JP2005015847A - 高炉下部作業所 - Google Patents

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JP2005015847A
JP2005015847A JP2003182145A JP2003182145A JP2005015847A JP 2005015847 A JP2005015847 A JP 2005015847A JP 2003182145 A JP2003182145 A JP 2003182145A JP 2003182145 A JP2003182145 A JP 2003182145A JP 2005015847 A JP2005015847 A JP 2005015847A
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Kenji Hirata
賢二 平田
Toshio Kamiya
年男 上谷
Takahiro Kumeta
隆弘 久米田
Yasuo Watanabe
康夫 渡辺
Hiroshi Ishibashi
博 石橋
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JFE Steel Corp
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JFE Steel Corp
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Abstract

【課題】羽口作業床、鋳床等で行われる作業を、従来より迅速、且つ効率良くする高炉下部作業所を提供する。
【解決手段】地上1に平面視で、高炉8を直径で二分割した各領域に、出銑口からの溶銑及びスラグを混銑車や排滓場へ搬送する樋を配設して出銑作業を行う個別の鋳床2と、これら鋳床の上方にあって高炉の外周を囲み、羽口の取替、補修を行う羽口作業床3とを多段に設けた高炉下部作業所の構造を改良した。前記地上と前記鋳床との間及び該鋳床と前記羽口作業床との間に、それぞれを連絡する車両の通過可能な傾斜路6を設ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉下部作業所に係わり、詳しくは、羽口作業床、鋳床等で形成される高炉下部作業所において行われる作業を、迅速、且つ効率良く行えるようにする高炉下部作業所の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶銑を溶製する高炉は、過酷な条件下にあるため、炉頂の原料装入装置、排ガス通路の付帯装置、内張り耐火物、ステーブと称する冷却箱、羽口等が操業中に損傷を受ける。そのため、休風と称し、長くても数日間の一時的な送風止めを行い、その間に損傷部の補修が行われる。最近は、その補修技術が著しく発達し、一炉代が10年以上に及ぶ長寿命になっている。
【0003】
このような補修作業の便宜を図るため、高炉の周囲には多段(多層)にわたり、作業床が設けられている。例えば、高炉の上部には、原料装入装置や排ガス路の補修を迅速に行うため、高炉の炉頂に設けた作業床を利用し、その位置で炉壁を貫通させて炉内に台車を走行させる軌条を設け、資材の搬入撤去を容易にして作業効率を高める技術が開示されている(特許文献1参照)。また、高炉の下部には、送風用羽口の溶損時に羽口を新しいものに交換する作業を行ったり、羽口に設けたのぞき窓から炉内状況を観察したりするため羽口作業床がある。さらに、炉底の高さに相当する位置には、出銑口からの溶銑及びスラグを混銑車や排滓場へ搬送する樋(出銑樋と称する)を配設して出銑作業を行う鋳床がある。この鋳床では、前記出銑樋の内張り耐火物の補修が頻繁に行われるばかりでなく、出銑口を開口したり、閉塞する操業上に必要な作業も日夜行われる。
【0004】
上記した羽口作業床は、鋳床より高い位置にあるため、図4に示すように、段差構造になっている。また、鋳床2も、その下方に、傾注樋(図示せず)を介して溶銑を受け入れる混銑車(図示せず)を配置するため、地上1とは段差がある。さらに、平面視では、図5に示すように、羽口作業床3は、全ての羽口で作業できるように高炉8の外周を囲むようになっているが、鋳床2は、高炉8を直径で二分割した各領域(東西、あるいは南北)に分かれて個別にあり、一方の鋳床2から他方の鋳床7へは、直接の連絡通路はない。そのため、羽口作業床3での種々の作業で必要な資材、物14等の移動は、鋳床2,7の天井クレーン9で地上1より羽口作業床3へ吊り上げて移動し、その使用位置へは、羽口作業床3の天井クレーン10あるいはフォーク・リフト12で移動している。また、一方の鋳床2から別の鋳床7へ資材、物14の移動をする際には、まず、一方の鋳床2からその天井クレーン9で羽口作業床3上へ移動し、該羽口作業床3の天井クレーン10で別の鋳床7の天井クレーン11下まで移動し、その天井クレーン11で別の鋳床7に降ろす。さらに、移動させる物、資材14は、出銑口の閉塞材であるマッド、出銑口から投入するガスフォーミングの防止剤、開口に用いる酸素吹き込み用パイプ、出銑口の開孔用金棒、補修資材、高炉金物の補修用耐火物、樋の補修用耐火物、それらの作業で用いる工具、捕修部品等で月に数百トンもある。加えて、近年の高炉の大型化に伴い、鋳床2,7の面積は広大になり、物、資材等14の移動ばかりでなく、高温環境下での作業者の移動距離もかなり長くなっている。
【0005】
ところが、天井クレーン9、11は、鋳床2及び羽口作業床3ともそれぞれ1台しか設置されていないのが一般的であり、物、資材14の移動がネックになって補修や操業で必要な作業の効率が悪いのが現状である。また、羽口作業床3や鋳床2、7は高温に晒されるので、作業を従来より迅速に行えるようにすることが熱望されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−130410号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、羽口作業床、鋳床等で行われる作業を、従来より迅速、且つ効率良くする高炉下部作業所を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0009】
すなわち、本発明は、地上に平面視で、高炉を直径で二分割した各領域に、出銑口からの溶銑及びスラグを混銑車や排滓場へ搬送する樋を配設して出銑作業を行う個別の鋳床と、これら鋳床の上方にあって高炉の外周を囲み、羽口の取替、補修を行う羽口作業床とを多段に設けた高炉下部作業所であって、前記地上と前記鋳床との間及び該鋳床と前記羽口作業床との間に、それぞれを連絡する車両の通過可能な傾斜路を設けたことを特徴とする高炉下部作業所である。この場合、前記傾斜路の勾配を3〜15°とするのが好ましい。また、前記傾斜路を移動自在方式としても良い。
【0010】
本発明では、地上、鋳床及び/又は羽口作業床間に車両の通行可能な傾斜路を設けるようにしたので、物の移動がクレーンに頼らずに行えるようになる。また、高温環境下における作業者の移動負荷も軽減するようになる。その結果、高炉下部作業所で行われる作業が従来より迅速、且つ高効率で行えるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明をなす経緯をまじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
まず、発明者、高炉下部作業所の現状把握と問題点の見直しを行い、従来より迅速、且つ高効率で作業を行うには、天井クレーンに頼っている物の移動をもっと小回りの効く手段で実施できるようにすること、及び高炉の半径方向で二分された鋳床間の作業者の移動をもっと容易、且つ迅速にすることが必要であると考えた。そして、この考えを具体化するには、地上から鋳床を通って羽口作業床までをトラック、フォーク・リフト等の車両が円滑に通行可能にすれば良いことに気がついた。このようにすると、前述の高炉資材、補修部品等が車両でも直接に鋳床及び羽口作業床へ供給することが可能で、作業の効率化が図れるからである。つまり、天井クレーンの玉掛け作業が激減し、車両からの荷卸しにフォーク・リフトが利用できるようになる。また、作業の安全化が達成されるばかりでなく、供給元及び製造元から作業現場への資材等の直送が可能になり、物流に要する労力、時間の大幅な省力ができる。さらに、突発のトラブルが発生した際には、補修部品、工具が迅速に入手でき、トラブル解消のための時間短縮にも寄与する。加えて、作業者、技術者等が高熱環境下をオートバイ、バイク、自転車等で迅速に移動できるようになり、連絡、補修作業の管理が容易になる。さらに加えて、南北鋳床を車両、フォーク・リフトで連結することで、資材、補修部品等を1ヶ所で集中管理でき、予備として抱える捕修部品等の数量低減が可能でコスト削減という利点も発生するし、それらの置場面積の縮小化が図られ、鋳床スペースの有効活用に好ましい。
【0013】
そこで、発明者は、図1に示すように、地上1と鋳床2との間及び/又は鋳床2と羽口作業床3との間に、それぞれを連絡する車両5の通過可能な傾斜路6を設けることにした。この傾斜路6としては、その上を通行する車両5が25トン程度の重量物(車両総重量:40トン程度)を積載できる強度を備え、表面が平坦であれば、厚肉の鋼板、鉄筋コンクリート、レンガ等のいかなる材料で構成されていても良い。また、該傾斜路6の設置位置は、鋳床2等で行われる種々の作業(出銑、樋補修、羽口交換等)に支障を来たさない所が望ましく、図2に示すように、鋳床2及び羽口作業床3の端部に設置する傾斜路であることが好ましい。また、高炉8の鋳床3と熱風炉作業所20とを車両が通過可能な連絡通路で結んでおけば、熱風炉作業所20側への車両5の移動も可能となり、高炉廻りの作業性は飛躍的に向上することになる。特に、図3に示すように、地上1から一方の鋳床2、羽口作業床3を連続的に経由し、分離している他方の作業床7までが連絡していると一層良い。さらに、図6に示すように、鋳床2、羽口作業床3及び他の作業床7をそれぞれ連絡する傾斜路6を設けるようにしてもかまわない。ここで、熱風炉とは、高炉内に充填されるコークスを燃焼させ、COガスを発生させるために、高炉内へ吹き込む高温空気の製造炉であり、該熱風炉の周囲には保守管理のために利用する作業所が設けられている。
【0014】
また、本発明では、前記傾斜路6の勾配(水平からの傾斜角)を3〜15°とするのが好ましい。その理由は、3°未満では、鋳床2等に傾斜した部分が広く存在することになり、歩行、作業上で危険があるし、15°超えると、車両5が重量物を積載した状態で転倒する恐れがあるからである。さらに、本発明では、傾斜路6の幅については限定しない。作業者、車両5等が安全に通行できれば良く、特に定める必要がないからである。なお、設置する傾斜路6は、全てが傾斜する部分で構成されるものでなく、水平部、傾斜部を備え、車両5等が通行できる構造を含むものである。
【0015】
さらに、本発明では、前記傾斜路が作業上の邪魔になる場合には容易に取り外して撤去できるようにもした。例えば、傾斜路の本体を台車に載置し、ウインチ等で引っ張ったり、フォーク・リフト等で押して移動できる構造としたのである。このようにすれば、傾斜路が設けられていない従来の状態に容易に復帰できるからである。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
4000m級の高炉8が立設され、鋳床2が南北に分割している高炉下部作業所に、図1及び図3に示したものと同様な本発明に係る傾斜路6を設けた。その材質は、鉄筋コンクリートであり、幅は、地上〜鋳床を5m、鋳床〜羽口作業床を2.8mとした。また、勾配は地上1から鋳床2の間を9°、鋳床2から羽口作業床3の間を4.2〜6.5°とした。なお、南鋳床、北鋳床及び羽口作業床の平面積は、ほぼ250m、1300m及び1000mである。
【0017】
このような傾斜路を備えた高炉下部作業所にした効果を、従来の高炉下部作業所と比較して、そこで実施された作業別で表1に一括して示す。
【0018】
【表1】
Figure 2005015847
【0019】
表1より、本発明に係る高炉下部作業所は、従来のものに比べて作業上及び経済的なメリットが大きく、非常に優れていることが明らかである。
(実施例2)
高炉操業では、溶銑の温度が低下し、溶銑やスラグの流動性が低下し、出銑に際して樋の中で流れが悪くなる。その結果、溶銑やスラグが樋壁に付着し、凝固してしまうというトラブルが発生する。そのような事態になると、次回の出銑ができなくなるので、付着物の除去等、所謂「片付け作業」が必要になる。その作業態様を図7(a)に示すが、付着物を酸素ガスで溶解除去するための酸素ガスの吹き付けパイプ25及び燃焼除去に利用する木材26の鋳床2への搬入が必要となり、それら搬入・受入れに各1名、クレーンへの玉掛けに1名の合計3名で作業に当たることになる。そして、他の1名が、前記した酸素ガスの吹き付けパイプ25や木材26を使用して付着物の除去を行い、さらに付着物除去後の滓の片付けにも作業者19や玉掛け要員が必要なので、まさに人海戦術での作業であった。
【0020】
そこで、本発明に係る高炉下部作業所を採用したところ、前記した「片付け作業」は、下記のように機械化され、従来より迅速に、且つ省力の下で実施できるようになった。
【0021】
まず、図7(b)に示す傾斜6を経由して鋳床2へ、酸素ガスの吹き付けパイプ25及び木材26の運搬用車両(例えば、フォーク・リフト12)を乗り込ますので、前記搬入・受入れの2名の作業者19が不要になった。また、傾斜路6を経由させて各種小型重機(例えば、小型ブルトーザ23、ユンボ、フォークリフト等)の導入が可能になるので、従来は人力で行っていた付着物除去の機械化が実現される。これら小型重機は、このような「片付け作業」を実施しない時には、高炉以外の場所で他の作業を実施しているものであるが、傾斜路6の設置により必要に応じて利用できるようになったのである。さらに、付着物除去後の滓の片付けにも、前記小型重機が迅速に利用でき、人力に頼っていた作業がほとんど機械化され、高炉下部作業所で行う作業は、本発明により従来より迅速に、且つ省力して行えるようになる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、高炉下部作業所で行われる各種作業が従来より迅速、且つ高効率で行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高炉下部作業所を説明する縦断面図である。
【図2】本発明に係る高炉下部作業所を説明する平面図である。
【図3】本発明に係る高炉下部作業所の別態様を説明する平面図である。
【図4】従来の高炉下部作業所を説明する縦断面図である。
【図5】従来の高炉下部作業所を説明する平面図である。
【図6】本発明に係る高炉下部作業所のさらなる別態様を説明する平面図である。
【図7】高炉の操業とトラブル発生時の「片付け作業」の実施状況を説明する図であり、(a)は従来の状況、(b)は本発明採用後の状況である。
【符号の説明】
1 地上
2 一方の鋳床
3 羽口作業床
4 羽口
5 車両
6 傾斜路
7 他方の鋳床
8 高炉
9 一方の鋳床の天井クレーン
10 羽口作業床の天井クレーン
11 他方の鋳床の天井クレーン
12 ホーク・リフト
13 トラック
14 物、資材
15 樋(出銑樋)
16 ピット
17 マッド・ガン
18 出銑口の開口機
19 作業者
20 熱風炉作業所
21 熱風供給管
22 傾注樋
23 小型ブルトーザ
24 砂
25 酸素ガスの吹き付けパイプ
26 木材
27 付着物

Claims (3)

  1. 地上に平面視で、高炉を直径で二分割した各領域に、出銑口からの溶銑及びスラグを混銑車や排滓場へ搬送する樋を配設して出銑作業を行う個別の鋳床と、これら鋳床の上方にあって高炉の外周を囲み、羽口の取替、補修を行う羽口作業床とを多段に設けた高炉下部作業所であって、
    前記地上と前記鋳床との間及び該鋳床と前記羽口作業床との間に、それぞれを連絡する車両の通過可能な傾斜路を設けたことを特徴とする高炉下部作業所。
  2. 前記傾斜路の勾配を3〜15°とすることを特徴とする請求項1記載の高炉下部作業所。
  3. 前記傾斜路を移動自在方式とすることを特徴とする請求項1又は2記載の高炉下部作業所。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063592A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Jfe Steel Kk 高炉建設方法および高炉解体方法
JP2007070692A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Jfe Steel Kk 高炉鋳床構築方法
JP2007126708A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Jfe Steel Kk 高炉解体方法および高炉建設方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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