JP2005012631A - 量子暗号通信装置および方法 - Google Patents

量子暗号通信装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏波面調整が不要で、繰返し周波数の選択が自由で、且つ、制御信号通信路用の資源を節減した量子暗号通信装置を得る。
【解決手段】量子伝送路1の送受信側に設置された量子送信装置100、量子受信装置200と、同期信号を含む制御信号を相互通信する制御信号通信路3とを備え、量子送信装置は、偏光ビームスプリッタ20、位相変調器22を含む光路ループに関連した非相反素子21、位相変調器22を制御する送信側制御手段23、送信側データ処理手段24を含み、量子受信装置200は、偏光ビームスプリッタ9の第1ポートに設置された量子出力手段、偏光ビームスプリッタ9の第2ポートに設置された位相変調器10を含む量子観測手段、位相変調器10を制御する受信側制御手段17、受信側データ処理手段18を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、量子暗号のキーとなる量子信号を通信するための量子暗号通信装置および方法に関し、特に構成の簡略化およびコストダウンを実現した量子暗号通信装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の量子暗号通信装置の一例としては、たとえば非対称マッハツェンダ方式のものが知られており、1対の量子送受信装置(すなわち、量子送信装置および量子受信装置)と、これらの量子送受信装置を接続する通信路(光ファイバ通信路、公開通信路および制御信号通信路)とにより構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
ここで、公開通信路としては、専用線やインターネットなどが用いられ、制御信号通信路としては、光ファイバ通信路や公開通信路などが用いられる。
【0003】
また、量子送信装置は、光子発生器、非対称マッハツェンダ干渉計、送信側制御手段および送信側データ処理手段を含み、光子発生器は、送信側制御手段が出力する同期信号に応じて光子パルスを発生する。ここで、光子パルスは、1パルス当たりの光子数が「1」を越えないように調整されている。
発生した光子パルスは、各1対のビームスプリッタおよびミラーと、位相変調器とにより構成される非対称マッハツェンダ干渉計に入光され、可干渉な時間差を有する2連光子パルスとして光ファイバ通信路に導かれる。
【0004】
2連光子パルスのうち、先行する第1の光子パルスは、一方のビームスプリッタから直に他方のビームスプリッタに進行した光子パルスであり、後続する第2の光子パルスは、一方のビームスプリッタから、各ミラーを介して位相変調器を通過する光子パルスである。
第2の光子パルスは、位相変調器を通過する際に、送信側データ処理手段が出力した第1の乱数に応じて、送信側制御手段により位相変調がかけられる。
【0005】
また、量子受信装置は、偏波コントローラ、非対称マッハツェンダ干渉計、受信側制御手段、受信側データ処理手段および1対の光子検出器を含み、非対称マッハツェンダ干渉計は、各1対のビームスプリッタおよびミラーと位相変調器とにより構成されている。
光ファイバ通信路を通過して量子受信装置に到達した2連光子パルスは、偏波コントローラで偏波調整された後、非対称マッハツェンダ干渉計に入光される。量子受信装置内の非対称マッハツェンダ干渉計は、第1の光子パルスを、時間差を有する第1の2連光子パルス(すなわち、一方のビームスプリッタから他方のビームスプリッタに直行する第1の先行光子パルスと、位相変調器を通過する第1の後続光子パルスと)に分割する。
【0006】
また、量子受信装置内の非対称マッハツェンダ干渉計は、第2の光子パルスを、時間差を有する第2の2連光子パルス(すなわち、一方のビームスプリッタから他方のビームスプリッタに直行する第2の先行光子パルスと、位相変調器を通過する第2の後続光子パルスと)に分割する。
このとき、量子送信装置内の非対称マッハツェンダ干渉計で生じる2連光子パルスの時間差と、量子受信装置内の非対称マッハツェンダ干渉計で生じる2連光子パルスの時間差とは、それぞれ同一となるように調整されている。
【0007】
したがって、量子受信装置において、第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルスは、同時に他方のビームスプリッタに到達し、干渉を引き起こすことになる。
干渉を引き起こした光子パルスは、1対の光子検出器に排他的に導かれ、いずれか一方の光子検出器を発火する。
【0008】
また、量子受信装置内において、第1の後続光子パルスは、位相変調器を通過する際に、受信用データ処理手段が出力した第2の乱数に応じて、受信側制御手段により位相変調がかけられる。
受信側制御手段は、1対の光子検出器のいずれが発火したかをビット情報に変換し、受信側データ処理手段に伝送する。
【0009】
上記の通り、特許文献1に記載された送信側および受信側の各データ処理手段は、1パルス当たりの量子通信をあらかじめ定めた回数だけ繰り返し実行した後、第1および第2の乱数と量子通信で伝送されたビット情報とから、公開通信路を介して情報の一部を交換しつつ、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有するようになっている。
【0010】
また、第2の従来装置として、たとえば、ファラディーミラー方式の量子暗号通信装置が知られている(たとえば、非特許文献1、または特許文献2参照)。
この場合、量子受信装置は、光子発生器、サーキュレータ、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、位相変調器、受信側制御手段、受信側データ処理手段および1対の光子検出器を含み、光子発生器は、受信側制御手段が出力する同期信号に応じて光子パルスを発生する。
【0011】
量子受信装置において発生した光子パルスは、サーキュレータを通過してビームスプリッタで2連の光子パルスに分割され、可干渉な時間差を有する2連光子パルスとして光ファイバ通信路に導かれる。
2連光子パルスのうち、先行する第1の光子パルスは、ビームスプリッタから直に偏光ビームスプリッタに進行した光子パルスであり、後続する第2の光子パルスは、位相変調器を経由して偏光ビームスプリッタに進行した光子パルスである。
第1の光子パルスは、偏光ビームスプリッタでのファイバ接続において、適切な偏光面のアラインメントを受けるので、偏光ビームスプリッタから光ファイバ通信路に出力される2連光子パルスは、互いに偏波面が直交している。
【0012】
また、量子送信装置は、ビームスプリッタ、アッテネータ、位相変調器、ファラディーミラー、光検出器、送信側制御手段および送信側データ処理手段を含み、光ファイバ通信路を通過して量子送信装置に到達した2連光子パルスは、ビームスプリッタでそれぞれ分割され、一方の光子パルスは光検出器に導かれる。
光検出器は、導入された光子パルスを電気信号に変換して送信側制御手段に伝送し、これにより、送信側制御手段は受信側制御手段と同期する。
【0013】
量子送信装置内のビームスプリッタで分割された他方の光子パルスは、アッテネータおよび位相変調器を通過し、ファラディーミラーで偏光面を直角に回転して反射される。
反射された2連光子パルスは、位相変調器、アッテネータ、ビームスプリッタの順に通過して、再度光ファイバ通信路に導かれる。
【0014】
このとき、送信側制御手段は、送信側データ処理手段が出力した第1の乱数に応じて、第2の光子パルスのみに対して、位相変調器を用いて位相変調をかける。また、アッテネータは、第2の光子パルスの光子数が「1」を越えないように調整されている。
【0015】
光ファイバ通信路を通過して量子受信装置に帰還した2連光子パルスのうち、第1の光子パルスは、偏光ビームスプリッタを反射して、位相変調器を通る光路に導かれ、第2の光子パルスは、偏光ビームスプリッタを通過して、直にビームスプリッタに向かう光路に導かれる。
第1の光子パルスは、位相変調器を通過する際に、受信側データ処理手段の出力した第2の乱数に応じて、受信側制御手段により位相変調がかけられ、位相変調を受けた後、ビームスプリッタに向かう。
【0016】
このように、第2の従来装置においては、2連光子パルスのそれぞれの全光路長がビームスプリッタにおいて等しくなるので、2連光子パルスが同時にビームスプリッタに到達して干渉を起こす。
この結果、光子パルスは、1対の光子検出器に排他的に導かれ、いずれか一方の光子検出器を発火する。
【0017】
以下、受信側制御手段は、1対の光子検出器のいずれが発火したかをビット情報に変換し、受信側データ処理手段に伝送する。
送信側および受信側の各データ処理手段は、上記の1パルス当たりの量子通信を、あらかじめ定めた回数だけ繰り返し実行した後、第1および第2の乱数と量子通信で伝送されたビット情報とから、公開通信路を介して、情報の一部を交換しつつ、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有する。
【0018】
なお、技術分野が異なるものの、送信装置内の光学系としてファラディー回転子を用い、非相反的に偏波面を回転するファラディー回転子を通して、光子パルスを反射して受信装置に帰還する通信装置も提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
また、受信装置から導入された光子パルスに対して、ファラディーミラーを用いて反射を施し、再び受信装置に帰還する通信装置も提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
【0019】
【特許文献1】
特表2000−511016号公報
【非特許文献1】
R.Ribordy,et.al.“Automated ‘plug & play’ quantum key distribution”(Electronics Letters,Vol.34,No.22,pp.2116−2117,1998)
【特許文献2】
特表2000−517499号公報
【特許文献3】
特開平5−241104号公報
【特許文献4】
特開2002−156615号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の量子暗号通信装置は以上のように、たとえば特許文献1のように非対称マッハツェンダ方式を用いた場合には、量子受信装置側で受信した光子パルスの偏波面を調整しなければならないという問題点があった。
この問題点は、光ファイバ通信路(最も普及しているシングルモードの光ファイバに代表される)の複屈折性によって、量子送信装置からの出力時には整った偏波面を有する光子パルスが、量子受信装置による受信時には完全にランダムな偏波面となってしまうことに起因し、且つ、量子受信装置側の非対称マッハツェンダ干渉計が一般に偏波面依存性を有することから、干渉明瞭度の低下を招き、量子信号伝送のSN比が大きく低下してしまうことに起因している。
特に、非対称マッハツェンダ干渉計の重要な構成要素である位相変調器は、一般的に、電気光学結晶から構成されているので、複屈折性を有しており、偏波依存性を除去することは不可能である。
【0021】
また、たとえば非特許文献1または特許文献2のように、ファラディーミラー方式の従来の量子暗号通信装置は、光子パルスの繰返し周波数によって正しい量子通信の伝送が不可能になるため、光子パルスの繰返し周波数を自由に選択することができないという問題点があった。
この問題点は、同一の光路を光子パルスが往復することから、光子パルスの繰返し周波数の選択状態によって、往路の光子パルスと復路の光子パルスとが位相変調器の部位で重なるおそれがあり、復路の光子パルスのみに対して位相変調をかけるべきであるにもかかわらず、往路の光子パルスにも不本意な位相変調がかけられてしまうことに起因している。
【0022】
また、従来の量子暗号通信装置は、制御信号通信路の設置時に、制御信号通信路として光ファイバ通信路を用いない場合には、制御信号による量子送受信装置の同期・調歩動作を可能にするために、リアルタイム性のある公開通信路を用いるか、または専用通信路を敷設するなど、他の資源を別途用意しなければならないという問題点があった。
さらに、制御信号通信路として光ファイバ通信路を用いる場合は、量子通信と制御信号通信とを分離するために、同一波長帯を用いて時間領域で多重化すること、WDM(Wavelength Division Multiplex)を用いて波長領域で多重化すること、などの資源を費消せざるを得ず、コストアップを招くという問題点があった。
【0023】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、偏波面調整が不要で、繰返し周波数の選択が自由で、且つ、制御信号通信路用の資源を節減した安価な量子暗号通信装置および方法を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る量子暗号通信装置は、位相変調方式の量子暗号を伝送するための量子伝送路と、量子伝送路の送信側に設置された量子送信装置と、量子伝送路の受信側に設置された量子受信装置と、量子送信装置と量子受信装置とを結合して同期信号を含む制御信号を相互通信するための制御信号通信路とを備えた量子暗号通信装置であって、量子送信装置は、第1の偏光ビームスプリッタおよび第1の位相変調器を含む光路ループと、光路ループに関連して設置された非相反素子と、制御信号通信路を介して量子受信装置に接続され且つ第1の位相変調器を制御する送信側制御手段と、送信側制御手段に接続された送信側データ処理手段とを含み、量子受信装置は、量子伝送路に接続された第2の偏光ビームスプリッタと、第2の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに設置された量子出力手段と、第2の偏光ビームスプリッタの第2の偏光分離ポートに設置された第2の位相変調器を含む量子観測手段と、制御信号通信路を介して量子送信装置に接続され且つ第2の位相変調器を制御する受信側制御手段と、受信側制御手段に接続された受信側データ処理手段とを含み、量子受信装置は、量子出力手段から出力された光子パルスを、第2の偏光ビームスプリッタおよび量子伝送路を介して量子送信装置に伝送するとともに、量子送信装置内の非相反素子を介して反射され、量子伝送路を介して受信された光子パルスを、第2の偏光ビームスプリッタを介して量子観測手段に導き、量子受信装置内の量子出力手段および量子観測手段は、偏光ビームスプリッタの第1および第2の偏光分離ポートを介して、互いに分離配置され、量子送信装置内の非相反素子は、光路ループに導入された光子パルスの偏波面の回転を受けて反射を施すものである。
【0025】
また、この発明に係る量子暗号通信方法は、量子通信路を介して、量子送信装置と量子受信装置との間で量子暗号を含む光子パルス通信し、公開通信路を介して、量子送信装置内の送信側データ処理手段と量子受信装置内の受信側データ処理手段との間で秘密鍵を共有するとともに、制御信号通信路を介して、量子送信装置内の送信側制御手段と量子受信装置内の受信側制御手段との間で同期信号を含む制御信号を相互通信することにより、量子送信装置および量子受信装置を同期動作させる量子暗号通信方法であって、量子送信装置内の送信側データ処理手段から出力された第1の乱数に応じて、量子送信装置から量子受信装置に伝送される光子パルスを位相変調し、量子受信装置内の受信側データ処理手段から出力された第2の乱数に応じて、量子送信装置から量子受信装置に入力された光子パルスを位相変調し、量子受信装置に入力された光子パルスを1対の光子検出器で検出し、1対の光子検出器のいずれが発火したかを伝送ビット情報に変換して、受信側制御手段から受信側データ処理手段に伝送し、伝送ビット情報が受信側データ処理手段に取り込まれた後、送信側データ処理手段および受信側データ処理手段により秘密鍵を共有するために、量子受信装置から光子パルスを発生する光子発生ステップと、光子発生ステップにより発生した光子パルスを第1の非対称マッハツェンダ干渉計に導入して、可干渉且つ時間的に分離された2連の光子パルスにして出力する分離出力ステップと、分離出力ステップにより分離出力された2連の光子パルスを、量子通信路を介して量子送信装置に伝送する量子通信用の往路伝送ステップと、量子送信装置に到達した2連の光子パルスをアッテネートする第1減衰ステップと、第1減衰ステップによりアッテネートされた2連の光子パルスを第1の偏光ビームスプリッタで偏光分離し、第1の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに分離された2連の光子パルスの偏波面を、非相反的に直角にファラディー回転させる第1偏波回転ステップと、第1偏波回転ステップにより偏波回転された2連の光子パルスのうちの、後続する光子パルスのみに対して位相変調を施す第1位相変調ステップと、第1の偏光ビームスプリッタの第2の偏光分離ポートに分離された2連の光子パルスのうちの、後続する光子パルスのみに対して位相変調を施す第2位相変調ステップと、第2位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルスの偏波面を、非相反的に直角にファラディー回転させる第2偏波回転ステップと、第1位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルス、または、第2偏波回転ステップにより偏波回転された2連の光子パルスを、第1の偏光ビームスプリッタで再度合流し、合流後の2連の光子パルスのうちの後続する光子パルスの光子数が「1」を越えない光子レベル強度までアッテネートする第2減衰ステップと、第2減衰ステップによりアッテネートされた2連の光子パルスを、量子通信路を介して量子受信装置に伝送する量子通信用の復路伝送ステップと、量子受信装置に到達した2連の光子パルスを、量子受信装置内の第2の偏光ビームスプリッタに導入して、第2の非対称マッハツェンダ干渉計を含む量子観測手段に完全に導き、量子観測手段に導入された2連の光子パルスのうちの先行する光子パルスのみに対して位相変調を施す受信側の位相変調ステップと、受信側の位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルスを第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入して、分離、合流および干渉を起こさせる分離・合流・干渉ステップと、第2の非対称マッハツェンダ干渉計の出力側に設置された1対の光子検出器により、干渉後の光子パルスを検出する検出ステップとを備えたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1による量子暗号通信装置を示す構成図であり、光ファイバに基づく位相変調方式を用いた装置の全体構成を示している。
図1において、量子暗号通信装置は、送信側の量子送信装置100と、受信側の量子受信装置200と、量子送信装置100および量子受信装置200を相互接続するための量子伝送路となる光ファイバ通信路1と、公開通信路2および制御信号通信路3とにより構成されている。
【0027】
量子送信装置100および量子受信装置200は、量子として振舞う光子を伝送する光ファイバ通信路1と、LANやインターネットなどで代表される公開通信路2と、制御信号通信路3とを介して、相互に接続される。
制御信号通信路3としては、具体的には、光ファイバ通信路1または公開通信路2が用いられてもよい。
光ファイバ通信路1は、量子暗号を含む量子信号を伝送し、制御信号通信路3は、量子送信装置100および量子受信装置200を同期・調歩動作させるための制御信号を伝送する。
【0028】
量子送信装置100は、前述の特許文献3に記載された光学系と類似の構成を有しており、光ファイバ通信路1に一端が接続されたアッテネータ19と、アッテネータ19の他端の光路に接続された偏光ビームスプリッタ20と、偏光ビームスプリッタ20の2つの光路に個別に接続されたファラディー回転子21および位相変調器22と、位相変調器22を制御する送信側制御手段23と、送信側制御手段23に接続されて第1の乱数を出力する送信側データ処理手段24とを備えている。
【0029】
偏光ビームスプリッタ20、ファラディー回転子21および位相変調器22は、量子通信用の光子パルスに対する両回転方向の光路ループを構成している。
量子送信装置100は、量子受信装置200から導入された光子パルスを、光ファイバ通信路1およびアッテネータ19を介してファラディー回転子21に導入し、非相反的に偏波面を回転するファラディー回転子(非相反素子)21を通した後、再びアッテネータ19および光ファイバ通信路1を介して、量子受信装置200に向けて反射するようになっている。
【0030】
量子受信装置200は、光子発生器4と、光子発生器4の出力光路に配設されたビームスプリッタ5、6およびミラー7、8からなる第1の非対称マッハツェンダ干渉計と、第1の非対称マッハツェンダ干渉計の他端光路に配設された偏光ビームスプリッタ9と、偏光ビームスプリッタ9の反射光路に配設された位相変調器10と、位相変調器10の出力光路に配設されたビームスプリッタ11、12およびミラー13、14からなる第2の非対称マッハツェンダ干渉計と、第2の非対称マッハツェンダ干渉計の出力光路に配設された1対の光子検出器15、16と、光子検出器15、16の検出信号を取り込み光子発生器4および位相変調器10を制御する受信側制御手段17と、受信側制御手段17に接続されて第2の乱数を出力する受信側データ処理手段18とを備えている。
【0031】
量子受信装置200内の偏光ビームスプリッタ9は、光ファイバ通信路1を介して量子送信装置100内のアッテネータ19に接続され、受信側制御手段17は、制御信号通信路3を介して送信側制御手段23に接続され、受信側データ処理手段18は、公開通信路2を介して送信側データ処理手段24に接続されている。
【0032】
量子受信装置200内において、偏光ビームスプリッタ9は、2つの直交する偏波モードを分離し、偏光ビームスプリッタ9の通過側のポート(第1の偏光分離ポート)には、光子発生器4が接続され、偏光ビームスプリッタ9の反射側のポート(第2の偏光分離ポート)には、1対の光子検出器15、16が接続されている。
【0033】
次に、図1に示したこの発明の実施の形態1による量子暗号通信装置の動作について説明する。
受信側制御手段17は、制御信号通信路3を介した制御信号の相互通信により、量子送信装置100内の送信側制御手段23と同期・調歩動作する。
量子受信装置200内の光子発生器4は、受信側制御手段17が出力する同期信号に応じて、偏波面の揃った光子パルスを発生する。
【0034】
光子発生器4から発生した光子パルスは、第1の非対称マッハツェンダ干渉計に入光し、偏波面の揃った可干渉な時間差を有する2連光子パルスに分離され、偏光ビームスプリッタ9を通過して光ファイバ通信路1に導かれる。
ここで、2連光子パルスのうち、先行する第1の光子パルスは、ビームスプリッタ5から直にビームスプリッタ6に進行した光子パルスであり、他方の後続する第2の光子パルスは、ビームスプリッタ5で反射されてミラー7、8を通過する光子パルスである。
【0035】
なお、図1においては、第1の非対称マッハツェンダ干渉計の構成例として、ビームスプリッタ5、6と、ミラー7、8を用いたが、光平面導波路(PLC)を用いた構成例、または光ファイバを用いた構成例も存在し、特定の1つの構成例に特化されるものではない。
【0036】
量子受信装置200から光ファイバ通信路1に導かれた2連光子パルスは、量子送信装置100に導入され、量子送信装置100内のファラディー回転子21により偏波面を非相反的に直角に回転させられ、位相変調器22により第2の光子パルスが位相変調を受けた後、再び量子受信装置200に帰還してくる。
【0037】
量子受信装置200に帰還した2連光子パルスは、偏光ビームスプリッタ9で完全に反射されて、光子検出器15、16が配置された(第2の偏光分離ポート)に導かれる。
なぜなら、光ファイバ通信路1の一方の端点で入射された光は、他方の端点で非相反的に直角に偏波面の回転を受けて反射して帰還する場合に、途中の光路でいかなる複屈折性が存在したとしても、入射時点から直角に偏波面が回転した状態で帰還するからである。
【0038】
偏光ビームスプリッタ9で反射された2連光子パルスは、位相変調器10に入光する。このとき、位相変調器10は、受信側制御手段17の制御下で、受信側データ処理手段18が出力した第2の乱数に応じて、先行する第1の光子パルスのみに対して位相変調をかける。
【0039】
位相変調器10を通過した2連光子パルスは、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に入光する。このとき、第2の非対称マッハツェンダ干渉計は、先行する第1の光子パルスを、時間差を有する第1の2連光子パルス(すなわち、ビームスプリッタ11からビームスプリッタ12に直行する第1の先行光子パルスと、ミラー13、14を通過する第1の後続光子パルスと)に分割し、同様に、後続する第2の光子パルスを、時間差を有する第2の2連光子パルス(すなわち、ビームスプリッタ11からビームスプリッタ12に直行する第2の先行光子パルスと、ミラー13、14を通過する第2の後続光子パルスと)に分割する。
【0040】
ここで、各非対称マッハツェンダ干渉計で生じる各2連光子パルスの各時間差は、それぞれ同一となるように調整されている。
したがって、第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルスは、同時にビームスプリッタ12に到達して干渉を引き起こすことになる。
干渉を引き起こした光子パルスは、排他的に1対の光子検出器15、16のいずれか一方に導かれ、一方の光子検出器を発火する。
【0041】
受信側制御手段17は、光子検出器15、16のいずれが発火したかをビット情報に変換し、受信側データ処理手段18に伝送する。
受信側データ処理手段18は、第2の乱数と、量子通信で伝送されたビット情報とから、公開通信路2を用いて、量子送信装置100と情報の一部を交換しつつ、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有する。
【0042】
次に、量子送信装置100に注目しながら、具体的な動作について説明する。
量子受信装置200から光ファイバ通信路1を通過して量子送信装置100に導入された2連光子パルスは、量子送信装置100に到達した時点では、光ファイバ通信路1の有する複屈折性により偏波面が完全にランダムな状態になっている。
この状態で量子送信装置100に導入された2連光子パルスは、アッテネータ19で減衰された後、偏光ビームスプリッタ20により、それぞれ直交する2つの偏波モードに分離される。
【0043】
こうして、4つに分離された光子パルスのうち、時計回りに進行する2連光子パルスは、偏光ビームスプリッタ20を通過し、ファラディー回転子21で非相反的に偏波面を直角に回転させられて、位相変調器22を通過した後に、偏光ビームスプリッタ20に戻る。
また、4つに分離された光子パルスのうち、反時計回りに進行する2連光子パルスは、偏光ビームスプリッタ20で反射され、位相変調器22を通過後に、ファラディー回転子21で非相反的に偏波面を直角に回転させられて、偏光ビームスプリッタ20に戻る。
【0044】
このとき、位相変調器22は、送信側制御手段23の制御下で、送信側データ処理手段24が出力した第1の乱数に応じて、2連光子パルスのうち、後続する第2の光子パルスのみに対して、時計回りまたは反時計回りの進行方向に依存することなく、位相変調器22を通過する際に位相変調をかけている。
偏光ビームスプリッタ20に戻った4つの光子パルスは、分離合流するまでの光路長が、時計回りまたは反時計回りに依存せずに等しいので、再び2連光子パルスとなり、アッテネータ19に導入される。
ここで、アッテネータ19での光子レベル強度の減衰の大きさは、後続する第2の光子パルスの光子数が「1」を越えない強度となるように調整されている。
【0045】
こうして、再び光ファイバ通信路1に導入されて量子受信装置200に帰還した2連光子パルスは、前述した通り、偏光ビームスプリッタ9により完全に反射されて、光子検出器15、16が設置された第2の偏光分離ポートに導かれる。
以下、受信側制御手段17は、光子検出器15、16のいずれが発火したかをビット情報に変換して受信側データ処理手段18に伝送する。
上記の1パルス当たりの量子通信を、あらかじめ定めた回数だけ繰り返した後、送信側データ処理手段24および受信側データ処理手段18は、量子伝送路(光ファイバ通信路1)を介して秘匿性を保って伝送された情報と、公開通信路2を介して伝送された情報とを用いて秘匿性情報を共有する。すなわち、第1および第2の乱数と、量子通信で伝送されたビット情報とから、公開通信路2を用いて、情報の一部を交換しつつ、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有する。
【0046】
次に、図2のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による量子通信動作について、さらに具体的に説明する。
図2において、量子暗号通信装置の光子パルス(量子暗号)に関連した量子通信部の処理ステップは、光子パルスの発生ステップS1と、分離出力ステップS2と、量子受信装置200から量子送信装置100への量子通信用の往路伝送ステップS3と、送信側での第1減衰ステップS4と、第1偏波回転ステップS5と、第1位相変調ステップS6と、第2位相変調ステップS5aと、第2偏波回転ステップS6aと、第2減衰ステップS7と、量子送信装置100から量子受信装置200への量子通信用の復路伝送ステップS8と、受信側の位相変調ステップS9と、分離・合流・干渉ステップS10と、検出ステップS11とを含む。
【0047】
まず、量子受信装置200内の光子発生器4は、受信側制御手段17の制御下で光子パルスを発生する(光子発生ステップS1)。
このとき、光子パルスは、たとえばレーザパルスのように、パルス当たりの光子数がポアソン分布にしたがうように発生されてもよく、単一光子源を用いて、パルス当たり単一光子として発生されてもよい。
【0048】
光子発生器4から発生した光子パルスは、ビームスプリッタ5、6およびミラー7、8により構成される第1の非対称マッハツェンダ干渉計に導かれる。
第1の非対称マッハツェンダ干渉計に導入された光子パルスは、第1の非対称マッハツェンダ干渉計内において、光路長の異なる2つの光路に分離された後、再度合流して出力されることにより、光路差に応じた時間差を有する2連光子パルスとなる(分離出力ステップS2)。
【0049】
第1の非対称マッハツェンダ干渉計から出力された2連光子パルスは、先行する第1の光子パルスと後続する第2の光子パルスとにより構成され、偏光ビームスプリッタ9を通して、光ファイバ通信路1に導かれる。
光ファイバ通信路1に導入された2連光子パルスは、そのまま、量子送信装置100に伝送される(往路伝送ステップS3)。
【0050】
このとき、光ファイバ通信路1が有する複屈折性により、2連光子パルスの偏波面は、完全にランダムな状態になってしまう。
量子送信装置100に導入された2連光子パルスは、アッテネータ19を通過することによって、パルス当たりの光子数が減衰された後、偏光ビームスプリッタ20に導かれる(第1減衰ステップS4)。
【0051】
また、量子送信装置100に導入された2連光子パルスは、各偏光面がランダムなので、偏光ビームスプリッタ20において、時計回りで周回する光子パルスと反時計回りで周回する光子パルスとに分離された後、再び偏光ビームスプリッタ20で合流して2連光子パルスに戻る。
【0052】
すなわち、2連光子パルスのうちの反時計回りの光子パルスは、光路ループ内において、ファラディー回転子21および位相変調器22の順に通過し、ファラディー回転子21を通るときに、偏波面が非相反的に直角に回転させられる(第1偏波回転ステップS5)。
また、反時計回りの光子パルスは、ファラディー回転子21を通過した後、位相変調器22に導入され、位相変調器22を通過する際に、後続する第2の光子パルスに当たる光子パルスのみが位相変調を受ける(第1位相変調ステップS6)。
このときの位相変調の大きさは、送信側制御手段23により制御され、送信側データ処理手段24が出力した第1の乱数に応じて、制御信号通信路3を介して同期タイミングを調整しつつ位相変調をかけることによって決定される。
【0053】
一方、量子送信装置100に導入された2連光子パルスのうち、時計回りの光子パルスの場合は、光路ループ内において、位相変調器22およびファラディー回転子21の順に通過するので、先に第2位相変調ステップS5aを経た後に、第2偏波回転ステップS6aが実行される。
【0054】
なお、ファラディー回転子(非相反素子)21による非相反的な偏波面の回転とは、回転の向きが光子パルスの進行方向に依存しないことを意味する。
また、光路ループ内の位相変調器22において、反時計回りの光子パルスおよび時計回りの光子パルスのいずれに対しても、後続する第2の光子パルスのみに対して選択的に位相変調をかけるためには、偏光ビームスプリッタ20、ファラディー回転子21および位相変調器22を含む光路ループの光路長を、入射される2連光子パルスの時間差に相当する距離に比べて十分に短く設定すればよく、容易に実現することができる。
【0055】
偏光ビームスプリッタ20を介して、再び2連光子パルスに戻った光子パルスは、アッテネータ19を再度通過する。このとき、後続する第2の光子パルスの光子数が「1」を越えない程度まで、パルス当たりの光子レベル強度が減衰された後、光ファイバ通信路1に再び導入される(第2減衰ステップS7)。
【0056】
光ファイバ通信路1に再入射した2連光子パルスは、量子受信装置200に向かって帰還することになるが、このとき、2連光子パルスの偏波状態は、光ファイバ通信路1の有する複屈折性によって、再びランダムな変動を受ける。
しかし、光ファイバ通信路1に再入射した2連光子パルスの偏波面は、量子送信装置100内のファラディー回転子21により、非相反的に直角に回転を受けているので、光ファイバ通信路1の往路上で受けた偏波変動と、復路上で受けた偏波変動とが丁度打ち消し合うように作用する。
したがって、再導入された2連光子パルスが量子受信装置200内の偏光ビームスプリッタ9に到達する時点では、2連光子パルスの偏波面は、偏光ビームスプリッタ9から量子送信装置100に向かった往路時と比べて、正確に直角に回転している(復路伝送ステップS8)。
【0057】
このように、量子受信装置200に帰還した2連光子パルスは、偏波面が直角に回転しているので、偏光ビームスプリッタ9において完全に反射され、位相変調器10の設置された方向の出力ポート(第2の偏光分離ポート)に導かれ、位相変調器10を通過する際に、先行する第1の光子パルスのみが位相変調を受ける(受信側の位相変調ステップS9)。
このときの位相変調の大きさは、送信側制御手段17により制御され、受信側データ処理手段18が出力した第2の乱数に応じて、位相変調がかけられることによって決定される。
【0058】
2連光子パルスは、位相変調器10を通過後、ビームスプリッタ11、12およびミラー13、14により構成される第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導かれる。
第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入された2連光子パルスは、前述と同様に、それぞれ光路長の異なる2つの光路に分離された後、再度合流するので、4つの光子パルスに分かれることになる。
【0059】
すなわち、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入された2連光子パルスのうち、第1の(先行する)光子パルスは、ビームスプリッタ11からビームスプリッタ12に直行する第1の先行光子パルスと、ミラー13、14を通過する第1の後続光子パルスとに分離される。
同様に、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入された2連光子パルスのうち、第2の(後続する)光子パルスは、ビームスプリッタ11からビームスプリッタ12に直行する第2の先行光子パルスと、ミラー13、14を通過する第2の後続光子パルスとに分離される。
【0060】
上記4つの光子パルスは、ビームスプリッタ12で再び合流するが、光路長差により時間差が生じている。
ただし、第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルスについては、第2の非対称マッハツェンダ干渉計の光路長差を適切に調整することにより、ビームスプリッタ12に同時に到達するので、干渉を引き起こすことができる(分離・合流・干渉ステップS10)。
【0061】
ビームスプリッタ12における干渉の結果、第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルスの合流光子パルスは、光子検出器15または16の一方に排他的に導かれることになる。
合流光子パルスが光子検出器15、16のどちらに導かれるかは、第1位相変調ステップS6において第2の光子パルスが受けた位相変調と、受信側の位相変調ステップS9において第1の光子パルスが受けた位相変調との位相差により、確率的に決定される。ただし、上記各位相変調の位相差が「0」または「π」の場合には、合流光子パルスの導かれる光子検出器が確定する。
【0062】
こうして、光子検出器15、16には、第1の先行光子パルスと、合流光子パルス(第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルス)と、第2の後続光子パルスとがそれぞれ導かれる。
ここで、タイミングを調整することにより、合流光子パルスが導かれたときのみに、光子検出器15、16の一方を発火させることができる。
または、光子検出器15、16のいずれが発火してもよいが、受信側制御手段17により、合流光子パルスが導かれたタイミングの発火のみを有効とすることができる。
いずれにせよ、受信側制御手段17は、光子検出器15、16のどちらかが発火したかにより、「0」または「1」の量子通信ビット情報を定め、この量子通信ビット情報を受信側データ処理手段18に送る(検出ステップS11)。
【0063】
以上が量子通信部の光子パルス当たりの動作フローである。
上記量子通信動作は、あらかじめ定めた回数だけ繰り返し実行され、その後、送信側データ処理手段24および受信側データ処理手段18は、公開通信路2を用いて相互に情報交換をしつつ、第1および第2の乱数と量子通信ビット情報とから、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有する。
【0064】
このように、量子受信装置200内において、第1の非対称マッハツェンダ干渉計から出力されて第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入される光子パルスは、光ファイバ通信路1の有する任意の複屈折性に起因してランダムな偏波変動が生じても、光ファイバ通信路1の送信側端(量子送信装置100内のファラディー回転子21)で非相反的に直角に偏波面が回転されて往復することにより、ランダムな偏波変動が打ち消されることになる。
【0065】
したがって、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導かれた光子パルスは、偏光状態が自動的に完全に整えられているので、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に偏波無依存性が要求されることは全くなく、偏波依存性を有していたとしても、光子パルスの偏波面の調整が全く不要となる。
また、量子受信装置200内の光路において、光子出力器4から光ファイバ通信路1に至る光路と、光ファイバ通信路1から光子検出器15、16に至る光路とは、偏光ビームスプリッタ9によって完全に分離されているので、位相変調器10における光子パルスの流れは一方向に限定されており、光子パルスに対して不適切な位相変調がかけられるおそれは全くなく、光子パルス発生の繰返し周波数を自由に選択することができる。
【0066】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1参照)では、量子送信装置100において、量子受信装置200から導かれる光子パルスに対し、偏光ビームスプリッタ20を用いたループ状の光路を形成することにより、再び量子受信装置200に帰還するようにしたが、量子送信装置内に、前述の特許文献4に記載された光学系と類似の構成を設け、量子受信装置から導入された光子パルスに対してファラディーミラーを用いて再び量子受信装置に帰還するようにしてもよい。
【0067】
図3は量子送信装置100A内にファラディーミラー26を設けたこの発明の実施の形態2による量子暗号通信装置を示す構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
図3において、量子送信装置100Aは、アッテネータ19、偏光ビームスプリッタ20、位相変調器22、送信側制御手段23Aおよび送信側データ処理手段24Aに加えて、偏光ビームスプリッタ20を含むループ内に挿入された位相変調器22Aおよび偏光ビームスプリッタ25と、偏光ビームスプリッタ25の他端側に配設されたファラディーミラー26とを備えている。
【0068】
この場合、光ファイバ通信路1の量子送信側端においては、非相反的に直角に偏波面を回転するファラディーミラー26を通して光子パルスが反射される。
また、光ファイバ通信路1の量子受信側端(量子受信装置200)において、光子パルスは、前述と同様に、偏光ビームスプリッタ9により2つの直交する偏波モードに分離され、第1の偏光分離ポートを介して光子発生器4に導入され、第2の偏光分離ポートを介して光子検出器15、16に導入されている。
【0069】
次に、図3に示したこの発明の実施の形態2による量子暗号通信装置の動作について説明する。
量子受信装置200から、光ファイバ通信路1を介して量子送信装置100Aに伝送された2連光子パルスは、量子送信装置100A内のアッテネータ19で減衰された後、偏光ビームスプリッタ20により、直交する2つの偏波モードに分離される。
【0070】
量子送信装置100Aにおいて、偏光ビームスプリッタ20で分離された光子パルスは、それぞれ、位相変調器22Aに進行する2連光子パルスと、位相変調器22に進行する2連光子パルスとなり、他方の偏光ビームスプリッタ25で再び合流する。
合流した4つの光子パルスは、それぞれ、ファラディーミラー26で非相反的に偏波面を直角に回転して反射される。
【0071】
ファラディーミラー26で反射された光子パルスは、再び偏光ビームスプリッタ25に戻り、偏波モードに応じて分離される。
このとき、往路において位相変調器22Aを通過した2連光子パルスは、復路においては位相変調器22を通り、往路において位相変調器22を通過した2連光子パルスは、復路においては位相変調器22Aを通る。
また、送信側制御手段23Aは、位相変調器22A、22を制御し、送信側データ処理手段24Aが出力した第1の乱数に応じて、4つの光子パルスのうち、後続する第2の光子パルスに対してのみ、位相変調器22A、22を通過する際に位相変調をかけている。
【0072】
ファラディーミラー26で反射された後、偏光ビームスプリッタ20に戻った4つの光子パルスは、偏光ビームスプリッタ20で分離合流するまでの光路長が光路の違いによらず等しいので、再び2連光子パルスとなってアッテネータ19に向かう。なお、前述と同様に、アッテネータ19による減衰(減光)の大きさは、後続する第2の光子パルスの光子数が「1」を越えない強度となるように調整されている。
【0073】
再び光ファイバ通信路1に導入された2連光子パルスは、量子受信装置200に帰還し、前述と同様に、偏光ビームスプリッタ9により完全に反射されて、光子検出器15、16が設置された第2の偏光分離ポートに導かれ、位相変調器10に導入される。
このとき、位相変調器10は、受信側制御手段17の制御下で、受信側データ処理手段18が出力した第2の乱数に応じて、先行する第1の光子パルスのみに位相変調をかける。
【0074】
位相変調器10を通過した2連光子パルスは、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に入光し、先行する第1の光子パルスを第1の2連光子パルスに分割し、後続する第2の光子パルスを第2の2連光子パルスに分割する。
このとき、第1および第2の非対称マッハツェンダ干渉計で生じる各2連光子パルスの時間差は、それぞれ同一となるように調整されており、第1の後続光子パルスおよび第2の先行光子パルスは、同時にビームスプリッタ12に到達し、干渉を引き起こすことになる。
【0075】
以下、前述と同様に、干渉を引き起こした光子パルスは、2つの光子検出器15、16のいずれか一方に排他的に導かれて光子検出器を発火し、受信側制御手段17は、2つの光子検出器15、16のいずれが発火したかをビット情報に変換して、受信側データ処理手段18に伝送する。
上記の1パルス当たりの量子通信を、あらかじめ定めた回数だけ繰り返した後、送信側データ処理手段24Aおよび受信側データ処理手段18は、第1および第2の乱数と量子通信で伝送されたビット情報とから、公開通信路2を用いて、情報の一部を交換しつつ、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有する。
【0076】
このように、第1の非対称マッハツェンダ干渉計から出力して第2の非対称マッハツェンダ干渉計に至るまでの間に、光ファイバ通信路1の複屈折性に起因して生じる光子パルスのランダムな偏波変動は、光ファイバ通信路1の一端(量子送信装置100A)で非相反的に偏波面を直角に回転して往復することにより、打ち消し合うことになる。
したがって、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に至った光子パルスは、偏光状態が自動的に完全に整えられているので、第2の非対称マッハツェンダ干渉計に偏波無依存性が要求されることは全くなく、偏波依存性を有していたとしても、光子パルスの偏波面の調整が全く不要となる。
また、量子受信装置200内の光路において、光子出力器4から光ファイバ通信路1に至る光路と、光ファイバ通信路1から光子検出器15、16に至る光路とは、偏光ビームスプリッタ9よりに完全に分離されているので、位相変調器10での光子パルスの流れは一方向であり、光子パルスに対して不適切な位相変調がかけられることはなく、光子パルス発生の繰返し周波数を自由に選択することができる。
【0077】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、光ファイバ通信路1とは別に制御信号通信路3を設けたが、制御信号通信として量子通信と同一の波長帯を用いるとともに、量子通信では使用されなかった偏波モードを利用し、光ファイバ通信路を制御信号通信路として兼用してもよい。
図4は光ファイバ通信路を制御信号通信路として兼用したこの発明の実施の形態3による量子暗号通信装置を示す構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
【0078】
図4において、量子送信装置100Bと量子受信装置200Bとを結ぶ光ファイバ通信路1B(量子伝送路および制御信号通信路)は、量子通信用の通信路のみならず、制御信号通信路としても兼用するように機能する。すなわち、制御信号通として量子通信と同一の波長帯を用い、量子通信では使われなかったもう一方の偏波モードを利用することにより、光ファイバ通信路1Bを制御信号通信路として用いる。
【0079】
量子受信装置200Bは、光子発生器4、第1および第2の非対称マッハツェンダ干渉計、偏光ビームスプリッタ9、位相変調器10、光子検出器15、16、受信側制御手段17B、受信側データ処理手段18Bに加えて、偏光ビームスプリッタ9を通過した光パルスを検出する光検出器27と、制御用光パルスを出力するレーザ装置28と、受信側制御手段17Bの制御下で制御用光パルスの強度を変調する強度変調器29と、偏光ビームスプリッタ9と位相変調器10および強度変調器29との間に挿入されたサーキュレータ30と、偏光ビームスプリッタ9と第1の非対称マッハツェンダ干渉計および光検出器27との間に挿入されたサーキュレータ31とを備えている。
【0080】
量子送信装置100Bは、アッテネータ19、偏光ビームスプリッタ20と、ファラディー回転子21、位相変調器22、送信側制御手段23Bおよび送信側データ処理手段24Bに加えて、光ファイバ通信路1Bとアッテネータ19との間に挿入されたビームスプリッタ32および遅延ファイバ33と、ビームスプリッタ32の反射光路に挿入されたビームスプリッタ34と、ビームスプリッタ34の通過光路に配設された光検出器35と、ビームスプリッタ34の反射光路に挿入されたファラディーミラー36および強度変調器37とを備えている。
強度変調器37は、送信側制御手段23Bの制御下で、ファラディーミラー36から反射された制御用光パルスの強度を変調する。
【0081】
次に、図4に示したこの発明の実施の形態3による量子暗号通信装置の動作について説明する。
この場合、量子通信に関する動作は前述と同様なので、制御信号通信に関する動作に注目して説明する。
量子受信装置200Bにおいて、出力するレーザ装置28から出力される制御信号通信用の制御用光パルスの波長は、光子発生器4から出力される量子通信用の光子パルスと同一波長に設定することができる。
【0082】
レーザ装置28は、受信側制御手段17Bからの同期信号に同期して、制御用光パルスを発振して出力する。
レーザ装置28から出力された制御用光パルスは、強度変調器29を通り、受信側制御手段17Bからの制御信号に応じて強度変調を受ける。
強度変調を受けた制御用光パルスは、サーキュレータ30を介して、偏光ビームスプリッタ9と位相変調器10とを結ぶ光路に接続され、偏光ビームスプリッタ側9に導かれる。
【0083】
偏光ビームスプリッタに導入された制御用光パルスは、光ファイバ通信路1Bに導かれて量子送信装置100Bに伝送され、量子送信装置100B内のビームスプリッタ32により2つの光パルスに分岐される。
このうち、ビームスプリッタ32を通過してアッテネータ19に導かれる光パルスは、再び量子送信装置100Bから出力されるときには十分に減衰しており、制御用光パルスとして機能しないので、無視することができる。
なお、このとき、遅延ファイバ33は、制御用光パルスと量子通信用(被制御用)の光子パルスとの間に十分な時間差を設けている。
【0084】
一方、ビームスプリッタ32で反射されて、他方のビームスプリッタ34に導かれた制御用光パルスは、ビームスプリッタ34によりさらに2つに分岐され、ビームスプリッタ34を通過した一方の制御用光パルスは、光検出器35に導かれる。
光検出器35は、制御用光パルスが受けている強度変調を、強度的にもタイミング的にも識別できる程度の分解能を有しており、量子受信装置200Bからの制御用光パルスを電気信号に変換して送信側制御手段23Bに伝送する。
【0085】
ビームスプリッタ34で反射された他方の制御用光パルスは、強度変調器37を通過してファラディーミラー36に導かれ、ファラディーミラー36により偏波面を非相反的に直角に回転を受けた後、反射される。
ファラディーミラー36で反射された制御用光パルスは、強度変調器37を再び通過するが、このとき、送信側制御手段23Bからの制御信号に応じて強度変調を受ける。
強度変調を受けた制御用光パルスは、ビームスプリッタ34および32の順に通過し、再び光ファイバ通信路1Bに導かれて量子受信装置200Bに向かう。
【0086】
量子受信装置200Bに帰還した制御用光パルスは、偏光ビームスプリッタ9を完全に通過して、サーキュレータ31が配置された第1の偏光分離ポートに導かれ、光検出器27に入射する。このとき、量子受信装置200Bに導入された制御用光パルスは、光ファイバ通信路1Bの複屈折性による偏波変動を受けたとしても、最初に量子送信装置100Bに向かったときと比べて、直角に偏光面が回転しているので、偏光ビームスプリッタ9を完全に通過し、サーキュレータ31を介して光検出器27に導かれる。
光検出器27は、量子送信装置100B内の光検出器35と同様に、制御用光パルスが受けている強度変調を、強度的にもタイミング的にも識別できる程度の分解能を有しており、量子送信装置100Bからの制御用光パルスを電気信号に変換して受信側制御手段17Bに伝送する。
【0087】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態3による光ファイバ通信路1B(制御信号通信路)に関わる制御用光パルスの通信動作について、さらに具体的に説明する。
図5において、制御用光パルスに関連した制御信号通信部の処理ステップは、制御用光パルスの発生ステップS21と、受信側の強度変調ステップS22と、量子受信装置200Bから量子送信装置100Bへの制御用の往路伝送ステップS23と、送信側の光受信ステップS24と、偏波回転・反射ステップS24aと、送信側の強度変調ステップS25と、量子送信装置100Bから量子受信装置200Bへの制御用の復路伝送ステップS26と、受信側の光受信ステップS27とを含む。
【0088】
まず、量子受信装置200B内のレーザ装置28は、受信側制御手段17Bからの同期信号に同期して、制御用光パルスを発振して出力し、これを強度変調器29に導入する(光パルス発生ステップS21)。
強度変調器29に導かれた制御用光パルスは、受信側制御手段17Bからの制御信号に応じて、強度変調器29により強度変調が施される(受信側の強度変調ステップS22)。
強度変調を受けた制御用光パルスは、サーキュレータ30および偏光ビームスプリッタ9の順に通過して、光ファイバ通信路1Bに導かれる。
光ファイバ通信路1Bに導かれた制御用光パルスは、量子送信装置100Bに伝送される(往路伝送ステップS23)。
【0089】
量子送信装置100Bに到達した制御用光パルスのうちの一部は、ビームスプリッタ32で反射された後、ビームスプリッタ34によりさらに分割され、ビームスプリッタ34を通過した制御用光パルスは、光検出器35に入射され、光検出器35により電気信号に変換されて送信側制御手段23Bに伝送される(送信側の光受信ステップ24)。
【0090】
なお、ここでは詳述しないが、量子送信装置100Bに到達した量子通信用の光子パルスは、ビームスプリッタ32から遅延ファイバ33を通過した後、前述と同様に、アッテネータ19を介して、偏光ビームスプリッタ20を含む光路ループ内に導かれる。
このとき、遅延ファイバ33を通過することにより十分な時間差が生じているので、ループ内の位相変調器22は、量子通信を担う光子パルスに対して、完全に制御された位相変調をかけることができる。
【0091】
一方、量子送信装置100B内のビームスプリッタ32で反射されて、ビームスプリッタ34に導かれた制御用光パルスのうち、ビームスプリッタ34で反射された他の一部の制御用光パルスは、強度変調器37を通過して、ファラディーミラー36で偏波面を非相反的に直角に回転させられて反射される(偏波回転・反射ステップS24a)。
【0092】
ファラディーミラー36で反射された制御用光パルスは、再び強度変調器37に導かれ、強度変調器37により、送信側制御手段23Bからの制御信号に応じた強度変調を受ける(送信側の強度変調ステップS25)。
送信側の強度変調ステップS25で強度変調を受けた制御用光パルスは、ビームスプリッタ34および28の順に通過して、再び光ファイバ通信路1Bに導かれ、量子受信装置200Bに伝送される(復路伝送ステップS26)。
【0093】
このとき、復路伝送中の制御用光パルスは、光ファイバ通信路1Bの複屈折性によって偏波変動を受けるが、量子送信装置100B内のファラディーミラー36により、偏波面が非相反的に直角に回転させられているので、光ファイバ通信路1Bの往路と復路とで、偏波変動が丁度打ち消し合うことになる。
したがって、光ファイバ通信路1Bを往復して偏光ビームスプリッタ9に到達した制御用光パルスは、往路伝送ステップS23での初めの偏波状態から、丁度、偏波面が直角に回転した状態となる。
【0094】
このように、偏波面が直角に回転した状態で、量子受信装置200B内の偏光ビームスプリッタ9に到達した制御用光パルスは、完全に通過してサーキュレータ31の配設された第1の偏光分離ポートに導かれる。
サーキュレータ31は、量子送信装置100Bから帰還してきた制御用光パルスを光検出器27に導き、光検出器27は、制御用光パルスに付加された量子送信装置100Bの制御信号を、電気信号に変換して受信側制御手段17Bに伝送される(受信側の光受信ステップS27)。
【0095】
このように、量子送信装置100Bおよび量子受信装置200Bは、光ファイバ通信路1Bを用いて制御信号を相互に通信することができる。
したがって、制御信号通信路として別に専用線を設ける必要がなく、また、インターネットに代表される公開通信路を用いることもないので、リアルタイム性のある制御信号の相互通信を実現することができる。
また、制御信号通信として、量子通信に用いる波長と同一波長を用いているので、WDM通信などに用いる波長領域の通信資源を費消することもない。
さらに、偏波モードによって量子通信と制御信号通信とを分離することができるので、TDMA(Time Division Multiple Access)などに用いる時間領域の通信資源も費消しないで済む。
【0096】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、位相変調方式の量子暗号を伝送するための量子伝送路と、量子伝送路の送信側に設置された量子送信装置と、量子伝送路の受信側に設置された量子受信装置と、量子送信装置と量子受信装置とを結合して同期信号を含む制御信号を相互通信するための制御信号通信路とを備えた量子暗号通信装置であって、量子送信装置は、第1の偏光ビームスプリッタおよび第1の位相変調器を含む光路ループと、光路ループに関連して設置された非相反素子と、制御信号通信路を介して量子受信装置に接続され且つ第1の位相変調器を制御する送信側制御手段と、送信側制御手段に接続された送信側データ処理手段とを含み、量子受信装置は、量子伝送路に接続された第2の偏光ビームスプリッタと、第2の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに設置された量子出力手段と、第2の偏光ビームスプリッタの第2の偏光分離ポートに設置された第2の位相変調器を含む量子観測手段と、制御信号通信路を介して量子送信装置に接続され且つ第2の位相変調器を制御する受信側制御手段と、受信側制御手段に接続された受信側データ処理手段とを含み、量子受信装置は、量子出力手段から出力された光子パルスを、第2の偏光ビームスプリッタおよび量子伝送路を介して量子送信装置に伝送するとともに、量子送信装置内の非相反素子を介して反射され、量子伝送路を介して受信された光子パルスを、第2の偏光ビームスプリッタを介して量子観測手段に導き、量子受信装置内の量子出力手段および量子観測手段は、偏光ビームスプリッタの第1および第2の偏光分離ポートを介して、互いに分離配置され、量子送信装置内の非相反素子は、光路ループに導入された光子パルスの偏波面の回転を受けて反射を施すので、偏波面調整が不要で、繰返し周波数の選択が自由で、且つ、制御信号通信路用の資源を節減した安価な量子暗号通信装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による量子暗号通信装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による動作(量子暗号通信方法)を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2による量子暗号通信装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3による量子暗号通信装置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態3による動作(量子暗号通信方法)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、1B 光ファイバ通信路(量子伝送路)、2 公開通信路、3 制御信号通信路、4 光子発生器、5〜8 第1の非対称マッハツェンダ干渉計、9、20、25 偏光ビームスプリッタ、10、22、22A 位相変調器、11〜14 第2の非対称マッハツェンダ干渉計、15、16 光子検出器、17、17B 受信側制御手段、18、18B 受信側データ処理手段、19 アッテネータ、21 ファラディー回転子、23、23A、23B 送信側制御手段、24、24A、24B 送信側データ処理手段、26、36 ファラディーミラー、27、35 光検出器、28 レーザ装置、29、37 強度変調器、30、31 サーキュレータ、32、34 ビームスプリッタ、33 遅延ファイバ、100、100A、100B 量子送信装置、200、200B 量子受信装置、S1 光子発生ステップ、S2 分離出力ステップ、S3 量子通信用の往路伝送ステップ、S4 第1減衰ステップ、S5 第1偏波回転ステップ、S6 第1位相変調ステップ、S5a 第2位相変調ステップ、S6a 第2偏波回転ステップ、S7 第2減衰ステップ、S8 量子通信用の復路伝送ステップ、S9受信側の位相変調ステップ、S10 分離・合流・干渉ステップ、S11 検出ステップ、S21 光パルス発生ステップ、S22 受信側の強度変調ステップ、S23 制御用の往路伝送ステップ、S24 送信側の光受信ステップ、S24a 偏波回転・反射ステップ、S25 送信側の強度変調ステップ、S26制御用の復路伝送ステップ、S27 受信側の光受信ステップ。

Claims (13)

  1. 位相変調方式の量子暗号を伝送するための量子伝送路と、
    前記量子伝送路の送信側に設置された量子送信装置と、
    前記量子伝送路の受信側に設置された量子受信装置と、
    前記量子送信装置と前記量子受信装置とを結合して同期信号を含む制御信号を相互通信するための制御信号通信路と
    を備えた量子暗号通信装置であって、
    前記量子送信装置は、
    第1の偏光ビームスプリッタおよび第1の位相変調器を含む光路ループと、
    前記光路ループに関連して設置された非相反素子と、
    前記制御信号通信路を介して前記量子受信装置に接続され且つ前記第1の位相変調器を制御する送信側制御手段と、
    前記送信側制御手段に接続された送信側データ処理手段とを含み、
    前記量子受信装置は、
    前記量子伝送路に接続された第2の偏光ビームスプリッタと、
    前記第2の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに設置された量子出力手段と、
    前記第2の偏光ビームスプリッタの第2の偏光分離ポートに設置された第2の位相変調器を含む量子観測手段と、
    前記制御信号通信路を介して前記量子送信装置に接続され且つ前記第2の位相変調器を制御する受信側制御手段と、
    前記受信側制御手段に接続された受信側データ処理手段とを含み、
    前記量子受信装置は、
    前記量子出力手段から出力された光子パルスを、前記第2の偏光ビームスプリッタおよび前記量子伝送路を介して前記量子送信装置に伝送するとともに、
    前記量子送信装置内の前記非相反素子を介して反射され、前記量子伝送路を介して受信された光子パルスを、前記第2の偏光ビームスプリッタを介して前記量子観測手段に導き、
    前記量子受信装置内の前記量子出力手段および前記量子観測手段は、前記偏光ビームスプリッタの前記第1および第2の偏光分離ポートを介して、互いに分離配置され、
    前記量子送信装置内の前記非相反素子は、前記光路ループに導入された光子パルスの偏波面の回転を受けて反射を施すことを特徴とする量子暗号通信装置。
  2. 前記量子出力手段は、
    前記受信側制御手段の制御下で光子パルスを出力する光子発生器と、
    前記第2の偏光ビームスプリッタの前記第1の偏光分離ポートと前記光子発生器との間に設置された第1の非対称マッハツェンダ干渉計とにより構成され、
    前記量子観測手段は、
    前記第2の位相変調器を介して前記第2の偏光分離ポートに接続された第2の非対称マッハツェンダ干渉計と、
    前記第2の非対称マッハツェンダ干渉計を通した光子パルスを受光する光子検出器とにより構成され、
    前記光子発生器から出力された光子パルスは、前記第1の非対称マッハツェンダ干渉計を介して前記第2の偏光ビームスプリッタに伝送され、
    前記第2の偏光ビームスプリッタは、前記量子送信装置から入力された光子パルスを、前記第2の位相変調器および前記第2の非対称マッハツェンダ干渉計を介して、前記光子検出器に導くことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  3. 前記光子検出器は、前記第2の非対称マッハツェンダ干渉計を通した光子パルスを排他的に受光する1対の光子検出器により構成され、
    前記受信側データ処理手段は、前記1対の光子検出器から前記受信側制御手段に入力された電気信号をデジタルデータに変換し、
    前記量子出力手段は、前記光子発生器から出力された光子パルスを、前記第1の非対称マッハツェンダ干渉計を介して2連の光子パルスとして出力し、
    前記2連の光子パルスは、特定の偏波面を有し、可干渉且つ時間的に前後して出力され、
    前記第1および第2の非対称マッハツェンダ干渉計の各光路差は、前記第1および第2の非対称マッハツェンダ干渉計で生じる各2連の光子パルスの各時間差がそれぞれ同一となるように、互いに同一に設定されたことを特徴とする請求項2に記載の量子暗号通信装置。
  4. 前記送信側データ処理手段は、第1の乱数を出力し、
    前記送信側制御手段は、前記第1の乱数に応じて前記第1の位相変調器を制御することにより、前記第1の位相変調器に入力される2連の光子パルスのうちの後続する光子パルスのみを位相変調し、
    前記受信側データ処理手段は、第2の乱数を出力し、
    前記受信側制御手段は、
    前記第2の乱数に応じて前記第2の位相変調器を制御することにより、前記量子観測手段に入力される2連の光子パルスのうちの先行する光子パルスのみを位相変調するとともに、
    前記1対の光子検出器のいずれが発火したかを示す伝送ビット情報を前記受信側データ処理手段に入力することを特徴とする請求項3に記載の量子暗号通信装置。
  5. 前記光路ループの光路長は、前記第1の非対称マッハツェンダ干渉計を介して分離された2連の光子パルスの時間差に相当する距離よりも短く設定されたことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  6. 前記制御信号通信路は、前記量子伝送路により兼用構成され、
    前記量子受信装置は、
    制御用光パルスを前記制御信号として出力するレーザ装置と、
    受信側制御手段の制御下で前記制御用光パルスに対して強度変調を施すための受信側の強度変調器と、
    前記第2の偏光ビームスプリッタと前記量子観測手段との間に挿入され且つ前記受信側の強度変調器を介した制御用光パルスを前記第2の偏光ビームスプリッタに導く第1のサーキュレータと、
    前記第2の偏光ビームスプリッタと前記量子出力手段との間に挿入された第2のサーキュレータと、
    前記量子送信装置から入力された制御用光パルスを、前記第2のサーキュレータを介して受光する受信側の光検出器とを含み、
    前記受信側の光検出器は、前記第2のサーキュレータにより導かれた制御用光パルスを電気信号に変換して前記受信側制御手段に中継するための強度分解能を有し、
    前記レーザ装置から出力される制御用光パルスは、前記光子発生器からの光子パルスと同一波長を有し且つ特定の偏波面を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  7. 前記量子送信装置は、
    前記量子受信装置から入力された制御用光パルスを分離する第1のビームスプリッタと、
    前記第1のビームスプリッタの第1の分離ポートと前記光路ループとの間に挿入された遅延ファイバと、
    前記第1のビームスプリッタの第2の分離ポートに設置され、前記第1のビームスプリッタで分離された制御用光パルスをさらに分離する第2のビームスプリッタと、
    前記第2のビームスプリッタの第1の分離ポートに設置された送信側の光検出器と、
    前記第2のビームスプリッタの第2の分離ポートに設置された制御用のファラディーミラーと、
    前記制御用のファラディーミラーで反射された制御用光パルスに対して、前記送信側制御手段の制御下で強度変調を施すための送信側の強度変調器とを含み、前記送信側の光検出器は、前記量子受信装置から入力された制御用光パルスを電気信号に変換して前記送信側制御手段に中継するための強度分解能を有し、
    前記制御用のファラディーミラーは、前記第2のビームスプリッタで分離された制御用光パルスの偏波面を直角に回転して反射することを特徴とする請求項6に記載の量子暗号通信装置。
  8. 前記非相反素子は、前記光路ループ内に挿入されたファラディー回転子により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  9. 前記光路ループは、
    前記第1の偏光ビームスプリッタの対向位置に挿入された第3の偏光ビームスプリッタと、
    前記第1の位相変調器の対向位置に挿入された第3の位相変調器とを含み、
    前記非相反素子は、前記第3の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに設置された量子通信用のファラディーミラーにより構成されたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  10. 前記送信側データ処理手段と前記受信側データ処理手段とを相互結合するための公開通信路とを備え、
    前記送信側データ処理手段および前記受信側データ処理手段は、前記量子伝送路を介して秘匿性を保って伝送された情報と、前記公開通信路を介して伝送された情報とを用いて、秘匿性が保証されたランダムな情報を共有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  11. 前記量子伝送路は、光ファイバ通信路により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の量子暗号通信装置。
  12. 量子通信路を介して、量子送信装置と量子受信装置との間で量子暗号を含む光子パルス通信し、
    公開通信路を介して、前記量子送信装置内の送信側データ処理手段と前記量子受信装置内の受信側データ処理手段との間で秘密鍵を共有するとともに、
    制御信号通信路を介して、前記量子送信装置内の送信側制御手段と前記量子受信装置内の受信側制御手段との間で同期信号を含む制御信号を相互通信することにより、前記量子送信装置および前記量子受信装置を同期動作させる量子暗号通信方法であって、
    前記量子送信装置内の送信側データ処理手段から出力された第1の乱数に応じて、前記量子送信装置から前記量子受信装置に伝送される光子パルスを位相変調し、
    前記量子受信装置内の受信側データ処理手段から出力された第2の乱数に応じて、前記量子送信装置から前記量子受信装置に入力された光子パルスを位相変調し、
    前記量子受信装置に入力された光子パルスを1対の光子検出器で検出し、
    前記1対の光子検出器のいずれが発火したかを伝送ビット情報に変換して、前記受信側制御手段から前記受信側データ処理手段に伝送し、
    前記伝送ビット情報が前記受信側データ処理手段に取り込まれた後、前記送信側データ処理手段および前記受信側データ処理手段により前記秘密鍵を共有するために、
    前記量子受信装置から光子パルスを発生する光子発生ステップと、
    前記光子発生ステップにより発生した光子パルスを第1の非対称マッハツェンダ干渉計に導入して、可干渉且つ時間的に分離された2連の光子パルスにして出力する分離出力ステップと、
    前記分離出力ステップにより分離出力された2連の光子パルスを、前記量子通信路を介して前記量子送信装置に伝送する量子通信用の往路伝送ステップと、
    前記量子送信装置に到達した2連の光子パルスをアッテネートする第1減衰ステップと、
    前記第1減衰ステップによりアッテネートされた2連の光子パルスを第1の偏光ビームスプリッタで偏光分離し、前記第1の偏光ビームスプリッタの第1の偏光分離ポートに分離された2連の光子パルスの偏波面を、非相反的に直角にファラディー回転させる第1偏波回転ステップと、
    前記第1偏波回転ステップにより偏波回転された2連の光子パルスのうちの、後続する光子パルスのみに対して位相変調を施す第1位相変調ステップと、
    前記第1の偏光ビームスプリッタの第2の偏光分離ポートに分離された2連の光子パルスのうちの、後続する光子パルスのみに対して位相変調を施す第2位相変調ステップと、
    前記第2位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルスの偏波面を、非相反的に直角にファラディー回転させる第2偏波回転ステップと、
    前記第1位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルス、または、前記第2偏波回転ステップにより偏波回転された2連の光子パルスを、前記第1の偏光ビームスプリッタで再度合流し、合流後の2連の光子パルスのうちの後続する光子パルスの光子数が「1」を越えない光子レベル強度までアッテネートする第2減衰ステップと、
    前記第2減衰ステップによりアッテネートされた2連の光子パルスを、前記量子通信路を介して前記量子受信装置に伝送する量子通信用の復路伝送ステップと、
    前記量子受信装置に到達した2連の光子パルスを、前記量子受信装置内の第2の偏光ビームスプリッタに導入して、第2の非対称マッハツェンダ干渉計を含む量子観測手段に完全に導き、前記量子観測手段に導入された2連の光子パルスのうちの先行する光子パルスのみに対して位相変調を施す受信側の位相変調ステップと、
    前記受信側の位相変調ステップにより位相変調された2連の光子パルスを前記第2の非対称マッハツェンダ干渉計に導入して、分離、合流および干渉を起こさせる分離・合流・干渉ステップと、
    前記第2の非対称マッハツェンダ干渉計の出力側に設置された1対の光子検出器により、干渉後の光子パルスを検出する検出ステップとを備えたことを特徴とする量子暗号通信方法。
  13. 前記量子通信路を前記制御信号通信路として兼用し、
    前記受信側制御手段が出力する同期信号に応じて、前記量子受信装置内のレーザ装置から制御用光パルスを発生する光パルス発生ステップと、
    前記受信側制御手段が出力する制御信号に応じて、前記レーザ装置から出力された制御用光パルスに対して強度変調を施す受信側の強度変調ステップと、
    前記受信側の強度変調ステップにより強度変調された制御用光パルスを、前記量子通信路を介して前記送信側制御手段に伝送する制御用の往路伝送ステップと、
    前記量子送信装置に到達した制御用光パルスを、送信側の光検出器で受信して電気信号に変換し、前記電気信号により前記同期信号を含む前記制御信号を前記送信側制御手段に伝送する送信側の光受信ステップと、
    前記量子送信装置に到達した制御用光パルスの偏波面を直角に回転して反射する偏波回転・反射ステップと、
    前記送信側制御手段が出力した制御信号に応じて、前記偏波回転・反射ステップにより反射された制御用光パルスに対して強度変調を施す送信側の強度変調ステップと、
    前記送信側の強度変調ステップにより強度変調された制御用光パルスを、前記量子通信路を介して前記量子受信装置に伝送する制御用の復路伝送ステップと、前記量子受信装置に帰還した制御用光パルスを、前記第2の偏光ビームスプリッタに導入して受信側の光検出器に完全に導き、前記受信側の光検出器により電気信号に変換して前記受信側制御手段に伝送する受信側の光受信ステップとを備えたことを特徴とする請求項12に記載の量子暗号通信方法。
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