JP2005014938A - 輸送用包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底壁6を除く一面が開口され、その少なくとも1つの側壁2の下端に一対の差込孔10を設けた包装箱1と、前記包装箱1内に収容される2以上のパレット部材21とを備えた構成とする。また、前記包装箱1の底壁6に、前記差込孔10と連続する切欠溝11を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重い商品などを収容して輸送するための輸送用包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の輸送用包装体に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0003】
【特許文献1】
実開平1−44423号公報
【0004】
この特許文献1の輸送用包装体は、略凹字形状をなす外箱の内部に、3つの荷台および上端開口の中箱を配設したものである。前記外箱には、その2つの壁にフラップが連設され、中箱には、その4つの壁にフラップが連設されている。そして、合計で6つのフラップを重畳させ、テープやステッチなどの固定手段を用いて上端開口を閉塞するとともに、外箱と中箱とを一体化している。また、外箱の底壁と中箱の底壁との間には、前記3つの荷台により、これらの間にフォークリフトの爪を差し込むための一対の空間が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記輸送用包装体は、構成が複雑であるため、特殊な組立装置を必要としたり、手作業である場合には組立工数が非常に多く、作業性が悪いという不都合がある。
【0006】
そこで、本発明では、組立作業が簡単な安価な輸送用包装体を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の輸送用包装体は、底壁を除く一面が開口され、その少なくとも1つの側壁の下端に一対の差込孔を設けた包装箱と、前記包装箱内に収容される2以上のパレット部材とを備えた構成としている。
【0008】
この輸送用包装体によれば、包装箱の内部に2以上のパレット部材を収容させる構成としているため、その構成を簡素化することができ、全体の組立作業性およびパレット部材の組込作業性を向上することができる。また、パレット部材が1部品からなる場合には、重量物を載置すると中央部に撓みが生じる可能性があるが、2以上からなるため、剛性を高めることができ、撓みの問題が生じることを防止できる。
【0009】
この輸送用包装体では、前記包装箱の底壁に、前記差込孔と連続する切欠溝を設けることが好ましい。このようにすれば、フォークリフトの爪を挿入する際に包装箱の底に干渉して、包装箱が移動することを防止できるため、運搬作業性を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る輸送用包装体は、上端を開口した包装箱1と、該包装箱1の上端開口を閉塞する蓋体15と、前記包装箱1の内部に収容する一対のパレット部材21とからなる。
【0011】
前記包装箱1、蓋体15およびパレット部材21は、一対の表紙と裏紙との間に波状の中しんを配設した周知の段ボール紙からなり、そのうち、包装箱1および蓋体15はフレキソグルアなどの汎用加工機で製造され、パレット部材21は断裁のみで製造される。
【0012】
前記包装箱1は、同一形状をなす一対のブランクを貼り合わせて形成される。このブランクは、図2に示すように、横向きに連続する側壁2と端壁3とを備え、前記側壁2の端縁には糊代部4が更に連設されている。これら糊代部4、側壁2および端壁3の間には、罫を入れて形成した折曲線5が設けられている。また、前記側壁2および端壁3の下端縁には、底壁6を形成するための外フラップ7および内フラップ8が連設され、その境界部分には折曲線9が設けられている。
【0013】
前記側壁2の下端には、フォークリフトの爪を差し込むための一対の差込孔10が設けられている。また、底壁6を構成する外フラップ7には、前記差込孔10と連続する切欠溝11が設けられている。言い換えれば、本実施形態では、側壁2から外フラップ7にかけて矩形状の孔を設けることにより、側壁2の下端に差込孔10を設けるとともに、外フラップ7に前記差込孔10と連続する切欠溝11を設けている。
【0014】
前記端壁3には、その上部に長楕円形状をなす一対の把持部12が設けられている。この把持部12は、その上端縁を連続部分に折曲線13を形成し、他の部分を切断した切起構造により構成されている。また、底壁6を構成する内フラップ8の両端には、組立状態で前記切欠溝11の縁に一致する切欠部14が設けられている。
【0015】
前記蓋体15のブランクは、図3に示すように、前記包装箱1の側壁2および端壁3の横方向の寸法より若干大きい寸法からなる天壁16を備え、その天壁16の4つの縁から周壁17a,17b,17c,17dをそれぞれ連設し、その境界部分に折曲線18を設けたものである。これら周壁17a〜17dのうち、対向する一対の周壁17a,17cの両端には、他の周壁17b,17dに貼着するための固着代19が連設され、その境界部分に折曲線20が設けられている。
【0016】
前記パレット部材21は、2つで商品を載置する1つのパレットを構成するものである。具体的には。このパレット部材21のブランクは、図4(A)に示すように、一辺が前記包装箱1の側壁2の略半分で、他の一辺が端壁3と略同一の寸法からなる長方形状の載置部22を備えている。この載置部22の両側縁には、四角筒状をなす桁部23を形成するための4つの屈曲部24a,24b,24c,24dが連設され、その各境界部分に折曲線25が設けられている。
【0017】
本実施形態では、前記桁部23内には、逆V字形状をなす別体の補強部材26を配設する構成としている。この補強部材26は、図4(B)に示すように、一対の梁27の間に折曲線28を設けたものである。
【0018】
前記包装箱1は、図2に示すブランクを2つ用意し、側壁2に対して端壁3を折り曲げる。そして、糊代部4に酢酸ビニルエマルジョンなどの接着剤を塗布し、その糊代部4に他のブランクの端壁3が位置するように配置し、所定の圧力を加えることにより貼着した状態で納品される。また、蓋体15およびパレット部材21は、図3および図4(A),(B)に示すブランクの状態で納品される。
【0019】
次に、納品先である商品の製造メーカーでの、これら包装箱1、蓋体15およびパレット部材21からなる輸送用包装体の使用方法について説明する。
【0020】
まず、包装箱1を組み立てる場合には、対向する一対の内フラップ8を折り曲げた後、一対の外フラップ7を折り曲げる。そして、これら内フラップ8と外フラップ7の重畳部分をステッチ止めにより固着する。これにより、上端面が開口し、その側壁2の下端に一対の差込孔10を形成した包装箱1が形成される。
【0021】
また、蓋体15を組み立てる場合には、天壁16に対して各周壁17a〜17dおよび固着代19を折り曲げ、該固着代19を隣接する周壁17b,17dに対してステッチ止めすることにより固着する。これにより、前記包装箱1の上端開口を閉塞するための別体の蓋体15が形成される。
【0022】
さらに、パレット部材21を組み立てる場合には、載置部22に対して各屈曲部24a〜24dをそれぞれ内向きに折り曲げ、最外端に位置する屈曲部24dを載置部22の下面に重畳させてステッチ止めすることにより固着する。そして、補強部材26を折り曲げ、その頂部が上向きに位置するように、各屈曲部24a〜24dにより形成された四角筒状をなす桁部23内に挿入する。これにより、前記包装箱1内に収容されるとともに、重い商品を載置するための断面略逆凹字形状をなすパレット部材21が形成される。
【0023】
そして、前記パレット部材21を包装箱1内に収容した後、希望の商品を収容し、包装箱1の上端開口を蓋体15によって閉塞して、該蓋体15を包装箱1に固定することにより商品を包装する。
【0024】
この際、パレット部材21は2部品により構成しているため、包装箱1への組込作業性が良い。即ち、1部品からなる場合には、包装箱1の開口面積と載置部22の面積とが略同一であるため、組込作業性が悪いが、本実施形態ではこの問題が生じることはない。また、パレット部材が1部品からなる場合には、重量物を載置すると中央部に撓みが生じる可能性があるが、本実施形態では2以上からなるため剛性を高めることができ、この撓みの問題が生じることをはない。しかも、包装箱1は、商品を包装するという本来の役割とは別に、2つのパレット部材21を規制する役割をなすため、パレット部材21にガタツキが生じることを防止できる。
【0025】
さらに、前記輸送用包装体は、基本構成が周知の包装箱と同一の包装箱1に、別体のパレット部材21を配設するという構成であるため、組立作業が簡単であるうえ、安価に製造することができる。また、本実施形態では、製造メーカーにおいて手作業による面倒な糊付け作業は不要であり、全てステッチ止めによる固着が可能であるため、組立作業性を向上することができる。
【0026】
前記輸送用包装体により商品を包装した状態では、図1に示すように、逆凹字形状をなす各パレット部材21の空間が、包装箱1に形成した差込孔10と一致し、貫通した空間が形成される。そのため、いずれかの側壁2の差込孔10からフォークリフトの爪の挿入することにより、重量物である商品を輸送用の車両などに簡単に載せることができる。しかも、本実施形態では、包装箱1の底壁6に差込孔10と連通する切欠溝11を設けているため、フォークリフトの爪を挿入する際に包装箱1の底に干渉して包装箱1が移動することを防止できるため、運搬作業性を向上できる。
【0027】
また、前記パレット部材21は、その両端を筒状に折り曲げて桁部23を形成し、その内部に逆V字形状をなす別体の補強部材26を配設した構成としているため、このパレット部材21を形成するために必要な段ボール紙の面積を低減することができる。そのため、パレット部材21の軽量化およびコストダウンを図ることができる。
【0028】
図5は第2実施形態の輸送用包装体に適用する包装箱1を示す。この包装箱1は、一対の側壁2および端壁3を一体に形成するとともに、一対の外フラップ29A,29Bおよび内フラップ30A,30Bからなる蓋を一体に形成した点でのみ、第1実施形態と相違している。この第2実施形態の輸送用包装体により重量物である商品を包装すると、前記第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0029】
図6および図7は第3実施形態の輸送用包装体を示す。この第3実施形態では、包装箱35の端壁40を開閉可能とした点で、第1実施形態と大きく相違している。
【0030】
具体的には、第3実施形態の包装箱35のブランクは、図7(A)に示すように、天壁36、第1の側壁37A、底壁38および第2の側壁37Bが上側より連続するように設けられ、側壁37Bの下端に糊代部39が連設されている。そして、これら壁36〜38の両端縁には、端壁40A,40Bを構成するための外フラップ41A,41Bおよび内フラップ42A,42Bが連設されている。また、側壁37A,37Bには底壁38との連続端に差込孔43が設けられるとともに、底壁には差込孔43に連続する切欠溝44が設けられている。
【0031】
また、パレット部材45のブランクは、図7(B)に示すように、長方形状の載置部46の両側縁に、四角筒状をなす桁部47を形成するための4つの屈曲部48a,48b,48c,48dが連設されている。そして、そのうち、屈曲部48a〜48cには、フォークリフトの爪を挿入するための挿入部49を形成するための貫通孔50が設けられている。
【0032】
この第3実施形態では、図6に示すように、一方の端壁40Bを開放した状態で、包装箱35の内部にパレット部材45を配置し、希望の商品を包装箱35の内部に収容して包装する。その後、開放した端壁40Bを構成するフラップ41A,41B,42A,42Bにより開口を閉塞する。
【0033】
または、並列に配置したパレット部材45の上に希望の商品を配置し、フォークリフトで持ち上げた状態で、包装箱35を横から被せるようにして商品を包装して、端壁40Bを閉塞する。または、フォークリフトの爪を挿入部49に挿入して持ち上げた状態で、ブランクの状態の包装箱35を被せ、糊代部39を対応する天壁36の縁に固着するとともに端壁40A,40Bを閉塞する。
【0034】
この第3実施形態の輸送用包装体では、パレット部材45を包装箱35の内部に先に配置する場合、このパレット部材45が2部品により構成されているため、組込作業性が良いうえ、包装箱35が2つのパレット部材45を規制する役割をなすため、パレット部材45にガタツキが生じることを防止できる。また、パレット部材45と商品とを一緒に収容することも可能であるため、包装に係る作業性および自由度を向上できる。さらに、1部品からなるパレット部材45と比較して剛性を高めることができる。さらにまた、第1実施形態と同様に、組立作業が簡単であるうえ、安価に製造することができるなど、同様の作用および効果を得ることができる。
【0035】
なお、本発明の輸送用包装体は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0036】
例えば、前記実施形態では、包装箱1の内部に収容するパレット部材21,45は2部品としたが、2行2列の4部品としてもよく、その数は包装する商品の大きさに応じて変更が可能である。
【0037】
また、前記実施形態では、パレット部材21,45の桁部23,47は、屈曲部24a〜24d,48a〜48dにより四角筒状に形成し、その内部に補強部材26,51を配置する構成としたが、帯状とした複数の紙を積層して形成してもよい。さらに、パレット部材21,45は断面略逆凹字形状に限られず、断面長方形状のものでもよい。しかも、パレット部材21,45は、紙製に限られず、木製や樹脂製であってもよい。
【0038】
さらにまた、前記実施形態では、一対の側壁2,2,37A,37Bにそれぞれ差込孔10,43を設けたが、いずれか一方の側壁にのみ設けた構成としてもよい。しかも、前記切欠溝11,44は必ずしも設ける必要はない。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の輸送用包装体では、側壁の下端に一対の差込孔を設けた包装箱に、2以上のパレット部材を収容させる構成としているため、その構成を簡素化することができ、全体の組立作業性およびパレット部材の組込作業性を向上することができる。また、パレット部材が1部品からなる場合には、重量物を載置すると中央部に撓みが生じる可能性があるが、2以上からなるため、剛性を高めることができ、撓みの問題が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の輸送用包装体を示す分解斜視図である。
【図2】包装箱を形成するためのブランクを示す平面図である。
【図3】蓋体を形成するためのブランクを示す平面図である。
【図4】(A),(B)はパレット部材を形成するためのブランクを示す平面図である。
【図5】第2実施形態の包装箱を形成するためのブランクを示す平面図である。
【図6】第3実施形態の輸送用包装体を示す分解斜視図である。
【図7】(A)は第3実施形態の包装箱のブランクを示す平面図、(B)はパレット部材のブランクを示す平面図である。
【符号の説明】
1…包装箱 2…側壁
3…端壁 6…底壁
7…外フラップ 8…内フラップ
10…差込孔 11…切欠溝
14…切欠部 15…蓋体
21…パレット部材 23…桁部
26…補強部材
Claims (2)
- 底壁を除く一面が開口され、その少なくとも1つの側壁の下端に一対の差込孔を設けた包装箱と、
前記包装箱内に収容される2以上のパレット部材と
を備えたことを特徴とする輸送用包装体。 - 前記包装箱の底壁に、前記差込孔と連続する切欠溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の輸送用包装体。
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JP2003179657A JP4250465B2 (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 輸送用包装体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008026259A1 (fr) * | 2006-08-30 | 2008-03-06 | Yasuzumi Tanaka | Procédé de fabrication de palette de carton ondulé et palette |
JP2011016540A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Rengo Co Ltd | パレット梱包箱 |
WO2017059283A1 (en) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | International Paper Company | Pallet-free bulk bin container |
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- 2003-06-24 JP JP2003179657A patent/JP4250465B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2017059283A1 (en) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | International Paper Company | Pallet-free bulk bin container |
US10189600B2 (en) | 2015-10-02 | 2019-01-29 | International Paper Company | Pallet-free bulk bin container |
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JP4250465B2 (ja) | 2009-04-08 |
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