JP2005014175A - ホーニング加工砥石 - Google Patents

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剛 為水
Teruyuki Ito
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Abstract

【課題】喰付き角部および加工寸法仕上部を形成した砥粒部平行拡張部の平行拡張によって砥石磨耗を補正することにより加工精度が高く、寿命の長いホーニング加工砥石を提供する。
【解決手段】砥石本体2に形成した円筒部3の外周面に砥粒を結合保持して砥粒部を形成する。端縁に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部5および加工寸法仕上部を砥粒部の端部に形成し、該砥粒部の端部を軸線方向に延在する第1スリット8および第2スリット9によって千鳥状に切断して砥粒部平行拡張部を形成する。円筒部内周面に砥粒部平行拡張部の全長に亘ってテーパ穴を形成する。テーパコーン19をテーパ穴に全長に亘って嵌合させ軸線方向に位置調整して砥粒部平行拡張部を平行に拡張させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥粒を結合保持した砥粒部を拡張させて磨耗に対する寸法補正を行うホーニング加工砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転するホーニング加工砥石を軸線方向に送り移動して工作物の下穴内周面をホーニング加工することが行われている。係るホーニング加工に使用される砥石は、例えば特許文献1に記載されているように、砥石本体に有底の円筒部を形成し、円筒部の先端部に下穴に嵌合して砥石を案内するフロントガイドを形成し、フロントガイドの後端から円筒部の底面に向けて複数のスリットを軸線方向に刻設し、該スリット間のランド部に砥粒を結合保持して砥粒部を形成し、該砥粒部の送り方向先端部分には先細の喰付き角部を形成している。そして、砥粒の磨耗による砥粒部の外径寸法の減少を補正するために、円筒部内周面にテーパ穴を形成し、該テーパ穴に嵌合するテーパコーンを軸線方向に移動させて砥粒部の加工寸法仕上部を拡張させることが行われている。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3005414号公報(2頁、図3,4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の止り穴加工用のホーニング加工砥石では、砥粒の磨耗を補正するために、テーパコーンを軸線方向に移動させて砥粒部を拡張させても、喰付き角部の先端は拡張されない。このため、先端部の砥粒は少し磨耗すると利用できなくなり、下穴の取代に対して加工作用に関与する喰付き角部の軸線方向の長さが短くなり、砥粒1個当りの加工負荷が増大して加工精度が低下し、かつ砥石寿命が短くなる問題があった。また、テーパコーンの軸動により砥粒部の加工寸法仕上部が軸線方向に変位する問題があった。
【0005】
本発明は係る従来の不具合を解消するためになされたもので、喰付き角部および加工寸法仕上部を形成した砥粒部平行拡張部の平行拡張によって砥石磨耗を補正することにより加工精度が高く、寿命の長いホーニング加工砥石を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、砥石本体に形成した円筒部の外周面に砥粒を結合保持して砥粒部を形成し、端縁に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部および加工寸法仕上部を前記砥粒部の端部に形成し、該砥粒部の端部を軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断して砥粒部平行拡張部を形成し、前記円筒部内周面に前記砥粒部平行拡張部の全長に亘ってテーパ穴を形成し、テーパコーンを前記テーパ穴に全長に亘って嵌合させ軸線方向に位置調整して前記砥粒部平行拡張部を平行に拡張させることである。
【0007】
本発明によれば、ホーニング加工砥石がホーニング盤の主軸に装着され、砥粒部平行拡張部が軸線方向に送られて工作物の下穴を1回通過すると、傾斜された喰付き角部により下穴が徐々にホーニング加工されて径が拡大され、加工寸法仕上部により加工寸法に仕上加工される。砥粒部平行拡張部が磨耗して外径が減少した場合、砥粒部平行拡張部に対応する位置においてテーパ穴に嵌合するテーパコーンを軸線方向に位置調整する。砥粒部平行拡張部は軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断されているので、テーパコーンの位置調整によりテーパ穴が拡大されると、砥粒部平行拡張部の喰付き角部および加工寸法仕上部は平行に拡張されて磨耗を補正する。これにより、補正後も喰付き角部の傾斜面が広い範囲でホーニング加工に関与することが可能となり、加工精度が向上し、かつ工具寿命が長くなる。
【0008】
また、平行拡張部の範囲はテーパコーンにより内周面が支持されているため、研削抵抗により喰付き角部や加工寸法仕上部が内側に変形することがなく、加工精度が向上する。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記テーパコーンの両端を前記テーパ穴の両端から夫々僅かに突出させたことである。これにより、砥粒部平行拡張部の喰付き角部および加工寸法仕上部は、全長に亘ってテーパコーンにより均等に平行に拡張されて磨耗補正し、ホーニング加工中はテーパコーンにバックアップされ研削抵抗により内側に変形されることがない。また、砥粒部の加工寸法仕上部がテーパコーンの軸動によって軸線方向に変位することがない。
【0010】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記喰付き角部の端縁が前記砥石本体の先端となるように前記砥粒部平行拡張部を前記砥石本体の先端部に形成し、前記第1スリットを前記砥粒部平行拡張部の先端面から後端に設けた後方繋部まで延在させ、前記第2スリットを前記砥粒部平行拡張部の先端に設けた前方繋部から前記砥粒部平行拡張部の後端を越えて延在させたことである。本発明によれば、ホーニング加工砥石の砥粒部平行拡張部を有底の下穴に向けて軸線方向に1回だけ送ると、喰付き角部が下穴に開口部から侵入して下穴を開口部から徐々にホーニング加工し、加工寸法仕上部が下穴の底部に形成されたヌスミ穴に到達すると下穴を加工寸法にホーニング加工することができ、止り穴を高精度、高効率に加工可能な止り穴用のホーニング加工砥石を提供することができる。
【0011】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、砥石本体の先端部にフロントガイドおよび該フロントガイドに続いて円筒部を形成し、該円筒部の外周面に砥粒を結合保持して砥粒部を形成し、前端に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部および加工寸法仕上部を前記砥粒部の前端部に形成し、前記砥粒部の前端部を軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断して砥粒部平行拡張部を形成し、前記円筒部内周面に前記砥粒部平行拡張部の全長に亘って第1テーパ穴を形成し、第1テーパコーンを前記第1テーパ穴に全長に亘って嵌合させ軸線方向に位置調整可能に前記砥石本体に保持して前記砥粒部平行拡張部を平行に拡張させることである。
【0012】
本発明によれば、ホーニング加工砥石がホーニング盤の主軸に装着されて工作物の通し穴に向けて軸線方向に送られると、フロントガイドが通し穴内に開口部から侵入し、喰付き角部がフロントガイドと通し穴との嵌合により案内されて通し穴に侵入し、前端に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部により通し穴が開口部から徐々にホーニング加工されて径が拡大され、砥粒部平行拡張部が通し穴を1回通過することにより通し穴は加工寸法にホーニング加工される。砥粒部平行拡張部が磨耗して外径が減少した場合、砥粒部平行拡張部に対応する位置においてテーパ穴に嵌合するテーパコーンを軸線方向に位置調整する。砥粒部平行拡張部は軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断されているので、テーパコーンの位置調整によりテーパ穴が拡大されると、砥粒部平行拡張部の喰付き角部および加工寸法仕上部は平行に拡張されて磨耗を補正する。これにより、補正後も喰付き角部の傾斜面が広範囲でホーニング加工に関与することが可能となり、加工精度が向上し、かつ工具寿命が長くなり、通し穴を高精度、高効率に加工可能な通し穴用のホーニング加工砥石を提供することができる。
【0013】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記砥粒部の前端部にある喰付き角部と後端部に設けた加工寸法仕上部に対応して前記喰付き角部に相当する前記円筒部内周面に前記第1テーパ穴を形成し、前記加工寸法仕上部に相当する前記円筒部内周面に前記第1テーパ穴と同一勾配の第2テーパ穴を形成し、前記第1テーパコーンおよび前記第1テーパコーンと同軸に連結された第2テーパコーンを前記第1テーパ穴および前記第2テーパ穴に各々嵌合させたことである。これにより、砥粒部は第1および第2テーパコーンによってバックアップされた喰付き角部および加工寸法仕上部が間隔を空けて配置されて通し穴に接触し、自ら軸線方向に姿勢制御して下穴を真直度の修正を行いながらホーニング加工する。
【0014】
【実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係るホーニング加工砥石1について図面を参照して説明する。図1に示すように、ホーニング加工砥石1の砥石本体2の先端部には有底の円筒部3が形成され、後端部にはホーニング盤の主軸先端に設けられた工具装着穴に挿入されてクランプされるシャンク4が形成されている。円筒部3の先端部には、喰付き角部5となる先細の傾斜面6がテーパ状に形成され、外周面には複数(例えば6本)の油溝7が円周上等間隔に円筒部3の先端から円筒部3の後端を超えて軸線方向に刻設されている。
【0015】
各油溝7の底部には、切断面が半径方向を向く第1スリット8および第2スリット9が円筒部3の先端から円筒部3の底面より僅かに前方位置の間まで軸線方向に刻設されている。円筒部3を油溝7底部から半径方向に切断する第1スリット8および第2スリット9が、隣接する油溝7内に交互に設けられている。第1スリット8は傾斜面6の後端より僅かに後方に設けた後方繋部10によって前方スリット8aと後方スリット8bとに分割され、第2スリット9の先端は傾斜面6の先端となる円筒部3の先端で前方繋部11によって連結されている。これにより、円筒部3の先端部は軸線方向に延在する第1スリット8の前スリット8aおよび第2スリット9によって隣接するスリットの軸方向位置関係が異なる千鳥状に切断されている。
【0016】
円筒部3の外周面には円筒部3の底面付近に環状溝12が刻設され、環状溝12の前側面と円筒部3の底面とが軸線方向にほぼ整列して薄肉部13が形成され、円筒部3の第1および第2スリット8,9によって切断された部分が容易に撓み得るようになっている。隣接する油溝7間のランド部14には円筒部3の先端から環状溝12までの間に亘って砥粒15が結合保持されて砥粒部16が形成されている。砥粒が結合保持された円筒部3の先細の傾斜面6が、端縁に向かって小径になるように砥粒部の端部27に傾斜して形成された喰付き角部5であり、砥粒が結合保持された円筒部3の傾斜面6の後端から後方繋部10近傍までの間が、砥粒部の端部27に形成された加工寸法仕上部28である。このように喰付き角部5および加工寸法仕上部28が形成された砥粒部の端部27が、軸線方向に延在する第1スリット8の前スリット8aおよび第2スリット9によって千鳥状に切断されて砥粒部平行拡張部29が形成され、喰付き角部5の端縁が砥石本体2の先端となるように砥粒部平行拡張部29が砥石本体2の先端部に形成されている。前スリット8aは砥粒部平行拡張部29の先端面から後端に設けた後方繋部10まで延在され、第2スリット9は砥粒部平行拡張部29の先端に設けた前方繋部11から砥粒部平行拡張部29の後端を越えて延在されている。
【0017】
円筒部3の内周には、砥粒部平行拡張部29の全長に亘り先端に向かって大径になるテーパ穴17が形成され、テーパ穴17の後端から円筒部3の底面までの間にテーパ穴17より大径のぬすみ穴18が形成されている。テーパ穴17にはテーパコーン19が全長に亘って嵌合され、テーパコーン19の両端はテーパ穴17の両端から夫々僅かに突出されている。テーパコーン19の後端にはねじ軸20が一体的に突設され、円筒部3の底面から後方に砥石本体2の軸線上に形成された雌ねじに螺合されている。なお、テーパコーン19とねじ軸20は各々別物品となる構成であってもよい。テーパコーン19の先端にはねじ軸20をレンチで回転してテーパコーン19を軸線方向に位置調整するためのレンチ穴21が設けられている。
【0018】
次に、上記構成の第1の実施形態の動作を説明する。ホーニング盤の主軸にホーニング加工砥石1がシャンク4を工具装着穴に挿入して取付けられる。主軸が回転されて工作物Wに穿設された下穴26に向けて軸線方向に送られると、砥粒部平行拡張部29の仕上喰付き角部5が下穴26を開口部から徐々にホーニング加工して径を拡大し、加工寸法仕上部28が下穴26を加工寸法にホーニング加工仕上する。このように、砥粒部平行拡張部29が下穴26を1回通過して加工寸法にホーニング加工する。下穴26は止り穴であって底面を有するが、底面と下穴26との間にはぬすみ穴が形成されており、砥粒部平行拡張部29はぬすみ穴内に入って下穴26を通過するので、下穴26はストレートにホーニング加工される。この場合、下穴26は傾斜した喰付き角部5によって徐々にホーニング加工されて拡大されるので、下穴26の加工取代を大きくすることができる。砥粒部平行拡張部29の軸線方向全長に亘ってテーパ穴17が存在し、テーパ穴17は全長に亘ってテーパコーン19と嵌合されているので、砥粒部平行拡張部29は全長部分をテーパコーン19によってバックアップされ、ホーニング加工中に研削抵抗によって内側に変形することがない。また、テーパコーン19の両端はテーパ穴17の両端から夫々僅かに突出されているので、テーパ穴17を拡大するためにテーパコーン19を軸線方向に移動しても、テーパコーンの最大径端部がテーパ穴17内で軸線方向に移動することがなく、加工寸法仕上部がテーパコーン19の軸動によって軸線方向に変位することがない。
【0019】
砥粒15が磨耗して砥粒部平行拡張部29の外径が減少した場合、レンチ穴21にレンチが嵌められてテーパコーン19が回転される。ねじ軸20の回転によりネジ作用でテーパコーン19が軸線方向に位置調整され、テーパ穴17との嵌合により砥粒部平行拡張部29が平行に拡張されて磨耗による外径の減少が補正される。このとき、砥粒部平行拡張部29は、前方繋部10および後方繋部11を残して第1スリット8の前方スリット8aおよび第2スリット9によって千鳥状に切断されているので、テーパコーン19の軸動によりテーパ穴17が拡張されると、砥粒部平行拡張部29の喰付き角部5および加工寸法仕上部28が平行に拡大され、外径寸法が補正された加工寸法仕上部28により下穴26が加工寸法に高精度にホーニング仕上加工されるとともに、補正後も喰付き角部15の傾斜面が広範囲でホーニング加工に関与することが可能となり、加工精度が向上し、且つ工具寿命が長くなる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施形態について、図4乃至7に基づいて説明する。第2の実施形態は、各油溝内に第2スリットを第1スリットの両側に並設したことが第1の実施形態と異なり、他の構成は同様であるので、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点のみについて説明する。円筒部3の外周面には、複数(例えば4本)の油溝22が円周上等間隔に軸線方向に刻設され、円筒部3には切断面が半径方向を向く第1スリット23が軸線方向に刻設され、第1スリット23の両側に切断面が半径方向を向く第2スリット24が刻設されている。第1スリット23は円筒部3の油溝22の中央部分に円筒部3先端から傾斜面6の後端より僅かに後方まで刻設され、第1スリット23の後端が後方繋部30となっている。第2スリット24は円筒部3の先端から円筒部3の底面より僅かに前方位置までの間に亘って軸線方向に刻設され、第2スリット24の先端は傾斜面6の先端となる円筒部3の先端で前方繋部25によって連結されている。これにより、第1の実施形態と同様に、砥粒部平行拡張部29は、前方繋部25および後方繋部30を残して軸線方向に延在する第1および第2スリット23,24によって千鳥状に切断されていると共に砥粒部16は第2スリット24により左右均等に切断されているので、テーパコーン19が軸動されると、テーパ穴17が拡張されて砥粒部平行拡張部29の喰付き角部5および加工寸法仕上部28がねじれ変形することなく、形状精度を維持した状態で平行に拡大され、砥粒15の磨耗による砥粒部平行拡張部29の外径の減少が高精度に補正される。
【0021】
次に、本発明の第3の実施形態について、図8乃至10に基づいて説明する。第1および第2の実施形態が止め穴を加工する砥石であるのに対し、第3の実施形態は通し穴をホーニング加工する砥石である.。ホーニング加工砥石31の砥石本体32の先端部には有底の円筒部33が形成され、後端部にはホーニング盤の主軸先端に設けられた工具装着穴に挿入されてクランプされるシャンク34が形成されている。円筒部33の前方部分には、砥石31がホーニング加工する下穴35に円滑に入るように先端に大きな面取りが形成されたフロントガイド36が形成されるとともに、フロントガイド36に続いて喰付き角部37となる先細の傾斜面38がテーパ状に形成されている。円筒部33の外周面には複数(例えば6本)の油溝39が円周上等間隔にフロントガイド36の先端から円筒部33の後端を超えて軸線方向に刻設されている。さらに、円筒部33の外周面には切断面が半径方向を向く第1スリット40および第2スリット41が各油溝39の底部にフロントガイド36の後端から円筒部33の底面までの間に軸線方向に刻設されている。第1スリット40は傾斜面38の後端より僅かに後方に設けた後方繋部42によって前方スリット40aと後方スリット40bとに分割され、第2スリット41は傾斜面38の中央部分に設けた前方繋部43によって前方スリット41aと後方スリット41bとに分割されている。これにより、円筒部33の傾斜面38および傾斜面38より僅かに後方部分は軸線方向に延在する第1スリット40の前スリット40aおよび第2スリット41の後スリット40bによって千鳥状に切断されている。
【0022】
円筒部33の外周面には、フロントガイド36の後端部および円筒部33の底面付近に環状溝44,45が刻設され、隣接する油溝39間のランド部46が容易に撓み得るようになっている。ランド部46には環状溝44から環状溝45までの間に亘って砥粒15が結合保持されて砥粒部47が形成されている。
【0023】
砥粒が結合保持された円筒部33の先細の傾斜面38が、前端に向かって小径になるように砥粒部の前端部54に傾斜して形成された喰付き角部37である。このように喰付き角部37が形成された砥粒部の前端部54が、軸線方向に延在する第1スリット40の前スリット40aおよび第2スリット41の後スリット41bによって千鳥状に切断されて砥粒部平行拡張部56が形成されている。
【0024】
円筒部33の内周には、円筒部33の後部に亘って先端に向かって大径になるテーパ穴48が形成されている。テーパ穴48の砥粒部平行拡張部56に対応する部分が第1テーパ穴57であり、砥粒部47の後端部に設けられた加工寸法仕上部58に対応する部分が第2テーパ穴59である。第1および第2テーパ穴57,59には、第1および第2テーパコーン49、50が嵌合されている。第1テーパコーン49の両端は第1テーパ穴57の両端から夫々僅かに突出している。第1および第2テーパコーン49、50は連結軸を介して互いに連結され、第1テーパコーン49の前端には連結軸を介して雄ねじ部51が突設されている。雄ねじ部51は円筒部33内周面にテーパ穴48の前端から円筒部先端までの間にテーパ穴48より大径に形成された雌ねじ穴52に螺合されている。雄ねじ部51の先端には雄ねじ部51をレンチで回転するためのレンチ穴53が設けられている。
【0025】
次に、上記構成の第3の実施形態の動作を説明する。ホーニング盤の主軸にホーニング加工砥石31がシャンク34を工具装着穴に挿入して取付けられる。主軸が回転されて工作物Wに穿設された下穴35に向けて軸線方向に送られると、フロントガイド36が下穴35内に開口部から浸入し、軸線方向送りにつれて喰付き角部37がフロントガイド36と下穴35との嵌合により案内されて下穴35内に侵入し、先細に傾斜した喰付き角部37により下穴35が開口部から徐々にホーニング加工されて径が拡大され、砥粒部47が通し穴である下穴35を1回通過して下穴35内周面を加工寸法にストレートにホーニング加工する。このとき、所定距離隔てた喰付き角部37および加工寸法仕上部58は、第1および第2テーパコーン49,50によってバックアップされて下穴35に接触してホーニング加工するので、砥石31は下穴35に倣って送り移動されることがなく、所定距離隔てた高剛性部分で自ら軸線方向に姿勢制御して下穴35の真直度を修正しながらホーニング加工する。この場合、下穴35は先細に傾斜した喰付き角部37によって徐々にホーニング加工されて拡大されるので、下穴35の加工取代を大きくすることができる。
【0026】
砥粒15が磨耗して砥粒部47の外径が減少した場合、レンチ穴53にレンチを入れて雄ねじ部51を回転することによりネジ作用で第1および第2テーパコーン49,50が軸線方向に移動され、第1および第2テーパ穴57,59との嵌合により砥粒部平行拡張部56および加工寸法仕上部58が拡張されて砥粒15の磨耗による外径の減少が補正される。このとき、砥粒部平行拡張部56は前方繋部43および後方繋部42を残して第1スリット40の前方スリット40aおよび第2スリット41の後方スリット41bによって千鳥状に切断されているので、第1テーパコーン49の軸動により第1テーパ穴57が拡張されると、喰付き角部37は平行に拡大され、外径寸法が補正された加工寸法仕上部58により下穴26が加工寸法に高精度にホーニング仕上加工されるとともに、補正後も喰付き角部37の傾斜面が広い範囲でホーニング加工に関与することが可能となり、加工精度が向上し、且つ工具寿命が長くなる。
【0027】
上記実施形態では、喰付き角部5の端縁が砥石本体2の先端側となるように砥粒部平行拡張部28を砥石本体2の先端部に形成しているが、喰付き角部5の端縁が砥粒部平行拡張部28の後端となるように、砥粒部平行拡張部28を砥石本体2の先端部に形成し、砥粒部平行拡張部28が下穴の下方に位置する状態から上方に送り移動させることにより下穴をホーニング加工するようにしてもよい。
【0028】
上記実施形態では、テーパコーンを砥石本体にねじ結合してテーパ穴に対して位置調整しているが、テーパコーンに連結したロッドを砥石本体を貫通して後方に延在し、ホーニング加工装置に内蔵した調整機構によりロッドを移動してテーパコーンをテーパ穴に対して軸線方向に位置調整するようにしてもよい。
【0029】
上記実施形態においては、砥石本体の円筒部に油溝を軸線方向に刻設し、油溝内に第1および第2スリットを設けているが、油溝を設けることなく円筒部外周面に第1および第2スリットを軸線方向に刻設するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るホーニング加工砥石の正面図。
【図2】図1に示すホーニング加工砥石の縦断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係わるホーニング加工砥石の正面図。
【図5】図1に示すホーニング加工砥石の縦断面図。
【図6】図5のA−A断面図。
【図7】図5のB−B断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係わるホーニング加工砥石の正面図。
【図9】図8に示すホーニング加工砥石の縦断面図。
【図10】図9のC−C断面図。
【符号の説明】
1, 31・・・ホーニング加工砥石、2,32・・・砥石本体、3,33・・・円筒部、4,34・・・シャンク、5,37・・・喰付き角部、6,38・・・傾斜面、7,22,39・・・油溝、8,23,40・・・第1スリット、8a,40a,41a・・・前スリット、8b,40b,41b・・・後スリット、9,24,41・・・第2スリット、10,30,42・・・後方繋部、11,25,43・・・前方繋部、12,44,45・・・環状溝、13・・・薄肉部、14,46・・・ランド部、15・・・砥粒、16,47・・・砥粒部、17,48・・・テーパ穴、19・・・テーパコーン、20・・・ねじ軸、26,35・・・下穴、21,53・・・レンチ穴、27…砥粒部の端部、28,58…加工寸法仕上部、29,56…砥粒部平行拡張部、36・・・フロントガイド、49,50・・・第1、第2テーパコーン、51・・・雄ねじ部、54…砥粒部の前端部、57,59…第1および第2テーパ穴。

Claims (5)

  1. 砥石本体に形成した円筒部の外周面に砥粒を結合保持して砥粒部を形成し、端縁に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部および加工寸法仕上部を前記砥粒部の端部に形成し、該砥粒部の端部を軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断して砥粒部平行拡張部を形成し、前記円筒部内周面に前記砥粒部平行拡張部の全長に亘ってテーパ穴を形成し、テーパコーンを前記テーパ穴に全長に亘って嵌合させ軸線方向に位置調整して前記砥粒部平行拡張部を平行に拡張させることを特徴とするホーニング加工砥石。
  2. 請求項1において、前記テーパコーンの両端を前記テーパ穴の両端から夫々僅かに突出させたことを特徴とするホーニング加工砥石。
  3. 請求項1または2において、前記喰付き角部の端縁が前記砥石本体の先端となるように前記砥粒部平行拡張部を前記砥石本体の先端部に形成し、前記第1スリットを前記砥粒部平行拡張部の先端面から後端に設けた後方繋部まで延在させ、前記第2スリットを前記砥粒部平行拡張部の先端に設けた前方繋部から前記砥粒部平行拡張部の後端を越えて延在させたことを特徴とするホーニング加工砥石。
  4. 砥石本体の先端部にフロントガイドおよび該フロントガイドに続いて円筒部を形成し、該円筒部の外周面に砥粒を結合保持して砥粒部を形成し、前端に向かって小径になるように傾斜した喰付き角部および加工寸法仕上部を前記砥粒部の前端部に形成し、前記砥粒部の前端部を軸線方向に延在する第1および第2スリットによって千鳥状に切断して砥粒部平行拡張部を形成し、前記円筒部内周面に前記砥粒部平行拡張部の全長に亘って第1テーパ穴を形成し、第1テーパコーンを前記第1テーパ穴に全長に亘って嵌合させ軸線方向に位置調整して前記砥粒部平行拡張部を平行に拡張させることを特徴とするホーニング加工砥石。
  5. 請求項4において、前記砥粒部の前端部にある喰付き角部と後端部に設けた加工寸法仕上部に対応して前記喰付き角部に相当する前記円筒部内周面に前記第1テーパ穴を形成し、前記加工寸法仕上部に相当する前記円筒部内周面に前記第1テーパ穴と同一勾配の第2テーパ穴を形成し、前記第1テーパコーンおよび前記第1テーパコーンと同軸に連結された第2テーパコーンを前記第1テーパ穴および前記第2テーパ穴に各々嵌合させたことを特徴とするホーニング加工砥石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102010003569B4 (de) * 2009-03-31 2014-07-24 Honda Motor Co., Ltd. Methode zur Montage eines Innenrundschleifwerkzeugs

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