JP2005012315A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】処理時間の短縮を図り、かつ、より一層ダイナミックレンジの拡大を図ることができ、しかも、フィールド毎に適正なカラー画像を得ることができるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】本発明のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子4と、固体撮像素子の駆動回路5、制御部8とを備えたものにおいて、少なくとも三成分を含む色信号のフレーム駆動期間を露光時間が互いに異なる第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて前記固体撮像素子から信号電荷が画像データとして読み出されるようにフィールド読み出し信号に基づき転送制御すると共に、第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子4と、固体撮像素子の駆動回路5、制御部8とを備えたものにおいて、少なくとも三成分を含む色信号のフレーム駆動期間を露光時間が互いに異なる第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて前記固体撮像素子から信号電荷が画像データとして読み出されるようにフィールド読み出し信号に基づき転送制御すると共に、第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイナミックレンジの拡大を図ることのできるデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラでは、再現できる明るさの幅(ダイナミックレンジ)に限界があり、再現できる領域よりも明るいところは真っ白に写り、一方、暗いところは真っ黒に写り、人間が目で見て認識できる領域よりも狭いので、白っぽいところは白トビし、暗いところは黒くつぶれる現象がある。
【0003】
そこで、デジタルカメラには、2枚の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1に開示のデジタルカメラでは、シャッタボタンの操作に応答して被写体の静止画を撮影するとき、露光時間の互いに異なる第1露光と第2露光とを行わせ、2フィールド転送により得られた静止画像を合成してダイナミックレンジの拡大を図る構成としている。
【0005】
この2フィールド転送方式によれば、白トビ、黒潰れの少ない合成画像を得ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−275044号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のものでは、2フィールド転送シーケンス処理に時間がかかり、かつ、フィールド毎に適正なカラー画像を得ることができないという不都合がある。また、ダイナミックレンジの拡大にも限度がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、処理時間の短縮を図り、かつ、より一層ダイナミックレンジの拡大を図ることができ、しかも、フィールド毎に適正なカラー画像を得ることができるデジタルカメラを提供することにある。
【0009】
ひいては、スミア現象の発生を抑制することのできるデジタルカメラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたものにおいて、
少なくとも三成分を含む色信号のフレーム駆動期間を露光時間が互いに異なる第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて前記固体撮像素子から信号電荷が画像データとして読み出されるようにフィールド読み出し信号に基づき転送制御すると共に、前記第1フィールドと前記第2フィールドと前記第3フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のデジタルカメラは、前記各フィールドの露光開始時点が前記フレーム駆動期間開始前の本露光期間の電子シャッタパルスの出力終了時点であり、各フィールド毎に露光終了時点がずらされていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のデジタルカメラは、前記第1フィールドの露光終了時点と前記第2フィールドの露光終了時点とが前記フィールド読み出し信号の出力開始時点であり、前記第3フィールドの露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたものにおいて、露光と転送とを交互にかつ露光時間を異ならせて少なくとも2回以上行うことにより第1フィールドの信号電荷と第2フィールドの信号電荷とが前記固体撮像素子から画像データとして読み出されるように露光とフィールド読み出し信号とを制御すると共に、少なくとも前記第1フィールドと前記第2フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載のデジタルカメラは、2回以上の露光と転送とを同一フィールドで実行することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載のデジタルカメラは、露光開始時点が電子シャッタパルスの出力終了時点であり、露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載のデジタルカメラは、前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードの設定を使用者が選択可能な操作ボタンを有することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載のデジタルカメラは、被写体の逆光条件を判定して逆光条件であると判定した時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードを自動的に実行することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載のデジタルカメラは、ストロボが発光禁止状態の時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードに切り換えられることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1において、1はメカニカルシャッタとしての絞りシャッタ、2はレンズユニット、3は光学系駆動部、4はCCD(固体撮像素子)、5はタイミングジェネレータ(駆動部)、6はCDS・A/D変換回路、7は画像処理IC回路、8はCPU(制御部)、9はストロボユニット、10はカメラの電源部である。
【0020】
絞りシャッタ1はAE制御により開放、小絞り、クローズの動作制御を行う。レンズユニット2はズーム・フォーカス機能を有する。光学系駆動部3は絞りシャッタ1とレンズユニット2とを駆動制御する。
【0021】
CCD4は、図2に示すように、R成分、G成分、B成分の信号電荷をそれぞれ蓄積する電荷蓄積素子R、G、Bと垂直転送CCD回路20と水平転送CCD回路21とを有する。
【0022】
CCD4は、R成分、G成分に対応する信号電荷蓄積素子が交互に水平方向に配列された水平信号電荷ラインH1と、G成分とB成分に対応する信号電荷蓄積素子が交互に水平方向に配列された水平信号電荷ラインH2とが交互に垂直方向に配列された電荷ラインからなっている。
【0023】
そのCCD4は、タイミングジェネレータ5によってインターレース走査され、第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて信号電荷が電荷蓄積素子R、G、Bから図2(A)、(B)、(C)に示すように読み出される。
【0024】
その図2において、(A)は第1フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、(B)は第2フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、(C)は第3フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、ハッチングで示した部分が読み出し中の電荷蓄積素子を示している。
【0025】
通常の偶数フィールドと奇数フィールドとを合成して1枚の画像を得るインターレース転送方式の1ライン飛び越し走査によるものでは、一方のフィールドが例えばR成分とG成分とから構成され、他方のフィールドがG成分とB成分とから構成されるため、1枚のフィールド画像のみでは、B成分又はR成分を欠くために、適正な色を有する一枚の静止画像を形成することが困難である。
【0026】
これに対して、この発明の実施の形態による2ライン飛び越し走査によるインターレース転送方式では、例えば、第1フィールドがR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とから構成され、第2フィールドがG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とから構成され、第3フィールドがR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とから構成され、各フィールドにR、G、Bの各成分が含まれるので、フィールド単位で適正な色を有する画像を形成できる。
【0027】
なお、ここでは、R成分、G成分、B成分の原色系の色成分を有するCCDについて述べたが、Y(イエロー)成分、M(マゼンタ)成分、C(シアン)成分、G(グリーン)成分の補色系の色成分を有するCCD4についても2ライン飛び越し転送方式を用いることができる。
【0028】
そのCCD4から読み出された信号電荷はCDS・A/D変換回路6に入力される。CDS・A/D変換回路6は、CDS回路6AとAGC回路6BとA/D変換回路6Cとを有する。
【0029】
CDS回路6Aは入力された信号に基づき相関二重サンプリング処理を実行し、AGC回路6Bはその相関二重サンプリング処理された信号のオートゲイン調整を行い、A/D変換回路6Cはその映像信号を画像データに変換する役割を果たす。
【0030】
その画像データは、画像処理IC処理回路7に入力される。画像処理IC回路7は入力処理回路11、広ダイナミックレンジ撮影処理部12、画像処理部13、制御部14からなっている。
【0031】
画像データは、入力処理回路11により所要の処理を施され、画像処理部13でデジタル的な画像処理が行われると共に画像圧縮技術を用いて記録データへの変換処理が行われる。また、その画像データは画像表示部23に出力され、画像表示部23の画面に静止画データが表示される。
【0032】
その画像処理部13、広ダイナミックレンジ撮影処理部12、入力処理回路11等の制御は制御部14を介して行われる。
【0033】
その画像データは、デジタル処理の際にアドレスデータバス15を介して画像データバッファメモリ16に一時保存され、圧縮処理された画像データは画像データ記録部17に記録され、必要に応じて通信系18’を介して外部に送信される。
【0034】
その光学系駆動部3、画像処理IC回路7、アドレスデータバス15、ストロボユニット9は、CPU8に接続されている。CPU8には操作系スイッチ18の操作情報が入力され、CPU8はアドレスデータバス15を介してプログラム用メモリ19との間で情報の授受を行うと共に、光学系駆動部3、画像処理IC回路7、ストロボユニット9の制御の他、その他の制御を実行する。CPU8はまた必要に応じて通信系18’と情報の授受を行い、画像データを送受する。
【0035】
その操作系スイッチ18は、静止画撮影時の第1レリーズ押しボタン、第2レリーズ押しボタン、AE撮影モード設定押しボタン、広ダイナミックレンジ撮影処理部12を広ダイナミックレンジ撮影モードに使用者が設定するための操作ボタン、その他スイッチからなる。
【0036】
次に、露光時間を異ならせてフィールド撮影した場合の広ダイナミックレンジの原理について説明する。
【0037】
ここでは、2フィールドに分けて露光時間を異ならせて撮影した場合について、図3を参照しつつ説明するが、3フィールドに分けて露光時間を異ならせて撮影した場合でも原理は同じである。
【0038】
図3に示すように、通常の撮影では、被写体の輝度分布P1に対してカメラの再現領域Q1が狭いときには、主要被写体Mに対する適正露光位置(通常撮影の適正露光量Ev)をN1とすると、CCD4の出力分布R1は、被写体の低輝度端側と被写体の高輝度端側とでクリップした状態となる。
【0039】
すなわち、被写体の輝度分布P1のうちカメラの再現領域Q1よりも低輝度端側の分布はその低輝度端部分に加算され、被写体の輝度分布P1のうちカメラの再現領域Q1よりも高輝度端側の分布はその高輝度端部分に加算される。
【0040】
従って、画像処理IC回路7による画像処理後の出力分布S1も同様に被写体の低輝度端側と被写体の高輝度端側とでクリップした状態となり、静止画像としては、黒つぶれでかつ白飛びの状態となる。
【0041】
これに対して、広ダイナミックレンジ撮影では、被写体の暗部を重視した撮影、すなわち、通常撮影の主要被写体Mの適正露光位置Evに対して露出補正(−αEv)に相当する分の露出補正を行うために通常撮影時の適正露光時間よりも露光時間を短く制御した撮影と、主要被写体Mの明部を重視した撮影、すなわち、通常撮影の主要被写体Mの適正露光位置Evに対して露出補正(βEv)に相当する分の露出補正を行うために通常撮影時の適正露光時間よりも露光時間を長く制御した撮影とが実行される。その暗部を重視した撮影においては、CCD4の出力分布R2はその低輝度端側でのクリップが避けられ、その明部を重視した撮影においては、CCD4の出力分布R3は高輝度端側でのクリップが避けられる。
【0042】
画像処理IC回路7は、その暗部を重視して撮影により得られた画像データと、明部を重視して撮影により得られた画像データとを判定し、合成処理することにより、その合成出力分布S2は低輝度端側から高輝度端側でクリップの少ない分布状態となり、結果として、黒つぶれが少なくてかつ白飛びも少ない静止画像を得ることができる。
【0043】
ここでは、2フィールドに分けて露光時間を異ならせて広ダイナミックレンジ撮影を行う場合について説明したが、3フィールドに分けて露光時間を異ならせて広ダイナミックレンジ撮影を行った場合には、更に広範囲のダイナミックレンジをカバーできることになる。その広ダイナミックレンジ撮影モードでの露光量の設定は、ユーザーが広ダイナミックレンジ撮影モードに設定するための操作ボタンを用いて適宜設定することができ、例えば、+1Ev、−1Evとすることができる。
【0044】
以下に、3フィールド転送方式による具体的実施例を図4、図5を参照しつつ説明する。
【0045】
(実施例1)
図4に示すように、CCD4の駆動モードのモニタリング駆動中に、電子シャッタ信号Xが出力され、CCD4の電荷蓄積素子R、G、Bに蓄積されていた電荷が掃き出される。ついで、CPU8は垂直同期信号VDに同期して、例えばストロボユニット9を駆動し、被写体を照明する。
【0046】
これにより、CCD4の駆動モードは被写体が本露光される本露光モードとなる。CCD4の駆動モードは、電子シャッタ信号Xの出力終了時点からフレーム駆動モードに移行する。画像IC処理回路7は、第1フィールドの露光時間T1、第2フィールドの露光時間T2、第3フィールドの露光時間T3が開始されるようにタイミングジェネレータ5を制御する。これらの各フィールドの露光終了時間はずらされており、第3フィールドの露光終了時間は絞りシャッタ1の閉成時点とされている。
【0047】
そして、画像処理IC回路7は、所定の露光時間T1の経過後に第1フィールド読み出し信号K1が出力されるようにタイミングジェネレータ5を制御し、第1フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、いったん例えば画像データバッファメモリ16に保存される。
【0048】
ついで、第2フィールド読み出し信号K2が出力されると、第2フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、同様に画像データバッファメモリ16に保存される。
【0049】
そして、第3フィールド読み出し信号K3が絞りシャッタ1の閉成と同時に出力されると、第3フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、同様に画像データバッファメモリ16に保存される。
【0050】
画像処理IC回路7の広ダイナミックレンジ撮影処理部12は、画像データバッファメモリ16に保存されている各フィールドの画像データを呼び出して画像を判定し、合成処理して画像表示部23に出力する。
【0051】
なお、この露光時間T1〜T3は、垂直同期信号VDの周期に律束されるが、CCD4の駆動周波数を切り換えることによりこの垂直同期信号VDによる制限を緩和することができる。例えば、駆動周波数を上昇させると、垂直同期信号VDの周期が短くなり、従って、露光時間T2、T3を短い露光時間に設定できる。
【0052】
この3フィールドインターレース転送方式のCCD4によれば、飽和信号量、感度、S/Nの各特性の改善を図ることができ、一度に垂直転送CCD回路20を流れる信号電荷量の減少を図ることもでき、結果的に飽和信号量の増加が可能となる。
【0053】
更に、このCCD4によれば、各フィールド共にR、G、Bの三成分が含まれているので、フィールド単位で1枚の適正なカラー画像として用いることができる。
【0054】
例えば、縦1500画素で横2000画素の300万画素のCCD4の場合、1フィールドは縦500画素で横2000画素の画像データとなり、最終的にはフィールド毎に縦480画素でかつ横640画素のVGAクラスの適正なカラー静止画像を得ることができる。
【0055】
なお、この実施例1では、絞りシャッタ1の開成中に第1フィールドの信号電荷と第2フィールドの信号電荷との採り込みを行うので、垂直信号転送CCD回路20にスミア成分が混入するおそれがあるが、画像処理IC回路7により第1フィールドの画像データに混入しているスミア成分と第2フィールドの画像データに混入しているスミア成分とを検出し、画像合成時にスミア成分が混入している画素部分については、第3フィールドの画像データのみを用いることにして、スミア成分の混入に伴う弊害を除去できる。
(実施例2)
この実施例2は、図5に示すように、CCD4の露光とフィールド転送とを交互に行うことにしたもので、電子シャッタ信号Xの出力信号時点から絞りシャッタ1の閉成に対応して出力されるフィールド読み出し信号K1’、K2’までの第1露光時間T4、第2露光時間T5を異ならせることにより、フィールドの画像データを得ることにしたものである。この実施例2では、図2(A)に示すように、同一のフィールド、例えば、第1フィールドのみを用いて画像データを採り込むようにしている。
【0056】
この実施例2によれば、絞りシャッタ1を閉じた時点で、信号電荷の採り込みを行うので、フィールド読み込みの際にスミア成分が混入することが防止される。
【0057】
例えば、夏の海辺のように、画角内に高輝度の被写体が存在すると、高輝度被写体からの反射光に起因する信号電荷が拡散に基づき、転送中にCCD4の垂直転送CCD回路20に流れ込む現象が生ずるが、この実施例2によれば、絞りシャッタ1を閉じてから信号電荷の転送を行うので、スミア現象の発生を防止できる。
【0058】
なお、この実施例2では、同一の第1フィールドのみについての信号電荷の採り込みについて説明したが、第1フィールドと第2フィールドとについて実行しても良く、2フィールド転送方式ではなく、3フィールド転送方式に適用しても良いが、信号電荷の採り込みに要する時間が長くなると、手ぶれによる画像劣化が生じることから、なるべくなら、2フィールド転送方式の採り込みとするのが望ましい。
【0059】
以上、発明の実施の形態では、撮影者が広ダイナミックレンジモードでの撮影を任意に選択できる構成としたが、プログラム用メモリ18’に被写体の逆光条件を判定して逆光条件であると判定した時にダイナミックレンジ拡大撮影モードが自動的に実行されるようにプログラムを組み込み、被写体の逆光条件の時に、ダイナミックレンジ拡大撮影モードを実行させても良いし、更にはストロボが発光禁止状態の時にダイナミックレンジ拡大撮影モードに自動的に切り換えられるようにプログラムを組んでも良い。
【0060】
なお、この逆光補正にダイナミックレンジ拡大撮影モードを適用した場合には、以下に説明する効果がある。
【0061】
すなわち、従来は、画角の中心部に対して周辺部の輝度が所定値以上の時には、逆光判定処理によってストロボを発光させ、逆光補正撮影を行い、これにより、例えば、窓辺に居る人物を撮影するような逆光撮影条件のときでも、人物を中心に撮影したときに人物が暗く写るという不具合を解消していたが、この従来の逆光補正では、人物の周囲が白トビし、特に窓の外の景色が写らないという不具合がある。
【0062】
これに対して、この広ダイナミックレンジ撮影モードでの撮影を実行すると、ストロボを用いることなく、逆光補正と同様の効果を得ることができるばかりでなく、窓の外の景色が白トビするのも防止できる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、3フィールド転送のインタレース方式のCCDを用いてダイナミックレンジの拡大を図ることにしたので、手ぶれによる画像劣化を生じることなく、かつ、処理速度も速くて従来に較べてより一層広範囲にダイナミックレンジを拡大できるという効果を奏する。
【0064】
請求項4ないし請求項6に記載の発明によれば、スミア成分の混入を防止しつつダイナミックレンジの拡大を図ることができるという効果を奏する。
【0065】
請求項7に記載の発明によれば、ダイナミックレンジの拡大及び拡大領域をカメラのユーザーが選択できるという効果を奏する。
【0066】
請求項8、請求項9に記載の発明によれば、逆光条件のときに逆光補正をでき、しかも、背景が白トビするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるデジタルカメラの回路の要部構成を示す図である。
【図2】本発明に係わるCCDの3フィールド読み出しの説明図で、(A)は第1フィールドの読み出しを示し、(B)は第2フィールドの読み出しを示し、(C)は第3フィールドの読み出しを示す図である。
【図3】広ダイナミックレンジ撮影の原理を説明するための説明図である。
【図4】本発明に係わる広大なミックレンジ撮影の一の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本発明に係わる広大なミックレンジ撮影の他の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
4…CCD(固体撮像素子)
5…タイミングジェネレータ(駆動回路)
7…画像処理IC回路
8…CPU(制御部)
12…広ダイナミックレンジ撮影処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイナミックレンジの拡大を図ることのできるデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラでは、再現できる明るさの幅(ダイナミックレンジ)に限界があり、再現できる領域よりも明るいところは真っ白に写り、一方、暗いところは真っ黒に写り、人間が目で見て認識できる領域よりも狭いので、白っぽいところは白トビし、暗いところは黒くつぶれる現象がある。
【0003】
そこで、デジタルカメラには、2枚の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1に開示のデジタルカメラでは、シャッタボタンの操作に応答して被写体の静止画を撮影するとき、露光時間の互いに異なる第1露光と第2露光とを行わせ、2フィールド転送により得られた静止画像を合成してダイナミックレンジの拡大を図る構成としている。
【0005】
この2フィールド転送方式によれば、白トビ、黒潰れの少ない合成画像を得ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−275044号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のものでは、2フィールド転送シーケンス処理に時間がかかり、かつ、フィールド毎に適正なカラー画像を得ることができないという不都合がある。また、ダイナミックレンジの拡大にも限度がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、処理時間の短縮を図り、かつ、より一層ダイナミックレンジの拡大を図ることができ、しかも、フィールド毎に適正なカラー画像を得ることができるデジタルカメラを提供することにある。
【0009】
ひいては、スミア現象の発生を抑制することのできるデジタルカメラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたものにおいて、
少なくとも三成分を含む色信号のフレーム駆動期間を露光時間が互いに異なる第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて前記固体撮像素子から信号電荷が画像データとして読み出されるようにフィールド読み出し信号に基づき転送制御すると共に、前記第1フィールドと前記第2フィールドと前記第3フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のデジタルカメラは、前記各フィールドの露光開始時点が前記フレーム駆動期間開始前の本露光期間の電子シャッタパルスの出力終了時点であり、各フィールド毎に露光終了時点がずらされていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のデジタルカメラは、前記第1フィールドの露光終了時点と前記第2フィールドの露光終了時点とが前記フィールド読み出し信号の出力開始時点であり、前記第3フィールドの露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載のデジタルカメラは、静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたものにおいて、露光と転送とを交互にかつ露光時間を異ならせて少なくとも2回以上行うことにより第1フィールドの信号電荷と第2フィールドの信号電荷とが前記固体撮像素子から画像データとして読み出されるように露光とフィールド読み出し信号とを制御すると共に、少なくとも前記第1フィールドと前記第2フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載のデジタルカメラは、2回以上の露光と転送とを同一フィールドで実行することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載のデジタルカメラは、露光開始時点が電子シャッタパルスの出力終了時点であり、露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載のデジタルカメラは、前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードの設定を使用者が選択可能な操作ボタンを有することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載のデジタルカメラは、被写体の逆光条件を判定して逆光条件であると判定した時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードを自動的に実行することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載のデジタルカメラは、ストロボが発光禁止状態の時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードに切り換えられることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1において、1はメカニカルシャッタとしての絞りシャッタ、2はレンズユニット、3は光学系駆動部、4はCCD(固体撮像素子)、5はタイミングジェネレータ(駆動部)、6はCDS・A/D変換回路、7は画像処理IC回路、8はCPU(制御部)、9はストロボユニット、10はカメラの電源部である。
【0020】
絞りシャッタ1はAE制御により開放、小絞り、クローズの動作制御を行う。レンズユニット2はズーム・フォーカス機能を有する。光学系駆動部3は絞りシャッタ1とレンズユニット2とを駆動制御する。
【0021】
CCD4は、図2に示すように、R成分、G成分、B成分の信号電荷をそれぞれ蓄積する電荷蓄積素子R、G、Bと垂直転送CCD回路20と水平転送CCD回路21とを有する。
【0022】
CCD4は、R成分、G成分に対応する信号電荷蓄積素子が交互に水平方向に配列された水平信号電荷ラインH1と、G成分とB成分に対応する信号電荷蓄積素子が交互に水平方向に配列された水平信号電荷ラインH2とが交互に垂直方向に配列された電荷ラインからなっている。
【0023】
そのCCD4は、タイミングジェネレータ5によってインターレース走査され、第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて信号電荷が電荷蓄積素子R、G、Bから図2(A)、(B)、(C)に示すように読み出される。
【0024】
その図2において、(A)は第1フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、(B)は第2フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、(C)は第3フィールドでの信号電荷の読み出しを示し、ハッチングで示した部分が読み出し中の電荷蓄積素子を示している。
【0025】
通常の偶数フィールドと奇数フィールドとを合成して1枚の画像を得るインターレース転送方式の1ライン飛び越し走査によるものでは、一方のフィールドが例えばR成分とG成分とから構成され、他方のフィールドがG成分とB成分とから構成されるため、1枚のフィールド画像のみでは、B成分又はR成分を欠くために、適正な色を有する一枚の静止画像を形成することが困難である。
【0026】
これに対して、この発明の実施の形態による2ライン飛び越し走査によるインターレース転送方式では、例えば、第1フィールドがR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とから構成され、第2フィールドがG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とから構成され、第3フィールドがR成分とG成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH1とG成分とB成分とが水平方向に交互に配列された水平信号電荷ラインH2とから構成され、各フィールドにR、G、Bの各成分が含まれるので、フィールド単位で適正な色を有する画像を形成できる。
【0027】
なお、ここでは、R成分、G成分、B成分の原色系の色成分を有するCCDについて述べたが、Y(イエロー)成分、M(マゼンタ)成分、C(シアン)成分、G(グリーン)成分の補色系の色成分を有するCCD4についても2ライン飛び越し転送方式を用いることができる。
【0028】
そのCCD4から読み出された信号電荷はCDS・A/D変換回路6に入力される。CDS・A/D変換回路6は、CDS回路6AとAGC回路6BとA/D変換回路6Cとを有する。
【0029】
CDS回路6Aは入力された信号に基づき相関二重サンプリング処理を実行し、AGC回路6Bはその相関二重サンプリング処理された信号のオートゲイン調整を行い、A/D変換回路6Cはその映像信号を画像データに変換する役割を果たす。
【0030】
その画像データは、画像処理IC処理回路7に入力される。画像処理IC回路7は入力処理回路11、広ダイナミックレンジ撮影処理部12、画像処理部13、制御部14からなっている。
【0031】
画像データは、入力処理回路11により所要の処理を施され、画像処理部13でデジタル的な画像処理が行われると共に画像圧縮技術を用いて記録データへの変換処理が行われる。また、その画像データは画像表示部23に出力され、画像表示部23の画面に静止画データが表示される。
【0032】
その画像処理部13、広ダイナミックレンジ撮影処理部12、入力処理回路11等の制御は制御部14を介して行われる。
【0033】
その画像データは、デジタル処理の際にアドレスデータバス15を介して画像データバッファメモリ16に一時保存され、圧縮処理された画像データは画像データ記録部17に記録され、必要に応じて通信系18’を介して外部に送信される。
【0034】
その光学系駆動部3、画像処理IC回路7、アドレスデータバス15、ストロボユニット9は、CPU8に接続されている。CPU8には操作系スイッチ18の操作情報が入力され、CPU8はアドレスデータバス15を介してプログラム用メモリ19との間で情報の授受を行うと共に、光学系駆動部3、画像処理IC回路7、ストロボユニット9の制御の他、その他の制御を実行する。CPU8はまた必要に応じて通信系18’と情報の授受を行い、画像データを送受する。
【0035】
その操作系スイッチ18は、静止画撮影時の第1レリーズ押しボタン、第2レリーズ押しボタン、AE撮影モード設定押しボタン、広ダイナミックレンジ撮影処理部12を広ダイナミックレンジ撮影モードに使用者が設定するための操作ボタン、その他スイッチからなる。
【0036】
次に、露光時間を異ならせてフィールド撮影した場合の広ダイナミックレンジの原理について説明する。
【0037】
ここでは、2フィールドに分けて露光時間を異ならせて撮影した場合について、図3を参照しつつ説明するが、3フィールドに分けて露光時間を異ならせて撮影した場合でも原理は同じである。
【0038】
図3に示すように、通常の撮影では、被写体の輝度分布P1に対してカメラの再現領域Q1が狭いときには、主要被写体Mに対する適正露光位置(通常撮影の適正露光量Ev)をN1とすると、CCD4の出力分布R1は、被写体の低輝度端側と被写体の高輝度端側とでクリップした状態となる。
【0039】
すなわち、被写体の輝度分布P1のうちカメラの再現領域Q1よりも低輝度端側の分布はその低輝度端部分に加算され、被写体の輝度分布P1のうちカメラの再現領域Q1よりも高輝度端側の分布はその高輝度端部分に加算される。
【0040】
従って、画像処理IC回路7による画像処理後の出力分布S1も同様に被写体の低輝度端側と被写体の高輝度端側とでクリップした状態となり、静止画像としては、黒つぶれでかつ白飛びの状態となる。
【0041】
これに対して、広ダイナミックレンジ撮影では、被写体の暗部を重視した撮影、すなわち、通常撮影の主要被写体Mの適正露光位置Evに対して露出補正(−αEv)に相当する分の露出補正を行うために通常撮影時の適正露光時間よりも露光時間を短く制御した撮影と、主要被写体Mの明部を重視した撮影、すなわち、通常撮影の主要被写体Mの適正露光位置Evに対して露出補正(βEv)に相当する分の露出補正を行うために通常撮影時の適正露光時間よりも露光時間を長く制御した撮影とが実行される。その暗部を重視した撮影においては、CCD4の出力分布R2はその低輝度端側でのクリップが避けられ、その明部を重視した撮影においては、CCD4の出力分布R3は高輝度端側でのクリップが避けられる。
【0042】
画像処理IC回路7は、その暗部を重視して撮影により得られた画像データと、明部を重視して撮影により得られた画像データとを判定し、合成処理することにより、その合成出力分布S2は低輝度端側から高輝度端側でクリップの少ない分布状態となり、結果として、黒つぶれが少なくてかつ白飛びも少ない静止画像を得ることができる。
【0043】
ここでは、2フィールドに分けて露光時間を異ならせて広ダイナミックレンジ撮影を行う場合について説明したが、3フィールドに分けて露光時間を異ならせて広ダイナミックレンジ撮影を行った場合には、更に広範囲のダイナミックレンジをカバーできることになる。その広ダイナミックレンジ撮影モードでの露光量の設定は、ユーザーが広ダイナミックレンジ撮影モードに設定するための操作ボタンを用いて適宜設定することができ、例えば、+1Ev、−1Evとすることができる。
【0044】
以下に、3フィールド転送方式による具体的実施例を図4、図5を参照しつつ説明する。
【0045】
(実施例1)
図4に示すように、CCD4の駆動モードのモニタリング駆動中に、電子シャッタ信号Xが出力され、CCD4の電荷蓄積素子R、G、Bに蓄積されていた電荷が掃き出される。ついで、CPU8は垂直同期信号VDに同期して、例えばストロボユニット9を駆動し、被写体を照明する。
【0046】
これにより、CCD4の駆動モードは被写体が本露光される本露光モードとなる。CCD4の駆動モードは、電子シャッタ信号Xの出力終了時点からフレーム駆動モードに移行する。画像IC処理回路7は、第1フィールドの露光時間T1、第2フィールドの露光時間T2、第3フィールドの露光時間T3が開始されるようにタイミングジェネレータ5を制御する。これらの各フィールドの露光終了時間はずらされており、第3フィールドの露光終了時間は絞りシャッタ1の閉成時点とされている。
【0047】
そして、画像処理IC回路7は、所定の露光時間T1の経過後に第1フィールド読み出し信号K1が出力されるようにタイミングジェネレータ5を制御し、第1フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、いったん例えば画像データバッファメモリ16に保存される。
【0048】
ついで、第2フィールド読み出し信号K2が出力されると、第2フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、同様に画像データバッファメモリ16に保存される。
【0049】
そして、第3フィールド読み出し信号K3が絞りシャッタ1の閉成と同時に出力されると、第3フィールドに対応する電荷蓄積素子R、G、Bの信号電荷が画像データとして読み出されて、画像処理IC回路7に採り込まれ、同様に画像データバッファメモリ16に保存される。
【0050】
画像処理IC回路7の広ダイナミックレンジ撮影処理部12は、画像データバッファメモリ16に保存されている各フィールドの画像データを呼び出して画像を判定し、合成処理して画像表示部23に出力する。
【0051】
なお、この露光時間T1〜T3は、垂直同期信号VDの周期に律束されるが、CCD4の駆動周波数を切り換えることによりこの垂直同期信号VDによる制限を緩和することができる。例えば、駆動周波数を上昇させると、垂直同期信号VDの周期が短くなり、従って、露光時間T2、T3を短い露光時間に設定できる。
【0052】
この3フィールドインターレース転送方式のCCD4によれば、飽和信号量、感度、S/Nの各特性の改善を図ることができ、一度に垂直転送CCD回路20を流れる信号電荷量の減少を図ることもでき、結果的に飽和信号量の増加が可能となる。
【0053】
更に、このCCD4によれば、各フィールド共にR、G、Bの三成分が含まれているので、フィールド単位で1枚の適正なカラー画像として用いることができる。
【0054】
例えば、縦1500画素で横2000画素の300万画素のCCD4の場合、1フィールドは縦500画素で横2000画素の画像データとなり、最終的にはフィールド毎に縦480画素でかつ横640画素のVGAクラスの適正なカラー静止画像を得ることができる。
【0055】
なお、この実施例1では、絞りシャッタ1の開成中に第1フィールドの信号電荷と第2フィールドの信号電荷との採り込みを行うので、垂直信号転送CCD回路20にスミア成分が混入するおそれがあるが、画像処理IC回路7により第1フィールドの画像データに混入しているスミア成分と第2フィールドの画像データに混入しているスミア成分とを検出し、画像合成時にスミア成分が混入している画素部分については、第3フィールドの画像データのみを用いることにして、スミア成分の混入に伴う弊害を除去できる。
(実施例2)
この実施例2は、図5に示すように、CCD4の露光とフィールド転送とを交互に行うことにしたもので、電子シャッタ信号Xの出力信号時点から絞りシャッタ1の閉成に対応して出力されるフィールド読み出し信号K1’、K2’までの第1露光時間T4、第2露光時間T5を異ならせることにより、フィールドの画像データを得ることにしたものである。この実施例2では、図2(A)に示すように、同一のフィールド、例えば、第1フィールドのみを用いて画像データを採り込むようにしている。
【0056】
この実施例2によれば、絞りシャッタ1を閉じた時点で、信号電荷の採り込みを行うので、フィールド読み込みの際にスミア成分が混入することが防止される。
【0057】
例えば、夏の海辺のように、画角内に高輝度の被写体が存在すると、高輝度被写体からの反射光に起因する信号電荷が拡散に基づき、転送中にCCD4の垂直転送CCD回路20に流れ込む現象が生ずるが、この実施例2によれば、絞りシャッタ1を閉じてから信号電荷の転送を行うので、スミア現象の発生を防止できる。
【0058】
なお、この実施例2では、同一の第1フィールドのみについての信号電荷の採り込みについて説明したが、第1フィールドと第2フィールドとについて実行しても良く、2フィールド転送方式ではなく、3フィールド転送方式に適用しても良いが、信号電荷の採り込みに要する時間が長くなると、手ぶれによる画像劣化が生じることから、なるべくなら、2フィールド転送方式の採り込みとするのが望ましい。
【0059】
以上、発明の実施の形態では、撮影者が広ダイナミックレンジモードでの撮影を任意に選択できる構成としたが、プログラム用メモリ18’に被写体の逆光条件を判定して逆光条件であると判定した時にダイナミックレンジ拡大撮影モードが自動的に実行されるようにプログラムを組み込み、被写体の逆光条件の時に、ダイナミックレンジ拡大撮影モードを実行させても良いし、更にはストロボが発光禁止状態の時にダイナミックレンジ拡大撮影モードに自動的に切り換えられるようにプログラムを組んでも良い。
【0060】
なお、この逆光補正にダイナミックレンジ拡大撮影モードを適用した場合には、以下に説明する効果がある。
【0061】
すなわち、従来は、画角の中心部に対して周辺部の輝度が所定値以上の時には、逆光判定処理によってストロボを発光させ、逆光補正撮影を行い、これにより、例えば、窓辺に居る人物を撮影するような逆光撮影条件のときでも、人物を中心に撮影したときに人物が暗く写るという不具合を解消していたが、この従来の逆光補正では、人物の周囲が白トビし、特に窓の外の景色が写らないという不具合がある。
【0062】
これに対して、この広ダイナミックレンジ撮影モードでの撮影を実行すると、ストロボを用いることなく、逆光補正と同様の効果を得ることができるばかりでなく、窓の外の景色が白トビするのも防止できる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、3フィールド転送のインタレース方式のCCDを用いてダイナミックレンジの拡大を図ることにしたので、手ぶれによる画像劣化を生じることなく、かつ、処理速度も速くて従来に較べてより一層広範囲にダイナミックレンジを拡大できるという効果を奏する。
【0064】
請求項4ないし請求項6に記載の発明によれば、スミア成分の混入を防止しつつダイナミックレンジの拡大を図ることができるという効果を奏する。
【0065】
請求項7に記載の発明によれば、ダイナミックレンジの拡大及び拡大領域をカメラのユーザーが選択できるという効果を奏する。
【0066】
請求項8、請求項9に記載の発明によれば、逆光条件のときに逆光補正をでき、しかも、背景が白トビするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるデジタルカメラの回路の要部構成を示す図である。
【図2】本発明に係わるCCDの3フィールド読み出しの説明図で、(A)は第1フィールドの読み出しを示し、(B)は第2フィールドの読み出しを示し、(C)は第3フィールドの読み出しを示す図である。
【図3】広ダイナミックレンジ撮影の原理を説明するための説明図である。
【図4】本発明に係わる広大なミックレンジ撮影の一の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本発明に係わる広大なミックレンジ撮影の他の実施例を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
4…CCD(固体撮像素子)
5…タイミングジェネレータ(駆動回路)
7…画像処理IC回路
8…CPU(制御部)
12…広ダイナミックレンジ撮影処理部
Claims (9)
- 静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたデジタルカメラにおいて、
少なくとも三成分を含む色信号のフレーム駆動期間を露光時間が互いに異なる第1フィールドと第2フィールドと第3フィールドとに分けて前記固体撮像素子から信号電荷が画像データとして読み出されるようにフィールド読み出し信号に基づき転送制御すると共に、前記第1フィールドと前記第2フィールドと前記第3フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とするデジタルカメラ。 - 前記各フィールドの露光開始時点が前記フレーム駆動期間開始前の本露光期間の電子シャッタパルスの出力終了時点であり、各フィールド毎に露光終了時点がずらされていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
- 前記第1フィールドの露光終了時点と前記第2フィールドの露光終了時点とが前記フィールド読み出し信号の出力開始時点であり、前記第3フィールドの露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
- 静止画取り込み時に、R成分とG成分とB成分との三成分からなる色信号又はY成分とM成分とC成分とG成分との四成分からなる色信号をフィールド毎に転送するインターレース転送方式の固体撮像素子と、該固体撮像素子の駆動回路とを備えたデジタルカメラにおいて、
露光と転送とを交互にかつ露光時間を異ならせて少なくとも2回以上行うことにより第1フィールドの信号電荷と第2フィールドの信号電荷とが前記固体撮像素子から画像データとして読み出されるように露光とフィールド読み出し信号とを制御すると共に、少なくとも前記第1フィールドと前記第2フィールドとに分けて入力された画像データを合成処理して画像を生成するダイナミックレンジ拡大撮影モードを有することを特徴とするデジタルカメラ。 - 2回以上の露光と転送とを同一フィールドで実行することを特徴とする請求項4に記載のデジタルカメラ。
- 露光開始時点が電子シャッタパルスの出力終了時点であり、露光終了時点がメカニカルシャッタの閉成時点であることを特徴とする請求項4に記載のデジタルカメラ。
- 前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードの設定を使用者が選択可能な操作ボタンを有することを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のデジタルカメラ。
- 被写体の逆光条件を判定して逆光条件であると判定した時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードを自動的に実行することを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のデジタルカメラ。
- ストロボが発光禁止状態の時に前記ダイナミックレンジ拡大撮影モードに切り換えられることを特徴とする請求項8に記載のデジタルカメラ。
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JP2003171792A JP2005012315A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | デジタルカメラ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009267555A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Seiko Epson Corp | 撮像装置、撮像方法 |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003171792A patent/JP2005012315A/ja active Pending
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