JP2005015384A - オレフィンオリゴマーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体酸触媒の存在下にオレフィン類を重合させてオレフィンオリゴマーを製造するに際し、特定の留分(3量体及び/又は4量体)のオリゴマー収率を、選択的に増加させることができるオレフィンオリゴマーの製造方法を提供する。
【解決手段】原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造するオレフィンオリゴマーの製造方法。例えば、ジルコニア複合酸化物として、ジルコニアを酸化タングステン又は酸化モリブデンと複合したものを触媒とする。
【選択図】 無し
【解決手段】原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造するオレフィンオリゴマーの製造方法。例えば、ジルコニア複合酸化物として、ジルコニアを酸化タングステン又は酸化モリブデンと複合したものを触媒とする。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定留分のオレフィンオリゴマーの製造方法に関する。特に、ブテン類の3量体及び/又は4量体の収率を選択的に増加させるオレフィンオリゴマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンオリゴマーは、ガソリン、ディーゼル等の燃料油、潤滑油、溶剤等として、幅広く使用されている有用な化合物である。
特に、ブテンオリゴマーは、電気的性質、安定性、混溶性、耐水性、さらにはガスや水蒸気の耐透過性等に優れることから、例えば、電気絶縁材料、接着剤、潤滑剤、防水剤、グリース、粘度指数向上剤、シーリングコンパウンド、ワックス、あるいはゴムや樹脂の変性剤等の用途に幅広く用いられている。
【0003】
ブテンオリゴマーは、一般に、ナフサ分解で生成するC4留分からブタジエンを抽出した残りの留分(いわゆるスペントBB留分)、又はブタン−ブテン混合(BB)留分を原料として用い、これらを重合させて得られた平均分子量が150〜2500程度の液状ポリマーである。
【0004】
酸触媒を用いるブテンオリゴマーの製造方法としては、様々な方法が知られている。
例えば、均一系酸触媒プロセスとして、BB留分からなる原料を、無水塩化アルミニウム等のフリーデル・クラフト触媒を懸濁させた液体スラリーに通す方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、不均一系固体触媒プロセスとして、乾燥塩素化アルミナからなる固体触媒に接触させる方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、フッ素化アルミナ、アルミナホウ素、シリカアルミナ、固体リン酸、酸化クロム、酸化亜鉛等の固体触媒に接触させる方法等が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
工業的には、スタンダード法プロセスやコスデン法プロセス等が実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−124602号公報
【特許文献2】
特開昭57−82325号公報
【特許文献3】
特開昭56−40618号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の均一系触媒では、塩化アルミニウム、三弗化硼素、硫酸等の強ルイス酸触媒が用いられているため、廃触媒処理や製造装置の腐食等の工業的問題を有している。
一方、不均一系固体触媒では、シリカアルミナ、燐酸珪藻土触媒等が用いられているため、実用的な反応条件下では、異性化、分解、生成物の重質化といった副反応の進行による経済性の低下と、それら生成物の触媒活性点への堆積による著しい活性低下が大きな課題である。
【0007】
また、触媒反応によって得られるオリゴマー分布に関して、従来の製造方法においては、いずれの触媒系を用いても、原料組成とブテン転化率が決まれば、各オリゴマーの生成割合はほぼ決まってしまい、ある特定のオリゴマーのみの収率を増加させることができないという問題があった。
例えば、各種溶剤や潤滑油基材等として有用なブテンの3量体及び/又は4量体を製造しようとしても、2量体や5量体等、他のオリゴマー留分も多量に生成していた。そのため、蒸留分離等の後処理工程の負荷が大きくなり、不要なオリゴマー留分が廃棄物となる等、エネルギーコスト、製造コストの面で経済性が高くなかった。
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、固体酸触媒の存在下にオレフィン類、特に、ブテン類を重合させてブテンオリゴマーを製造するに際し、特定の留分(3量体及び/又は4量体)のオリゴマー収率を、選択的に増加させることができるオレフィンオリゴマーの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明者らは、オレフィン類を、ジルコニウム複合酸化物を含む固体触媒に接触させてオリゴマー化反応させることにより、3量体及び/又は4量体留分へ、選択的に転化できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明によれば、原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造するオレフィンオリゴマーの製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造する。
原料オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン類(イソブテン、1−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、ジイソブチレン)、ペンテン類、ヘキセン類等を単独で、又は混合して使用することができる。好ましくは、ブテン類、プロピレンであり、特に、ブテン類が好ましい。
【0012】
また、ナフサ分解で生成したC4留分(BB留分)を用いることができ、さらに、BB留分からブタジエンを抽出した残りの留分である、いわゆるスペントBB留分を用いることもできる。
さらに、各オレフィンの2量体留分を、蒸留分離後、反応器にリサイクルして、原料の一部又は全部として再使用することもできる。
【0013】
触媒成分として使用するジルコニア(ZrO2)複合酸化物は、ZrO2と、他の酸化物の複合物である。他の酸化物としては、例えば、WO3、MoO3、SiO2、Al2O3、TiO2、PO4、SO4、CaO、La2O3、CeO2等を挙げることができる。好ましくは、WO3、MoO3である。
これら酸化物の1種とZrO2からなる複合酸化物を使用してもよく、また、二種以上の酸化物とZrO2からなる、複合酸化物を使用してもよい。
【0014】
ジルコニア(ZrO2)複合酸化物は、例えば、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4)、オキシ塩化ジルコニウム水和物(ZrOCl2・8H2O)、タングステン酸アンモニウム水和物((NH4)10W12O41・5H2O)、モリブデン酸アンモニウム水和物((NH4)6Mo7O24・4H2O)等の出発原料から調製することができる。
各々の出発原料を、共沈法又は含浸法等により混合し、それを乾燥、空気中で焼成して得ることができる。
焼成温度は、通常400℃以上であり、600〜1000℃が好ましい。出発原料の仕込み比で、W/Zr比、Mo/Zr比を変えることができる。
ZrO2に対するWO3又はMoO3の担持率は、5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。
【0015】
上記の原料オレフィンと、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む触媒を接触させて、オレフィンオリゴマーを製造する。
オリゴマー化の反応形式は、連続流通式でも回分式でもどちらでも良い。反応器は一つでも良いが、二つ以上を直列又は並列に組み合わせて使うこともできる。
反応温度は、原料オレフィンの種類や用いる触媒によって異なるが、通常、50℃〜200℃が好ましい。
また、反応圧力は、通常、大気圧〜10MPa、好ましくは、液相を維持できる圧力である1〜6MPaの範囲で選定される。
反応時間(連続流通式の場合は液滞留時間)は、10分〜10時間の範囲で選定される。回分式の場合の触媒濃度は、原料オレフィンに対して通常0.1〜10重量%の範囲で選定される。
反応には溶媒を使用してもよく、また、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合は、通常、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素が用いられる。
【0016】
本発明のオレフィンオリゴマーの製造方法は、従来の触媒を使用した場合と比べて、オレフィンオリゴマー化の反応活性が高く、選択率も高いため、目的とするオレフィン3量体及び/又は4量体を高収率で得ることができる。
また、固体酸触媒プロセスであるため、均一系酸触媒プロセスで起きるような廃触媒処理や装置腐食等の工業的問題がない。
さらに、副反応の進行による経済性低下が低減できる。
以上より本製造方法は、目的製品(オレフィン3量体及び/又は4量体)を高収率、経済的に得られ、かつ環境負荷の少ない、クリーンでシンプルなプロセスである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
[固体触媒]
触媒として、ZrO2複合酸化物であるWO3/ZrO2を使用した。
WO3/ZrO2触媒は、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4、第一稀元素化学工業株式会社製)に、タングステン酸アンモニウム水和物((NH4)10W12O41・5H2O、和光純薬工業株式会社製)水溶液を、室温で含浸して調製した。水酸化ジルコニウム1gに対し、約1cm3のタングステン酸アンモニウム水和物水溶液を含浸させた。含浸後、100℃で一晩乾燥させ、その後、800℃で空気中焼成した。この触媒のZrO2に対するWO3の担持率は、10重量%であった。
尚、担持率は、蛍光X線分析(XRF)より求めた。
【0018】
[反応]
内容積15ccのステンレス製反応器に、上記の触媒50mg、溶媒(n−ヘキサン)2cc、原料オレフィンとして、イソブテン(液相、住友精化株式会社製、純度99%以上)3ccを仕込み、攪拌しながら100℃に昇温して、1.5MPaで1時間反応させた。
得られた反応生成液を、ガスクロマトグラフ(FID)を用いて分析した。
結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
転化率(%)=生成オリゴマー全量×100/原料ブテン量
選択率(%)=各オリゴマー成分量×100/生成オリゴマー全量
【0020】
実施例2
ZrO2複合酸化物として、MoO3/ZrO2を使用した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
MoO3/ZrO2触媒の調製は、タングステン酸アンモニウム水和物水溶液に代えて、モリブデン酸アンモニウム水和物((NH4)6Mo7O24・4H2O)水溶液を使用した他は、実施例1と同様にした。この触媒のZrO2に対するMoO3の担持率は、10重量%であった。
【0021】
比較例1
触媒として、シリカアルミナ(SiO2−Al2O3、日揮化学N633)を使用した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
【0022】
実施例3、4
原料オレフィンとして、混合ブテンを使用して、表1に記載の触媒及び反応温度で重合した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
混合ブテンの組成は、ブテン50%、1−ブテン21%、トランス−2−ブテン12%、シス−2−ブテン8%、イソブタン2%、ノルマルブタン7%であり、ブタジエンとプロピレンをほとんど含有しないBB留分を使用した。
【0023】
比較例2
原料オレフィンとして、混合ブテンを使用し、反応温度を150℃にした他は、比較例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
【0024】
上記の結果、従来のシリカアルミナ触媒と比べ、WO3/ZrO2触媒、MoO3/ZrO2触媒の方が、ブテン3量体及び4量体を高収率で得ることができることが確認できた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、各種溶剤、潤滑油基材等として有用なオレフィンオリゴマー、特に、3量体及び/又は4量体留分を高収率で得ることができるオレフィンオリゴマーの製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定留分のオレフィンオリゴマーの製造方法に関する。特に、ブテン類の3量体及び/又は4量体の収率を選択的に増加させるオレフィンオリゴマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンオリゴマーは、ガソリン、ディーゼル等の燃料油、潤滑油、溶剤等として、幅広く使用されている有用な化合物である。
特に、ブテンオリゴマーは、電気的性質、安定性、混溶性、耐水性、さらにはガスや水蒸気の耐透過性等に優れることから、例えば、電気絶縁材料、接着剤、潤滑剤、防水剤、グリース、粘度指数向上剤、シーリングコンパウンド、ワックス、あるいはゴムや樹脂の変性剤等の用途に幅広く用いられている。
【0003】
ブテンオリゴマーは、一般に、ナフサ分解で生成するC4留分からブタジエンを抽出した残りの留分(いわゆるスペントBB留分)、又はブタン−ブテン混合(BB)留分を原料として用い、これらを重合させて得られた平均分子量が150〜2500程度の液状ポリマーである。
【0004】
酸触媒を用いるブテンオリゴマーの製造方法としては、様々な方法が知られている。
例えば、均一系酸触媒プロセスとして、BB留分からなる原料を、無水塩化アルミニウム等のフリーデル・クラフト触媒を懸濁させた液体スラリーに通す方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、不均一系固体触媒プロセスとして、乾燥塩素化アルミナからなる固体触媒に接触させる方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、フッ素化アルミナ、アルミナホウ素、シリカアルミナ、固体リン酸、酸化クロム、酸化亜鉛等の固体触媒に接触させる方法等が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
工業的には、スタンダード法プロセスやコスデン法プロセス等が実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−124602号公報
【特許文献2】
特開昭57−82325号公報
【特許文献3】
特開昭56−40618号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の均一系触媒では、塩化アルミニウム、三弗化硼素、硫酸等の強ルイス酸触媒が用いられているため、廃触媒処理や製造装置の腐食等の工業的問題を有している。
一方、不均一系固体触媒では、シリカアルミナ、燐酸珪藻土触媒等が用いられているため、実用的な反応条件下では、異性化、分解、生成物の重質化といった副反応の進行による経済性の低下と、それら生成物の触媒活性点への堆積による著しい活性低下が大きな課題である。
【0007】
また、触媒反応によって得られるオリゴマー分布に関して、従来の製造方法においては、いずれの触媒系を用いても、原料組成とブテン転化率が決まれば、各オリゴマーの生成割合はほぼ決まってしまい、ある特定のオリゴマーのみの収率を増加させることができないという問題があった。
例えば、各種溶剤や潤滑油基材等として有用なブテンの3量体及び/又は4量体を製造しようとしても、2量体や5量体等、他のオリゴマー留分も多量に生成していた。そのため、蒸留分離等の後処理工程の負荷が大きくなり、不要なオリゴマー留分が廃棄物となる等、エネルギーコスト、製造コストの面で経済性が高くなかった。
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、固体酸触媒の存在下にオレフィン類、特に、ブテン類を重合させてブテンオリゴマーを製造するに際し、特定の留分(3量体及び/又は4量体)のオリゴマー収率を、選択的に増加させることができるオレフィンオリゴマーの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明者らは、オレフィン類を、ジルコニウム複合酸化物を含む固体触媒に接触させてオリゴマー化反応させることにより、3量体及び/又は4量体留分へ、選択的に転化できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明によれば、原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造するオレフィンオリゴマーの製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造する。
原料オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン類(イソブテン、1−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、ジイソブチレン)、ペンテン類、ヘキセン類等を単独で、又は混合して使用することができる。好ましくは、ブテン類、プロピレンであり、特に、ブテン類が好ましい。
【0012】
また、ナフサ分解で生成したC4留分(BB留分)を用いることができ、さらに、BB留分からブタジエンを抽出した残りの留分である、いわゆるスペントBB留分を用いることもできる。
さらに、各オレフィンの2量体留分を、蒸留分離後、反応器にリサイクルして、原料の一部又は全部として再使用することもできる。
【0013】
触媒成分として使用するジルコニア(ZrO2)複合酸化物は、ZrO2と、他の酸化物の複合物である。他の酸化物としては、例えば、WO3、MoO3、SiO2、Al2O3、TiO2、PO4、SO4、CaO、La2O3、CeO2等を挙げることができる。好ましくは、WO3、MoO3である。
これら酸化物の1種とZrO2からなる複合酸化物を使用してもよく、また、二種以上の酸化物とZrO2からなる、複合酸化物を使用してもよい。
【0014】
ジルコニア(ZrO2)複合酸化物は、例えば、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4)、オキシ塩化ジルコニウム水和物(ZrOCl2・8H2O)、タングステン酸アンモニウム水和物((NH4)10W12O41・5H2O)、モリブデン酸アンモニウム水和物((NH4)6Mo7O24・4H2O)等の出発原料から調製することができる。
各々の出発原料を、共沈法又は含浸法等により混合し、それを乾燥、空気中で焼成して得ることができる。
焼成温度は、通常400℃以上であり、600〜1000℃が好ましい。出発原料の仕込み比で、W/Zr比、Mo/Zr比を変えることができる。
ZrO2に対するWO3又はMoO3の担持率は、5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。
【0015】
上記の原料オレフィンと、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む触媒を接触させて、オレフィンオリゴマーを製造する。
オリゴマー化の反応形式は、連続流通式でも回分式でもどちらでも良い。反応器は一つでも良いが、二つ以上を直列又は並列に組み合わせて使うこともできる。
反応温度は、原料オレフィンの種類や用いる触媒によって異なるが、通常、50℃〜200℃が好ましい。
また、反応圧力は、通常、大気圧〜10MPa、好ましくは、液相を維持できる圧力である1〜6MPaの範囲で選定される。
反応時間(連続流通式の場合は液滞留時間)は、10分〜10時間の範囲で選定される。回分式の場合の触媒濃度は、原料オレフィンに対して通常0.1〜10重量%の範囲で選定される。
反応には溶媒を使用してもよく、また、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合は、通常、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素が用いられる。
【0016】
本発明のオレフィンオリゴマーの製造方法は、従来の触媒を使用した場合と比べて、オレフィンオリゴマー化の反応活性が高く、選択率も高いため、目的とするオレフィン3量体及び/又は4量体を高収率で得ることができる。
また、固体酸触媒プロセスであるため、均一系酸触媒プロセスで起きるような廃触媒処理や装置腐食等の工業的問題がない。
さらに、副反応の進行による経済性低下が低減できる。
以上より本製造方法は、目的製品(オレフィン3量体及び/又は4量体)を高収率、経済的に得られ、かつ環境負荷の少ない、クリーンでシンプルなプロセスである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
[固体触媒]
触媒として、ZrO2複合酸化物であるWO3/ZrO2を使用した。
WO3/ZrO2触媒は、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4、第一稀元素化学工業株式会社製)に、タングステン酸アンモニウム水和物((NH4)10W12O41・5H2O、和光純薬工業株式会社製)水溶液を、室温で含浸して調製した。水酸化ジルコニウム1gに対し、約1cm3のタングステン酸アンモニウム水和物水溶液を含浸させた。含浸後、100℃で一晩乾燥させ、その後、800℃で空気中焼成した。この触媒のZrO2に対するWO3の担持率は、10重量%であった。
尚、担持率は、蛍光X線分析(XRF)より求めた。
【0018】
[反応]
内容積15ccのステンレス製反応器に、上記の触媒50mg、溶媒(n−ヘキサン)2cc、原料オレフィンとして、イソブテン(液相、住友精化株式会社製、純度99%以上)3ccを仕込み、攪拌しながら100℃に昇温して、1.5MPaで1時間反応させた。
得られた反応生成液を、ガスクロマトグラフ(FID)を用いて分析した。
結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
転化率(%)=生成オリゴマー全量×100/原料ブテン量
選択率(%)=各オリゴマー成分量×100/生成オリゴマー全量
【0020】
実施例2
ZrO2複合酸化物として、MoO3/ZrO2を使用した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
MoO3/ZrO2触媒の調製は、タングステン酸アンモニウム水和物水溶液に代えて、モリブデン酸アンモニウム水和物((NH4)6Mo7O24・4H2O)水溶液を使用した他は、実施例1と同様にした。この触媒のZrO2に対するMoO3の担持率は、10重量%であった。
【0021】
比較例1
触媒として、シリカアルミナ(SiO2−Al2O3、日揮化学N633)を使用した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
【0022】
実施例3、4
原料オレフィンとして、混合ブテンを使用して、表1に記載の触媒及び反応温度で重合した他は、実施例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
混合ブテンの組成は、ブテン50%、1−ブテン21%、トランス−2−ブテン12%、シス−2−ブテン8%、イソブタン2%、ノルマルブタン7%であり、ブタジエンとプロピレンをほとんど含有しないBB留分を使用した。
【0023】
比較例2
原料オレフィンとして、混合ブテンを使用し、反応温度を150℃にした他は、比較例1と同様にしてオレフィンオリゴマーを製造した。
【0024】
上記の結果、従来のシリカアルミナ触媒と比べ、WO3/ZrO2触媒、MoO3/ZrO2触媒の方が、ブテン3量体及び4量体を高収率で得ることができることが確認できた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、各種溶剤、潤滑油基材等として有用なオレフィンオリゴマー、特に、3量体及び/又は4量体留分を高収率で得ることができるオレフィンオリゴマーの製造方法を提供することができる。
Claims (6)
- 原料オレフィンを、ジルコニア(ZrO2)複合酸化物を含む固体触媒に接触させることにより、オレフィンオリゴマーを製造するオレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記ジルコニア複合酸化物が、ジルコニアを酸化タングステン又は酸化モリブデンと複合したものである請求項1に記載のオレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記ジルコニアに対する酸化タングステン又は酸化モリブデンの担持率が、5〜50重量%である請求項2に記載のオレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記原料オレフィンが、エチレン、プロピレン又はブテン類(イソブテン、1−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、ジイソブチレン)を少なくとも1つ含んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記原料オレフィンが、ブタン−ブテン(BB)留分である請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィンオリゴマーの製造方法。
- 前記オレフィンオリゴマーが、前記原料オレフィンの3及び/又は4量体を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のオレフィンオリゴマーの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011114707A1 (ja) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | 出光興産株式会社 | オレフィンのオリゴマー化反応用触媒 |
US11078433B2 (en) | 2016-10-14 | 2021-08-03 | Gevo, Inc. | Conversion of mixtures of C2—C8 olefins to jet fuel and/or diesel fuel in high yield from bio-based alcohols |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003182154A patent/JP2005015384A/ja active Pending
Cited By (4)
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