JP2005014113A - レンズ孔加工治具 - Google Patents
レンズ孔加工治具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005014113A JP2005014113A JP2003178706A JP2003178706A JP2005014113A JP 2005014113 A JP2005014113 A JP 2005014113A JP 2003178706 A JP2003178706 A JP 2003178706A JP 2003178706 A JP2003178706 A JP 2003178706A JP 2005014113 A JP2005014113 A JP 2005014113A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- hole
- guide body
- leg
- processing jig
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Drilling And Boring (AREA)
Abstract
【課題】眼鏡レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能なレンズ孔加工治具を提供すること。
【解決手段】レンズLに取付孔Hを穿孔加工するためのレンズ孔加工治具Aであって、穿孔具の刃Dを該レンズLの穿孔位置Hに案内するためのスリーブB1が取り付けられた、脚部B3を有するガイド体Bと、該レンズLを嵌め込んで固定するための嵌合孔C1と、該ガイド体Bの脚部B3を装着してガイド体Bを着脱可能に位置決め固定するための脚部固定孔C2が形成されたレンズ保持体Cとを備え、該ガイド体Bの脚部B3を該レンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着して位置決め固定することで、該穿孔具の刃Dの軌道がレンズLの取付孔Hの形成位置に合致するレンズ孔加工治具A。
【選択図】 図1
【解決手段】レンズLに取付孔Hを穿孔加工するためのレンズ孔加工治具Aであって、穿孔具の刃Dを該レンズLの穿孔位置Hに案内するためのスリーブB1が取り付けられた、脚部B3を有するガイド体Bと、該レンズLを嵌め込んで固定するための嵌合孔C1と、該ガイド体Bの脚部B3を装着してガイド体Bを着脱可能に位置決め固定するための脚部固定孔C2が形成されたレンズ保持体Cとを備え、該ガイド体Bの脚部B3を該レンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着して位置決め固定することで、該穿孔具の刃Dの軌道がレンズLの取付孔Hの形成位置に合致するレンズ孔加工治具A。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンズ孔加工治具に関し、更に詳しくは、眼鏡レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能なレンズ孔加工治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡レンズの周囲をリムで固定しないタイプの、いわゆるリムレス眼鏡(又は縁無し眼鏡ともいう)が近年流行している。
このタイプの眼鏡は、従来の眼鏡のようにレンズをリムで保持する代わりに、プラスチックレンズの左右端に取付孔を穿設し、その取付孔に智やブリッジの一部を挿通してネジ止め等することによりレンズと智等とを固定するものである。
【0003】
レンズに対する取付孔の穿孔作業は、穿孔具(例えばボール盤やハンドドリル)を用いて行われるが、その際、レンズに対して正確に穿孔を行うために、通常、レンズ孔加工治具でレンズを固定して行われる。
また、取付孔の穿孔作業は、規模の大きな眼鏡製造工場のみならず、こうした穿孔作業に関して熟練者等がいない小規模な眼鏡店でも行われることから、レンズ孔加工治具は、穿孔作業を簡単に且つ正確に行えるものである必要がある。
【0004】
このような目的意識の下に、これまで種々のレンズ孔加工治具が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されたレンズ加工治具は、先ず、複数の固定手段でサンプルレンズを治具本体に固定して型取りし、更にサンプルレンズの取付孔に挿通された芯出筒をも固定して位置決めし、これら複数の固定手段にサンプルレンズの形状と取付孔の位置と角度を記憶させる。
【0005】
次に、治具本体からサンプルレンズを取り外して、代わりにサンプルレンズと同形にレンズカットした眼鏡レンズを装着し、治具本体に固定されている芯出筒の貫通孔がドリルの軌道上に来るように固定され、ボール盤のドリルを進めてレンズに穿孔する。
このようにして、レンズに正確に取付孔を穿孔することができるとされる。
【0006】
しかし、サンプルレンズの型取りや芯出筒等の位置決めのために治具本体に多数の固定手段を取り付けなければならず、また固定手段の固定が非常に煩雑であり、必ずしも穿孔作業を簡単に行えるとは言い難い。
また、このレンズ加工治具では、ボール盤による穿孔には適するが、ハンドドリルによる穿孔には必ずしも適するとは言い難い。
【0007】
また、中央部に形成された抱持スペースに眼鏡レンズを嵌め込んだレンズセット板の上にスペーサーを重ね、それらの上下をドリルゲージ板とドリルパッド板とで挟持して固定して、ドリルで穿孔するタイプのレンズ孔加工治具が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、眼鏡レンズを1枚毎にレンズセット板にセットしてドリルゲージ板等で挟持するのでは、作業が煩雑となるため採用し難い。
【0008】
更に、別のレンズ孔加工治具としては、レンズを嵌め込んだレンズ保持板を基台上に載せ、基台に固定されたガイド体に穿孔具の刃を挿通することでレンズに取付孔を穿孔するタイプのレンズ孔加工治具も提案されている(特許文献3参照)。
このタイプのレンズ孔加工治具では、取付手段を備えた基台の側壁にレンズ保持板を押し付けるなどしてレンズ保持板の位置決めをする。
【0009】
そのため、基台に対してレンズ保持板の位置がずれ易く、レンズに対して必ずしも正確な位置に取付孔を穿孔できるとは言い切れない。
特に、ハンドドリルを用いて穿孔する場合、片手でハンドドリルを操作しながら、もう一方の手でレンズ保持板を基台の側壁に押し付けなければならないが、熟練していない者にとっては必ずしも容易な作業とは言えない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−38955号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3010820号公報
【特許文献3】
特開2001−30105号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を背景に、上記の諸問題点を克服するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、眼鏡レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能なレンズ孔加工治具を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、レンズ孔加工治具では、穿孔具の刃(即ちドリル)を案内するガイド体と、眼鏡レンズを嵌め込んで固定するレンズ保持体との位置関係が、穿孔作業中にがたついたりずれたりしないことが必要であり、ガイド体に脚部を設け、その脚部をレンズ保持体に形成した脚部固定孔に直接装着することで、穿孔具の刃をぶれることなくレンズの所定の穿孔位置に案内することが可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0013】
即ち、本発明は、(1)、レンズに取付孔を穿孔加工するためのレンズ孔加工治具であって、穿孔具の刃を該レンズの穿孔位置に案内するためのスリーブが取り付けられた、脚部を有するガイド体と、該レンズを嵌め込んで固定するための嵌合孔と、該ガイド体の脚部を装着してガイド体を着脱可能に位置決め固定するための脚部固定孔が形成されたレンズ保持体とを備え、該ガイド体の脚部を該レンズ保持体の脚部固定孔に装着して位置決め固定することで、該穿孔具の刃の軌道がレンズの取付孔の形成位置に合致するレンズ孔加工治具に存する。
【0014】
そして、(2)、前記ガイド体にスリーブの外形と同形の挿入孔を形成し、スリーブを装着させることによりスリーブをガイド体に取り付けるレンズ孔加工治具に存する。
【0015】
そしてまた、(3)、前記ガイド体に、複数の挿入孔を形成したレンズ孔加工治具に存する。
【0016】
そしてまた、(4)、前記レンズ保持体に、ガイド体の脚部の数より多い複数の脚部固定孔を形成し、ガイド体を付け替えてレンズに複数の取付孔を穿孔可能としたレンズ孔加工治具に存する。
【0017】
そしてまた、(5)、前記嵌合孔及び取付孔は、貫通した孔であるレンズ孔加工治具に存する。
【0018】
そしてまた、(6)、前記レンズ保持体の嵌合孔に、レンズに取り付けられた部品を逃がすための逃がし部が設けられているレンズ孔加工治具に存する。
【0019】
そしてまた、(7)、前記脚部がリブ状に形成されているレンズ孔加工治具に存する。
【0020】
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記1〜7の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明のレンズ孔加工治具について説明する。
【0022】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明のレンズ孔加工治具の第1の実施の形態を示す斜視図であり、(A)は組み立て前、(B)はレンズを嵌め込んで組み立てた後の状態を示す。
レンズ加工治具Aは、ガイド体Bとレンズ保持体Cとを備える。
【0023】
〔ガイド体について〕
ガイド体Bには、穿孔具の刃D(以下、ドリルDという場合がある)をレンズLの穿孔位置に案内するためのスリーブB1が取り付けられる。
スリーブB1には貫通孔B11が形成されており、この貫通孔B11に穿孔具の刃Dを挿通すると、刃Dが後述するようにレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込まれたレンズLの所定の穿孔位置に案内され、レンズLに智等の取付孔H〔図1(B)参照〕を穿孔することができる。
【0024】
このように、スリーブB1はドリル等を挿通するためのものであるから、ドリル等の硬い刃で削られないように、例えば、硬鋼材(焼入れしたもの等を含む)やセラミック等の材質で形成するのが好ましい。
また、スリーブB1の貫通孔B11を、使用する穿孔具の刃Dの径と同径又は僅かに大径に形成すれば、穿孔具の刃DをぶれることなくレンズLの所定の穿孔位置(この場合は取付孔Hの位置)に案内することができる。
【0025】
逆に言えば、貫通孔B11の径が異なる複数のスリーブB1を用意しておき、使用する穿孔具の刃Dの径に合った貫通孔B11を有するスリーブB1を選択して用いることができるようにしておくのが好ましい。
そうすれば、適宜スリーブB1を選択することによって、穿孔具の刃DをぶれることなくレンズLの所定の穿孔位置に的確に到達させることが可能となる。
【0026】
尚、ガイド体BへのスリーブB1の取り付けにおいては、ガイド体Bに、スリーブB1の外形と同形の挿入孔B2を形成し、スリーブB1をこの挿入孔B2に装着させることにより取り付けるのが好ましい。
具体的には、例えば図1に示したように、円筒状のスリーブB1の外径と略同径の内径を有する挿入孔B2を形成すれば、スリーブB1を挿入孔B2に装着させることによりスリーブB1をガイド体Bにガタつきなく取り付けることができる。
【0027】
この他にも、例えば、スリーブB1を挿入孔B2に螺着するように形成したり、スリーブB1に凹部を形成して(同時に挿入孔B2にはそれに対応するように凸部を形成して)回り止めを形成することも可能である。
一方、ガイド体Bは、その下部に脚部B3を備える。
図1の第1の実施の形態では、脚部B3を2本設けた場合を示している。
【0028】
そして、この脚部B3を、後述するレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着させて固定するが、その際、ガイド体Bが透明、又はガイド体Bを通して下方の脚部固定孔C2が視認可能であれば、装着を行い易くなり好ましい。
また、ガイド体Bの下方のレンズ側の部分B4を角取りすれば、ガイド体BとレンズLとがぶつかり合わないようにすることができ、好ましい。
【0029】
〔レンズ保持体について〕
レンズ保持体Cには、ガイド体Bの脚部B3に対応するように脚部固定孔C2(この場合は2カ所)が形成されており、ガイド体Bの脚部B3を脚部固定孔C2に装着して、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを位置決め固定する。
【0030】
また、レンズ保持体Cには、先述したように、レンズLを嵌め込んで位置決め固定するための嵌合孔C1が形成されている。
この嵌合孔C1は、レンズカットしたレンズLの輪郭と同形に形成され、嵌合孔C1を構成するレンズ保持体Cの壁面C11がレンズLをガタつきなく保持する〔図1(B)参照〕。
【0031】
尚、このため、レンズ保持体Cを、レンズカットの種類毎に用意することが必要になる。
しかし、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを着脱可能に形成することで、1つのガイド体Bを複数のレンズ保持体Cに対して用いることが可能となり、適宜選択されたレンズ保持体Cと組み合わせて使用される。
【0032】
〔本発明のレンズ孔加工治具について〕
さて、本発明のレンズ孔加工治具Aは以上のように簡単な構造を有するものであるが、このように簡単な構造であるために、逆に、レンズLへの穿孔作業を正確且つ簡単に行うという本発明の目的を達成できるのである。
先ず、レンズLへの穿孔作業を正確に行うことができるという点について述べると、次のようになる。
【0033】
図1(A)に示したように、ガイド体Bは、スリーブB1と脚部B3との相対的な位置関係が固定されており変化しない。
また、先述したように、スリーブB1はガイド体Bの挿入孔B2にガタつくことなく装着され、更にスリーブB1を適宜選択することで、穿孔具の刃DがスリーブB1の内部でぶれることなくレンズLに到達させることができる。
【0034】
一方、レンズLは、その輪郭と同形に形成されたレンズ保持体Cの嵌合孔C1にガタつきなく保持される〔図1(B)参照〕。
従って、スリーブB1の貫通孔B11がレンズLの取付孔Hに対応するように、即ちドリルDがスリーブB1に案内されてレンズLの取付孔Hの形成位置に到達するように、レンズ保持体Cに正確に脚部固定孔C2を形成することにより、ガイド体Bの脚部B3をレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着して位置決め固定することで、ドリルD(即ち穿孔具の刃)の軌道をレンズLの取付孔Hの形成位置に正確に合致させることができるのである〔図1(B)参照〕。
【0035】
また、レンズLへの穿孔作業を簡単に行うことができるという点については、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体CにレンズLを嵌め込み、所定の脚部固定孔C2にガイド体Bの脚部B3を装着させ、ガイド体BにはスリーブB1を適宜選択して取り付けるだけなので、組み付け作業が非常に簡単である。
そのため、穿孔作業に不慣れな者でも、本発明のレンズ孔加工治具Aを簡単に組み付けて、レンズLに取付孔Hを穿孔する作業を簡単に行うことができるのである。
【0036】
ガイド体Bやレンズ保持体Cは、プラスチック製や金属製であれば、ガイド体等自体の成形加工がし易く好ましい。
特に、レンズ保持体Cをアクリル等のプラスチックで形成し、ガイド体Bの脚部B3を金属で形成すれば、プラスチックの脚部固定孔C2に金属製の脚部B3を着脱する際の抵抗感が小さく、スムーズに装着できる。
【0037】
また、アクリル等のプラスチックは耐摩耗性及び硬度が高いため、金属製の脚部B3を繰り返し装着しても、脚部固定孔C2の径が広がってしまうことがない。
更に、アクリル等のプラスチックはある程度の重量感を有するため、レンズ孔加工治具Aの安定感が増し、取付孔Hの穿孔作業がし易くなる等の利点がある。
【0038】
〔レンズ保持体のバリエーション〕
ところで、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体Cに形成する脚部固定孔C2の位置を変えることにより、1つのガイド体Bを使って、レンズLの別の位置に取付孔Hを穿孔することが可能である。
例えば、図1に示すように、脚部固定孔C2とは反対側に別の脚部固定孔C21を形成することにより、1つのガイド体Bを用いてレンズLに対して取付孔Hとは反対端に別の取付孔H1(即ち智側の取付孔とブリッジ側の取付孔)を穿孔することができる。
【0039】
また、例えば、レンズLの同じ側に2つの取付孔H2、H3を形成する場合には、図2に示すように、レンズ保持体Cに、取付孔H2に対応する脚部固定孔C22及び取付孔H3に対応する脚部固定孔C23をそれぞれ(この場合は2つずつ)形成しておく。
そして、先ず、ガイド体Bの脚部B3を脚部固定孔C22に装着してガイド体Bを位置決め固定し、ドリルをスリーブB1の貫通孔B11に挿通して、レンズLに取付孔H2を穿孔する。
【0040】
次に、レンズ保持体Cからガイド体Bを取り外し、今度は、脚部B3を脚部固定孔C23に装着してガイド体Bを位置決め固定し、スリーブB1の貫通孔B11にドリルを挿通して、レンズLに取付孔H3を穿孔する
このように、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体Cにガイド体Bの脚部B3の数より多い複数の脚部固定孔C2を適宜所定の位置に形成しておき、ガイド体Bを付け替えて、レンズLの所定の穿孔位置に複数の取付孔Hを穿孔することができるのである。
【0041】
上記の方法は、レンズLに2つの取付孔を形成する場合のみならず、3つ以上の取付孔を形成する場合にも用いることができることは言うまでもない。
更に、この方法は、レンズLに長孔を形成することにも応用できる。
即ち、図2において、2つの取付孔H2、H3を互いに重なり合うように穿孔して図3に示すような孔を形成し、レンズLをレンズ保持体Cに嵌め込んだまま或いはレンズ保持体Cの嵌合孔C1から取り出して、長孔の長辺部分の出張りPを切削加工すれば、長孔を形成することができる。
【0042】
尚、長孔を形成するために2つの取付孔H2、H3を互いに重なり合うように穿孔する方法(図3参照)としては、上記の方法の代わりに、2種類以上のガイド体Bを取り替えて穿孔することも可能である。
即ち、例えば、図1に示したようなレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着できるガイド体Bを2種類用意しておき、一方のガイド体Bの挿入孔B2を図3の取付孔H2に対応する位置に、もう一方のガイド体Bの挿入孔B2を同図の取付孔H3に対応する位置に、それぞれ形成する。
このように形成すれば、先ず一方のガイド体Bを装着して取付孔H2を穿孔した後、取り外し、同じ脚部固定孔C2に今度はもう一方のガイド体Bを装着することで、取付孔H3を取付孔H2に重なり合うように穿孔することができる。
【0043】
一方、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2とを、貫通した孔として形成すれば、レンズ保持体Cの表裏両面を使えるようになり、好ましい。
このようにレンズ保持体Cの表裏面が使えるようになると、本発明のレンズ孔加工治具Aは、少なくとも以下の3つの点で、非常に利便性のよいものとなる。
【0044】
第1の点は、レンズLに対する取付孔Hの穿孔を、レンズLの表側(即ち凸に湾曲した面)からも裏側(即ち表側と反対の面)からも行うことが可能となる点である。
レンズLに対する取付孔Hの穿孔においては、レンズLの表側から穿孔する場合と、裏側から穿孔する場合があるが、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2とを貫通した孔として形成しておけば、1枚のレンズ保持体Cでその両方の場合に対応できる。
【0045】
即ち、例えば、図1(B)に示した状態でレンズLが表側を上向きに嵌め込まれていれば、レンズLの表側から穿孔できる。
また、レンズLの裏側から穿孔したい場合には、図1(B)の状態からレンズLを嵌め込んだままレンズ保持体Cを裏返し、ガイド体Bを取り外して反対側から脚部固定孔C2に脚部B3を装着して取り付ければよいのである。
【0046】
第2の点は、1つのレンズ保持体Cを使って左右の眼鏡レンズに正確に取付孔Hを穿孔できる点である。
例えば、いま、左レンズが図1(B)に示した状態に表側が上向きになるようにレンズ保持体Cに嵌め込まれ、テンプル用の取付孔Hを穿孔したとする。
【0047】
次に、このレンズとガイド体Bをレンズ保持体Cから取り外し、レンズ保持体Cを裏返せば、もう一方の右レンズを表側が上向きになるようにレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込むことができる。
その状態で、脚部固定孔C2にガイド体Bの脚部B3を装着させてガイド体Bを位置決め固定して、嵌め込んだ右レンズをドリル等で穿孔すれば、左レンズと正確に対称な位置にテンプル用の取付孔Hを穿孔することができるのである。
【0048】
第3の点は、ドリルDでレンズLの取付孔Hを穿孔した際に、レンズLの反対側から取付孔Hの開口部に、正確に座ぐり加工やサラモミ加工を施すことが可能となる点である。
ドリルDでプラスチックレンズLに取付孔Hを穿孔すると、特にレンズLの穿孔面と反対側の面(例えばドリルDでレンズLの表側から穿孔した場合にはその裏側)の取付孔Hの開口部の周囲に、微細なレンズ欠けやクラック(即ちひび割れ)を生じることがある。
【0049】
こうした微細なレンズ欠けやクラックを生じたまま眼鏡を組み立ててしまうと、眼鏡の着用により取付孔Hに力が繰り返し加わるうちに、微細な欠けやクラックが大きくなり、レンズLが大きく欠けたり割れてしまったりする場合がある。
こうした事態を防ぐには、レンズLにドリルDで取付孔Hを穿孔した時点で、反対側の取付孔Hの開口部に、座ぐり加工やサラモミ加工(即ち開口部の角をテーパ状に落とす加工)を施して微細な欠けやクラックを除去してしまうのが効果的である。
【0050】
その際、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2を貫通した孔として形成していれば、取付孔Hを穿孔した後、ガイド体BのスリーブB1を座ぐり用又はサラモミ用のものに取り替えると同時に、レンズLを保持したままレンズ保持体Cを裏返し、裏側からガイド体Bを同じ脚部固定孔C2に装着することで、正確に取付孔Hに対して座ぐり加工やサラモミ加工を施すことができるのである。
【0051】
尚、図4に示すように、既に部品M(例えば智等)が取り付けられた状態のレンズLを穿孔しなければならない場合がある。
そうした場合には、レンズ保持体Cの嵌合孔C1に、レンズLに取り付けられた部品Mを逃がすための逃がし部C3を設けておけば、こうした部品Mが装着されたレンズLをレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込んで固定することができ、好ましい。
【0052】
〔ガイド体のバリエーション〕
先述したように(図2参照)、レンズLの同じ側に2つの取付孔H2、H3を形成する場合には、例えば図5に示すように、複数の挿入孔(図5の場合には2つの挿入孔B21、B22)を形成したガイド体Bを用いてもよい。
このように、ガイド体Bに複数の挿入孔を形成しておけば、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを固定したまま(即ち図1でガイド体Bの脚部B3をレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着させたまま)、スリーブB1を別の挿入孔に取り付け替えることで、レンズLに容易に複数の取付孔Hを穿孔することができる。
【0053】
〔第2の実施の形態〕
さて、本発明のレンズ孔加工治具Aは、図1等の第1の実施の形態では、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して脚部B3を軸として回転しないように、ガイド体Bに複数の脚部B3を形成した。
しかし、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して回転しないようにするには、上記のように複数の脚部B3を形成せずとも、例えば、図6に示すように、ガイド体Bの下部にリブ状の脚部B3を形成し、レンズ保持体Cにはそれに対応するように(図6では長円状に)脚部固定孔C2を形成することも可能である。
【0054】
このように形成すれば、1本の脚部B3でも、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して回転するのを阻止でき、ガイド体Bがレンズ保持体Cに着脱可能に位置決め固定される。
この場合、脚部B3のリブの形状は、上記のような断面長円状のみならず、断面楕円状、断面矩形状、断面多角形状等、ガイド体Bのレンズ保持体Cに対する回転を阻止できる形状であれば、適宜選択可能である。
また、この実施の形態においても、上記第1の実施の形態で述べたガイド体Bやレンズ保持体Cについての種々の変形を行うことができる(下記の第3及び第4の実施の形態についても同様)。
【0055】
〔第3の実施の形態〕
また、図7に示すように、レンズ保持体Cの脚部固定孔C2を、レンズ保持体Cの縁部に向けて開口した状態に形成し、その状態の脚部固定孔C2に、ガイド体Bの脚部B3を嵌め込むように形成することも可能である。
その際、ドリルD〔図1(B)参照〕による穿孔作業の際の振動でガイド体Bがレンズ保持体Cに対してずれない程度の強さで脚部固定孔C2が脚部B3を把持できるように形成する必要がある。
【0056】
また、例えば、脚部固定孔C2を、レンズ保持体Cの縁部の開口部で狭くし、嵌合孔C1に向かうに従って広くなるようにテーパ状に形成し、ガイド体Bの脚部B3もそれに対応するように断面テーパ状に形成すれば、より確実にガイド体Bのレンズ保持体Cに対するずれを防止できる。
また、例えば、脚部固定孔C2の側面C2aに凹部(又は凸部)を形成し、それに対応するように脚部Bの側面B3aに凸部(又は凹部)を形成して、互いに噛合し合うように形成することも可能である。
【0057】
〔第4の実施の形態〕
図8は、本発明のレンズ孔加工治具の第4の実施の形態を示す斜視図であり、(A)はレンズ孔加工治具の組み立て前の状態を示し、(B)はガイド体を裏側から見た状態を示す。
【0058】
この実施の形態では、ガイド体Bの脚部B3はリブ状に形成され〔図8(B)参照〕、その一部に孔B31が形成されている。
また、レンズ保持体C〔図8(A)参照〕には、そのガイド体Bのリブ状の脚部B3が装着する溝C4が形成され、その溝C4の底部に脚部固定孔C2が形成されている。
【0059】
レンズ孔加工治具Aの組み立ての際には、ガイド体Bの脚部B3の孔B31に取付片B32を挿入し、その状態で取付片B32を脚部固定孔C2に挿入して〔図8(A)では便宜上取付片B32を挿入すべき脚部固定孔C2の図示を省略した〕ガイド体Bのリブ状の脚部B3をレンズ保持体Cの溝C4に装着させる。
このように嵌め込むことにより、ガイド体Bはレンズ保持体Cに着脱可能に位置決め固定され、リブ状の脚部B3がレンズ保持体Cの溝C4に嵌まり込むため、レンズ保持体Cに対するガイド体Bのずれや回転を防止できるのである。
【0060】
図8(A)の左側の溝C4のように、溝C4内に脚部固定孔C2を複数形成することも可能であり、図8(B)において、脚部B3に複数の孔B31を形成して取付片B32をその数だけ挿入することも可能である。
また、取付片B32を別体とせずガイド体Bと一体成形したり接着したりしてもよい。
更に、レンズ保持体Cの溝C4は、図8(A)のように、左右に2本だけでなく、必要な本数を、それらと平行に形成したり或いは交わるように形成したりすることも当然可能である。
【0061】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のレンズ孔加工治具Aでは、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対してずれたり脚部B3を軸にして回転したりしなければよく、その機能を発揮し得るならば、上記の実施の形態以外の他の構造とすることも当然可能である。
【0062】
また、図1の第1の実施の形態では、ガイド体Bの脚部B3が2本の場合を示したが3本以上でもよく、またガイド体Bと一体成形することも可能である。
更に、例えば、レンズ保持体Cの表面に、レンズの水平や智側・テンプル側の区別、品番、サイズ等の表示を行うことは適宜行われることであり、また組み合わせて用いるべきガイド体Bの番号等やドリルの情報等を合わせて表示することも当然可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明のレンズ孔加工治具によれば、ガイド体に設けた脚部をレンズ保持体に形成した脚部固定孔に装着することで、ガイド体が着脱可能に位置決め固定されるため、穿孔具の刃をぶれることなくレンズの所定の穿孔位置に案内することができ、レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のレンズ孔加工治具の第1の実施の形態を示す斜視図であり、(A)は組み立て前、(B)はレンズを嵌め込んで組み立てた後の状態を示す。
【図2】図2は、レンズに複数の取付孔を形成するためにガイド体を移動させた状態を示した概略図である。
【図3】図3は、取付孔を互いに重なり合うように形成したレンズを示す図である。
【図4】図4は、部品が装着された状態のレンズLを穿孔するためにレンズ保持体の嵌合孔に逃がし部が設けられている状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、2つの挿入孔を形成したガイド体を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明のレンズ孔加工治具の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明のレンズ孔加工治具の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明のレンズ孔加工治具の第4の実施の形態を示す斜視図であり、(A)はレンズ孔加工治具の組み立て前の状態を示し、(B)はガイド体を裏側から見た状態を示す。
【符号の説明】
A…レンズ加工治具
B…ガイド体
B1…スリーブ
B11…貫通孔
B2…挿入孔
B3…脚部
B31…孔
B32…取付片
B3a…側面
B4…角取りした部分
C…レンズ保持体
C1…嵌合孔
C11…壁面
C2、C21〜C23…脚部固定孔
C2a…側面
C3…逃がし部
C4…溝
D…刃(又はドリル)
H、H1〜H3…取付孔
L…レンズ
M…部品
P…出張り
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンズ孔加工治具に関し、更に詳しくは、眼鏡レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能なレンズ孔加工治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡レンズの周囲をリムで固定しないタイプの、いわゆるリムレス眼鏡(又は縁無し眼鏡ともいう)が近年流行している。
このタイプの眼鏡は、従来の眼鏡のようにレンズをリムで保持する代わりに、プラスチックレンズの左右端に取付孔を穿設し、その取付孔に智やブリッジの一部を挿通してネジ止め等することによりレンズと智等とを固定するものである。
【0003】
レンズに対する取付孔の穿孔作業は、穿孔具(例えばボール盤やハンドドリル)を用いて行われるが、その際、レンズに対して正確に穿孔を行うために、通常、レンズ孔加工治具でレンズを固定して行われる。
また、取付孔の穿孔作業は、規模の大きな眼鏡製造工場のみならず、こうした穿孔作業に関して熟練者等がいない小規模な眼鏡店でも行われることから、レンズ孔加工治具は、穿孔作業を簡単に且つ正確に行えるものである必要がある。
【0004】
このような目的意識の下に、これまで種々のレンズ孔加工治具が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されたレンズ加工治具は、先ず、複数の固定手段でサンプルレンズを治具本体に固定して型取りし、更にサンプルレンズの取付孔に挿通された芯出筒をも固定して位置決めし、これら複数の固定手段にサンプルレンズの形状と取付孔の位置と角度を記憶させる。
【0005】
次に、治具本体からサンプルレンズを取り外して、代わりにサンプルレンズと同形にレンズカットした眼鏡レンズを装着し、治具本体に固定されている芯出筒の貫通孔がドリルの軌道上に来るように固定され、ボール盤のドリルを進めてレンズに穿孔する。
このようにして、レンズに正確に取付孔を穿孔することができるとされる。
【0006】
しかし、サンプルレンズの型取りや芯出筒等の位置決めのために治具本体に多数の固定手段を取り付けなければならず、また固定手段の固定が非常に煩雑であり、必ずしも穿孔作業を簡単に行えるとは言い難い。
また、このレンズ加工治具では、ボール盤による穿孔には適するが、ハンドドリルによる穿孔には必ずしも適するとは言い難い。
【0007】
また、中央部に形成された抱持スペースに眼鏡レンズを嵌め込んだレンズセット板の上にスペーサーを重ね、それらの上下をドリルゲージ板とドリルパッド板とで挟持して固定して、ドリルで穿孔するタイプのレンズ孔加工治具が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、眼鏡レンズを1枚毎にレンズセット板にセットしてドリルゲージ板等で挟持するのでは、作業が煩雑となるため採用し難い。
【0008】
更に、別のレンズ孔加工治具としては、レンズを嵌め込んだレンズ保持板を基台上に載せ、基台に固定されたガイド体に穿孔具の刃を挿通することでレンズに取付孔を穿孔するタイプのレンズ孔加工治具も提案されている(特許文献3参照)。
このタイプのレンズ孔加工治具では、取付手段を備えた基台の側壁にレンズ保持板を押し付けるなどしてレンズ保持板の位置決めをする。
【0009】
そのため、基台に対してレンズ保持板の位置がずれ易く、レンズに対して必ずしも正確な位置に取付孔を穿孔できるとは言い切れない。
特に、ハンドドリルを用いて穿孔する場合、片手でハンドドリルを操作しながら、もう一方の手でレンズ保持板を基台の側壁に押し付けなければならないが、熟練していない者にとっては必ずしも容易な作業とは言えない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−38955号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3010820号公報
【特許文献3】
特開2001−30105号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を背景に、上記の諸問題点を克服するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、眼鏡レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能なレンズ孔加工治具を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、レンズ孔加工治具では、穿孔具の刃(即ちドリル)を案内するガイド体と、眼鏡レンズを嵌め込んで固定するレンズ保持体との位置関係が、穿孔作業中にがたついたりずれたりしないことが必要であり、ガイド体に脚部を設け、その脚部をレンズ保持体に形成した脚部固定孔に直接装着することで、穿孔具の刃をぶれることなくレンズの所定の穿孔位置に案内することが可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0013】
即ち、本発明は、(1)、レンズに取付孔を穿孔加工するためのレンズ孔加工治具であって、穿孔具の刃を該レンズの穿孔位置に案内するためのスリーブが取り付けられた、脚部を有するガイド体と、該レンズを嵌め込んで固定するための嵌合孔と、該ガイド体の脚部を装着してガイド体を着脱可能に位置決め固定するための脚部固定孔が形成されたレンズ保持体とを備え、該ガイド体の脚部を該レンズ保持体の脚部固定孔に装着して位置決め固定することで、該穿孔具の刃の軌道がレンズの取付孔の形成位置に合致するレンズ孔加工治具に存する。
【0014】
そして、(2)、前記ガイド体にスリーブの外形と同形の挿入孔を形成し、スリーブを装着させることによりスリーブをガイド体に取り付けるレンズ孔加工治具に存する。
【0015】
そしてまた、(3)、前記ガイド体に、複数の挿入孔を形成したレンズ孔加工治具に存する。
【0016】
そしてまた、(4)、前記レンズ保持体に、ガイド体の脚部の数より多い複数の脚部固定孔を形成し、ガイド体を付け替えてレンズに複数の取付孔を穿孔可能としたレンズ孔加工治具に存する。
【0017】
そしてまた、(5)、前記嵌合孔及び取付孔は、貫通した孔であるレンズ孔加工治具に存する。
【0018】
そしてまた、(6)、前記レンズ保持体の嵌合孔に、レンズに取り付けられた部品を逃がすための逃がし部が設けられているレンズ孔加工治具に存する。
【0019】
そしてまた、(7)、前記脚部がリブ状に形成されているレンズ孔加工治具に存する。
【0020】
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記1〜7の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明のレンズ孔加工治具について説明する。
【0022】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明のレンズ孔加工治具の第1の実施の形態を示す斜視図であり、(A)は組み立て前、(B)はレンズを嵌め込んで組み立てた後の状態を示す。
レンズ加工治具Aは、ガイド体Bとレンズ保持体Cとを備える。
【0023】
〔ガイド体について〕
ガイド体Bには、穿孔具の刃D(以下、ドリルDという場合がある)をレンズLの穿孔位置に案内するためのスリーブB1が取り付けられる。
スリーブB1には貫通孔B11が形成されており、この貫通孔B11に穿孔具の刃Dを挿通すると、刃Dが後述するようにレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込まれたレンズLの所定の穿孔位置に案内され、レンズLに智等の取付孔H〔図1(B)参照〕を穿孔することができる。
【0024】
このように、スリーブB1はドリル等を挿通するためのものであるから、ドリル等の硬い刃で削られないように、例えば、硬鋼材(焼入れしたもの等を含む)やセラミック等の材質で形成するのが好ましい。
また、スリーブB1の貫通孔B11を、使用する穿孔具の刃Dの径と同径又は僅かに大径に形成すれば、穿孔具の刃DをぶれることなくレンズLの所定の穿孔位置(この場合は取付孔Hの位置)に案内することができる。
【0025】
逆に言えば、貫通孔B11の径が異なる複数のスリーブB1を用意しておき、使用する穿孔具の刃Dの径に合った貫通孔B11を有するスリーブB1を選択して用いることができるようにしておくのが好ましい。
そうすれば、適宜スリーブB1を選択することによって、穿孔具の刃DをぶれることなくレンズLの所定の穿孔位置に的確に到達させることが可能となる。
【0026】
尚、ガイド体BへのスリーブB1の取り付けにおいては、ガイド体Bに、スリーブB1の外形と同形の挿入孔B2を形成し、スリーブB1をこの挿入孔B2に装着させることにより取り付けるのが好ましい。
具体的には、例えば図1に示したように、円筒状のスリーブB1の外径と略同径の内径を有する挿入孔B2を形成すれば、スリーブB1を挿入孔B2に装着させることによりスリーブB1をガイド体Bにガタつきなく取り付けることができる。
【0027】
この他にも、例えば、スリーブB1を挿入孔B2に螺着するように形成したり、スリーブB1に凹部を形成して(同時に挿入孔B2にはそれに対応するように凸部を形成して)回り止めを形成することも可能である。
一方、ガイド体Bは、その下部に脚部B3を備える。
図1の第1の実施の形態では、脚部B3を2本設けた場合を示している。
【0028】
そして、この脚部B3を、後述するレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着させて固定するが、その際、ガイド体Bが透明、又はガイド体Bを通して下方の脚部固定孔C2が視認可能であれば、装着を行い易くなり好ましい。
また、ガイド体Bの下方のレンズ側の部分B4を角取りすれば、ガイド体BとレンズLとがぶつかり合わないようにすることができ、好ましい。
【0029】
〔レンズ保持体について〕
レンズ保持体Cには、ガイド体Bの脚部B3に対応するように脚部固定孔C2(この場合は2カ所)が形成されており、ガイド体Bの脚部B3を脚部固定孔C2に装着して、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを位置決め固定する。
【0030】
また、レンズ保持体Cには、先述したように、レンズLを嵌め込んで位置決め固定するための嵌合孔C1が形成されている。
この嵌合孔C1は、レンズカットしたレンズLの輪郭と同形に形成され、嵌合孔C1を構成するレンズ保持体Cの壁面C11がレンズLをガタつきなく保持する〔図1(B)参照〕。
【0031】
尚、このため、レンズ保持体Cを、レンズカットの種類毎に用意することが必要になる。
しかし、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを着脱可能に形成することで、1つのガイド体Bを複数のレンズ保持体Cに対して用いることが可能となり、適宜選択されたレンズ保持体Cと組み合わせて使用される。
【0032】
〔本発明のレンズ孔加工治具について〕
さて、本発明のレンズ孔加工治具Aは以上のように簡単な構造を有するものであるが、このように簡単な構造であるために、逆に、レンズLへの穿孔作業を正確且つ簡単に行うという本発明の目的を達成できるのである。
先ず、レンズLへの穿孔作業を正確に行うことができるという点について述べると、次のようになる。
【0033】
図1(A)に示したように、ガイド体Bは、スリーブB1と脚部B3との相対的な位置関係が固定されており変化しない。
また、先述したように、スリーブB1はガイド体Bの挿入孔B2にガタつくことなく装着され、更にスリーブB1を適宜選択することで、穿孔具の刃DがスリーブB1の内部でぶれることなくレンズLに到達させることができる。
【0034】
一方、レンズLは、その輪郭と同形に形成されたレンズ保持体Cの嵌合孔C1にガタつきなく保持される〔図1(B)参照〕。
従って、スリーブB1の貫通孔B11がレンズLの取付孔Hに対応するように、即ちドリルDがスリーブB1に案内されてレンズLの取付孔Hの形成位置に到達するように、レンズ保持体Cに正確に脚部固定孔C2を形成することにより、ガイド体Bの脚部B3をレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着して位置決め固定することで、ドリルD(即ち穿孔具の刃)の軌道をレンズLの取付孔Hの形成位置に正確に合致させることができるのである〔図1(B)参照〕。
【0035】
また、レンズLへの穿孔作業を簡単に行うことができるという点については、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体CにレンズLを嵌め込み、所定の脚部固定孔C2にガイド体Bの脚部B3を装着させ、ガイド体BにはスリーブB1を適宜選択して取り付けるだけなので、組み付け作業が非常に簡単である。
そのため、穿孔作業に不慣れな者でも、本発明のレンズ孔加工治具Aを簡単に組み付けて、レンズLに取付孔Hを穿孔する作業を簡単に行うことができるのである。
【0036】
ガイド体Bやレンズ保持体Cは、プラスチック製や金属製であれば、ガイド体等自体の成形加工がし易く好ましい。
特に、レンズ保持体Cをアクリル等のプラスチックで形成し、ガイド体Bの脚部B3を金属で形成すれば、プラスチックの脚部固定孔C2に金属製の脚部B3を着脱する際の抵抗感が小さく、スムーズに装着できる。
【0037】
また、アクリル等のプラスチックは耐摩耗性及び硬度が高いため、金属製の脚部B3を繰り返し装着しても、脚部固定孔C2の径が広がってしまうことがない。
更に、アクリル等のプラスチックはある程度の重量感を有するため、レンズ孔加工治具Aの安定感が増し、取付孔Hの穿孔作業がし易くなる等の利点がある。
【0038】
〔レンズ保持体のバリエーション〕
ところで、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体Cに形成する脚部固定孔C2の位置を変えることにより、1つのガイド体Bを使って、レンズLの別の位置に取付孔Hを穿孔することが可能である。
例えば、図1に示すように、脚部固定孔C2とは反対側に別の脚部固定孔C21を形成することにより、1つのガイド体Bを用いてレンズLに対して取付孔Hとは反対端に別の取付孔H1(即ち智側の取付孔とブリッジ側の取付孔)を穿孔することができる。
【0039】
また、例えば、レンズLの同じ側に2つの取付孔H2、H3を形成する場合には、図2に示すように、レンズ保持体Cに、取付孔H2に対応する脚部固定孔C22及び取付孔H3に対応する脚部固定孔C23をそれぞれ(この場合は2つずつ)形成しておく。
そして、先ず、ガイド体Bの脚部B3を脚部固定孔C22に装着してガイド体Bを位置決め固定し、ドリルをスリーブB1の貫通孔B11に挿通して、レンズLに取付孔H2を穿孔する。
【0040】
次に、レンズ保持体Cからガイド体Bを取り外し、今度は、脚部B3を脚部固定孔C23に装着してガイド体Bを位置決め固定し、スリーブB1の貫通孔B11にドリルを挿通して、レンズLに取付孔H3を穿孔する
このように、本発明のレンズ孔加工治具Aは、レンズ保持体Cにガイド体Bの脚部B3の数より多い複数の脚部固定孔C2を適宜所定の位置に形成しておき、ガイド体Bを付け替えて、レンズLの所定の穿孔位置に複数の取付孔Hを穿孔することができるのである。
【0041】
上記の方法は、レンズLに2つの取付孔を形成する場合のみならず、3つ以上の取付孔を形成する場合にも用いることができることは言うまでもない。
更に、この方法は、レンズLに長孔を形成することにも応用できる。
即ち、図2において、2つの取付孔H2、H3を互いに重なり合うように穿孔して図3に示すような孔を形成し、レンズLをレンズ保持体Cに嵌め込んだまま或いはレンズ保持体Cの嵌合孔C1から取り出して、長孔の長辺部分の出張りPを切削加工すれば、長孔を形成することができる。
【0042】
尚、長孔を形成するために2つの取付孔H2、H3を互いに重なり合うように穿孔する方法(図3参照)としては、上記の方法の代わりに、2種類以上のガイド体Bを取り替えて穿孔することも可能である。
即ち、例えば、図1に示したようなレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着できるガイド体Bを2種類用意しておき、一方のガイド体Bの挿入孔B2を図3の取付孔H2に対応する位置に、もう一方のガイド体Bの挿入孔B2を同図の取付孔H3に対応する位置に、それぞれ形成する。
このように形成すれば、先ず一方のガイド体Bを装着して取付孔H2を穿孔した後、取り外し、同じ脚部固定孔C2に今度はもう一方のガイド体Bを装着することで、取付孔H3を取付孔H2に重なり合うように穿孔することができる。
【0043】
一方、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2とを、貫通した孔として形成すれば、レンズ保持体Cの表裏両面を使えるようになり、好ましい。
このようにレンズ保持体Cの表裏面が使えるようになると、本発明のレンズ孔加工治具Aは、少なくとも以下の3つの点で、非常に利便性のよいものとなる。
【0044】
第1の点は、レンズLに対する取付孔Hの穿孔を、レンズLの表側(即ち凸に湾曲した面)からも裏側(即ち表側と反対の面)からも行うことが可能となる点である。
レンズLに対する取付孔Hの穿孔においては、レンズLの表側から穿孔する場合と、裏側から穿孔する場合があるが、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2とを貫通した孔として形成しておけば、1枚のレンズ保持体Cでその両方の場合に対応できる。
【0045】
即ち、例えば、図1(B)に示した状態でレンズLが表側を上向きに嵌め込まれていれば、レンズLの表側から穿孔できる。
また、レンズLの裏側から穿孔したい場合には、図1(B)の状態からレンズLを嵌め込んだままレンズ保持体Cを裏返し、ガイド体Bを取り外して反対側から脚部固定孔C2に脚部B3を装着して取り付ければよいのである。
【0046】
第2の点は、1つのレンズ保持体Cを使って左右の眼鏡レンズに正確に取付孔Hを穿孔できる点である。
例えば、いま、左レンズが図1(B)に示した状態に表側が上向きになるようにレンズ保持体Cに嵌め込まれ、テンプル用の取付孔Hを穿孔したとする。
【0047】
次に、このレンズとガイド体Bをレンズ保持体Cから取り外し、レンズ保持体Cを裏返せば、もう一方の右レンズを表側が上向きになるようにレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込むことができる。
その状態で、脚部固定孔C2にガイド体Bの脚部B3を装着させてガイド体Bを位置決め固定して、嵌め込んだ右レンズをドリル等で穿孔すれば、左レンズと正確に対称な位置にテンプル用の取付孔Hを穿孔することができるのである。
【0048】
第3の点は、ドリルDでレンズLの取付孔Hを穿孔した際に、レンズLの反対側から取付孔Hの開口部に、正確に座ぐり加工やサラモミ加工を施すことが可能となる点である。
ドリルDでプラスチックレンズLに取付孔Hを穿孔すると、特にレンズLの穿孔面と反対側の面(例えばドリルDでレンズLの表側から穿孔した場合にはその裏側)の取付孔Hの開口部の周囲に、微細なレンズ欠けやクラック(即ちひび割れ)を生じることがある。
【0049】
こうした微細なレンズ欠けやクラックを生じたまま眼鏡を組み立ててしまうと、眼鏡の着用により取付孔Hに力が繰り返し加わるうちに、微細な欠けやクラックが大きくなり、レンズLが大きく欠けたり割れてしまったりする場合がある。
こうした事態を防ぐには、レンズLにドリルDで取付孔Hを穿孔した時点で、反対側の取付孔Hの開口部に、座ぐり加工やサラモミ加工(即ち開口部の角をテーパ状に落とす加工)を施して微細な欠けやクラックを除去してしまうのが効果的である。
【0050】
その際、レンズ保持体Cの嵌合孔C1と脚部固定孔C2を貫通した孔として形成していれば、取付孔Hを穿孔した後、ガイド体BのスリーブB1を座ぐり用又はサラモミ用のものに取り替えると同時に、レンズLを保持したままレンズ保持体Cを裏返し、裏側からガイド体Bを同じ脚部固定孔C2に装着することで、正確に取付孔Hに対して座ぐり加工やサラモミ加工を施すことができるのである。
【0051】
尚、図4に示すように、既に部品M(例えば智等)が取り付けられた状態のレンズLを穿孔しなければならない場合がある。
そうした場合には、レンズ保持体Cの嵌合孔C1に、レンズLに取り付けられた部品Mを逃がすための逃がし部C3を設けておけば、こうした部品Mが装着されたレンズLをレンズ保持体Cの嵌合孔C1に嵌め込んで固定することができ、好ましい。
【0052】
〔ガイド体のバリエーション〕
先述したように(図2参照)、レンズLの同じ側に2つの取付孔H2、H3を形成する場合には、例えば図5に示すように、複数の挿入孔(図5の場合には2つの挿入孔B21、B22)を形成したガイド体Bを用いてもよい。
このように、ガイド体Bに複数の挿入孔を形成しておけば、レンズ保持体Cに対してガイド体Bを固定したまま(即ち図1でガイド体Bの脚部B3をレンズ保持体Cの脚部固定孔C2に装着させたまま)、スリーブB1を別の挿入孔に取り付け替えることで、レンズLに容易に複数の取付孔Hを穿孔することができる。
【0053】
〔第2の実施の形態〕
さて、本発明のレンズ孔加工治具Aは、図1等の第1の実施の形態では、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して脚部B3を軸として回転しないように、ガイド体Bに複数の脚部B3を形成した。
しかし、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して回転しないようにするには、上記のように複数の脚部B3を形成せずとも、例えば、図6に示すように、ガイド体Bの下部にリブ状の脚部B3を形成し、レンズ保持体Cにはそれに対応するように(図6では長円状に)脚部固定孔C2を形成することも可能である。
【0054】
このように形成すれば、1本の脚部B3でも、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対して回転するのを阻止でき、ガイド体Bがレンズ保持体Cに着脱可能に位置決め固定される。
この場合、脚部B3のリブの形状は、上記のような断面長円状のみならず、断面楕円状、断面矩形状、断面多角形状等、ガイド体Bのレンズ保持体Cに対する回転を阻止できる形状であれば、適宜選択可能である。
また、この実施の形態においても、上記第1の実施の形態で述べたガイド体Bやレンズ保持体Cについての種々の変形を行うことができる(下記の第3及び第4の実施の形態についても同様)。
【0055】
〔第3の実施の形態〕
また、図7に示すように、レンズ保持体Cの脚部固定孔C2を、レンズ保持体Cの縁部に向けて開口した状態に形成し、その状態の脚部固定孔C2に、ガイド体Bの脚部B3を嵌め込むように形成することも可能である。
その際、ドリルD〔図1(B)参照〕による穿孔作業の際の振動でガイド体Bがレンズ保持体Cに対してずれない程度の強さで脚部固定孔C2が脚部B3を把持できるように形成する必要がある。
【0056】
また、例えば、脚部固定孔C2を、レンズ保持体Cの縁部の開口部で狭くし、嵌合孔C1に向かうに従って広くなるようにテーパ状に形成し、ガイド体Bの脚部B3もそれに対応するように断面テーパ状に形成すれば、より確実にガイド体Bのレンズ保持体Cに対するずれを防止できる。
また、例えば、脚部固定孔C2の側面C2aに凹部(又は凸部)を形成し、それに対応するように脚部Bの側面B3aに凸部(又は凹部)を形成して、互いに噛合し合うように形成することも可能である。
【0057】
〔第4の実施の形態〕
図8は、本発明のレンズ孔加工治具の第4の実施の形態を示す斜視図であり、(A)はレンズ孔加工治具の組み立て前の状態を示し、(B)はガイド体を裏側から見た状態を示す。
【0058】
この実施の形態では、ガイド体Bの脚部B3はリブ状に形成され〔図8(B)参照〕、その一部に孔B31が形成されている。
また、レンズ保持体C〔図8(A)参照〕には、そのガイド体Bのリブ状の脚部B3が装着する溝C4が形成され、その溝C4の底部に脚部固定孔C2が形成されている。
【0059】
レンズ孔加工治具Aの組み立ての際には、ガイド体Bの脚部B3の孔B31に取付片B32を挿入し、その状態で取付片B32を脚部固定孔C2に挿入して〔図8(A)では便宜上取付片B32を挿入すべき脚部固定孔C2の図示を省略した〕ガイド体Bのリブ状の脚部B3をレンズ保持体Cの溝C4に装着させる。
このように嵌め込むことにより、ガイド体Bはレンズ保持体Cに着脱可能に位置決め固定され、リブ状の脚部B3がレンズ保持体Cの溝C4に嵌まり込むため、レンズ保持体Cに対するガイド体Bのずれや回転を防止できるのである。
【0060】
図8(A)の左側の溝C4のように、溝C4内に脚部固定孔C2を複数形成することも可能であり、図8(B)において、脚部B3に複数の孔B31を形成して取付片B32をその数だけ挿入することも可能である。
また、取付片B32を別体とせずガイド体Bと一体成形したり接着したりしてもよい。
更に、レンズ保持体Cの溝C4は、図8(A)のように、左右に2本だけでなく、必要な本数を、それらと平行に形成したり或いは交わるように形成したりすることも当然可能である。
【0061】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のレンズ孔加工治具Aでは、ガイド体Bがレンズ保持体Cに対してずれたり脚部B3を軸にして回転したりしなければよく、その機能を発揮し得るならば、上記の実施の形態以外の他の構造とすることも当然可能である。
【0062】
また、図1の第1の実施の形態では、ガイド体Bの脚部B3が2本の場合を示したが3本以上でもよく、またガイド体Bと一体成形することも可能である。
更に、例えば、レンズ保持体Cの表面に、レンズの水平や智側・テンプル側の区別、品番、サイズ等の表示を行うことは適宜行われることであり、また組み合わせて用いるべきガイド体Bの番号等やドリルの情報等を合わせて表示することも当然可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明のレンズ孔加工治具によれば、ガイド体に設けた脚部をレンズ保持体に形成した脚部固定孔に装着することで、ガイド体が着脱可能に位置決め固定されるため、穿孔具の刃をぶれることなくレンズの所定の穿孔位置に案内することができ、レンズに簡単且つ正確に穿孔作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のレンズ孔加工治具の第1の実施の形態を示す斜視図であり、(A)は組み立て前、(B)はレンズを嵌め込んで組み立てた後の状態を示す。
【図2】図2は、レンズに複数の取付孔を形成するためにガイド体を移動させた状態を示した概略図である。
【図3】図3は、取付孔を互いに重なり合うように形成したレンズを示す図である。
【図4】図4は、部品が装着された状態のレンズLを穿孔するためにレンズ保持体の嵌合孔に逃がし部が設けられている状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、2つの挿入孔を形成したガイド体を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明のレンズ孔加工治具の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明のレンズ孔加工治具の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明のレンズ孔加工治具の第4の実施の形態を示す斜視図であり、(A)はレンズ孔加工治具の組み立て前の状態を示し、(B)はガイド体を裏側から見た状態を示す。
【符号の説明】
A…レンズ加工治具
B…ガイド体
B1…スリーブ
B11…貫通孔
B2…挿入孔
B3…脚部
B31…孔
B32…取付片
B3a…側面
B4…角取りした部分
C…レンズ保持体
C1…嵌合孔
C11…壁面
C2、C21〜C23…脚部固定孔
C2a…側面
C3…逃がし部
C4…溝
D…刃(又はドリル)
H、H1〜H3…取付孔
L…レンズ
M…部品
P…出張り
Claims (7)
- レンズに取付孔を穿孔加工するためのレンズ孔加工治具であって、
穿孔具の刃を該レンズの穿孔位置に案内するためのスリーブが取り付けられた、脚部を有するガイド体と、
該レンズを嵌め込んで固定するための嵌合孔と、該ガイド体の脚部を装着してガイド体を着脱可能に位置決め固定するための脚部固定孔が形成されたレンズ保持体とを備え、
該ガイド体の脚部を該レンズ保持体の脚部固定孔に装着して位置決め固定することで、該穿孔具の刃の軌道がレンズの取付孔の形成位置に合致することを特徴とするレンズ孔加工治具。 - 前記ガイド体にスリーブの外形と同形の挿入孔を形成し、スリーブを装着させることによりスリーブをガイド体に取り付けることを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
- 前記ガイド体に、複数の挿入孔を形成したことを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
- 前記レンズ保持体に、ガイド体の脚部の数より多い複数の脚部固定孔を形成し、ガイド体を付け替えてレンズに複数の取付孔を穿孔可能としたことを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
- 前記嵌合孔及び取付孔は、貫通した孔であることを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
- 前記レンズ保持体の嵌合孔に、レンズに取り付けられた部品を逃がすための逃がし部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
- 前記脚部がリブ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ孔加工治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003178706A JP2005014113A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | レンズ孔加工治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003178706A JP2005014113A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | レンズ孔加工治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005014113A true JP2005014113A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34180241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003178706A Pending JP2005014113A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | レンズ孔加工治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005014113A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101181736B1 (ko) | 2005-11-22 | 2012-09-19 | 한국항공우주산업 주식회사 | 항공기용 크라운 프레임 가공치구 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003178706A patent/JP2005014113A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101181736B1 (ko) | 2005-11-22 | 2012-09-19 | 한국항공우주산업 주식회사 | 항공기용 크라운 프레임 가공치구 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0246257A1 (en) | PLASTIC TUBE CUTTING TOOL. | |
AU751099B2 (en) | Hole drilling jig for spectacle lens and production jig therefor and hole drilling method for spectacle lens and spectacle lens | |
KR20020043229A (ko) | 안경 렌즈 보링 지그 위치 결정장치 | |
JP2005014113A (ja) | レンズ孔加工治具 | |
JP2007327608A (ja) | 遊星歯車機構用キャリア組立方法 | |
US20070098512A1 (en) | Clamping device for a tool | |
CN101590606A (zh) | G字夹开槽器 | |
JP2003145331A (ja) | 面取り機能付き穴明け工具 | |
KR200278379Y1 (ko) | 안경형판 제작용 다목적 드릴공구 | |
KR200387284Y1 (ko) | 다수의 취부구를 갖는 드릴머신용 척홀더 | |
KR101940367B1 (ko) | 공구 홀더 | |
JP2002143944A (ja) | 金型の芯出し方法および金型の芯出し治具 | |
KR101576297B1 (ko) | 터닝 센터용 보링 바 홀더 장치 | |
CN102672348A (zh) | 一种激光切割头聚焦透镜更换装置 | |
KR100431520B1 (ko) | 무테안경의 구멍가공틀 | |
JP6897066B2 (ja) | ガラス棒の切断方法 | |
KR200301724Y1 (ko) | 안경형판 제작용 드릴지그의 모형렌즈 고정장치 | |
KR20020043203A (ko) | 반무테안경과 무테안경의 렌즈 가공방법 | |
RU2173267C1 (ru) | Резец для гравировальных работ | |
JP2005202151A (ja) | 眼鏡レンズの止着機構 | |
JP2004338061A (ja) | 穿孔治具 | |
KR200285452Y1 (ko) | 모형렌즈 홀 천공용 드릴축의 안정적 지지장치 | |
JP2005215146A (ja) | 眼鏡の装飾構造およびそのための穴あけ方法 | |
JP6624956B2 (ja) | 中空部材の切断装置及び切断方法 | |
JP2000111842A (ja) | 縁無し眼鏡レンズ用穴開け治具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081027 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090327 |