン1の肉厚を最小で0.2mmにしているが、図3に示すように、列▲1▼と同様に0.3mmの均一な肉厚にして断面楕円形状にすると、可動鉄心(図示せず)も短軸を2.1mm、長軸を3.1mmと楕円形状にして断面積を5.1mm2にできる。その結果、図2の可動鉄心の断面積4.2mm2に比べて、断面積を大きくできるので、吸引力を大きくできる。逆にみると、図2の可動鉄心と同一の吸引力とした場合、ボビンの短軸径を更に小さくでき、電磁弁の小型化に更に効果的となる。
【0020】
図4は、ボビンの更に他の形状を示している。図4の(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はC−C線断面図であり、上記図2との相違点は、可動鉄心2の挿入孔6が断面六角形に形成されている点である。なお、図2と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。
図4では、最薄部の肉厚を0.2mmとして形成し、このように多角形としても十分な強度を得ることができる。そして、可動鉄心をこの断面形状に合わせて例えば4辺の長さを1.4mm、2辺を1.3mmとして断面六角形に形成し他場合、断面積を4.8mm2にでき、列▲4▼の4.2mm2より大きくできる。
このように、可動鉄心の挿入孔を適切な断面多角形に形成しても、可動鉄心断面積を真円形状より大きくでき、その結果吸引力を大きくできる。
【0021】
尚、上記実施の形態ではソレノイド部の横方向の径を小さくするだけで長さを変えていないが、幅に加えて長さを短くすることも可能であり、使用目的に応じて適した形状にできる。また、可動鉄心の断面形状は、ボビンの挿入孔に合わせた断面形状にしなくても良く、例えば多角形断面の挿入孔に真円形状の可動鉄心を挿入しても良い。
更に、図4では可動鉄心挿入孔の断面を曲線を用いない多角形としているが、各辺の連結部を曲線として、曲線を交えた多角形としても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、ボビン胴部を断面楕円形状とすることで、コイルの高さを変えずにコイルの横方向の径、即ちソレノイドの幅を小さくしても吸引力を劣化させることはない。そのため、電磁弁同士を近接配置でき、併設した電磁弁全体の小型化を図ることができる。この時、ボビンの胴部短軸方向の肉厚を薄くしても長軸方向の十分な肉厚により、ボビンの強度を維持することが可能である。
また、請求項2,3の発明によれば、請求項1の効果に加えて、胴部の肉厚を確保しつつ、可動鉄心の断面を拡大して大きな吸引力を発揮できるので、電磁弁の小型化に更に効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁弁の実施形態の一例を示し、電磁弁を構成するソレノイド部の正面説明図である。
【図2】図1のソレノイド部を形成するボビンの具体例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はA−A線断面図である。
【図3】ボビンの他の例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はB−B線断面図である。
【図4】ボビンの他の例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はC−C線断面図である。
【図5】従来の電磁弁のソレノイド部を形成するボビンの具体例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はD−D線断面図である。
【図6】従来のソレノイドの他の形状を示す断面説明図である。
【図7】図1の電磁弁のソレノイド部と従来のソレノイド部の寸法及び特性の比較図であり、列▲1▼〜▲3▼は従来の構成の寸法と特性、列▲4▼は図1の構成の寸法と特性を示している。
【符号の説明】
1・・ボビン、2・・可動鉄心、3・・鍔部、4・・胴部、5・・コイル、6・・挿入孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁弁に関し、詳しくは複数の電磁弁を併設する際に効果的に近接配置ができ、全体の小型化が可能な電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の流れを制御するバルブとして電磁弁が広く利用されている。このような電磁弁の駆動部となる従来のソレノイド部は、例えば図5に示すような形状となっていた。図5において、(a)はボビン側面図,(b)はボビン正面図,(c)はD−D線断面図であり、ボビン胴部11が断面真円形状で形成され、そこに導線(図示せず)を巻回してコイルを形成し、ボビン中心軸上に貫通形成した真円形状の挿入孔12に可動鉄心(図示せず)を配置してソレノイド部を形成していた。なお、このような電磁弁に使用するソレノイドの構成が記載された公知文献としては、例えば特許文献1に示す構成のものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−218440号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように、電磁弁は流体制御部に広く利用されているが、その中で化学分析装置や血液検査等の医療用の分析装置分野において使用する電磁弁は、分析精度の向上や検体・反応用試薬の微量化のために小型化が求められている。電磁弁においては、内部容積、検体と試薬との混合弁からの反応室又は反応検出部までの流路長をできるだけ小さくすることが必要である。
【0005】
また、血液検査において、多項目の検査を高速に処理する大型血液分析装置や、多数チャンネルの反応を同時に検出・測定するDNA分析装置においては、パレットやマイクロプレートと呼ばれる多数の窪みを持った容器を使用して反応させている。ここに試薬や検体を分注するためのノズルは一列に並び、同時に注いで処理する機構が広く用いられている。この場合、パレットやマイクロプレートの大きさは、ノズルの間隔により制限を受ける。
パレットやマイクロプレートの多くは、安全性への配慮や汚染防止への配慮から使い捨てとされるため、廃棄物の削減や分注処理速度向上の観点から、集積度を上げた小型のものが必要とされている。この集積度の向上は、ノズルの間隔によって決まり、ノズルの間隔は電磁弁の大きさにより決まるため、電磁弁の小型化が求められている。
【0006】
このようなことから、電磁弁を小さくすることが要求されている。ところで、電磁弁の要部であるソレノイド部の可動鉄心の吸引力Pは下記の数1で表すことができ、上記図5のボビン形状において温度上昇係数は数2で表すことができることが知られている。
そこで、ソレノイドの外形を小さくするためにコイルの導線径を小さくすることが考えられるが、温度上昇係数Kを抑えるように設計すると、吸引力Pが低下することになる。また、コイルの巻数を削減してソレノイドの外径を小さくした場合、吸引力Pの変化を抑えるように設計すると電流Iを多くする必要があるため、温度上昇係数Kが高くなり、コイルの温度上昇が激しくなって連続使用ができない。また、可動鉄心及びボビン胴部の径を小さくしてソレノイドを細くすると、吸引力Pが減少してしまう。
【0007】
【数1】
【0008】
但し、Sはストローク、rは可動鉄心半径、Aは起磁力、kはコイル定数であり、起磁力はコイルに流れる電流とコイルの巻数を乗じて求めることができる。
【0009】
【数2】
【0010】
但し、Kは温度上昇係数、Iは電流、Cはサーキュラーミルであり、1サーキュラーミルは直径0.0254mm(0.001インチ)の面積である。
【0011】
このように、ソレノイドの外径を単純に小さくするだけでは特性は劣化するため、電磁弁の特性を劣化させずに径を小さくすることは難しかった。また、単に隣接する電磁弁間の距離を狭めるのであれば、図6のソレノイド部の断面説明図に示すように、ボビン14、ボビン中央の可動鉄心の挿入孔15を断面長方形にして、ソレノイド部全体を断面長方形にすることも考えられるが、巻回形成するコイル16は、直角に曲げることができず、ボビン14との間に隙間17が形成されて巻回し難く、小型化に寄与させるのは難しい。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、性能を劣化させることなく隣接する電磁弁間の距離を近づけることが可能な電磁弁を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ボビンに巻回したコイルの電磁作用により、ボビン中心軸上に配置した可動鉄心を吸引動作させて弁を開閉操作する電磁弁であって、前記コイルを巻回するボビン胴部を断面楕円形状としたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面楕円形状とすることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面多角形とすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電磁弁の一例を示し、その要部であるソレノイド部の正面図を示している。図において、1はボビン、2は可動鉄心、3はボビン端部に形成された鍔部、4はボビンの胴部、そして5は胴部4に巻回形成したコイルを示している。胴部4は図面縦方向に長軸、図面横方向に短軸を有する断面楕円形状に形成され、胴部4内を貫通する可動鉄心の挿入孔6は断面真円で形成され、円柱状の可動鉄心2が前後動可能に挿入されている。また、鍔部3は、胴部4の短軸方向を短辺、長軸方向を長辺とする長方形状に形成されている。
【0016】
図2は、図1に示すボビンの全体を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はA−A線断面図であり、各寸法は、可動鉄心2の吸引力を上記図5のボビンを使用して形成した電磁弁の吸引力と同等とした場合の寸法を示して、胴部4の寸法を、縦方向の長軸が図5のボビンより0.8mm大きく4mmとし、横方向の短軸が0.2mm小さく3mmとしてある。そして、可動鉄心の挿入孔6の直径は2.6mmであり変更していない。
また、図7は図2のボビンと上記図5のボビンの対比表であり、(a)は寸法の対比表、(b)はソレノイドとしての特性を比較した対比表を示し、列▲1▼〜▲3▼は、図5に示す形状のボビンを使用してコイル巻線仕様を変えた従来のソレノイド、列▲4▼は図2に示す本発明のソレノイドを示している。
【0017】
図7に示すように、ボビン1をこのような形状にした場合、列▲1▼の真円ボビンコイルを基準として、温度上昇係数Kをほぼ同等に維持したままコイル5外径を小さくした場合は、列▲2▼に示すように、吸引力は大幅に劣化することになる。また、コイル5を形成する導体の径を大きくして電流値を大きくして起磁力を上げると、列▲3▼に示すように吸引力の劣化は妨げても温度上昇係数Kが大きくなり、コイル5の温度上昇が増し、連続使用に適さなくなる。
しかし、楕円ボビンを使用すれば、列▲4▼に示すように、短軸3mm、長軸4mmの楕円ボビンは周長11.1mmとなり、胴部3mmの真円ボビンの周長9.4mmと比べ、コイル一巻き当たりの導線長さを長くすることができる。そのため、列▲1▼の真円ボビンと同等に導線長さを維持することができるため、温度上昇係数Kが同等であり、且つ可動鉄心2の吸引力を劣化させることはない。
【0018】
このように、ボビン胴部を断面楕円形状とすることで、コイルの高さを変えずにコイルの横方向の径、即ちソレノイドの幅を小さくしても吸引力を劣化させることはない。そのため、電磁弁同士を近接配置でき、併設した電磁弁全体の小型化を図ることができる。この時、ボビンの胴部短軸方向の肉厚を薄くしても長軸方向の十分な肉厚により、ボビンの強度を維持することが可能である。
また、ボビン内部に形成した断面真円状の可動鉄心の挿入孔の径を図5と同一にして胴部短軸方向の肉厚を薄く形成しているが、長軸方向の肉厚が十分であるため、ボビンの強度が劣化することがなく射出成型により容易に作製できるし、ボビンへのコイルの巻回も曲面への巻回であるので容易に巻回できる。
従って、上記パレットやマイクロプレートの窪みの集積度を上げるのに効果を奏するし、流路を短くするのにも貢献できる。
【0019】
図3はボビンの他の例を示している。図3の(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はB−B線断面図であり、上記図2との相違点は、可動鉄心2の挿入孔6が胴部4の断面形状に合わせて楕円に形成されている点である。なお、図2と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。
吸引力Pは、数1から可動鉄心2の径つまり可動鉄心2の断面積に比例して増加するため、例えば、図7(a)の列▲4▼ではボビン1の肉厚を最小で0.2mmにしているが、図3に示すように、列▲1▼と同様に0.3mmの均一な肉厚にして断面楕円形状にすると、可動鉄心(図示せず)も短軸を2.1mm、長軸を3.1mmと楕円形状にして断面積を5.1mm2にできる。その結果、図2の可動鉄心の断面積4.2mm2に比べて、断面積を大きくできるので、吸引力を大きくできる。逆にみると、図2の可動鉄心と同一の吸引力とした場合、ボビンの短軸径を更に小さくでき、電磁弁の小型化に更に効果的となる。
【0020】
図4は、ボビンの更に他の形状を示している。図4の(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はC−C線断面図であり、上記図2との相違点は、可動鉄心2の挿入孔6が断面六角形に形成されている点である。なお、図2と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。
図4では、最薄部の肉厚を0.2mmとして形成し、このように多角形としても十分な強度を得ることができる。そして、可動鉄心をこの断面形状に合わせて例えば4辺の長さを1.4mm、2辺を1.3mmとして断面六角形に形成し他場合、断面積を4.8mm2にでき、列▲4▼の4.2mm2より大きくできる。
このように、可動鉄心の挿入孔を適切な断面多角形に形成しても、可動鉄心断面積を真円形状より大きくでき、その結果吸引力を大きくできる。
【0021】
尚、上記実施の形態ではソレノイド部の横方向の径を小さくするだけで長さを変えていないが、幅に加えて長さを短くすることも可能であり、使用目的に応じて適した形状にできる。また、可動鉄心の断面形状は、ボビンの挿入孔に合わせた断面形状にしなくても良く、例えば多角形断面の挿入孔に真円形状の可動鉄心を挿入しても良い。
更に、図4では可動鉄心挿入孔の断面を曲線を用いない多角形としているが、各辺の連結部を曲線として、曲線を交えた多角形としても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、ボビン胴部を断面楕円形状とすることで、コイルの高さを変えずにコイルの横方向の径、即ちソレノイドの幅を小さくしても吸引力を劣化させることはない。そのため、電磁弁同士を近接配置でき、併設した電磁弁全体の小型化を図ることができる。この時、ボビンの胴部短軸方向の肉厚を薄くしても長軸方向の十分な肉厚により、ボビンの強度を維持することが可能である。
また、請求項2,3の発明によれば、請求項1の効果に加えて、胴部の肉厚を確保しつつ、可動鉄心の断面を拡大して大きな吸引力を発揮できるので、電磁弁の小型化に更に効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁弁の実施形態の一例を示し、電磁弁を構成するソレノイド部の正面説明図である。
【図2】図1のソレノイド部を形成するボビンの具体例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はA−A線断面図である。
【図3】ボビンの他の例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はB−B線断面図である。
【図4】ボビンの他の例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はC−C線断面図である。
【図5】従来の電磁弁のソレノイド部を形成するボビンの具体例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)はD−D線断面図である。
【図6】従来のソレノイドの他の形状を示す断面説明図である。
【図7】図1の電磁弁のソレノイド部と従来のソレノイド部の寸法及び特性の比較図であり、列▲1▼〜▲3▼は従来の構成の寸法と特性、列▲4▼は図1の構成の寸法と特性を示している。
【符号の説明】
1・・ボビン、2・・可動鉄心、3・・鍔部、4・・胴部、5・・コイル、6・・挿入孔。
Claims (3)
- ボビンに巻回したコイルの電磁作用により、ボビン中心軸上に配置した可動鉄心を吸引動作させて弁を開閉操作する電磁弁であって、前記コイルを巻回するボビン胴部を断面楕円形状としたことを特徴とする電磁弁。
- ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面楕円形状とする請求項1記載の電磁弁。
- ボビン中心軸上に形成した可動鉄心挿入孔を、断面多角形とする請求項1記載の電磁弁。
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JP2003179892A JP2005016584A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 電磁弁 |
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JP2003179892A JP2005016584A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 電磁弁 |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009112141A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Nissan Motor Co Ltd | 回転機の固定子 |
KR101142218B1 (ko) | 2009-08-04 | 2012-05-04 | 부전전자 주식회사 | 인덕터 모듈 |
JP2013213586A (ja) * | 2006-04-27 | 2013-10-17 | Buerkert Werke Gmbh | 電磁駆動装置を有する弁 |
CN114552932B (zh) * | 2022-01-06 | 2023-06-30 | 深圳市文森特技术有限公司 | 一种电磁式冲击结构 |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179892A patent/JP2005016584A/ja active Pending
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